(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881702
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】平ベルト用の定置洗浄システム
(51)【国際特許分類】
B65G 45/22 20060101AFI20160225BHJP
B65G 23/06 20060101ALI20160225BHJP
B65G 15/42 20060101ALI20160225BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
B65G45/22 C
B65G23/06 A
B65G15/42 A
B08B3/02 F
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-525239(P2013-525239)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-542150(P2013-542150A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2011063991
(87)【国際公開番号】WO2012020142
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年8月5日
(31)【優先権主張番号】12/915,258
(32)【優先日】2010年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/886,460
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/856,578
(32)【優先日】2010年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591270796
【氏名又は名称】ハバシット アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ルッキ
【審査官】
加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/046440(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/095322(WO,A1)
【文献】
特表2012−506353(JP,A)
【文献】
特表2010−517896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 45/22
B65G 23/06
B08B 3/02
B08B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平ベルト(90; 306)用の定置洗浄システムであって、当該定置洗浄システムは、
加圧された流体のソースと流体的に連絡するのに適した開いている第1の端を有する、回転しない中空シャフト(303)と、
前記中空シャフト(303)に回転自在に取り付けられた少なくとも1つのスプロケット(10; 301)であって、前記平ベルト(90; 306)が前記少なくとも1つのスプロケット(10; 301)の上及び周囲を通過するときに、前記少なくとも1つのスプロケット(10; 301)が前記中空シャフト(303)を中心にして駆動される関係で回転する、少なくとも1つのスプロケット(10; 301)と、
互いに横方向に離間された関係で前記中空シャフト(303)の上に取り付けられた複数のノズル部材(300)であって、前記ノズル部材(300)のそれぞれが加圧された流体と流体的に連絡している複数のノズル部材(300)と、を備え、
前記少なくとも1つのスプロケット(10; 301)は、本体(12)を備え、当該本体(12)が対(20)で配置された複数の歯(16,18; 311)を有し、
前記歯の対(20)が、前記スプロケット(10; 301)の回転軸(15)を中心にして角度離間されており、
前記歯の対(20)のそれぞれが、第1の開口(22; 62)によって歯の隣接した対(20)から離間していて、
歯の各対(20)における各歯(16,18; 311)が、第2の開口(24)によって歯の各対(20)における他の歯(16,18; 311)から離間して、
前記本体(12)の最も外側の周辺部が、歯(16,18; 311)のベルト接触表面(26)によって画定されるように、各歯(16,18; 311)のベルト接触表面(26)は、円形であるような凸面であり、
前記ベルト接触表面(26)が、前記スプロケットの周面の50パーセント以上を占めることを特徴とする、定置洗浄システム。
【請求項2】
前記複数のノズル部材(300)は、15度までの角度で前記中空シャフト(303)の長手方向軸に関して角度のあるラインに沿って配列されたフラットなスプレーパターンを提供することを特徴とする、請求項1に記載の定置洗浄システム。
【請求項3】
前記複数のノズル部材(300)は、10度の角度で前記中空シャフト(303)の長手方向軸に関して角度のあるラインに沿って配列されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の定置洗浄システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスプロケットは、前記中空シャフトに沿って配置された複数のスプロケットを備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのノズル部材(300)は、隣接したスプロケット(10; 301)の各対(20)の間に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の定置洗浄システム。
