特許第5881260号(P5881260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5881260焼却炉閉塞危険性評価方法及び焼却炉閉塞防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881260
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】焼却炉閉塞危険性評価方法及び焼却炉閉塞防止方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/06 20060101AFI20160225BHJP
   C02F 1/00 20060101ALI20160225BHJP
   F23G 5/50 20060101ALI20160225BHJP
   F23G 7/00 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   C02F11/06 ZZAB
   C02F1/00 V
   F23G5/50 Q
   F23G7/00 104A
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-98603(P2014-98603)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-213885(P2015-213885A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年9月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397028016
【氏名又は名称】株式会社日水コン
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100153958
【弁理士】
【氏名又は名称】崎浜 丈誠
(73)【特許権者】
【識別番号】591043581
【氏名又は名称】東京都
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋
(72)【発明者】
【氏名】塚原 純哉
(72)【発明者】
【氏名】村田 道拓
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋斗
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】高井 貢
(72)【発明者】
【氏名】竹島 正
(72)【発明者】
【氏名】冠城 敏之
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 正二
(72)【発明者】
【氏名】中田 友三
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−120104(JP,A)
【文献】 特開2010−012425(JP,A)
【文献】 特開2015−120164(JP,A)
【文献】 特開2000−297915(JP,A)
【文献】 特開平11−342378(JP,A)
【文献】 特開昭61−276617(JP,A)
【文献】 特開2011−220668(JP,A)
【文献】 特開2000−063829(JP,A)
【文献】 特開2005−114218(JP,A)
【文献】 特開2010−000417(JP,A)
【文献】 特開2010−036107(JP,A)
【文献】 特開2004−298739(JP,A)
【文献】 特開2003−071495(JP,A)
【文献】 特表2013−540051(JP,A)
【文献】 特開2001−147006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00−11/20
F23G 5/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水汚泥を焼却する焼却炉の閉塞危険性を評価する焼却炉閉塞危険性評価方法であって、
前記下水汚泥に含まれ、前記焼却炉の燃焼温度よりも高い融点のりん化合物を形成可能な複数の金属元素である高融点金属元素が結合可能なりんの量である結合可能量を特定する結合可能量特定ステップと、
前記下水汚泥に含まれるりんの量である包含量を特定する包含量特定ステップと、
前記結合可能量と、前記包含量との比である評価指標を算出する評価指標算出ステップとを有し、
前記結合可能量特定ステップでは、前記焼却炉により前記下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれる、前記高融点金属元素を含む所定の化合物の質量割合を分析し、その質量割合に基づいて、前記結合可能量を特定し、
