特許第5881618号(P5881618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5881618取り外し可能な液体供給リザーバを有する飲料マシン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881618
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】取り外し可能な液体供給リザーバを有する飲料マシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20160225BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   A47J31/44 120
   A47J31/44 110
   A47J31/36 120
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-549367(P2012-549367)
(86)(22)【出願日】2011年1月21日
(65)【公表番号】特表2013-517820(P2013-517820A)
(43)【公表日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2011050812
(87)【国際公開番号】WO2011089210
(87)【国際公開日】20110728
【審査請求日】2014年1月17日
(31)【優先権主張番号】10151317.4
(32)【優先日】2010年1月21日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100139000
【弁理士】
【氏名又は名称】城戸 博兒
(74)【代理人】
【識別番号】100152191
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 正人
(72)【発明者】
【氏名】モーリ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ガヴィレット, ギルズ
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−099640(JP,U)
【文献】 仏国特許出願公開第02316901(FR,A1)
【文献】 国際公開第2005/072581(WO,A1)
【文献】 実開昭56−079223(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内に収容される事前に小分けされた原材料などのフレーバー原材料を通じて液体を流通させることによって飲料を調製するための飲料調製モジュール(2)と、
前記飲料調製モジュールに組み付けられ、且つ前記飲料調製モジュールから除去のために分解できる取り外し可能なリザーバ(4)と、
前記リザーバを覆うための蓋(41)と、
を備える飲料調製マシン(1)において、
前記蓋は、前記リザーバが前記モジュールに組み付けられるときに前記リザーバを前記飲料調製モジュールに対して固定するための締結構造(46)を有し、
前記蓋(41)が、前記リザーバ(4)を前記飲料調製モジュール(2)に固定するために前記飲料調製モジュール(2)に締結され、前記リザーバを前記飲料調製モジュールから取り外すために前記飲料調製モジュールから外され、前記蓋(41)の前記締結構造(46)および前記飲料調製モジュール(2)が取り外し可能な相互接続部(36、46)を備え、
前記蓋(41)が、前記リザーバ(4)を覆う前部(41a)と、前記締結構造(46)を有する後部(41b)とを備え、前記蓋(41)が、前記相互接続部(36、46)を接続して取り外すために、その前記前部と前記後部との間で回動でき、前記リザーバの縁部(44)にわたって回動できることを特徴とする飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記飲料調製モジュール(2)が外側ハウジング(21)を備え、前記締結構造(46)が、前記リザーバ(4)を前記モジュールに対する組み付け時に前記ハウジングに対して固定するために前記蓋(41)を前記外側ハウジングに締結し、そのような飲料調製マシン(1)が、下側に配置されるユーザカップまたはユーザマグカップへ飲料を供給するための飲料出口(27)を伴う前面を有し、前記ハウジング(21)が、前記前面と反対側に後面(29)を有し、および/または前記前面に隣接して側面を有し、前記リザーバ(4)が前記後面または前記側面の少なくとも一部にわたって延びる、請求項1に記載の飲料調製マシン。
