(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記α−オレフィンが、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、またはその混合物を含む、前記請求項1〜2のいずれかに記載の潤滑組成物。
前記エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水イタコン酸、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、エチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物またはその混合物を含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
前記アルコールが、鎖状もしくは分枝状のアルコール、環式もしくは非環式のアルコール、またはこれらの特徴の組合せである、前記請求項1〜8のいずれかに記載の潤滑組成物。
前記アミノアルコールが、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、セリノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロパン−1−オール、および2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールのうちの少なくとも1種類を含む、請求項12に記載の潤滑組成物。
前記機械装置が、遊星ハブリダクションアクスル、ユーティリティービークルのメカニカルステアリングおよびトランスファーギアボックス、シンクロメッシュギアボックス、パワーテイクオフギア、リミテッドスリップアクスル、および遊星ハブリダクションギアボックスのうちの少なくとも1種類を含むものである、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、上記のような潤滑組成物、方法および使用を提供する。また、一実施形態において、本発明は本発明のコポリマーの調製方法を提供する。
【0021】
該コポリマー(または交互コポリマーなどのインターポリマー)の分子量と相関している測定値は該コポリマーの「換算比粘度」に関して表示され得、これは、高分子物質の分子サイズを表現する認知された手段である。本明細書で用いる場合、換算比粘度(RSVと略記)は、典型的には式RSV=(相対粘度−1)/濃度に従って得られた値であり、ここで、相対粘度は、希釈粘度計によって、100cm
3のアセトン中の1.6gの該ポリマーを含む溶液の粘度とアセトンの粘度を30℃で測定することにより求められる。上記の式によるコンピュータ処理の目的のため、濃度は、100cm
3のアセトンあたり1.6gの該コポリマーに調整する。換算比粘度(比粘度としても公知である)、ならびにコポリマーの平均分子量とも関係のより詳細な論考は、Paul J.Flory,Principles of Polymer Chemistry,(1953版)(第308頁以降参照)に見られる。
【0022】
本明細書で用いる場合、用語「(メタ)アクリル」および関連用語は、アクリル基とメ
タクリル基の両方を包含している。
【0023】
コポリマー
モノマー(i)α−オレフィンとモノマー(ii)エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体との反応によって調製される本発明のコポリマー。
【0024】
α−オレフィンは、鎖状もしくは分枝状のオレフィンまたはその混合物であり得る。α−オレフィンが鎖状である場合、α−オレフィンの炭素原子の数は2〜20、または4〜16、または8〜12の範囲であり得る。α−オレフィンが分枝状である場合、α−オレフィンの炭素原子の数は4〜32個、または6〜20個、または8〜16個の範囲であり得る。α−オレフィンの例としては、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン 1−オクタデセン、またはその混合物が挙げられる。有用なα−オレフィンの一例は1−ドデセンである。
【0025】
エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体に由来する単位は、(重合前または重合後、典型的には重合後に)一部エステル化されたものであり得る酸もしくは無水物またはその誘導体であり得る。一部エステル化されている場合、他の官能基としては、酸、塩、イミド、およびアミド、またはその混合物が挙げられる。好適な塩としては、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、またはその混合物が挙げられる。該塩としては、リチウムの塩、ナトリウムの塩、カリウムの塩、マグネシウムの塩、カルシウムの塩、またはその混合物が挙げられる。不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、マレイン酸もしくは無水物、フマル酸、イタコン酸もしくは無水物またはその混合物、あるいはその置換型等価物が挙げられる。
【0026】
エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体の好適な例としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、エチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物またはその混合物が挙げられる。一実施形態において、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、またはその誘導体(エステルおよび含窒素モノマーなど)が挙げられる。かかる含窒素モノマーとしては、アミノ−ヒドロカルビルモルホリン(n−アミノプロピルモルホリンなど)、アミノアルコール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカルボンアミド(N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミドなど)、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリジノン、N−ビニルカプロラクタム(caproplactam)、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドもしくはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N−置換アルカンジアミン(diamaine)(N−メチル−1,3−プロパンジアミンなど)、またはその混合物が挙げられる。塩基性窒素官能性を含むものが特に好適であり得る;そのようなものとしては、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドもしくはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N−置換アルカンジアミン、またはその混合物が挙げられ得る。