前記包含量特定ステップでは、前記焼却炉により前記下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれる前記りんの化合物の質量割合を分析し、その質量割合に基づいて、前記包含量を特定する焼却炉閉塞危険性評価方法。
【請求項2】
複数の前記高融点金属元素は、Al、Fe、Ca、及びMgを含む請求項1に記載の焼却炉閉塞危険性評価方法。
【請求項3】
下水処理場から排出される、複数の時点におけるそれぞれの下水汚泥の所定の焼却炉による焼却灰の色を特定するとともに、それぞれの前記下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれ、前記焼却炉の燃焼温度よりも高い融点のりん化合物を形成可能な複数の金属元素である高融点金属元素が結合可能なりんの量である結合可能量と、前記下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれるりんの量である包含量と、の比である評価指標を算出する色評価指標特定ステップと、
前記焼却炉の閉塞を防止する基準とする評価指標に対応する前記焼却灰の色である基準色を特定する基準色特定ステップと、
前記焼却炉で焼却された焼却灰の色を特定する焼却灰色特定ステップと、
前記焼却灰色特定ステップで特定した前記焼却灰の色と、前記基準色とに基づいて、前記焼却炉への灰付着を防止するための所定の金属元素を含む付着防止薬剤を前記下水汚泥へ添加するか否かを判定する添加判定ステップと、
前記添加判定ステップの判定結果に従がって、前記付着防止薬剤を前記下水汚泥に添加する添加ステップと、を有する焼却炉閉塞防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水汚泥を焼却する焼却炉における閉塞の危険性を評価する焼却炉閉塞危険性評価方法及びその評価に基づいて焼却炉の閉塞を防止するための焼却炉閉塞防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水処理場において下水を浄化する際に発生する下水汚泥は、脱水等された後、焼却炉で焼却されて処理される。下水汚泥を焼却する焼却炉においては、焼却炉の排気ガスダクト、流動砂、熱交換器等に焼却灰が付着し、場合によっては、排気ガスダクト等を閉塞させてしまい、焼却炉の運転に支障をきたす虞がある。
【0003】
このような焼却炉における灰の付着を予測する方法としては、例えば、酸化雰囲気下で焼却して得られる焼却灰中のFe、CaO、NaO、KO、MgO、SiO、Al、TiO、及びPの成分それぞれの含有量を特定し、特定された各焼却灰成分の組成に基づき、特定の式により指標を算出する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−12425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、灰の付着を予測する方法の1つに用いられる指標ではあるが、灰の付着や焼却炉の閉塞のメカニズムは完全には把握されておらず、灰の付着や焼却炉の閉塞の危険性を評価できる更なる指標を見つけ出すことが要請されている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、下水汚泥を焼却する際における焼却炉の閉塞の危険性を有効に評価することのできる技術、及びその評価に基づいた焼却炉の閉塞を効果的に防止することのできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的達成のため、本発明は、下水汚泥を焼却炉で焼却する際におけるりんの濃度と付着性の関係及び焼却炉への付着の影響を調査・分析し、下水汚泥中のりんの濃度と、下水汚泥中に含まれる金属元素の中で、りんとの化合物の融点が焼却炉の燃焼温度よりも高い金属元素の濃度との関係が、焼却炉の閉塞に強く関係することを見出し、その関係に着目してなされたものである。
【0008】
本発明の一態様に係る焼却炉閉塞危険性評価方法は、下水汚泥を焼却する焼却炉の閉塞危険性を評価する焼却炉閉塞危険性評価方法であって、下水汚泥に含まれ、焼却炉の燃焼温度よりも高い融点のりん化合物を形成可能な複数の金属元素である高融点金属元素が結合可能なりんの量である結合可能量を特定する結合可能量特定ステップと、下水汚泥に含まれるりんの量である包含量を特定する包含量特定ステップと、結合可能量と、包含量との比である評価指標を算出する評価指標算出ステップとを有する。
【0009】
本発明の別の態様に係る焼却炉閉塞危険性評価方法は、また、複数の高融点金属元素は、Al、Fe、Ca、及びMgを含む。
【0010】
