【文献】
藤本 健 外1名,MASTER OF SONAR X1,日本,株式会社ビー・エヌ・エヌ新社,2011年 3月 1日,第1版,pp. 64-65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レベル取得手段により信号のレベルが取得された場合に、前記複数の表示位置のうち、前記レベル取得手段により取得されたレベルに応じた、1又は複数の表示位置を含む表示範囲を決定する第1レベル表示範囲決定手段と、
前記第1レベル表示範囲決定手段により決定された表示範囲を、時間の経過に伴い、前記レベルがより小さい表示範囲となるように変更して決定する第2レベル表示範囲決定手段と、
前記第1又は第2レベル表示範囲決定手段により決定された表示範囲に含まれる表示位置に対して割り当てるレベル表示用の表示輝度を、少なくとも前記第1ピーク表示制御手段によりピーク表示を開始するときの表示輝度より低い所定輝度とし、前記表示範囲に含まれる表示位置のうち、前記第1、第2、又は第3ピーク表示制御手段による制御に従う前記ピーク表示の表示輝度が前記レベル表示用の表示輝度より低い表示位置、あるいは、前記第1、第2、又は第3ピーク表示制御手段により前記ピーク表示が行われていない表示位置について、前記レベル表示用の表示輝度で表示させるレベル表示制御手段とを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1(a)は、音源装置1の概略正面図である。音源装置1は、接続されるパッドが打撃されたことに基づく楽音(音)を生成し、出力する装置である。
図1(a)に示す例では、音源装置1には、3つのパッド51〜53が接続される。よって、音源装置1は、これらのパッド51〜53のうち、打撃されたパッドに基づく楽音を生成し、生成した楽音を、接続されるスピーカ41へと出力する。
【0014】
音源装置1の正面には、ユーザが指示を入力するために操作するボタンや回転つまみなどの操作子14と、設定値や設定状態など各種情報を表示するLCD15と、パッド51〜53を打撃したときの打撃強さのレベル(以下、単に「レベル」と称することがある)を表示するレベルメータ22とが設けられる。音源装置1は、本発明の表示制御装置の一実施形態である表示制御装置100(
図2参照)を搭載し、表示制御装置100がレベルメータ22の表示を制御し、レベルメータ22に複数回分のレベルを同時表示させることを可能にするともに、複数のレベルを同時表示させた場合における各レベルの時系列の認識性が高められている。
【0015】
図1(b)は、レベルメータ22の正面図である。レベルメータ22は、10個のセグメント、具体的に、セグメント番号1〜10に対応する第1〜第10セグメント22a〜22jに区画される。各セグメント22a〜22jには、それぞれ、LEDが内包される。各セグメント22a〜22jは、内包されるLEDを点灯することによって発光する。パッド51〜53が打撃された場合に、表示制御装置100の制御により、セグメント22a〜22jのうち、打撃強さに応じたセグメント番号に対応するセグメントが発光される。具体的に、打撃強さが大きい程、セグメント番号がより大きいセグメントが発光される。つまり、打撃強さの大きさは、発光されるセグメントの位置に反映される。
【0016】
本実施形態の音源装置1(表示制御装置100)によれば、パッド51〜53が連続して打撃された場合に、各打撃による各レベルのピークに対応するセグメントの輝度(より詳細には、内包されるLEDの輝度)を変えることにより、複数回の打撃に基づく各レベルを1つのレベルメータ22で表示できる。また、その際に、打撃の時系列が新しいほど、セグメントの輝度が明るくなるように制御されるので、ユーザはレベルメータ22に表示される各レベルの時系列を認識し易い。
【0017】
図1(c)は、レベル表示中のレベルメータ22の正面図である。
図1(c)は、パッド51〜53のいずれかが、レベルのピークが第4セグメント22dに相当する打撃強さで打撃された後、連続して、パッド51〜53のいずれか(前回の打撃と同じパッドであっても異なるパッドであってもよい)が、レベルのピークが第8セグメント22hに相当する打撃強さで打撃されたタイミングにおける表示例を示す。詳細は後述するが、パッドが打撃された場合には、それ以前の打撃に基づくピークを表示中のセグメントの輝度が低下される。
図1(c)に示す例では、2回目の打撃(2回の打撃のうち、最新の打撃)に基づくレベルのピークに対応する第8セグメント22hの輝度(出力輝度)は、100%であり、1回目の打撃(最新より1つ前の打撃)に基づくレベルのピークに対応する第4セグメント22dの輝度は、100%より低い輝度(例えば、60%)とされる。
【0018】
なお、
図1(c)と、後述する
図3(d)、
図4、
図7(c)、
図8(c)、
図9(c)において、セグメント2
2aから22jのうち、発光中のセグメントにはハッチングを付している。また、輝度の大きさに応じてハッチングの種類を変化させている。例えば、
図1(c)に示す例において、出力輝度が100%であるセグメント22hには、塗り潰しのハッチングを付し、出力輝度が60%であるセグメント22dには、斜線のクロスハッチングを付し、出力輝度が20%であるセグメント22a〜22c,22e〜22
gには、右上がり斜線のハッチングを付している。ただし、異なる図面において、同じ形状のハッチングが付されていても、それらが同じ出力輝度を示すことは意図していない。例えば、
図1(c)におけるセグメント22dと、後述する
図8(c)におけるセグメント22dとには、同じハッチングが付されているが、これらのセグメント22dの輝度が同じであることは意図していない。
【0019】
また、第1〜3セグメント22a〜22c及び第5〜7セグメント22e〜22gは、最新の打撃による打撃強さのレベルを棒グラフとして表示するために20%の輝度で発光される。一方、最新の打撃による打撃強さのレベルより大きいレベルに対応する第9,10セグメント22i.22jは、発光されない(輝度0%)。
【0020】
なお、詳細は後述するが、20%の輝度で発光させて棒グラフ表示に使用するセグメントは、打撃後の経過時間に応じて、セグメント番号の大きいセグメントから順次消灯される。これにより、棒グラフの長さ(棒グラフ表示の表示範囲)が時間経過に応じて次第に短くなるので、最新の打撃に基づいて発生される信号(楽音)が減衰する様子を表すことができる。
【0021】
