【実施例】
【0042】
特に注記のない限り、実施例における、及び本明細書の他の部分における、全ての部、割合、比率などは、重量基準である。以下の実施例では、略称「GC」は、炎イオン化検出器(応答係数に対して補正されていない)を用いるガスクロマトグラフィーを指し;「IR」は、赤外分光法を指し;「GC/MS」は、ガスクロマトグラフィー−質量分析法を指し;「NMR」(例えば、
1H、
19F、
13C)は、核磁気共鳴分光法を指し;「mL」は、ミリリットルを指し、「mol」は、モルを指し;及び「g」は、グラムを指す。
【0043】
Perkin Elmer Pyris 1 DSC(示差走査熱量測定機、DSC)、Analytical Instrument No.294を用いて、比熱容量(Cp)を測定した。Perkin Elmer微量天秤Analytical Instrument No.289を用いて、サンプルを計量した。「三曲線」法を使用したが、そこでは空のDSCパン、サファイア熱容量参照ディスク、及びサンプル材料についてスキャンを行なった。Perkin Elmer熱分析ソフトウェアは、サファイア参照の既知の熱容量に対して較正された熱容量を計算する。熱容量データは、−20℃を起点として20℃ずつ増やして取得し、各20℃加熱範囲の真ん中で1つの熱容量値を測定したが、これは各温度範囲の始まり及び終わりにおける過渡的データを回避するためである。
【0044】
準備的実施例A
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの調製
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタン−1−オール(202g、1.1mol、Sinochem Corp.,Beijing,Chinaから入手)、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフッ化物(332g、1.1mol、Saint Paul,Minnesotaの3M Companyから入手)、及び水(300g)を、3Lの3つ口丸底フラスコ内で組み合わせた。フラスコには電磁スターラー、冷水凝縮器、熱電対及び250mLの添加漏斗が備えられていた。水酸化カリウム水溶液(149.3g、45重量%、1.22当量)を、温度が35℃を超えないような速度で、添加漏斗を介して滴加した。塩基の添加が完了し次第、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、沈殿した塩を混合物から濾過し、下方の液体フルオロケミカル生成物相を上相の水相から分離した。未反応の2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタン−1−オール、及び1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフッ化物を、常圧蒸留で除去した。
【0045】
準備的実施例B
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの調製
2,2,3,3−テトラフルオロプロパン−1−オール(202g、1.52mol、Sinochem Corp.から入手)、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフッ化物(465g、1.52mol、3M Companyから入手)、及び水(500g)を、3Lの三口丸底フラスコ内で組み合わせた。フラスコには電磁スターラー、冷水凝縮器、熱電対及び添加漏斗が備えられていた。水酸化カリウム水溶液(45重量%、211.5g、1.7mol、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wisconsin)から入手)を、温度が35℃を超えないような速度で、添加漏斗を介して滴加した。水酸化カリウムの添加が完了し次第、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、沈殿した塩を混合物から濾過し、下方の液体フルオロケミカル生成物相を上相の水相から分離した。未反応の2,2,3,3−テトラフルオロプロパン−1−オール、及び1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフッ化物を、常圧蒸留により液状フルオロケミカル生成物相から分離した。
【0046】
準備的実施例C
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの調製
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタン−1−オール(200g、1.0mol、3M Companyから入手)、及び1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフッ化物(300g、1.0mol、3M Companyから入手)を、1Lの三口丸底フラスコ内で組み合わせた。フラスコにはオーバーヘッド機械的スターラー、冷水凝縮器、熱電対及び添加漏斗が備えられていた。水酸化カリウム水溶液(水中で45重量%、154g、1.05mol)を、温度が35℃を超えないような速度で、添加漏斗を介して滴加した。水酸化カリウムの添加が完了し次第、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、沈殿した塩を混合物から濾過し、下方の液体フルオロケミカル生成物相を上相の水相から分離し、水で1回洗浄して、350gの粗生成物を得た。生成物を大気圧で蒸留し、140〜150℃から沸騰する留分を更に精製することなく用いた(GCによる純度96.3%)。
【0047】
準備的実施例D
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルトリフルオロメタンスルホネートの調製
2,2,3,3−テトラフルオロプロパン−1−オール(244.3g、1.85mol、Sinochem Corp.から入手)、トリエチルアミン(187.2g、1.85mol、Aldrich Chemical Co.から入手)、及び500mLのクロロホルムを、2LのParr圧力反応器内で組み合わせ、密閉した。反応温度を−10℃に設定した。トリフルオロメタンスルホニルフッ化物(281.33g、1.85mol、3M Companyから入手)を、温度が−5℃を超えないような速度で添加した。添加が完了し次第、混合物を−10℃で45分間保持した。次いで、反応混合物を空にし、500mLの水で2回、250mLの1NのHClで1回洗浄した。反応混合物のGC分析は、97%が生成物に変換されたことを示した。回転蒸発により、クロロホルム溶媒を除去した。生成物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで無水硫酸マグネシウムを生成物から濾過した。
【0048】
準備的実施例1
