(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の電気接触部は、前記枠状形成体から延在して設けられ又は前記枠状形成体の間に橋架して設けられ、且つ、前記配線平面に現れる導電構造であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
前記複数の電気接触部は、更に、アース電流が中継される第4の電気接触部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の内燃機関用点火コイル。
前記コネクタ端子と前記コイルアセンブリと前記高圧ターミナルと前記ターミナルフレームとを具備する回路アセンブリ体は、筐体を形成する絶縁性樹脂によってモールドされていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の内燃機関用点火コイル。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関用点火コイルの構成が説明されている。このうち、
図1(a)は内燃機関用点火コイルの外観が示されており、
図1(b)は其の内部構造が一部描かれている。内燃機関用点火コイル100(以下、点火コイル100と呼ぶ)は、熱可塑性樹脂(絶縁性樹脂)によって筐体部が形成される。かかる筐体部は、コネクタ部120と、コイル収容部140と、固定フランジ150と、高圧出力部160とが一体成形されている。
【0015】
コネクタ部120は、殻状体内部に複数のコネクタ端子が配備され、ハーネス(図示なし)を介してECU(Engine
Control Unit)といった車載電子機器に接続される。これにより、コネクタ部120は、車載電子機器との配線がなされ、点火信号・電源電力等が印加されることとなる。
【0016】
尚、本実施の形態に係る点火コイル100は、コイルアセンブリ110を収容させる筐体がプラグホールPHの開口端EHを塞ぐように配置される。従って、この筐体に設けられるコネクタ部120は、接続相手のハーネスとの着脱作業が容易に行われるよう、作業スペースを確保させた高さに設けられる。このように、本実施の形態にかかる点火コイル100にあっては、開口端直上配置方式とされるところ、プラグホールの開口端面から所定のスペースを設けた高さにコネクタ部120が配置されることとなる。この点で、点火コイル100は、特許文献1における高圧ケーブルに関する不具合を解消させたものであって、当該特許文献1の技術とは全く異なるものである。即ち、特許請求の範囲における「開口端近傍」とは、コイルアセンブリ110がプラグホール直上に配置される態様も含まれるが、これに限らず、点火コイルからプラグホール開口端への高圧ケーブルが不要な程度に双方が接近している態様も含まれる。
【0017】
高圧出力部160は、高圧ターミナル(図示なし)が内蔵され、これを周囲から絶縁するよう熱可塑性樹脂が覆われている。但し、高圧出力部160の下部には、高圧ターミナルとの電路が確保され、この高圧ターミナルを介して点火プラグへ電気的に接続される。また、高圧ターミナルの他端には、二次コイルの高圧出力用の端子に導通されるよう適宜配線されている。
【0018】
コイル収容部140は、コイルアセンブリ(一次コイル,二次コイル,及び,コイル鉄心,が主な構成)の全表面を覆うように、熱可塑性樹脂が形成されている。コイルアセンブリの構成は、互いに絶縁されており、鉄心の軸心を基準軸として、一次コイル用のワイヤー線及び二次コイル用のワイヤー線が巻回されている。コイル収容部140は、熱可塑性樹脂によって、コイルアセンブリから高電圧が発生する際も電気的絶縁が保たれる。
【0019】
本実施の形態に係るコイル収容部140は、イグナイタ130の内蔵基板を縦型に配置させている。このイグナイタ130は、複数の端子を備えており、当該端子がコネクタ端子またはターミナルフレーム170等に配線される。尚、点火コイル内の配線については、追って詳述することとする。
【0020】
このコイル収容部140には、コイルアセンブリ110と高圧ターミナルとの間に、ターミナルフレーム170が配置される。当該ターミナルフレーム170は、絶縁樹脂から成る枠状形成体に複数の電気接触部が配備されており、コネクタ端子及びコイル端子及び高圧ターミナル等がこの電気接触部へ電気的に接続される。尚、ターミナルフレーム170の詳細については、追って詳述することとする。
【0021】
