(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881572
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】車載充電器、制御システムおよびパイロット信号の電圧取得方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20160225BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L11/18 C
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-209673(P2012-209673)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-64439(P2014-64439A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】高口 良輔
(72)【発明者】
【氏名】水野 冬彦
【審査官】
石川 晃
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−278979(JP,A)
【文献】
特開2001−153897(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/034877(WO,A1)
【文献】
特開2010−213410(JP,A)
【文献】
特開2008−067526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ケーブルから送信されるパルス幅変調信号であるパイロット信号のパルス電圧に基づいて前記充電ケーブルから供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御するマイコンを備えた車載充電器であって、
前記パイロット信号の電圧をピークホールドして前記マイコンに出力すると共に、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除するリフレッシュ動作を行うピークホールド回路を具備し、
前記マイコンは、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときは、マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出して前記パイロット信号のピークホールド状態を解除する、
ことを特徴とする車載充電器。
【請求項2】
前記マイコンは、前記パイロット信号のA/D変換を行う機能を有する請求項1に記載の車載充電器。
【請求項3】
前記パイロット信号をA/D変換するA/D変換回路を有すると共に、前記マイコンは、A/D変換機能を有せず、かつ、前記A/D変換回路により前記A/D変換された前記パイロット信号を入力する請求項1に記載の車載充電器。
【請求項4】
前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が、前記定常範囲内のときにパルス幅一定のパルス信号を生成出力し、前記定常範囲外のときにパルス信号を生成しないパルス発生回路を具備し、前記パルス発生回路は、前記定常範囲内において生成する前記パルス信号により前記リフレッシュ動作を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項5】
前記パルス発生回路が、前記パイロット信号のパルス電圧の周期に同期して前記パルス信号を生成出力する、請求項4に記載の車載充電器。
【請求項6】
前記マイコンは、前記パイロット信号が入力されると共に、入力した前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外であるかを演算し、この演算の結果、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外であると判定したときは、前記パイロット信号のパルス電圧の周期に同期して前記マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出する、請求項1ないし5のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項7】
前記パイロット信号を、前記ピークホールド回路内または外を通る制御線を介して前記マイコンに、直接、入力すると共に、前記マイコンは、前記入力された前記パイロット信号のパルス電圧に基づいて、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比を演算する、請求項1ないし6のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項8】
前記マイコンは、前記ピークホールド回路からのピークホールド出力を前記パイロット信号の電圧として取得する、請求項1ないし7のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項9】
充電ケーブルを介して供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御する車載充電器を具備した制御システムであって、
前記充電ケーブルは、パイロット信号を生成して前記車載充電器側に出力するコントロールパイロット回路を内蔵し、
