(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881511
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】直流配電用の電源コンセント
(51)【国際特許分類】
H01R 13/66 20060101AFI20160225BHJP
H01H 33/59 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
H01R13/66
H01H33/59 E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-83938(P2012-83938)
(22)【出願日】2012年4月2日
(65)【公開番号】特開2013-168347(P2013-168347A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-6728(P2012-6728)
(32)【優先日】2012年1月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】恩地 俊行
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳准
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−522088(JP,A)
【文献】
特開2003−203721(JP,A)
【文献】
特許第5793019(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/66
H01H 33/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流配電系統に適用して負荷に接続したプラグを接続する電源コンセントにおいて、そのコンセント内部には、主回路の+極と−極との間に並列接続した半導体スイッチング素子と、プラグの引抜きに伴い該プラグの差込端子とコンセントの受金端子の間に発生した直流アークのアーク電圧検出手段と、該アーク電圧検出手段で得たアーク電圧を入力信号として前記半導体スイッチング素子をON/OFF制御するゲート駆動回路とからなるアーク消滅用の転流回路を備え、前記アーク電圧の入力信号を基にプラグの引抜き時に主回路電流を前記半導体スイッチング素子に転流してアークを消滅させた後、該半導体スイッチング素子をOFF制御して主回路電流を遮断するようにしたことを特徴とする直流配電用の電源コンセント。
【請求項2】
請求項1に記載の電源コンセントにおいて、プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧検出手段として、コンセントにはプラグの端子差込み穴内に臨ませて受金端子の前方に位置してプラグの差込端子に接触するアーク電圧検出用端子を配置したことを特徴とする直流配電用の電源コンセント。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源コンセントにおいて、半導体スイッチング素子のゲート駆動回路が、半導体スイッチング素子のゲートとエミッタ間に接続したゲート電圧保持用のコンデンサと、プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧で前記コンデンサを充電する抵抗分圧回路からなることを特徴とする直流配電用の電源コンセント。
【請求項4】
請求項3に記載の電源コンセントにおいて、ゲート駆動回路のゲート電圧保持用のコンデンサに過電圧抑制素子を並列接続したことを特徴とする直流配電用の電源コンセント。
【請求項5】
直流配電系統に適用して負荷に接続したプラグを接続する電源コンセントにおいて、そのコンセント内部には、プラグの差込端子をコンセントの受金端子に接続した際に、主回路の+極と−極のうちいずれかの極側でプラグの差込端子と接触し、プラグの引抜きに伴い該プラグの差込端子とコンセントの受金端子の間に発生した直流アークのアーク電圧を検出するアーク電圧検出手段と、該アーク電圧検出手段と主回路の+極と−極のうち前記アーク電圧検出手段と接触するプラグの差込端子側の極との間に接続した半導体スイッチング素子と、該アーク電圧検出手段で得たアーク電圧を入力信号として前記半導体スイッチング素子をON/OFF制御するゲート駆動回路とからなるアーク消滅用の転流回路を備え、前記ゲート駆動回路は、半導体スイッチング素子のゲートとエミッタ間に接続したゲート電圧保持用のコンデンサと、プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧で前記コンデンサを充電する抵抗分圧回路からなり、前記アーク電圧の入力信号を基にプラグの引抜き時に主回路電流を前記半導体スイッチング素子に転流してアークを消滅させた後、該半導体スイッチング素子をOFF制御して主回路電流を遮断するようにしたことを特徴とする直流配電用の電源コンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直流配電系統で用いる直流配電用の電源コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
