(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記折り目ガイドは、前記袖折コンベアの下流側が幅方向中央に寄り、上流側が幅方向側方に寄るように、該袖折コンベアの搬送方向に従ってその角度を切り替える角度切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の衣類折畳装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明に係る衣類折畳装置は、浴衣やガウン、病衣などの袖を有する衣類を折り畳む装置である。また、袖を背面(後身頃側)に畳んで衣類の胸が表に現れるように折り畳む「胸出し畳み」と、袖を正面(前身頃側)に畳んで衣類の背が表に現れるように折り畳む「背出し畳み」とを、選択して行うことができる装置である。
【0010】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る衣類折畳装置Aは、切替コンベア10、反転コンベア群20、袖折機30、二つ折コンベア40、三つ折機50、四つ折コンベア60、およびスタッカー70を備えている。
【0011】
切替コンベア10は、前端側(
図1における右側)の投入部11と、後端側(
図1における左側)の切替部12とを有している。投入部11は、衣類折畳装置Aの前方に突出して設けられており、例えば前工程のアイロナーから排出された洗濯、アイロンがけ済みの衣類Cを載せて、その衣類Cを衣類折畳装置A内に投入する部分である。切替コンベア10の後端のローラ13はエアシリンダなどのアクチュエータにより上下に位置の切り替えが可能となっている。切替部12はローラ13の位置の切り替えにより、反転コンベア群20に接続する状態と、袖折機30に接続する状態とで切り替え可能となっている。これにより、投入部11に載せられた衣類Cを反転コンベア群20または袖折機30のいずれかに搬送することができる。
なお、切替コンベア10を投入部11と切替部12とで分離した2つのコンベアから構成してもよい。
【0012】
反転コンベア群20は、第1反転コンベア21と、第2反転コンベア22と、誘導板23とから構成されている。第1反転コンベア21は袖折機30と略同一の長さのコンベアであり袖折機30の上方に配置されている。第1反転コンベア21の前端(
図1における右端)は切替コンベア10の後端と接続可能であり、切替コンベア10から搬送された衣類Cをその後端(
図1における左端)まで搬送する。第1反転コンベア21の後端には第2反転コンベア22が所定の隙間を空けて配置されており、第1反転コンベア21と第2反転コンベア22との隙間に衣類Cを誘導するように弓形の誘導板23が配置されている。第2反転コンベア22は、第1反転コンベア21の後端下方に潜り込むような形状を有しており、その後端(
図1における右端)は袖折機30に接続している。
【0013】
この反転コンベア群20により衣類Cを表裏反転させて袖折機30に搬送できる。すなわち、切替コンベア10の投入部11に衣類Cをその正面を表に向けて載せると、切替コンベア10から衣類Cを搬送された第1反転コンベア21は衣類Cをその姿勢のまま
図1における右から左に向かって搬送する。第1反転コンベア21の後端に達した衣類Cは、誘導板23に誘導されて第1反転コンベアと第2反転コンベアとの隙間に通される。ここで、衣類Cは、搬送方向が逆向き(
図1における左から右)に変えられるとともに、表裏反転されて背面を表に向けた姿勢で袖折機30に搬送される。ここで、正面を「表」に向けるとは、衣類の背面をコンベアの搬送面に接触させ正面を搬送面と同じ向きにすることをいい、背面を「表」に向けるとは、衣類の正面をコンベアの搬送面に接触させ背面を搬送面と同じ向きにすることをいう。
なお、反転コンベア群20が特許請求の範囲に記載の反転コンベアに相当する。
【0014】
袖折機30は袖折コンベア31を備えている。切替コンベア10を袖折機30に接続すると、切替コンベア10の後端と袖折コンベア31の前端(
図1における右端)とが接続する。そうすると、切替コンベア10に載せられた衣類Cは、その正面を表に向けて袖折コンベア31の前端に搬送される。一方、切替コンベア10を反転コンベア群20に接続すると、切替コンベア10の後端と第1反転コンベア21の前端とが接続する。そうすると、切替コンベア10に載せられた衣類Cは、表裏反転されてその背面を表に向けて袖折コンベア31の後端に搬送される。
【0015】