前記車載充電器は、
前記コントロールパイロット回路から出力されたパイロット信号のパルス電圧をピークホールドして出力すると共に、パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除するリフレッシュ動作を行うピークホールド回路と、
前記ピークホールド回路から出力されるピークホールド出力の電圧を前記パイロット信号の電圧として取得し、この取得したピークホールド出力に基づいて前記車載バッテリの充電を制御するマイコンとを少なくとも備え、
前記マイコンは、入力される前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときに、マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出して前記パイロット信号のピークホールド状態を解除する、
ことを特徴とする制御システム。
【請求項10】
充電ケーブルから送信されるパルス幅変調信号であるパイロット信号のパルス電圧に基づいて前記充電ケーブルから供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御するマイコンを備えた車載充電器におけるパイロット信号の電圧取得方法であって、
前記パイロット信号のパルス電圧をピークホールド回路によりピークホールドして前記マイコンに出力すると共に、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除し、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときは、前記マイコンからマイコン出力信号が当該ピークホールド回路に送出され前記パイロット信号のピークホールド状態を解除し、前記マイコンは、前記ピークホールド回路のピークホールド出力を前記パイロット信号の電圧として取得する、
ことを特徴とするパイロット信号の電圧取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源の電力を、充電ケーブルを介して、車両に搭載される車載バッテリに充電する際に、この車載バッテリにおける充電を制御するマイコン(マイクロコンピュータ)内蔵の車載充電器に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、充電ケーブルに介装された充電制御回路から送信されるパイロット信号に基づいて該車載バッテリへの充電を制御する車載充電器、これを備えた制御システム、およびパイロット信号の電圧取得方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
電気自動車やハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車等には、走行駆動力を発生するモータと、そのモータに供給される電力を蓄える車載バッテリとが搭載されている。
【0004】
このような車両の中には、それに搭載された車載バッテリを、一般家庭の電源から直接充電できるようにした車両も一般に知られている。例えば、家屋に設けられた商用電源のコンセントと車両に設けられた充電口とを充電ケーブルで接続して、一般家庭の電源から車載バッテリへ電力が供給される車両がある。こうした車両は、一般に、プラグイン車両(以下、単に「車両」という)と称される。
【0005】
かかる車両に用いる充電ケーブルには、CCID(Charging Circuit Interrupting Device)と称される充電制御回路が設けられ、この充電制御回路にパイロット信号を生成するコントロールパイロット回路が組み込まれている。
【0006】
そして、車両側においては、車載バッテリの充電を制御する車載充電器と、車載充電器の制御を行う電子制御装置(車両ECU)とを搭載し、車載充電器においては、充電ケーブルの充電制御回路のコントロールパイロット回路から出力されるパイロット信号の信号レベルを制御することにより、充電ケーブルの電流容量を認識し、車載バッテリを所定の充電電流で充電する。
【0007】
プラグイン車両に関する規格は、アメリカ合衆国では「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ」により制定され(非特許文献1)、日本では「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」により制定されている(非特許文献2)。「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ」及び「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」では、規格の一つとして、コントロールパイロットに関する規格が定められている。コントロールパイロットは、構内配線から車両へ電力を供給するEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)の制御回路と車両の接地部とを車両側の制御回路を介して接続する制御線と定義されており、この制御線を介して通信されるパイロット信号に基づいて、充電ケーブルの接続状態や電源から車両への電力供給の可否、EVSEの定格電流などが判断される。
【0008】
