(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図2は本発明の第1の実施の形態における第1コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図、
図3は本発明の第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが互いに嵌合した状態を示す斜視図、
図4は本発明の第1の実施の形態における第1コネクタの断面図であり、
図1におけるA−A矢視断面図である。なお、
図1及び3において、(a)は第1コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第1コネクタの実装面側から観た図である。
【0024】
図において、1は本実施の形態における一対の基板対基板コネクタの一方のコネクタとしての第1コネクタであり、図示されない第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。また、101は本実施の形態における一対の基板対基板コネクタの他方のコネクタ、すなわち、相手方コネクタとしての第2コネクタであり、図示されない第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。本実施の形態における基板対基板コネクタは、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101を含み、第1基板及び第2基板を電気的に接続する。なお、前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0025】
また、本実施の形態において、基板対基板コネクタの各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記基板対基板コネクタの各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0026】
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面側(
図2における上側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部12が形成されている。前記第1コネクタ1は、例えば、縦約10.0〔mm〕、横約2.5〔mm〕及び厚さ約1.0〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。そして、前記凹部12内には島部としての第1凸部13が第1ハウジング11と一体的に形成され、また、前記第1凸部13の両側には該第1凸部13と平行に延在する側壁部14が第1ハウジング11と一体的に形成されている。この場合、前記第1凸部13及び側壁部14は、凹部12の底面から上方に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する。これにより、前記第1凸部13の両側には、凹部12の一部として、第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凹部である凹溝部12aが第1凸部13と側壁部14との間に形成される。なお、図に示される例において、前記第1凸部13は単数であるが、複数であってもよく、その数はいくつであってもよい。また、前記第1凸部13は、例えば、幅約0.6〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。
【0027】
ここで、前記第1凸部13の両側の側面には凹溝状の第1端子収容内側キャビティ15aが形成されている。また、前記側壁部14の内側の側面には凹溝状の第1端子収容外側キャビティ15bが形成されている。そして、前記第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとは、凹溝部12aの底面において連結され互いに一体化しているので、第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとを統合的に説明する場合には、第1端子収容キャビティ15として説明する。
【0028】
該第1端子収容キャビティ15は、第1凸部13の両側に、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで10個ずつ形成されている。そして、第1端子収容キャビティ15の各々に収容される第1端子61も、第1凸部13の両側に、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで10個ずつ配設されている。なお、前記第1端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。
【0029】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続されたテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された上側接続部67と、該上側接続部67の内方端近傍に形成された第2接触凸部としての第2接触部66と、該第2接触部66に接続された下側接続部64と、該下側接続部64の自由端近傍に形成された第1接触部65と、該第1接触部65に形成された第1接触凸部65aとを備える。
【0030】
そして、前記被保持部63は、上下方向、すなわち、第1ハウジング11の厚さ方向に延在し、前記第1端子収容外側キャビティ15bに嵌入されて保持される部分である。また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向、すなわち、第1ハウジング11の幅方向に外方を向いて延出し、第1基板上の導電トレースに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続される。さらに、前記上側接続部67は、被保持部63に対して曲げて接続され、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて延出する。
【0031】
前記上側接続部67の内方端には、下方に向けて曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて突出する湾曲した第2接触部66が形成されている。また、前記下側接続部64は、前記第2接触部66の下端に接続されたU字状の側面形状を備える部分である。前記下側接続部64の自由端、すなわち、前記内方の上端近傍には、U字状に曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に外方を向いて突出する湾曲した第1接触部65が形成されている。
【0032】
前記第1端子61は、実装面側(
