(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881544
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】固定構造
(51)【国際特許分類】
F16B 9/02 20060101AFI20160225BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20160225BHJP
F16B 1/02 20060101ALI20160225BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
F16B9/02 Z
F16B5/10 H
F16B1/02 F
F16B1/02 L
F16B1/02 S
H05K5/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-146694(P2012-146694)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-9750(P2014-9750A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100088708
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】本間 佳嗣
【審査官】
鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4010496(JP,B2)
【文献】
米国特許第6299120(US,B1)
【文献】
特開2003−185884(JP,A)
【文献】
国際公開第1999/010860(WO,A1)
【文献】
実開平07−041015(JP,U)
【文献】
実開平04−117907(JP,U)
【文献】
実開昭60−067224(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0289462(US,A1)
【文献】
特許第4722235(JP,B2)
【文献】
特開2001−137028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 9/00− 9/02
F16B 1/00− 1/04
F16B 5/00− 5/12
F16B 21/04−21/06
H05K 5/00− 5/06
H05K 7/12
F16M 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品等の物品をパネル等の保持体に対し固定具を介して固定支持するための固定構造において、
前記物品は取付面側に設けられた門形又はコ形の固定片を有していると共に、前記固定具は前記固定片の門形又はコ形内側の開口部に一方から他方に向け挿入される基台、及び前記基台に回動可能に軸支された回動部材を有しており、
前記固定具が前記回動部材及び前記基台を前記固定片の門形又はコ形内側の開口部に挿通した後、前記回動部材を回動して前記基台の前記開口部から突出した部分に係合することにより、前記固定片に対し左右及び前後並びに引き抜き方向へ移動不能に固定されることを特徴とする固定構造。
【請求項2】
前記物品は、前記固定片を上下に間隔を保って2以上有し、そのうち、固定具用の固定片を除いた残りの固定片が前記保持体に設けられた対応する支持片部に対してその支持片部を前記固定片の門形又はコ形内側の開口部に挿入した状態で連結され、その状態から、前記固定具用の固定片が前記保持体に設けられた対応する支持片部に対して前記固定具を介し連結されることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
【請求項3】
前記基台が前記回動部材を回動したときに対向する側に設けられた受入穴を有していると共に、前記回動部材が前記固定片に対する挿入方向と直交する方向に突設されて前記受入穴に係合される突起を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定構造。
【請求項4】
前記突起は、凸部を有し、前記受入穴に係合した状態で前記凸部が前記受入穴の内面に圧接されることを特徴とする請求項3に記載の固定構造。
【請求項5】
前記回動部材及び前記基台は一方に軸部を有し、他方に前記軸部を嵌入する軸孔を有していると共に、前記軸部と前記軸孔との隙間寸法は前記受入穴と前記突起との隙間寸法より大きくなっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の固定構造。
【請求項6】