【請求項6】
前記ノズル部材(300)からのスプレーが、前記スプロケット(10; 301)の上にある歯の隣接した対(20)の間に形成された前記第1の開口(22; 62)を通過するように、前記ノズル部材(300)の少なくとも1つが配列されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項7】
第1のノズル部材(300)からのスプレーが、前記第1の開口(22; 62)を通じて、次に続くノズル部材(300)からのスプレーとオーバーラップすることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項8】
前記ノズル部材(300)は、90度乃至120度のスプレー角度を持ったスプレーパターンを生成することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項9】
流体圧が2バール乃至10バールであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項10】
前記スプロケットのピッチ円直径が130mm乃至200mmであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項11】
流体のソースと流体的に連絡したマニホールド(380)と、
前記マニホールド(380)の上に取り付けられて、加圧された流体と流体的に連絡した少なくとも1つのマニホールドのノズル部材(382)と、をさらに備え、
前記マニホールド(380)は、前記平ベルト(90; 306)の上面の近くに設けられていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項12】
前記第1の開口(22; 62)のベルト・インタフェース部分(38)は、前記第1の開口(22; 62)の最大直径の部分より狭いことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1つに記載のる定置洗浄システム。
【請求項13】
前記第1の開口(22)が円形状であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項14】
前記第1の開口(62)が台形形状であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【請求項15】
前記本体(12)の内側部(32)の幅が、前記本体(12)の外側部(34)の幅よりも小さいことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1つに記載の定置洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平ベルト運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平ベルトを駆動するためのスプロケットは、機械加工されるか又は成型されるステンレス鋼又はプラスチックから通常作られている。食品加工用途において、スプロケット駆動は、洗浄するために特に重要な(critical)場所である。バクテリア成長及びベルト上で処理された食品の腐敗を回避するために、スプロケットから及びベルトの後側面に、残った物(residual matter)を周期的に取り除くことができることは重要である。この目的のため、洗浄媒体が側方から通過し、かつ清潔にされる重要な場所に達することを可能にするために、スプロケットが大きな開口を有するように構成されている。かかるスプロケットは、モジュールのベルトとの一緒の使用(for use with)が米国特許出願第12/288,602号明細書に開示される。しかしながら、かかるスプロケットは、理想的には、平(非モジュール)ベルトの用途に適していない。例えば、
図7A乃至7Bに図示されるように、フレキシブルなベルトがスプロケットの周辺部を中心にして力を受ける(forced)とき、歯の形状、及び隣接した対の歯の間の支持体の欠乏によって、ベルトがテンション下にある間に、フレキシブルなベルトが
座屈する(buckle)ことができる。時間とともに、このような
座屈(buckling)は、ベルトの表面上にクラックを含むベルトにダメージをもたらす。
【0003】
従って、フレキシブルなベルトと一緒に使用するスプロケットを組み入れるとともに、上記欠点を回避する、改善された洗浄システムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
この発明は、独立請求項1に係る定置洗浄システムを提供することにより、上記の必要性を満たす。好ましい実施態様が従属請求項から明らかになるであろう。
【0005】
この発明は、平ベルト用のスプロケットを提供する。平ベルトは横断リブ(transverse rib)を有していてもよい。スプロケットはシャフトを中心にして回転する。スプロケットはシャフトを受け入れるための中央開口部を有する。スプロケットは、本体の周辺部(periphery)の周りに配置された複数の歯を有する。本願明細書で非常に詳しく説明されるような洗浄媒体や他の媒体の散布(application)のために、各歯が第1の開口によって隣接した歯から離間するように、歯は軸を中心にして角度離間している。各歯は、形状においてスプロケットの最も外側の周辺部が大略円形であるような凸面形状をしたベルト接触表面を有する。歯のベルト接触表面は、ベルトが