【0027】
該コポリマーは、国際特許出願公開公報WO2010/014655Aに記載のようにして調製され得る。例えば、モノマー(i)α−オレフィンとモノマー(ii)エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体との反応によって調製される本発明のコポリマーは、WO2010/014655Aの段落[0140]〜[0141]に記載されている。該コポリマーは、一実施形態において、1−ドデセンと無水マレイン酸から得られるコポリマーであり得る。例示されるコポリマーとしては、以下で調製したものが挙げられる。エステル化および酸モノマーとアミンとの反応は、モノマーの重合の前に行なっても後に行なってもよく;典型的には、重合後に行なう。
【0028】
コポリマー主鎖の調製:コポリマーは、3リットル容フラスコ内で、1モルの無水マレイン酸とYモル(以下に定義)の1−ドデセンを、60wt%がトルエンの溶媒の存在下
で反応させることにより調製され得る。フラスコには、フランジリッド(flange lid)とクリップ、PTFE製攪拌器グランド(stirrer gland)、ロッドとオーバーヘッドスターラー、熱電対、窒素供給ポートおよび水冷式冷却器を装着する。このフラスコに窒素を0.028m
3/時(または1SCFH)で吹き入れる。サイドアームを有する別の500ml容フラスコに、0.05モルのtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート開始剤(Trigonox(登録商標)21Sとして公知であるAkzo Nobel製の市販の開始剤)、任意選択で、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤,CTA)およびさらなるトルエンを仕込む。窒素ラインをアームに装着し、窒素を0.085m
3/時(または0.3SCFH)で30分間適用する。3リットル容フラスコを105℃まで加熱する。Trigonox 21S開始剤/トルエン混合物を500ml容フラスコから3リットル容フラスコ内に、Masterflex
TMポンプ(流量を0.8ml/分に設定)によって5時間にわたってポンプ輸送する。3リットル容フラスコの内容物を1時間攪拌した後、95℃まで冷却する。3リットル容フラスコの内容物を一晩攪拌する。典型的には、透明な無色のゲル状物が得られる。各試薬の量を以下の表に示す。
【0029】
調製したコポリマーを、上記の説明に記載のRSV法によって特性評価する。RSVデータも表に示す。
【0031】
該コポリマーは、任意選択でフリーラジカル開始剤、溶媒、連鎖移動剤またはその混合物の存在下で調製され得る。当業者には、開始剤および/または連鎖移動剤の量を変えると本発明のコポリマーの数平均分子量およびRSVが変わることが認識されよう。
【0032】
溶媒は公知のものであり、通常、液状の有機希釈剤である。一般的に、溶媒は、必要とされる反応温度がもたらされるのに充分高い沸点を有するものである。例示的な希釈剤としては、トルエン、t−ブチルベンゼン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼンおよび125℃より上で沸騰する種々の石油留分が挙げられる。
【0033】
フリーラジカル開始剤は公知のものであり、熱分解するとフリーラジカルが得られるペルオキシ化合物、過酸化物、ヒドロペルオキシド、およびアゾ化合物が挙げられる。他の好適な例は、J.BrandrupおよびE.Immergut編,“Polymer Handbook”,第2版,John Wiley and Sons,New York(1975),II−1〜II−40頁に記載されている。フリーラジカル開始剤の例にはフリーラジカル生成試薬に由来するものも包含され、例としては、過酸化ベンゾイル、過安息香酸t−ブチル、メタクロロ過安息香酸t−ブチル、過酸化t−ブチル、ペルオキシ二炭酸sec−ブチル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化t−ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化t−アミル、過酸化クミル、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチル−m−クロロペルベンゾエート、アゾビスイソバレロニトリルまたはその混合物が挙げられる。一実施形態において、フリーラジカル生成試薬は、過酸化t−ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化t−アミル、過酸化クミル、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチル−m−クロロペルベンゾエート、アゾビスイソバレロニトリルまたはその混合物である。市販のフリーラジカル開始剤としては、Akzo Nobel製の商標Trigonox(登録商標)−21で販売されている類型の化合物が挙げられる。
【0034】
連鎖移動剤は当業者に公知である。連鎖移動剤は、ポリマーの分子量を制御する手段として重合に添加され得る。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタンおよびt−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、メチル−3−メルカプトプロピオネートなどの硫黄含有連鎖移動剤が挙げられ得る。また、テルペンも使用され得る。典型的には、連鎖移動剤はn−ドデシルメルカプタンおよびt−ドデシルメルカプタンであり得る。