図2は、音源装置1の電気的構成を示すブロック図である。音源装置1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、操作子14と、LCD15と、入力部16〜18と、音源19と、ドライバ20と、デジタルアナログコンバータ(DAC)21と、レベルメータ22とを有している。なお、本発明の表示制御装置100は、CPU11と、ROM12と、RAM13とから構成される。各部11〜20は、バスライン23を介して互いに接続される。入力部16〜18には、それぞれ、パッド51〜53が接続される。DAC21は、音源19に接続される。レベルメータ22(より詳細には、第1〜第10セグメント22a〜22jにそれぞれ内包されるLED)は、ドライバ20に接続される。
【0022】
CPU11は、ROM12に記憶される固定値やプログラム、RAM13に記憶されているデータなどに従って、
音源装置1の各部を制御する中央制御装置である。CPU11は、クロック信号を計数することにより、時刻を計時するタイマ11aを内蔵している。
【0023】
ROM12は、書き替え不能な不揮発性メモリであって、CPU11や音源19に実行させる制御プログラム12aや、この制御プログラム12aが実行される際にCPU11により参照される固定値データ(図示せず)などが記憶される。なお、
図5(a),(b)及び
図6のフローチャートに示す各処理は、制御プログラム12aに基づいて実行される。
【0024】
RAM13は、書き替え可能な揮発性メモリであり、CPU11が制御プログラム12aを実行するにあたり、各種のデータを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する。RAM13のテンポラリエリアには、ピーク表示情報メモリ13aと、レベルカウンタ13bとが設けられている。ピーク表示情報メモリ13a及びレベルカウンタ13bは、いずれも、音源装置1に電源が投入されたときにクリアされる。
【0025】
ピーク表示情報メモリ13aは、パッド51〜53の打撃に基づくレベルのピークをレベルメータ22(セグメント22a〜22j)に表示するための情報を記憶するメモリであり、パッド51〜53のいずれかが打撃される毎に、その打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメント番号と、輝度情報と、打撃時刻とが対応付けられて記憶される。ピーク表示情報メモリ13aの詳細については、
図3を参照して後述する。
【0026】
レベルカウンタ13bは、セグメント22a〜22jのうち、最新の打撃に基づく棒グラフ表示に使用するセグメントを決めるために用いるカウンタである。レベルカウンタ13bには、パッド51〜53が打撃される毎に、その打撃強さのレベルが初期値として設定され、初期値の設定後は、所定時間毎(本実施形態では、10msec毎)に、所定値ずつ減算される。
【0027】
入力部16〜18は、それぞれ、各パッド51〜53に設けられた振動センサ(図示せず)を接続するインターフェイスである。各入力部16〜18は、接続されるパッドが異なること以外、同じ構成とされるので、以下では、入力部16を代表として説明する。パッド51の振動センサから出力されたアナログ信号は、入力部16を介して音源装置1に入力される。入力部16には、アナログデジタルコンバータ(図示せず)が内蔵されている。パッド51の振動センサから入力されるアナログ信号は、アナログデジタルコンバータによって所定時間毎にデジタル値に変換され、CPU11に出力される。CPU11は、パッド51の振動センサから入力された信号のレベルが所定の閾値を超える場合に、パッド51が打撃されたと判断し、パッド51に対応する音色の楽音を打撃強さに応じた音量で出力するよう指示する発生指示を音源19へ出力する。
【0028】
音源19は、CPU11から楽音の発生指示を受けた場合に、その発生指示に従う音色及び音量の楽音を発生する。音源19には、波形ROM(図示せず)が内蔵される。この波形ROMには、パッド51〜53の各々に対応する音色のデジタル楽音が記憶されている。また、音源1
9には、フィルタやエフェクトなどの処理を行う、図示されないDSP(Digital Signal Processor)が内蔵される。音源19は、発生指示がCPU11から入力された場合に、その発生指示に従う音色のデジタル楽音を波形ROMから読み出し、DSPにおいてフィルタやエフェクトなどの所定の処理を行い、処理後のデジタル楽音をDAC21へ出力する。DAC21は、入力されたデジタル楽音をアナログ楽音に変換し、音源装置1の外部に設けられるスピーカ41へ出力する。これにより、パッド51〜53の打撃に基づく楽音がスピーカ41から放音される。
【0029】
ドライバ20は、レベルメータ22を構成するセグメント22a〜22jにそれぞれ内包されるLEDに接続され、各LEDを発光させるLEDドライバである。ドライバ2
0は、CPU11から入力された、発光態様を指示する制御情報に従い、指示対象のLEDを発光させる。ドライバ20は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各LEDの輝度を制御する。よって、CPU11から供給された制御情報がLEDの輝度を指定する情報である場合には、指定された輝度に応じたデューティ比の電力パルスが制御対象とするLEDへ供給される。これにより、セグメント22a〜22jに内包される各LEDは、供給された電力パルスのデューティ比に応じた輝度、即ち、CPU11により指定された輝度で発光する。
【0030】
ここで、
図3を参照して、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容と、レベルメータ22に表示されるピーク表示(打撃に基づくピークの表示)との関係について説明する。
図3(a)及び(b)は、ピーク表示情報メモリ13aの構成を模式的に示す図である。
【0031】
図3(a),(b)に示すように、ピーク表示情報メモリ13aは、セグメント番号を記憶する領域13a1と、輝度情報を記憶する領域13a2と、打撃時刻を記憶する領域13a3とから構成される。領域13a
1には、第1〜第10セグメント22a〜22jをそれぞれ規定するセグメント番号1〜10が記憶されている。パッド51〜53のいずれかが打撃された場合には、打撃強さに対応するセグメント番号に対応する領域13a2及び領域13a3に、それぞれ、輝度情報及び打撃時刻が記憶される。
【0032】
より詳細には、
図3(a)は、パッド51〜53のいずれかに対し、連続する2回の打撃のうち、1回目の打撃がされた場合におけるピーク表示情報メモリ13aの記憶内容の一例を示す図である。
図3(b)は、パッド51〜53のいずれかに対し、上記1回目の打撃に続く2回目の打撃がされた場合におけるピーク表示情報メモリ13aの記憶内容の一例を示す図である。なお、
図3(a),(b)では、打撃後に十分な時間が経過した等の理由によってピーク表示の対象でないセグメント番号に対する輝度情報及び打撃時刻の表示を省略している。