固定フランジ150は、コイル収容部140に隣接する位置へ、当該コイル収容部と一体的に成形される。固定フランジ150は、舌片状の形体を呈しており、所定箇所にアルミ材等の金属ブッシュ151を埋設させている。この金属ブッシュ151は、固定ボルトの挿通が可能な中空管が好ましく、当該固定ボルトによってエンジンブロック(図示なし)へ固定される。また、金属ブッシュ151は、コイル鉄心113と電気的に接続されている。従って、「コイル鉄心113→ブッシュ151→エンジンブロック」といったアース経路,又は,「コイル鉄心113→ブッシュ151→固定ボルト→エンジンブロック」といったアース経路が形成されることとなる。
【0022】
以下、プラグホールPHの中心軸について、点火プラグが設けられる方向を高圧側と呼び、其の反対方向を低圧側と呼ぶ。また、本実施の形態では、コネクタ部120,コイル収容部140,及び,フランジ部150が略一直線状に配置されるところ、当該中心線からフランジ部150に向かう方向をフランジ側と呼び、当該中心線からコネクタ部120に向かう方向をコネクタ側と呼ぶ。
【0023】
以下、
図2を参照し、本実施の形態に係る点火コイルの回路構成を説明する。図示の如く、上述したコネクタ部120は、バッテリー端子tb1と、グランド用端子tg1と、信号用端子ts1とを配備させている。これらの端子は、ハーネスを介して車載電子機器(自動車に搭載された装置)に接続され、これにより、電源及び信号が供給され、車載電子機器のグランド電極と点火コイル100のグランド電極とが導通される。
【0024】
また、イグナイタ130は、制御基板131とパワートランジスタ132とを具備し、バッテリー端子tb2,信号用端子ts2,一次電流入力端子tc,及び,一次電流出力端子tg2を配備させている。制御基板131は、端子tb2を介してバッテリー端子tb1に接続され、制御基板用の電源がレギュレータREGによって制御される(例えば,5V電源)。また、制御基板131は、端子ts2を介して信号用端子ts1に接続され、制御回路Csgに点火信号が入力される。この制御回路Csgは、適宜の回路を具備し、点火信号の再成形,セルフシャット機能,ソフトシャット機能等を実現させる。そして、パワートランジスタ132では、制御回路Csgを介して点火信号が入力されると、端子tcから端子tg2へ向けて電流を通過させる。
【0025】
当該パワートランジスタ132は、其の入力側が一次コイル111を介してバッテリー端子tb1に接続され、出力側が端子tg2を介して鉄心113に接続されている。従って、パワートランジスタ132の通過電流は、コイルアセンブリの一次コイル111を流れる一次電流に相当し、これが点火信号によって制御されることとなる。尚、この一次電流は、数μsecオーダーにてオン/オフ動作がエンジン回転数に応じて繰り返し制御される。
【0026】
コイルアセンブリ110は、その一部に一次コイル111及び二次コイル112が巻回され、一次電流の変化が起きると、双方のコイルが電磁的に結合される。従って、コイルアセンブリ110は、一次電流が変動すると、これに応じて二次巻線112が励起され、数百Vの高電圧を発生させる。このとき、点火プラグPGでは、この高電圧を受けて、プラグギャップを放電させる。尚、本実施の形態では、点火プラグPGと二次コイル112の出力端との間に雑防抵抗115が直列接続されている。また、当該二次コイル112の入力端と一次コイル111の入力端との間にダイオード114を接続させ、プレイグニッションを防止させている。
【0027】
図示の如く、コイル鉄心113は、電極または電路との電気的接点j2〜j3を有している。但し、この電気的接点とは、配線端点との接点を指すものに限らず、ハンダ層による接触面、リードフレームによる接触面、その他の導電性材料を介した接点等もこれに含まれる。
【0028】
先ず、コイル鉄心113は、配線Lg1〜Lgx及び電気的接点j2を介して、コネクタ部のグランド用端子tg1に接続される。また、コイル鉄心113は、配線Lg2,Lgx及び電気的接触点j2を介して、イグナイタ130の一次電流出力端子tg2に接続される。更に、当該コイル鉄心113は、配線Lg3及び電気的接点j3を介してグランド中継端子tg3に導通され、このグランド中継端子tg3は、自動車に搭載されたエンジンブロックとの接触部を有することで、自動車の基準電位と同電位にされる。尚、エンジンブロックは、車両のシャーシへ電気的に接続されており、当該シャーシと同電位とされている。
【0029】
尚、同図において、電気的接点j3及び配線Lg3及び中継端子tg3は、かかる形態に限られるものではない。例えば、これらがハンダ層のみによって構成される場合もあり得るし、リードフレームのみによって構成される場合もあり得る。
【0030】