座屈する(buckle)能力を最小にするためにスプロケットの周辺部の周囲にあるベルトをガイドする。
【0006】
第1の開口は、円形状、台形形状、あるいは他の形状であってもよい。第1の開口は、ベルトの裏面を洗浄媒体に露出して構成されている。
【0007】
歯の各々は、更に、対の歯が本体の周辺部の周りに配置されるような第2の歯を備える。対の歯のそれぞれは、第1の開口で隣接した対の歯から離間している。一対の歯の各歯は、第2の開口で対の歯の他方の歯から離間していてもよい。第2の開口は、ベルトのリブと係合するように構成されている。第2の開口は、洗浄媒体がスプロケットとリブとの間を通過することを可能にするために、対応するリブより大きく寸法構成されてもよい。
【0008】
ベルトがスプロケットと係合するとき、洗浄媒体が、第1の開口を通じて、ベルトの裏面に隣接して配置された開口の中にスプレーされるように、洗浄システムはスプロケットの最も近くに配置されてもよい。洗浄システムは、スプロケット及び/又はベルトの方を向いている(point toward)スプレーノズルと組み合わせたマニホールドを含んでもよい。
【0009】
この発明は、参照文字等が図面の全体にわたって同じ又は同様の部品を示す図面において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】平ベルトと一緒に使用するのに適しているスプロケットの斜視図である。
【
図2】フレキシブルなベルトが係合状態にある、
図1A乃至1Cのスプロケットの側面図である。
【
図3】2つのスプロケット、及び、スプロケット上で係合する平ベルトの斜視図である。
【
図4A】平ベルトと一緒に使用するのに適している別のスプロケットの斜視図である。
【
図5】フレキシブルなベルトが係合状態にある、
図4A乃至4Cのスプロケットの側面図である。
【
図6】フレキシブルなベルトが係合状態にある、2つのスプロケットの斜視図である。
【
図7A】従来技術に係るスプロケットの側面図である。
【
図7B】フレキシブルなベルトが係合状態にある、従来技術に係るスプロケットの側面図である。
【
図8】明確にするためにベルトの一部が除去された状態にある、本発明に係る、スプロケット上を横断する(traversing)ベルト及び定置洗浄システムの斜視図である。
【
図9】明確にするために側面及びベルトの一部が除去された状態にある、
図8の定置洗浄システムの側面図である。
【
図10】明確にするために追加の部分が除去された状態にある、
図8及び9の定置洗浄システムの別の側面図である。
【
図11】明確にするためにベルトが除去された状態にある、
図8乃至10の定置洗浄システムの正面図である。
【
図12】本発明の実施態様に係る定置洗浄システムの一部についての回転図(rotated view)である。
【
図13】
図12の定置洗浄システムの一部についての別の回転図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1A乃至1Cは、本体12を有するスプロケット10を図示する。本体12は、ステンレス鋼、プラスチック、又は、食物との適合性を有し且つ容易に洗浄可能である一般に知られている他の適切な材料から構成されていてもよい。スプロケット10は、シャフト(図示せず)と係合するための中央開口部14を含む。シャフトは駆動軸であってもよい。中央開口部14は、シャフトが回転するときに、スプロケット10を回転させるために形づくられてもよい。例えば、中央開口部14は、正方形の形状で形成されていてもよい。このように、スプロケット10は、ベルト90を駆動するためにシャフトと一致する軸15を中心に回転してもよい(例えば
図2を参照)。スプロケット10は、ベルト90がスプロケット10のまわりで動くことによって軸15を中心に回転するアイドリングスプロケットであってもよい。中央開口部14は、この開示に基づいて当業者に明らかであるように、異なったシャフト形状に適応する他の形状で形成されていてもよい。
【0012】
スプロケット10は、本体12の周辺部のまわりに対20で配置された複数の歯16,18を有する。歯16,18のそれぞれは、ベルト接触表面26を有する。ベルト接触表面26は、歯16,18のベルト接触表面26によって画定されるように、スプロケット10の最も外側の周辺部が大略円形であるような凸面形状である。歯16,18のベルト接触表面26によって形成された不連続な円形状は、軸15を中心にして、ベルト90が
座屈する能力を最小にするためにスプロケット10の周辺部のまわりにあるベルト90をガイドする。
【0013】
歯の対20のそれぞれが第1の開口部22によって歯の隣接した対20から離間するように、歯の対20は軸15を中心にして角度離間されている(angularly spaced)。
図2及び3に最もよく示されるようにベルト90がスプロケット10と係合するときに、第1の開口部22はベルト90の裏面(underside)と合致する(align with)ように構成される。このように、第1の開口部22によって、大略スプロケット10及びベルト90に向けてスプレーされた洗浄媒体がベルト90の裏面に届くことが可能になる。第1の開口部22は、ベルト90の
