特許第5881710号(P5881710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881710
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】電動歯ブラシ用の交換式ヘッド部
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/34 20060101AFI20160225BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20160225BHJP
   A46B 13/02 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   A61C17/34 E
   A61C17/22 C
   A46B13/02
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-529649(P2013-529649)
(86)(22)【出願日】2011年9月22日
(65)【公表番号】特表2013-537824(P2013-537824A)
(43)【公表日】2013年10月7日
(86)【国際出願番号】EP2011066493
(87)【国際公開番号】WO2012038501
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年9月2日
(31)【優先権主張番号】1016209.7
(32)【優先日】2010年9月24日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501390806
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline Consumer Healthcare GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100140246
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 康重
(72)【発明者】
【氏名】ラインボルト,クラウス
【審査官】 武井 健浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−505742(JP,A)
【文献】 米国特許第06092252(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/34
A46B 13/02
A61C 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシハンドル上のコネクタと結合する接続部を長手方向の一端に有する細長いスリーブを備え、該スリーブは、前記長手方向の他端に設けられた剛毛支持体台と、該剛毛支持体台上に設けられ、前記スリーブの前記長手方向に交差する回転軸線周りの回転運動をする剛毛支持体と、前記スリーブの部分に沿って前記長手方向に延在し、前記スリーブの前記長手方向に沿う回転軸線を中心とする回転運動をするように設けられたヘッド駆動シャフトと、を有する電動歯ブラシ用の交換式ヘッド部であって:
前記スリーブは、可撓性領域を含み、該可撓性領域は、使用中の前記剛毛支持体に作用する圧力の下で、前記剛毛支持体と前記可撓性領域との間の前記スリーブの部分が前記接続部に対して動くことを許容し、
前記接続部から前記長手方向に最も離れた前記ヘッド駆動シャフトの末端には、球状ヘッド駆動シャフト軸受部が隣接し、前記スリーブは、前記球状ヘッド駆動シャフト軸受部を収容する対応のヘッド駆動シャフト軸受部収容キャビティを有し、
前記ヘッド部は、前記ヘッド駆動シャフトの回転を該シャフトの長手方向に交差する回転軸線周りの前記剛毛支持体の回転へ変換する伝動システムを含み、該伝動システムは、前記ヘッド駆動シャフトから延在する偏心ピンであって、前記接続部から長手方向に最も離れた前記ヘッド駆動シャフトの末端の近傍から、前記ヘッド駆動シャフトの回転軸線に対して放射状の方向に前記ヘッド駆動シャフトから離間したピン端まで延在する偏心ピンを備えると共に、前記ピン端に隣接する球状ピン軸受部を有し、
