【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、
飲料調製モジュール、特に、カプセル内に収容される事前に小分けされた原材料などのフレーバー原材料を通じて液体を流通させることによって飲料を調製するためのモジュールと、
飲料調製モジュールに組み付けられ、且つ飲料調製モジュールから除去のために分解できる取り外し可能なリザーバ、特に、液体を蓄えてそのような液体をモジュールへ供給するためのリザーバと、
リザーバを覆うための蓋と、
を含む飲料調製マシンに関する。
【0008】
飲料調製モジュールは、液体をリザーバから飲料調製モジュールの飲料出口に流通させるためのポンプを含んでもよい。ポンプは往復ピストンポンプまたは回転ポンプでもよい。
【0009】
例えば、飲料調製マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、または、スープ調製マシン、例えば、家庭またはオフィスのコンセント電源に電気的に接続され得る自給式卓上マシンである。特に、飲料調製マシンは、挽いたコーヒーまたは茶またはチョコレートまたはカカオまたは粉ミルクなどの調製されるべき飲料の原材料を収容するカプセルに熱水または冷水あるいは他の液体を通すことにより原材料処理装置内で飲料を調製するようになっている。
【0010】
例えば、飲料調製マシンは、1つ以上の液体リザーバ、液体流通回路、ヒータ、ポンプ、および、抽出のために原材料カプセルを受けて抽出時にカプセルを排出するようになっている飲料調製ユニットを含む原材料処理装置と、カプセルが調製ユニットから排出されるシート内に通じる開口を有するハウジングと、シートに排出されるカプセルを所定の充填レベルまで容器内部に収集するための格納空間を形成するキャビティを有する容器とを備える。容器は、カプセルを収集するためにシート内に挿入可能であるとともに、収集されたカプセルを取り除いて空にするためにシートから除去可能である。そのような原材料処理装置の例は、国際公開第2009/074550号パンフレット、国際公開第2009/130099号パンフレット、および、国際出願EP09/053139号明細書に開示されている。
【0011】
飲料調製モジュールは、以下の構成要素、
a)この飲料の原材料、特に、カプセル内に供給された事前に小分けされた原材料を受けるとともに、入ってくる液体、例えば水の流れを前記原材料に通して飲料出口に案内するための淹出ユニット、
b)淹出ユニットへ供給されるべきこの液体の流れを加熱するためのサーモブロックなどのインラインヒータ、
c)この液体をインラインヒータを通じて圧送するためのポンプ、
d)この液体を液体タンクなどの液体源から飲料出口に案内するための1つ以上の流体接続部材、
e)ユーザからインタフェースを介して命令を受けて、インラインヒータおよびポンプを制御するための、特にプリント回路基板(PCB)を備える電気制御ユニット、および、
f)淹出ユニット、インラインヒータ、ポンプ、液体リザーバ、原材料収集器、この液体の流れ、この液体の圧力、および、この液体の温度の特性から選択される少なくとも1つの動作特性を検出するとともに、そのような特性を制御ユニットへ通信するための1つ以上の電気センサ、
のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0012】
ヒータは、サーモブロック、または、オンデマンドヒータ(ODH)、例えば欧州特許第1253844号明細書、欧州特許第1380243号明細書、および、欧州特許第1809151号明細書に開示されるODHタイプであってもよい。
【0013】
本発明によれば、蓋は、リザーバがモジュールに組み付けられるときにリザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための締結構造を有する。
【0014】
このように、リザーバを飲料調製モジュールに対して締結するための別個の締結構造を有するのではなく、この目的のためにリザーバの蓋自体が締結手段を組み込む。
【0015】