そして、車載充電器は、マイコンを内蔵し、そのマイコンにより、パイロット信号をA/D変換することにより、パイロット信号電圧を読み込み、充電ケーブルの電流容量を認識したり、電源から車両への電力供給の可否、EVSEの定格電流などを判断したりする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「エスエーイー エレクトリック ビーヒクル コンダクティブ チャージ カプラ(SAE Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」、(アメリカ合衆国)、エスエーイー規格(SAE Standards)、エスエーイー インターナショナル(SAE International)、2001年11月
【非特許文献2】電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」、日本電動車両協会規格(日本電動車両規格)、2001年3月29日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車載充電器に制御線を介して通信されるパイロット信号は1kHzの周波数でパルス幅変調されたパルス信号である。そのため、車載充電器においては、このパイロット信号をA/D変換し、そのA/D変換したパイロット信号に含まれる情報をマイコンが判断して車載バッテリの充電を制御するには、高速な演算機能と高速なA/D変換機能とを備えた高価なマイコンが必要とされる。そして、このパイロット信号のデューティ比は可変であり、極めて低いデューティ比に可変されて使用される場合がある。
【0011】
しかしながら、車載充電器を低価格で製造するには、それに使用するマイコンも低価格で、低性能なものとならざるを得ず、低性能のマイコンでは、A/D変換速度が遅くなるために、デューティ比が低く可変されたパイロット信号の場合では、その電圧を取得して、車載バッテリの充電を制御することは、非常に困難であった。
【0012】
また、A/D変換機能を内蔵しないマイコンの場合、該マイコンに入力する前にパイロット信号をA/D変換回路によりA/D変換してマイコンに入力するが、その場合でも、低性能のマイコンでは、前記同様、デューティ比の低いパイロット信号の電圧を取得することは、困難であった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、処理速度が低くて低性能なマイコンでも、パイロット信号の電圧を確実に取得できるようにした車載充電器、これを備えた充電制御システムおよび車載充電器におけるパイロット信号の電圧取得方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、充電ケーブルから送信されるパルス幅変調信号であるパイロット信号のパルス電圧に基づいて前記充電ケーブルから供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御するマイコンを備えた車載充電器であって、前記パイロット信号の電圧をピークホールドして前記マイコンに出力すると共に、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除するリフレッシュ動作を行うピークホールド回路を具備し、前記マイコンは、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときは、マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出して前記パイロット信号のピークホールド状態を解除することを特徴とする車載充電器である。
【0015】
好ましくは、前記マイコンは、前記パイロット信号のA/D変換を行う機能を有する。
【0016】
好ましくは、前記パイロット信号をA/D変換するA/D変換回路を有すると共に、前記マイコンは、A/D変換機能を有せず、かつ、前記A/D変換回路により前記A/D変換された前記パイロット信号を入力する。
【0017】
好ましくは、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が、前記定常範囲内のときにパルス幅一定のパルス信号を生成出力し、前記定常範囲外のときにパルス信号を生成しないパルス発生回路を具備し、前記パルス発生回路は、前記定常範囲内において生成する前記パルス信号により前記リフレッシュ動作を行う。
【0018】
好ましくは、前記パルス発生回路が、前記パイロット信号のパルス電圧の周期に同期して前記パルス信号を生成出力する。
【0019】
好ましくは、前記マイコンは、前記パイロット信号が入力されると共に、入力した前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外であるかを演算し、この演算の結果、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外であると判定したときは、前記パイロット信号のパルス電圧の周期に同期して前記マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出する。
【0020】
好ましくは、前記パイロット信号を、前記ピークホールド回路内または外を通る制御線を介して前記マイコンに、直接、入力すると共に、前記マイコンは、前記入力された前記パイロット信号のパルス電圧に基づいて、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比を演算する。
【0021】
