(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弁室が内側に設けられかつ前記弁室に向けて開口する弁ポートが設けられた弁本体と、前記弁ポートと間隔をあけて対向配置されかつ前記弁ポートの軸と同軸の駆動雌ネジが内周面に形成された筒状のホルダ部と、前記駆動雌ネジと対になる駆動雄ネジが外周面に形成され、前記駆動雌ネジに螺合されたロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向への移動により前記弁ポートに対して進退する弁体部と、前記ロータ軸に固定されたマグネットロータと、前記マグネットロータを回転させるモータ部と、を備えた電動弁において、
針金からなるコイル部及び前記コイル部の半径方向外向きに突出する爪部を一体に有するコイル部材と、
前記コイル部材のコイル部が螺合されかつ前記コイル部材がその回転により前記ホルダ部の軸方向に移動可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたガイドレールと、を備え、
前記ホルダ部の外周面における前記ガイドレールの両端部近傍には、前記コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たり該コイル部材の回転を規制するように形成されたストッパ当接面が設けられ、
前記コイル部材が前記マグネットロータの回転に伴って回転されかつ前記コイル部のいずれか一方の端部がそれに対応する前記ストッパ当接面に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向への前記マグネットロータの回転を規制するように前記コイル部材の爪部が当接される爪受部が、前記マグネットロータの内周面に一体に設けられ、
前記ストッパ当接面が、前記ガイドレールよりも前記ホルダ部の半径方向外側に延在して形成されて前記ガイドレールと連接されていることを特徴とする電動弁。
前記ホルダ部の一端部に、当該ホルダ部の半径方向に突出して形成され、前記ガイドレールに前記コイル部材を螺合する際に前記コイル部材の前記コイル部の一部を引っ掛けるための引掛突片が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動弁。
弁室が内側に設けられかつ前記弁室に向けて開口する弁ポートが設けられた弁本体と、前記弁ポートと間隔をあけて対向配置されかつ前記弁ポートの軸と同軸の駆動雌ネジが内周面に形成された筒状のホルダ部と、前記駆動雌ネジと対になる駆動雄ネジが外周面に形成され、前記駆動雌ネジに螺合されたロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向への移動により前記弁ポートに対して進退する弁体部と、前記ロータ軸に固定されたマグネットロータと、前記マグネットロータを回転させるモータ部と、を備えた電動弁において、
針金からなるコイル部及び前記コイル部の半径方向外向きに突出する爪部を一体に有するコイル部材と、
前記コイル部材のコイル部が螺合されかつ前記コイル部材がその回転により前記ホルダ部の軸方向に移動可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたガイド溝と、を備え、
前記ガイド溝の両端部が、前記コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たったときに該コイル部材の回転を規制するように前記ホルダ部の外周面内で途切れて形成され、
前記コイル部材が前記マグネットロータの回転に伴って回転されかつ前記コイル部のいずれか一方の端部がそれに対応する前記ガイド溝の端部に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向への前記マグネットロータの回転を規制するように前記コイル部材の爪部が当接される爪受部が、前記マグネットロータの内周面に設けられている
ことを特徴とする電動弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した電動弁800では、支持部材802のホルダ部821及び従動スライダ804により構成されるストッパ機構の構成が複雑であるので、製造コストの点で改善の余地があった。
【0011】
そこで、本発明は、より簡易な構成のストッパ機構を備えた電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、弁室が内側に設けられかつ前記弁室に向けて開口する弁ポートが設けられた弁本体と、前記弁ポートと間隔をあけて対向配置されかつ前記弁ポートの軸と同軸の駆動雌ネジが内周面に形成された筒状のホルダ部と、前記駆動雌ネジと対になる駆動雄ネジが外周面に形成され、前記駆動雌ネジに螺合されたロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向への移動により前記弁ポートに対して進退する弁体部と、前記ロータ軸に固定されたマグネットロータと、前記マグネットロータを回転させるモータ部と、を備えた電動弁において、針金からなるコイル部及び前記コイル部の半径方向外向きに突出する爪部を一体に有するコイル部材と、前記コイル部材のコイル部が螺合されかつ前記コイル部材がその回転により前記ホルダ部の軸方向に移動可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたガイドレールと、を備え、前記ホルダ部の外周面における前記ガイドレールの両端部近傍には、前記コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たり該コイル部材の回転を規制するように形成されたストッパ当接面が設けられ、前記コイル部材が前記マグネットロータの回転に伴って回転されかつ前記コイル部のいずれか一方の端部がそれに対応する前記ストッパ当接面に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向への前記マグネットロータの回転を規制するように前記コイル部材の爪部が当接される爪受部が、前記マグネットロータの内周面に一体に設けられ、前記ストッパ当接面が、前記ガイドレールより
も前記ホルダ部の半径方向外側に延在して形成されて前記ガイドレールと連接されていることを特徴とする電動弁である。
また、請求項2に記載された発明は、弁室が内側に設けられかつ前記弁室に向けて開口する弁ポートが設けられた弁本体と、前記弁ポートと間隔をあけて対向配置されかつ前記弁ポートの軸と同軸の駆動雌ネジが内周面に形成された筒状のホルダ部と、前記駆動雌ネジと対になる駆動雄ネジが外周面に形成され、前記駆動雌ネジに螺合されたロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向への移動により前記弁ポートに対して進退する弁体部と、前記ロータ軸に固定されたマグネットロータと、前記マグネットロータを回転させるモータ部と、を備えた電動弁において、針金からなるコイル部及び前記コイル部の半径方向外向きに突出する爪部を一体に有するコイル部材と、前記コイル部材のコイル部が螺合されかつ前記コイル部材がその回転により前記ホルダ部の軸方向に移動可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたガイドレールと、を備え、前記ホルダ部の外周面における前記ガイドレールの両端部近傍には、前記コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たり該コイル部材の回転を規制するように形成されたストッパ当接面が設けられ、前記コイル部材が前記マグネットロータの回転に伴って回転されかつ前記コイル部のいずれか一方の端部がそれに対応する前記ストッパ当接面に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向への前記マグネットロータの回転を規制するように前記コイル部材の爪部が当接される爪受部が、前記マグネットロータの内周面に一体に設けられ、