4−(2’,2’,3’,4’,4’,4’−ヘキサフルオロブトキシ)−1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン、CF
3CFHCF
2CH
2OCH
2CF
2CFHCF
3の調製
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタン−1−オール(61.3g、0.337mol、Sinochem Corp.から入手)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(156.4g、0.337mol)、炭酸カリウム(46.5g、0.337mol)、トリ−n−ブチルアミン(0.75g、0.004mol)、及び150mLのアセトンを、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。18時間激しく撹拌しながら混合物を75℃に加熱した。次いで、混合物を空にし、固体を生成物から濾過した。液体生成物を100mLの水で2回洗浄した。GC分析(応答係数に対して補正されていない)に基づくアルキル化率は、60%であった。透明な相が得られ、次いでそれを同心円管塔を用いて分留し、4−(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ)−1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン(沸点=150℃)が得られた。この蒸留された画分の純度は、GC分析(応答係数に対して補正されていない)に基づいて98%であった。GC/MS分析は、指定の構造と一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0049】
準備的実施例2
5−(2’,2’,3’,4’,4’,4’−ヘキサフルオロブトキシ)−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンタン、H(CF
2CF
2)
2CH
2OCH
2CF
2CFHCF
3の調製
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン−1−オール(78.2g、0.337mol、Sinochem Corp.から入手)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(156.4g、0.337mol)、炭酸カリウム(46.5g、0.337mol)、トリ−n−ブチルアミン(0.75g、0.004mol)、及び150mLのアセトンを、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。18時間撹拌しながら混合物を75℃に加熱した。塩を生成物から濾過した。生成物を100mLの水で2回洗浄して、余分な塩を除去した。得られたフルオロケミカル生成物相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。次いで、同心円管塔を用いて分留することにより、5−(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ)−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンタンを得た。主な画分は、176〜178℃で沸騰し、GC/MS分析は指定の構造と一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0050】
準備的実施例3
5−(2’,2’,3’,3’−テトラフルオロプロポキシ)−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンタン、H(CF
2CF
2)
2CH
2OCH
2CF
2CF
2Hの調製
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン−1−オール(424g、1.83mol、Sinochem Corp.から入手)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(760g、1.83mol)、炭酸カリウム(252g、1.83mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウム臭化物(20g、0.06mol)、及び400gのアセトンを、2LのParr圧力反応器内で組み合わせた。温度を75℃に設定し、混合物を72時間撹拌した。次いで、混合物を空にし、塩を生成物溶液から濾過した。生成物溶液を200mLの水で2回洗浄して、更に塩を除去した。次いで、下方のフルオロケミカル相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、次いで20プレートOldershaw蒸留塔を用いて分画することにより精製した。主な画分(GCにより測定したときの純度約98%、応答係数に対して補正されていない)は、大気圧で170℃の温度で沸騰した。構造は、GC/MS、
19F NMR、及び
1H NMRによる分析と一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0051】
準備的実施例4
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’−オクタフルオロペンチルオキシ)ペンタン、HCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OCH
2CF
2CF
2CF
2CF
2Hの調製
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン−1−オール(22.1g、0.097mol)を、2時間にわたって、水素化ナトリウム(2.5g、純度95%、0.097mol)の無水ジエチレングリコールジメチルエーテル(200g)懸濁液に、50℃で滴加した。この時間の終わりに、溶液は均質であった。次いで、この溶液に、0℃におけるHCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OHとCF
3CF
2CF
2CF
2SO
2Fとトリエチルアミンとの反応により調製されるHCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OS(=O)
2CH
2CF
2CF
2CF
2CF
3(50g、0.097mol)を添加した。次いで、反応混合物を9℃で16時間加熱し、105℃で更に6時間加熱した。反応が完了した後、水(100ミリリットル)を添加し、Dean−Starkトラップを用いて混合物を蒸留して、水及び有機溶媒を蒸留容器に戻し、同時にトラップ内に下方のフルオロケミカル相を分離させた。同心円管蒸留塔を通して得られた30.1gの蒸留により予備精製を実施した。留出物(204〜207℃)は、75/21混合物中の2つの主成分から構成されることが見出され(応答係数に対して補正されていないガスクロマトグラフィー(GC)により測定したとき)、これらは、HCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OS(=O)