好ましくは、前記マイコンは、前記ピークホールド回路からのピークホールド出力を前記パイロット信号の電圧として取得する。
【0022】
(2)本発明は、充電ケーブルを介して供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御する車載充電器を具備した制御システムであって、前記充電ケーブルは、パイロット信号を生成して前記車載充電器側に出力するコントロールパイロット回路を内蔵し、前記車載充電器は、前記コントロールパイロット回路から出力されたパイロット信号のパルス電圧をピークホールドして出力すると共に、パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除するリフレッシュ動作を行うピークホールド回路と、前記ピークホールド回路から出力されるピークホールド出力の電圧を前記パイロット信号の電圧として取得し、この取得したピークホールド出力に基づいて前記車載バッテリの充電を制御するマイコンとを少なくとも備え、前記マイコンは、入力される前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときに、マイコン出力信号を前記ピークホールド回路に送出して前記パイロット信号のピークホールド状態を解除する、ことを特徴とする制御システムである。
【0023】
好ましくは、前記マイコンは、前記パイロット信号をA/D変換する機能を有する。
【0024】
好ましくは、前記パイロット信号をA/D変換するA/D変換回路を備えると共に、前記マイコンはA/D変換機能を有せず、かつ、前記A/D変換された前記パイロット信号を入力する。
【0025】
(3)本発明は、充電ケーブルから送信されるパルス幅変調信号であるパイロット信号のパルス電圧に基づいて前記充電ケーブルから供給される外部電源の電力を車載バッテリに充電制御するマイコンを備えた車載充電器おけるパイロット信号の電圧取得方法であって、前記パイロット信号のパルス電圧をピークホールド回路によりピークホールドして前記マイコンに出力すると共に、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときは前記パイロット信号をトリガとして当該パイロット信号のピークホールド状態を解除し、前記パイロット信号のパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときは、前記マイコンからマイコン出力信号が当該ピークホールド回路に送出され前記パイロット信号のピークホールド状態を解除し、前記マイコンは、前記ピークホールド回路のピークホールド出力を前記パイロット信号の電圧として取得する、ことを特徴とするパイロット信号の電圧取得方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、低価格、低性能なマイコンでも、パイロット信号の電圧を確実に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車載充電器を備えた制御システムの全体のブロック図である。
【
図2】
図2は、充電ケーブル側と、車両内充電制御システムとのブロック構成図である。
【
図3】
図3は、
図2の車載充電器が備えるピークホールド回路の詳細回路図である。
【
図4】
図4は、
図3の回路の各部における信号のタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、マイコンの動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る車載充電器、制御システムおよびパイロット信号の電圧取得方法を説明する。
【0029】
図1を参照して、前記制御システムの全体を概略説明すると、この制御システムは、家屋に設けられた商用電源等の外部電源1と、充電ケーブル2と、車両側充電システム3と、を備える。
【0030】
充電ケーブル2は、外部電源1の図示略のコンセントに接続されるプラグ4と、CCIDと称される充電制御回路5と、車両6の充電コネクタ(「車両側コネクタ」)7に接続される充電ケーブル2の充電コネクタ8(「ケーブル側コネクタ」)とを備える。
【0031】
充電ケーブル2において、前記充電制御回路5の内部には、後述するように、パイロット信号を生成するコントロールパイロット回路が組み込まれている。
【0032】
車両6内の充電システム3は、
図1ではそれらの結線関係の図示を略するが、主に、車載バッテリ9と、この車載バッテリ9の充電を制御する車載充電器10と、この車載充電器10を制御する車両ECU11とを備える。
【0033】
車両ECU(電子制御装置)11は、車載充電器10の制御用であるが、これに限定されず、車両6には、複数の車両ECUが搭載されており、それらの制御対象には、各種圧力、例えば、ステアリングやサスペンションなどの走行制御,パワーウィンドウなどの車体制御,エアバッグなどの安全系制御,さらにカーナビやオーディオなどのマルチメディア制御などがある。車両ECU11は、そうした車内の各種制御を行うことができる車両ECUを兼ねるものであってもよいし、使用形態には限定されない。
【0034】
図2を参照して、充電ケーブル2の充電制御回路5は、電力線対12に介装されたリレー5aと、パイロット信号Aを生成すると共に前記リレー5aのON/OFFを制御するコントロールパイロット回路5bと、電力線対12上の外部電源1の電力を変換してコントロールパイロット回路5bにその動作電源を供給する電源回路5cとを具備する。外部電源7は、リレー5aを介してケーブル側の電力線対12、ケーブル側および車両側の両コネクタ7,8および車両側電力線対12aを介して車両側充電システム3に印加される。