本発明の別の態様に係る焼却炉閉塞危険性評価方法は、また、結合可能量特定ステップでは、焼却炉により下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれる、高融点金属元素を含む所定の化合物の質量割合を分析し、その質量割合に基づいて、結合可能量を特定し、包含量特定ステップでは、焼却炉により下水汚泥を焼却した焼却灰に含まれるりんの化合物の質量割合を分析し、その質量割合に基づいて、前記包含量を特定する。
【0011】
本発明の別の態様に係る焼却炉閉塞防止方法は、下水汚泥を焼却する焼却炉の閉塞を防止する焼却炉閉塞防止方法であって、下水汚泥に含まれ、焼却炉の燃焼温度よりも高い融点のりん化合物を形成可能な複数の金属元素である高融点金属元素が結合可能なりんの量である結合可能量を特定する結合可能量特定ステップと、下水汚泥に含まれるりんの量である包含量を特定する包含量特定ステップと、結合可能量と、包含量との比である評価指標を算出する評価指標算出ステップと、評価指標に基づいて、焼却炉への灰付着を防止するための所定の金属元素を含む付着防止薬剤を下水汚泥へ添加するか否かを判定する添加判定ステップと、添加判定ステップの判定結果に従がって、付着防止薬剤を前記下水汚泥に添加する添加ステップと、を有する。
【0012】
本発明の別の態様に係る焼却炉閉塞防止方法は、また、下水汚泥を排出した下水処理場は、下水の沈殿処理を行う第一沈澱池と、第一沈澱池を経た水を処理する生物反応槽と、生物反応槽を経た水に対する沈殿処理を行う第二沈澱池とを有し、包含量検出ステップで、第一沈澱池に流入する水に含まれる総りん量と、第二沈澱池から流出する水に含まれる総りん量とに基づいて、包含量を特定する。
【0013】
本発明の別の態様に係る焼却炉閉塞防止方法は、下水処理場から排出される、複数の時点におけるそれぞれの下水汚泥の所定の焼却炉による焼却灰の色を特定するとともに、それぞれの下水汚泥について、下水汚泥に含まれ、焼却炉の燃焼温度よりも高い融点のりん化合物を形成可能な複数の金属元素である高融点金属元素が結合可能なりんの量である結合可能量と、下水汚泥に含まれるりんの量である包含量と、の比である評価指標を算出する色評価指標特定ステップと、焼却炉の閉塞を防止する基準とする評価指標に対応する焼却灰の色である基準色を特定する基準色特定ステップと、焼却炉で焼却された焼却灰の色を特定する焼却灰色特定ステップと、焼却灰色特定ステップで特定した焼却灰の色と、基準色とに基づいて、焼却炉への灰付着を防止するための所定の金属元素を含む付着防止薬剤を前記下水汚泥へ添加するか否かを判定する添加判定ステップと、添加判定ステップの判定結果に従がって、付着防止薬剤を前記下水汚泥に添加する添加ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、下水汚泥を焼却する際における焼却炉の閉塞の危険性を有効に評価することができる。また、本発明によれば、焼却炉の閉塞を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る処理場の下水処理システムの一例の構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る各処理場における焼却灰及び煙道付着物の成分分析結果を示す図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る各処理場における焼却灰及び煙道付着物に基づいて算出された閉塞抑制指標を示す図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る下水処理システムの一例の構成図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態に係る下水処理システムの一例の構成図である。
図6図6は、本発明の第4実施形態に係る下水処理システムの一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
<第1実施形態>
【0018】
まず、本発明の第1実施形態に係る処理場の下水処理システムについて説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る処理場の下水処理システムの一例の構成図である。
【0020】
下水処理システム1は、第1沈殿池(「下水道施設計画・設計指針と解説(後編)2009年版」(社団法人日本下水道協会)における最初沈殿池に相当)11と、生物反応槽12と、第2沈殿池(「下水道施設計画・設計指針と解説(後編)2009年版」(社団法人日本下水道協会)における最終沈殿池に相当)13と、濃縮槽14と、濃縮機15と、脱水機16と、焼却炉17とを有する。
【0021】
第1沈殿池11は、流入した流入水に含まれる比重の大きい浮遊物質等を沈殿させる処理を行い、処理後の水を後段の生物反応槽12に流す。第1沈殿池11において沈殿した汚泥は、濃縮槽14に排出される。生物反応槽12は、第1沈殿池11から流入した水に対して、微生物を用いて、有機物除去、りん除去、窒素除去等を行い、処理後の水を後段の第2沈殿池13に流す。
