(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面らを参照して、本発明の望ましい実施形態らをより詳細に説明する。
【0029】
第1の実施形態
まず、
図1〜
図3を参照して光学板を含む表示装置に対して説明した後、
図5及び
図6を参照して本実施形態に係る光学板を具体的に説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施形態に係る表示装置を説明するための概念斜視図である。
【0031】
図1を参照すると、本実施形態に係る表示装置500は表示パネル100、偏光板200、光学板300、及びバックライトアセンブリ400を含む。
【0032】
前記表示パネル100は前記バックライトアセンブリ400から提供される光を利用して画像を表示する。一例として、前記表示パネル100は液晶を含む液晶表示パネルであることができる。前記表示パネル100は前記バックライトアセンブリ400の上部に配置されることができる。
【0033】
前記偏光板200は前記表示パネル100と前記バックライトアセンブリ400との間に配置される。前記偏光板200は前記バックライトアセンブリ400から提供される入射光を偏光させ前記表示パネル100に提供する。前記偏光板200は前記入射光のうち第1偏光を透過させる。
【0034】
前記光学板300は前記表示パネル100の上部に配置される。前記光学板300は偏光層310及び位相遅延層320を含む。前記偏光層310は前記表示パネル100を通過した光のうち、第2偏光を透過させる。前記第2偏光の方向は前記第1偏光の方向と異なる方向であり、例えば、互いに垂直であることができる。
図1では、説明の便宜のために前記光学板300と前記表示パネル100を分離して図示したが、前記光学板300は前記表示パネル100に付着したり、または、前記表示パネル100上に直接的に形成されて、前記表示パネル100と直接的に接触する。
【0035】
前記偏光層310は前記光学板300を構成する一構成要素として「層(layer)」と定義される。反面、前記偏光層310は前記表示パネル100と独立的な構成要素として「板(plate)」と定義されることもできる。本発明の詳細な説明及び特許請求範囲では「偏光層」はベース基板上に線格子パターンが形成された前記偏光板200と実質的に同一であると定義し、前記偏光板200と区分するために一括的に「偏光層」と称して説明する。
【0036】
前記位相遅延層320は前記偏光層310上に配置されて前記偏光層310を通過した前記第2偏光の位相を遅延させる。前記位相遅延層320は前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる第1パターンP1及び前記第2偏光をλ/4位相遅延させる第2パターンP2を含む。そこで、「λ」は光の波長を示す。一例として、前記波長は緑色光の波長範囲の約500nm〜約550nmであることができる。
【0037】
前記第1パターンP1及び前記第2パターンP2は前記表示装置500の第1方向D1に沿って延び、第2方向D2に沿って反復的に配列される。前記第2方向D2は前記第1方向D1と垂直であることができる。一例として、前記第1パターンP1及び前記第2パターンP2が線格子で配列される。前記第1パターンP1は前記第2偏光を位相遅延させることによって前記第2偏光を第1円偏光に変更する。前記第1パターンP1は回転子によって前記第2偏光を−45°回転させたのと実質的に同じであるように前記第2偏光を前記第1円偏光に変更することができる。前記第2パターンP2は前記第2偏光を前記第1パターンP1と相異なるように位相遅延させることによって前記第2偏光を第2円偏光に変更する。前記第2パターンP2は回転子によって前記第2偏光を+45°回転させたのと実質的に同じであるように前記第2偏光を前記第2円偏光に変更することができる。前記第1円偏光の方向と前記第2円偏光の方向は互いに反対方向である。一例として、前記第1円偏光が左円偏光である時、前記第2円偏光は右円偏光であることができる。これとは異なって、前記第1円偏光が右円偏光である時、前記第2円偏光は左円偏光であることができる。
【0038】
前記表示装置500は、2D画像を表示するが、偏光メガネ600を着用した観察者は前記偏光メガネ600を通じて前記第1及び第2円偏光を両眼各々に選択的に提供されることができる。前記偏光メガネ600は前記第1円偏光を通過させることのできる第1メガネ部610及び前記第2円偏光を通過させることのできる第2メガネ部620を含む。前記第1円偏光は前記第1メガネ部610は通過するが、前記第2メガネ部620は通過することができない。前記第2円偏光は、前記第2メガネ部620は通過するが、前記第1メガネ部610は通過することができない。これによって、前記観察者は片目では前記第1円偏光のみを見、他の片目では前記第2円偏光のみを見て、前記観察者の脳内は実質的には立体画像(以下、3D画像)を認識することになる。反面、前記観察者が前記偏光メガネ600を脱げば前記表示装置500を通じて平面画像(以下、2D画像)を視認することができる。