【請求項3】
前記蓋は、
前記リザーバが前記飲料調製モジュールに組み付けられるときに前記リザーバに接続され、
前記リザーバが前記飲料調製モジュールから取り外されるときに前記リザーバから取り外され、あるいは取り外し可能である、
請求項1または2に記載の飲料調製マシン。
【請求項4】
前記蓋(41)が前記リザーバ(4)に取り外し不能に固定され、前記蓋がリザーバに組み付けられ、あるいは前記リザーバと一体である、請求項1または2に記載の飲料調製マシン。
【請求項5】
前記蓋(41)および前記締結構造(46)が、前記リザーバ(4)を前記飲料調製モジュール(2)に固定するとともに前記リザーバを前記飲料調製モジュールから取り外すために回動軸線(42)周りで回動可能に移動できる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項6】
前記蓋(41)および前記締結構造(46)が、前記蓋から前記締結構造に力を増強させるために前記回動軸線(42)周りに回動できるレバー(41、46)を形成する、請求項5に記載の飲料調製マシン。
【請求項7】
前記相互接続部(36、46)が、前記リザーバ(4)を前記蓋(41)で閉じることにより接続され、前記蓋を開放移動させて前記リザーバを開放することにより取り外される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項8】
取り外し可能な前記相互接続部(36、46)が、前記蓋(41)および前記飲料調製モジュール(2)に1つ以上のフック(46)およびフックリテーナ(36)をそれぞれ備え、あるいは逆もまた同様であり、前記フックリテーナが前記フックのためのスロット(36)を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項9】
前記飲料調製モジュール(2)が、取り外し可能な前記リザーバ(4)を保持するための構造(3、35)を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項10】
前記蓋(41)は、取り外し可能な前記リザーバ(4)が前記飲料調製モジュール(2)の前記保持構造(3、35)によって保持されるときの前記取り外し可能な前記リザーバ(4)の組付けをロックするようになっている、請求項9に記載の飲料調製マシン。
【請求項11】
前記保持構造(3、35)が、取り外し可能な前記リザーバ(4)の底部を前記飲料調製モジュール(2)によって支持するための支持部材(3)を備える、請求項9または10に記載の飲料調製マシン。
【請求項12】
前記保持構造(3、35)が、取り外し可能な前記リザーバ(4)を前記支持部材(3)に当て付けた状態に維持するための第2の部材(35)を備え、前記第2の部材は、
前記リザーバが前記飲料調製マシンに組み付けられるときに前記リザーバの上側部分にあるいは上側部分上に配置され、および/または、
前記リザーバ(4)の凹部または切り欠きなどの開口と協働する前記飲料調製モジュール(2)の突出部(35)を備え、あるいは逆もまた同様であり、前記開口が、前記リザーバ(4)と前記蓋(41)との間に配置されるとともに、前記蓋によって覆われる、
請求項11に記載の飲料調製マシン。
【請求項13】
前記飲料調製モジュール(2)の底部および前記リザーバ(4)の底部は、前記リザーバが前記飲料調製モジュールに組み付けられるときに取り外し可能に接続される流体コネクタ(31、45)を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能な液体供給リザーバを有する飲料調製マシンに関し、特に、飲料調製マシンに対する前記供給リザーバの組付けに関する。
【0002】
本開示の目的のため、「飲料」は、茶、コーヒー、ホットチョコレートまたは冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液体食品を含むように意図されている。「カプセル」は、飲料原材料を収容する柔軟なポッドまたは硬質のカートリッジを含む、任意の形状および構造をなす任意の材料の囲繞パッケージ、特に気密パッケージ、例えばプラスチックパッケージ、アルミニウムパッケージ、リサイクル可能なおよび/または生分解可能なパッケージ内の任意の事前に小分けされた飲料原材料を含むと意図されたものである。