図2における下側)から、第1端子収容キャビティ15内に嵌入され、被保持部63が側壁部14の内側の側面に形成された第1端子収容外側キャビティ15bの側壁によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填(てん)された状態において、前記第1接触部65と第2接触部66とは、凹溝部12aの左右両側に位置し、互いに向合っている。
【0033】
なお、第1端子61は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、互いに向合う第1接触部65と第2接触部66との間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入されると、それにより、第1接触部65と第2接触部66との間隔は弾性的に伸長する。
【0034】
また、前記第1ハウジング11の長手方向両端には第1嵌合ガイド部としての第1突出端部21が各々配設されている。各第1突出端部21には、前記凹部12の一部として突出端凹部22が形成されている。該突出端凹部22は、略長方形の凹部であり、各凹溝部12aの長手方向両端に接続されている。そして、前記突出端凹部22は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える後述される第2突出端部122が挿入される挿入凹部として機能する。
【0035】
さらに、前記第1突出端部21は、側壁部14の長手方向両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する側壁延長部21bと、第1ハウジング11の短手方向に延在し、両端が側壁延長部21bに接続された端壁部21cとを備える。各第1突出端部21において、端壁部21cとその両端に接続された側壁延長部21bとは、連続したコ字状の側壁を形成し、略長方形の突出端凹部22の三方を画定する。
【0036】
そして、前記第1突出端部21には、補強金具としての第1補強金具51が取付けられる。該第1補強金具51は、端壁部21cの嵌合側面としての上面21aの少なくとも一部を覆うように配設され、第1突出端部21の側壁延長部21bに形成された第1金具保持凹部26内に収容されて保持される。
【0037】
本実施の形態において、第1補強金具51は、金属板(例えば、厚さ約0.1〔mm〕)に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、全体として第1ハウジング11の幅方向に延在する本体部としての第1本体部52と、該第1本体部52の左右両端に曲げて接続され、第1ハウジング11の厚さ方向(
図2における上下方向)に延在し、前記第1ハウジング11に保持される被保持部としての第1腕部57と、該第1腕部57の下端に接続された基板接続部としての第1基板接続部56とを備える。
【0038】
そして、前記第1本体部52は、第1ハウジング11の幅方向に直線状に、かつ、第1ハウジング11の嵌合面に平行に延在する細長い帯状の中央部52aと、該中央部52aの中央部分における内側縁(第1ハウジング11の長手方向中央に向いた縁)から下方に向けて、すなわち、実装面に向けて延出する舌片部52bと、前記中央部52aの両端近傍から第1ハウジング11の長手方向中央に向けて斜めに延出する隅部52cとを備える。
【0039】
前記中央部52aは、典型的には、端壁部21cの上面21a全体を覆う程度の形状及び大きさに形成され、かつ、前記上面21a全体を覆うように配設されるが、必ずしも、前記上面21a全体を覆う必要はなく、前記上面21aの一部のみを覆う程度のものであってもよい。
【0040】
また、前記舌片部52bは、その上端が前記上面21aに曲げて接続され、第1ハウジング11の厚さ方向に延在し、端壁部21cの内側面(第1ハウジング11の長手方向中央に向いた縁)21dの少なくとも一部を覆うように配設される。なお、図に示される例において、前記舌片部52bは、端壁部21cの内側面21dに形成された凹部21e内に収容され、該凹部21eの両側に位置する内側面21dとほぼ面一となるように形成されているが、必ずしも、前記内側面21dに凹部21eを形成して舌片部52bを収容するようにする必要はない。また、該舌片部52bは、前記内側面21d全体を覆うものであってもよい。
【0041】
さらに、前記隅部52cは、前記中央部52aと同一平面上に延在し、その先端が前記第1腕部57の上端に接続されている。また、前記隅部52cの内側縁は、第1ハウジング11の長手方向及び幅方向に対して傾斜した傾斜縁52dとなっている。そして、該傾斜縁52dは、前記突出端凹部22の外側縁(第1ハウジング11の長手端方向に向いた縁)の両隅に位置し、第2コネクタ101の第2突出端部122が突出端凹部22に挿入される際に、前記第2突出端部122を突出端凹部22内へ誘込むためのガイド部として機能する。また、前記隅部52cの存在によって、特に第1ハウジング11の幅方向の力を受けたときの第1補強金具51の強度が向上する。さらに、前記隅部52cが中央部52aと同一平面上に延在するので、端壁部21cの上面21aがより広範囲に亘(わた)って覆われ、保護される。
【0042】
前記第1金具保持凹部26は、第1ハウジング11の厚さ方向かつ長手方向に延在する溝状の第1腕部収容部26aと、該第1腕部収容部26aに連結し、側壁延長部21bの外面に開口する接続部収容開口部26bとを備える。そして、第1補強金具51の第1腕部57は、前記第1腕部収容部26a内に収容されて保持される。また、第1腕部57の下端には、第1基板接続部56が、その自由端が第1ハウジング11の幅方向外側を向くように曲げて接続されている。前記第1基板接続部56は、第1補強金具51のはんだテール部として機能し、その自由端の下面が第1ハウジング11の実装面とほぼ平行となるように形成され、第1基板上の固定用パッドにはんだ付等によって固定される。
【0043】
次に、前記第2コネクタ101の構成について説明する。
【0044】
図5は本発明の第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。なお、図において、(a)は第2コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第2コネクタの実装面側から観た図である。
【0045】
第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、例えば、縦約8.0〔mm〕、横約1.5〔mm〕及び厚さ約0.8〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1に嵌入される側、すなわち、嵌合面側(
図5(a)における上側)には、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凹溝部113と、該凹溝部113の外側を画定するとともに、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凸部としての第2凸部112とが一体的に形成されている。該第2凸部112は、凹溝部113の両側に沿って、かつ、第2ハウジング111の両側に沿って形成されている。また、各第2凸部112には、端子としての第2端子161が配設されている。