【0039】
図2は
図1の表示パネルと位相遅延層との間の配置関係を説明するための拡大平面図である。
図3は
図1のI−I’ラインに沿って切断した断面図である。
【0040】
図2及び
図3を参照すると、前記表示パネル100は薄膜トランジスタ(図示せず)及び画素電極(図示せず)を含む第1基板110及び前記第1基板110と対向する第2基板120を含む。前記第1基板110と第2基板120との間には表示素子が介在して前記バックライトアセンブリ400が提供する光の透過率を前記表示素子が調節して前記表示パネル100が画像を表示することができる。例えば、前記表示素子は液晶であってもよい。前記偏光板200は、前記表示パネル100が前記バックライトアセンブリ400から光の提供を受ける入射面側に結合する。前記光学板300は、前記入射面側と対向する、表示パネル100の出射面側に結合する。具体的に、前記偏光板200は前記入射面側の前記第1基板110の外側に結合し、前記光学板300は前記出射面側の前記第2基板120の外側に結合する。前記第2基板120の外側に前記偏光層310及び前記位相遅延層320が順次に形成されることができる。
【0041】
前記表示パネル100は前記第1基板110と第2基板120の結合によって定義される複数の画素セルを含む。前記画素セルの各々は一つの画素電極及びカラーを現わすカラーフィルタを含む。前記カラーフィルタは前記第1基板110に形成されることもでき、前記第2基板120に形成されることもできる。前記画素セルは、レッドを現わすレッド画素(R)、グリーンを現わすグリーン画素(G)及びブルーを現わすブルー画素(B)を含むことができる。前記レッド、グリーン及びブルー画素(R,G,B)は前記第1方向D1に繰り返して配列されて第n画素列Rnを定義する。前記レッド、グリーン及びブルー画素(R,G,B)の前記第2方向D2に配置されたレッド、グリーン及びブルー画素(R,G,B)が前記第n画素列Rnの前記第2方向D2に配置された第n+1画素列Rn+1を定義する。前記第n+1画素列Rn+1の前記第2方向D2に第n+2画素列Rn+2が配置される。より正確には、
図2の第2方向D2の矢印方向とは逆方向に、第n画素列Rn、第n+1画素列Rn+1、第n+2画素列Rn+2が配置される。
【0042】
前記第1パターンP1は前記第1方向D1に沿って延び、前記第2方向D2に離隔して配置されることによって、前記第n画素列Rn及び前記第n+2画素列Rn+2上に配置される。前記第2パターンP2は互いに隣接した前記第1パターンP1の間に配置されて、前記第n+1画素列Rn+1上に配置される。
【0043】
前記位相遅延層320の位相遅延軸は前記偏光層310の偏光吸収軸と所定の一定角度を有する。一例として、前記位相遅延軸が前記第1方向D1または、前記第2方向D2に延びる場合、前記偏光吸収軸は前記第1方向D1と前記第2方向D2との間の第3方向D3に延びることができる。前記位相遅延軸は前記位相遅延層320が前記第2偏光を円偏光させるために前記吸収軸と45°の傾斜を成すことが望ましい。
【0044】
図4は
図3に図示した第2パターンの拡大断面図である。
【0045】
図4を参照すると、前記第2パターンP2は光学的に異方性を有する位相遅延部323a及び前記位相遅延部323a上に配置されて等方性を有する等方性光学部323bを含むことができる。前記位相遅延部323aは前記第2偏光を実質的にλ/4位相遅延させる。前記位相遅延部323aは前記第1パターンP1の単一層の一部が前記等方性光学部323bに変更した後に残留する部分である。前記等方性光学部323bは前記位相遅延部323aを通過した光を光学的に変更或いは透過させる。
【0046】
図5及び
図6は、
図3に図示した光学板を通過する光を説明するための概念図である。
【0047】
図5を参照すると、前記表示パネル100の前記第n画素列Rn及び前記第n+2画素列Rn+2を通過した光は前記偏光層310を通過することによって、前記第2偏光になる。続いて、前記第2偏光は前記位相遅延層320の前記第1パターンP1を通過することによって、前記第2偏光が3λ/4位相遅延されて前記第1円偏光になることができる。本実施形態に係る前記第1パターンP1は前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる単一層で形成される。
【0048】
図6を参照すると、前記表示パネル100の前記第n+1画素列Rn+1を通過した光は前記偏光層310を通過することによって、前記第2偏光になる。前記第2偏光は前記第2パターンP2の前記位相遅延部323aを通過することによって前記第2偏光がλ/4位相遅延されて前記第2円偏光になる。続いて、前記等方性光学部323bは前記第2円偏光に光学的に影響を与えないので前記第2円偏光は前記等方性光学部323bを通過する。