【背景技術】
【0003】
飲料調製マシンは長年にわたって知られてきた。例えば、米国特許第5,943,472号明細書は、エスプレッソマシンの水リザーバと熱水または蒸気分配チャンバとの間の水循環シテムを開示する。循環システムは、互いに接続されるとともにリザーバに接続される、バルブ、金属製の加熱チューブ、および、ポンプを含む。
【0004】
飲料調製マシンは、一般に、飲料調製モジュールを収容するハウジングと、ハウジングに取り外し可能に接続されて飲料調製モジュールと流体連通する液体リザーバとを含む。そのような飲料調製マシンの例は、欧州特許第1267687号明細書国際公開第2009/074553号パンフレット、および、国際出願EP09/053139号明細書に開示されている。
【0005】
欧州特許第1267687号明細書は垂直に延びる水リザーバを有する飲料マシンを開示しており、水リザーバは、垂直軸線周りに回動できるとともに、リザーバの周縁により形成され、且つハウジングに形成されるフックリテーナと係合する上側フック部によって飲料マシンのハウジングに対して固定される。また、リザーバは、飲料マシンのハウジングの一部にわたって延びる取り外し可能な蓋で覆われる。水リザーバと蓋とを有する更なる飲料マシンが仏国特許第2316901号明細書および国際公開第2005/072581号パンフレットに開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の好ましい目的は、液体リザーバを飲料調製モジュールに固定するための簡単な構造を有する飲料調製マシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、
飲料調製モジュール、特に、カプセル内に収容される事前に小分けされた原材料などのフレーバー原材料を通じて液体を流通させることによって飲料を調製するためのモジュールと、
飲料調製モジュールに組み付けられ、且つ飲料調製モジュールから除去のために分解できる取り外し可能なリザーバ、特に、液体を蓄えてそのような液体をモジュールへ供給するためのリザーバと、
リザーバを覆うための蓋と、
を含む飲料調製マシンに関する。
【0008】
飲料調製モジュールは、液体をリザーバから飲料調製モジュールの飲料出口に流通させるためのポンプを含んでもよい。ポンプは往復ピストンポンプまたは回転ポンプでもよい。
【0009】
例えば、飲料調製マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、または、スープ調製マシン、例えば、家庭またはオフィスのコンセント電源に電気的に接続され得る自給式卓上マシンである。特に、飲料調製マシンは、挽いたコーヒーまたは茶またはチョコレートまたはカカオまたは粉ミルクなどの調製されるべき飲料の原材料を収容するカプセルに熱水または冷水あるいは他の液体を通すことにより原材料処理装置内で飲料を調製するようになっている。
【0010】
例えば、飲料調製マシンは、1つ以上の液体リザーバ、液体流通回路、ヒータ、ポンプ、および、抽出のために原材料カプセルを受けて抽出時にカプセルを排出するようになっている飲料調製ユニットを含む原材料処理装置と、カプセルが調製ユニットから排出されるシート内に通じる開口を有するハウジングと、シートに排出されるカプセルを所定の充填レベルまで容器内部に収集するための格納空間を形成するキャビティを有する容器とを備える。容器は、カプセルを収集するためにシート内に挿入可能であるとともに、収集されたカプセルを取り除いて空にするためにシートから除去可能である。そのような原材料処理装置の例は、国際公開第2009/074550号パンフレット、国際公開第2009/130099号パンフレット、および、国際出願EP09/053139号明細書に開示されている。
【0011】
飲料調製モジュールは、以下の構成要素、
a)この飲料の原材料、特に、カプセル内に供給された事前に小分けされた原材料を受けるとともに、入ってくる液体、例えば水の流れを前記原材料に通して飲料出口に案内するための淹出ユニット、
b)淹出ユニットへ供給されるべきこの液体の流れを加熱するためのサーモブロックなどのインラインヒータ、