【0046】
図に示されるように、凹溝部113は、第2基板に実装される側、すなわち、実装面(
図5(b)における下面)側が底部によって閉止されている。なお、図に示される例において、前記第2凸部112は2本であるが、単数であってもよく、その数はいくつであってもよい。また、前記凹溝部113は、例えば、幅約0.7〔mm〕の寸法を備えるものであるが、寸法は適宜変更することができる。
【0047】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、図示されない本体部と、該本体部の下端に接続されたテール部162と、前記本体部の上端に接続された第1接触部165と、該第1接触部165の上端に接続された接続部164と、該接続部164の外方端に接続された第2接触部166とを備える。なお、該第2接触部166の表面には、第1端子61の第2接触部66と係合する第2接触凹部166aがそれぞれ形成されている。
【0048】
そして、前記本体部は、第2ハウジング111に周囲を囲まれて保持される部分であり、
図5には示されていない部分である。また、前記テール部162は、本体部の左右方向、すなわち、第2ハウジング111の幅方向に延在する下端に接続され、第2ハウジング111の外方を向いて延出し、第2基板上の導電トレースに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続される。
【0049】
さらに、前記第1接触部165は、本体部に接続され、上下方向、すなわち、第2ハウジング111の厚さ方向に延在する平板状の部分である。そして、前記接続部164は、第1接触部165に対して曲げて接続され、第2ハウジング111の幅方向に外方を向いて延出する。また、前記第2接触部166は、接続部164の外方端に、下方に向けて曲げて接続され、下方に延出する部分である。
【0050】
前記第2端子161はオーバーモールドによって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に樹脂を充填することによって成形される。これにより、第2端子161は、本体部が第2ハウジング111内に埋没し、第1接触部165、接続部164及び第2接触部166の表面が第2凸部112の各側面及び嵌合面に露出した状態で、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。この場合、前記第2端子161は、例えば、約0.4〔mm〕のピッチで左右に10個ずつ配設されている。なお、第2端子161のピッチ及び数は適宜変更することができる。
【0051】
そして、前記第2ハウジング111の長手方向両端には第2嵌合ガイド部としての第2突出端部122が各々配設されている。該第2突出端部122は、第2ハウジング111の幅方向に延在し、両端が各第2凸部112の長手方向両端に接続された肉厚の部材であり、その上面122aは概略長方形の形状を備える。なお、前記上面122aの側縁(第2ハウジング111の長手端方向を向いた縁及び幅方向両端を向いた縁)には、傾斜したテーパ面122bが接続されている。そして、前記第2突出端部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1が備える第1突出端部21の突出端凹部22に挿入される挿入凸部として機能する。さらに、前記テーパ面122bは、前記第2突出端部122が突出端凹部22内に誘込まれるためのガイド部として機能する。
【0052】
また、前記第2突出端部122には、補強金具としての第2補強金具151が取付けられる。具体的には、前記第2突出端部122に、第2ハウジング111の幅方向及び厚さ方向に延在するスロット状の第2金具保持凹部126が形成され、該第2金具保持凹部126内に第2補強金具151が収容されて保持される。なお、第2金具保持凹部126内に収容された状態において、第2補強金具151の上端は、前記第2突出端部122の上面122aより上方には突出しない。
【0053】
本実施の形態において、第2補強金具151は、金属板(例えば、厚さ約0.2〔mm〕)に打抜き等の加工を施すことによって一体的に形成された、全体として第2ハウジング111の幅方向に延在する細長い帯状の部材である。そして、前記第2補強金具151は、下方に突出する第2基板接続部156を備える。該第2基板接続部156は、第2補強金具151のはんだテール部として機能し、その下面が第2ハウジング111の実装面とほぼ平行となるように形成され、第2基板上の固定用パッドにはんだ付等によって固定される。
【0054】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合する動作について説明する。
【0055】
図6は本発明の第1の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程での第1コネクタと第2コネクタとの位置関係の例を示す図、
図7は本発明の第1の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程が完了した状態を示す側断面図であり、
図3におけるB−B矢視断面図、
図8は本発明の第1の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程が完了した状態を示す幅方向断面図であり、
図3におけるC−C矢視断面図である。なお、
図6において、(a−1)〜(a−3)は第1コネクタと第2コネクタとの位置関係の第1〜第3の例を示す側面図、(b−1)〜(b−3)は(a−1)〜(a−3)に対応する側断面図である。
【0056】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61のテール部62が図示されない第1基板上の導電トレースに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第1補強金具51の第1基板接続部56が第1基板上の固定用パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。
【0057】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162が図示されない第2基板上の導電トレースに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第2補強金具151の第2基板接続部156が第2基板上の固定用パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。
【0058】
ここでは、面積の広い第1基板及び第2基板に第1コネクタ1及び第2コネクタ101が各々実装されているので、オペレータは、第1コネクタ1の嵌合面と第2コネクタ101の嵌合面とを目視することができず、手探りで嵌合作業を行うものとして説明する。
【0059】