最近になり、データセンターなどではその省電力化を推進するために、データセンター内の配電をサーバーなどの機器に適した直流で行うようにする直流給電システムの採用が進められている。そのほか、今後予測される自家用の太陽光発電,燃料電池などの分散電源の普及に伴い、次世代の給電方式として一般家庭を対象とした直流給電システムも注目されている。
【0003】
ところで、この直流給電システムの運用には、直流給電に対応した電源コンセントが必要であるが、この場合に直流は交流とは異なり、ゼロクロスポイントが無いために、高電圧の直流配電系統(例えば、400V程度)では、機器(負荷)の通電中にプラグをコンセントから引き抜くと、プラグの差込端子(栓刃)とコンセント側の受端子(栓刃の受金)との間に継続したアークが発生する安全上の問題がある。
【0004】
そこで、コンセントの内部にプラグの差込み,引抜き操作に連係して主回路電流を遮断するスイッチ回路などを内蔵してプラグ引き抜きに伴うアーク発生の防止,抑制対策を施した各種方式の直流用電源コンセントが提案されており、その一例として、プラグの引抜き時には、コンセントの内蔵スイッチを開いて通流電流を半導体スイッチング素子に転流させた上で、この半導体スイッチング素子に流れる電流を限流遮断してアークの発生を防ぐようにした直流電流の遮断支援回路が特許文献1で知られており、その動作,機能を
図10で簡単に説明する。
【0005】
図10の回路において、コネクタCN(プラグ)を引抜く際には、先ずコンセント側の開閉器SWを開放し、その後にプラグを引き抜いてコネクタCNの接点S1とS2,およびS3とS4を切り離すことで、アークを発生させること無くプラグの引き抜き操作を完了できる。すなわち、開閉器SWを開くことにより、該開閉器SWに流れていた主回路電流が半導体Q1に転流し、その後、半導体Q1に流れる電流を0に限流して直流電源から負荷に流れる電流を0にする。これにより、主回路電流が0になった時点でプラグを引き抜くので、引き抜き時にアークが発生するのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−218054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、先記特許文献1に示された直流電流の遮断支援回路は、あらかじめ開閉器SWを開くことで、主回路電流を転流回路に転移,限流してアークの発生を抑制する。このために、開閉器SWを開く前にプラグが引き抜かれることが無いよう、プラグとの間にインターロック機構が必要となる。さらに、その転流回路には二つの半導体スイッチング素子Q1とQ2を使用することからコスト高となるほか、コンセント部の大型化も避けられない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は簡易な回路構成で、コンセントに差込み接続したプラグをコンセントから引き抜く際に、プラグの接触子とコンセントの接触子との間に発生した直流アークを素早く消滅させて電流を遮断する機能を備えた安全性の高い直流配電用の電源コンセントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、直流配電系統に適用して負荷に接続したプラグを接続する電源コンセントにおいて、そのコンセント内部には、主回路の+極と−極との間に並列接続した半導体スイッチング素子と、プラグの引抜きに伴い該プラグの差込端子とコンセントの受金端子の間に発生した直流アークのアーク電圧検出手段と、該アーク電圧検出手段で得たアーク電圧を入力信号として前記半導体スイッチング素子をON/OFF制御するゲート駆動回路とからなるアーク消滅用の転流回路を備え、前記アーク電圧の入力信号を基にプラグの引抜き時に主回路電流を前記半導体スイッチング素子に転流してアークを消滅させた後、該半導体スイッチング素子をOFF制御して主回路電流を遮断するようにする(請求項1)。
【0010】
ここで、前記のアーク電圧検出手段,アーク消滅用の転流回路,および半導体スイッチング素子のゲート駆動回路は具体的に次記のような態様で構成する。
(1)プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧検出手段として、コンセントにはプラグの端子差込み穴内に臨ませて受金端子の前方に位置してプラグの差込端子に接触するアーク電圧検出用端子を配置する(請求項2)。