【0035】
エステル化コポリマーは、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体のカルボン酸基の反応によって形成され得る。アルコールは、鎖状もしくは分枝状のアルコール、環式もしくは非環式のアルコール、またはこれらの特徴の組合せであり得る。アルコールは、典型的には、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体に由来する単位と反応し(重合前または重合後、典型的には、重合後)、エステル化基を形成する。
【0036】
エステル化基は、鎖状または分枝状アルコールから誘導され得るものであり得る。アルコールは、1〜150個、または4〜50個、または8〜20個の炭素原子を有するものであり得る。典型的には、炭素原子の数は、本発明のコポリマーが油中に分散性または可溶性となるのに充分な数である。
【0037】
種々の実施形態において、アルコールは、β位またはそれより高次の位置で分枝状の第1級アルコールであり得、少なくとも12個(または少なくとも16個、または少なくとも18個または少なくとも20個)の炭素原子を有するものであり得る。炭素原子の数は、少なくとも12〜60個、または少なくとも16〜30個の範囲であり得る。
【0038】
アルコールは、種々の鎖長の(典型的には、6〜20個、または8〜18個、または10〜15個の炭素原子を含む)脂肪アルコールであってもよい。脂肪アルコールとしては、Oxo Alcohol(登録商標)7911、Oxo Alcohol(登録商標)7900およびOxo Alcohol(登録商標)1100(Monsanto製);Alphanol(登録商標)79(ICI製);Nafol(登録商標)1620、Alfol(登録商標)610およびAlfol(登録商標)810(Condea(現Sasol)製);Epal(登録商標)610およびEpal(登録商標)810(Ethyl Corporation製);Linevol(登録商標)79、Linevol(登録商標)911およびDobanol(登録商標)25L(Shell AG製);Lial(登録商標)125(Condea Augusta(Milan)製);Dehydad(登録商標)およびLorol(登録商標)(Henkel KGaA(現Cognis)製)ならびにLinopol(登録商標)7−11およびAcropol(登録商標)91(Ugine Kuhlmann製)が挙げられる。
【0039】
エステル化基は、ゲルベアルコールから誘導され得るものであってもよい。ゲルベアルコールは、典型的には、1つ以上の炭素鎖を有し、β位またはそれより高次の位置で分岐しているものである。ゲルベアルコールは、10〜60個、または12〜60個、または16〜40個の炭素原子を含むものであり得る。ゲルベアルコールを調製するための方法は米国特許4,767,815に開示されている(第5欄,第39行〜第6欄,第32行参照)。
【0040】
ゲルベアルコールは、アルキル基、例えば、以下:
1)C
15〜16ポリメチレン基を含むアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−ヘキサデシル基(例えば、2−オクチルヘキサデシル)ならびに2−アルキル−オクタデシル基(例えば、2−エチルオクタデシル、2−テトラデシル−オクタデシルおよび2−ヘキサデシルオクタデシル);
2)C
13〜14ポリメチレン基を含むアルキル基、例えば、1−C
1〜15アルキル−テトラデシル基(例えば、2−ヘキシルテトラデシル、2−デシルテトラデシルおよび2−ウンデシルトリデシル)ならびに2−C
1〜15アルキル−ヘキサデシル基(例えば、2−エチル−ヘキサデシルおよび2−ドデシルヘキサデシル);
3)C
10〜12ポリメチレン基を含むアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−ドデシル基(例えば、2−オクチルドデシル)ならびに2−C
1〜15アルキル−ドデシル基(2−ヘキシルドデシルおよび2−オクチルドデシル)、2−C
1〜15アルキル−テトラデシル基(例えば、2−ヘキシルテトラデシルおよび2−デシルテトラデシル);
4)C
6〜9ポリメチレン基を含むアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−デシル基(例えば、2−オクチルデシル)および2,4−ジ−C
1〜15アルキル−デシル基(例えば、2−エチル−4−ブチル−デシル基);
5)C
1〜5ポリメチレン基を含むアルキル基、例えば、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシル基および2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基;ならびに
6)2種類以上の分枝状アルキル基の混合物、例えば、プロピレンオリゴマー(6量体〜11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16:1〜1:11)オリゴマー、イソブテンオリゴマー(5量体〜8量体)、C
5〜17α−オレフィンオリゴマー(2量体〜6量体)に対応するオキソアルコールのアルキル残基
を有するものであり得る。
【0041】
典型的には、ゲルベアルコールは2つのアルキル基を有するものであり、該2つのアルキル基間の炭素原子の数の差は長い方の鎖のアルキル基に対して4以下である。
【0042】
好適なβ位またはそれより高次の位置で分枝状の第1級アルコールの例としては、2−エチルヘキサノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、またはその混合物が挙げられる。
【0043】
一実施形態において、アルコールは、(i)ゲルベアルコールと(ii)ゲルベアルコール以外の鎖状アルコールの混合物を含むものである。該他のアルコールは上記の脂肪アルコールであり得る。
【0044】
本発明のコポリマーは、上記のアルコールの存在下でエステル化され得る。一実施形態において、該エステル化コポリマーを、アルコール(C1〜C6アルコールなど、典型的にはブタノール)でさらに処理し、該コポリマーの残りのカルボン酸基と反応させ、かくして酸価を所望の値まで下げてもよい。アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体とのエステル化反応の概要を以下に示す。