【0033】
図3(a)に示す例によれば、セグメント番号4に対する輝度情報(100)及び打撃時刻(ts1)が記憶されている。つまり、1回目の打撃がセグメント番号4に対応するレベルで行われたことを示す。輝度情報は、パッド51〜53のいずれかが打撃される毎に、その打撃(即ち、最新の打撃)に対して100が設定される。また、打撃時刻は、パッド51〜53のいずれかが打撃されたタイミングで、タイマ11aから取得した現在時刻である。
【0034】
図3(b)に示す例によれば、セグメント番号8に対する輝度情報(100)及び打撃時刻(ts2;ts2>ts1)が記憶され、セグメント番号4に対する輝度情報(60)及び打撃時刻(ts1)が記憶されている。つまり、1回目の打撃(セグメント番号4に対応するレベルで行われた打撃)の後、2回目の打撃がセグメント番号8に対応するレベルで行われたことを示す。この場合、2回目の打撃が最新の打撃となるので、セグメント番号8に対し、輝度情報として100が記憶される。
【0035】
一方、最新の打撃より前の打撃である1回目の打撃の輝度情報は100から60に変更される。このように、本実施形態の表示制御装置100は、パッド51〜53のいずれかが打撃された場合に、ピーク表示情報メモリ13aに既に記憶されている輝度情報(即ち、最新より1つ以上前の打撃に基づいて記憶された輝度情報)のうち、輝度情報が50以上であり、かつ、発光中(点灯中)のセグメントに対応する輝度情報を、現在値に応じて、現在値より小さい所定値にさげるように構成されている。
【0036】
例えば、本実施形態では、対象となる輝度情報の現在値が100であれば、その値は60に変更される。また、対象となる輝度情報の値が60であれば、その値は50に変更される。また、対象となる輝度情報の値が50であれば、その値は40に変更される。つまり、最新の打撃に基づく輝度情報の値は100であり、最新より1つ前の打撃に基づく輝度情報の値は60であり、最新より2つ前の打撃に基づく輝度情報の値は50であり、最新より3つ以上前の打撃に基づく輝度情報の値は40である。よって、ピーク表示情報メモリ13aに記憶される輝度情報の値は、パッド51〜53が打撃された時系列を反映した値とされる。
【0037】
ピーク表示を行うための輝度(以下、この輝度を「ピーク表示輝度」と称す)は、輝度情報の値と、打撃時刻からの経過時間とに基づいて算出される。具体的に、ピーク表示輝度(%)は、輝度情報の値に、打撃時刻からの経過時間に応じた輝度低下係数を乗じた値とされる。よって、輝度情報が大きい値である程、ピーク表示輝度(%)は高くなる。上述した通り、パッド51〜53に対する打撃が新しい程、輝度情報の値は大きい値であるので、パッド51〜53に対する打撃が新しい程、ピーク表示輝度は、より高い輝度となる。つまり、パッド51〜53が打撃された時系列は、ピーク表示輝度の輝度によって表される。
【0038】
一方、打撃時刻からの経過時間に応じた輝度低下係数は、予め規定されている輝度低下関数に基づき算出される。この輝度低下関数は、ROM12の所定領域に記憶されていてもよいし、制御プログラム12aの一部としてROM12に記憶されていてもよい。
【0039】
ここで、
図3(c)を参照して、輝度低下関数について説明する。
図3(c)は、輝度低下関数を表すグラフである。
図3(c)のグラフにおいて、縦軸(y軸)は輝度を示し、横軸(x軸)は、打撃されてからの経過時間を示す。輝度低下関数は、打撃されてからの経過時間がゼロであるとき(即ち、打撃時)の輝度を100とし、打撃後の時間経過に伴う輝度の低下を規定する関数である。輝度低下関数によれば、打撃されてからの輝度は、所定時間後にゼロとなる。
【0040】
図3(c)に示す例では、輝度が打撃されてからの経過時間に応じて直線的に減少し、打撃されてからの経過時間がTに達したときにゼロとなる一次関数、即ち、y=−(100/T)x+100を、輝度低下関数とする。打撃されてからの経過時間は、タイマ11aが示す現在時刻から、打撃時刻の値(tsn;nは1以上の整数)を減じることにより算出される。よって、
図3(c)に示す輝度低下関数によれば、打撃されてからの経過時間に応じた輝度(Bn;nは1以上の整数)は、−(100/T)×(現在時刻−tsn)+100により算出される。輝度低下係数は、打撃されてからの経過時間に応じた輝度Bnを、打撃時の輝度である100で除した値、即ち、(Bn/100)である。
【0041】
図3(d)は、
図3(b)に示すピーク表示情報メモリ13aの記憶内容に対し、レベルメータ22においてピーク表示を行うセグメントの位置と、そのピーク表示輝度とを説明する図である。
【0042】
図3(b)に示すピーク表示情報メモリ13aの記憶内容によれば、連続する2回の打撃のうち、2回目の打撃に対する情報として、セグメント番号8に対し、輝度情報として100が記憶され、打撃時刻としてts2が記憶されている。
図3(c)に示す輝度低下関数に基づいて、打撃時刻(ts2)及び現在時刻から、打撃されてからの経過時間に応じた輝度B2を算出し、輝度低下係数(B2/100)を得る。よって、レベルメータ22におけるセグメント番号8に対応するセグメント22hのピーク表示輝度(%)は、100×(B2/100)に決定される。なお、2回目の打撃時(打撃タイミング)においては、打撃されてからの経過時間がゼロであり、B2=100となるので、2回目の打撃時におけるセグメント22hのピーク表示輝度は、100%である。
【0043】
一方、連続する2回の打撃のうち、1回目の打撃に対する情報として、セグメント番号4に対し、輝度情報として60が記憶され、打撃時刻としてts1が記憶されている。
図3(c)に示す輝度低下関数に基づいて、打撃時刻(ts1)及び現在時刻から、打撃されてからの経過時間に応じた輝度B1を算出し、輝度低下係数(B1/100)を得る。よって、レベルメータ22におけるセグメント番号4に対応するセグメント22dのピーク表示輝度(%)は、60×(B1/100)に決定される。
【0044】
また、ピーク表示の対象でないセグメント番号に対応するセグメント22a〜22c,22e〜22g,22i,22jではピーク表示は行わない。即ち、これらのセグメント22a〜22c,22e〜22g,22i,22jのピーク表示輝度は、0%である。
【0045】
次に、
図4を参照して、レベルカウンタ13bの現在値と、レベルメータ22に表示される棒グラフの長さ(棒グラフ表示の表示範囲)との関係について説明する。
図4は、レベルカウンタ13bの現在値と、レベルメータ22に表示される棒グラフの長さとの関係を説明する図である。
【0046】
図4に示すように、レベルカウンタ13bの値に対し、セグメント22a〜22jを規定するセグメント番号が割り当てられる。なお、