【0049】
図面で図示していないが、前記位相遅延層320は前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる第3パターン及び前記第2偏光をλ/4位相遅延させる第4パターンを含み、前記第3及び第4パターンはチェック形態で配列することができる。前記レッド、グリーン及びブルー画素(R,G,B)を一つの単位とする時、前記第3及び第4パターンの各々は少なくとも1つの単位と対応するように前記チェック形態で配列することができる。
【0050】
図7〜
図10は
図1に図示した光学板の製造方法を説明するための断面図である。
【0051】
図7を参照すると、前記偏光層310上に第1位相遅延フィルムPL1を形成する。前記第1位相遅延フィルムPL1は前記偏光層310を通過した前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる位相遅延フィルムである。前記第1位相遅延フィルムPL1の位相遅延軸は前記偏光層310の偏光吸収軸と45°の傾斜を成すように前記偏光層310上に形成される。
【0052】
図8を参照すると、前記第1位相遅延フィルムPL1上で前記第1位相遅延フィルムPL1の一部領域に熱Eを提供する。前記熱Eを提供する工程は、熱転写印刷機を利用することができる。前記熱転写印刷機が前記熱Eを提供することによって前記第1位相遅延フィルムPL1の一部にのみ局部的に前記等方性光学部323bを形成することができる。
【0053】
前記一部領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記一部領域の隣接領域の前記第1位相遅延フィルムPL1は単一層の前記第1パターンP1と定義されることができる。また、前記一部領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記等方性光学部323bの下部には光学的に異方性を有する部分が残留して前記第2パターンP2の前記位相遅延部323aが形成される。
【0054】
図9を参照すると、前記第1位相遅延フィルムPL1の前記一部領域と所定間隔離隔された領域に前記熱Eを提供する。これによって、前記離隔された領域に前記等方性光学部323bが形成される。前記離隔された領域の前記等方性光学部323bの下部には光学的に異方性を有する部分が残留して前記第2パターンP2の前記位相遅延部323aが形成される。
【0055】
図10を参照すると、上述のような工程を繰り返して遂行することによって、前記第1位相遅延フィルムPL1に前記第1パターンP1及び第2パターンP2を含む前記位相遅延層320を形成することができる。これによって、前記光学板300が完成される。
【0056】
図示はしていないが、前記第1位相遅延フィルムPL1の複数の領域に同時に前記熱Eを加える熱転写印刷機を利用することによって
図7及び
図9で説明した工程を一つのステップとして完了することもできる。
【0057】
本実施形態によると、光の出射面側に互いに異なる位相遅延された光を透過させる位相遅延層を単純な工程で容易に形成することができる。これによって、前記光学板300の生産性を向上させることができる。
【0058】
図10に図示した光学板300は、前記第1基板110と第2基板120を含む前記表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の前記第1基板110の外側に前記偏光板200を結合させた後に、
図3に示すように前記表示パネル100と結合することができる。これによると、前記光学板300を利用することによって前記表示装置500の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置500の製造工程を単純化させることができる。
【0059】
第2の実施形態
図11は、本発明の第2の実施形態に係る光学板の断面図である。
【0060】
図11を参照すると、本実施形態に係る光学板301は偏光層310及び前記偏光層310上に形成された位相遅延層321を含む。前記位相遅延層321は前記偏光層310を通過した偏光を位相遅延させて第1円偏光及び第2円偏光を作る。
【0061】
前記位相遅延層321は前記偏光を3λ/4位相遅延させる第1パターンP1及び前記偏光をλ/4位相遅延させる第2パターンP2を含む。具体的に、前記第1パターンP1は第1光学層332及び前記第1光学層332上に形成された第2光学層342を含む。前記第1光学層332の位相遅延軸と前記第2光学層342の位相遅延軸は実質的に互いに一致することができる。前記第1光学層332は前記偏光をλ/4位相遅延させる。前記第2光学層342は前記第1光学層332を通過した光をλ/2位相遅延させる。前記第2パターンP2は前記第1光学層332と実質的に同じ異方性光学層334及び前記異方性光学層334上に形成された等方性光学層342を含む。前記異方性光学層334は、前記偏光をλ/4位相遅延させる。前記等方性光学層344は、λ/4位相遅延された前記偏光を光学的に変形せずに透過させる。