前記ストッパ当接面は、前記ホルダ部の外周面からの高さが、前記ガイドレールの高さと同じに形成されるとともに、前記ガイドレールと連接されていることを特徴とする電動弁である。
【0013】
請求項
3に記載された発明は、請求項
1又は2に記載された発明において、前記ストッパ当接面が、前記ホルダ部の半径方向及び軸方向に平行に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項
4に記載された発明は、請求項
1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記ホルダ部の一端部に、当該ホルダ部の半径方向に突出して形成され、前記ガイドレールに前記コイル部材を螺合する際に前記コイル部材の前記コイル部の一部を引っ掛けるための引掛突片が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項
5に記載された発明は、上記目的を達成するために、弁室が内側に設けられかつ前記弁室に向けて開口する弁ポートが設けられた弁本体と、前記弁ポートと間隔をあけて対向配置されかつ前記弁ポートの軸と同軸の駆動雌ネジが内周面に形成された筒状のホルダ部と、前記駆動雌ネジと対になる駆動雄ネジが外周面に形成され、前記駆動雌ネジに螺合されたロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向への移動により前記弁ポートに対して進退する弁体部と、前記ロータ軸に固定されたマグネットロータと、前記マグネットロータを回転させるモータ部と、を備えた電動弁において、針金からなるコイル部及び前記コイル部の半径方向外向きに突出する爪部を一体に有するコイル部材と、前記コイル部材のコイル部が螺合されかつ前記コイル部材がその回転により前記ホルダ部の軸方向に移動可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたガイド溝と、を備え、前記ガイド溝の両端部が、前記コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たったときに該コイル部材の回転を規制するように前記ホルダ部の外周面内で途切れて形成され、前記コイル部材が前記マグネットロータの回転に伴って回転されかつ前記コイル部のいずれか一方の端部がそれに対応する前記ガイド溝の端部に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向への前記マグネットロータの回転を規制するように前記コイル部材の爪部が当接される爪受部が、前記マグネットロータの内周面に設けられていることを特徴とする電動弁である。
【0017】
請求項
6に記載された発明は、請求項
5に記載された発明において、前記ガイド溝の両端部に、前記ホルダ部の半径方向及び軸方向に平行に形成されたストッパ当接面が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項
7に記載された発明は、請求項
5又は
6に記載された発明において、前記ホルダ部の一端部が、先細のテーパ形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項
8に記載された発明は、請求項
5〜
7のいずれか一項に記載された発明において、前記コイル部材が螺合可能なように前記ホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたコイル部材取付溝をさらに備え、前記コイル部材取付溝が、前記ガイド溝より前記ホルダ部の端部寄りに該ガイド溝と前記ホルダ部の軸方向に並べて設けられ、前記コイル部材取付溝の前記ガイド溝側の端部の端部が、前記ガイド溝の一方の端部と間隔をあけて近接して配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項
9に記載された発明は、請求項1〜
8のいずれか一項に記載された発明において、前記コイル部材の巻き数が、少なくとも1以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載された発明によれば、ホルダ部の外周面におけるガイドレールの両端部近傍には、コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たり該コイル部材の回転を規制するように形成されたストッパ当接面が設けられており、コイル部材がマグネットロータの回転に伴って回転されかつコイル部のいずれか一方の端部がそれに対応するストッパ当接面に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータの回転を規制するようにコイル部材の爪部が当接される爪受部が、マグネットロータの内周面に設けられている。そのため、コイル部材がマグネットロータの回転に伴って回転され、そして、コイル部材がガイドレールのいずれかの端部近傍のストッパ当接面に突き当たって回転を規制されると、マグネットロータが該回転の方向への回転を規制される。即ち、コイル部材とホルダ部の外周面に形成されたストッパ当接面とがストッパ機構として機能する。これにより、電動弁に備えられたストッパ機構の構成を簡易なものとすることができる。
また、ストッパ当接面が、ガイドレールよりホルダ部の半径方向外側に延在して形成されているので、コイル部材がストッパ当接面に突き当たることにより当該コイル部材のコイル部が半径方向に拡大するように変形してしまう事態が生じた場合でも、コイル部材がストッパ当接面を乗り越えてしまうことを抑えて、コイル部材がガイドレールから脱落してしまうことを抑制することができる。
【0022】
請求項
3に記載された発明によれば、ガイドレールの両端部近傍に設けられたストッパ当接面が、ホルダ部の半径方向及び軸方向に平行に形成されているので、コイル部材がいずれかのストッパ当接面に突き当たったときに確実に回転を規制することができる。
【0024】
請求項
4に記載された発明によれば、ホルダ部の一端部に、当該ホルダ部の半径方向に突出して形成された引掛突片が設けられているので、ホルダ部の外周面に一体に形成されたガイドレールにコイル部材を螺合する際に、コイル部材のコイル部の一部をこの引掛突片に引っ掛けて、コイル部の当該一部と径方向に対向する他の一部を引っ張ることによりコイル部を容易に拡径できる。そのため、拡径したコイル部の内側にホルダ部を挿入して、コイル部材を容易にガイドレールに螺合することができる。
【0025】
請求項
5に記載された発明によれば、コイル部材が螺合されるガイド溝の両端部が、コイル部材のコイル部のいずれか一方の端部が突き当たったときに該コイル部材の回転を規制するようにホルダ部の外周面内で途切れて形成されており、コイル部材がマグネットロータの回転に伴って回転されかつコイル部のいずれか一方の端部がそれに対応するガイド溝の端部に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータの回転を規制するようにコイル部材の爪部が当接される爪受部が、マグネットロータの内周面に設けられている。そのため、コイル部材がマグネットロータの回転に伴って回転され、そして、コイル部材がガイド溝のいずれかの端部に突き当たって回転を規制されると、マグネットロータが該回転の方向への回転を規制される。即ち、コイル部材とホルダ部の外周面に形成されたガイド溝とがストッパ機構として機能する。これにより、電動弁に備えられたストッパ機構の構成を簡易なものとすることができる。
【0026】
請求項
6に記載された発明によれば、ガイド溝の両端部に、ホルダ部の半径方向及び軸方向に平行に形成されたストッパ当接面が設けられているので、コイル部材がガイド溝のいずれかの端部に突き当たったときに確実に回転を規制することができる。
【0027】
請求項