座屈(buckling)を防止するために、歯16,18のベルト接触表面26の必要な量を維持しながら、洗浄媒体がベルト90にアクセスできるように形づくられていてもよい。洗浄媒体は、液体、気体、液体及び気体の混合物、ダスト、泡あるいは洗浄に適しているあらゆる他の形態を含んでもよい(まとめて「媒体」、「流体」又は「洗浄流体」と呼ばれる)。当該媒体は、衛生又は乾燥のような、洗浄の代わりに又は洗浄に加えて他の目的にも役立ってもよい。
【0014】
図1B及び
図2に図示された限定しない実施例では、第1の開口部22は、このようにエッジ28,30を形成するスプロケット10の周辺部と円の弦(chord)が交差する円形状である。そのため、エッジ28,30で作成された小さな周辺部の隙間によって適切なベルト接触表面26が歯16,18の上に残ることができるものの、第1の開口部22の広い円形の生成によって十分な洗浄媒体が循環することができる。エッジ28,30で作成された隙間の適切なサイズは、特定の用途に依存するであろう。例えば、ベルトのスチフネス及び/又はベルトのリブの数や間隔は、多かれ少なかれスプロケットの歯のベルト接触表面による支持を必要とするであろう。開示されたスプロケットの要素によって形成されたエッジ28,30あるいはあらゆるエッジは、面取りされている(beveled)か、丸みを帯びていてもよい。エッジ28,30で形成された隙間は、第1の開口部22のベルト・インタフェース部分38と考えられてもよい。当該ベルト・インタフェース部分38は、第1の開口の最大直径(あるいは最大寸法)の部分よりも狭くてもよい。
【0015】
スプロケット50の別の実施態様が、
図4A乃至6に図示される。
図4A乃至6において、第1の開口部62が台形形状をしている。第1の開口に適している他の形状及びサイズは、この開示に基づいて当業者に明らかになるであろう。第1の開口は、複数の開口を含んでいてもよい。そのため、ベルトは、ベルトのリブの間にある2つ以上の位置で洗浄媒体に露出してもよい。
【0016】
スプロケット10のベルト接触表面26は、スプロケット10の周面のおよそ50パーセントを占めて(make up)もよい(第1の開口部22及び第2の開口部24が、周面の他の50パーセントを占める)。ベルト接触表面26は、用途(例えばベルト・スチフネス、リブの数や間隔等)に依存して、スプロケット10の周面の50パーセント多いか50パーセント少なく占めてもよい(may make up more or less then 50 percent)。
【0017】
歯の対20の歯16,18のそれぞれは、第2の開口部24によって対20の他の歯18,16から離間していてもよい。第2の開口部24は、ベルト90のリブ92と係合するように構成される。第2の開口部24は、先細の(tapered)リブ92を係合させるために先細形状であってもよいが、例えばそれに限定されない。第2の開口部24は、対応するリブ92よりも大きく構成されていてもよい。例えば、第2の開口部24の深さdは、対応するリブ92の高さhよりも大きくてもよい。このように、ベルト90のリブ92のエリアから汚染物質を洗い流すために、ベルト90がスプロケット10によって係合している間に、洗浄媒体がスプロケット10とリブ92との間を通過するようにしてもよい。
【0018】
スプロケット10の本体12は、変化する長手方向の(longitudinal)幅を有してもよい。例えば、
図1Aに最もよく示されるように、本体12の内側部32は、本体12の外側部34の幅Woよりも小さな幅Wiを有してもよい。このように、(外側部34の比較的大きな幅Woにより)大きなベルト接触表面26を提供しながら、(内側部32の比較的狭い幅Wiにより)本体12に必要な材料の体積及び本体12の質量が最小にされてもよい。本体12は、幅がWiからWoまで徐々に増加する遷移部分36をさらに有していてもよい。
【0019】
内側部32の減少した幅Wiは、ベルト90の裏面への(特に、2つのスプロケットの間に位置するベルト90の一部分への)洗浄媒体のアクセスを改善するという利益を有する(例えば、洗浄媒体のV字形のスプレーが、減少した幅Wiによって妨害されないことを示す
図8を参照)。
【0020】
図2に移ると、ベルト90と係合するスプロケット10が示されている。歯16,18のベルト接触表面26は、スプロケット10の周辺部のまわりにあるベルトと容易に係合する。第2の開口部24はベルト90の横方向の(transverse)リブ92と係合する。また、第1の開口部22は、大きな開口を提供するとともに、ベルト90の
座屈(buckling)のリスクを最小にするために十分なベルト接触表面26を維持しながら、ベルト90がスプロケット10を通り過ぎるときに洗浄のためにベルト90の裏面への改善されたアクセスを提供する。スプロケットの第1の開口部22及び内側部30と、遷移部分34と、外側部32との関係は、ベルト90への洗浄媒体の改善されたアクセスを可能にする。同様に、第2の開口部24での本体12の変化する幅は、リブ92への洗浄媒体の改善されたアクセスを可能にする。
【0021】
上述されたスプロケットは、スプロケットの位置にかかわらずベルトの裏面が一般にアクセス可能であるように構成されている。以下に詳細に記述されたスプレー技術と結合されたこのスプロケットの構成は、平ベルトの最適な洗浄を提供する。