前記基台及び前記回動部材は、樹脂成形品であり、前記軸部と前記軸孔とを嵌合した状態で一体成形されていることを特徴とする請求項5に記載の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等の物品をパネル等の保持体に固定具を介して確実に固定支持する場合に好適な固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、特許文献1に開示された従来例で、電子部品等の物品Cをパネル等の保持体(シャーシ)2に対し固定具1を介して支持する固定構造を示している。この固定構造は、特開平9−119416号公報に記載のものに比べ固定具を保持体に固定する際の移動量を抑えることにより保持体に対する固定具の実装密度を高めるようにしたものである。すなわち、保持体2には、互いに対向する部分を切り起こして表面と平行に曲げ加工された門形の対の固定片31,33が設けられる。固定具1には、保持体表面に沿って固定片31同士の間に対向方向と直交する方向から挿入されて両固定片の間に配置される基台22と、基台22の両側にそれぞれ延長され、基台22が両固定片31の間に配置されたとき各固定片31の反対側の縁部にそれぞれ係合する対の係合片23とを備え、両固定片31に対して基台22を保持体2上に沿って移動し、各係合片23の自由端に設けられたフック24が各固定片31の反対側の縁部に弾性的に係合することにより前後及び左右並びに引き抜き方向、つまりXとYとZの3方向に固定支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4010496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の固定構造は、固定具が保持体側の門形の固定片に対し基台の両側の係合片が各固定片の反対側の縁部に樹脂の弾性を利用して解体可能に係合される。しかし、この固定構造では、固定具の引き抜き方向の係止力ないしは固定力が係合片の弾性度合いに比例し、係合片の弾性を抑えるほど強固になるが、係合する際の挿入力が大きくなるため操作性が悪くなる。また、係合片の弾性を抑えたとしても、挿入ないしは引き抜き方向に過大な荷重が加わると、係合片に負荷がかかり、係合片の変形及び破損により基台が固定片より外れてしまう。
【0005】
本発明の目的は、パネル等の保持体に対する固定具の固定状態において、大きな荷重が前後及び左右並びに引き抜き方向つまりXとYとZのどの方向から加わっても、固定片から外れずに強固に固定支持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、電子部品等の物品をパネル等の保持体に対し固定具を介して固定支持するための固定構造おいて、前記物品は取付面側に設けられた門形又はコ形の固定片を有していると共に、前記固定具は前記固定片の門形又コ形内側の開口部に一方から他方に向け挿入される基台、及び前記基台に回動可能に軸支された回動部材を有しており、前記固定具が前記回動部材及び前記基台を前記固定片の門形又
はコ形内側の開口部に挿通した後、前記回動部材を回動して前記基台の前記開口部から突出した部分に係合することにより、前記固定片に対し左右及び前後並びに引き抜き方向へ移動不能に固定されることを特徴としている。
【0007】
以上の本発明は、請求項2から6の様に具体化されることがより好ましい。すなわち、
(イ)前記物品は、前記固定片を上下に間隔を保って2以上有し、そのうち、固定具用の固定片を除いた残りの固定片が前記保持体に設けられた対応する支持片部に対してその支持片部を前記固定片の門形又
はコ形内側の開口部に挿入した状態で連結され、その状態から、前記固定具用の固定片が前記保持体に設けられた対応する支持片部に対して前記固定具を介し連結される構成である(請求項2)。
(ロ)前記基台が前記回動部材を回動したときに対向する側に設けられた受入穴を有していると共に、前記回動部材が前記固定片に対する挿入方向と直交する方向に突設されて前記受入穴に係合される突起を有している構成である(請求項3)。
(ハ)前記突起は、凸部を有し、前記受入穴に係合した状態で前記凸部が前記受入穴の内面に圧接される構成である(請求項4)。
【0008】
(ニ)前記回動部材及び前記基台は一方に軸部を有し、他方に前記軸部を嵌入する軸孔を有していると共に、前記軸部と前記軸孔との隙間寸法は前記受入穴と前記突起との隙間寸法より大きくなっている構成である(請求項5)。
(ホ)前記基台及び前記回動部材は、樹脂成形品であり、前記軸部と前記軸孔とを嵌合した状態で一体成形されていること構成である(請求項6)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、例えば、
図2(a)に示されるごとく固定具が回動部材及び基台を固定片の門形又