まず、オペレータは、第1コネクタ1の嵌合面と第2コネクタ101の嵌合面とを対向させた状態とし、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させ、第1コネクタ1の嵌合面の一部と第2コネクタ101の嵌合面の一部とを当接させる。この場合、手探りなので正確な位置合せをすることができず、
図6に示されるように、第1コネクタ1の位置と第2コネクタ101の位置とがずれてしまう。なお、ここでは、第1端子61は第1コネクタ1の嵌合面から突出しておらず、かつ、第2端子161も第2コネクタ101の嵌合面から突出していないものとする。そのため、この状態で第1端子61と第2端子161とは、互いに離間して接触していない。したがって、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを摺動させても、第1端子61及び第2端子161が互いに接触して損傷を受けてしまうことはない。
【0060】
図6(a−1)及び(b−1)に示される例では、第1コネクタ1に対して第2コネクタ101が長手方向に大きく位置ずれした状態であって、かつ、第1コネクタ1の嵌合面に対して第2コネクタ101の嵌合面が傾斜した状態となっている。この状態で、オペレータが第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を嵌合方向に移動させると、第1コネクタ1の図における左側の第1突出端部21の端壁部21cに、第2コネクタ101の図における左側の第2突出端部122が当接するので、前記端壁部21cは、第2突出端部122から嵌合方向の、すなわち、図における上から下へ向けた大きな押圧力を受けることとなる。
【0061】
しかし、本実施の形態においては、第1突出端部21には、前記端壁部21cの上面21aを覆うように、第1補強金具51が取付けられ、前記上面21aが第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aによって覆われ、さらに、第1補強金具51の第1基板接続部56が第1基板上の固定用パッドに固定されているので、第2突出端部122から大きな押圧力を受けても、該押圧力は、第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aから第1基板接続部56を介して第1基板に伝達されるので、前記端壁部21cにはほとんど伝達されることがない。したがって、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0062】
しかも、前記第1補強金具51の第1本体部52は、
図7に典型的に示されるように、中央部52aの延在方向に直交する方向に延在する舌片部52bが中央部52aの内側縁に接続されているので、断面形状が略L字状となっていて断面係数が大きく、強度が高くなっている。そのため、オペレータが発生し、第2突出端部122を介して、第1突出端部21の端壁部21cに伝達される押圧力が大きくても、該押圧力を第1補強金具51の第1本体部52が効果的に受止めることができ、前記端壁部21cには、前記押圧力がほとんど伝達されることがない。したがって、押圧力が大きくても、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0063】
また、
図6(a−3)及び(b−3)に示される例では、第1コネクタ1に対して第2コネクタ101が長手方向に少し位置ずれした状態であって、かつ、第1コネクタ1の嵌合面に対して第2コネクタ101の嵌合面が傾斜した状態となっている。この状態で、オペレータが第1コネクタ1に対して第2コネクタ101を図における左方向に移動させると、第1コネクタ1の図における左側の第1突出端部21の端壁部21cの内側面21dに、第2コネクタ101の図における左側の第2突出端部122が当接するので、前記端壁部21cは、第2突出端部122から長手端方向、すなわち、図における左方向へ向けた大きな押圧力を受けることとなる。
【0064】
しかし、本実施の形態においては、前記端壁部21cの内側面21dが第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aに接続された舌片部52bによって覆われ、さらに、第1補強金具51の第1基板接続部56が第1基板上の固定用パッドに固定されているので、第2突出端部122から長手端方向へ向けた大きな押圧力を受けても、該押圧力は、第1補強金具51の第1本体部52の舌片部52bから第1基板接続部56を介して第1基板に伝達されるので、前記端壁部21cにはほとんど伝達されることがない。したがって、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0065】
しかも、前記第1補強金具51の第1本体部52は、前述のように、断面形状が略L字状となっていて断面係数が大きく、強度が高くなっている。そのため、オペレータが発生し、第2突出端部122を介して、第1突出端部21の端壁部21cに伝達される長手端方向へ向けた押圧力が大きくても、該押圧力を第1補強金具51の第1本体部52が効果的に受止めることができ、前記端壁部21cには、前記押圧力がほとんど伝達されることがない。したがって、押圧力が大きくても、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0066】
なお、
図6(a−2)及び(b−2)に示される例では、第1コネクタ1に対して第2コネクタ101が長手方向にはほとんど位置ずれしていない状態であるが、第1コネクタ1の嵌合面に対して第2コネクタ101の嵌合面が傾斜した状態となっている。この状態で、オペレータが第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の図における左側の第2突出端部122が、第1コネクタ1の図における左側の突出端凹部22に斜めに挿入されるので、第1コネクタ1の図における左側の第1突出端部21の端壁部21cは、第2突出端部122から嵌合方向に対して斜めの大きな押圧力を受けることとなる。
【0067】
しかし、本実施の形態においては、前記端壁部21cの上面21aが第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aによって覆われ、前記端壁部21cの内側面21dが第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aに接続された舌片部52bによって覆われ、さらに、第1補強金具51の第1基板接続部56が第1基板上の固定用パッドに固定されているので、第2突出端部122から大きな斜めの押圧力を受けても、該押圧力は、第1補強金具51の第1本体部52の中央部52aから第1基板接続部56を介して第1基板に伝達されるので、前記端壁部21cにはほとんど伝達されることがない。したがって、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0068】