7に記載された発明によれば、ホルダ部の一端部が、先細のテーパ形状に形成されているので、該ホルダ部の一端部をコイル部材の内側に挿入したとき、挿入が進むにつれてコイル部材の径が徐々に広がり、そのため、コイル部材をガイド溝に容易に螺合させることができる。これにより、簡易な構成で組立性を向上することができ、さらに製造コストを抑制することができる。
【0028】
請求項
8に記載された発明によれば、コイル部材が螺合可能なようにホルダ部の外周面に該ホルダ部と一体に形成されたコイル部材取付溝をさらに備え、コイル部材取付溝が、ガイド溝よりホルダ部の端部寄りに該ガイド溝とホルダ部の軸方向に並べて設けられ、コイル部材取付溝の一方の端部が、ガイド溝の一方の端部と間隔をあけて近接して配置されているので、まず、ホルダ部の端部寄りのコイル部材取付溝にコイル部材を螺合させ、コイル部材を回転させることによりコイル部材取付溝におけるガイド溝寄りの一方の端部まで移動させて、そして、ホルダ部の外周面におけるコイル部材取付溝の一方の端部とガイド溝の一方の端部とを仕切る箇所を乗り越えるようにコイル部材を拡径して、コイル部材の回転を進めることで、容易にガイド溝にコイル部材を螺合させることができる。これにより、例えば、ホルダ部の端部から離れた位置にガイド溝が設けられた構成においても、簡易な構成で組立性を向上することができ、さらに製造コストを抑制することができる。
【0029】
請求項
9に記載された発明によれば、コイル部材の巻き数が、少なくとも1以上であるので、コイル部材を確実にガイド溝又はガイドレールに螺合させることができ、そのため、コイル部材のガイド溝又はガイドレールからの脱落などを抑制して、簡易な構成でマグネットロータの回転を確実に規制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態の電動弁を、
図1〜
図9を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態の電動弁の縦断面図である。
図2は、
図1の電動弁が備える支持部材及びコイル部材の斜視図である。
図3は、
図2の支持部材のホルダ部の平面図である。
図4は、
図2のコイル部材の斜視図である。
図5は、
図1の電動弁の組立方法の一例を説明するホルダ部近傍の拡大正面図であって(a)は、ホルダ部の一端部に設けられた弁開上限ストッパ突起にコイル部材のコイル部の一部を引っ掛けた状態を示し、(b)は、(a)からコイル部を拡径して当該コイル部の内側にホルダ部を挿入した状態を示し、(c)は、(b)からさらに挿入を進めて、ホルダ部のガイドレールにコイル部材を螺合させた状態を示す。
図6は、
図1の電動弁が備えるマグネットロータの縦断面図である。
図7は、
図5のマグネットロータの断面斜視図である。
図8(a)は、
図1の電動弁における弁全開状態時のホルダ部近傍の正面図であり、(b)は、(a)の平面図である。
図9(a)は、
図1の電動弁における弁閉状態時のホルダ部近傍の背面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿う断面図である。なお、以下の説明における「上下」等の方向を示す概念は、
図1における方向に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0033】
この電動弁(図中、符号1で示す)は、
図1に示すように、弁本体10と、支持部材20と、ロータ軸30と、弁体部40と、コイル部材50と、ステッピングモータ60と、を備えている。
【0034】
弁本体10は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円筒形状に形成されている。弁本体10には、図中下方の端部を塞ぐように弁本体10に一体に形成された弁座部11が設けられている。弁座部11の中央には、弁ポート11aが開口されている。弁本体10は、内側に弁室12を形成している。
【0035】
弁本体10には、外周片側に冷媒などの流体の流路としての第1継手管13が接続され、この第1継手管13は弁室12に導通されている。また、弁座部11には、第2継手管14が接続され、この第2継手管14は弁ポート11aを介して弁室12に導通される。第1継手管13及び第2継手管14は、例えば、銅や真鍮などを材料として構成されており、弁本体10にろう付け等により固着されている。
【0036】
支持部材20は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの合成樹脂製の略円柱状のホルダ部21と、このホルダ部21の弁本体10寄りの端部にインサート成形により一体に設けられたステンレス製のフランジ部22と、を有している。支持部材20は、フランジ部22が弁本体10と後述するステッピングモータ60のステンレス製のケース61とに挟まれて互いに溶接等されることにより弁本体10に固着されている。
【0037】
ホルダ部21は、その軸心が弁ポート11aの軸を通る軸線Lに重なるように配置されている。ホルダ部21の中心には、当該ホルダ部21を貫通するように軸線L方向に並ぶネジ孔23とスライド孔24とが形成されている。ネジ孔23の内周面には、駆動雌ネジ23aが形成されており、後述するロータ軸30が螺合される。スライド孔24は、弁ポート11a寄りに配置され、ネジ孔23より大径に形成されている。スライド孔24には、後述する弁体部40が摺動移動可能に嵌合される。
【0038】
ホルダ部21には、
図2に示すように、その外周面21aに螺旋状の突条からなるガイドレール25が形成されている。ガイドレール25は、互いに隣接する巻回部分が間隔をあけて配置されている。ガイドレール25は、後述するコイル部材50のコイル部51が螺合され、コイル部材50が周方向に回転可能なように、コイル部51の各巻回部分を片側又は両側からガイドする。ガイドレール25は、その軸心が軸線Lと重なるように配置されている。本実施形態では、ホルダ部21の外周面21aの一部箇所が軸線L方向に面取りされている。これにより、ガイドレール25は、現実に連続した螺旋形状でなく、面取りされた箇所において仮想的に連続する螺旋形状に形成されている。このようにすることにより、ホルダ部21の樹脂成形における型抜きが容易になる。勿論、これに限定されるものではなく、ホルダ部21は、上述したような面取りのない円筒形状に形成され、ガイドレールが現実に連続した螺旋形状に形成されていてもよい。
【0039】
図3に示すように、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の弁ポート11a寄りの端部(下端部25a)近傍には、当該ガイドレール25の半径方向に突き出た弁閉下限ストッパ突起26が設けられ、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25aと反対側の端部(上端部25b)近傍には、当該ガイドレール25の半径方向に突き出した片状の弁開上限ストッパ突起27が設けられている。弁開上限ストッパ突起27は、ホルダ部21の端部(上端部21b)側の端面とガイドレール25の上端部25bとの間に配置されている。
【0040】
弁閉下限ストッパ突起26には、後述するコイル部材50がガイドレール25に案内されてその下端部25aに到達したときに、コイル部材50の爪部52が突き当たるように、ガイドレール25の下端部25aにおいて当該ガイドレール25と交わるように軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成された下限ストッパ面26aが設けられている。下限ストッパ面26aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されている。つまり、ストッパ当接面26aは、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25より高くなるように形成されている。下限ストッパ面26aはストッパ当接面に相当する。
【0041】