はコ形内側の開口部に挿通し、その後、同(b)のごとく回動部材を基台側に回動して基台に係合すると、基台上に一体化された回動部材のストッパー作用により固定片の内側開口部からの抜けが阻止されて、左右及び前後並びに引き抜き方向へ移動不能に固定される。この固定構造にあっては、物品を保持体に対し固定具を介して固定支持する固定構造として、固定具の基台側が特許文献1のごとく固定片の内側開口部に挿入されるとき弾性変位を伴って挿入されたり係合される構成に比べ、回動部材の厚さ設定だけで引き抜き強度を任意の大きさに増大できる。
【0010】
請求項2の発明では、
図2(b)に示されるごとく物品が固定具用の固定片(以下、上下の一方側の固定片と言う)及びそれ以外の固定片(以下、上下の他方側の固定片と言う)を有していると共に、保持体が固定具用の固定片に挿入される支持片部及び固定具に連結される支持片部を有している。そして、この固定構造では、一方側の固定片に保持体の対応する支持片部を挿入した後、他方側の固定片に固定された固定具に保持体の対応する支持片部を連結されるため、物品が複数箇所の固定片により保持体に対してより安定かつ強固に締結される。
【0011】
請求項3の発明では、物品に対する固定具の固定状態において、固定具に引き抜き方向の荷重が加わると、その荷重は固定片の対応部に当接している回動部材で受けるが、回動部材への負荷は突起が係合している基台側受入穴で受けるため、基台と回動部材との枢軸部などに負荷が加わり難くなり、その結果、固定状態をより確実に維持できる。この場合、請求項4の発明では、前記突起が受入穴に係合した状態で、突起側凸部が受入穴内面に圧接されるため過大な衝撃によっても係合解除の虞をなくすことができる。
【0012】
請求項5の発明では、
図2(b)の固定状態において、例えば固定具に引き抜き方向の荷重が加わったとき、その荷重が受入穴及び突起の係合部で受け止められて軸部に加わり難くなり、それによって軸部の破損の虞をなくしたり信頼性を向上できる。これに対し、請求項6の発明では、基台及び回動部材がワンショットにより成形されるため、組立操作を省略してコスト低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】形態の固定構造として物品、固定具、保持体の関係を示す分解斜視図である。
【
図2】(a)は上記物品の固定片の内側開口部に固定具を挿入した状態を示す斜視図、(b)は物品を保持体に固定具を介して固定した状態を示す斜視図である。
【
図3】上記固定具を基台に回動部材を係合した状態で示す斜視図である。
【
図4】(a)は
図2(b)のA−A線断面図、(b)は
図2(b)のB−B線断面図である。
【
図5】上記固定具を基台に回動部材を係合しない成形直前の状態で示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【
図6】上記固定具を基台に回動部材を係合した状態で示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【
図7】(a)は
図5(a)のC−C線拡大断面図、(b)は
図6(a)のC1−C1線拡大断面図、(c)は
図6(a)のD−D線拡大断面図である。
【
図8】(a)と(b)は特許文献1に開示の固定構造を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の最適な形態を図面を参照しながら説明する。以下の説明では、固定構造の全体構成、固定具、作動の順に詳述する。
【0015】
(全体構成)
図1及び
図2において、この固定構造は、物品であるボックス5を車体の室内を区画しているパネルに装着された保持体4に対し固定具1を介して固定支持する。ここで、まず、ボックス5は、例えば、電子部品等を密閉状態に内蔵している矩形容器である。ボックス5の取付面6には、固定片7が上下所定間隔を保って、上側に並設された2つ、及び下側に並設された2つ、合計4つ設けられている。各固定片7は、コ形からなり、内側に取付面6との間に上下貫通した開口部8を区画形成している。以上の各固定片7は、コ形に代えて、
図8の固定片と同様な門形に形成してもよい。また、この例では、上側の各固定片7が保持体4側に共に連結される。下側の各固定片7がその左右の一方だけが固定具2を介して保持体4側に連結される。
【0016】
保持体4は、例えば、自動車のインストルメントパネル又はインストルメントパネル付近のパネル部に装着されたブラケットを想定している。この保持体4は、上側に二股状に設けられてそれぞれ斜め上向きに延びている左右の支持片部41,41及び下側に設けられて斜め下向きに延びている単一の支持片部42を一体に有している。各支持片部41は、両側が折り曲げられて、横断面が略コ形状となっており、前記上側の各固定片7の内側開口部8に下から上向きに挿入可能となっている。また、挿入状態では、各支持片部41が開口部8にがたつきなく嵌合される。これに対し、支持片部42は、舌状の平坦な板であり、下側に貫通形成された楕円形の取付穴44と、取付穴44の上側に貫通形成された回り止め用の矩形の角穴43とを有している。