【0062】
前記第1光学層332及び前記異方性光学層334は、前記偏光をλ/4位相遅延させる互いに実質的に同じ層である。前記等方性光学層344は前記第2光学層342と実質的に同じ層が熱によって変形されて形成される。
【0063】
図12及び
図13は、
図11に図示した光学板を通過する光を説明するための概念図である。
【0064】
図12を参照すると、入射光は前記偏光層310を通過することによって前記偏光になる。前記偏光は前記第1パターンP1の前記第1光学層332を通過することによって、λ/4位相遅延される。λ/4位相遅延された前記偏光は前記第2円偏光と実質的に同一であることもできる。続いて、前記第2円偏光が前記第1パターンP1の前記第2光学層342を通過することによって、前記第2円偏光の方向が変わって前記第1円偏光になることができる。即ち、前記偏光は前記第1光学層332及び第2光学層342を、次々と通過することによって3λ/4位相遅延板を通過したのと実質的に同じ結果で前記偏光を前記第1円偏光に作ることができる。
【0065】
図13を参照すると、入射光は前記偏光層310を通過することによって前記偏光になる。前記偏光は前記第2パターンP2の前記異方性光学層334を通過することによって前記偏光がλ/4位相遅延されて前記第2円偏光になる。続いて、前記第2円偏光は前記等方性光学層344を通過する。この場合、前記等方性光学層344は、前記第2円偏光に光学的に影響を与えないので前記第2円偏光は前記等方性光学層344を通過する。
【0066】
図14は
図11に図示した光学板の製造方法を説明するための断面図である。
【0067】
図14を参照すると、前記偏光層310を形成する。前記偏光層310を形成する段階は、
図7で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0068】
前記偏光層310上に第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2を含む第2異方性光学フィルムを形成する。前記第1光学フィルム330は、前記偏光層310を通過した前記偏光をλ/4位相遅延させる位相遅延フィルムである。前記第1光学フィルム330の位相遅延軸は、前記偏光層310の偏光吸収軸と45°の傾斜を成すように前記偏光層310上に形成される。前記第2光学フィルムPL2は前記第2円偏光をλ/2位相遅延させる位相遅延フィルムである。前記第2光学フィルムPL2の位相遅延軸は、前記偏光層310の偏光吸収軸と45°の傾斜を成すように前記偏光層310上に形成される。前記第2光学フィルムPL2の位相遅延軸は前記第1光学フィルム330の位相遅延軸と実質的に同じ方向でありうる。
【0069】
前記第2光学フィルムPL2上で前記第2光学フィルムPL2の一部領域に熱Eを提供して、前記第2光学フィルムPL2の光学的性質を変更することによって前記等方性光学層344を形成する。前記等方性光学層344の下部に配置された前記第1光学フィルム330が前記異方性光学層334と定義される。続いて、前記一部領域と所定間隔離隔された領域に前記熱Eを提供して前記離隔された領域の前記第2光学フィルムPL2で前記等方性光学層344を形成する。このような工程を繰り返すことによって、
図11に図示した前記光学板301を製造することができる。
図示はしていないが、第2光学フィルムPL2の複数の領域に同時に熱Eを加える熱転写印刷機を利用することによって
図14で説明した工程を一つのステップとして完了することもできる。
【0070】
本実施形態によると、光の出射面側に互いに異なる位相遅延された光を透過させる位相遅延層を互いに異なる2つの光学フィルムを利用して単純な工程で容易に形成することができる。これによって、前記光学板301の生産性を向上させることができる。また、前記光学板301を
図1に図示した表示パネル100と結合して表示装置を製造することができる。
【0071】
図11に図示した光学板301は、
図3に図示した表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の第1基板110の外側に偏光板200を結合させた後に前記表示パネル100と結合することができる。これによると、前記光学板301を利用することによって表示装置500の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置500の製造工程を単純化させることができる。
【0072】