図4において、レベルカウンタ13bの値に隣接する丸括弧内の数値は、対応する打撃強さである。レベルカウンタ13bには、パッド51〜53が打撃された場合に、その打撃強さに256を乗じた値が、打撃強さのレベルとして記憶される。打撃強さの最大値は127であるので、レベルカウンタ13bは、0から32512までの値を取り得る。よって、0〜32512の範囲のレベルカウンタ13bの値に対してセグメント番号が割り当てられる。
【0047】
具体的に、レベルカウンタ13bの値=32512に対し、セグメント番号10が割り当てられる。28928〜32511の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号9が割り当てられる。25344〜28927の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号8が割り当てられる。21760〜25343の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号7が割り当てられる。18176〜21759の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号6が割り当てられる。14592〜18175の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号5が割り当てられる。11008〜14591の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号4が割り当てられる。7274〜11007の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号3が割り当てられる。3840〜7273の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号2が割り当てられる。256〜3839の範囲のレベルカウンタ13bの値に対し、セグメント番号1が割り当てられる。なお、0〜255の範囲のレベルカウンタ13bの値に対しては、セグメント番号は割り当てられない。
【0048】
棒グラフ表示に使用するセグメントは、レベルカウンタ13bの現在値に応じて決定される。具体的に、レベルカウンタ13bの現在値を含む範囲に対して割り当てられるセグメント番号に対応するセグメントと、そのセグメント番号より小さいセグメント番号に対応するセグメントとが、棒グラフ表示に使用されるセグメントとして決定される。例えば、
図4に示すように、レベルカウンタ13bの現在値が27136である場合、この現在値を含む範囲に対して割り当てられているセグメント番号は8であるので、セグメント番号1〜8に対応するセグメント22a〜22hが、棒グラフ表示に使用されるセグメントとして決定される。
【0049】
棒グラフ表示は、棒グラフ表示に使用するセグメントとして決定されたセグメントを20%の輝度で発光させて行う。よって、棒グラフ表示に使用するセグメントに対し、棒グラフを表示するための輝度(棒グラフ表示輝度)が20%に決定される。
図4に示す例では、セグメント番号1〜8に対応するセグメント22a〜22hに対し、棒グラフ表示輝度が20%に決定される。一方、棒グラフ表示に使用されないセグメントであるセグメント22i,22jでは棒グラフ表示は行われない。即ち、これらのセグメントの棒グラフ表示輝度は、0%である。
【0050】
レベルカウンタ13bの値は、所定時間毎(本実施形態では、10msec毎)に、所定値ずつ減算されるので、レベルカウンタ13bの値に対応するセグメント番号は、時間の経過に伴い小さくなる。よって、棒グラフの長さ(棒グラフ表示の表示範囲)は、時間経過に伴い短くなる。そして、レベルカウンタ13bの値が255に達すると、レベルカウンタ13bの値に対するセグメント番号の割り当てがなくなり、棒グラフ表示の表示範囲がゼロとなって、棒グラフ表示は消失する。
【0051】
なお、詳細は後述するが、レベルカウンタ12bの現在値に応じて決定される上述した棒グラフ表示輝度と、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容に応じて算出される上述したピーク表示輝度(
図3参照)とのうち、高い方の輝度が、各セグメント22a〜22jの出力輝度(実際の発光による輝度)となる。
【0052】
次に、
図5及び
図6を参照して、上記構成を有する音源装置1(表示制御装置100)のCPU11が実行する処理について説明する。まず、
図5(a)は、CPU11が実行する打撃時処理を示すフローチャートである。打撃時処理は、パッド51〜53のいずれかの振動センサ(図示せず)から入力部16〜19を介して入力された信号のレベルが所定の閾値を超えた(即ち、パッド51〜53が打撃された)とCPU11が判断した場合に実行される。
【0053】
まず、CPU11は、パッド51〜53のうち、打撃されたパッドに対する発音処理を実行する(S501)。具体的に、S501において、CPU11は、打撃されたパッドの楽音を発生させるための発生指示を音源19へ出力する。
【0054】
次に、CPU11は、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容に基づき、輝度情報の値が50以上であり、かつ、発光中のセグメントを判定する(S502)。なお、S502において、CPU11は、輝度低下関数に基づき、打撃時刻からの経過時間に対応する輝度が0より大きいセグメントを、発光中のセグメントであると判定する。
【0055】
輝度情報の値が50以上であり、かつ、発光中のセグメントがあるとCPU11が判定した場合(S503:Yes)、CPU11は、該当するセグメントについて、輝度情報の値を、現在値に応じて低下させ(S509)、処理をS504へ移行する。具体的に、S509において、CPU11は、輝度情報の現在値が100、60、又は50である場合に、それぞれ、60、50、又は40に低下させる。
【0056】
一方、発光中のセグメントがない、または、発光中であっても、輝度情報の値が50以上であるセグメントがないとCPU11が判定した場合(S503:No)、CPU11は、処理をS504へ移行する。S504において、CPU11は、打撃強さに応じたセグメント番号を算出する(S504)。S504において、セグメント番号は、1から127までの範囲で取得される打撃強さを、14で除した値の小数以下を切り上げることにより、算出される。S504において、打撃強さとセグメント番号とを関連付けた変換テーブルを予め準備しておき、この変換テーブルを用いて、打撃強さをセグメント番号に変換してもよい。
【0057】