図8乃至13に示されたように、スプレーノズル300がスプロケットシャフト303の上に配置される。スプロケットシャフト303は、静止の(stationary)中空シャフト又は厚肉管からなる。スプロケット301は、スチール又は他の材料から構成されているか又はセラミック又はプラスチックのコーティングで覆われているシャフト303を中心に回転する。洗浄媒体は、入口304を通じて中空シャフト303の中に入り、中空シャフト303を通過し、ノズル300を通じてスプレー302として中空シャフト303を出る。
図11乃至13に最もよく示されるように、ノズル300は、スプロケット間のシャフト303の上に主に配置される。シャフト303の端部から延在する湾曲部307の端部に配置されたノズル300があってもよい。シャフト303の上でのノズル300の配置は、以下に非常に詳しく説明されるように、最適なスプレー角度αを備える。スプレー302は、媒体の消費を最小にするとともに、スプロケットの歯311の間に且つベルト306の裏面308の上にある開口k(
図9)にスプレーが入る能力を高めるために、大略フラットであるように構成されている(
図13に最もよく示される)。
【0022】
以下に非常に詳しく説明されるように、洗浄媒体の最小消費での最良の洗浄性能は、スプロケットの直径(つまりベルト表面からのスプレーノズルの距離)に対してスプレー角度及び圧力の組み合わせで達成される。洗浄媒体の温度も、特定のプロセスに適するように構成されている必要がある。洗浄媒体の供給は、洗浄媒体の最小限の使用のためにスプレー時間を制限するようにカスタマイズされたプログラムによって制御されてもよい。当該プログラムは、需要家の生産プロセスの特定の要求に適合するように構成されていてもよい。
【0023】
図8に示されるように、フラットなコンベヤーベルト306のアイドリング又は非駆動のシャフト303の上に本発明の定置洗浄システムが設置されてもよい。ベルト306が複数のスプロケット301の上を走行する(run over)。それらのスプロケット301は、静止の中空シャフト又は厚肉管303に回転自在に取り付けられる。シャフト303は、スプロケット301の間に配置された多くのスプレーノズル300を備えている。ベルト306がスプロケット301の上を通過するとき、スプレーはベルト306の裏面308の方向を向いている。スプレーは、おおよそ半径方向を向いている。上述されたように、ベルト306の裏面308の大部分がカバーされずに洗浄媒体が裏面に衝突するように、スプロケット301が作られている。
【0024】
図12に移ると、明確にするために、ベルト306及び他の構成要素が除去された状態での定置洗浄システムが示されている。隣接したスプロケット301の中心線330間の距離dは、スプレーが到達(travel)しなければならない距離を決定するとともに、スプレー角度αによって決定される。スプレー角度αが大きくなると、スプロケット301を更に離して配置することができる。示されるように、一対の支持体329は静止の中空シャフト303を適切な位置で保持する。スプレーパターンは両側でオーバーラップする。
【0025】
図11に移ると、スプレーのオーバーラップは、スプロケットの歯の間にある開口kを通じてベルトの裏面に洗浄媒体が衝突することを可能にするのに十分である。
【0026】
図13において、スプレーノズル300は、大略フラットであり、従って、スプロケットの歯の間にある開口kに入ることが良くなり、リブ−係合の隙間に入ることが良くなるスプレーパターン302を有する。スプレーノズル300は、シャフト303の中心線340に対して角度βで配列されている。この角度βは、5乃至15度であり、好適には10度である。この角度βは、隣接したノズル300のスプレーパターン間の乱れ(disturbance)を回避するとともに、スプロケットの両側から開口及び隙間を通じてのスプレー媒体の浸透(penetration)を確保する。オーバーラップの結果として、ベルト表面が完全にカバーされる。
【0027】
以下の表は、ピッチ円直径(pitch diameter)が165mmであるスプロケットに対するスプレー形状を示す。
【0029】
スプロケットのピッチ円直径は、130mm(5インチ)よりも小さくあるべきでなく、200mm(8インチ)よりも大きくあるべきでない。他のスプロケット・サイズについて、スプレー角度及び/又はスプレー/スプロケットの距離が調節されてもよい。上に特定されたノズルは、いくつかのソースから市販されて入手可能な有名ブランドである。この開示に基づいて当業者に明らかであるように、他のノズルも適切であろう。
【0030】
この発明の定置洗浄システムは、ベルト306の上面384の上に清浄媒体をスプレーするように構成されたスプレーノズル382を含む上面洗浄マニホールド380をさらに含んでもよい(例えば、
図8、10及び11を参照)。
【0031】
この発明は、ある実施態様に関して記載されているが、記載された特定の形態に発明の範囲を限定することを意図していない。しかしながら、これに反して、添付の請求項によって規定された発明の範囲の中に含まれるような代替物や変形物や等価物をカバーすることを意図している。
【0032】
関連出願への相互参照
この出願は、2010年8月13日に出願された米国特許出願第12/856,578号明細書と、2008年10月22日に出願された米国特許出願第12/288,602号明細書(2007年2月8日に出願された一部継続出願第11/672,568号明細書)の利益を主張する。米国特許出願第12/856,578号明細書及び米国特許出願第12/288,602号明細書は参照によって本願に組込まれる。