第3の実施形態
図15は、本発明の第3の実施形態に係る光学板の断面図である。
【0073】
図15を参照すると、本実施形態に係る光学板302は偏光層310及び前記偏光層310上に形成された位相遅延層322を含む。前記位相遅延層322は前記偏光層310を通過した偏光を位相遅延させて第1円偏光及び第2円偏光を作る。
【0074】
前記位相遅延層322は前記偏光を3λ/4位相遅延させる第1パターンP1及び前記偏光をλ/4位相遅延させる第2パターンP2を含む。具体的に、前記第1パターンP1は、第1光学層332及び前記第1光学層332上に形成された第2光学層342を含む。前記第1パターンP1は、
図11で説明した第1パターンと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。前記第2パターンP2は、前記第1光学層332と実質的に同じ異方性光学層334のみを含む。
図15では、
図11の等方性光学層344に相当する部分に、符号番号344を付しているが、
図11の等方性光学層344は
図15では存在しない。前記異方性光学層334は、前記偏光をλ/4位相遅延させる。前記第1光学層332及び前記異方性光学層334は、前記偏光をλ/4位相遅延させる互いに実質的に同じ層である。
【0075】
前記偏光が前記第1パターンP1により前記第1円偏光になることは、
図12で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0076】
図16は
図15に図示した光学板を通過する光を説明するための概念図である。
【0077】
図16を参照すると、入射光は前記偏光層310を通過することによって前記偏光になる。前記偏光は前記第1パターンP2を通過することによって、前記偏光がλ/4位相遅延されて前記第2円偏光になる。前記第2パターンP2は前記異方性光学層334のみを含むので、前記異方性光学層334を通過した前記第2円偏光は光学的に変形せずに観察者に伝えられる。
【0078】
図17は
図15に図示した光学板の製造方法を説明するための断面図である。
【0079】
図17を参照すると、前記偏光層310を形成する。前記偏光層310を形成する段階は、
図7で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0080】
前記偏光層310上に第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2を含む第2位相遅延フィルムを形成する。前記第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2は、
図14で説明したのと実質的に同一なので、具体的な説明は省略する。
【0081】
前記第2光学フィルムPL2上にフォトレジストパターンPRを形成し、前記フォトレジストパターンPRをマスクとして利用して前記第2光学フィルムPL2をパターニングする。前記フォトレジストパターンPRが形成されていない領域の前記第2光学フィルムPL2は除去されて離隔空間345を形成する。また、前記フォトレジストパターンPRが形成された領域の前記第2光学フィルムPL2は残留して前記第2光学層342を形成する。
【0082】
本実施形態によれば、光の出射面側に互いに異なる位相遅延された光を透過させる位相遅延層を互いに異なる2つの光学フィルムを利用して単純な工程で容易に形成することができる。これに従って、前記光学板302の生産性を向上させることができる。また、前記光学板302を
図1に図示した表示パネル100と結合して表示装置を製造することができる。
【0083】
図15に図示した光学板302は、
図3に図示した表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の第1基板110の外側に偏光板200を結合させた後に前記表示パネル100と結合することができる。これによれば、前記光学板302を利用することによって表示装置502の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置の製造工程を単純化させることができる。
【0084】
第4の実施形態
以下、
図15に図示した光学板の製造方法の他の例を
図18を参照して説明する。
【0085】
図18は本発明の第4の実施形態に係る光学板の製造方法を説明するための断面図である。本実施形態に係る光学板は
図15に図示した光学板と実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0086】
図18を参照すると、偏光層310を形成し、前記偏光層310上に第1光学フィルム330を含む第3位相遅延フィルムを形成する。前記偏光層310及び前記第1光学フィルム330は、
図7で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0087】