c)この液体をインラインヒータを通じて圧送するためのポンプ、
d)この液体を液体タンクなどの液体源から飲料出口に案内するための1つ以上の流体接続部材、
e)ユーザからインタフェースを介して命令を受けて、インラインヒータおよびポンプを制御するための、特にプリント回路基板(PCB)を備える電気制御ユニット、および、
f)淹出ユニット、インラインヒータ、ポンプ、液体リザーバ、原材料収集器、この液体の流れ、この液体の圧力、および、この液体の温度の特性から選択される少なくとも1つの動作特性を検出するとともに、そのような特性を制御ユニットへ通信するための1つ以上の電気センサ、
のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0012】
ヒータは、サーモブロック、または、オンデマンドヒータ(ODH)、例えば欧州特許第1253844号明細書、欧州特許第1380243号明細書、および、欧州特許第1809151号明細書に開示されるODHタイプであってもよい。
【0013】
本発明によれば、蓋は、リザーバがモジュールに組み付けられるときにリザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための締結構造を有する。
【0014】
このように、リザーバを飲料調製モジュールに対して締結するための別個の締結構造を有するのではなく、この目的のためにリザーバの蓋自体が締結手段を組み込む。
【0015】
一般に、飲料調製モジュールが外側ハウジングを備え、締結構造は、リザーバをモジュールに対する組み付け時にハウジングに対して固定するために蓋を外側ハウジングに締結する。通常、飲料調製マシンは、下側に配置されるユーザカップまたはユーザマグカップへ飲料を供給するための飲料出口を伴う前面を有し、ハウジングは、前面と反対側に後面を有し、および/または前面に隣接して側面を有し、リザーバが後面または側面の少なくとも一部にわたって延びる。例えば、リザーバは、ハウジング面と略同一の広がりをもって垂直および/または水平に延びる。
【0016】
蓋は、リザーバが飲料調製モジュールに組み付けられるときにリザーバに接続されてもよく、また、リザーバが飲料調製モジュールから取り外されるときにリザーバから取り外され、あるいは取り外し可能であってもよい。この文脈において、取外しは、通常の使用中に飲料調製マシンのユーザによって非破壊的に規則通りに達成され得ることを意図されている。
【0017】
あるいは、蓋はリザーバに取り外し不能に固定され、特に、蓋は、例えば溶接、接着、圧力嵌め、ねじ、リベット等によってリザーバと一体であり、あるいはリザーバに組み付けられる。この文脈において、取り外し不能な固定は、蓋が通常の使用中に取り外されるようになっていないことを意味し、取外しは厄介であり、あるいは破壊的でさえある。特に、リザーバからの蓋の取外しは、リザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための通常の締結または取外しの機能を果たさない。
【0018】
蓋は、リザーバを飲料調製モジュールに固定するために飲料調製モジュールに締結させることができ、また、リザーバを飲料調製モジュールから取り外すために飲料調製モジュールから外すことができる。
【0019】
飲料調製モジュールおよび蓋の締結構造が取り外し可能な相互接続部を含んでもよい。相互接続部は、リザーバを蓋で閉じることにより接続することができ、また、蓋を開放移動させてリザーバを開放することにより取り外すことができる。
【0020】
例えば、蓋は、リザーバを覆う前部と、締結構造を有する後部とを有する。蓋は、相互接続部を接続して取り外すために、その前部と後部との間で回動でき、特にリザーバの縁部上にわたって回動できる。取り外し可能な相互接続部は、蓋および飲料調製モジュールに1つ以上のフックおよびフックリテーナをそれぞれ含んでもよく、あるいは逆もまた同様である。フックリテーナがフックのためのスロットを含んでもよい。
【0021】
飲料調製モジュールの上端部は、蓋の締結構造、例えばフックまたはフックリテーナと協働するための構造、例えばフックリテーナまたはフックを有してもよい。例えば、リザーバは、飲料調製マシンの底部からモジュールの上端部に垂直に延びる。
【0022】
蓋の締結構造は、スナップ、または、任意の他の取り外し可能な機械的接続を含んでもよい。