弁開上限ストッパ突起27には、後述するコイル部材50がガイドレール25に案内されてその上端部25bに到達したときに、コイル部材50のコイル部51の他端51bが突き当たるように、ガイドレール25の上端部25bにおいて当該ガイドレール25と交わるように軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成された上限ストッパ面27aが設けられている。上限ストッパ面27aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されている。つまり、上限ストッパ面27aは、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25より高くなるように形成されている。弁開上限ストッパ突起27は引掛突片に相当し、上限ストッパ面27aはストッパ当接面に相当する。
【0042】
本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成されているが、これに限定されるものではなく、コイル部材50のコイル部51の一端51a又は他端51bが突き当たったときに、コイル部材50の回転を規制する形状であれば、本発明の目的に反しない限り、これらの形状及び面の向きは任意である。また、本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25と同じに形成されていてもよく、本発明の目的に反しない限り、その形状及び大きさは任意である。
【0043】
また、本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25の下端部25a及び上端部25bにおいて当該ガイドレール25と交わっている(即ち、ガイドレール25と連接されている)が、これに限定されるものではない。例えば、これら下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25の下端部25a及び上端部25bと隙間をあけて設けられていてもよい。つまり、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25と接していてもよく又はガイドレール25との間に隙間が設けられていてもよく、本発明の目的に反しない限り、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、コイル部材50のコイル部51の一端51a又は他端51bが突き当たりコイル部材50の回転を規制するように、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25a及び上端部25b近傍に形成されていればよい。
【0044】
ロータ軸30は、
図1に示すように、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円柱棒状に形成されている。ロータ軸30の外周面の一部には駆動雄ネジ30aが形成されており、この駆動雄ネジ30aが、上述したホルダ部21の駆動雌ネジ23aに螺合されている。これにより、ロータ軸30は、その軸心が軸線Lに重なるように配置され、また、軸心を中心に回転されることによりネジ送り作用によって軸線L方向に移動される。即ち、ロータ軸30は、軸線Lと軸心が重なるように配置されかつ当該軸心を中心に回転されることにより軸線L方向に移動するように支持されている。本実施形態において、駆動雌ネジ23aと駆動雄ネジ30aは右ネジである。ロータ軸30の弁ポート11a寄りの端部には、後述する弁体部40を軸線Lを中心として回転可能に掛止するフランジ部31が設けられている。
【0045】
弁体部40は、弁ホルダ41と、弁体42と、ワッシャ43と、バネ受け44と、圧縮コイルバネ45と、を有している。
【0046】
弁ホルダ41は、上述したホルダ部21のスライド孔24の内径と略同一の外径となる円筒形状に形成されている。弁ホルダ41は、スライド孔24に摺動移動可能に嵌合され、これにより、弁ホルダ41は支持部材20により軸線L方向に移動可能に支持されている。
【0047】
弁体42は、ニードル形状にされており、このニードル形状の先端が弁ポート11aと対向するように弁ホルダ41における弁ポート11a側の端部(下端部41a)に固着されている。弁体42は、弁座部11との間隔を弁の最大開度から弁の最小開度(あるいは全閉状態)の間で加減されることによって流量の調節を行う。
【0048】
弁ホルダ41における弁ポート11a側と反対側の端部(上端部41b)には、ロータ軸30のフランジ部31が回転可能に掛止されている。具体的には、ロータ軸30のフランジ部31が、弁ホルダ41の上端部41bとの間にワッシャ43を挟み込み、このフランジ部31によりロータ軸30が弁ホルダ41の上端部41bで回転可能に引っ掛かっている。この掛かり合いにより、ロータ軸30によって弁ホルダ41が軸線L方向に移動可能でかつ軸線Lを中心として回転可能に支持されている。また、弁ホルダ41内には、バネ受け44が軸線L方向に移動可能に設けられている。バネ受け44と弁体42との間には圧縮コイルバネ45が所定の荷重を与えられた圧縮状態で取り付けられている。これにより、バネ受け44は、ロータ軸30側に押しつけられ、ロータ軸30のフランジ部31に当接している。
【0049】
コイル部材50は、ばね性を有する鋼材などの針金を屈曲させて形成されている。コイル部材50は、
図4に示すように、コイルばね状のコイル部51と、コイル部51の一端51aから半径方向外向きに突出する爪部52と、を一体に有している。コイル部51は、ホルダ部21のガイドレール25における各巻回部分の間隔と略同一径(太さ)でかつ同一ピッチに巻回されており、ある程度拡径しても元の径に復元可能な弾性を有している。コイル部材50(具体的にはコイル部51)は、ホルダ部21のガイドレール25に周方向に回転可能に螺合されている。コイル部51は、ガイドレール25に螺合されたとき、その全体がガイドレール25の巻回部分間に収容され、ガイドレール25における軸線L方向の一部区間に螺合している。換言すると、コイル部51の軸線L方向の長さは、ガイドレール25の軸線L方向の長さより短い。そのため、コイル部51は、ガイドレール25に螺合した状態で回転されたときガイドレール25に案内されて軸線L方向に移動する。コイル部材50は、針金を屈曲させることにより簡易に製造できる。
【0050】
本実施形態において、コイル部材50及びガイドレール25は右ネジであり、このガイドレール25及びコイル部材50のピッチは駆動雌ネジ23a及び駆動雄ネジ30aのピッチよりも大きく設定されている。また、コイル部51は、5/4回巻き(450度)であり、巻き数が1以上であることが好ましい。勿論、このような構成に限定されるものではなく、例えば、このガイドレール25及びコイル部材50のピッチと駆動雌ネジ23a及び駆動雄ネジ30aのピッチとを同じに設定したり、コイル部51を2回巻き以上にしたりするなど、本発明の目的に反しない限り、これらの構成は任意である。
【0051】
コイル部材50は、コイル部51を拡径するように弾性変形させてその内側にホルダ部21を挿通したのち形状を復元させることにより、ホルダ部21のガイドレール25に螺合される。
【0052】
ここで、ガイドレール25へのコイル部材50の組み付け方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、ガイドレール25へのコイル部材50の組み付け方法を説明する図である。
【0053】
まず、
図5(a)に示すように、支持部材20のホルダ部21の図中上方の端部(上端部21b)に設けられた弁開上限ストッパ突起27を内側に通してコイル部材50のコイル部51の一部(図中、符号Aで示す)を引っ掛ける。そして、