前記第1光学フィルム330上に、前記第1光学フィルム330を通過した光をλ/2位相遅延させて互いに離隔して配置された異方性光学パターン346を形成する。前記異方性光学パターン346は外部圧力Pを加えて前記第1光学フィルム330上に付着することができる。前記異方性光学パターン346と前記第1光学フィルム330との間には接着剤が介在することができる。
図17の第1光学フィルム330は
図15の第1光学層332及び異方性光学層334に相当する。また、
図18の異方性光学パターン346は
図15の第1パターンP1の第2光学層342に相当する。
図18において、異方性光学パターン346が形成されていない領域は、
図15において第2パターンP2に相当する。
【0088】
本実施形態によれば、光の出射面側に互いに異なる位相遅延された光を透過させる位相遅延層を、互いに異なる2つの光学フィルムを利用して単純な工程で容易に形成することができる。これによって、前記光学板302の生産性を向上させることができる。
【0089】
第5の実施形態
本実施形態に係る表示装置は
図2及び
図3で説明した表示装置と実質的に同一である。従って、重複する説明は省略し、本実施形態に係る表示装置は
図2及び
図3を参照して説明する。
図2及び
図3を参照すると、本実施形態に係る表示装置は第1基板110と第2基板120を含む表示パネル100、偏光板200、光学板300及びバックライトアセンブリ400を含む。
【0090】
図19及び
図20は本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0091】
図2及び
図19を参照すると、前記第1基板110と第2基板120を含む前記表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の前記第1基板110の外側に前記偏光板200を結合させる。続いて、前記第2基板120の外側に前記偏光層310を形成する。前記偏光層310は前記第2基板120をベース基板として利用して前記第2基板120上に形成する。
【0092】
前記偏光層310上に第1位相遅延フィルムPL1を形成する。前記第1位相遅延フィルムPL1は前記偏光層310を通過した前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる位相遅延フィルムである。前記第1位相遅延フィルムPL1の位相遅延軸は、前記偏光層310の偏光吸収軸と45°の傾斜を成すように前記偏光層310上に形成される。
【0093】
前記第1位相遅延フィルムPL1上で前記表示パネル100の第n+1画素列Rn+1と対応する領域に熱Eを提供する。前記熱Eを提供する工程は、熱転写印刷機を利用することができる。前記熱転写印刷機が前記第n+1画素列Rn+1と対応する領域に局部的に前記熱Eを提供することによって前記第1位相遅延フィルムPL1の一部にのみ前記等方性光学部323bを形成することができる。
【0094】
前記第n+1画素列Rn+1と対応する領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記表示パネル100の第n画素列Rnと対応する領域の前記第1位相遅延フィルムPL1は単一層の前記第1パターンP1と定義されることができる。また、前記第n+1画素列Rn+1と対応する領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記等方性光学部323bの下部には、光学的に異方性を有する部分が残留して前記第2パターンP2の前記位相遅延部323aが形成される。
【0095】
図20を参照すると、前記第1位相遅延フィルムPL1上で前記表示パネル100の第n+3画素列Rn+3と対応する領域に熱Eを提供する。前記熱転写印刷機が前記第n+3画素列Rn+3と対応する領域に局部的に前記熱Eを提供することによって、前記第n+3画素列Rn+3と対応する領域に前記等方性光学部323bが形成される。前記第n+3画素列Rn+3と対応する領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記表示パネル100の第n+2画素列Rn+2と対応する領域の前記第1位相遅延フィルムPL1は前記第1パターンP1と定義されることができる。また、前記第n+3画素列Rn+3と対応する領域に前記等方性光学部323bが形成されることによって、前記第n+3画素列Rn+3と対応する領域の前記等方性光学部323bの下部には光学的に異方性を有する部分が残留して前記第2パターンP2の前記位相遅延部323aが形成される。
【0096】
上述のような工程を通じて、前記第1位相遅延フィルムPL1で前記位相遅延層320を形成することができる。これによって、前記第2基板120上に前記光学板300を形成することができる。図示はしていないが、前記第n+1画素列Rn+1及び第n+3画素列Rn+3に同時に前記熱Eを加える熱転写印刷機を利用することによって