【0035】
コントロールパイロット回路5bは、後述するパイロット信号Aを生成すると共に、生成したパイロット信号Aを制御線13に出力する。制御線13からのパイロット信号Aは、車両側とケーブル側の両コネクタ7,8を介して、車載充電器10に入力される。なお、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比は、可変であり、例えばデューティ比が3%といったデューティ比も読み取る必要がある。
【0036】
ケーブル側コネクタ8には、車両側コネクタ7と接続されると、ONする接点8aが内蔵されており、車両側とケーブル側の両コネクタ7,8が嵌合接続されると、この接点8aが閉じ、これにより、車両側充電システム3内の車両ECU11は、両コネクタ7,8が接続されたと判定する。なお、14,14aはグランド線である。
【0037】
車載充電器10は、ピークホールド回路15と、マイコン16とを備えると共に、さらに電圧センサ18と、電流センサ19と、AC/DCコンバータ20とを備える。充電ケーブル2における充電制御回路5内のコントロールパイロット回路5bから出力されたパイロット信号Aは、ケーブル側の信号線13、両コネクタ7,8および車両側の信号線13aを介して、車載充電器10のピークホールド回路15および該ピークホールド回路15を介してマイコン16に入力される。
【0038】
ピークホールド回路15は、パイロット信号Aのパルス電圧をピークホールドして出力する一方、マイコン16は、ピークホールド回路15から出力されるピークホールド出力Eに基づいて、車載バッテリ9の充電を制御する。
【0039】
車両側の電力線対12aには車載充電器10内の電圧センサ18と、電流センサ19と、AC/DCコンバータ20とが設けられる。リレー17は、車載充電器10と車載バッテリ9との間に設けられる。
【0040】
車両ECU11は、車両側充電システム3側のコネクタ7と充電ケーブル2側のコネクタ8とが接続されると、コントロールパイロット回路5bに接続される。
【0041】
車載充電器10のマイコン16は、ピークホールド回路15から出力されるピークホールド出力Eおよびパイロット信号Aのデューティ比に基づいて、車載バッテリ9の充電を制御するため、電圧センサ18および電流センサ19からセンサ出力を入力し、このセンサ出力の入力に応答してAC/DCコンバータ20の出力を制御する。
【0042】
外部電源1の交流電力はAC/DCコンバータ20により直流電力に変換されて、車載バッテリ9に充電される。なお、外部電源1が太陽電池等の直流電力である場合は、AC/DCコンバータ20に代えて、DC/DCコンバータを設け、太陽電池等の直流電力を適宜に変換できるようにしてもよい。
【0043】
マイコン16は、ピークホールド回路15に後述するようにマイコン出力信号Cを出力する。マイコン16からのマイコン出力信号Cの出力タイミングに関しては、後述する。
【0044】
以上の構成において、
図3を参照して、車載充電器10におけるピークホールド回路15を詳細に説明する。制御線13aは、コネクタ7,8を介して制御線13に接続されている。制御線13aは、ピークホールド回路15を介してマイコン16の入力ポートIN1に接続されている。
【0045】
ピークホールド回路15は、制御線13aに一方の入力部が接続された2電源タイプのバッファ15aと、バッファ15aの出力部にアノードが接続され、カソードがバッファ15aの他方の入力部に接続されたダイオード15bと、を備える。
【0046】
ピークホールド回路15はさらに、ダイオード15bのカソードと接地部との間に接続されて該ダイオード15bの出力を充電するコンデンサ15cと、このコンデンサ15cの両端にコレクタ−エミッタが接続されたバイポーラ型のトランジスタ15dと、ダイオード15bのカソードとマイコン15の入力ポートIN2との間に接続されたバッファ15eと、トランジスタ15dのベースに出力部が接続された2入力タイプのオアゲート15fと、パイロット信号Aの制御線13aとオアゲート15fの一方の入力部との間に接続されたパルス発生回路15gと、を備える。
【0047】
パルス発生回路15gは、例えば、マルチバイブレータIC回路等で構成することができる。オアゲート15fの他方の入力部は、マイコン16の出力ポートOUT1に接続される。
【0048】
図4のタイミングチャートを参照して、ピークホールド回路15の動作を説明する。
【0049】
パイロット信号Aは、
図4(A)に示される電圧波形を有する。このパイロット信号Aは、制御線13aを介して、マイコン16の入力ポートIN1に入力されると共に、パルス発生回路15gと、バッファ15aの一方の入力部とに入力される。
【0050】
パイロット信号Aを説明すると、期間T1は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が100%(定常範囲外)の期間であり、期間T2は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が0%超、100%未満(定常範囲内)の期間であり、期間T3は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が、100%(定常範囲外)の期間であり、期間T4は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が100%未満(定常範囲内)の期間であり、期間T5は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が0%(定常範囲外)の期間である。