【0022】
第2沈殿池13は、生物反応槽12から流入した水に含まれる活性汚泥(微生物を含む汚泥)を沈殿させる処理を行い、処理後の水を下水処理システム1から排出する。第2沈殿池13において沈殿した活性汚泥のうち、生物反応槽12に必要な量については、生物反応槽12に返送され、残りは、余剰汚泥として、濃縮機15に排出される。
【0023】
濃縮槽14は、第1沈殿池11で沈殿した汚泥を受け取って、汚泥を濃縮する処理を行う。濃縮槽14で濃縮された汚泥は、脱水機16に送られる。一方、濃縮槽14で汚泥を濃縮させる際に発生した水分は、第1沈殿池11の上流に戻される。濃縮機15は、第2沈殿池13から排出された余剰汚泥を濃縮する処理を行う。濃縮機15で濃縮された汚泥は、脱水機16に送られる。一方、濃縮機15で汚泥を濃縮させる際に発生した水分は、第1沈殿池11の上流に戻される。脱水機16は、濃縮槽14から送られた汚泥及び濃縮機15から送られた汚泥に対して脱水処理を行う。脱水機16で脱水処理された汚泥(脱水汚泥)は、焼却炉17に送られる。一方、脱水機16で脱水処理において発生した水分は、第1沈殿池11の上流に戻される。焼却炉17は、脱水汚泥を焼却する。焼却炉17による燃焼温度は、例えば、850度以上、例えば、850度以上900度以下である。
【0024】
次に、下水汚泥(本実施形態では脱水汚泥)を焼却する焼却炉における閉塞の危険性を評価する焼却炉閉塞危険性評価方法について説明する。
【0025】
まず、所定量の下水汚泥における所定の複数の金属元素の量(例えば、その金属元素を含む化合物の質量割合)を特定し、また、所定量の下水汚泥におけるりんの量(例えば、りん化合物の質量割合)を特定する。量を特定する対象とする金属元素(対象金属元素)としては、焼却炉17で焼却される際に液体化しない、すなわち、融点が焼却炉17の燃焼温度よりも高いりん化合物を形成可能な金属元素(高融点金属元素)である。本実施形態では、高融点金属元素のうちで、下水汚泥に含まれる割合が多いものから、例えば、4番目までの金属元素であるアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)を処理の対象としている。なお、より多くの高融点金属元素を対象としても良い。これら金属元素とりんとが結合して生成されるりん化合物としては、FePO、AlPO、Ca(PO、Mg(POがある。FePOの融点は、測定不能であるが、焼却炉17では液体化しないと想定される。AlPOの融点は、1800度であり、Ca(POの融点は、1670度であり、Mg(POの融点は、1184度である。これらりん化合物は、焼却炉17の燃焼温度では、液体化せず、焼却炉17に付着等することはない。
【0026】
ここで、りんは、土壌中では、pHが低い場合には、AlやFeと結合し、また、pHが高い場合には、CaやMgと結合し、いずれの場合も難溶態となることが知られている。焼却前の脱水汚泥のpHは酸性よりとなっているため、りんは、Al、Feと結合し易い状態であると考えられる。しかしながら、脱水汚泥において、局所的に酸が消費されアルカリ性よりになる場所も存在する可能性があり、CaやMgと結合する可能性もある。そこで、りんと結合する金属元素としては、Al、Feの他に、Ca、Mgも含めている。
【0027】
ここで、下水汚泥と、下水汚泥を焼却炉17で燃焼させた場合の焼却灰とについて成分分析したところ、Fe、Ti、Ca、Si、Al、Mg、Pの各元素の焼却前後における量の低下はほとんど見られない。このため、焼却炉17における焼却過程でのこれらの元素の気散を考慮する必要がないことがわかった。したがって、焼却炉17での焼却灰の成分を分析することにより得られるこれらの元素の量は、下水汚泥に含まれている対応する元素の量ということができる。本実施形態では、焼却灰の成分分析を行うことにより、下水汚泥に含まれている元素量を特定する。具体的には、焼却灰に含まれているFe(酸化第二鉄)、Al3(酸化アルミニウム)、CaO(酸化カルシウム)、MgO(酸化マグネシウム)、P(五酸化二リン)の質量割合(質量%)を求めることにより、Fe、Al、Ca、Mg、Pの量を特定している。焼却灰の成分分析としては、例えば、蛍光X線解析による構成成分分析方法を用いることができる。以下の説明では、焼却灰を分析した結果を利用した処理を説明するが、下水汚泥を対象に成分分析した結果を利用した処理を行っても良い。なお、分析試料を保存等する点では、成分が安定しているので、焼却灰のほうが、取り扱い容易である。
【0028】