次に、CPU11は、ピーク表示情報メモリ13aにおける、算出されたセグメント番号に対応する輝度情報として100を設定し(S505)、タイマ11aから取得した現在時刻を打撃時刻として設定する(S506)。次に、CPU11は、打撃強さのレベルをレベルカウンタ13bに設定する(S507)。具体的に、S507において、CPU11は、1から127までの範囲で取得される打撃強さに256を乗じた値(打撃強さのレベル)をレベルカウンタ13bに設定する。
【0058】
S507の処理後、CPU11は、LED表示更新処理を実行し(S508)、本処理を終了する。LED表示更新処理(S508)は、今回の打撃(最新の打撃)に基づいて、各セグメント22a〜22jに内包される各LEDの輝度を更新する処理である。LED表示更新処理(S508)の詳細な処理については、
図6を参照して後述する。
【0059】
図5(b)は、CPU11が実行する定期実行処理を示すフローチャートである。定期実行処理は、音源装置1(表示制御装置100)に電源が投入されている間、繰り返し実行される処理である。
【0060】
まず、CPU11は、レベルカウンタ13bの値を所定値だけ減算する(S521)。次に、CPU11は、上述したS508の処理と同様のLED表示更新処理を実行し(S52
2)、本処理を終了する。
【0061】
図6は、上述したLED表示更新処理(S50
8,S522)を示すフローチャートである。LED表示更新処理(S50
8,S522)において、CPU11は、まず、レベルカウンタ13bの値に基づいて、セグメント22a〜22jのうち、棒グラフ表示に使用するセグメント(即ち、棒グラフ表示輝度を20%とするセグメント)を算出する(S601)。
【0062】
次に、CPU11は、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容(セグメント番号13a1,輝度情報13a2,打撃時刻13a3)と、タイマ11aから取得した現在時刻とに基づいて、セグメント22a〜22jのうち、ピーク表示に使用するセグメントと、ピーク表示輝度(%)とを算出する(S602)。
【0063】
S602の処理後、CPU11は、セグメント番号1のセグメント、即ち、第1セグメント22aを処理対象とする(S603)。次に、処理対象のセグメント番号に対応するセグメントが、棒グラフ表示に使用するセグメントであり、かつ、ピーク表示に使用するセグメントである場合(S604:Yes,S605:Yes)、CPU11は、棒グラフ表示輝度である20%の輝度と、S602において算出されたピーク表示輝度(%)とのうち、高い方の輝度を出力輝度に設定し(S606)、処理をS607へ移行する。
【0064】
一方、処理対象のセグメント番号に対応するセグメントが、棒グラフ表示に使用するセグメントであるが、ピーク表示に使用するセグメントでない場合(S604:Yes,S605:No)、処理対象のセグメントにおけるピーク表示輝度は0%であるので、CPU11は、棒グラフ表示輝度である20%の輝度を出力輝度に設定し(S610)、処理をS607へ移行する。
【0065】
また、処理対象のセグメント番号に対応するセグメントが、棒グラフ表示に使用するセグメントではないが、ピーク表示に使用するセグメントである場合(S604:No,S611:Yes)、処理対象のセグメントにおける棒グラフ表示輝度は0%であるので、CPU11は、S602において算出されたピーク表示輝度(%)を出力輝度に設定し(S612)、処理をS607へ移行する。
【0066】
また、処理対象のセグメント番号に対応するセグメントが、棒グラフ表示に使用するセグメントでもなく、ピーク表示に使用するセグメントでもない場合(S604:No,S611:No)、CPU11は、消灯(即ち、輝度0%)を設定し(S613)、処理をS607へ移行する。
【0067】
S607において、CPU11は、S606,S610,S612,S613で設定された出力輝度を、ドライバ20へ出力する(S607)。ドライバ20は、入力された出力輝度に従い、処理対象のセグメントに内包されるLEDの輝度をPWM制御によって制御する。
【0068】
S607の処理後、処理対象のセグメント番号が10でなければ(S608:No)、CPU11は、セグメント番号を1増加し(S609)、処理をS604へ移行し、次のセグメントを処理対象として、S604〜S60
7,S610〜S613の処理を実行する。一方、S608において、処理対象のセグメント番号が10であれば(S608:Yes)、全てのセグメント22a〜22jに対する処理が行われたので、CPU11は、本処理を終了する。
【0069】
次に、
図7〜
図9を参照して、表示制御装置100の制御(即ち、
図5(a),
図5(b),
図6に示した各処理)によるレベルメータ22の表示変化の一例について説明する。まず、
図7は、1回目の打撃時におけるレベルメータ22の表示を説明する図である。より詳細には、
図7(a)〜(c)は、それぞれ、1回目の打撃に基づくピーク表示強度、棒グラフ表示強度、及び出力輝度を示す図である。なお、1回目の打撃は、打撃時刻=ts1で、打撃強さ=50で行われたものとする。
【0070】
1回目の打撃における打撃強さは50であるので、対応するセグメント番号は4である。よって、
図7(a)に示すように、ピーク表示情報メモリ13aには、セグメント番号4に対し、輝度情報(100)及び打撃時刻(ts1)が記憶される。ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容に基づき、輝度低下関数(
図3(c)参照)を用いて、セグメント番号4に対応するセグメント22dのピーク表示輝度(%)が、100×(B1/100)に決定される。ただし、1回目の打撃時(打撃タイミング)においては、打撃されてからの経過時間がゼロであり、B1=100となるので、1回目の打撃時におけるセグメント22dのピーク表示輝度は100%である。一方で、セグメント22d以外のセグメント(セグメント22a〜22c,22e〜22j)のピーク表示輝度は0%に決定される。
【0071】
また、1回目の打撃における打撃強さ(50)に256を乗じた値(12800)が、レベルカウンタ13bに設定される。よって、12800を含む範囲に対して割り当てられているセグメント番号は4であるので、セグメント番号1〜4に対応するセグメント22a〜22dが、棒グラフ表示に使用されるセグメントとして決定される。よって、
図7(b)に示すように、これらのセグメント22a〜22dに対する棒グラフ表示輝度が20%に決定される。一方で、セグメント22e〜22jに対する棒グラフ表示輝度は0%に決定される。
【0072】