前記剛毛支持体は、該剛毛支持体内に前記球状ピン軸受部を収容するため、該剛毛支持体の回転軸線から放射状に離間した球状ピン軸受部収容キャビティを有し、該球状ピン軸受部収容キャビティは、前記ヘッド駆動シャフトが該ヘッド駆動シャフトの回転軸線周りの揺動式の回転運動で動く時に、前記球状ピン軸受部が前記剛毛支持体の前記球状ピン軸受部収容キャビティの前記回転軸線周りの円周方向に離間した一対の面に負荷を与えることにより、前記剛毛支持体が揺動式の回転運動で動かされるような寸法にされていることを特徴とする、交換式ヘッド部。
【請求項2】
前記剛毛支持体は、揺動式の回転運動をするように設けられている、請求項1に記載の交換式ヘッド部。
【請求項3】
前記剛毛支持体の回転軸線は、前記スリーブの長手方向に対して80〜90°以内である、請求項1又は2に記載の交換式ヘッド部交換式ヘッド部。
【請求項4】
前記ヘッド駆動シャフトは、揺動式の回転運動をするように取り付けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項5】
前記可撓性領域は、前記接続部に最近傍の前記スリーブの前記長手方向の半分に位置する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項6】
前記可撓性領域は、使用中の前記剛毛支持体に作用する圧力の下で、前記剛毛支持体と前記可撓性領域との間の前記スリーブの部分が、前記接続部に対して前記剛毛支持体の前記回転軸線と平行な平面内で円弧状に動くことを許容する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項7】
前記ヘッド駆動シャフトは、前記スリーブの部分が動く時に可撓的に屈曲可能である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項8】
前記ヘッド駆動シャフトは、可撓性プラスチック材料で作られ、前記球状ヘッド駆動シャフト軸受部は、別個の部分として金属で作られて前記駆動シャフトに取り付けられている、請求項7に記載の交換式ヘッド部。
【請求項9】
前記駆動シャフトの前記末端に隣接する前記球状軸受部を収容する前記スリーブの軸受キャビティは、円筒状のキャビティである、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項10】
前記スリーブ軸受キャビティは、金属で内面被覆され、前記スリーブの前記プラスチック材料内の円筒状内周面のインサートにより設けられている、請求項8又は請求項9に記載の交換式ヘッド部。
【請求項11】
前記偏心ピンは、前記ヘッド駆動シャフトの前記回転軸線に対して放射状の方向に前記ヘッド駆動シャフトに交差して延在するピン部分を備え、該ピン部分は、前記ピン端まで前記ヘッド駆動シャフトと平行に延在するピン部分に接続されている、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項12】
前記球状ピン軸受部は、別個の部分として金属で作られて前記ピンに取り付けられている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項13】
前記球状ピン軸受収容キャビティは、前記剛毛支持体の前記回転軸線から外向きに放射状に位置する前記剛毛支持体の表面に開口部を備える、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項14】
前記球状ピン軸受収容キャビティは、プラスチック面を持つか又は金属で内面被覆されている、請求項13に記載の交換式ヘッド部。
【請求項15】
剛毛が延在する前記剛毛支持体の前記表面から最も離れた前記ピン軸受収容キャビティの側が閉鎖又は狭窄され、前記剛毛支持体台から前記剛毛支持体を取り除く傾向がある力が前記剛毛支持体に加えられた際に、前記剛毛支持体が前記ピン及び/又はピン軸受部に接して、このような力に抵抗する、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の交換式ヘッド部分と組み合わせて、交換式又は充電式電池のような電源と、前記電源により動力供給される電気モータとを含むハンドルを備える電動歯ブラシ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動歯ブラシに係り、特に電動歯ブラシ用の交換式ヘッド部に関する。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシは周知である。一般的に、電動歯ブラシは、例えば交換式又は充電式電池等の電源及び該電源を動力源とする電気モータを含むハンドルを備える。一般に、該ハンドルからはハンドル駆動シャフトが延在し、該ハンドル駆動シャフトと前記モータとの間の伝動手段が該駆動シャフトを連続式又は揺動式の回転運動で回転させる。一般に、ハンドル駆動シャフトには交換式ヘッド部用のコネクタが隣接する。典型的には、ハンドル駆動シャフトがコネクタを貫通する。