次に、特定した金属元素の量(ここでは、金属元素を含む化合物の質量割合)から、これら金属元素と結合可能なりんの量(結合可能量、例えば、焼却灰全体を所定量とした場合のモル数)を特定する(結合可能量特定ステップ)。次に、下水汚泥に包含されるりんの量(包含量、例えば、焼却灰全体を所定量とした場合のモル数)を特定する(包含量特定ステップ)。その後、包含量に対する結合可能量の比である評価指標(閉塞抑制指標)を算出する(評価指標算出ステップ)。なお、包含量特定ステップと、結合可能量特定ステップは、いずれを先に実行しても良い。
【0029】
閉塞抑制指標を算出する式としては、具体的には、(1)に示す式を用いることができる。
【0030】
【数1】
【0031】
ここで、Xは、閉塞抑制指標[−]であり、Feは、焼却灰のFeの質量割合であり、Al3は、焼却灰のAl3の質量割合であり、CaOは、焼却灰のCaOの質量割合であり、MgOは、焼却灰のMgOの質量割合であり、Pは、焼却灰のPの質量割合である。また、M(i)は、化合物、又は元素iの分子量[g/mol]である。
【0032】
式(1)の分子は、特定した複数の金属元素と結合可能なりんの量(結合可能量)を示している。式(1)では、結合可能量は、焼却灰を100[g]とした場合における結合可能なりんのモル数を示している。ここで、分子における化合物の質量割合を、その化合物の分子量で除算した各項は、焼却灰全体を100[g]とした場合における各化合物のモル数を示し、これら各項に乗じている係数は、各項に対応する化合物1molに含まれる金属元素がりんと結合する際に必要となるりんのmol数を示している。例えば、Feに対応する項については、1molのFe中には、2molのFeが存在し、想定されるりん化合物(FePO)を生成する場合には、2molのりんが必要であるので、係数を2としている。同様に、CaOに対応する項については、1molのCaO中には、1molのCaが存在し、想定されるりん化合物(Ca(PO)を生成する場合には、2/3molのりんが必要であるので、係数を2/3としている。
【0033】
式(1)の分母は、下水汚泥に包含されるりんの量(包含量)を示している。式(1)では、包含量は、焼却灰を100[g]とした場合におけるりんのモル数を示している。
【0034】
ここで、閉塞抑制指標が大きい値ほど、結合可能量が包含量よりも相対的に多く、りんは高融点金属元素と結合する可能性が高く、融点の低いりん化合物を形成する可能性が低くなることを意味している。このことは、焼却炉17で下水汚泥が焼却された際に、融点の低いりん化合物が液体状となって、焼却炉17の各部に付着等する可能性が低くなることを意味している。したがって、閉塞抑制指標を焼却炉17の閉塞危険性の評価に用いることができる。
【0035】
複数の処理場の焼却炉が処理対象とする下水汚泥に対する閉塞抑制指標と、その焼却炉における灰の付着や閉塞の状態とについて説明する。
【0036】
図2は、本発明の第1実施形態に係る各処理場における焼却灰及び煙道付着物の成分分析結果を示す図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る各処理場における焼却灰及び煙道付着物に基づいて算出された閉塞予測指標を示す図である。
【0037】
図2には、異なる処理場(A〜K)における焼却灰の成分分析結果と、処理場(J、H)における焼却炉の炉壁に付着していたクリンカ(煙道付着物)の成分分析結果を示す。図3には、図2に示す各処理場(A〜K)の焼却灰及び処理場(J、K)のクリンカの成分分析結果に基づいて算出された閉塞抑制指標を示している。
【0038】
図2に示すように、処理場の焼却灰は、P及びSiO2の質量割合が高く、その次に、質量割合が高い方から、Al3、CaO、Fe、MgO、TiO2の順となっているケースがほとんどである。また、クリンカでは、Pの質量割合が著しく高くなる傾向がある。
【0039】
図3に示すように、処理場Jにおいては、焼却灰の成分分析を行った時点には、閉塞抑制指標が0.9に近い値であった。この処理場Jでは、焼却灰の成分分析を行った後、焼却炉を点検のために停止し、その後、焼却炉を稼動したが、比較的短い期間(2ヶ月以内)に2回も焼却炉において閉塞が発生した。また、この処理場Jから採取されたクリンカは、閉塞抑制指標が0.9に近い値であった。このことから、閉塞抑制指標が0.9に近い値は、焼却炉の閉塞の危険性が高いと評価できるといえる。
【0040】
処理場Hにおいては、焼却灰の成分分析を行った時点には、閉塞抑制指標が1.2程度の値であった。この処理場Hでは、焼却灰の成分分析を行った時点から継続して焼却炉を使用していたが、その後、比較的短い期間(2ヶ月以内)で焼却炉の閉塞が発生した。閉塞が発生した際における焼却灰に対する閉塞抑制指標は、0.9程度であった。また、この処理場Hで採取されたクリンカは、閉塞抑制指標が0.9に近い値であった。このことから、閉塞抑制指標が0.9に近い値は、焼却炉の閉塞の危険性が高いと評価できるといえる。