しかも、前記第1補強金具51の第1本体部52は、前述のように、断面形状が略L字状となっていて断面係数が大きく、強度が高くなっている。そのため、オペレータが発生し、第2突出端部122を介して、第1突出端部21の端壁部21cに伝達される押圧力が大きくても、該押圧力を第1補強金具51の第1本体部52が効果的に受止めることができ、前記端壁部21cには、前記押圧力がほとんど伝達されることがない。したがって、押圧力が大きくても、前記端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0069】
そして、最後に、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、
図7に示されるように、第2コネクタ101の第2突出端部122の各々が、第1コネクタ1の対応する突出端凹部22に、それぞれ、挿入される。また、
図8に示されるように、第2コネクタ101の左右の第2凸部112が第1コネクタ1の左右の凹溝部12a内に挿入される。そして、各第1端子61の第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入され、第1端子61の第1接触部65と第2端子161の第1接触部165とが接触し、第1端子61の第2接触部66と第2端子161の第2接触部166とが接触する。
【0070】
その結果、第1端子61のテール部62が接続された第1基板上の端子接続パッドに接続された導電トレースと、第2端子161のテール部162が接続された第2基板上の端子接続パッドに接続された導電トレースとが導通する。
【0071】
また、第1端子61の第2接触部66が第2端子161の第2接触凹部166aと係合した状態となる。その結果、第1コネクタ1と第2コネクタ101とがロックされる。
【0072】
なお、本実施の形態においては、第2コネクタ101の第2突出端部122には、第1補強金具51に相当する補強金具が配設されていない。これは、第2突出端部122は、第1コネクタ1の端壁部21cと比較すると、第2ハウジング111の幅方向に関する寸法が小さく、かつ、第2ハウジング111の長手方向に関する寸法が大きい、すなわち、肉厚で短い壁状の部材であるから、それ自体の強度が高く、ある程度の押圧力を受けても、損傷を受けたり、破損したりすることがない、と考えられるからである。もっとも、前記第2突出端部122も損傷を受けたり、破損したりすると考えられる場合には、必要に応じて、第1補強金具51に相当する補強金具を前記第2突出端部122に配設することができる。
【0073】
また、本実施の形態における第1補強金具51では、中央部52aの内側縁に舌片部52bが接続されているものの、中央部52aの外側縁には舌片部52bに相当する部材が接続されていない。これは、中央部52aの外側縁に舌片部52bに相当する部材を接続すると、第1コネクタ1の全長が長くなり、第1基板上でより大きな実装スペースが必要となるからである。もっとも、必要に応じて、中央部52aの外側縁にも、舌片部52bに相当する部材を接続してもよい。この場合、第1本体部52の断面形状がコ字状となるので、断面係数がより大きくなり、強度が更に高くなる。
【0074】
さらに、本実施の形態における第1補強金具51の左右の第1基板接続部56は、第1ハウジング11の左右において直線上に並ぶように配列された複数の第1端子61のテール部62と、同一の直線上に並ぶように配設されている。これは、第1基板接続部56と第1基板上の固定用パッドとの接続状態の検査を、テール部62と第1基板上の端子接続パッドとの接続状態の検査と同時に行うことができるので、第1基板接続部56と第1基板上の固定用パッドとの接続状態の検査が容易となるためである。また、第1基板に実装された第1コネクタ1に外力が加えられたときでも、第1基板接続部56がテール部62とともに外力を分散して受止めるので、テール部62が端子接続パッドから剥(は)がれてしまうことがない。
【0075】
なお、第1基板接続部56の位置は、必要に応じて、適宜変更することができる。例えば、第1基板接続部56の位置を端壁部21cの外側としてもよい。しかし、この場合には、製造工程での部品の供給がやりにくくなる可能性がある。また、第1基板に実装された第1コネクタ1に外力が加えられたときに、テール部62が端子接続パッドから剥がれてしまう可能性がある。さらに、第1コネクタ1の長手方向の寸法が大きくなってしまう。
【0076】
このように、本実施の形態においては、第1コネクタ1の第1突出端部21に第1補強金具51が取付けられている。そして、第1補強金具51は、端壁部21cの上面21aの少なくとも一部を覆う中央部52a、及び、中央部52aに接続され、端壁部21cの内側面21dの少なくとも一部を覆う舌片部52bを含み、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1本体部52、並びに、第1本体部52に接続され、自由端が基板に固定される第1基板接続部56を含んでいる。これにより、嵌合作業中にオペレータが発生する強い押圧力を受けても、第1補強金具51の第1本体部52によって覆われている第1突出端部21の端壁部21cは、損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。したがって、嵌合作業が手探りで行われても、第1突出端部21の端壁部21cが損傷を受けたり、破損したりすることがないので、嵌合作業の操作性が向上し、信頼性の高い基板対基板コネクタを提供することが可能となる。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0078】
図9は本発明の第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図10は本発明の第2の実施の形態における第1コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図、
図11は本発明の第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが互いに嵌合した状態を示す斜視図である。なお、
図9及び11において、(a)は第1コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第1コネクタの実装面側から観た図である。
【0079】
本実施の形態における第1コネクタ1の第1ハウジング11が備える第1端子収容外側キャビティ15bは、側壁部14の内側の側面だけでなく、側壁部14の内側の側面、側壁部14の上面及び側壁部14の外側の側面に連続して跨(またが)るようにして、凹溝状に形成されている。そして、前記第1端子収容外側キャビティ15bは、前記第1の実施の形態と同様に、第1凸部13の両側の側面に形成された第1端子収容内側キャビティ15aと、凹溝部12aの底面において連結され互いに一体化している。
【0080】