各セグメント22a〜22jの出力輝度(実際の発光による輝度)は、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容に応じて決定されるピーク表示輝度と、レベルカウンタ1
3bの現在値に応じて決定される棒グラフ表示輝度とのうち、高い方の輝度とされる。よって、
図7(c)に示すように、ピーク表示輝度が0%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22a〜22cの出力輝度は20%に決定される。また、ピーク表示輝度が100%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22dの出力輝度は100%に決定される。セグメント22e〜22jは、ピーク表示輝度も棒グラフ表示輝度も0%であるので、これらのセグメント22e〜22jの出力輝度は0%である。
【0073】
よって、1回目の打撃に基づく打撃強さのレベルのピークに対応する第4セグメント22dが最高輝度で発光し、第1〜第3セグメント22a〜22cが、1回目の打撃に基づく打撃強さのレベルを示す棒グラフとして低輝度で発光する。
【0074】
図8は、1回目の打撃から十分に短い時間で連続して、1回目の打撃より強い2回目の打撃時におけるレベルメータ22の表示を説明する図である。より詳細には、
図8(a)〜(c)は、それぞれ、2回目の打撃に基づくピーク表示強度、棒グラフ表示強度、及び出力輝度を示す図である。なお、2回目の打撃は、打撃時刻=ts2(ts2>ts1)で、打撃強さ=106で行われたものとする。
【0075】
2回目の打撃における打撃強さは106であるので、対応するセグメント番号は8である。よって、
図8(a)に示すように、ピーク表示情報メモリ13aには、セグメント番号8に対し、輝度情報(100)及び打撃時刻(ts2)が記憶される。一方で、1回目の打撃に基づくセグメント番号4に対する輝度情報は60に変更される。セグメント番号8に対応するセグメント22hのピーク表示輝度(%)は、100×(B2/100)に決定される。ただし、2回目の打撃時(打撃タイミング)においては、打撃されてからの経過時間がゼロであるので、2回目の打撃時におけるセグメント22hのピーク表示輝度は100%である。
【0076】
一方、セグメント番号4に対応するセグメント22dのピーク表示輝度(%)は、60×(B1/100)に決定される。また、セグメント22d,22h以外のセグメント(セグメント22a〜22c,22e〜22g,22i,22j)のピーク表示輝度は0%に決定される。
【0077】
また、2回目の打撃における打撃強さ(106)に256を乗じた値(27136)が、レベルカウンタ13bに設定される。よって、27136を含む範囲に対して割り当てられているセグメント番号は8であるので、セグメント番号1〜8に対応するセグメント22a〜22hが、棒グラフ表示に使用されるセグメントとして決定される。よって、
図8(b)に示すように、これらのセグメント22a〜22hに対する棒グラフ表示輝度が20%に決定される。一方で、セグメント22i,22jに対する棒グラフ表示輝度は0%に決定される。
【0078】
図8(c)に示すように、ピーク表示輝度が0%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22a〜22c,22e〜22gの出力輝度は20%に決定される。ピーク表示輝度が[60×(B1/100)]%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22dの出力輝度は、ピーク表示輝度と棒グラフ表示輝度とのうち、高い方の輝度とされる。ただし、この例では1回目の打撃と2回目の打撃との間隔が十分に短いとしているので、セグメント22dは[60×(B1/100)]%の輝度で発光される。ピーク表示輝度が100%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22hの出力輝度は100%に決定される。セグメント22i,22jは、ピーク表示輝度も棒グラフ表示輝度も0%であるので、これらのセグメント22i,22jの出力輝度は0%である。
【0079】
よって、2回目の打撃に基づく打撃強さのレベルのピークに対応する第8セグメント22hが最高輝度で発光する。1回目の打撃に基づく打撃強さのレベルのピークに対応する第4セグメント22dは、第8セグメント22hより低い輝度で発光する。第1〜第3セグメント22a〜22c及び第5〜第7セグメント22e〜22gが、2回目の打撃に基づく打撃強さのレベルを示す棒グラフとして低輝度で発光する。
【0080】
図9は、2回目の打撃から所定時間経過後のレベルメータ22の表示を説明する図である。より詳細には、
図9(a)〜(c)は、それぞれ、2回目の打撃から所定時間経過後におけるピーク表示強度、棒グラフ表示強度、及び出力輝度を示す図である。なお、
図9に示す例は、2回目の打撃後、時間経過に伴ってレベルカウンタ13bの値が16384まで減少したタイミングのものとする。ただし、
図9に示す例では、2回目の打撃後からの経過時間は、第4セグメント22dにおけるピーク表示輝度が20%以下にならないものとする。
【0081】
新たな打撃を行ったわけではないので、
図9(a)に示すように、ピーク表示情報メモリ13aの記憶内容は、2回目の打撃時における記憶内容(
図8(a)参照)と同一である。即ち、ピーク表示情報メモリ13aには、セグメント番号8に対し、輝度情報(100)及び打撃時刻(ts2)が記憶され、セグメント番号4に対し、輝度情報(60)及び打撃時刻(ts1)が記憶される。よって、セグメント番号8に対応するセグメント22hのピーク表示輝度(%)は、100×(B2/100)に決定され、セグメント番号4に対応するセグメント22dのピーク表示輝度(%)は、60×(B1/100)に決定される。また、セグメント22d,22h以外のセグメント(セグメント22a〜22c,22e〜22g,22i,22j)のピーク表示輝度は0%に決定される。
【0082】
このタイミングにおけるレベルカウンタ13bの現在値である16384を含む範囲に対して割り当てられているセグメント番号は5であるので、セグメント番号1〜5に対応するセグメント22a〜22eが、棒グラフ表示に使用されるセグメントとして決定される。よって、
図9(b)に示すように、これらのセグメント22a〜22eに対する棒グラフ表示輝度が20%に決定される。一方で、セグメント22f〜22jに対する棒グラフ表示輝度は0%に決定される。
【0083】