【0041】
処理場Gにおいては、焼却灰の成分分析を行った時点には、閉塞抑制指標が0.9に近い値であった。この処理場Gでは、焼却炉の閉塞は発生していないが、焼却炉の各部に多くのクリンカが付着していたため、そのクリンカを除去する作業等が行われた。このことから、閉塞抑制指標が0.9に近い値になると焼却炉の閉塞の危険性が高いと評価できるといえる。
【0042】
一方、閉塞抑制指標が比較的高い(例えば、1.5以上)である処理場C、D、及びEでは、焼却炉の閉塞は発生していない。このことから、閉塞抑制指標が高くなると、焼却炉の閉塞の危険性が低いと評価できるといえる。
【0043】
このような図3に示す閉塞抑制指標と、処理場の焼却炉の状態とを考察すると、閉塞抑制指標の値を焼却炉における閉塞危険性を予測するために利用することができる。閉塞抑制指標を所定の基準値(例えば、0.9又は0.9以上1.0以下の値)と比較し、閉塞抑制指標が基準値以下の場合に、閉塞危険性が高いと判定するようにしても良い。また、焼却炉の構成や、対象とする下水汚泥の状態等によって閉塞が発生する状況が異なることもあるので、例えば、処理場毎や、処理場における焼却炉毎に、使用する基準値を異ならせるようにしても良い。
【0044】
上記第1実施形態では、閉塞抑制指標を求め、焼却炉の閉塞危険性を評価するようにしていたが、以降の実施形態では、閉塞抑制指標を直接的又は間接的に利用して焼却炉に発生する閉塞を防止する焼却炉閉塞防止方法について説明する。
【0045】
<第2実施形態>
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る下水処理システムについて説明する。
【0047】
図4は、本発明の第2実施形態に係る下水処理システムの構成図である。なお、図1に示す下水処理システムと同様な構成については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
下水処理システム1は、第1実施形態に係る下水処理システム1において、閉塞抑制指標演算システム30と、薬品注入部25とを更に有する。
【0049】
閉塞抑制指標演算システム30は、例えば、マウス、キーボード等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、プロセッサと、メモリとを有するコンピュータによって構成される。閉塞抑制指標演算システム30は、例えば、入力装置を介して入力等された与条件31に従がって閉塞抑制指標を算出する。具体的には、閉塞抑制指標演算システム30は、例えば、式(1)に、与条件31に含まれる対象とする高融点金属元素を含む化合物の質量割合(金属濃度)と、りんの質量割合(りん濃度)とを代入することにより、閉塞抑制指標を算出し、薬品注入部25に通知する。与条件31には、焼却炉17で直近に発生し、成分分析された焼却灰における対象とする高融点金属元素を含む化合物の質量割合と、りんの化合物の質量割合とを設定しても良い。また、焼却炉17での通年の焼却灰の成分分析を行っておき、その成分分析結果のうち最も閉塞抑制指標が低くなる条件、すなわち、りんの化合物の質量割合が最大のものと、各高融点金属元素を含む化合物の質量割合の合計が最小のものとを、与条件31に設定しても良い。なお、与条件31は、閉塞抑制指標演算システム30のメモリ等に予め記憶させておくようにしても良い。
【0050】
薬品注入部25は、閉塞抑制指標演算システム30から通知された閉塞抑制指標が予め設定されている基準値より低いか否かを判定し(添加判定ステップ)、基準値よりも低い場合には、閉塞抑制指標が高くなるように、焼却炉の燃焼温度よりも融点が高いりん化合物となる金属元素を含む薬剤(付着防止薬剤)を汚泥に加えて混合させる(添加ステップ)。使用する付着防止薬剤としては、費用や取り扱い容易の観点から鉄含有薬剤、例えば、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)とすることができる。また、付着防止薬剤を加える汚泥としては、脱水機16に投入される前の汚泥であっても良く、脱水機16により脱水された脱水汚泥であっても良い。なお、ポリ鉄を汚泥に混合させる場合には、硫黄成分を再処理できるようにするために、脱水機16に投入される前が好ましい。このように汚泥に薬剤を加えることにより、下水汚泥における高融点金属元素を増加させることができ、りんが融点の低い化合物となる可能性を低くでき、結果として、りん化合物が液体状となって、焼却炉17の各部に付着等する可能性を低くすることができ、焼却炉の閉塞を効果的に防止できる。
【0051】