(2)前記半導体スイッチング素子のゲート駆動回路を、半導体スイッチング素子のゲートとエミッタ間に接続したゲート電圧保持用のコンデンサと、プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧で前記コンデンサを充電する抵抗分圧回路から構成する(請求項3)。
(3)前記ゲート駆動回路のゲート電圧保持用のコンデンサに過電圧抑制素子を並列接続する(請求項4)。
さらに、直流配電系統に適用して負荷に接続したプラグを接続する電源コンセントにおいて、そのコンセント内部には、プラグの差込端子をコンセントの受金端子に接続した際に、主回路の+極と−極のうちいずれかの極側でプラグの差込端子と接触し、プラグの引抜きに伴い該プラグの差込端子とコンセントの受金端子の間に発生した直流アークのアーク電圧を検出するアーク電圧検出手段と、該アーク電圧検出手段と主回路の+極と−極のうち前記アーク電圧検出手段が接触するプラグの差込端子側の極との間に接続した半導体スイッチング素子と、該アーク電圧検出手段で得たアーク電圧を入力信号として前記半導体スイッチング素子をON/OFF制御するゲート駆動回路とからなるアーク消滅用の転流回路を備え、前記ゲート駆動回路は、半導体スイッチング素子のゲートとエミッタ間に接続したゲート電圧保持用のコンデンサと、プラグの引抜き時に発生した直流アークのアーク電圧で前記コンデンサを充電する抵抗分圧回路からなり、前記アーク電圧の入力信号を基にプラグの引抜き時に主回路電流を前記半導体スイッチング素子に転流してアークを消滅させた後、該半導体スイッチング素子をOFF制御して主回路電流を遮断するようにする(請求項5)。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、通電中にプラグを引き抜いた際にプラグの差込端子とコンセントの受金端子との間に発生したアークを速やかに消滅して主回路電流を遮断することができる。
すなわち、プラグの引き抜き操作に伴ってその差込端子とコンセントの受金端子との間に直流アークが発生すると、そのアーク電圧がコンセント側の受金端子の前方に配置したアーク電圧検出用端子を介して抵抗分圧回路で検出され、その分電圧をゲート入力信号として半導体スイッチング素子がON状態に切り替わるとともに、そのゲートに接続したゲート電圧保持用コンデンサも充電されて半導体スイッチング素子をON状態に保持する。
【0012】
これにより、直流電源からコンセント,プラグを経て負荷側に流れていた電流が前記半導体スイッチング素子に転流し、これによりコンセントとプラグとの間に発生していた直流アークが消滅する。また、このアーク消滅に伴い、半導体スイッチング素子のゲート電圧を保持していた前記コンデンサの充電電荷が分圧回路の抵抗を通じて放電されると、半導体スイッチング素子はOFFに切り替わって該半導体スイッチング素子に流れていた電流が遮断され、これで主回路電流は完全に遮断する。したがって、通電中にプラグを安全に引抜き操作することができる。
【0013】
しかも、プラグの引抜きに伴ってプラグとコンセントの端子間に発生する直流アークのアーク電圧を検出して転流回路の半導体スイッチング素子をON/OFF制御するようにしたので、コンセントの内部には特許文献1に開示されているような開閉器、およびこの開閉器とプラグとを連係するインターロック機構を設ける必要がなく、さらにアーク消滅用の転流回路における半導体スイッチング素子は1個で済み、これにより小形で安全性の高い直流配電用の電源コンセントを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1による電源コンセントの回路構成図である。
【
図2】
図1の構成でコンセントにプラグを接続した状態での電流経路を表す図である。
【
図3】
図2の接続状態からプラグを引抜き開始してコンセントとプラグとの間にアークが発生した初期状態の電流経路を表す図である。
【
図4】
図3の状態から主回路電流がコンセントの転流回路に転流した状態の電流経路を表す図である。
【
図5】
図4の状態から半導体スイッチング素子がOFFして主回路電流が遮断した状態を表す図である。
【
図6】本発明の実施例2による電源コンセントの回路構成図である。
【
図7】
図6の構成でコンセントにプラグを接続した状態での電流経路を表す図である。
【
図8】
図7の接続状態からプラグを引抜き開始してコンセントとプラグとの間にアークが発生した初期状態の電流経路を表す図である。
【
図9】
図8の状態から主回路電流がコンセントの転流回路に転流した状態の電流経路を表す図である。
【