また、本実施の形態における第1端子61は、導電性の金属板を打抜くことによって一体的に形成されている。なお、本実施の形態における第1端子61も、前記第1の実施の形態と同様に、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続されたテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された上側接続部67と、該上側接続部67の内方端近傍に形成された第2接触凸部としての第2接触部66と、該第2接触部66に接続された下側接続部64と、該下側接続部64の自由端近傍に形成された第1接触部65と、該第1接触部65に形成された第1接触凸部65aとを備える。
【0081】
なお、本実施の形態における第1端子61は、嵌合面側(
図10における上側)から、第1端子収容キャビティ15内に嵌入され、被保持部63が第1端子収容外側キャビティ15bにおける側壁部14の外側の側面に形成された部分に収容され、上側接続部67が第1端子収容外側キャビティ15bにおける側壁部14の上面に形成された部分に収容され、上側接続部67の内方端近傍と下側接続部64とを連結する部分が第1端子収容外側キャビティ15bにおける側壁部14の内側の側面に形成された部分に収容され、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填された状態において、前記第1接触部65と第2接触部66とは、凹溝部12aの左右両側に位置し、互いに向合っている。そして、互いに向合う第1接触部65と第2接触部66との間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入されると、それにより、第1接触部65と第2接触部66との間隔は弾性的に伸長する。
【0082】
そして、本実施の形態における第1補強金具51は、舌片部52bに形成された第1ロック部52eと、舌片部52bの上端と中央部52aとの接続部分に形成された傾斜面部52fとを備える。
【0083】
前記第1ロック部52eは、舌片部52bの内側面(第1ハウジング11の長手方向中央に向いた面)から内側に向けて突出するように形成された凸部であり、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合された状態において、第2コネクタ101の第2補強金具151が備える後述される第2ロック部152eと係合する。なお、前記第1ロック部52eの嵌合面側の部分は、傾斜面となっていることが望ましい。
【0084】
また、前記傾斜面部52fは、舌片部52bの内側面と中央部52aの上面とが緩やかな傾斜面を介して接続されるために形成された部分であり、平面であってもよいし、曲面であってもよい。前記傾斜面部52fにより、舌片部52bの内側面と中央部52aの上面との接続部分に角部が生じることが防止されるので、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合する際に、第2コネクタ101の第2突出端部122を第1コネクタ1の突出端凹部22内にスムーズに挿入させることができる。
【0085】
本実施の形態における第1補強金具51の第1基板接続部56は、第1基板上の固定用パッドにはんだ付等によって接続されてもよいし、第1基板上のグランドラインに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続されてもよい。
【0086】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1のその他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】
次に、本実施の形態における第2コネクタ101の構成について説明する。
【0088】
図12は本発明の第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。なお、図において、(a)は第2コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第2コネクタの実装面側から観た図である。
【0089】
本実施の形態における第2コネクタ101の第2ハウジング111は、第2凸部112の内側の側面、第2凸部112の上面及び第2凸部112の外側の側面に連続して跨るようにして形成された凹溝状の第2端子収容キャビティ115を備える。
【0090】
また、本実施の形態における第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部163と、該被保持部163の下端に接続されたテール部162と、前記被保持部163の上端に接続された接続部164と、該接続部164の内方端に接続された第1接触部165と、前記被保持部163の外側の表面に形成された第2接触部166とを備える。なお、該第2接触部166の上方には、第1端子61の第2接触部66と係合する第2接触凸部166bが形成されている。
【0091】
なお、本実施の形態における第2端子161は、嵌合面側(
図12における上側)から、第2端子収容キャビティ115内に嵌入され、被保持部163が第2端子収容キャビティ115における第2凸部112の外側の側面に形成された部分に収容され、その側壁によって両側から挟持されることにより、第2ハウジング111に固定される。この状態、すなわち、第2端子161が第2ハウジング111に装填された状態において、第1接触部165、接続部164及び第2接触部166の表面が第2凸部112の各側面及び嵌合面に露出した状態となる。
【0092】
そして、本実施の形態における第2補強金具151は、金属板(例えば、厚さ約0.1〔mm〕)に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、全体として第2ハウジング111の幅方向に延在する本体部としての第2本体部152と、該第2本体部152の左右両端に曲げて接続され、第2ハウジング111の長手方向に延在し、前記第2ハウジング111に保持される被保持部としての第2腕部157と、前記第2本体部152の下端に接続された基板接続部としての第2基板接続部156とを備える。
【0093】
前記第2補強金具151は、第2本体部152が第2突出端部122の外側面(第2ハウジング111の長手方向両端の面)の少なくとも一部を覆うように、第2突出端部122に取付けられる。該第2突出端部122には、その外側面から第2ハウジング111の長手方向中央に向けて延在する一対のスリット状の第2金具保持凹部126が形成され、該第2金具保持凹部126内に前記第2腕部157が収容されて保持される。
【0094】
そして、前記第2本体部152は、第2ハウジング111の幅方向に直線状に、かつ、第2突出端部122の外側面に平行に延在する細長い帯状の中央部152aと、該中央部152aの中央部分から下方に向けて、すなわち、実装面に向けて延出する舌片部152bとを備える。なお、該舌片部152bの下端は、前記第2基板接続部156として機能する。
【0095】