【0045】
エステル化コポリマー:エステル化コポリマーは、冷却器でキャップしたディーンスタークトラップを装着したフラスコ内で調製され得る。1モルのカルボキシ基を含むある量のコポリマーをこのフラスコ内で110℃まで加熱し、30分間攪拌する。1モルのアルコールを添加する。β位またはそれより高次の位置で分岐している第1級アルコールの仕込み量が1モルより多い場合は、この時点で1モルだけ添加する。逆に、β位またはそれより高次の位置で分岐している第1級アルコールが1モルより少ないことが意図される場合は、合計で1モル相当のアルコールが得られるように充分な鎖状アルコールを使用する。アルコールはフラスコ内に、蠕動ポンプによって35分間にわたってポンプ輸送する。次いで、触媒量のメタンスルホン酸を残りのモルのアルコールとともにフラスコ内に5時間にわたってポンプ輸送するとともに、145℃まで加熱して保持し、ディーンスタークトラップ内に水を除去する。
【0046】
反応温度を135℃まで下げ、フラスコには充分なブタノールを、総酸価(TAN)が4mgKOH/g以下になるまで逐次的に添加する。フラスコを150℃まで加熱し、充分な水酸化ナトリウムを添加してメタンスルホン酸をクエンチする。フラスコを周囲温度まで冷却すると、エステル化コポリマーが得られる。任意選択で、生成物を真空ストリッピングし、水またはアルコールなどの任意の揮発性物質を除去する。
【0047】
この手順では、以下の表に示す材料が使用され得る。
【0049】
脚注:
鎖状アルコールは、Alfol(登録商標)810として市販されているC
8〜10の混合物である。報告した量には少量のブタノールを含めていない。
【0050】
B1は2−ヘキシルデカノールである。
【0051】
B2は2−エチルヘキサノールである。
【0052】
B3は2−オクチルドデカノールである。
【0053】
表に示したアルコールのモルは、該コポリマーの不飽和カルボン酸のカルボキシル基の総数に対するアルコールの総モル数に関するものである。典型的には、2モルのアルコールが無水マレイン酸に由来する2モルのカルボキシル基と反応する。
【0054】
エステル化コポリマーを、さらにアミンと反応させ得る。アミンとしては、該コポリマーに組み込まれると、0mgKOH/gより大きい、または1〜20mgKOH/g、または2〜12mgKOH/g)のTBN(すなわち、総塩基価)をもたらし得る任意のアミンが挙げられ得る。
【0055】
アミンの例としては、アミノ−ヒドロカルビルモルホリン(n−アミノプロピルモルホリンなど)、アミノアルコール、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドもしくはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N−置換アルカンジアミン(N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンなど)、またはその混合物が挙げられる。
【0056】
アミンの例としては、アミノ−ヒドロカルビルモルホリン(3−モルホリノプロピルアミンなど)、アミノアルコール、N−置換アルカンジアミン(N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンなど)、またはその混合物が挙げられる。一実施形態において、アミンはN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンであり得る。
【0057】
一実施形態において、アミンは、アミノ−ヒドロカルビルモルホリン(3−モルホリノプロピルアミンなど)、アミノアルコールまたはその混合物であり得る。
【0058】
アミノアルコールとしては、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンまたはその混合物が挙げられ得る。アミノアルコールの例としては、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、セリノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロパン−1−オール、および2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールが挙げられる。
【0059】
アミノ−ヒドロカルビルモルホリンなどのアミンまたは別の非ヒドロキシ含有アミンが使用される場合、第1級アミノ基は、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体に由来する単位と(重合前または重合後、典型的には、重合後に)イミドを形成する傾向にある。また、その後のジメルカプトチアジアゾールと第3級アミンとの反応によってジメルカプトチアジアゾール塩が形成される傾向にある。例えば、組み込まれたアミノ−ヒドロカルビルモルホリンの第3級アミノ基、またはN,N−ジアルキルヒドロカルビル(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン反応生成物)の第3級アミノ基との反応によってジメルカプトチアジアゾール塩が形成される傾向にある。
【0060】
一実施形態において、アミンは、アミノ−ヒドロカルビルモルホリン、アミノアルコールまたはその混合物であり得る。
【0061】
アミノアルコールなどのアミンが使用される場合、アルコール基は、(i)アミノ基が第3級である場合では、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体に由来する単位とエステルを;および(ii)アミノ基が第1級または第2級である場合では、エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体に由来する単位を、有するエステルまたはアミドを形成する傾向にある。また、その後の該ジメルカプトチアジアゾールとアミノ基との反応によってジメルカプトチアジアゾール塩が形成される傾向にある。
【0062】