図5(b)に示すように、弁開上限ストッパ突起27に引っ掛けたコイル部51の一部と径方向に対向する他の一部(図中、符号Bで示す)を、コイル部51を拡径するように引っ張りながらホルダ部21の上端部21bに近づけて、拡径したコイル部51の内側にホルダ部21の上端部21bを挿入する。そして、ホルダ部21の上端部21bの挿入をさらに進めると、コイル部51の一端51aが、ガイドレール25の一部を乗り越えて、ガイドレール25にコイル部材50のコイル部51が螺合される。このようにして、ガイドレール25にコイル部材50が組み付けられる。
【0054】
ステッピングモータ60は、
図1に示すように、ケース61と、マグネットロータ62と、ステータコイル63と、を有している。
【0055】
ケース61は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として、図中上方の一方の端部が塞がれた略円筒形状に形成されている。ケース61の図中下方の開口側の端部は、弁本体10との間に支持部材20のフランジ部22を挟んだ状態で当該弁本体10に溶接等によって気密に固定されている。
【0056】
マグネットロータ62は、外周部を多極に着磁された円筒状のマグネット部64と、その一端を塞ぐ円盤部65と、を一体に有している。マグネットロータ62は、円盤部65の中央に一体成形された金具66を介してロータ軸30に固着されている。これにより、マグネットロータ62は、ケース61内にロータ軸30の軸心を中心に回転可能に設けられている。
【0057】
ステータコイル63は、ケース61の外周面に配設されており、ステータコイル63にパルス信号が与えられることにより、そのパルス数に応じてマグネットロータ62が回転される。ステータコイル63は、モータ部に相当する。
【0058】
マグネットロータ62が回転されると、このマグネットロータ62とともにロータ軸30が回転され、駆動雄ネジ30aと駆動雌ネジ23aとのネジ送り作用により、ロータ軸30が軸線L方向(
図1上下方向)に移動して弁体部40が弁ポート11aに対して進退する。これにより、弁ポート11aの開度を変化させ、第1継手管13から第2継手管14へ(または第2継手管14から第1継手管13へ)流れる流体の流量が制御される。
【0059】
また、
図6、
図7に示すように、マグネットロータ62のマグネット部64の内周面の一部には軸線L方向に延在する爪受部としての突条67が形成されている。そして、この突条67はマグネットロータ62の回転時に、コイル部材50の爪部52に当接し、このマグネットロータ62の回転に伴ってコイル部材50を同方向に連れ回す(押し回す)ように回転する。これにより、ガイドレール25とコイル部材50のコイル部51のネジ送り作用によって、コイル部材50が軸線Lに沿ってロータ軸30と同方向に移動する。本実施形態においては、マグネット部64の内周面に突条67が設けられているが、この突条67に代えて、軸線L方向に延在する爪受部としての凹溝が設けられていてもよい。
【0060】
コイル部材50は、
図1上方から見たときに時計回りに回転されることにより、弁ポート11aに近づくように軸線L方向に移動する。このときに突条67における爪部52の当接される爪当面67aは、ガイドレール25の半径方向と平行でかつ軸線L方向と平行に形成されている。
【0061】
また、コイル部材50は、
図1上方から見たときに反時計回りに回転されることにより、弁ポート11aから離れるように軸線L方向に移動する。このときに突条67における爪部52の当接される他の爪当面67bは、ガイドレール25の半径方向と平行でかつ軸線L方向と平行に形成されている。
【0062】
次に、本実施形態の電動弁1の動作を、
図8、
図9を参照して説明する。
【0063】
電動弁1において、マグネットロータ62及びロータ軸30を弁ポート11aから離れる方向(
図1上方)に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ62の突条67の爪当面67aと反対側に位置する他の爪当面67bがコイル部材50の爪部52に当接し、当該他の爪当面67bによって爪部52が押されて、コイル部材50が周方向に押し回される。そして、ロータ軸30の回転による軸線L方向への移動に伴って弁体部40が最大開度となる位置まで移動されたとき、
図8(a)、(b)に示すように、コイル部材50のコイル部51の他端51bが弁開上限ストッパ突起27の上限ストッパ面27aに突き当たり、コイル部材50の回転が規制される。すると、爪部52を押し回していたマグネットロータ62についてもそれ以上の回転を規制されて、弁体部40が最大開度となる位置を超えて移動されることが規制される。
【0064】
または、電動弁1において、マグネットロータ62及びロータ軸30を弁ポート11aに近づく方向(
図1下方)に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ62の突条67の爪当面67aがコイル部材50の爪部52に当接し、爪当面67aによって爪部52が押されて、コイル部材50が周方向に押し回される。そして、ロータ軸30の回転による軸線L方向への移動に伴って弁体部40が最小開度(あるいは弁閉状態)となる位置まで移動されたとき、
図9(a)、(b)に示すように、コイル部材50の爪部52が弁閉下限ストッパ突起26の下限ストッパ面26aに突き当たり、コイル部材50の回転が規制される。すると、爪部52を押し回していたマグネットロータ62についてもそれ以上の回転を規制されて、弁体部40が最小開度(あるいは弁閉状態)となる位置を超えて移動されることが規制される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の電動弁1は、弁室12が内側に設けられかつ弁室12に向けて開口する弁ポート11aが設けられた弁本体10と、弁ポート11aと間隔をあけて対向配置されかつ弁ポート11aの軸線Lと同軸の駆動雌ネジ23aが内周面に形成された筒状のホルダ部21と、駆動雌ネジ23aと対になる駆動雄ネジ30aが外周面に形成され、駆動雌ネジ23aに螺合されたロータ軸30と、ロータ軸30の軸線L方向への移動により弁ポート11aに対して進退する弁体部40と、ロータ軸30に固定されたマグネットロータ62と、マグネットロータ62を回転させるステータコイル63と、を備えている。また、電動弁1は、針金からなるコイル部51及びコイル部51の半径方向外向きに突出する爪部52を一体に有するコイル部材50と、コイル部材50のコイル部51が螺合されかつコイル部材50がその回転によりホルダ部21の軸方向に移動可能なようにホルダ部21の外周面21aに該ホルダ部21と一体に形成されたガイドレール25と、を備えている。そして、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25a及び上端部25b近傍には、コイル部材50のコイル部51の一端51a又は他端51bが突き当たり該コイル部材50の回転を規制するように形成された下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが設けられ、コイル部材50がマグネットロータ62の回転に伴って回転されかつコイル部51の一端51a又は他端51bがそれに対応する下限ストッパ面26a、上限ストッパ面27aに突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータ62の回転を規制するようにコイル部材50の爪部52が当接される突条67が、マグネットロータ62の内周面に設けられている。
【0066】
また、電動弁1は、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成されている。
【0067】
また、電動弁1は、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されている。
【0068】
また、電動弁1は、ホルダ部21の上端部21bに、ホルダ部21の半径方向に突出して形成された弁開上限ストッパ突起27が設けられている。
【0069】
また、電動弁1は、コイル部材の巻き数が、少なくとも1以上である。