【0023】
一実施形態において、飲料調製モジュールは、取り外し可能なリザーバを保持するための構造を有する。蓋は、一般に、取り外し可能なリザーバが飲料調製モジュールの保持構造によって保持されるときの組付けをロックするようになっている。そのような場合、蓋は、飲料調製モジュールと取り外し可能なリザーバとの間の組付けを拘束の観点から機械的に強固に支持する必要がない。この場合、ロックする蓋は、組み付けられて支持される取り外し可能なリザーバの望ましくない分解を防止するにすぎない。
【0024】
したがって、保持構造は、リザーバと飲料調製モジュールとの間の主要な拘束を支持するように構成されてもよい。そのような構成では、締結構造は、リザーバと飲料調製モジュールとの間の主要な拘束を支持せず、リザーバと飲料調製モジュールとの組付けをロックするにすぎない。
【0025】
保持構造は、取り外し可能なリザーバの底部を飲料調製モジュールによって支持するための支持部材、例えば、リザーバの下側で延びる飲料調製モジュールの支持ベースおよび/または支持プラットフォームを備えてもよい。
【0026】
保持構造は、取り外し可能なリザーバを支持部材に当て付けた状態に維持するための第2の部材を含んでもよい。第2の部材は、リザーバが飲料調製マシンに組み付けられるときにリザーバの上側部分に、あるいは上側部分上に配置され得る。第2の部材は、リザーバの凹部または切り欠きなどの開口と協働する飲料調製モジュールの突出部を備えてもよく、あるいは、逆もまた同様である。開口および突出部は協働穴およびプラグの形状であってもよい。そのような開口は、特に、リザーバと蓋との間に配置される。例えば、凹部は、リザーバに切り欠きを形成し、蓋によって覆われる。この種の第2の部材は、リザーバを支持部材に抗して付勢するため、および/または支持部材に対するリザーバの横方向の移動を防止するために使用されてもよい。例えば、一対のそのような第2の部材は、支持部材上でリザーバを安定させるために使用される。前述したように、蓋は、支持部材と第2の部材との間でリザーバをロックするだけであってもよい。
【0027】
一般に、飲料調製モジュールの底部およびリザーバの底部は、リザーバが飲料調製モジュールに組み付けられるときに取り外し可能に接続される流体コネクタを有する。
【0028】
飲料調製モジュールおよびリザーバは、飲料調製モジュールからリザーバへの振動の伝搬を抑制する、あるいは防止するために機械的な振動バリア接続によって接続することができる。そのため、そのような飲料調製マシンの作用形態は、例えば、テーブルまたは棚の上に立つ、または、カップボードあるいは同様の支持体、特に略平坦で水平な支持体内または該支持体上に立つといった形態は、振動する飲料調製モジュールと液体リザーバとの間の使用中の任意の強固な振動伝搬接続を回避するようになる。特に、飲料調製マシンは、振動するモジュールからリザーバに延びて、そのよう振動をリザーバへ伝える硬質なシャーシまたはベースを備えていない。また、飲料調製マシンは、リザーバを飲料調製モジュールに固定して使用中に振動をリザーバに伝えることができる硬質な締結手段を有していない。
【0029】
そのため、液体リザーバ、例えば水タンクは、一般に、飲料調製モジュールによって引き起こされる振動から遮断され得る。したがって、リザーバには、振動および関連するノイズが伝えられない、あるいは強められないようになる。したがって、飲料調製モジュールの全体のノイズおよび振動が低減される。
【0030】
液体リザーバは、それが使用中に飲料調製モジュールとは無関係に支持体上に立つように形成され得る。液体リザーバと飲料調製モジュールとの間の界面は、モジュールからリザーバへの振動の伝搬を回避するために、弾力性があってもよく、例えばシリコンから形成されてもよい。
【0031】
一実施形態において、リザーバは、使用中に飲料調製モジュールに固定されない特に飲料調製マシンとは異なるテーブル面などの外部支持体上に載置するようになっている足を有する。飲料調製モジュールは、一般に、特に使用中にそのような外部支持体上に載置するようになっているゴム脚および/またはバンパなどの1つ以上の制振体を有する底部を有する。そのため、リザーバの重量が、飲料調製モジュール上にかからず、それにより、使用中に振動されない。
【0032】