また、アミンとしては、アルキレンポリアミン、またはその混合物が挙げられ得る。アルキレンポリアミンは、エチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ブチレンポリアミン、またはその混合物であり得る。典型的には、ポリアミンはエチレンポリアミンまたはその混合物であり得る。上記の一例のものなどのエチレンポリアミンが好ましい。詳細には、Kirk Othmerの“Encyclopedia of Chemical Technology”,第4版,第8巻,74〜108頁,John Wiley and Sons,N.Y.(1993)の見出しの“Diamines and Higher Amines”およびMeinhardtらの米国特許第4,234,435号に記載されている。
【0063】
エチレンポリアミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−アミノエチル)−N’−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−1,2−エタンジアミン、アルキレンポリアミンスティルボトム(still bottom)、またはその混合物が挙げられる。
【0064】
アルキレンポリアミンボトムは、約200℃より下で沸騰する物質を2%未満、通常、1%未満(重量基準)有することを特徴とするものであり得る。容易に入手可能であり、かなり有用であることがわかっているエチレンポリアミンボトムの場合、該ボトムは、約2%未満(重量基準)の総ジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラミン(TETA)を含むものである。“E−100”で指定されるDow Chemical Company(Freeport,Tex)から入手されたかかるエチレンポリアミンボトムの典型的な試料は、15.6℃における比重1.0168、窒素重量パーセント33.15および40℃における粘度121cSt(mm
2/s)を有するものである。かかる試料のガスクロマトグラフィー解析により、これは、約0.93%の「ライトエンド」(ジエチレントリアミンである可能性が高い)、0.72%のトリエチレンテトラミン、21.74%のテトラエチレンペンタミンおよび76.61%のペンタエチレンヘキサミンおよびそれより高次のポリエチレンアミン(higher)(重量基準)を含むことが示された。同様のアルキレンポリアミンボトムは、Dow ChemicalからE100
TMポリエチレンアミンとして市販されている。
【0065】
本発明のコポリマーをアミンと以下に示すようにして反応させ得る。
【0066】
アミンでキャップしたエステル化コポリマー(Ecca)の調製例:上記の各エステル化コポリマーをアミンと、冷却器でキャップしたディーンスタークトラップを装着したフラスコ内で反応させる。充分なアミンを添加し、以下の表に示す重量パーセントの窒素含量を有するエステル化コポリマーを得る。このフラスコに30分間にわたってアミンを仕込み、150℃で2〜5時間攪拌する。フラスコを115℃まで冷却し、排液する。得られた生成物を100〜150℃で真空ストリッピングし、1.5〜2.5時間保持する。この手順では、以下の表に示す材料が使用される。以下の表に、アミンでキャップされたエステル化コポリマーの代表番号の情報を示す。
【0068】
脚注:
アミン1は4−(3−アミノプロピル)モルホリンである。
【0069】
アミン2は3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルアミンである。
【0070】
アミン3は1−(3−アミノプロピル)イミダゾールである。
【0071】
ジメルカプトチアジアゾール塩は、モノマー(i)α−オレフィンおよびモノマー(ii)アルコールで部分エステル化されているエチレン性不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(典型的には、カルボン酸基もしくは無水物)またはその混合物に由来する単位を含み、エステル化されていない少なくとも一部のカルボン酸基がアミンと反応し、該アミンが0mgKOH/gより大きい、または1〜20mgKOH/g、または2〜12mgKOH/gのTBNを有するものであるコポリマーをジメルカプトチアジアゾールと反応させることにより誘導され得るものであり得る。
【0072】
一実施形態において、本発明のコポリマーは、(i)α−オレフィンと、(ii)エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体(典型的には、無水マレイン酸)と、(iii)前述のモノマーと共重合することが公知の1種類以上のさらなるコモノマーとを含むものである。好適なコモノマーとしては、ビニル芳香族モノマー;メタ(アクリル酸)アルキル;酢酸ビニル;およびフマル酸ならびにその誘導体が挙げられる。ビニル芳香族モノマーとしては、スチレンまたはアルキルスチレン(α−メチルスチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、およびパラ−低級アルコキシスチレンなど)、またはその混合物が挙げられる。一実施形態において、ビニル芳香族モノマーはスチレンであり得る。
【0073】
ジメルカプトチアジアゾール塩は、モノマー:(i)α−オレフィンおよび(ii)アルコールで部分エステル化されているエチレン性不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(典型的には、カルボン酸基もしくは無水物)またはその混合物に由来する単位を含むものであり、エステル化されていない少なくとも一部のカルボン酸基が、0mgKOH/gより大きい、または1〜20mgKOH/g、または2〜12mgKOH/gのTBNを有するアミンと反応するアミン官能化エステル化コポリマーをジメルカプトチアジアゾールと反応させることにより誘導され得るものであり得る。
【0074】
ジメルカプトチアジアゾール(DMTDと称している場合もあり得る)塩は、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、もしくはヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、またはそのオリゴマーから誘導され得る。ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマーは、典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール単位間に硫黄−硫黄結合を形成し、2個以上の前記チアジアゾール単位のオリゴマーを形成することにより形成される。