このように、切替コンベア10と反転コンベア群20とが協働して袖折機30に衣類Cを搬送する。この際、衣類Cをその正面を表に向けて袖折コンベア31の前端に搬送する状態と、衣類Cを表裏反転させて背面を表に向けて袖折コンベア31の後端に搬送する状態とで切り替えることができる。
なお、切替コンベア10と反転コンベア群20が、特許請求の範囲に記載の搬送部に相当する。
【0016】
図2に示すように、袖折機30は、袖折コンベア31のほか、一対の折り目ガイド32,32と、一対の折り返しローラ33,33とを備えている。袖折コンベア31は、幅方向中央の中央搬送面31aに比べて両側部の側部搬送面31b,31bが高く構成されており、中央搬送面31aに衣類Cの身頃が載せられ、側部搬送面31b,31bに袖が載せられる。袖折コンベア31は衣類Cを前端から後端へ搬送する正方向の搬送のほかに、後端から前端へ搬送する逆方向の搬送が可能である。
【0017】
図3に示すように、折り目ガイド32は、棒状部材であり、袖折コンベア31の搬送方向と略平行、かつ中央搬送面31aと略平行に配置され、袖折コンベア31に載せられた衣類Cの袖の折り目(袖の付け根)に配置されている。中央搬送面31aと折り目ガイド32との間に衣類Cが挿入されるので、折り目ガイド32で衣類Cの袖の折り目を上方から押さえることができる。
【0018】
折り目ガイド32は、図示しないフレームに対して袖折コンベア31の搬送面と平行な面内で回動可能に支持されている。また、折り目ガイド32の一端にはエアシリンダ34のロッドが接続されており、エアシリンダ34のシリンダケースはフレームに接続されている。そのため、エアシリンダ34を伸縮させることにより、折り目ガイド32を回動させてその角度を切り替えることができる。
なお、エアシリンダ34が、特許請求の範囲に記載の角度切替手段に相当する。
【0019】
エアシリンダ34は、袖折コンベア31が衣類Cを前端(
図3における上端)から後端(
図3における下端)へ搬送する正方向の搬送の場合と、後端から前端へ搬送する逆方向の搬送の場合とで、折り目ガイド32の角度を切り替える。
正方向の搬送の場合には、折り目ガイド32を、袖折コンベア31の後端側(下流側)が幅方向中央に寄り、前端側(上流側)が幅方向側方に寄る角度(
図3における実線)とする。一方、逆方向の搬送の場合には、折り目ガイド32を、袖折コンベア31の前端側(下流側)が幅方向中央に寄り、後端側(上流側)が幅方向側方に寄る角度(
図3における破線)とする。いずれにせよ、折り目ガイド32は、袖折コンベア31の下流側が幅方向中央に寄り、上流側が幅方向側方に寄るように、袖折コンベア31の搬送方向に従ってその角度が切り替えられる。
【0020】
これを一対の折り目ガイド32,32で見れば、正方向の搬送の場合には袖折コンベア31の後端側(下流側)に窄まる逆ハの字の状態(
図3における実線)とされ、逆方向の搬送の場合には袖折コンベア31の前端側(下流側)に窄まるハの字の状態(
図3における破線)とされる。
【0021】
折り返しローラ33は、長尺のローラであり、袖折コンベア31の搬送方向と略平行、かつ中央搬送面31aと略平行に配置されている。また、折り返しローラ33は、高さ方向(袖折コンベア31の搬送面に対して垂直な方向)において、折り目ガイド32と側部搬送面31bとの間に配置されている。
【0022】
折り返しローラ33は支持部材35に回転可能に軸支されており、支持部材35はスライダ36に固定されている。袖折コンベア31の幅方向にはレール37が設けられており、このレール37に沿ってスライダ36がスライド可能となっている。また、スライダ36にはエアシリンダ38のロッドが接続されており、エアシリンダ38のシリンダケースはフレームに接続されている。そのため、エアシリンダ38を伸縮させることにより、折り返しローラ33を袖折コンベア31の幅方向に移動させて、側部搬送面31bの下方から中央搬送面31bの上方に出没させることができる。
なお、折り返しローラ33が、特許請求の範囲に記載の折り返し部材に相当する。
【0023】
前述のごとく、切替コンベア10を袖折機30に接続すると、衣類Cはその正面を表に向けて袖折コンベア31の前端に搬送される。
図4に示すように、衣類Cが袖折コンベア31の前端に搬送された場合、袖折コンベア31は、衣類Cをその正面を表に向けて載せて、前端から後端へ正方向に搬送する。そして、衣類Cが折り目ガイド32,32の下方を通過している間に、一対の折り返しローラ33,33を交互に出没させる(矢印a)。これにより、衣類Cの袖が表に折り返される。衣類Cはその正面が表に向けられているので、衣類Cの袖が正面に畳まれる。