【0070】
以上より、本実施形態によれば、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25a及び上端部25b近傍には、コイル部材50のコイル部51の一端51a又は他端51bが突き当たり該コイル部材50の回転を規制するように形成された下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが設けられており、コイル部材50がマグネットロータ62の回転に伴って回転されかつコイル部51の一端51a又は他端51bがそれに対応する下限ストッパ面26a又は上限ストッパ面27aに突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータ62の回転を規制するようにコイル部材50の爪部52が当接される突条67が、マグネットロータ62の内周面に設けられている。そのため、コイル部材50がマグネットロータ62の回転に伴って回転され、そして、コイル部材50がガイドレール25の下端部25a近傍の下限ストッパ面26a又は上端部25b近傍の上限ストッパ面27aに突き当たって回転を規制されると、マグネットロータ62が該回転の方向への回転を規制される。即ち、コイル部材50とホルダ部21の外周面21aに形成された下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aとがストッパ機構として機能する。これにより、電動弁1に備えられたストッパ機構の構成を簡易なものとすることができる。
【0071】
また、本発明によれば、ガイドレール25の下端部25a及び上端部25b近傍に設けられた下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成されているので、コイル部材50が下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aに突き当たったときに確実に回転を規制することができる。
【0072】
また、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aが、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されているので、コイル部材50が下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aに突き当たることにより当該コイル部材50のコイル部51が半径方向に拡大するように変形してしまう事態が生じた場合でも、コイル部材50が下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aを乗り越えてしまうことを抑えて、コイル部材50がガイドレール25から脱落してしまうことを抑制することができる。
【0073】
また、ホルダ部21の上端部21bに、当該ホルダ部21の半径方向に突出して形成された弁開上限ストッパ突起27が設けられているので、ホルダ部21の外周面21aに一体に形成されたガイドレール25にコイル部材50を螺合する際に、コイル部材50のコイル部51の一部をこの弁開上限ストッパ突起27に引っ掛けて、コイル部51の当該一部と径方向に対向する他の一部を引っ張ることによりコイル部51を容易に拡径できる。そのため、拡径したコイル部51の内側にホルダ部21を挿入して、コイル部材50を容易にガイドレール25に螺合することができる。
【0074】
また、コイル部材50の巻き数が、少なくとも1以上であるので、コイル部材50を確実にガイドレールに螺合させることができ、そのため、コイル部材50のガイドレールからの脱落などを抑制して、簡易な構成でマグネットロータ62の回転を確実に規制することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態の電動弁を、
図10〜
図14を参照して説明する。
【0076】
図10は、本発明の第2の実施形態の電動弁の縦断面図である。
図11(a)は、
図10の電動弁における弁全開状態時のホルダ部近傍の正面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿う断面図である。
図12(a)は、
図10の電動弁における弁閉状態時のホルダ部近傍の背面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿う断面図である。
図13は、
図10の電動弁が備えるコイル部材の斜視図である。
図14は、
図10の電動弁の組立方法の一例を説明するホルダ部近傍の拡大正面図であって(a)は、ホルダ部の一端部をコイル部材のコイル部に挿入した状態を示し、(b)は、(a)から挿入を進めた状態を示し、(c)は、(b)からさらに挿入を進めて、ホルダ部のガイド溝にコイル部材を螺合させた状態を示す。なお、以下の説明における「上下」の概念は、
図1における上下に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。また、第2の実施形態においては、各構成要素について第1の実施形態と独立に符号を付している。即ち、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の符号が付されていても、第1の実施形態と同一の構成要素を示すとは限らない。
【0077】
この電動弁(図中、符号100で示す)は、円筒形状の弁本体1を有している。弁本体1には、その下側の開口部を塞ぐように弁本体1に一体に形成された弁座部1Aが設けられている。弁座部1Aには、弁ポート1aが開口されている。また、弁座部1Aが設けられた開口と反対側の上側の開口部には支持部材2が取り付けられている。これにより、弁本体1はその内側に弁室1bを形成している。弁本体1には、外周片側に冷媒などの流体の流路としての第1継手管11が接続され、この第1継手管11は弁室1bに導通されている。また、弁座部1Aには、第2継手管12が接続され、この第2継手管12は弁ポート1aを介して弁室1bに導通される。第1継手管11、第2継手管12及び支持部材2は、弁本体1に対してろう付け等により固着されている。
【0078】
支持部材2は、中央の円柱状のホルダ部21と、このホルダ部21の下端部外周のフランジ部22とを有している。ホルダ部21の上端部21eは、上方に向かうにしたがって外径が徐々に小さくなる先細のテーパ形状に形成されている。支持部材2は、フランジ部22により弁本体1に取り付けられている。支持部材2は合成樹脂により型成形されたものである。
【0079】
ホルダ部21の中心には、弁ポート1aの軸Lと同軸の駆動雌ネジ21aとそのネジ孔が形成されている。つまり、ホルダ部21の内周面に駆動雌ネジ21aが形成されている。また、ホルダ部21の中心には、弁ポート1a側に駆動雌ネジ21aのネジ孔の外周よりも径の大きな円筒状のスライド孔211が形成されている。そして、この駆動雌ネジ21aのネジ孔とスライド孔211の中に円柱棒状のロータ軸3が配設されている。
【0080】
スライド孔211には円筒状の弁ホルダ31が軸L方向に摺動可能に嵌合されている。これにより、弁ホルダ31は支持部材2を介して軸L方向に移動可能に支持されている。弁ホルダ31は弁室1bと同軸に取り付けられ、この弁ホルダ31の弁ポート1a側の下端部には端部がニードル状の弁体部32が固着されている。弁体部32は、弁座部1Aとの間隔を弁の最大開度から弁の最小開度(あるいは全閉状態)の間で加減されることによって流量の調節を行う。
【0081】
また、弁ホルダ31はロータ軸3と掛かり合っている。すなわち、ロータ軸3の下端部にはフランジ部3bが一体形成され、このフランジ部3bが弁ホルダ31の上端部と共にワッシャ33を挟み込み、このロータ軸3の下端部は弁ホルダ31の上端部で回転可能に引っ掛かっている。この掛かり合いにより、弁ホルダ31がロータ軸3によって回転可能に吊り下げた状態で支持されている。また、弁ホルダ31内には、バネ受け34が軸L方向に移動可能に設けられている。バネ受け34と弁体部32との間には圧縮コイルバネ35が所定の荷重を与えられた状態で取り付けられている。これにより、バネ受け34は、上側に付勢され、ロータ軸3の下端部に当接している。