図9(c)に示すように、ピーク表示輝度が0%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22a〜22c,22eの出力輝度は20%に決定される。ピーク表示輝度が[60×(B1/100)]%であり、棒グラフ表示輝度が20%であるセグメント22dの出力輝度は、ピーク表示輝度と棒グラフ表示輝度とのうち、高い方の輝度とされる。ただし、この例では、第4セグメント22dにおけるピーク表示輝度が20%以下にならないことを前提としているので、セグメント22dは[60×(B1/100)]%の輝度で発光される。ピーク表示輝度が[100×(B2/100)]%であり、棒グラフ表示輝度が0%であるセグメント22hの出力輝度は、[100×(B2/100)]%に決定される。セグメント22f,22g,22i,22jは、ピーク表示輝度も棒グラフ表示輝度も0%であるので、これらのセグメント22f,22g,22i,22jの出力輝度は0%である。なお、B1及びB2の値は時間経過に伴って小さくなるので、
図9(c)に示すセグメント22d及びセグメント22hの輝度(即ち、2回目の打撃から所定時間後の出力輝度)は、それぞれ、
図8(c)に示すセグメント22d及びセグメント22hの輝度より低い輝度となる。
【0084】
よって、2回目の打撃から時間が経過するにつれて、レベルカウンタ13bの値が減少するので、棒グラフの長さ(棒グラフ表示の表示領域)は次第に短くなる。一方で、第4,
8セグメントのピーク表示は、打撃後もピークホールドされる。
【0085】
以上説明した通り、本実施形態の音源装置1(表示制御装置100)によれば、パッド51〜53が打撃される毎に、最新の打撃に基づく打撃強さのレベルのピークに対応するセグメントが最高輝度で発光され、それ以前の打撃に基づく打撃強さのレベルのピークに対応するセグメントの輝度を低下させる。よって、複数の打撃に基づく各レベルのピークを異なる輝度でレベルメータ22に表示できるので、複数の打撃に基づく各レベルを識別可能にできる。また、その際には、いずれのレベルも異なる輝度で発光されている(即ち、消灯されることがない)ので、複数の打撃に基づくレベルを、レベル表示感を損なうことなく好適に表示できる。
【0086】
なお、上記実施形態では、パッドの打撃に基づくレベルについてのみ説明したが、例えば、ノイズが音源装置1に入力された場合には、レベルメータ22に小さいレベルのピークが最高輝度で発光されるので、ノイズの検出にも役立つ。
【0087】
また、打撃の時系列に応じてピーク表示輝度が異なるので、ユーザは、複数の打撃に基づく各レベルの時系列を輝度の違いによって区別できる。また、ピーク表示輝度は、最新の打撃に対するものが最高輝度であり、古い打撃になるにつれて低輝度となるので、レベルの時系列の認識が容易となる。
【0088】
また、ピーク表示輝度は、打撃されてから時間が経過するにつれて次第に低下するように構成されているので、ピーク表示をフェードアウトさせることができ、違和感なく消去できる。また、ピーク表示は、打撃後もピークホールドされるので、ユーザは打撃のレベルを強く認識できる。
【0089】
また、打撃からの時間経過に伴って次第に短くなる棒グラフ表示も合わせて行うので、最新の打撃に基づいて発生される信号(楽音)が減衰する様子を表すことができ、レベル表示感を高めることができる。このとき、棒グラフ表示を行う輝度は、打撃時のピーク表示輝度に比べ低輝度であるので、信号が減衰する様子を補助的に報知できる。
【0090】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0091】
例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0092】
また、上記実施形態では、パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの輝度を下げる構成とした。パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの表示態様を、今回の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの表示態様と異なる態様に変更する構成であれば、上記実施形態と同様に、複数の打撃に基づく各レベルをレベルメータ22に同時表示できるとともに、同時表示された各レベルの時系列の区別が可能となる。例えば、第1〜第10セグメント22a〜22jに内包されるLEDを3色LEDなどの多色LEDとし、パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの色を、今回の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの色と異なる色にしてもよい。あるいは、輝度と色の組み合わせなど、複数の表示態様の組み合わせによる違いをつけてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの輝度を下げる構成としたが、パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの輝度を上げてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、レベルメータとして、LEDの点灯によってレベルを表示するレベルメータ22を例示したが、本発明は、LCDなどの表示画面にグラフィック表示されるレベルメータに対しても適用可能である。表示画面にグラフィック表示されるレベルメータを採用する場合、レベルのピークを表す図形の大きさや、形状や、色などを変えることによって、複数の打撃に基づく各レベルの時系列を区別可能にしてもよい。例えば、パッドが打撃された場合に、その打撃強さのレベルのピークに対応する図形を正方形とし、その後にパッドが打撃される毎に、正方形の4つの角が次第に丸みを帯びていくように、図形の形状を変更させてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、ピーク表示輝度を、打撃されてからの経過時間に応じて低下させる構成とした。上述した通り、パッドが打撃される毎に、それ以前の打撃に基づくレベルのピークに対応するセグメントの表示態様を変更する構成を採用する場合には、セグメントの表示態様を、打撃されてからの時間経過に応じて変更させる構成としてもよい。この場合に、パッドが打撃される毎に変更する表示態様と、時間経過に応じて変更する表示態様とが同じでなくてもよい。例えば、パッドが打撃される毎にLEDの発光色を変更し、時間経過に応じて輝度を低下させてもよい。あるいは、LCDにグラフィック表示されるレベルメータにおいて、パッドが打撃される毎に表示中の図形の形状を変更し、その図形を塗り潰す色を時間経過に応じてグラデーション変化させてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、セグメント22a〜22jが直線状に並ぶレベルメータ22を例示したが、レベルメータとしては、信号のレベルに応じた所定の順番でセグメントが配列されていればよく、その配列形状は特に限定されない。例えば、複数のセグメントが、波線状や、円状や、円弧状や、渦巻き状や、階段状などの各種形状に並ぶものであってもよい。また、上記実施形態では、セグメント22a〜22jが連続して並ぶレベルメータ22を例示したが、信号のレベルに応じた所定の順番でセグメントが配列されていれば、各セグメントが離間されて(即ち、破線状に)配列されていてもよい。また、上記実施形態では、1つのレベル範囲に対し1つのセグメントを対応付ける構成としたが、1つのレベル範囲に対し複数のセグメントを対応付けてもよい。よって、例えば、発光するセグメントの位置が、信号のレベルが上がるにつれて、同心円状や扇状に広がるレベルメータに対しても本発明を適用可能である。