本発明によれば、蓋は、リザーバがモジュールに組み付けられるときにリザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための締結構造を有する。
【0033】
蓋の締結構造は、使用中に飲料調製モジュールからリザーバへの振動の伝搬を防止する、あるいは抑制するように構成することができる。
【0034】
この構造は、蓋に固定される締結構造と、飲料調製モジュールの協働構造とを含むことができ、これらの構造は、使用中にリザーバに対する飲料調製モジュールの自由な移動を可能にするとともに、モジュールが移動されるときにリザーバを飲料調製モジュールに固定するように構成される。そのため、作用形態において、締結構造は、飲料調製モジュールをリザーバに強固に接続せず、モジュールからリザーバへの振動の伝搬を抑制しあるいは防止する。
【0035】
飲料調製モジュールは、一般に、少なくとも1つの直立壁、例えば飲料前側出口と反対側の後壁または飲料前側出口に隣接する側壁を有する最外ハウジング内に収容され、リザーバが前記直立壁に隣接して配置される。最外ハウジングおよびリザーバ、特にリザーバの上部は、飲料調製モジュールが移動されるときにリザーバをハウジングに固定するとともに、使用中にリザーバに対する飲料モジュールの自由な相対移動を可能にするインターロック構造を有してもよい。
【0036】
ここで、概略図を参照して、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る飲料調製マシンの全体斜視図である。
図2図1の飲料調製マシンの飲料調製モジュールに組み付けられるリザーバの斜視図である。
図3図2に示されるリザーバおよび飲料調製モジュールの断面斜視図である。
図4】リザーバの取り外し後に示される図1図3の飲料調製モジュールの後側斜視図である。
図5図4の細部の拡大図である。
図6図1図3に示される飲料調製マシンのリザーバ、蓋、および、飲料調製モジュールの相互作用を断面で示している。
図7a図6に示されるリザーバ、蓋、および、飲料調製モジュールのある位置を断面で示している。
図7b図6に示されるリザーバ、蓋、および、飲料調製モジュールの別の位置を断面で示している。
図7c図6に示されるリザーバ、蓋、および、飲料調製モジュールのさらに別の位置を断面で示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1図7cは、本発明に係る飲料調製マシン1およびその一部、特にカプセル内に収容される事前に小分けされた原材料などのフレーバー原材料(例えば茶または挽いたコーヒー)を通じて液体を流通させることによって飲料を調製するためのマシンの一実施形態を示している。飲料調製マシン1は、電気コード33を介してコンセント電源に接続されて給電される。
【0039】
飲料調製マシン1は、飲料調製モジュール2と、水などの液体を蓄えて飲料調製モジュールへ供給するためのリザーバ4とを含む。一般に、リザーバ4は水タンクである。
【0040】
モジュール2は、ポンプおよびヒータを有する流体回路、淹出ユニット22、および、例えばプッシュボタンを含むユーザインタフェース23に接続される制御ユニットなどのモジュールの機能ユニットを収容するハウジング21を有する。淹出ユニット22の前部は、カプセル取り込み/除去開放位置からカプセル抽出閉塞位置へとハウジング21に対して内外に伸縮するように構成されてもよい。図1に示されるような取り込み/除去位置では、原材料カプセルを、カプセル入口24を介して淹出ユニット22内へ導入できるとともに、淹出ユニット22から使用済みカプセルのための収集器25内に排出できる。淹出ユニット22を開放位置から閉塞位置に移動させるために、すなわち、淹出ユニットの前部をハウジング21に対して内外に伸縮させるために、ユーザ操作可能なハンドル26が設けられる。
【0041】
また、淹出ユニット22の前部は、カップ支持体28の上側に配置される飲料出口27に通じる。カップ支持体28は、使用済みカプセル収集器25の下側のドリップトレイに接続されてもよく、それにより、収集器25、カップ支持体28、および、ドリップトレイがユニットとしてハウジング21から取り外され、且つハウジング21内に挿入されてもよい。カップ支持体28は、出口27の下側で小型カップを支持するための図1に示される水平形態と、出口27の下側に大型カップを配置するべく退避するための直立形態(図示せず)との間で回動できるように回動可能に取り付けられてもよい。そのような回動可能なカップ支持体および変形は、その内容が参照することにより本願に組み入れられる欧州特許第1867260号明細書に更に詳しく開示されている。