本実施の形態によると、コイルアセンブリを流れる一次電流は、「バッテリーVb(12V〜24V)→一次コイル111→パワートランジスタ132」という電流入力経路を辿り、その後、「パワートランジスタ132→コイル鉄心113→グランド中継端子tg3→エンジンブロック」というグランド電流経路(Ig2→Igx)を辿る。一方、ノイズに伴う電圧成分がグランド用端子tg1へ印加されると、これによる電流経路Ig1は、接点jxで電流経路Ig2と合流しアース側へ導かれる。以下、電流経路Ig1,Ig2,Igxに流れる電流をアース電流と飛ぶこととする。
【0031】
図3では、コイル成形体の構成及び其の製造工程が示されている。先ず、コイルボビン10とコイルカバー30とが準備される(STEP1)。このうち、コイルボビン10は、略矩形の中空筒構造を呈し、鍔部11と鍔部12とが一体形成されている。鍔部11では、外部へ突出する方向へコイル端子11a及び11bが配備され、ボビン筒部に巻回された一次コイル111の端点が当該コイル端子11a及び11bへ各々接続される。また、鍔部12では、コイル端子12a及び12bが設けられ、二次コイル112の両端がコイル端子12a及び12bへ各々接続される。二次コイル112は、一次コイル111の外周側に巻回されており、一次コイル111との間に絶縁材を配置させる等して互いの絶縁状態が保たれている。
【0032】
これらコイル端子は、
図2におけるコイルアセンブリ110の配線の一部を形成する。即ち、コイル端子11aは、一次コイル111の出力端に設けられ、イグナイタ130の端子tcに導通される。コイル端子11bは、一次コイル111の入力端に設けられ、バッテリーVbから電力供給される。コイル端子12bは、二次コイル112の一方の端点に設けられ、ダイオード114を介してコネクタ端子tb1へ接続される。また、コイル端子12aは、二次コイル112の出力端に設けられ、雑防抵抗115を介して点火プラグPGへ導通される。即ち、コイル端子112aは、二次コイルで励起された昇圧電圧を出力する端子である。
【0033】
また、STEP1で準備されるコイルカバー30は、一弦を開口させた矩形断面をなしており、この断面の板厚方向がコイルボビンの軸方向長さに略一致する。このコイルカバー30は、コイルボビン10と供に絶縁体とされ、鍔部11及び12を介して組付けられる(STEP2)。かかるコイル部110aは、二次コイル112の表面とコイルカバー30との間に空間が形成され、当該空間がエポキシ樹脂等によって二次コイルの表面を絶縁させる(STEP3)。本実施の形態に係るコイル部110aは、コイル端子の全てが同一面且つ同一方向に設けられることで、ターミナルフレーム170に配備された電気接触部との接続作業を容易なものとしている。
【0034】
その後、STEP4では、コイルボビン10の巻線内部を貫通するように、コイル鉄心113が組付けられ、コイルアセンブリ110が完成する(
図4参照)。コイル鉄心113は、コイルボビン10を貫通するI型鉄心と、当該I型鉄心の両端に接合されるC型鉄心によって、図示の如く閉磁路を形成させている。尚、本実施の形態では、かかるコイル鉄心113の殆どを、PBT等の絶縁材料で被覆させている。
【0035】
その後、STEP5では、コイルアセンブリ110にターミナルフレーム170が組合わされる。この工程では、コイルアセンブリ110のコイル端子とターミナルフレーム170の電気接触部とが適宜に接触するように、互いの位置が正しく配置される。
【0036】
その後、STEP6では、コイル端子と電気接触部との接触部について、スポット溶接またはハンダ付け等の適宜の導通処理が施される。この工程では、コイルアセンブリ110とターミナルフレーム170とについて、電気的な配線とアセンブリ体の構造形成とが一挙に行われることとなる。
【0037】
図5に示す如く、本実施の形態では、ターミナルフレーム170に配線領域TF1及びTF2の配線パターンが形成される。配線領域TF1は、一次コイル111及び二次コイル112からコネクタ端子tb1へ導通する配線区間と、一次コイル111からイグナイタ130の端子tcへ導通する配線区間と、二次コイル112から点火プラグPGへ導通する配線区間と、の各々が形成される。そして、当該配線領域TF1の端点は、ターミナルフレーム170の電気接触部t1〜t7として設けられる。
【0038】
具体的に説明すると、電気接触部t1は、一方でコネクタ端子tb1に導通され他方で接点j1に導通される。電気接触部t2は、イグナイタ130の端子tcに接続される。電気接触部t3は、一次コイル111の入力端(コイル端子11a)に導通される。電気接触部t4は、一次コイル111の出力端(コイル端子11b)に導通される。電気接触部t5は、二次コイル112の一方の端点(コイル端子12a)に導通される。電気接触部t6は、二次コイル112の出力端(コイル端子12b)に導通される。また、電気接触部t7は、点火プラグPGへ導通される。