【0051】
パルス発生回路15gは、入力されたパイロット信号Aのパルス電圧の立上がりに同期して、
図4(B)に示すパルス信号Bを発生出力すると共に、このパルス信号Bをオアゲート15fの一方の入力部に入力する。この場合、パルス発生回路15gは、パイロット信号Aのパルス電圧の立下りに同期してパルス信号Bを発生出力させてもよい。すなわち、パルス発生回路15gは、パイロット信号Aのパルス電圧の発生周期に同期してパルス信号Bを発生出力する。
【0052】
期間T1において、パイロット信号Aは、そのパルス電圧のデューティ比が100%で定常範囲外の信号であり、パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりがないために、パルス発生回路15gは、パルス信号Bを発生しない。
【0053】
期間T2において、パイロット信号Aは、そのパルス電圧のデューティ比が0%超、100%未満で定常範囲内の信号であり、各パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりごとに、パルス発生回路15gは、パルス信号Bを発生する。この場合、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比は、可変であり、前記定常範囲内の中の任意の値でよく、特に限定されない。
【0054】
期間T3において、パイロット信号Aは、そのパルス電圧のデューティ比が100%の定常範囲外の信号であり、パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりがないために、パルス発生回路15gは、パルス信号Bを発生しない。
【0055】
期間T4において、パイロット信号Aは、そのパルス電圧のデューティ比が0%超、100%未満で定常範囲内の信号であり、各パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりごとに、パルス発生回路15gは、パルス信号Bを発生する。
【0056】
そして、期間T5において、パイロット信号Aは、そのパルス電圧のデューティ比が0%で定常範囲外の信号であり、パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりがないために、パルス発生回路15gは、パルス信号Bを発生しない。
【0057】
マイコン16は、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外であるか否かを入力ポートIN1に入力されるパイロット信号Aのパルス電圧に基づいて検出および演算を行い、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外の期間T1,T3、および期間T5であると判定すると、
図4(C)で示すマイコン出力信号Cをオアゲート15fに入力する。
【0058】
このマイコン出力信号Cの周期は、ピークホールド回路15から出力するパルス信号Bの周期と対応して同一であることが好ましい。
【0059】
また、パルス信号Bおよびマイコン出力信号Cのパルス電圧の幅は、それぞれ同一幅でかつ一定幅であることが、ピークホールド回路15のコンデンサ15cの放電時間が一定化し、ピークホールド回路15からのピークホールド出力Eが安定化して好ましい。
【0060】
こうして、オアゲート15fには、パルス発生回路15gからはパルス信号Bが、また、マイコン16からはマイコン出力信号Cがそれぞれ入力されるので、オアゲート15fの出力部からは、これらパルス信号Bとマイコン出力信号Cとが
図4(D)で示すように、リフレッシュ信号Dとしてトランジスタ15dのベースに定期的に入力される。トランジスタ15dは、このリフレッシュ信号DによりON/OFFしてコンデンサ15cに充電された電荷を放電させ、これによりピークホールド回路15は、定期的にリフレッシュ(パイロット信号のピークホールド状態が解除)される。
【0061】
こうしてバッファ15aに入力されたパイロット信号Aは、ダイオード15bを介して、コンデンサ15cに充電されると共に、バッファ15eを介して、
図4(E)に示すピークホールド出力Eとして、マイコン16の入力ポートIN2に入力される。
【0062】
マイコン16は、このピークホールド出力Eをパイロット信号Aの電圧として取得し、車載バッテリ9の充電を制御する。
【0063】
そして、このピークホールド出力Eは、常に、リフレッシュ信号Dにより定期的にリフレッシュされるので、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比の如何にかかわらず、コンデンサ15cの充電電圧によりピークホールドされるとともに、ピークホールド状態が解除される。
【0064】
なお、マイコン16は、
図5のフローチャートに示すように、その入力ポートIN1に入力される
図4(A)に示すパイロット信号Aにより、ステップn1では、そのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外の0%であるか否かを判定し、パルス電圧のデューティ比が定常範囲外の0%であれば、ステップn3によりピークホールド回路15をリフレッシュするためのマイコン出力信号Cをオアゲート15fを介してリフレッシュ信号Dとして出力してリフレッシュして、ステップn4に移行する。