2CF
2CF
2CF
2CF
3及びHCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OCH
2CF
2CF
2CF
2CF
2Hであった。
【0052】
エーテルの精製は、50℃にて、塩化リチウム(25g)のジメチルホルムアミド(200mL)溶液でノナフレート混入混合物を処理することにより影響を受けた。これら特定の条件下では、ノナフレートは、塩化リチウムと速やかに反応して、HCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2Cl及びリチウムノナフレートが得られることが見出された。反応混合物を水に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を分離し、水で更に2回洗浄し、得られた混合物を蒸留(沸点:205℃、70℃/2mm Hg)して、応答係数に対して補正されていないGCにより測定したとき、91.5%の純度が得られた。指定の構造は、GC/MS分析、赤外分光法、
19F NMR、
1H NMR、及び
13C NMRと一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0053】
準備的実施例5
1−(3’−(2”,2”,3”,3”−テトラフルオロプロポキシ)−1’,2’,2’−トリフルオロプロポキシ)−1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンCF
3CF
2CF
2OCFHCF
2CH
2OCH
2CF
2CF
2Hの調製。
2,2,3−トリフルオロ−3−(ペルフルオロプロポキシ)プロパノール(71.6g、0.24mol、米国特許出願公開第2007/0051916(A1)号(Flynnら)の実施例1に記載の通り調製)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(119.23g、0.288mol)、炭酸カリウム(39.7g、0.288mol)、トリ−n−ブチルアミン(0.75g、0.004mol)、及び150mLのアセトンを、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。反応器の温度を75℃に設定し、混合物を24時間撹拌した。次いで、混合物を空にし、塩を生成物溶液から濾過した。生成物溶液を100mLの水で2回洗浄して、更に塩を除去した。次いで、下相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、次いで同心円管塔を用いて分留により精製した。主な画分(GCにより測定したときの純度94%、応答係数に対して補正されていない)は、大気圧で161〜162℃の温度で沸騰した。指定の構造は、GC/MS分析と一致していた。
【0054】
準備的実施例6
3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、HCF
2CF
2CH
2OCH
2CF
2CF
2Hの調製。
2,2,3,3−テトラフルオロプロパン−1−オール(50g、0.38mol)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(157g、0.38mol)、炭酸カリウム(52.3g、0.38mol、及び197gのアセトン(溶媒)を、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を18時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。アセトンを回転蒸発により除去した。次いで、この残留物に過剰の水を添加し、Dean Starkトラップを用いて生成物を共沸蒸留して、相分離後、52.7gの粗生成物を水洗浄した。回転蒸発中、溶媒を用いて生成物のエーテルの一部を蒸留し、留出物を水に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を分離し、水で1回洗浄した(17.8g)。GC分析により、組み合わせられたフルオロケミカル相に基づくこの段階における収率は、52%であった。生成物を大気圧で蒸留し、次いで112〜152℃の留分を、準備的実施例4に記載のように50℃でLiCl(20g)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)溶液で処理して、残留2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートを除去した。次いで、同心円管塔を通して生成物を蒸留して、純度98.6%の生成物のエーテル(沸点=134〜135℃)を得た。構造は、GC/MS、IR、
19F NMR、
1H NMR、及び
13C NMRと一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0055】
準備的実施例7
5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンタン;H(CF
2CF
2)
2CH
2OCH
2CF
3の調製
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン−1−オール(50g、0.215mol)、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(50g、0.215mol、Synquest Labs,Inc.(Alachua,Florida)から入手)、炭酸カリウム(29.7g、0.215mol)、及び175gのアセトン(溶媒)を、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を16時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。アセトンを回転蒸発により除去した。次いで、この残留物に過剰の水を添加し、Dean Starkトラップを用いて生成物を共沸蒸留して、相分離後、60.4gの粗生成物を水洗浄した。GC分析によるこの段階における収率は、50%であった。生成物を大気圧で蒸留し、138℃超の留分をポットで組み合わせ、次いで準備的実施例4に記載のように50℃でLiCl(15g)のN,N−ジメチルホルムアミド(250mL)溶液で処理して、残留2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネートを除去した。次いで、同心円管塔を通して生成物を蒸留して、純度95.9%の生成物のエーテル(沸点=138〜143℃)を得た。構造は、GC/MS及び