【0039】
図6(a)は、配線区間TF1の内部配線に関するイメージ図が示されている。このイメージ図は、ターミナルフレーム170の枠状形成体(点線部で図示)に、配線区間TFの内部配線を引き回したものである。そして、
図6(b)は、これを具現化させた配線パターンが示されている。図示の如く、パターンP1は、電気接触部t2から枠状形成体171を辿って電気接触部t4へ導通させている。パターンP2は、電気接触部t3から枠状形成体171を辿って電気接触部t1へ導通させている。当該パターンP2は、電気接触部trへも導通させている。パターンP3は、電気接触部t5と電気接触部tsとを配線させている。また、パターンP6は、グランド中継端子tg3に相当するものである。
【0040】
また、パターンP4は、枠状形成体171に支持されつつ、電気接触部t6,tpを形成させている。同様に、パターンP5は、枠状形成体171に支持されつつ、電気接触部tq,t7を形成させている。パターンP4及びP5は、昇圧電圧が印加されるところ、高圧用配線と呼ぶことがある。また、これに属さないパターンP1〜P3,P6は、低圧用配線と呼ぶことがある。
【0041】
これら配線パターンは、銅材またはアルミ材等の導電性材料が用いられる。一方、枠状形成体171は、絶縁性材料であって、配線パターンの外周面を被覆させている。尚、
図6(b)に示される断面は、配線パターンが現れるような枠状形成体の枠厚保方向の位置でターミナルフレームを切断した断面であって、以後、これを配線平面と呼ぶ。
【0042】
従って、ターミナルフレーム170の外観は、
図6(c)に示す如く、枠状形成体171の内部の配線パターンにおける表面が覆われ、枠状形成体171に覆われない部分が電気接触部(t1〜t7,tp,tq,tr,ts,及び,tg3)として、適宜の空間に現れる。また、ターミナルフレーム170は、枠状形成体171によって囲われている枠内空間領域DR1〜DR3と、当該枠内領域に属さない枠外空間領域DRx(即ち、領域DR1〜DR3の枠外に属する領域DRx)とを形成させている。
【0043】
尚、同図では、電気接触部tr及びtsの間にダイオード114が架橋され、電気接触部tp及びtqの間に雑防抵抗115が架橋され、これら電気的素子は、各電気接触部に溶接・半田接続等が施される。このように、本実施の形態では、点火コイルとして構成される電気的素子をターミナルフレーム170の余裕のある空間へ配置させることで、実装・配線等に係る高密度化を図り、装置全体としての小型化に成功させている。また、これら電気的素子の配線をもターミナルフレーム170へ集約させることにより、配線作業の簡素化が図られている。
【0044】
図6(c)に示す如く、本実施の形態に係るターミナルフレーム170は、枠状形成体171から延在して設けられるか、枠状形成体171の間に橋架して設けられるので、上述した電気接触部を形成する導電構造が配線平面に現れることとなる。このため、全ての電気的接触部は、当該配線平面と略同じ面内に形成されることとなり、ターミナルフレーム170は、プラグホールの中心軸方向について、電気接続個所の統一が図られる。これによると、ステップ6では、溶接ターゲットが同一平面内に集約されるので、溶接装置等の操作(プログラムも含む)が簡素化され其の精度も向上することとなる。また、電気接触部を介して構造形成させる本実施の形態では、このような接続面を設けることで構造の簡素化が図られ、その構造形成を行う加工作業が容易となる。
【0045】
特に、電気接続部t1(第1の電気接続部)は、配線平面の枠外空間領域DRxに現れるよう、当該電気接続部の導電構造が形成される。このため、電気接続部t1は、コネクタ側へ固定させることが可能となり、コネクタ端子tb1との接続作業が容易となる。また、本実施の形態によると、イグナイタ130がコネクタ部120とコイルアセンブリ110との間に配置されているので、電気接続部t1は、イグナイタ130に配備された端子tb2との接続も容易に行い得る。
【0046】
また、電気接続部t7(第3の電気接続部)は、配線平面の枠内空間領域DR3に現れるよう、当該電気接続部の導電構造が形成される。このため、電気接続部t7は、高圧ターミナルと対面するような位置関係となることで、互いの距離が短縮され高圧ターミナルとの導通が容易となる。
【0047】