【0003】
一般的に、交換式ヘッド部は、細長いスリーブを備える。該細長いスリーブは、長手方向の一端に前記ハンドルのコネクタと結合する接続部を有し、長手方向の他端に剛毛支持体台を備え、該剛毛支持体台上に剛毛支持体が取り付けられ、該剛毛支持体はスリーブ長手方向に概略交差する回転軸線を中心とする連続式又は揺動式の回転運動に供される。一般に、ヘッド駆動シャフトは、前記のスリーブの部分の長手方向に沿ってかつ該スリーブの部分内に延在し、前記接続部と前記コネクタとの係合により前記ヘッド部が前記ハンドルに接続される際に、前記ハンドル駆動シャフトと接続される前記接続部の最近傍である端に、例えばスプラインソケット等の接続部を有する。一般に、このようなヘッド駆動シャフトは、該シャフトの長手方向と概略整合する回転軸線を中心とする連続式又は揺動式の回転運動のいずれかで回転する。
【0004】
一般的に、ヘッド駆動シャフトと剛毛支持体との間には、シャフトの長手方向に沿う軸線を中心とする前記ヘッド駆動シャフトの回転を該シャフトの長手方向に交差する回転軸線を中心とする剛毛支持体の回転へ変換する、伝動システムが存在する。
【0005】
多くのこのような歯ブラシが知られている。例えば、国際公開第91/07117号は、係合する二つのクラウン歯車を備える伝動システムを有する電動歯ブラシを開示する。例えば、米国特許第5,625,916号は、回転ヘッド駆動シャフトを備える汎用の伝動システムを開示する。この回転ヘッド駆動シャフトは、中心からずれた偏心ピンを有し、該偏心ピンは、ヘッド駆動シャフトの回転軸線に対して放射状の方向に延在し、円筒状剛毛支持体の側面の孔と係合し、これにより、ヘッド駆動シャフトはその回転時に剛毛支持体を揺動式の回転運動で回転させる。独国実用新案第202008005856号及びスイス国特許第688537号は、類似のシステムを開示する。
【0006】
歯ブラシの使用中、剛毛支持体に加えられた圧力の作用の下で可撓性を有する電動歯ブラシ用の交換式ヘッド部を提供することも知られている。例えば、欧州特許出願公開第1186254号は、弾性屈曲ゾーンを含むヘッド部であって、該屈曲ゾーンの長手方向の一側で該屈曲ゾーンがスリーブ部を二つの部分に分割するヘッド部を開示する。例えば、欧州特許出願公開第0510940号において、剛毛支持体とハンドルとの間に可撓性ゾーンを組み込む電動歯ブラシヘッド部の様々な他の構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第91/07117号
【特許文献2】米国特許第5,625,916号
【特許文献3】独国実用新案第202008005856号
【特許文献4】スイス国特許第688537号
【特許文献5】欧州特許出願公開第1186254号
【特許文献6】欧州特許出願公開第0510940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のようにヘッド部が可撓性を有する場合、偏心ピンを用いる上述の汎用の伝動システムには、ピンとヘッド部との間の摩擦接触を最適化し、ヘッド駆動シャフトと剛毛支持体との間の伝動システムにおいて均一な力を維持するという現在進行中の課題が残る。本発明の目的は、この課題に対処することである。本発明の他の目的及び利点は、以下の説明により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、電動歯ブラシハンドル上のコネクタと結合する接続部を長手方向の一端に有する細長いスリーブを備え、該スリーブは、前記長手方向の他端に設けられた剛毛支持体台と、該剛毛支持体台上に設けられ、前記スリーブの前記長手方向に交差する回転軸線周りの回転運動をする剛毛支持体と、前記スリーブの部分に沿って前記長手方向に延在し、前記スリーブの前記長手方向に沿う回転軸線を中心とする回転運動をするように設けられたヘッド駆動シャフトと、を有する電動歯ブラシ用の交換式ヘッド部であって:
前記スリーブは、可撓性領域を含み、該可撓性領域は、使用中の前記剛毛支持体に作用する圧力の下で、前記剛毛支持体と前記可撓性領域との間の前記スリーブの部分が前記接続部に対して動くことを許容し、
前記接続部から前記長手方向に最も離れた前記ヘッド駆動シャフトの末端には、球状ヘッド駆動シャフト軸受部が隣接し、前記スリーブは、前記球状ヘッド駆動シャフト軸受部を収容する対応のヘッド駆動シャフト軸受部収容キャビティを有し、
前記ヘッド部は、前記ヘッド駆動シャフトの回転を該シャフトの長手方向に交差する回転軸線周りの前記剛毛支持体の回転へ変換する伝動システムを含み、該伝動システムは、前記ヘッド駆動シャフトから延在する偏心ピンであって、前記接続部から前記長手方向に最も離れた前記ヘッド駆動シャフトの末端の近傍から、前記ヘッド駆動シャフトの回転軸線に対して放射状の方向に前記ヘッド駆動シャフトから離間したピン端まで延在する偏心ピンを備えると共に、前記ピン端に隣接する球状ピン軸受部を有し、
前記剛毛支持体は、該剛毛支持体内に前記球状ピン軸受部を収容するため、該剛毛支持体の回転軸線から放射状に離間した球状ピン軸受分収容キャビティを有し、該球状ピン軸受部収容キャビティは、前記ヘッド駆動シャフトが該ヘッド駆動シャフトの回転軸線周りの揺動式の回転運動で動く時に、前記球状ピン軸受部が前記剛毛支持体の前記キャビティの前記回転軸線周りの円周方向に離間した一対の面に負荷を与えることにより、前記剛毛支持体が揺動式の回転運動で動かされるような寸法にされていることを特徴とする、交換式ヘッド部が提供される。
【0010】
二つの前記球状軸受部を設けることにより、使用中の可撓性のヘッド部が屈曲する際に、ヘッド駆動シャフトとスリーブとの間、及び、ピンと剛毛支持体との間の摩擦を最適化し、伝動システムにおいてヘッド駆動シャフトと剛毛支持体との間で均一な力を維持するのに役立つということが見出された。
【0011】
好ましくは、前記剛毛支持体は、揺動式の回転運動をするように取り付けられている。好ましくは、前記剛毛支持体の回転軸線は、前記スリーブの長手方向と略垂直であり、例えば、前記スリーブの長手方向に対して80〜90°以内である。前記剛毛支持体は、剛毛が延在する表面を有する。
【0012】
好ましくは、前記ヘッド駆動シャフトは、揺動式の回転運動をするように取り付けられている。
【0013】
好ましくは、ハンドルのモータ及び伝動部は、揺動式の回転運動を前記ハンドル駆動シャフトへ伝達するために配置されている。
【0014】
好ましくは、前記可撓性領域は、前記接続部に最近傍の前記スリーブの長手方向の半分に位置する。例えば、このような可撓性領域は、前記接続部に最近傍の前記スリーブの端から、前記接続部と剛毛支持体台との間の距離の30%までの範囲に延在することができる。好ましくは、前記可撓性領域は、合成プラスチック材料‐エラストマー材料領域を備える。例えば、前記スリーブを、当該技術分野で一般的であるポリプロピレンのようなプラスチック材料で作ることができ、前記スリーブは、該スリーブの中に、例えば、前記スリーブのプラスチック材料壁を完全に貫通する開口部を有してもよく、該開口部は、熱可塑性エラストマー材料などの弾性的可撓性エラストマー材料を含む。このような可撓性領域は、既知の過程、まず開口部を含むプラスチック材料スリーブを射出成形し、このように成形されたスリーブを別の射出成形金型に入れ、エラストマー材料を開口部内に射出成形することにより作ることができる。
【0015】
好ましくは、前記可撓性領域は、使用中の前記剛毛支持体に作用する圧力の下で、剛毛支持体と可撓性領域との間のスリーブの部分が、前記接続部に対して前記剛毛支持体の回転軸線と平行な平面内で円弧状に動くことを許容する。10°まで、例えば5°までの動きは、使用中の過度のブラッシング圧力を軽減するのに十分に役立つと思われる。
【0016】
好ましくは、前記ヘッド駆動シャフトは、前記剛毛支持体と前記可撓性領域との間の前記スリーブの部分が動く時に可撓的に曲がることができる。前記ヘッド駆動シャフトをPOM(ポリオキシメチレン)のような可撓性プラスチック材料で作ることができる。例えば、前記ヘッド駆動シャフトは、可撓性を高めるため、長手方向に交互に配された幅広部と幅狭部とを備えることができる。
【0017】