【0042】
このタイプの飲料調製マシンは、国際公開第2009/043630号パンフレットおよび国際出願EP09/053139号明細書に更に詳しく記載されている。
【0043】
リザーバ4は、水または場合により他の液体、特にメンテナンスプロセスのための給配液を蓄えるようになっているとともに、ハウジング21に隣接して、特にハウジング21の直立壁29に隣接して配置される。図1図3に示されるように、直立壁29は、飲料出口27の反対側にある後壁である。変形例では、液体リザーバがモジュールのハウジングの側壁、例えばサイドパネル29’に隣接して配置されてもよい。
【0044】
リザーバ4は、ヒンジ42によって直立リザーバ壁43に回動可能に取り付けられる蓋41を有する。モジュール2の後壁29がリザーバ壁43と対向する。また、蓋41はリザーバ4の周縁44に載置する。
【0045】
飲料調製モジュール2およびリザーバ4は、取り外し可能な接続アセンブリ31、45によって流体接続状態に至らされる。
【0046】
図3および図4に更に詳しく示されるように、接続アセンブリ31、45は、飲料調製モジュール2から延びるドッキングステーション3と、リザーバ4から、特にリザーバの底部43aから延びる出口構造45とを備える。ドッキングステーション3は、その入口がドッキングステーション3の表面に配置される流体ライン31を含む。リザーバ4がドッキングステーション3に取り付けられると、出口構造45がライン31の入口に接続される。ライン31は、ドッキングステーション3からのリザーバ4の除去によって出口構造45から取り外しできる。
【0047】
リザーバ4は足43bを有し、該足は、飲料調製マシン1を支持するための外部支持面上、例えばテーブル上または棚上に載置してもよく、また、リザーバ4の底部43aをドッキングステーション3の上端34から上側に離間させてもよい。変形例において、底部43aは、足43bがそのような外部支持面の上側に離間されるようにドッキングステーション3上に載置してもよい。
【0048】
例えば飲料調製マシン1を移動させるためにドッキングステーション3を有する飲料調製モジュール2が持ち上げられると、ドッキングステーション3はリザーバ4を支持して運ぶために使用される。
【0049】
図1図4に示される特定の実施形態において、電気コード33は、ドッキングステーション3を介して飲料調製マシン1に接続され、特に飲料調製マシン1の飲料調製モジュール2に接続されるとともに、足43bに隣接するリザーバ4の下側でコンセント電源に延びる。しかしながら、飲料調製マシンの電気的接続部は、飲料調製マシンの他の場所に設けられてもよい。飲料調製マシン1が持ち上げられるときに、リザーバ4の下側でドッキングステーション3から延びるコード33はリザーバ4と干渉しない。
【0050】
本発明の一態様によれば、蓋41は、リザーバ4がモジュール2に組み付けられるときにリザーバ4を飲料調製モジュール2に対して固定するための締結構造46を有する。ここで、この態様について特に図4図7cを参照して更に詳しく説明する。
【0051】
蓋41は、前述したようにヒンジ構造42を介してリザーバ4に取り外し不能に固定される。ヒンジ構造42の両側で、蓋41は、飲料調製モジュール2の後面29に隣接するその外周に締結構造46を有する。蓋41は、リザーバ4をモジュール2に固定するために飲料調製モジュール2に締結され、また、リザーバ4をモジュール2から取り外すためにモジュール2から外される。
【0052】
図4図6に示されるように、図5図4の細部Aの拡大図であるが、締結構造46および飲料調製モジュール2は、取り外し可能な相互接続部36、46を有する。蓋41は、リザーバ4を覆う前部41aと、締結構造46を有する後部41bとを有する。
【0053】
取り外し可能な相互接続部は、一対のフック46を蓋41に備えるとともに、対応するフックリテーナ36を飲料調製モジュール2に備える。フックリテーナ36は、壁29と一体であるとともに、フック46のためのスロットを形成し、フック46は、これらのスロットを通過して壁29の内側に向けられた面29aに引っ掛かるように寸法付けられる。
【0054】