汚泥に加える付着防止薬剤の量としては、付着防止薬剤に含まれる金属元素を含めた状態での下水汚泥についての閉塞抑制指標が或る基準値を超えるようにできる量としても良い。また、通年に亘って付着防止薬剤を加えるようにすると費用が高くなるので、焼却灰の状態の季節変動を考慮して、閉塞抑制指標が低くなるような時期にだけ、付着防止薬剤を加えるようにしても良い。例えば、日本であれば、冬期にりんの質量割合が高くなる傾向があるので、冬期にのみ、付着防止薬剤を加えるようにしても良い。
【0052】
<第3実施形態>
【0053】
次に、本発明の第3実施形態に係る下水処理システムについて説明する。
【0054】
図5は、本発明の第3実施形態に係る下水処理システムの一例の構成図である。なお、図4に示す下水処理システムと同様な構成については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0055】
下水処理システム1は、第2実施形態に係る下水処理システム1において、閉塞抑制指標演算システム30に代えて、閉塞抑制指標演算システム40を備える。更に、下水処理システム1は、流量計21と、T−P計22と、T−P計23と、含水率計24とを有する。
【0056】
流量計21は、例えば、電磁流量計であり、外部から第1沈殿池11に流入する流入水の量(流入水量Qin[m/d])を測定し、測定結果を閉塞抑制指標演算システム40に通知する。T−P計22は、第1沈殿池11への流入水における全りんの濃度(流入水りん濃度Pin[g/m])を測定し、測定結果を閉塞抑制指標演算システム40に通知する。T−P計23は、第2沈殿池11から流出する流出水における全りんの濃度(流出水りん濃度Peff[g/m])を測定し、測定結果を閉塞抑制指標演算システム40に通知する。含水率計24は、脱水汚泥における含水率HO[%]を測定し、閉塞抑制指標演算システム40に通知する。
【0057】
閉塞抑制指標演算システム40には、与条件41と、りん回収率(α)42と、脱水汚泥発生量(Q)43とが入力される。
【0058】
与条件41としては、焼却灰における対象の複数の高融点金属元素を含む化合物の質量割合と、灰分Aとが含まれる。焼却灰における対象の高融点金属元素を含む化合物の質量割合としては、焼却炉17で直近に発生し、成分分析された焼却灰における高融点金属元素を含む化合物の質量割合としても良く、予め長期間(例えば、1年間)の焼却灰の成分分析を行っておき、その成分分析結果のうち最も閉塞抑制指標が低くなる条件、すなわち、対象の各高融点金属元素を含む化合物の質量割合の合計が最小のものとしても良い。
【0059】
灰分Aは、例えば、JIS M8812に規定される分析方法による分析値であり、脱水汚泥を空気中で815度に加熱灰化したときに、残留する灰の量の脱水汚泥に対する質量分率(%)である。灰分Aは、閉塞抑制指標を求める対象の処理場に応じて決定して良い。
【0060】
りん回収率(α)42は、濃縮槽14、濃縮機15、及び脱水機16による濃縮及び脱水処理を行った場合に、脱水汚泥(固形物)中に残るりんの割合[%]を示す。ここで、濃縮方式(重力濃縮、遠心濃縮、浮上濃縮等)や脱水方式(ベルトプレス脱水、遠心脱水等)によって、脱水汚泥中に残るりんの割合は異なるので、処理場毎に実測を行い、各処理場におけるりん回収率を決定することが好ましい。
【0061】
脱水汚泥発生量(Q)43は、脱水機16によって発生した脱水汚泥の量[kg/d]である。脱水汚泥発生量Qは、例えば、工業計器によって測定することができる。
【0062】
閉塞抑制指標演算システム40は、例えば、マウス、キーボード等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、プロセッサと、メモリとを有するコンピュータによって構成される。閉塞抑制指標演算システム40は、例えば、入力装置や、他の装置から入力された各種値に従がって閉塞抑制指標を演算する。具体的には、閉塞抑制指標演算システム40は、例えば、式(2)に、各種値を代入することにより、閉塞抑制指標を算出し、薬品注入部25に通知する。
【0063】
【数2】
【0064】
ここで、Xは、閉塞抑制指標[−]であり、Feは、焼却灰のFeの質量割合であり、Al3は、焼却灰のAl3の質量割合であり、CaOは、焼却灰のCaOの質量割合であり、MgOは、焼却灰のMgOの質量割合であり、Pは焼却灰のPの質量割合である。また、M(i)は、化合物又は元素iの分子量[g/mol]である。
【0065】
また、Qinは、流入水量[m/d]であり、Qは、脱水汚泥発生量[kg/d]であり、Pinは、流入水りん濃度[g/m]であり、Peffは、流出水りん濃度[g/m]であり、HOは、含水率[%]であり、αは、りん回収率[%]であり、Aは、灰分[%]である。
【0066】
式(2)の分子は、式(1)と同様であり、焼却灰中の対象の高融点金属元素と結合可能なりんの量(結合可能量)を示している。結合可能量は、焼却灰を100[g]とした場合における結合可能なりんのモル数を示している。式(2)の分母は、流入水りん濃度Pinと、流出水りん濃度Peffとに基づいて算出される焼却灰中のりんの量(包含量)を示している。包含量は、焼却灰を100[g]とした場合におけるりんのモル数を示している。