図10】特許文献1に開示されている遮断支援回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図5に示す実施例1、および
図6〜
図9に示す実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
まず、本発明の実施例1による電源コンセントの内部回路を
図1に示す。
図1において、1は直流電源に接続したコンセント(例えば壁埋め込み形)、2はケーブルを介して直流機器(負荷)に接続したプラグであり、コンセント1にはプラグ2の差込端子2a,2bに対応する+極,−極の受金端子3a,3b,およびアーク電圧検出用端子4を配したプラグ接続部3、およびアーク消滅用の転流回路5が内蔵されている。
【0017】
ここで、アーク電圧検出用端子4は、プラグ接続部3におけるプラグ2の端子差込み穴の通路に臨ませて−極側受金端子3bの前方位置に配置されており、該受金端子3bはプラグ2をプラグ接続部3に差し込んだ状態でプラグ2の差込端子2bに接触する。一方、前記転流回路5は、電流制限抵抗6を介して主回路の+極と−極の間に並列接続した半導体スイッチング素子7と次記のゲート駆動回路とからなり、このゲート駆動回路は前記アーク電圧検出用端子4と主回路の−極との間に接続した分圧抵抗8a,8bからなる抵抗分圧回路8、前記分圧抵抗8bに並列接続して半導体スイッチング素子7のゲートとエミッタとの間に介装したゲート電圧保持用のコンデンサ9、および過電圧抑制素子(例えば、バリスタ)10から構成されている。なお、図示実施例では半導体スイッチング素子7にIGBTを用いているが、MOSFETを使用しても良い。また、前記のコンデンサ9についても、IGBTのゲート/エミッタ間の浮遊容量を利用することで省略することができる。
【0018】
次に、前記電源コンセントの動作,機能を
図2〜5に基づいて説明する。なお、図中で太実線矢印は主回路電流の経路,細点線矢印は制御電流の経路を表している。
まず、
図2はプラグ2をコンセント1に差し込んだ接続状態を示し、直流電源から給電される主回路電流はコンセント1とプラグ2の端子を介して負荷(不図示)に流れる。このプラグ接続状態ではコンセント1の受金端子3a,3bとプラグ2の差込端子2a,2bとは同じ電位で両者間の電位差は0Vであり、半導体スイッチング素子(以下「IGBT」と呼称する)7はOFF状態である。
【0019】
図2の通電状態からプラグ2の引抜き操作を開始し、ここでコンセント1の受金端子3a,3bとプラグ2の差込端子2a,2bとの間が開離し始めると、
図3のように各端子間に直流アークarcが発生し、プラグ2の差込端子2bとコンセント1の受金端子3bとの間にはアーク電圧が発生する。このアーク電圧は端子の材質と端子間のギャップにより決まるが、特に端子の解離初期ではギャップによる電圧上昇は僅かであるため、アーク電圧は電極の材料にほぼ依存した特性となる。この場合、アーク電圧は遮断電流値には依存せず、ほぼ20V程度の電圧が発生する。したがって、差込端子2bと受金3bの間のアーク電圧も20V程度となる。この場合に、前記したアーク電圧検出用端子4はプラグ2の差込端子2bに接触していて同じ電位となることから、抵抗分圧回路8の分圧抵抗8aと8bの抵抗比を1:3程度に設定しておけば、前記のアーク電圧検出用端子4から抵抗分圧回路8を介してIGBT7のゲートに印加されるゲート電圧は15V程度となる。また、同時にゲート電圧保持用のコンデンサ9も15V程度の電圧で充電される。
【0020】
これにより、主回路の+極と−極の間に接続したIGBT7はOFFからON状態に切り替わる。これにより、
図4のように直流電源から給電される主回路電流は、電流制限抵抗6,IGBT7を経由する転流回路5に転流してバイパスするとともに、この主回路電流の転流に伴い、いままでプラグ2の差込端子2a,2bとコンセント1の差込端子3a,3bの間に発生していた直流アーク(
図3参照)は直ちに消滅することになる。
【0021】
また、直流アークの消滅に伴いアーク電圧検出用端子4を介して検出していたアーク電圧(ゲート駆動回路の入力信号)も消失するので、コンデンサ9に充電されていた電荷は
図4の点線経路で表すように抵抗分圧回路8の分圧抵抗8bを通じて放電され、その充電電圧が減少してIGBT7のゲート電圧も低下する。その結果、IGBT7はONからOFF状態に切り替わり、
図5のように主回路電流が完全に遮断される。
【0022】
上記の説明で明らかなように、本発明の電源コンセントを用いることにより、プラグの引抜きに伴いコンセントとプラグの端子間に生じた直流アークを速やかに消滅して通電中でもプラグを安全に引き抜くことができる。しかも、その回路構成は簡易で先記特許文献1のようにコンセント内部に開閉器やこの開閉器とプラグとの間を連係するインターロック機構を設ける必要もなく、これにより小形で安全性の高い直流配電用の電源コンセントを提供できる。