【0017】
以上のボックス5は、保持体4を構成している上側の各支持片部41に対し、上側の各支持片部41が対応する固定片7の内側の開口部8に一方から他方つまり下から上向きに挿入した状態で連結され、その状態から、保持体4を構成している下側の支持片部42に対し、下側の一方の固定片7に固定された後述する固定具1の対応部に連結されることで確実強固に装着される。細部は以下の通りである。
【0018】
(固定具)固定具1は、概略矩形板状の基台10、及び基台10の下側にあって軸孔12aと軸部22との嵌合により回動可能に軸支された回動部材2を有している。基台10及び回動部材2は、樹脂成形品であり、軸部22と軸孔12aとを嵌合した状態でワンショットで一体に射出成形されている。これは、組立作業をなくしたり製造費を抑えるためである。
【0019】
基台10は、
図5〜
図7に示されるごとく上記固定片7の内側開口部8にがたつきなく挿入される略矩形板状をなし、一端側(上端側)に一体に突設されて斜め上側へ延びている連結部15と、他端側(下端側)の両側に一体に設された突片12とを有している。基台10には、略矩形の受入穴11が略中央部に貫通形成されている。受入穴11は略矩形の穴であり、両内面に設けられた段差状の係止部11aを有している。受入穴11を挟んだ前後板部には、欠肉用の凹部14a及び凹部14cが上下面に形成されている。各突片12には、軸孔12aが同軸線上に貫通形成されている。
【0020】
そして、回動部材2は、基台両側の軸孔12aに対し板部20の両側に突設された軸部22を嵌合することにより基台10に対し回動可能に軸支される。板部20は、突片12同士の間に配置される板幅からなり、上面ないしは内面に突設されて上記受入穴11に係合する突起23と、突起23の両側に設けられて上記段差状の係止部11aに係合する凸部24とを有している。
【0021】
連結部15には、略中央にあって背面側に突出した筒部16と、端部17の上面に突出された係止軸18と、筒部16の中心を通るよう貫通された挿通孔19とが設けられている。筒部16は、挿通孔19より一回り大きな穴を形成していると共に、周囲に円弧状の係止溝16aを形成している。端部17には、欠肉用の凹部17aが下面に形成されている。係止軸18は上記支持片部42の角穴43に係合される。挿通孔19は上記支持片部42の取付穴44と同様な楕円形の孔である。
【0022】
以上の連結部15は、
図2及び
図4に示されるごとく保持体側の支持片部42に対し筒部16及び挿通孔19に挿入されるファスナー3により装着される。このファスナー3は、
図1のごとく固定用の頭部30と、挿通孔19に通される軸部31と、軸部31の先端の膨出部32とからなり、頭部30から膨出部32まで中心孔3aで貫通されている。
【0023】
そして、頭部30は、周囲に設けられた対の係止爪33及び係止リブ34を有し、筒部16に嵌合された状態で係止溝16aに対する係止爪33及び係止リブ34の弾性及び係合作用により略90度回転されるごとに所定の規制力で係止される。軸部31は断面円形で、挿通孔19に遊挿される。膨出部32は、挿通孔19から外へ挿通された
図2(a)の状態から、例えばドライバーを、端面に設けられた十形の溝37に係合して回転操作可能となっている。
【0024】
なお、係止爪33は、膨出部周囲に設けられたコ形スリット、及び膨出部端面に設けられた孤形スリットにより弾性変位可能となっている。係止リブ34は、膨出部周囲に設けられた弧形スリット、及び膨出部端面に設けられた弧形スリットにより弾性変位可能となっている。
【0025】
また、以上のファスナー3に代えて、不図示のボルト及びナットにより連結部15を保持体側の支持片部42に装着するようにしてもよい。その場合、例えば、筒部16はナットを廻り止め可能に嵌合する形状とされる。そして、ボルトは、軸部が取付穴44及び挿通孔19から前記ナットに螺合される。
【0026】
(作動)次に以上の固定具1を使用してボックス5を保持体4に固定支持する手順例を説明しながら作動上の利点を明らかにする。
(1)この例では、まず、
図1と
図2(a)に示されるごとくボックス5に設けられた下側の固定片7の一つに固定具1を装着し、その後、ボックス5を保持体4の上側に設けられた2つの支持片部41に対し上側の固定片7を嵌合連結し、かつ、保持体4の下側に設けられた支持片部42に対し固定具
1をファスナー3を介して固定連結することになる。このうち、固定具1は、