【0024】
一方、切替コンベア10を反転コンベア群20に接続すると、衣類Cはその背面を表に向けて袖折コンベア31の後端に搬送される。
図5に示すように、衣類Cが袖折コンベア31の後端に搬送された場合、袖折コンベア31は、衣類Cをその背面を表に向けて載せて、後端から前端へ逆方向に搬送する。そして、衣類Cが折り目ガイド32,32の下方を通過している間に、一対の折り返しローラ33,33を交互に出没させる(矢印a)。これにより、衣類Cの袖が表に折り返される。衣類Cはその背面が表に向けられているので、衣類Cの袖が背面に畳まれる。
【0025】
このように、袖折機30は、一台で、衣類Cの姿勢により袖を正面または背面に畳むことができる。具体的には、衣類Cが正面を表に向けて袖折コンベア31に載せられると袖折機30は衣類Cの袖を正面に畳み、衣類Cが背面を表に向けて袖折コンベア31に載せられると袖折機30は衣類Cの袖を背面に畳む。
なお、本実施形態においては、衣類Cの正面を表に向けて袖折コンベア31に載せた姿勢が、特許請求の範囲に記載の「袖折機が袖を正面に畳む姿勢」に相当し、衣類Cの背面を表に向けて袖折コンベア31に載せた姿勢が、特許請求の範囲に記載の「袖折機が袖を背面に畳む姿勢」に相当する。
【0026】
衣類Cが袖折コンベア31の前端に搬送される場合も後端に搬送される場合も、袖折機30は衣類Cを正方向または逆方向に搬送しつつ袖を畳む。そのため、折り目ガイド32,32が袖折コンベア31の搬送方向と平行であると、袖折コンベア31の搬送面や折り返しローラ33,33と衣類Cとの摩擦により、袖が搬送方向(襟方向)に飛び出した状態で畳まれてしまう。
この点、本実施形態によれば、袖折コンベア31の搬送方向が正方向、逆方向で切り替わっても、折り目ガイド32,32は、袖折コンベア31の下流側が幅方向中央に寄り、上流側が幅方向側方に寄るように、袖折コンベア31の搬送方向に従ってその角度が切り替えられる(
図4、5における矢印b)。そのため、袖が搬送方向に飛び出ることを抑えることができ、袖を横方向に畳むことができる。
【0027】
図1に示すように、袖折機30の後端は、二つ折コンベア40と接続されている。衣類Cが切替コンベア10から袖折機30に搬送された場合、袖折機30で袖を畳まれた衣類Cは、二つ折コンベア40に向かって搬送され、その半分が二つ折コンベア40に載り、残りの半分が袖折コンベア31に載る状態とされる。そして、二つ折コンベア40を逆転させることにより、衣類Cを横に二つ折りにしつつ袖折コンベア31と二つ折コンベア40との間を通して、三つ折機50に搬送する。
【0028】
一方、衣類Cが反転コンベア群20から袖折機30に搬送された場合、衣類Cの裾側半分は第2反転コンベア22に載り、襟側半分が袖折コンベア31に載る状態とされる。この状態で、袖折機30により衣類Cの袖が畳まれる。そして、袖折コンベア31を逆転させることにより、衣類Cを横に二つ折りにしつつ袖折コンベア31と第2反転コンベア22との間を通して、二つ折コンベア40に搬送する。二つ折コンベア40に衣類Cの全体が載せられた後、二つ折コンベア40が逆転し、衣類Cが三つ折機50に搬送される。すなわち、二つ折コンベア40では衣類Cを二つ折りにしない。
【0029】
三つ折機50は、公知の構成を有しており、搬送された衣類Cを左右から縦に三つ折りにする。
【0030】
三つ折機50の後端は、四つ折コンベア60と接続されている。三つ折機50で三つ折りにされた衣類Cは、四つ折コンベア60に向かって搬送され、その半分が四つ折コンベア40に載り、残りの半分が三つ折機50に載る状態とされる。そして、四つ折コンベア60を逆転させるとともに、折りナイフ61を下降させることにより、衣類Cを横に四つ折りにしつつ三つ折機50と四つ折コンベア60との間を通して、スタッカー70に搬送する。
【0031】
スタッカー70は、公知の構成を有しており、折り畳まれた衣類Cを所定枚数積み重ね、排出コンベア71から排出する。
【0032】
つぎに、衣類折畳装置Aの動作を説明する。
前述のごとく、衣類折畳装置Aは「胸出し畳み」と「背出し畳み」とを選択して行うことができる。どちらの畳み方を行うかは、衣類折畳装置Aに設けられた制御装置(図示せず)を操作することにより選択する。
【0033】
(背出し畳み)
まず、「背出し畳み」を選択した場合について
図6に基づき説明する。
制御装置で「背出し畳み」を選択すると、切替コンベア10が袖折コンベア31に接続した状態に切り替わり、折り目ガイド32,32が逆ハの字の状態(