【0075】
一実施形態において、ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール(ならびにその非置換物質)は、典型的には、25℃で潤滑粘度の油などの無極性媒体中に実質的に可溶性のものである。したがって、溶解度を向上させる傾向にあるヒドロカルビル置換基内の炭素原子の総数は、一般的に8個以上、または10個以上、または少なくとも12個である。チアジアゾールが2個以上のヒドロカルビル基を有する場合、基1つあたりの炭素原子の数は8個未満であり得るが、炭素の総数は8個以上であるものとする。
【0076】
別の実施形態では、ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール(ならびにその非置換物質)は、典型的には、25℃で潤滑粘度の油などの無極性媒体に実質的に不溶性のものである。したがって、溶解度を向上させる傾向にあるヒドロカルビル置換基内の炭素原子の総数は、一般的に8個より少ない、または6個、または4個である。ヒドロカルビル置換基が多数存在する場合、典型的には、各置換基は4個以下の炭素原子を含むものである。
【0077】
用語「実質的に不溶性」により、ジメルカプトチアジアゾール化合物が、室温(25℃)で油中に典型的には0.1重量パーセント未満、典型的には0.01重量パーセントまたは0.005重量パーセント未満の程度まで溶解することを意図する。溶解度が評価され得る好適な潤滑粘度の炭化水素油はChevron
TM RLOP 100 N油である。指定された量のDMTDまたは置換DMTDが該油と混合され、溶解度は、例えば、1週間の保存後に残留沈殿物の出現に対する透明度を観察することにより評価され得る。
【0078】
ジメルカプトチアジアゾール塩が誘導され得るものであり得るジメルカプトチアジアゾールの例としては、2,5−(tert−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール 2,5−(tert−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−デシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ウンデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−トリデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−テトラデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ペンタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ヘキサデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ヘプタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−(tert−ノナデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールもしくは2,5−(tert−エイコシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、またはそのオリゴマーが挙げられる。一実施形態において、ジメルカプトチアジアゾールとしては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、またはその混合物が挙げられる。
【0079】
一実施形態において、ジメルカプトチアジアゾール塩(典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール塩)は、ジメルカプトチアジアゾールをエチレン性不飽和アミドまたはエステルと反応させることにより誘導され得るものであり得る。該アミドまたはエステルとしては、ヒドロカルビル−(メタ)アクリレートもしくはヒドロカルビル−(メタ)アクリルアミド、ヒドロカルビル置換マレエート、ヒドロカルビル置換クロトネート、ヒドロカルビル置換シンナメート、またはその混合物が挙げられ得る。
【0080】
一実施形態において、ジメルカプトチアジアゾール塩(典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール塩)は、式:
【0082】
(式中
R
1は、1〜5個、または1〜3個、または2個の炭素原子を含むアルキレン基であり得;
R
2は、1〜16個、または2〜8個、または4個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり得;
Yは、−O−または>NR
3であり得(典型的には、Yは−O−であり得);
R
3は、水素またはR
2であり得る)
によって表される化合物から誘導され得るものであり得る。
【0083】
上記の式のジメルカプトチアジアゾールは、適切なヒドロカルビル−(メタ)アクリレートまたはヒドロカルビル−(メタ)アクリルアミドを2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと反応させることにより調製され得る。
【0084】
ヒドロカルビル−(メタ)アクリレートまたはヒドロカルビル−(メタ)アクリルアミドと2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールとの反応は、50℃〜150℃、または70℃〜120℃、または80℃〜100℃の範囲の温度で行なわれ得る。
【0085】
ジメルカプトチアジアゾール塩が、ヒドロカルビル−(メタ)アクリレートまたはヒドロカルビル−(メタ)アクリルアミドと2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールとの反応によって誘導され得るものである場合、反応は、コポリマーとの反応の前、または系中で行なわれ得る。
【0086】