好ましくは、前記接続部から前記長手方向に最も離れた前記ヘッド駆動シャフトの末端には、球状ヘッド駆動シャフト軸受部が隣接する。本明細書で用いられる用語「球」及びその派生語は、楕円球及び偏球を含む。前記ヘッド駆動シャフト軸受部は、前記スリーブの屈曲動作中、該ヘッド駆動シャフト軸受部の球面が前記軸受キャビティに接し続ける程度に、該ヘッド駆動シャフト軸受部の外面の十分な大部分にわたって球状とすることができる。該駆動シャフト軸受部は、前記駆動シャフトと一体的な部分を含むことができ、または代わりに、例えば、軸受部への摩耗の影響を最小限に抑えるため、軸受部を別個の部分として金属で作り、前記駆動シャフトに取り付けることができる。
【0018】
前記駆動シャフトの末端に隣接する前記球状ヘッド駆動シャフト軸受部を収容する前記スリーブ軸受収容キャビティを、例えば円筒状のキャビティとすることができる。該円筒状のキャビティを、前記剛毛支持体台に隣接する前記スリーブのプラスチック部分内にプラスチック面を持つキャビティとすることができるが、特に、前記軸受部自体が金属で作られている場合、好ましくは、前記スリーブ軸受収容キャビティは、金属で内面被覆される。例えば、該キャビティは、前記スリーブのプラスチック材料内の円筒状内周面のインサートにより設けることができる。
【0019】
好ましくは、前記偏心ピンは、前記ヘッド駆動シャフト上の位置であって、前記剛毛支持体台に最近傍の該駆動シャフトの末端からわずかな距離だけ離れた位置から延在する。好ましくは、偏心ピンは、ヘッド駆動シャフトの回転軸線に対して放射状の方向に前記ヘッド駆動シャフトに交差して延在するピン部分を備え、該ピン部分は、前記ピン端までヘッド駆動シャフトと平行して延在するピン部分に接続されている。前記球状ピン軸受部を、(球がピンと連結する場所を除いて)完全な球とすることができる。該球状ピン軸受部は、該ピン軸受部の球面が、前記スリーブの部分の動作中に前記軸受キャビティに接し続ける程度に、該球状ピン軸受部の外面の十分な大部分にわたって球状とすることができる。該球状ピン軸受部は、前記ピンと一体的な部分を含むことができ、または代わりに、例えば、該球状ピン軸受部への摩耗の影響を最小限に抑えるため、この部分を別個の部分として金属で作り、前記ピンに取り付けることができる。
【0020】
典型的に、前記ピン軸受収容キャビティは、前記剛毛支持体の前記回転軸線から外向きに放射状に位置する前記剛毛支持体の表面に溝又は他の形状の開口部を備えることができる。前記ピン軸受収容キャビティは、前記ヘッド駆動シャフトが揺動式の回転運動で動くことで前記ピン軸受部が相互に横方向に動き、該ピン軸受部が前記剛毛支持体の回転軸線周りの円周方向に離間する前記キャビティの側面に負荷を与えることにより、これに応じて前記剛毛支持体が揺動式の回転運動で動かされるような寸法にされている。
【0021】
前記剛毛支持体は、前記剛毛が延在する表面を有する。該表面から最も離れた前記ピン軸受収容キャビティの側が閉鎖又は狭窄され、前記剛毛支持体台から前記剛毛支持体を取り除く傾向がある力が前記剛毛支持体に加えられた際に、前記剛毛支持体が前記ピン及び/又は前記ピン軸受部に接して、このような力に抵抗することが好ましい。このことは、剛毛支持体を台上に保持するのに役立つことができる。この構造は、幾つかの国の安全要件に従って、剛毛支持体のいわゆる「引張強度」を改善することができる。しばしば、電動歯ブラシヘッドでは、剛毛支持体を剛毛支持体台上に保持するのに役立つように、剛毛支持体台に該剛毛台のキャビティと係合するリテーナピンを設け、前記キャビティの前述の閉鎖又は狭窄は、このようなリテーナピンの作用を補完することができることが既知である。
【0022】
典型的に、前記剛毛支持体を、例えばPOM(ポリオキシメチレン)等のプラスチック材料で作ることができ、成形処理中に前記キャビティが形成される射出成形により作ることができる。この軸受収容キャビティは、プラスチック面を持つこともでき、又は、金属で内面被覆されることもできる。
【0023】
剛毛支持体は、その回転軸線を中心としてほぼ円筒状とすることができる。典型的に、前記剛毛支持体の前記剛毛支持体台への取り付けは、該台と剛毛支持体との間の軸により行うことができる。典型的に、このような軸は金属ピン軸である。
【0024】
本明細書中の用語「剛毛」及びその派生語は、あらゆる種類の口腔洗浄要素を意味し、例えば、ナイロン又はPBT(ポリブチレンテレフタレート)で作られた繊維剛毛を意味し、これらを、例えば、毛先が丸い円筒状とすることができ、又は、例えば欧州特許第0596633号で開示されているような先細にすることができる。或いはまた、このような要素を、例えば当該技術分野で既知であるタイプの指状、細条、層板などのようなエラストマー材料で作ることができる。このような要素の組み合わせを用いることができる。