1H NMR分析と一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0056】
準備的実施例8
4−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ)−1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブタン;C
3F
7CH
2OCH
2C
3F
7の調製。
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタン−1−オール(50g、0.25mol、3M Companyから入手)、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(120.5g、0.25mol、上記のように調製)、炭酸カリウム(34.5g、0.25mol)、及び175gのアセトン(溶媒)を、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を112時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。アセトンを回転蒸発により除去した。回転蒸発中、溶媒を用いて生成物のエーテルの一部を蒸留し、留出物を水に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を分離し、回転蒸発残留物に添加した。次いで、この残留物に約250mLの水を添加し、Dean Starkトラップを用いて生成物を共沸蒸留して、相分離後、62gの粗生成物を水洗浄した。GC分析によるこの段階における収率は、11%であった。生成物を、準備的実施例4に記載のように50℃でLiCl(15g)のN,N−ジメチルホルムアミド(250mL)溶液で処理して、残留ノナフルオロブタン−1−スルホネートを除去した。次いで、生成物を純度78%に蒸留した。GC/MS及び
1H NMRは、指定の構造と一致していた。
【0057】
準備的実施例9
C
3F
7CH
2OCH
2C
2F
4CH
2OCH
2C
3F
7の調製
2,2,3,3−テトラフルオロブタン−1,4−ジオール(HOCH
2C
2F
4CH
2OH、20g、0.123mol、3M Companyから入手)、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(C
3F
7CH
2OSO
2C
4F
9、119g、0.247mol、上記のように調製)、炭酸カリウム(34.1g、0.247mol)、及び245gのアセトン(溶媒)を、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を112時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。アセトンを回転蒸発により除去した。次いで、この残留物に過剰の水を添加し、Dean Starkトラップを用いて生成物を共沸蒸留して、相分離後、57.2gの粗生成物を水洗浄した。GC/MS分析は、より複雑な混合物中の成分(GCによる収率約8.4%)として、予測される生成物C
3F
7CH
2OCH
2C
2F
4CH
2OCH
2C
3F
7の存在と一致していた。
【0058】
準備的実施例10
(CF
3)
2NC
2F
4CH
2OCH
2C
4F
8Hの調製
3−[ビス(トリフルオロメチル)アミノ]−2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパン−1−オール((CF
3)
2NC
2F
4CH
2OH、25g、0.088mol、3M Company(Saint Paul,MN))、実施例4に記載のように調製されたHCF
2CF
2CF
2CF
2CH
2OS(=O)
2CF
2CF
2CF
2CF
3(45.4g、0.088mol)、炭酸カリウム(12.2g、0.088mol)、及び175gのアセトン(溶媒)を、600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を64時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。アセトンを回転蒸発により除去した。次いで、この残留物に過剰の水を添加し、Dean Starkトラップを用いて生成物を共沸蒸留して、相分離後、30.3gの粗生成物を水洗浄した。GC/MS分析は、より複雑な混合物中の成分(GCによる収率約6%)として、予測される生成物(CF
3)
2NC
2F
4CH
2OCH
2C
4F
8Hの存在と一致していた。混合物を蒸留して、純度約35%のエーテルを得、
1H−NMRはその構造と一致していた。
【0059】
準備的実施例11
8−(2’,2’,3’,3’−テトラフルオロプロポキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ペンタデカフルオロオクタン、C
7F
15CH
2OCH
2CF
2CF
2Hの調製
ペンタデカフルオロ−1−オクタノール(100g、0.25mol、Exfluor Corp.から入手)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(103.5g、0.25mol)、炭酸カリウム(34.5g、0.25mol)、Adogen 464(5.5g、Aldrich、50%ジグリム溶液として使用)及び150gのアセトンを600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。反応混合物を75℃に加熱して、混合物を72時間にわたって撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過して、固体を取り出し、回転蒸発によりアセトンを除去した。残留物に水を添加し、混合物を共沸蒸留して、1回水洗浄したところ、純度約77%で114.2gの所望のエーテルを生じた。生成物を同心円管塔を用いて分留したところ、主な画分は純度99.6%であり、196℃の沸点を有した。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0060】
準備的実施例12
5−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロフルオロペンタン、HC
4F
8CH
2OCH
2CF
2CF
3の調製