【0065】
ステップn1で、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外の0%でないと判定すれば、ステップn2により、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外の100%であるか否かを判定し、ステップn2でパイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外の100%であると判定すれば、ステップn3によりピークホールド回路15をリフレッシュするためのマイコン出力信号Cをオアゲート15fを介してリフレッシュ信号Dとして出力し、ピークホールド回路15をリフレッシュして、ステップn4に移行する。
【0066】
パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が0%でも100%のいずれの定常範囲外でもない、すなわち、定常範囲内の0%超、100%未満の定常範囲内と判定すれば、マイコン出力信号Cを出力することなく、パルス発生回路15gのパルス信号Bをオアゲート15fを介してリフレッシュ信号Dとして出力し、これによりピークホールド回路15をリフレッシュして、ステップn4に移行する。ステップn4で、マイコン16は、ピークホールド回路15からピークホールドされた出力Eをパイロット信号Aの電圧として取得する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態では、パイロット信号Aの電圧をピークホールド回路15によりピークホールドして車載充電器10のマイコン16に出力すると共に、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲内のときはピークホールド回路15自身によりリフレッシュ動作(パイロット信号Aをトリガとしてパルス信号Bを発生させて当該パルス信号Bをリフレッシュ信号としてパイロット信号Aのピークホールド状態を解除)する一方、パイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときは、マイコン16からのマイコン出力信号Cによりピークホールド回路15をリフレッシュ(マイコン16からマイコン出力信号Cをピークホールド回路15に送出してマイコン出力信号Cをリフレッシュ信号としてパイロット信号Aのピークホールド状態を解除)するので、ピークホールド回路15のピークホールド出力Eをパイロット信号Aの電圧として任意のタイミングで取得することができる。このため、特に低いデューティ比のパイロット信号でもその電圧を確実に取得することが可能となる。
【0068】
また、パイロット信号Aの電圧は、変化することがあるため、ピークホールド回路15では、定期的にリフレッシュする必要があるが、パイロット信号Aのパルス電圧の立ち上がりでリフレッシュするので、マイコン16の負荷を軽減することができる。
【0069】
また、本実施形態では、マイコン16からパイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときにおいて、パイロット信号Aの立ち上がりに関係なく、定期的に、パイロット信号Aのパルス電圧を取得している。
【0070】
そして、マイコン16からパイロット信号Aのパルス電圧のデューティ比が定常範囲外のときに、マイコン出力信号Cをリフレッシュ信号Dとして出力させる必要があり、これによりマイコン16に若干の負荷がかかるものの、定常範囲外のときは、当該マイコン16によるデューティ比算出や、それに伴う充電電流の演算、診断等の負荷が軽減され、総合的には、低価格、低性能なマイコンでも、かかる負荷が許容できる範囲で、パイロット信号Aの電圧を確実に取得することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、ピークホールド回路15は、
図3に示す回路構成であったが、本発明は、ピークホールド機能と、リフレッシュ機能を有する回路であればよく、実施形態のピークホールド回路に限定されるものではない。
【0072】
なお、本実施形態では、車載充電器10のピークホールド回路15内を通る制御線13aを介してマイコン16の入力ポートIN1にパイロット信号Aを入力しているが、この制御線13aをピークホールド回路15内を通る制御線からピークホールド回路15外に分岐し、この分岐した制御線13aを介してパイロット信号Aをマイコン16の入力ポートIN1に入力してもよい。
【0073】
なお、本発明では、前記定常範囲外とは、デューティ比0%およびデューティ比100%に限定されず、それぞれのデューティ比0%の近傍値、デューティ比100%の近傍値を含む。この場合、前記定常範囲内とは、デューティ比0%超、100%未満の範囲に限定されず、例えば、デューティ比3%から97%までを含む。
【符号の説明】
【0074】
1 外部電源
2 充電ケーブル
3 充電システム
4 プラグ
5 充電制御回路
6 車両
7 充電ケーブル側の充電コネクタ
8 車両側の充電コネクタ
9 車載バッテリ
10 車載充電器
11 車両ECU
12 電力線対
13 制御線
14 ケーブル接続線
15 ピークホールド回路
16 マイコン