図19及び
図20で説明した工程を一つのステップで完了することもできる。
【0097】
本実施形態によれば、前記偏光層310と一体型の前記位相遅延層320を含む前記光学板300を前記表示パネル100上に直接的に形成することによって、前記表示パネル100と前記光学板300のアライン信頼性を向上させることができる。また、前記光学板300は前記第1位相遅延フィルムPL1を前記熱転写印刷機を利用してパターニングして単純な工程で容易に形成することができる。また、前記光学板300を利用することによって前記表示装置500の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置500の製造工程を単純化させることができる。
【0098】
第6の実施形態
図21は本発明の第6の実施形態に係る表示装置を説明するための断面図である。
【0099】
図21を参照すると、本実施形態に係る表示装置501は第1基板110と第2基板120を含む表示パネル100、偏光板200、光学板301及びバックライトアセンブリ400を含む。
図21に図示した表示装置501は前記光学板301を除いては
図2及び
図3に図示した表示装置500と実質的に同一である。また、前記光学板301は前記第2基板120上に直接的に形成されたことを除いては
図11に図示した光学板と実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0100】
前記光学板301は前記表示パネル100の第2基板120上に形成された偏光層310及び前記偏光層310上に形成された位相遅延層321を含む。前記位相遅延層321は前記第2偏光を3λ/4位相遅延させる第1パターンP1及び前記第2偏光をλ/4位相遅延させる第2パターンP2を含む。前記第1パターンP1は、前記表示パネルの第n画素列Rn及び第n+2画素列Rn+2上に形成され、前記第2パターンP2は前記表示パネルの第n+1画素列Rn+1及び第n+3画素列Rn+3上に形成される。
【0101】
図22は
図21に図示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0102】
図22を参照すると、前記第1基板110と第2基板120を含む前記表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の前記第1基板110の外側に前記偏光板200を結合させる。続いて、前記第2基板120の外側に前記偏光層310を形成する。前記偏光層310は前記第2基板120をベース基板として利用して前記第2基板120上に形成される。
【0103】
前記偏光層310上に第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2を含む第2異方性光学フィルムを形成する。前記第2異方性光学フィルムは
図14で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0104】
前記第2光学フィルムPL2上で前記表示パネル100の第n+1画素列Rn+1と対応する領域に熱Eを提供する。これによって、前記第n+1画素列Rn+1と対応する領域に前記等方性光学層344が形成される。前記第n+1画素列Rn+1と対応する領域に、前記等方性光学層344が形成されることによって、第n画素列Rnと対応する領域の前記第2光学フィルムPL2は前記第1パターンP1の前記第2光学層342と定義されることができる。続いて、第n+3画素列Rn+3と対応する領域に前記熱Eを提供する。上述のような工程を通じて、前記第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2で前記位相遅延層321を形成することができる。これによって、前記第2基板120上に前記光学板301を形成することができる。
【0105】
本実施形態によれば、前記偏光層310と一体型の前記位相遅延層321を含む前記光学板301を前記表示パネル100上に直接的に形成することによって、前記表示パネル100と前記光学板301のアライン信頼性を向上させることができる。また、前記光学板301は単純な工程で容易に形成することができる。また、前記光学板301を利用することによって前記表示装置501の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置501の製造工程を単純化させることができる。
【0106】
第7の実施形態
図23は、本発明の第7の実施形態に係る表示装置を説明するための断面図である。
【0107】
図23を参照すると、本実施形態に係る表示装置502は第1基板110と第2基板120を含む表示パネル100、偏光板200、光学板302及びバックライトアセンブリ400を含む。