【0097】
また、上記実施形態では、パッドの打撃に基づくレベルをレベルメータ22に表示させる場合を例示したが、鍵盤やペダルなどの、操作強度または操作速度などを検出可能な操作子に対しても本発明を適用できる。例えば、鍵盤が押鍵された場合の操作強度または操作速度を検出し、その操作強度または操作速度を上記実施形態と同様にレベルメータ22に表示させるようにしてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、パッドの打撃に基づくレベルをレベルメータ22に表示させる場合を例示したが、オーディオ信号に対しても本発明を適用できる。例えば、オーディオ信号の急峻な立ち上がりや、エンベロープが急峻に変化している部分を最新のピークとして検出し、検出されたピークのレベルに対応するセグメントの輝度を100%とし、前回以前に検出されたピークのレベルに対応するセグメントの輝度を下げるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、S502において、輝度情報の値が50以上であり、かつ、発光中のセグメントがあるかの判定を行ったが、輝度情報の値による条件を設けることなく、単に発光中のセグメントがあるかを判定してもよい。即ち、パッドが新たに打撃された場合に、それ以前の打撃に基づき発光中の全てのセグメントの輝度を低下させる構成としてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、新しい打撃があった場合の輝度情報の値の変更を、100→60、60→50、50→40の3段階としたが、少なくとも1段階の変更を行えばよく、例えば、2段階の変更であっても、4段階以上の変更であってもよい。
【0101】
また、上記実施形態のLED表示更新処理では、各セグメントについて、そのセグメントが、ピーク表示に使用するセグメントであるか、棒グラフ表示に使用するセグメントであるかに応じて、出力輝度を設定したが、セグメント毎に、ピーク表示輝度と、棒グラフ表示輝度とを比較し、高い方の輝度を出力輝度に設定してもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、打撃に基づくピーク表示とともに、棒グラフ表示をレベルメータ22に表示する構成としたが、棒グラフ表示を行わない構成としてもよい。かかる場合には、第1セグメント22aから第10セグメント22jまでの各セグメント22a〜22jの表示色がグラデーションになるようにすると、ユーザが打撃したレベルを認識し易く好ましい。
【0103】
また、上記実施形態では、ピーク表示輝度の低下が、打撃されてからの経過時間にも依存する構成としたが、時間経過に伴うピーク表示輝度の低下を行わない構成としてもよい。即ち、ピーク表示輝度は、新たな打撃があった場合にのみ低下させ、所定時間後に自動的に0%にされる構成としてもよい。あるいは、打撃されてからの経過時間とは無関係に、新たな打撃があった場合に、所定回数(例えば3回)以前の打撃に基づくピーク表示の輝度を0%にする構成としてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、打撃に基づくレベルの表示が終了しても、その表示に対応するピーク表示情報メモリ13aに記憶される記憶内容をクリアしない構成としたが、打撃に基づくレベルの表示が終了した場合(即ち、輝度が0%となった場合)に、対応する輝度情報及び打撃時刻をピーク表示情報メモリ13aからクリアする構成としてもよい。かかる構成においては、例えば、打撃時刻に換えて、打撃順を識別可能な情報をピーク表示情報メモリ13aに記憶する一方で、各セグメントについて経過時間を計時してもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、輝度低下関数(
図3(c))を一次関数としたが、輝度が打撃されてから所定時間後に最終的にゼロとなる関数であれば、特に限定されるものではなく、曲線を描く関数であってもよい。あるいは、打撃が開始されてから、時刻t1までは、輝度が100のまま一定であり、時刻t1以降は単調に輝度が減少する関数であってもよい。打撃開始後の輝度をしばらく一定にすると、打撃直後の明るさがその分持続し、ユーザの識別力を高めることができる。
【0106】
また、上記実施形態では、1種類の輝度低下関数を用いる構成としたが、複数種類の輝度低下関数を準備し、ピーク表示情報メモリ13aに記憶されている輝度情報の値や、ピーク表示を行うセグメントの位置などに応じて輝度低下関数を使い分ける構成としてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、複数のパッド51〜53に対して1つのレベルメータ22を備える構成としたが、複数のパッド51〜53の各々に対して、それぞれ1つのレベルメータ22を備える構成としてもよい。その場合、個々のレベルメータをそれぞれに対応する個々の表示制御装置100で制御することが好ましい。また、上記実施形態では、表示制御装置100が、音源装置1に搭載される構成としたが、表示制御装置100及びレベルメータ22が、音源装置と別体であってもよい。また、表示制御装置100とレベルメータ22とが別体であってもよい。
【0108】
上記実施形態において、ピーク表示位置取得手段としては、S504が例示され、第1ピーク表示制御手段としては、S508が例示される。また、第2ピーク表示制御手段としては、S508が例示される。また、第3ピーク表示制御手段としては、S522が例示される。経過時間取得手段としては、S602の処理が例示される。また、第1レベル表示範囲決定手段としては、S507,S601の処理が例示され、第2レベル表示範囲決定手段としては、S521,S601の処理が例示され、レベル表示制御手段としては、S606,S610の処理が例示される。