一般に、飲料調製モジュールが外側ハウジングを備え、締結構造は、リザーバをモジュールに対する組み付け時にハウジングに対して固定するために蓋を外側ハウジングに締結する。通常、飲料調製マシンは、下側に配置されるユーザカップまたはユーザマグカップへ飲料を供給するための飲料出口を伴う前面を有し、ハウジングは、前面と反対側に後面を有し、および/または前面に隣接して側面を有し、リザーバが後面または側面の少なくとも一部にわたって延びる。例えば、リザーバは、ハウジング面と略同一の広がりをもって垂直および/または水平に延びる。
【0016】
蓋は、リザーバが飲料調製モジュールに組み付けられるときにリザーバに接続されてもよく、また、リザーバが飲料調製モジュールから取り外されるときにリザーバから取り外され、あるいは取り外し可能であってもよい。この文脈において、取外しは、通常の使用中に飲料調製マシンのユーザによって非破壊的に規則通りに達成され得ることを意図されている。
【0017】
あるいは、蓋はリザーバに取り外し不能に固定され、特に、蓋は、例えば溶接、接着、圧力嵌め、ねじ、リベット等によってリザーバと一体であり、あるいはリザーバに組み付けられる。この文脈において、取り外し不能な固定は、蓋が通常の使用中に取り外されるようになっていないことを意味し、取外しは厄介であり、あるいは破壊的でさえある。特に、リザーバからの蓋の取外しは、リザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための通常の締結または取外しの機能を果たさない。
【0018】
蓋は、リザーバを飲料調製モジュールに固定するために飲料調製モジュールに締結させることができ、また、リザーバを飲料調製モジュールから取り外すために飲料調製モジュールから外すことができる。
【0019】
飲料調製モジュールおよび蓋の締結構造が取り外し可能な相互接続部を含んでもよい。相互接続部は、リザーバを蓋で閉じることにより接続することができ、また、蓋を開放移動させてリザーバを開放することにより取り外すことができる。
【0020】
例えば、蓋は、リザーバを覆う前部と、締結構造を有する後部とを有する。蓋は、相互接続部を接続して取り外すために、その前部と後部との間で回動でき、特にリザーバの縁部上にわたって回動できる。取り外し可能な相互接続部は、蓋および飲料調製モジュールに1つ以上のフックおよびフックリテーナをそれぞれ含んでもよく、あるいは逆もまた同様である。フックリテーナがフックのためのスロットを含んでもよい。
【0021】
飲料調製モジュールの上端部は、蓋の締結構造、例えばフックまたはフックリテーナと協働するための構造、例えばフックリテーナまたはフックを有してもよい。例えば、リザーバは、飲料調製マシンの底部からモジュールの上端部に垂直に延びる。
【0022】
蓋の締結構造は、スナップ、または、任意の他の取り外し可能な機械的接続を含んでもよい。
【0023】
一実施形態において、飲料調製モジュールは、取り外し可能なリザーバを保持するための構造を有する。蓋は、一般に、取り外し可能なリザーバが飲料調製モジュールの保持構造によって保持されるときの組付けをロックするようになっている。そのような場合、蓋は、飲料調製モジュールと取り外し可能なリザーバとの間の組付けを拘束の観点から機械的に強固に支持する必要がない。この場合、ロックする蓋は、組み付けられて支持される取り外し可能なリザーバの望ましくない分解を防止するにすぎない。
【0024】
したがって、保持構造は、リザーバと飲料調製モジュールとの間の主要な拘束を支持するように構成されてもよい。そのような構成では、締結構造は、リザーバと飲料調製モジュールとの間の主要な拘束を支持せず、リザーバと飲料調製モジュールとの組付けをロックするにすぎない。
【0025】
保持構造は、取り外し可能なリザーバの底部を飲料調製モジュールによって支持するための支持部材、例えば、リザーバの下側で延びる飲料調製モジュールの支持ベースおよび/または支持プラットフォームを備えてもよい。
【0026】