図23に図示した表示装置502は前記光学板302を除いては
図21に図示した表示装置501と実質的に同一である。また、前記光学板302は前記第2基板120上に直接的に形成されたことを除いては
図15に図示した光学板と実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0108】
図24は
図23に図示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0109】
図24を参照すると、前記第1基板110と第2基板120を含む前記表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の前記第1基板110の外側に前記偏光板200を結合させる。続いて、前記第2基板120の外側に前記偏光層310を形成する。前記偏光層310は前記第2基板120をベース基板として利用して前記第2基板120上に形成される。
【0110】
前記偏光層310上に第1光学フィルム330及び第2光学フィルムPL2を含む第2位相遅延フィルムを形成する。前記第2異方性光学フィルムは
図14で説明したのと実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0111】
前記第2光学フィルムPL2上にフォトレジストパターンPRを形成し、前記フォトレジストパターンPRをマスクとして利用して前記第2光学フィルムPL2をパターニングする。前記表示パネル100の第n+1画素列Rn+1及び第n+3画素列Rn+3と対応する領域の前記第2光学フィルムPL2は除去され、第n画素列Rn及び第n+2画素列Rn+2と対応する領域の前記第2光学フィルムPL2が残留して前記第1パターンP1の前記第2光学層342を形成する。
【0112】
本実施形態によれば、前記表示パネル100と前記光学板302のアライン信頼性を向上させることができる。また、前記光学板302は単純な工程で容易に形成することができる。また、前記光学板302を利用することによって前記表示装置502の全体的な厚さを減少させることができ、前記表示装置502の製造工程を単純化させることができる。
【0113】
第8の実施形態
以下では、
図25を参照して
図24で説明したのと他の方法で
図23に図示した表示装置の製造方法を説明する。
【0114】
図25は本発明の第8の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。本実施形態に係る表示装置は
図23に図示した表示装置と実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0115】
図25を参照すると、第1基板110と第2基板120を含む表示パネル100を製造し、前記表示パネル100の前記第1基板110の外側に偏光板200を結合させる。続いて、前記第2基板120の外側に偏光層310を形成する。前記偏光層310は前記第2基板120をベース基板として利用して前記第2基板120上に形成する。前記偏光層310上に第1光学フィルム330を含む第3位相遅延フィルムを形成する。前記第1光学フィルム330は
図14で説明したのと実質的に同一であるので、重複する説明は省略する。
【0116】
前記第1光学フィルム330上に前記第1光学フィルム330を通過した光をλ/2位相遅延させ、互いに離隔して配置された異方性光学パターン346を形成する。前記異方性光学パターン346は前記表示パネル100の第n画素列Rn及び第n+2画素列Rn+2と対応する領域にのみ形成する。前記表示パネル100の第n+1画素列Rn+1及び第n+3画素列Rn+3と対応する領域の前記第1光学フィルム330は前記異方性光学パターン346は形成されておらず、露出されている。前記異方性光学パターン346は外部圧力Pを加えて前記第1光学フィルム330上に付着することができる。前記異方性光学パターン346と前記第1光学フィルム330との間には接着剤が介在することができる。
【0117】
従来、光学板は一般的にベース基板またはベースフィルム上に領域別に異なる方向性を有する配向膜及び前記配向膜上に配置された液晶を含んで形成されているため、コーティング工程、露光工程、配向工程などの複数の工程を遂行することで形成されており、製造工程時間及び/または製造費用を上昇させる要因となっていた。本発明によれば、光学板の構成が上記実施形態に示す通り、従来のような領域別に異なる方向性を有する配向膜及び前記配向膜上に配置された液晶を含んで形成されているわけではないため、上記実施形態のような簡便な製造工程で光学板を形成することができる。よって、製造工程時間及び/または製造費用を減らすことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。