一実施形態において、ジメルカプトチアジアゾール塩(典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール塩)は、ジメルカプトチアジアゾールをエポキシドと反応させることにより誘導され得るものであり得る。
【0087】
潤滑粘度の油
潤滑組成物は潤滑粘度の油を含むものである。かかる油としては、天然油および合成油、水素化分解、水素化および水素化仕上げにより得られる油、未精製油、精製油、再精製油またはその混合物が挙げられる。未精製油、精製油および再精製油のより詳細な説明は、国際特許出願公開公報WO2008/147704、段落[0054]〜[0056]に示されている(同様の開示が米国特許出願2010/197536に示されており、[0072]〜[0073]を参照のこと)。天然および合成潤滑油のより詳細な説明は、WO2008/147704のそれぞれ段落[0058]〜[0059]に示されている(同様の開示が米国特許出願2010/197536に示されており、[0075]〜[0076]を参照のこと)。また、合成油は、フィッシャー・トロプシュ反応によって生成されるものであり得、典型的には水素異性化(hydroisomerised)フィッシャー・トロプシュ炭化水素またはワックスであり得る。一実施形態において、油は、フィッシャー・トロプシュでのGTL(gas−to−liquid)合成手順によって調製される油ならびに他のGTL油であり得る。
【0088】
また、潤滑粘度の油は、“Appendix E−API Base Oil Interchangeability Guidelines for Passenger
Car Motor Oils and Diesel Engine Oils”の2008年4月版のセクション1.3の小見出し1.3.“Base Stock Categories”に明記されたとおりに定義されるものであり得る。また、APIガイドラインは、米国特許第7,285,516号(第11欄,64行目〜第12欄,10行目参照)にもまとめられている。一実施形態において、潤滑粘度の油は、API グループII、グループIII、グループIVの油またはその混合物であり得る。
【0089】
存在させる潤滑粘度の油の量は、典型的には、100wt%から本発明のコポリマーとその他の性能添加剤の量の合計を減算した後の残余分である。
【0090】
潤滑組成物は、濃縮物および/または完全配合型潤滑剤の形態であり得る。本発明のコポリマーが濃縮物の形態である場合(さらなる油と合わせて全部または一部完成潤滑剤を形成するものであってもよい)、潤滑粘度の油および/または希釈油に対する本発明のコポリマーの諸成分の比としては、1:99〜99:1(重量基準)、または80:20〜10:90(重量基準)の範囲が挙げられる。
【0091】
他の性能添加剤
本明細書に記載のコポリマーおよび/または潤滑組成物から得られる組成物は、任意選択で、さらに他の性能添加剤を含む。該他の性能添加剤は、金属不活性化剤、清浄剤、分散剤、粘度調整剤(本発明のコポリマー以外のもの)、摩擦調整剤、腐食防止剤、分散粘度調整剤(本発明のコポリマー以外のもの)、耐摩耗剤(本発明のコポリマー以外のもの)、極圧剤(本発明のコポリマー以外のもの)、抗スカフィング剤(antiscuffing agent)、抗酸化剤、消泡剤(foam inhibitor)、抗乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤(seal swelling agent)およびその混合物のうちの少なくとも1種類を含むものである。典型的には、完全配合型潤滑油には、これらの性能添加剤のうちの1種類以上が含有されている。
【0092】
分散剤
分散剤は、潤滑油組成物に混合する前において灰分形成金属を含んでおらず、潤滑剤および高分子分散剤に添加したとき、通常、灰分形成金属になんら寄与しないため、多くの場合、無灰型分散剤として公知である。無灰型分散剤は、比較的高分子量の炭化水素鎖に極性基が結合されていることを特徴とする。典型的な無灰分散剤としては、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドが挙げられる。N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドの例としては、由来するポリイソブチレンの数平均分子量が350〜5000または500〜3000の範囲であるポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられる。
【0093】
一実施形態において、本発明は、さらに、ポリイソブチレン由来の少なくとも1種類の分散剤、アミンおよび酸化亜鉛により形成される亜鉛とのポリイソブチレンスクシンイミド錯体を含む。亜鉛とのポリイソブチレンスクシンイミド錯体は単独または組合せで使用
され得る。
【0094】
別の類型の無灰分散剤はマンニッヒ塩基である。マンニッヒ分散剤は、アルキルフェノールとアルデヒド(特にホルムアルデヒド)およびアミン(特にポリアルキレンポリアミン)との反応生成物である。該アルキル基は、典型的には少なくとも30個の炭素原子を含むものである。
【0095】
また、分散剤は、任意のさまざまな剤を用いた反応による慣用的な方法によって後処理されたものであってもよい。中でも、このようなものは、ホウ素化合物(ホウ酸など)、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸(テレフタル酸など)、炭化水素置換無水コハク酸、無水マレイン酸、ニトリル、エポキシド、およびリン化合物である。一実施形態において、後処理型分散剤はホウ素化(borate)されたものである。
【0096】
一実施形態において、分散剤は後処理型分散剤であり得る。分散剤は、ジメルカプトチアジアゾールで、任意選択でリン化合物、芳香族ジカルボン酸、およびホウ素化剤のうちの1種類以上の存在下で後処理されたものであり得る。
【0097】
一実施形態において、後処理型分散剤は、アルケニルスクシンイミドまたはスクシンイミド清浄剤をリンエステルおよび水とともに加熱し、該エステルを部分加水分解することにより形成され得る。この型の後処理型分散剤は、例えば、米国特許5,164,103に開示されている。
【0098】