【0082】
ロータ軸3の外周面には駆動雄ネジ3aが形成されており、この駆動雄ネジ3aはホルダ部21の駆動雌ネジ21aに螺合されている。本実施形態において、駆動雌ネジ21aと駆動雄ネジ3aは右ネジである。
【0083】
ホルダ部21には、その外周面21fに螺旋状のガイド溝21bが形成されている。
【0084】
図11(a)、(b)に示すように、ガイド溝21bの上端21b1には、ホルダ部21の半径方向及び軸方向と平行な弁開側ストッパ当接面21b2が形成されており、これにより、ガイド溝21bの上端21b1は、ホルダ部21の外周面21f内で途切れて形成されている。
【0085】
図12(a)、(b)に示すように、ガイド溝21bの下端21b3には、ホルダ部21の半径方向及び軸方向と平行な弁閉側ストッパ当接面21b4が形成されており、これにより、ガイド溝21bの下端21b3は、ホルダ部21の外周面21f内で途切れて形成されている。
【0086】
ガイド溝21bには、コイル部材4が螺合されている。
【0087】
コイル部材4は、ばね等に用いられる鋼材などの針金を屈曲させて形成されている。コイル部材4は、
図13に示すように、コイルばね状のコイル部41と、コイル部41の一端41aから半径方向外向きに突出する爪部42と、を一体に有している。コイル部41は、ホルダ部21のガイド溝21bと略同一径かつ同一ピッチに形成されており、ある程度拡径しても元の径に復元可能な弾性を有している。コイル部材4(具体的にはコイル部41)は、ホルダ部21のガイド溝21bに螺合されている。コイル部41は、ガイド溝21bに螺合したとき、その全体がガイド溝21bに収容され、ガイド溝21bにおける軸L方向の一部区間に螺合している。換言すると、コイル部41の軸L方向の長さは、ガイド溝21bの軸L方向の長さより短い。そのため、コイル部41は、ガイド溝21bに螺合した状態で回転されたときガイド溝21b内を移動する。本実施形態において、爪部42はコイル部41の一端に連接して設けられているが、これに限らず、爪部42はコイル部41の中間部分(両端部より内側に入った部分)に連接して設けられていてもよい。
【0088】
本実施形態において、コイル部材4及びガイド溝21bは右ネジであり、このガイド溝21b(コイル部材4)のピッチは駆動雌ネジ21a(及び駆動雄ネジ3a)のピッチよりも大きく設定されている。また、コイル部41は、5/4回巻き(450度)であり、巻き数が1以上であることが好ましい。勿論、このような構成に限定されるものではなく、例えば、このガイド溝21b(コイル部材4)のピッチと駆動雌ネジ21a(及び駆動雄ネジ3a)のピッチとを同じに設定したり、コイル部41を2回巻き以上にしたりするなど、本発明の目的に反しない限り、これらの構成は任意である。
【0089】
ここで、ガイド溝21bへのコイル部材4の組み付け方法について説明する。
図14(a)〜(c)は、ガイド溝21bへのコイル部材4の組み付け方法を説明する図である。
【0090】
まず、
図14(a)に示すように、支持部材2のホルダ部21の上端部21eをコイル部材4の内側に挿入する。そして、この挿入を進めると、
図14(b)に示すように、ホルダ部21の上端部21eが先細のテーパ形状に形成されているため、コイル部材4のコイル部41はその径を徐々に広げられる。そして、さらに挿入を進めると、コイル部材4のコイル部41はその内径がホルダ部21の外径まで広がり、コイル部41の一端41aが、ガイド溝21bに到達してその中に進入する。この状態においてコイル部材4を軸を中心に回転させると、ガイド溝21bに徐々に螺合されていき、コイル部41の他端41bがガイド溝21bに進入して、最終的にコイル部材4のコイル部41全体が螺合される。このようにして、ガイド溝21bにコイル部材4が組み付けられる。
【0091】
図10に示すように、弁本体1の上端には、モータ部としてのステッピングモータ5のケース51が溶接等によって気密に固定されている。ケース51内には外周部を多極に着磁されたマグネットロータ52が回転可能に設けられている。また、ケース51の外周には、ステータコイル53が配設されており、このステッピングモータ5は、ステータコイル53にパルス信号が与えられることにより、そのパルス数に応じてマグネットロータ52を回転させる。
【0092】
マグネットロータ52はその中央においてロータ軸3に固着されている。そして、マグネットロータ52の回転によってマグネットロータ52と共にロータ軸3が回転し、駆動雄ネジ3aと駆動雌ネジ21aのネジ送り作用により、ロータ軸3が軸L方向(上下)に移動して弁体部32が弁ポート1aに対して進退する。これにより、弁ポート1aの開度を変化させ、第1継手管11から第2継手管12へ流れる流体の流量、または第2継手管12から第1継手管11へ流れる流体の流量が制御される。なお、支持部材2のフランジ部22には均圧孔22aが形成されており、ケース51内は弁室1bと常時同圧にされる。
【0093】
また、マグネットロータ52は円柱状のマグネット部521とその内側の円盤部522とで構成されており、マグネット部521の内周面の一部には軸Lと平行な爪受部としての突条523が形成されている。そして、この突条523はマグネットロータ52の回転時に、コイル部材4の爪部42に当接し、このマグネットロータ52の回転に伴ってコイル部材4を同方向に連れ回す(押し回す)ように回転する。これにより、ガイド溝21bとコイル部材4のコイル部41のネジ送り作用により、コイル部材4がロータ軸3と同方向(上下)に移動する。本実施形態においては、マグネット部521の内周面に突条523が設けられているが、この突条523に代えて、軸Lと平行な爪受部としての凹溝が設けられていてもよい。
【0094】
次に、本実施形態の電動弁100の動作を、
図11、
図12を参照して説明する。
【0095】
電動弁100において、マグネットロータ52及びロータ軸3を図中上方に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ52の突条523がコイル部材4の爪部42に当接し、突条523によってコイル部材4の爪部42が押されて、コイル部材4が連れ回される。そして、回転によるロータ軸3の軸方向への移動に伴って弁体部32が弁全開となる位置まで移動されたとき、
図11(a)、(b)に示すように、コイル部材4のコイル部41の他端41bが、ガイド溝21bの上端21b1の弁開側ストッパ当接面21b2に突き当たり、コイル部材4の回転が規制される。すると、コイル部材4の爪部42を押していたマグネットロータ52についてもそれ以上の回転を規制されて、回転が停止される。
【0096】
また、電動弁100において、マグネットロータ52及びロータ軸3を図中下方に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ52の突条523がコイル部材4の爪部42に当接し、突条523によってコイル部材4の爪部42が押されて、コイル部材4が連れ回される。そして、回転によるロータ軸3の軸方向への移動に伴って弁体部32が弁最小開度(又は弁全閉)となる位置まで移動されたとき、