前述したように、飲料調製モジュール2のベース3は、例えばその内容が参照することにより本願に組み入れられる国際出願EP09/053139号明細書に開示されるように、特に飲料調製マシン1がモジュール2を介して持ち上げられるときに取り外し可能なリザーバ4を支持するようになっている支持部材を形成する。
【0055】
ベース3は、一対の第2の部材、例えば、直立壁29から略水平に延びる突出部35と協働する。第2の部材35は、取り外し可能なリザーバ4をベース3に当て付けた状態に維持するように構成される。第2の部材35は、リザーバ4の上側部分で、フックリテーナ36のスロットに隣接して配置される。部材35は、リザーバ4の壁43の対応する略水平な開口(図示せず)内に延びる。これらの開口は、特にリザーバ4の上端部に配置され、例えば、その真上に配置される蓋41で覆われる周縁44の凹部である。
【0056】
蓋41は、取り外し可能なリザーバ4が飲料調製モジュール2のベース3と第2の対抗部材35とによって保持されるときの組付けをロックするように構成される。飲料調製マシンの図示の実施形態では、モジュール2とリザーバ4との間の組付け拘束は、主に、リザーバ4の底部43aおよび側壁43の範囲内と、モジュール2のベース3および突出部35の範囲内とにある。フック46およびフックリテーナ36は、リザーバ4とモジュール2との組付けをロックするだけである。実質的な組付け拘束はフック46およびフックリテーナ36にわたって及ばない。しかしながら、変形例では、フックおよびフックリテーナがモジュール2とリザーバ4との間の組付け力の全ての部分またはかなりの部分を吸収するようにフックおよびフックリテーナを構成することができる。特に、蓋41は、締結構造46と協働する構造36とにより、リザーバ4を、飲料調製モジュール2に抗して、特に支持部材3と第2の部材35とに抗して楔留めする。
【0057】
図7a〜図7cに示されるように、相互接続部、すなわち、フック46およびフックリテーナ36は、リザーバ4が壁29に当て付いてベース3上に載置するときにリザーバ4を蓋41で閉じることによって接続される(図7a)。相互接続部36、46は、蓋41を上方へ回動させてリザーバ4を開放することにより外される(図7b)。その後、リザーバをモジュール2から引き離すことによって、特にモジュール2の後壁29およびベース3から引き離すことによってリザーバ4を取り外すことができる(図7c)。
【0058】
蓋41は、相互接続部を接続し且つ外すために、リザーバ4の縁部上にわたって、すなわち、周縁44の後部上にわたって回動可能である。そのため、蓋41の後部41bの底部は、回動時に周縁44の後部上にわたって摺動するように弓状に曲げられている。
【0059】
リザーバ4をモジュール2に固定するために、蓋41を飲料調製モジュール2に締結することができ、また、リザーバ4をモジュール2から取り外すために、蓋41をモジュール2から外すことができる。
【0060】
特に、図2図3図6図7cに示されるように、蓋41および締結構造46は、リザーバ4をモジュール2に固定するため、および、リザーバ4をモジュール2から取り外すために、回動軸線42周りに回動可能に移動できる。蓋41および締結構造46は、蓋から締結構造に力を増強させるために回動軸線42周りに回動できるレバー41、46を形成する。したがって、蓋41および締結構造46がモジュール2に対して締結されると、それによって形成されるレバー41、46およびそれに伴って回動軸線42周りで締結構造46と蓋41との間に生じるてこ率は、締結構造46に対する作用によってレバー41、46の回動を抑制する。したがって、リザーバ4および/またはモジュール2に対して作用することにより外れが阻止される。代わりに、締結の解除は、レバー構造41、46の蓋41に対する作用によって達成されるべきである。
【0061】
変形例では、蓋をリザーバから分離可能にすることができる。蓋をリザーバの後壁にヒンジ結合することなく後壁上にわたって回動可能にすることができる。そのため、蓋を、リザーバが飲料調製モジュールに組み付けられるときにリザーバに接続できるとともに、リザーバが飲料調製モジュールから取り外されるときにリザーバから取り外すことができ、あるいは取り外し可能にすることができる。この形態では、蓋がモジュールに対して取り外し不能に接続されてもよく、あるいは取り外し不能に接続されなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c