【0067】
本発明の第3実施形態に係る下水処理システムによると、焼却炉17で燃焼させる対象となる実際の下水汚泥に含まれるりん濃度を、成分分析を行わずに高精度且つ即時的に特定することができる。このため、焼却炉17で燃焼させる前に、その汚泥に適切に対応した閉塞抑制指標を算出でき、汚泥に適切に付着防止薬剤を加えることができる。このため、使用する付着防止薬剤の量を適切化できるとともに、焼却炉17での灰の付着や、焼却炉17の閉塞の発生を適切に防止することができる。
【0068】
<第4実施形態>
【0069】
次に、本発明の第4実施形態に係る下水処理システムについて説明する。
【0070】
図6は、本発明の第4実施形態に係る下水処理システムの一例の構成図である。なお、図1に示す下水処理システムと同様な構成については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0071】
焼却炉17から排出される焼却灰は、処理場によりその外観は異なるが、これは、その処理場で対象としている汚泥の灰成分の違いに起因している。焼却灰は、一般には、鉄分が多い場合には赤茶色となり、その他の金属類が多い場合には、灰色から黒色となる。また、焼却灰は、金属類に対して相対的にりん濃度が高い場合には、白色を帯びてくる。
第4実施形態に係る下水処理システムは、このような特徴のある焼却灰の色に着目してなされたものであり、焼却炉17から排出される焼却灰の色に基づいて、汚泥への付着防止薬剤の添加を制御する。
【0072】
焼却灰の色に基づいて付着防止薬剤の添加を制御するために、まず、本実施形態では、対象とする各処理場毎に、長期間にわたり複数時点の焼却灰の色を観察し、各時点の焼却灰の成分分析を行って、その時点の閉塞抑制指標を式(1)に従がって算出する(色評価指標特定ステップ)。そして、それらの閉塞抑制指標に基づいて、付着防止薬剤の添加が必要であるか否かを決定し、付着防止薬剤の添加が必要であると判断した閉塞抑制指標に対応する焼却灰の色を特定しておく(基準色特定ステップ)。このように特定した焼却灰の色は、後述するように汚泥への付着防止薬剤の添加を制御するための基準色として用いられる。なお、このように閉塞抑制指標に基づいて決定された基準色を利用することは、閉塞抑制指標を間接的に利用しているといえる。
【0073】
下水処理システム1は、第1実施形態に係る下水処理システム1において、更に、色センサ26と、薬品注入部27とを有する。
【0074】
色センサ26は、焼却炉17から排出される焼却灰の色を検出し(焼却灰色特定ステップ)、薬品注入部27に色の情報を通知する。色センサ26は、焼却灰の色相、彩度、明度を測定するセンサであっても良い。
【0075】
薬品注入部27は、色センサ26から通知された色と、予め特定されている基準色とを比較して、通知された色が基準色よりもりん濃度が高い色、すなわち、より白色を帯びた色であるかを判定し、りん濃度が高い色であると判定した場合には、汚泥に対して付着防止薬剤を添加する一方、りん濃度が高い色であると判定していない場合には、付着防止薬剤の添加を行わない(添加判定ステップ)。
【0076】
このように、第4実施形態に係る下水処理システム1によると、基準色を決定した後においては、焼却炉17から排出された焼却灰に対して成分分析を行わずとも、その時点における焼却灰の焼却炉17への付着、又は焼却灰による焼却炉17の閉塞の危険性を適切に評価することができ、焼却炉17の閉塞の危険性を低減することができる。
【0077】
<その他の実施形態>
【0078】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
【0079】
例えば、上記第2乃至第4実施形態では、薬品注入部25,27が人手によらずに汚泥に付着防止薬剤を加える処理をしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、少なくとも一部に人手が関与するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、焼却炉の閉塞の危険性を評価するために利用できる。また、本発明は、焼却炉の閉塞を防止するために利用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 水処理システム
11 第1沈殿池
12 生物反応槽
13 第2沈殿池
14 濃縮槽
15 濃縮機
16 脱水機
17 焼却炉
25,27 薬品注入部
26 色センサ
30,40 閉塞抑制指標演算システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6