図12(a)、(b)に示すようにコイル部材4のコイル部41の一端41aが、ガイド溝21bの下端21b3の弁閉側ストッパ当接面21b4に突き当たり、コイル部材4の回転が規制される。すると、コイル部材4の爪部42を押していたマグネットロータ52についてもそれ以上の回転を規制されて、回転が停止される。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の電動弁100は、弁室1bが内側に設けられかつ弁室1bに向けて開口する弁ポート1aが設けられた弁本体1と、弁ポート1aと間隔をあけて対向配置されかつ弁ポート1aの軸Lと同軸の駆動雌ネジ21aが内周面に形成された筒状のホルダ部21と、駆動雌ネジ21aと対になる駆動雄ネジ3aが外周面に形成され、駆動雌ネジ21aに螺合されたロータ軸3と、ロータ軸3の軸方向への移動により弁ポート1aに対して進退する弁体部32と、ロータ軸3に固定されたマグネットロータ52と、マグネットロータ52を回転させるモータ部5と、を備えている。そして、針金からなるコイル部41及びコイル部41の半径方向外向きに突出する爪部42を一体に有するコイル部材4と、コイル部材4のコイル部41が螺合されかつコイル部材4がその回転によりホルダ部21の軸方向に移動可能なようにホルダ部21の外周面21fに該ホルダ部21と一体に形成されたガイド溝21bと、を備え、ガイド溝21bの上端21b1及び下端21b3が、コイル部材4のコイル部41の一端41a又は他端41bが突き当たったときに該コイル部材4の回転を規制するようにホルダ部21の外周面21f内で途切れて形成され、コイル部材4がマグネットロータ52の回転に伴って回転されかつコイル部41一端41a又は他端41bがそれに対応するガイド溝21bの上端21b1及び下端21b3に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータ52の回転を規制するようにコイル部材4の爪部42が当接される突条523が、マグネットロータ52の内周面に設けられている。
【0098】
また、ガイド溝21bの上端21b1に、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成された弁開側ストッパ当接面21b2が設けられ、ガイド溝21bの下端21b3に、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成された弁閉側ストッパ当接面21b4が設けられている。
【0099】
また、ホルダ部21の上端部21eが、先細のテーパ形状に形成されている。
【0100】
また、コイル部材4(具体的には、コイル部41)の巻き数が、少なくとも1以上である。
【0101】
以上より、本実施形態によれば、コイル部材4が螺合されるガイド溝21bの上端21b1及び下端21b3が、コイル部材4のコイル部41の一端41a又は他端41bが突き当たったときに該コイル部材4の回転を規制するようにホルダ部21の外周面21f内で途切れて形成され、コイル部材4がマグネットロータ52の回転に伴って回転されかつコイル部41一端41a又は他端41bがそれに対応するガイド溝21bの上端21b1及び下端21b3に突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータ52の回転を規制するようにコイル部材4の爪部42が当接される突条523が、マグネットロータ52の内周面に設けられている。そのため、コイル部材4がマグネットロータ52の回転に伴って回転され、そして、コイル部材4がガイド溝21bの上端21b1又は下端21b3に突き当たって回転を規制されると、マグネットロータ52が該回転の方向への回転を規制される。即ち、コイル部材4とホルダ部21の外周面21fに形成されたガイド溝21bとがストッパ機構として機能する。これにより、電動弁100に備えられたストッパ機構の構成を簡易なものとすることができる。したがって、例えば、製造コストを抑制することができる。
【0102】
また、ガイド溝21bの上端21b1に、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成された弁開側ストッパ当接面21b2が設けられ、ガイド溝21bの下端21b3に、ホルダ部21の半径方向及び軸方向に平行に形成された弁閉側ストッパ当接面21b4が設けられているので、コイル部材4がガイド溝21bの上端21b1又は下端21b3に突き当たったときに確実に回転を規制することができる。
【0103】
また、ホルダ部21の上端部21eが、先細のテーパ形状に形成されているので、該ホルダ部21の上端部21eをコイル部材4の内側に挿入したとき、挿入が進むにつれてコイル部材4の径が徐々に広がり、そのため、コイル部材4をガイド溝21bに容易に螺合させることができる。これにより、簡易な構成で組立性を向上することができ、さらに製造コストを抑制することができる。
【0104】
また、コイル部材4の巻き数が、少なくとも1以上であるので、コイル部材4を確実にガイド溝21bに螺合させることができ、そのため、コイル部材4のガイド溝21bからの脱落などを抑制して、簡易な構成でマグネットロータ52の回転を確実に規制することができる。
【0105】
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の電動弁は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0106】
例えば、上述した第2の実施形態では、支持部材2が有するホルダ部21の外周面21fにガイド溝21bのみ設けた構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、
図15に示すように、コイル部材4が螺合可能(即ち、ガイド溝21bと同じ巻方向で、ピッチも略同程度)なようにホルダ部21の外周面21fに該ホルダ部21と一体に形成されたコイル部材取付溝21cをさらに備えてもよい。このコイル部材取付溝21cは、ガイド溝21bよりホルダ部21の上端部21e寄りに該ガイド溝21bとホルダ部21の軸方向に並べて設けられている。また、コイル部材取付溝21cのガイド溝21b側の下端21c1が、ガイド溝21bの上端21b1と間隔をあけて近接して配置されている。
図15は、
図10の電動弁が備える支持部材(ホルダ部)の変形例の構成を示す拡大正面図である。
【0107】
このようにすることにより、まず、ホルダ部21の上端部21e寄りのコイル部材取付溝21cにコイル部材4を螺合させ、コイル部材4を回転させることによりコイル部材取付溝21cにおけるガイド溝21b寄りの下端21c1まで移動させて、そして、ホルダ部21の外周面21fにおけるコイル部材取付溝21cの下端21c1とガイド溝21bの上端21b1とを仕切る箇所Dを乗り越えるようにコイル部材4を拡径して、コイル部材4の回転を進めることで、容易にガイド溝21bにコイル部材4を螺合させることができる。これにより、例えば、ホルダ部21の上端部21eから離れた位置にガイド溝21bが設けられた構成においても、簡易な構成で組立性を向上することができ、さらに製造コストを抑制することができる。
【0108】
また、上述した第2の実施形態では、支持部材2が有するホルダ部21が円柱状に形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、
図16に示すように、ホルダ部21の外周面21fの一部箇所が軸方向に面取りされた形状となる構成であってもよい。この構成の場合、ガイド溝21b’は、現実に連続した螺旋形状でなく、面取りされた箇所において仮想的に連続する螺旋形状に形成されている。このようにすることにより、支持部材2(ホルダ部21)の樹脂成形における型抜きが容易になる。
図16は、
図10の電動弁が備える支持部材(ホルダ部)の他の変形例の構成を示す斜視図である。
【0109】
また、上述した第2の実施形態では、コイル部材4の爪部42とマグネットロータ52の突条523とが互いに接離可能に当接するものであったが、これに限らず、爪部42と突条523とが互いに固定して当接されているものであってもよい。但し、この場合、このガイド溝21b(コイル部材4)のピッチと駆動雌ネジ21a(及び駆動雄ネジ3a)のピッチとを同じに設定する必要がある。第1の実施形態においても、同様である。
【0110】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の電動弁の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。