また、前記舌片部152bには第2ロック部152eが形成されている。該第2ロック部152eは、舌片部152bに形成された凹部であり、より詳細には、舌片部152bを板厚方向に貫通する開口であって、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合された状態において、第1コネクタ1の第1補強金具51が備える第1ロック部52eと係合する。
【0096】
さらに、前記中央部152aの中央部分における上端は、嵌合当接部152fとして機能する。第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合する際に、前記嵌合当接部152fが第1コネクタ1の第1補強金具51の中央部52a及び/又は傾斜面部52fと当接するので、第2突出端部122が損傷を受けることがなく、かつ、第2コネクタ101の第2突出端部122を第1コネクタ1の突出端凹部22内にスムーズに挿入させることができる。
【0097】
本実施の形態における第2補強金具151の第2基板接続部156は、第2基板上の固定用パッドにはんだ付等によって接続されてもよいし、第2基板上のグランドラインに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続されてもよい。
【0098】
なお、本実施の形態における第2コネクタ101のその他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0099】
次に、本実施の形態における第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合について説明する。
【0100】
図13は本発明の第2の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程が完了した状態を示す側断面図であり、
図11におけるD−D矢視断面図、
図14は本発明の第2の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程が完了した状態を示す幅方向断面図であり、
図11におけるE−E矢視断面図である。
【0101】
なお、前記第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0102】
第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、
図13に示されるように、第2コネクタ101の第2突出端部122の各々が、第1コネクタ1の対応する突出端凹部22に、それぞれ、挿入される。
【0103】
そして、第1コネクタ1の第1補強金具51が備える第1ロック部52eが第2コネクタ101の第2補強金具151が備える第2ロック部152eと係合する。
【0104】
この場合、第1ロック部52eにおける先端を含む部分は、第2補強金具151の舌片部152bにおける外側から第2ロック部152e内に進入しているが、舌片部152bにおける内側面には到達していないことが望ましい。また、第1補強金具51の舌片部52bにおける内側面は、第2補強金具151の舌片部152bにおける外側面に当接していないことが望ましい。すなわち、第1補強金具51の舌片部52bにおける内側面と第2補強金具151の舌片部152bにおける外側面との間には、クリアランスが存在することが望ましい。さらに、第1補強金具51の第1ロック部52eにおける反嵌合面側端(
図13における下側端)と、第2補強金具151の第2ロック部152eにおける嵌合面側端(
図13における下側端)とは当接していないことが望ましい。すなわち、第1補強金具51の第1ロック部52eと第2補強金具151の第2ロック部152eとの間には、嵌合方向にクリアランスが存在することが望ましい。
【0105】
第1補強金具51の第1ロック部52eが第2補強金具151の第2ロック部152eと係合する際には、クリック感が発生し、オペレータは、その手指等で前記クリック感を感知することができる。そして、本実施の形態においては、第1補強金具51の第1ロック部52eと第2補強金具151の第2ロック部152eとの係合が完了した状態では、前述のように、望ましくは、第1補強金具51と第2補強金具151との間にクリアランスが存在するので、前記クリック感が阻害されることがない。つまり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合作業を手作業で行うオペレータは、前記クリック感を確実に感知することができる。
【0106】
また、第1補強金具51の第1ロック部52eが第2補強金具151の第2ロック部152eと係合するので、第1補強金具51と第2補強金具151とがロックされ、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合の解除が確実に防止される。つまり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合を解除して取外すためには、第1補強金具51の第1ロック部52eと第2補強金具151の第2ロック部152eとの係合を解除しなくてはならないので、高い嵌合抜去り力が付与される必要がある。したがって、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が不用意に解除されることがない。
【0107】
さらに、第1補強金具51における舌片部52bの上端と中央部52aとの接続部分には傾斜面部52fが形成されているので、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合する際に、第2コネクタ101の第2突出端部122を第1コネクタ1の突出端凹部22内にスムーズに挿入させることができる。また、第1ロック部52eの嵌合面側の部分は、望ましくは傾斜面となっているので、第1ロック部52eを第2ロック部152e内にスムーズに挿入させることができる。さらに、第2補強金具151の嵌合当接部152fが第1補強金具51の中央部52a及び/又は傾斜面部52fと当接するので、第2突出端部122が損傷を受けることがなく、かつ、第2コネクタ101の第2突出端部122を第1コネクタ1の突出端凹部22内にスムーズに挿入させることができる。したがって、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合作業を手作業で行うオペレータは、大きな力を発生させる必要がなく、容易に嵌合作業を行うことができる。
【0108】
また、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、
図14に示されるように、第2コネクタ101の左右の第2凸部112が第1コネクタ1の左右の凹溝部12a内に挿入される。そして、各第1端子61の第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入され、第1端子61の第1接触部65と第2端子161の第1接触部165とが接触し、第1端子61の第2接触部66と第2端子161の第2接触部166とが接触する。
【0109】