図2(a)に示されるごとく回動部材2及び基台10を固定片7の門形又
はコ形内側の開口部8に連結部15に当たって規制されるまで挿通した後、同(b)のごとく回動部材2を軸孔12aに嵌合している軸部22を支点として基台10側に回動操作する。
【0027】
(2)この固定構造において、固定具1は、基台10に重合された回動部材2のストッパー作用により固定片7の内側開口部8からの抜けが阻止され、その結果、固定片7の左右及び前後並びに引き抜き方向へ移動不能に固定される。また、この状態では、固定片7が回動部材2の端面と傾斜した連結部15の表面側との間に挟持される。すなわち、この固定構造では、固定具1の基台10が特許文献1のごとく固定片の内側開口部に挿入されるとき弾性変位を伴って挿入されたり係合される構成に比べ、回動部材2の厚さ設定だけで固定片7に対する引き抜き強度を任意の大きさに増大できる。また、回動部材2は、回動されて基台10の上面に重ねられると、突起23が受入穴11に係合し、かつ、凸部24が段差状の係止部11aに係合することにより基台10に対し確実に重合されるため、大きな衝撃や振動が加わっても係合解除されない。勿論、メンテナンスや解体作業などにおいて、固定具1は、例えば、基台10と板部20との間にドライバーなどを差し込んでこじ開けると上記各係合が解除され、回動部材2を回動して基台10に直線上に配置することで固定片7から引き抜くことも可能となる。
【0028】
(3)ボックス5は、保持体4の上側の2つの支持片部41に対し上側の2つの固定片7が内側の開口部8に支持片部41の先端をそれぞれ挿入ないしは嵌合することで連結された後、保持体側の下側の支持片部42に対し下側の一方の固定片7に固定された固定具1の連結部15がファスナー3を介して連結される。このため、この固定構造では、ボックス5が保持体4に対し上側2箇所、下側1箇所、合計3箇所で安定かつ強固に締結される。また、固定操作は、上側の各固定片7の内側開口部8に対する対応する支持片部41の差込作業、下側の固定片7に固定された固定具1の連結部15に対する対応する支持片部42の位置決め及び上記したファスナー3の回転作業であるため、簡単かつ迅速に行える。すなわち、特に、支持片部42に対しては、下側の固定片7に固定された固定具1の連結部15が係止軸18を角穴43に係合すると、膨出部32が取付穴44から突出される。このため、後は、例えばドライバーを、膨出部32の端面に設けられた十形の溝37に係合し、略90度だけ回転操作する。すると、ファスナー3は、
図2(b)のごとく挿通孔19及び取付穴44に対し位置を変えて抜け止めされる。これにより、固定具1は、支持片部42に対し係止軸18の角穴43への係合廻り止め作用と、膨出部32の取付穴44からの抜け止め係止作用とにより確実に装着される
【0029】
(4)ところで、ボックス5が保持体4に固定された固定状態において、固定具1に引き抜き方向の荷重が加わると、その荷重は固定片7に当接している回動部材2で受けるが、回動部材2への負荷は突起23が係合している基台側受入穴11で受けるため、基台10と回動部材2との軸部22などに負荷が加わり難くなり、その結果、固定状態をより確実に維持できる。また、この固定構造では、突起23が受入穴11に係合した状態で、突起側の各凸部24が受入穴11の対向内面に圧接されるため過大な衝撃によっても係合解除の虞をなくすことができる。しかも、この固定構造では、軸部22と軸孔12aとの隙間寸法は受入穴11と突起23との隙間寸法より大きく形成されている。このため、
図2(b)の固定状態において、例えば固定具1に引き抜き方向の荷重が加わったとき、その荷重が受入穴11及び突起23の係合部で受け止められて軸部23に加わり難くなり、それによって破損の虞をなくしたり信頼性を向上できる。
【0030】
なお、本発明は、上記形態例に制約されるものではなく、請求項で特定される技術要素を備えておればよく、細部については種々変形したり展開可能である。その例として、物品としてはボックスに限られることなく、例えば各種の機器や装置、更には単一の板状の物体などでもよい。また、軸部及び軸孔としては、回動部材側に軸孔を設け、基台側に軸部を設けるようにしてもよい。更に、製造数が少ないケースなどでは、基台及び回動部材を独立して成形した後、軸部及び軸孔を嵌合して組み付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…固定具(15は連結部、16は筒部、18は係止軸、19は挿通孔)
2…回動部材(22は軸部、23は突起、24は凸部)
3…ファスナ(30は頭部、31は軸部、32は膨出部)
4…保持体(41と42は支持片部、43は角穴、44は取付穴)
5…ボックス(物品に相当し、7は固定片、8は開口部)
10…基台(11は受入穴、11aは係止部、12aは軸孔)