図3における実線)に切り替わる。
【0034】
(I)衣類Cは、その正面を表に向け、襟を搬送方向に向けて切替コンベア10の投入部11に載せられる。そうすると、切替コンベア10は、衣類Cを表裏反転させずに袖折コンベア31の前端に搬送する。
(II)衣類Cは、その正面を表に向けて袖折コンベア31に載せられる。そして、袖折機30は衣類Cの袖を正面に畳む(
図4参照)。
【0035】
(III)袖折機30で袖を畳まれた衣類Cは、袖折コンベア31と二つ折コンベア40との協働により横に二つ折りにされ、三つ折機50に搬送される。
(IV)つぎに、衣類Cは三つ折機50で左右から縦に三つ折りにされる。
(V)最後に、衣類Cは、三つ折機50と四つ折コンベア60との協働により、横に四つ折りにされ、「背出し畳み」が完成する。
その後、背出し畳みされた衣類Cは、スタッカー70に搬送され、所定枚数積み重ねた後、排出コンベア71から排出される。
【0036】
(胸出し畳み)
つぎに、「胸出し畳み」を選択した場合について
図7に基づき説明する。
制御装置で「胸出し畳み」を選択すると、切替コンベア10が第1反転コンベア21に接続した状態に切り替わり、折り目ガイド32,32がハの字の状態(
図3における破線)に切り替わる。
【0037】
(I−1)衣類Cは、その正面を表に向け、襟を搬送方向に向けて切替コンベア10の投入部11に載せられる。そうすると、切替コンベア10は、衣類Cを第1反転コンベア21に搬送する。
(I−2)反転コンベア群20は、衣類Cを表裏反転させて背面を表に向けて袖折コンベア31の後端に搬送する。
(II)衣類Cは、その背面を表に向けて袖折コンベア31に載せられる。そして、袖折機30は衣類Cの袖を背面に畳む(
図5参照)。この際、衣類Cの裾側半分は第2反転コンベア22に載せられた状態である。
【0038】
(III)袖折機30で袖を畳まれた衣類Cは、袖折コンベア31と第2反転コンベア22との協働により横に二つ折りにされ、二つ折コンベア40に搬送される。二つ折コンベア40に衣類Cの全体が載せられた後、二つ折コンベア40が逆転し、衣類Cが三つ折機50に搬送される。
(IV)つぎに、衣類Cは三つ折機50で左右から縦に三つ折りにされる。
(V)最後に、衣類Cは、三つ折機50と四つ折コンベア60との協働により、横に四つ折りにされ、「胸出し畳み」が完成する。
その後、胸出し畳みされた衣類Cは、スタッカー70に搬送れ、所定枚数積み重ねた後、排出コンベア71から排出される。
【0039】
以上のように、衣類折畳装置Aは、切替コンベア10を切り替えることにより、胸出し畳み時の袖折りと背出し畳み時の袖折りとを一台の袖折機30で行える。そのため、胸出し畳みと背出し畳みとを一台の装置で可能としつつ、装置をコンパクトにでき設置に場所がとられない。また、2つの袖折機30を備える必要がないため、その分部品点数が少なくなり装置が安価となる。
また、切替コンベア10を切り替えるだけで、胸出し畳みと背出し畳とを切り替えることができ、制御が容易である。
【0040】
なお、衣類Cを、その背面を表に向け、襟を搬送方向に向けて切替コンベア10の投入部11に載せると、前述の背出し畳みの動作で胸出し畳みが行われ、前述の胸出し畳みの動作で背出し畳みが行われる。正面と背面のどちらを表に向けて切替コンベア10に載せてもよいが、衣類Cを手作業で整える作業が容易となることから、正面を表に向けて切替コンベア10に載せる方が一般的である。
【0041】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、切替コンベア10と反転コンベア群20とで衣類Cの姿勢を変えることにより、一台の袖折機30で胸出し畳み時の袖折りと背出し畳み時の袖折りとを行うように構成したが、これ以外の構成を有する搬送部により衣類Cの姿勢を変えるように構成してもよい。また、袖折機は、上記実施形態に係る構成に限られず、搬送された衣類Cの姿勢によって、その袖を正面または背面に畳むことができれば、どのような構成でもよい。
すなわち、袖折機が、搬送される衣類の姿勢として、袖を正面に畳む姿勢と、袖を背面に畳む姿勢とを許容し、搬送部が、衣類を、袖を正面に畳む姿勢にして袖折機に搬送する状態と、袖を背面に畳む姿勢にして袖折機に搬送する状態とで切り替え可能となっていれば、どのような構成の搬送部および袖折機を採用してもよい。
このように構成すれば、一台の袖折機30で胸出し畳み時の袖折りと背出し畳み時の袖折りとを行うことができ、装置をコンパクトにでき、設置に場所がとられない。