その結果、第1端子61のテール部62が接続された第1基板上の端子接続パッドに接続された導電トレースと、第2端子161のテール部162が接続された第2基板上の端子接続パッドに接続された導電トレースとが導通する。なお、第1補強金具51の第1基板接続部56及び第2補強金具151の第2基板接続部156が、それぞれ、第1基板及び第2基板上のグランドラインに連結された端子接続パッドにはんだ付等によって接続されている場合には、グランド端子として使用される第1端子61及び第2端子161を省略することができる。
【0110】
なお、本実施の形態においては、第1ロック部52eが凸部であって第2ロック部152eが凹部である場合について説明したが、第1ロック部52eが凹部であって第2ロック部152eが凸部であってもよい。
【0111】
その他の点の動作及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0113】
図15は本発明の第3の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図16は本発明の第3の実施の形態における第1コネクタの分解図であり嵌合面側から観た図、
図17は本発明の第3の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが互いに嵌合した状態を示す斜視図である。なお、
図15及び17において、(a)は第1コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第1コネクタの実装面側から観た図である。
【0114】
本実施の形態における第1コネクタ1の第1ハウジング11が備える第1端子収容外側キャビティ15bは、前記第2の実施の形態と同様に、側壁部14の内側の側面だけでなく、側壁部14の内側の側面、側壁部14の上面及び側壁部14の外側の側面に連続して跨るようにして、凹溝状に形成されている。また、本実施の形態における第1端子61は、前記第2の実施の形態と同様に、導電性の金属板を打抜くことによって一体的に形成されている。
【0115】
そして、本実施の形態における第1補強金具51は、前記第2の実施の形態と同様に、舌片部52bに形成された第1ロック部52eと、舌片部52bの上端と中央部52aとの接続部分に形成された傾斜面部52fとを備える。
【0116】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1のその他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0117】
次に、本実施の形態における第2コネクタ101の構成について説明する。
【0118】
図18は本発明の第3の実施の形態における第2コネクタの斜視図である。なお、図において、(a)は第2コネクタの嵌合面側から観た図、(b)は第2コネクタの実装面側から観た図である。
【0119】
本実施の形態における第2コネクタ101の第2ハウジング111は、前記第2の実施の形態と同様に、第2凸部112の内側の側面、第2凸部112の上面及び第2凸部112の外側の側面に連続して跨るようにして形成された凹溝状の第2端子収容キャビティ115を備える。そして、第2端子161は、前記第2の実施の形態と同様に、嵌合面側から、第2端子収容キャビティ115内に嵌入され、被保持部163が第2端子収容キャビティ115における第2凸部112の外側の側面に形成された部分に収容され、その側壁によって両側から挟持されることにより、第2ハウジング111に固定される。
【0120】
また、本実施の形態における第2補強金具151は、前記第2の実施の形態と同様に、第2本体部152が第2突出端部122の外側面の少なくとも一部を覆うように、第2突出端部122に取付けられ、第2ロック部152eが形成された舌片部152bを備える。しかし、本実施の形態における第2ロック部152eは、舌片部152bの外側面を凹入させた陥没部であり、舌片部152bを板厚方向に貫通していない。つまり、本実施の形態における第2ロック部152eは、凹部ではあるが、舌片部152bを板厚方向に貫通する開口ではない。
【0121】
なお、本実施の形態における第2コネクタ101のその他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0122】
次に、本実施の形態における第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合について説明する。
【0123】
図19は本発明の第3の実施の形態における基板対基板コネクタの嵌合工程が完了した状態を示す側断面図であり、
図17におけるF−F矢視断面図である。
【0124】
なお、前記第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0125】
第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、
図19に示されるように、第2コネクタ101の第2突出端部122の各々が、第1コネクタ1の対応する突出端凹部22に、それぞれ、挿入される。
【0126】
そして、第1コネクタ1の第1補強金具51が備える第1ロック部52eが第2コネクタ101の第2補強金具151が備える第2ロック部152eと係合する。具体的には、第1ロック部52eにおける先端を含む部分は、第2補強金具151の舌片部152bにおける外側から第2ロック部152e内に進入し、該第2ロック部152eの底面に当接する。
【0127】
このように、本実施の形態においては、第1補強金具51の第1ロック部52eが第2補強金具151の第2ロック部152eと係合すると、第1ロック部52eの先端部が第2ロック部152eの底面に当接する。そのため、第1補強金具51と第2補強金具151とを嵌合を解除する方向に相対的に変位させようとすると、第1ロック部52eの先端部と第2ロック部152eの底面との間に摩擦が発生する。つまり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合を解除して取外すためには、第1補強金具51の第1ロック部52eと第2補強金具151の第2ロック部152eとの係合を解除するだけでなく、第1ロック部52eの先端部と第2ロック部152eの底面との間の摩擦力にも打勝たなくてはならないので、より高い嵌合抜去り力が付与される必要がある。したがって、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が不用意に解除されることがない。
【0128】
なお、本実施の形態においては、第1ロック部52eが凸部であって第2ロック部152eが凹部である場合について説明したが、第1ロック部52eが凹部であって第2ロック部152eが凸部であってもよい。
【0129】
その他の点の動作及び効果については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0130】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。