また、本実施の形態では、コイル端子は枠内空間領域DR1〜DR3に配置されるので、これに導通される電気接触部t3〜t6(第2の電気接触部)も枠内空間領域DR1〜DR3に配置される。このように、本実施の形態に係るターミナルフレーム170には、低圧用配線の他、電気接触部t6〜t7を含む高圧用配線が形成されている。かかるターミナルフレーム170は、特許文献2と比較して配線・電気接触部の集約度が向上されており、これに周辺の部品を接続させることで小型トランスを構成する回路アセンブリ体が完成するので、当該小型トランスの配線作業を簡素化させることとなる。
【0048】
更に、本実施の形態では、ターミナルフレーム170にグランド中継端子tg3(第4の電気接触部)が設けられている。このグランド中継端子tg3は、一方がコイル鉄心113に導通され、他方の環状端がフランジ部150の金属ブッシュ151に接触する。従って、ターミナルフレーム170は、アース電流の中継を容易にし得て、且つ、配線・電気接触部の集約度を更に向上させる。本実施の形態では、かかる配線を可能とするため、グランド中継端子tg3(第4の電気接続部)を配線平面の枠外空間領域DRxに配置させ、当該グランド中継端子の導電構造が形成される。このため、グランド中継端子tg3は、環状端が金属ブッシュ151に達し、ここでの導通接続が容易に行われる。尚、グランド中継端子tg3は、ターミナルフレーム170に形成される電気接触部の一形態である。
【0049】
先に説明したSTEP6では、
図7に示す如く、小型トランスを構成する回路アセンブリ体ASM1を完成させる(STEP6’参照)。回路アセンブリ体ASM1は、リードフレームf1を介してコネクタ端子tb1と電気接続部t1とが接続されている。また、この他のコネクタ端子tg1,ts1についても、
図5の回路図となるようイグナイタ130の端子と適宜に接続される。また、ターミナルフレーム170の高圧側では、リードフレームf2を介して高圧ターミナル161と電気的接触部t7とが接続される。
【0050】
このように、本実施の形態に係る点火コイル100によれば、高圧ターミナル161が配線平面の高圧側へ配置される一方、コネクタ端子tb1〜ts1及びコイルアセンブリ110が配線平面より低圧側に配置され、回路アセンブリ体ASM1が形成される。従って、ターミナルフレーム170は、各構成部の中核的位置に配置されることになるから、一の構成部品から著しく遠い距離に配置されることも起こり得ない。このため、当該ターミナルフレーム170は、各部品に設けられた端子からのアプローチが容易となり、回路アセンブリ体の配線作業及び構造形成も容易になる。
【0051】
また、本実施の形態に係るターミナルフレーム170は、電気接触端子を表面裏面の何れからも露出するように、枠内に空間が形成されている。このため、ターミナルフレーム170は、コイルアセンブリ110と位置合わせされた後、其の逆の面から容易に溶接等の作業が行われる。また、かかるアセンブリに高圧ターミナル161を溶接する際、高圧ターミナル161又はリードフレームf2は其のサイズが限られるので、高圧側から溶接作業を容易に行うことができる。
【0052】
更に、本実施の形態に係るターミナルフレーム170は、コネクタ端子に接続される電気接触部t1はコネクタ側へ配置され、グランド中継端子tg3はフランジ側へ配置されるよう、配線パターンの検討が行われている。即ち、ターミナルフレーム170では、水平方向(コネクタ側−フランジ側)における各部端子からのアプローチも容易とさせており、回路アセンブリ体の配線作業及び構造形成について更なる容易化が図られている。
【0053】
このように、一体構造とされた回路アセンブリ体ASM1は、射出成形用の金型内部に投入され(STEP7)、当該金型内に熱可塑性樹脂が充填・硬化されることにより、回路アセンブリ体ASM1の周囲がモールドされ、点火コイル100の筐体形成が完了する(STEP8)。これにより、高圧端子161の高圧側は一部の面が外部に露出し、金属ブッシュ151もエンジンブロックとの導通面が形成され、コネクタ部120ではコネクタ端子の端片が殻状体の内部で露出することとなる。
【0054】
以上、実施の形態に係る点火コイルについて説明してきたが、特許請求の範囲に記載される内燃機関用点火コイルは、実施の形態に限定されるものではなく、其の発明の技術的思想の範囲において、適宜の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施の形態では枠状形成体が完全なる閉じた空間によって枠内空間領域と枠外空間領域とを区別しているが、本発明では、この枠状形成体が完全な閉じた空間を形成させていなくとも、枠内と枠外とを認めることができる形状であれば、この双方の空間領域が形成されていることとなる。