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン−1−オール(50g、0.21mol、Sinochem Corp.から入手)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(93.1g、0.21mol、0℃におけるメチルt−ブチルエーテル溶媒中でのトリエチルアミンの存在下での2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−オールとノナフルオロブタンスルホニルフッ化物との反応により調製)、炭酸カリウム(29.8g、0.21mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(0.5g)及び175gのアセトンを600mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。反応器を密封し、温度を75℃に上げ、混合物を16時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過して固体を取り出し、固体を少量のアセトンで1回洗浄した。アセトン溶液を水に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を分離し、水で1回洗浄したところ、89.5gの液体を得、これは約24%の所望のエーテル生成物であった。生成物を同心円管塔を用いて蒸留し、留出物(124℃〜150℃で分留)をLiCl(20.6g、0.48mol)のDMF(250mL)溶液で50℃にて約1時間処理して、残留物のブタンスルホネート出発物質をより低沸点物質C
2F
5CH
2Clに転化させた。水をDMF溶液に添加し、生成物を共沸し、水で1回洗浄し、同心円管塔を用いて蒸留することにより精製したところ、純度99.2%、沸点=150℃で最終エーテル生成物を得た。構造は、GC/MS及び
1H−NMRと一致していた。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0061】
準備的実施例13
4−[1,1ジフルオロ−2−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−エチル]−2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロモルホリン(I)の調製
【化1】
2,2−ジフルオロ−2−(2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロモルホリン−4−イル)−エタノール中間体の調製
オーバーヘッドスターラー、水冷コンデンサー、熱電対及び添加漏斗を取り付けた3リットルの丸底ガラスフラスコ内で、テトラグリム(400g)及び水素化ホウ素ナトリウム(20g、0.54mol)を組み合わせた。反応混合物を窒素下で保持した。内容物を70℃に加熱し、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン(Aldrich)を電気化学的フッ素化してその後メタノールでエステル化することにより作られたジフルオロ−(2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロモルホリ−4−イル)−酢酸メチルエステル(175g、0.516mol)を2.5時間にわたって添加した。混合物を更に16時間にわたって70℃に保持した。反応混合物を室温に冷却し、メタノールを2時間(115mL)にわたって添加した。水(810mL)を添加し、次いで硫酸(69g、98%)を滴加した。反応混合物を分液漏斗に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を水で2回洗浄した。
【0062】
同一の充填量での第2組を実行し、2つの組をこの段階で組み合わせ、真空下で蒸留したところ、2,2−ジフルオロ−2−(2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロモルホリン−4−イル)−エタノール(223g)を得、GC分析によると純度は97.7%であった。GC分析に基づいた収率は、67.8%であった。構造をGC/MSにより確認した。
【0063】
4−[1,1ジフルオロ−2−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−エチル]−2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロ−モルホリンの調製
2,2−ジフルオロ−2−(2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロ−モルホリン−4−イル)−エタノール(100g、0.325mol、上記のように調製)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルノナフルオロブタンスルホネート(138.6g、0.33mol)、炭酸カリウム(44.7g、0.32mol)及び200mLのアセトン(溶媒)を600−mLのParr圧力反応器内で組み合わせた。脱気後、反応器を密閉し、混合物を64時間激しく撹拌しながら75℃に加熱した。冷却後、反応器を開け、内容物を濾過して、不溶性塩を除去した。反応混合物を水に注ぎ、下方のフルオロケミカル相を分離し、水で更に3回洗浄したところ、ガスクロマトグラフィーにより80.7%の所望のエーテルを含有する120.9グラムの物質を得た。GC分析に基づくこの段階における収率は、71.4%であった。エーテルの精製は、ノナフレート汚染混合物を塩化リチウム(0.77g)のジメチルホルムアミド(約10mL)溶液により50℃にて準備的実施例4で述べたように処理することにより、達成した。反応混合物を水に注ぎ、水蒸気蒸留した。下相を水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、同心円管蒸留塔を用いて分留した。主な画分(
19F−NMRにより測定したときの純度99.1%)は、大気圧で174.1℃〜174.4℃の温度にて沸騰した。上記方法によりこの化合物について比熱容量を測定し、表1に他の例と共に示す。
【0064】
【表1】
CE1〜3は、比較実施例1〜3である。
【0065】
表1は、−20℃、0℃、20℃及び40℃にて測定された様々な代表的な伝熱流体の比熱容量データ(J/gK)を示す。3つの比較実施例を示す。比較実施例2及び3のデータのみを25℃にて測定した。CE1は、Novec 7500であり、市販の伝熱流体である。FC−43(CE2)は、伝熱に使用される別の市販の流体である。Novec 7500及びFC−43はどちらも、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能である。CE−3はZT−180であり、Solvay Solexis S.p.A.から入手可能な市販の伝熱流体である。熱容量は、提供された伝熱流体及びこれを組み込んでいるデバイスが比較材料よりも伝熱について高い容量を有し、それゆえに、効率的であり、有用であることを示す。
【0066】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。本開示に引用された全ての参照文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。