保持構造は、取り外し可能なリザーバを支持部材に当て付けた状態に維持するための第2の部材を含んでもよい。第2の部材は、リザーバが飲料調製マシンに組み付けられるときにリザーバの上側部分に、あるいは上側部分上に配置され得る。第2の部材は、リザーバの凹部または切り欠きなどの開口と協働する飲料調製モジュールの突出部を備えてもよく、あるいは、逆もまた同様である。開口および突出部は協働穴およびプラグの形状であってもよい。そのような開口は、特に、リザーバと蓋との間に配置される。例えば、凹部は、リザーバに切り欠きを形成し、蓋によって覆われる。この種の第2の部材は、リザーバを支持部材に抗して付勢するため、および/または支持部材に対するリザーバの横方向の移動を防止するために使用されてもよい。例えば、一対のそのような第2の部材は、支持部材上でリザーバを安定させるために使用される。前述したように、蓋は、支持部材と第2の部材との間でリザーバをロックするだけであってもよい。
【0027】
一般に、飲料調製モジュールの底部およびリザーバの底部は、リザーバが飲料調製モジュールに組み付けられるときに取り外し可能に接続される流体コネクタを有する。
【0028】
飲料調製モジュールおよびリザーバは、飲料調製モジュールからリザーバへの振動の伝搬を抑制する、あるいは防止するために機械的な振動バリア接続によって接続することができる。そのため、そのような飲料調製マシンの作用形態は、例えば、テーブルまたは棚の上に立つ、または、カップボードあるいは同様の支持体、特に略平坦で水平な支持体内または該支持体上に立つといった形態は、振動する飲料調製モジュールと液体リザーバとの間の使用中の任意の強固な振動伝搬接続を回避するようになる。特に、飲料調製マシンは、振動するモジュールからリザーバに延びて、そのよう振動をリザーバへ伝える硬質なシャーシまたはベースを備えていない。また、飲料調製マシンは、リザーバを飲料調製モジュールに固定して使用中に振動をリザーバに伝えることができる硬質な締結手段を有していない。
【0029】
そのため、液体リザーバ、例えば水タンクは、一般に、飲料調製モジュールによって引き起こされる振動から遮断され得る。したがって、リザーバには、振動および関連するノイズが伝えられない、あるいは強められないようになる。したがって、飲料調製モジュールの全体のノイズおよび振動が低減される。
【0030】
液体リザーバは、それが使用中に飲料調製モジュールとは無関係に支持体上に立つように形成され得る。液体リザーバと飲料調製モジュールとの間の界面は、モジュールからリザーバへの振動の伝搬を回避するために、弾力性があってもよく、例えばシリコンから形成されてもよい。
【0031】
一実施形態において、リザーバは、使用中に飲料調製モジュールに固定されない特に飲料調製マシンとは異なるテーブル面などの外部支持体上に載置するようになっている足を有する。飲料調製モジュールは、一般に、特に使用中にそのような外部支持体上に載置するようになっているゴム脚および/またはバンパなどの1つ以上の制振体を有する底部を有する。そのため、リザーバの重量が、飲料調製モジュール上にかからず、それにより、使用中に振動されない。
【0032】
本発明によれば、蓋は、リザーバがモジュールに組み付けられるときにリザーバを飲料調製モジュールに対して固定するための締結構造を有する。
【0033】
蓋の締結構造は、使用中に飲料調製モジュールからリザーバへの振動の伝搬を防止する、あるいは抑制するように構成することができる。
【0034】
この構造は、蓋に固定される締結構造と、飲料調製モジュールの協働構造とを含むことができ、これらの構造は、使用中にリザーバに対する飲料調製モジュールの自由な移動を可能にするとともに、モジュールが移動されるときにリザーバを飲料調製モジュールに固定するように構成される。そのため、作用形態において、締結構造は、飲料調製モジュールをリザーバに強固に接続せず、モジュールからリザーバへの振動の伝搬を抑制しあるいは防止する。
【0035】
飲料調製モジュールは、一般に、少なくとも1つの直立壁、例えば飲料前側出口と反対側の後壁または飲料前側出口に隣接する側壁を有する最外ハウジング内に収容され、リザーバが前記直立壁に隣接して配置される。最外ハウジングおよびリザーバ、特にリザーバの上部は、飲料調製モジュールが移動されるときにリザーバをハウジングに固定するとともに、使用中にリザーバに対する飲料モジュールの自由な相対移動を可能にするインターロック構造を有してもよい。
【0036】
ここで、概略図を参照して、本発明について説明する。