【0023】
なお、コンデンサ9の放電タイミングはコンデンサ9と分圧抵抗8bで構成される放電回路の時定数で決定されるので、この時定数の選定により、プラグの差込端子とコンセントの受金端子間に発生した直流アークが消滅してIGBT7がOFF状態に切り替わってから主回路電流が完全に遮断されるまでの時間間隔を調整することが可能である。そして、この回路時定数を例えばmsオーダーの時定数を選定することで、主回路電流の遮断直後に生じるサージ電圧も効果的に抑制できる。
【0024】
また、図示実施例のゲート駆動回路では、IGBT7のゲートに過電圧が印加される事を防ぐために、抵抗分圧回路8の分圧抵抗8bに過電圧抑制素子10(例えば、バリスタ)を並列接続している。この場合に、抵抗分圧回路8の分圧抵抗8aはコンデンサ9の充電抵抗としての機能を有しているので、過電圧抑制素子10を取り付ける場合には、分圧抵抗8aの抵抗値は充電抵抗としての機能を考慮して設定するようにしている。
【0025】
そのほか、図示実施例の回路構成では、アーク電圧検出用端子4を−極の受金端子3b側に配置してプラグ2の差込端子2bとの間に発生した直流アークのアーク電圧を検出するようにしているが、前記の過電圧抑制素子10を取り付けてIGBT7のゲート電圧を規制することにより、このアーク電圧検出用端子4を+極の受金端子3a側に配置してプラグ2の差込端子2aとの間に発生した直流アークのアーク電圧を利用してIGBT7をON/OFF制御させることも可能である。
【実施例2】
【0026】
次に本発明の請求項5に対応する実施例2について、その回路構成,および動作を
図6〜
図9を用いて説明する。この実施例2においては、転流回路5における半導体スイッチング素子7(IGBT)が、コンセント1における−極側の受金端子3bの前方に配置したアーク電圧検出用端子4と主回路の−極との間に接続されており、該半導体スイッチング素子7(以下「IGBT」と呼称する)のゲート駆動回路は先記実施例1の構成と同様である。
【0027】
上記の構成で、コンセント1にプラグ2を差し込んで負荷(不図示)に給電している通電状態では、
図7で示すように主回路電流がコンセント1とプラグ2の各端子を介して流れる。また、このプラグ接続状態ではコンセント1の受金端子3a,3bとプラグ2の差込端子2a,2bとは同じ電位で両者間の電位差は0Vであり、IGBT7はOFF状態である。
【0028】
上記の通電状態からプラグ2の引抜き操作を開始し、ここでコンセント1の受金端子3a,3bとプラグ2の差込端子2a,2bとの間が開離し始めると、
図8で示すように各端子間に直流アークarcが発生し、このアーク電圧を受けてアーク電圧検出用端子4から抵抗分圧回路8,コンデンサ9を経由して図示のように制御電流が流れてコンデンサ9が充電される。
【0029】
これにより、先記実施例1の動作と同様に、IGBT7はOFFからON状態に切り替わり、プラグ2の差込端子2b(−極)からコンセント1のプラグ受金3bを経て主回路の−極側に流れていた主回路電流は、
図9のようにアーク電圧検出用端子4を経由してIGBT7に転流するとともに、いままでプラグ2の差込端子2bとコンセント1の受金端子3bの間に発生していた直流アーク(
図8参照)は消滅する。また、この直流アークの消滅に伴いアーク電圧検出用端子4を介して検出していたアーク電圧(ゲート駆動回路の入力信号)も消失する。したがって、いままでコンデンサ9に充電されていた電荷は
図9のように抵抗分圧回路8の分圧抵抗8bを通じて放電されるので、その充電電圧が減少してIGBT7のゲート電圧も低下し、IGBT7はONからOFF状態に切り替わる。その結果、プラグ2の差込端子2a(+極)とコンセント1の受金端子3aの間に生じていたアークも消滅し、実施例1の
図5で述べたと同様に主回路電流が完全に遮断される。
【0030】
また、この実施例2では、IGBT7が−極側に配置したアーク電圧検出用端子4と主回路の−極との間に接続されている。したがって、IGBT7はコンセント1の受金端子3a,3bとプラグ2の差込端子2a,2bとの間にアークが発生している状態でのみONとなるので、実施例1の回路構成(
図1参照)と比べて、IGBT7には電流制限抵抗6を接続する必要がなく、かつIGBT7の耐電圧も低めることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 コンセント
2 プラグ
2a,2b 差込端子
3 プラグ接続部
3a,3b 受金端子
4 アーク電圧検出用端子
5 アーク消滅用の転流回路
7 半導体スイッチング素子(IGBT)
8 ゲート駆動回路の抵抗分圧回路
9 ゲート電圧保持用のコンデンサ
10 過電圧抑制素子(バリスタ)