【0025】
本発明の歯ブラシヘッドの他の部分は、その他の従来のものとすることができる。
【0026】
例えば、前記接続部は、Oral‐B(登録商標)電動歯ブラシから周知であるタイプのような、歯ブラシハンドル上の対応のコネクタと接続するのに適する既知のタイプの押し嵌め、ねじ嵌め又はバイオネット接続とすることができる。前記接続部は、例えば米国特許第3,369,265号に開示されているような、スリーブの内部輪郭をコネクタの外部輪郭に適応させる、挿入可能なアダプタを備えることができる。
【0027】
本発明の歯ブラシヘッド部は、交換式又は充電式電池のような電源、及び、該電源により動力供給される電気モータを含む既知のタイプの歯ブラシハンドルと共に使用するのに適する。典型的に、このようなハンドルは、該ハンドルから延在する駆動シャフトを有し、該駆動シャフトは、揺動式の回転運動で回転するように作られることができ、ヘッド部駆動シャフトと結合する。
【0028】
次に、添付の図面のみを参照した例示として、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の歯ブラシヘッドの長手方向断面図である。
図2】長手方向及び長手方向に交差する方向に沿って見た伝動システムの2つの概略図である。
図3】歯ブラシヘッドが、どのように歯ブラシハンドルと係合するかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、同図は本発明の歯ブラシヘッド部10を概略的に示している。歯ブラシヘッド部10は、長手方向L‐Lを有する細長い中空スリーブ11を備え、該中空スリーブ11は、長手方向の一端に、電動歯ブラシハンドル(図示せず、図3参照)のコネクタ(図示せず、図3参照)と結合する接続部12を有する。該接続部12は、従来のバイオネット接続又は押し嵌め接続である。
【0031】
スリーブ11の反対側の端は軸14を備える剛毛支持体台13とされ、軸14上に取り付けられた剛毛支持体15は、軸14により規定されてスリーブの長手方向L‐Lに交差する回転軸線R‐R周りに該軸上で回転可能である。剛毛支持体15の表面15A上には、回転軸線R‐Rと平行な方向に延在する剛毛16が取り付けられている。リテーナピン17は、剛毛支持体15の円周溝28と係合して剛毛支持体15を台13上に保持すると共に、軸14上の剛毛支持体15の回転を制限し、これにより剛毛支持体15の回転が揺動式の回転運動に制限される。この全体的な構成は従来通りである。
【0032】
ヘッド駆動シャフト18は、スリーブ11の部分の長手方向に沿ってかつスリーブ11の部分内に延在し、スリーブ11内でスリーブ11の長手方向L‐Lと同軸の回転軸線周りの揺動式の回転運動をするように取り付けられている。
【0033】
スリーブ11は可撓性領域19を備え、該可撓性領域19は、使用中の剛毛支持体15に作用する圧力の下で、剛毛支持体台13と可撓性領域19との間のスリーブの部分が接続部12に対して動許容する。可撓性領域19は、合成プラスチック材料‐エラストマー材料領域を備える。該合成プラスチック材料‐エラストマー材料領域は、スリーブのプラスチック材料に開口を有する熱可塑性エラストマー材料20を含む、例えばポリプロピレンなどのプラスチック材料で作られたスリーブ11によって構成される。可撓性領域19は、接続部12に最近傍のスリーブ11の端から、接続部12と剛毛支持体台13との間の距離の約30%に亘って延在する。可撓性領域18は、使用中の剛毛支持体15に作用する圧力の下で、剛毛支持体13と可撓性領域18との間のスリーブ12の部分が、接続部12に対して剛毛支持体15の回転軸線R‐Rと平行な平面すなわち図面の平面内で円弧状に動くことを許容する。
【0034】
ヘッド駆動シャフト18は、例えばPOM(ポリオキシメチレン)などの可撓性プラスチック材料で作られている。該ヘッド駆動は、長手方向において交互に配された幅拡部181及び幅狭部182を備えることで可撓性を高め、すなわち幅狭部182の撓みを助長する。
【0035】
接続部12から長手方向に最も離れたヘッド駆動シャフト18の端に隣接して、球状ヘッド駆動シャフト軸受部21が存在する。スリーブ12は、軸受部21を収容する対応のヘッド駆動シャフト軸受部収容キャビティ22を有する。軸受部21は、シャフト18の端に配置された金属ピンの形態で設けられ、シャフト18から遠く離れた軸受部21の端は、球形状に形成されている。キャビティ22は、球状軸受部21の外径に厳密に対応する円筒状内周面の金属シリンダの形態で設けられている。
【0036】
ヘッド部10は、ヘッド駆動シャフト18の揺動式の回転を、シャフト長手方向L‐Lと交差する回転軸線R‐R周りの剛毛支持体15の揺動式の回転へ変換する伝動システムを包む。この伝動システムは、接続部12から長手方向に最も離れたヘッド駆動シャフト18の末端に隣接してヘッド駆動シャフト18から一体的に延在する偏心ピン23を備える。このピン23は、長手方向L‐Lに交差して延在するシャフト18近傍の第1部分231と、ヘッド駆動シャフト18の回転軸線に対して放射状の方向にヘッド駆動シャフト18から離間したピン端24まで、長手方向と平行して延在する第2部分232とを備える。このピン端24は、球状ピン軸受部の形態をとり、前記部分232の端に配置された金属ピンであり、接続部12から遠く離れたピン端24の端は球状に形成されている。
【0037】
回転軸線R‐Rから放射状に離間する剛毛支持体15の表面には、球状ピン軸受部24を収容する球状ピン軸受部収容キャビティ25が存在する。キャビティ25は、ヘッド駆動シャフト18が回転軸線L‐L周りの揺動式の回転運動で動く時に、球状ピン軸受部24が剛毛支持体15の前記キャビティの回転軸線R‐Rの周りの円周方向に離間した一対の側面に交互に負荷を与えることにより、剛毛支持体15が軸線R‐R周りの揺動式の回転運動で動かされるような寸法にされている。
【0038】
ヘッド駆動シャフト18の端には、一体的拡張部27の内側にスプラインソケット26(概略的に図示する)が形成され、従来の方式により歯ブラシハンドル(図示せず、図3参照)の駆動シャフト(図示せず、図3参照)と係合できるようになっている。
【0039】
図2は、図1の歯ブラシヘッド部の伝動システムの動作の概略図である。2つの図は、それぞれ、長手方向軸線L‐Lに沿って及び長手方向軸線L‐Lに交差して見た図を示す。ヘッド駆動シャフト18が軸線L‐Lを中心とする揺動式の回転運動で回転すると、偏心ピン23は左右に揺動し、球状ピン軸受部24は、回転軸線R‐Rを中心として円周方向に離間するキャビティ25の側面25A,25Bを交互に押圧する。これは、剛毛支持体15に剛毛支持体15自体の回転軸線R‐Rを中心とする、対応の揺動式の回転運動を生じさせる。
【0040】
歯磨き中の圧力の下でシャフト17及びヘッド駆動シャフト18がどれだけ屈曲しても、また、その結果として軸受部21,24にそれぞれの軸受キャビティ22,25内でどれだけ動きを生じさせても、球状軸受部21,24により該部分21,24の球面はそれぞれのキャビティ22,25との接触を維持することが分かる。これにより、ヘッド駆動シャフト18とキャビティ22との間、及び、ピン23と剛毛支持体15のキャビティ25との間の駆動力及び摩擦は、適切に一定に維持され、使用時の摩耗及び振動を最小限にすることができる。
【0041】
図2は、剛毛16が延在する表面15Aから最も離れたピン軸受収容キャビティ25の側26が、壁部26によりどのように閉鎖されるかも示す。図2から分かるのは、剛毛支持体台(図2に図示せず)から剛毛支持体15を外すような力が剛毛支持体15に加えられた場合、剛毛支持体15の壁部26は、ピン軸受部24に隣接して接触ことでこのような力に抵抗し、前記支持体台上の剛毛支持体15の保持を補助し、剛毛支持体15の溝28内のリテーナピン17の作用を補完することである。
【0042】
図3は、歯ブラシヘッド10が、どのように電動歯ブラシのハンドル30と係合するかを概略的に示す。ハンドル30は、交換式又は充電式電池等(図示せず)の電源、及び、該電源により動力供給される電気モータ(図示せず)を含む。ハンドル30からはハンドル駆動シャフト31が延在し、前記モータと前記ハンドル駆動シャフトとの間には、駆動シャフト31を揺動式の回転運動で回転させる伝動手段(図示せず)が存在する。ハンドル駆動シャフト31には交換式ヘッド部10用のコネクタ32が隣接し、ハンドル駆動シャフト31はコネクタ32を貫通する。使用中、コネクタ32は、歯ブラシヘッド10の接続部12と雄雌の連携で係合し、このように接続されると、駆動シャフト31は、雄雌の連携でソケット26と係合し、これにより、駆動シャフト31はシャフト18を駆動することができる。
図1
図2
図3