一実施形態において、後処理型分散剤は、分散剤とジメルカプトチアジアゾールの混合物を調製し、該混合物を約100℃より上で加熱することにより作製され得るものである。この型の後処理型分散剤は、例えば、米国特許4,136,043に開示されている。
【0099】
一実施形態において、分散剤は、(i)分散剤(典型的には、スクシンイミド)、(ii)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールもしくはヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、あるいはそのオリゴマー、(iii)ホウ素化剤(上記のものと同様);ならびに(iv)任意選択で、1,3二酸および1,4二酸からなる群より選択される芳香族化合物のジカルボン酸(典型的には、テレフタル酸)、または(v)任意選択で、リン含有酸化合物(例えば、リン酸もしくは亜リン酸のいずれか)を一緒に加熱することを含む後処理を行なって調製された生成物を形成するものであってもよく、前記加熱は、(i)、(ii)、(iii)および任意選択で(iv)または任意選択で(v)の生成物であって、潤滑粘度の油に可溶性である生成物が得られるのに充分なものである。この型の後処理型分散剤は、例えば、国際特許出願WO2006/654726Aに開示されている。
【0100】
清浄剤
潤滑剤組成物には、任意選択で、さらに、公知の中性清浄剤または過塩基性(overbased)清浄剤(すなわち、当該技術分野で公知の慣用的な方法によって調製されるもの)を含める。好適な清浄剤物質としては、フェネート、硫黄含有フェネート、スルホネート、サリキサレート、サリチレート、カルボン酸、リン含有酸、アルキルフェノール、硫黄がカップリングしたアルキルフェノール化合物、またはサリゲニンが挙げられる。
【0101】
抗酸化剤
抗酸化性化合物は公知であり、硫化オレフィン、アルキル化ジアリールアミン、ヒンダードフェノール、ジチオカルバミン酸モリブデン、およびその混合物が挙げられる。抗酸化性化合物は単独または組合せで使用され得る。
【0102】
ヒンダードフェノール抗酸化剤は、多くの場合、立体障害基としてsec−ブチルおよび/またはtert−ブチル基を含むものである。フェノール基は、多くの場合、ヒドロカルビル基および/または第2の芳香族基に連結された橋絡基でさらに置換されている。好適なヒンダードフェノール抗酸化剤の例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−プロピル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールもしくは4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、または4−ドデシル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが挙げられる。一実施形態において、ヒンダードフェノール抗酸化剤はエステルであり、例えば、Irganox
TM L−135(Ciba製)が挙げられ得る。抗酸化剤として使用され得るジチオカルバミン酸モリブデンの好適な例としては、Vanlube 822
TMおよびMolyvan
TM A(R.T.Vanderbilt Co.,Ltd.製)ならびにAdeka Sakura−Lube
TM S−100、S−165およびS−600(旭電化工業株式会社製)などの商標名で販売されている市販物質ならびにその混合物が挙げられる。
【0103】
アルキル化ジアリールアミンは、フェニル−α−ナフチルアミン(PANA)、アルキル化ジフェニルアミン、またはアルキル化フェニルナフチルアミン(napthylamine)、またはその混合物であり得る。アルキル化ジフェニルアミンとしては、ジ−ノニル化ジフェニルアミン、ノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジ−オクチル化ジフェニルアミン、ジ−デシル化ジフェニルアミン、デシルジフェニルアミンおよびその混合物が挙げられ得る。一実施形態において、ジフェニルアミンとしては、ノニルジフェニルアミン、ジノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミン、またはその混合物が挙げられ得る。一実施形態において、ジフェニルアミンとしては、ノニルジフェニルアミン、またはジノニルジフェニルアミンが挙げられ得る。アルキル化ジアリールアミンとしては、オクチル、ジ−オクチル、ノニル、ジ−ノニル、デシルまたはジ−デシルフェニルナフチルアミンが挙げられ得る。
【0104】
粘度調整剤
本発明のコポリマー以外の粘度調整剤としては、水素化スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化ジエンポリマー、ポリアルキルスチレン、ポリオレフィン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸−スチレンコポリマーのエステル、またはその混合物が挙げられ得る。一実施形態において、高分子粘度調整剤はポリ(メタ)アクリレートである。
【0105】
耐摩耗剤
潤滑組成物には、任意選択で、さらに、少なくとも1種類の耐摩耗剤を含める。好適な耐摩耗剤の例としては、リン化合物の油溶性アミン塩、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩(ジアルキルジチオリン酸亜鉛など)、チオカルバメート含有化合物、例えば、チオカルバミン酸エステル、チオカルバミン酸アミド、チオカルバミン酸エーテル、アルキレンがカップリングしたチオカルバメート、およびビス(S−アルキルジチオカルバミル)ジスルフィドが挙げられる。
【0106】
一実施形態において、油溶性リンアミン塩耐摩耗剤としては、リン含有酸エステルのアミン塩またはその混合物が挙げられる。リン含有酸エステルのアミン塩としては、リン酸エステルおよびそのアミン塩;ジアルキルジチオリン酸エステルおよびそのアミン塩;ホスファイトのアミン塩;ならびにリン含有カルボン酸エステル、エーテルおよびアミドのアミン塩;ならびにその混合物が挙げられる。リン含有酸エステルのアミン塩は単独または組合せで使用され得る。
【0107】
一実施形態において、油溶性リンアミン塩としては、部分アミン塩−部分金属塩化合物またはその混合物が挙げられる。一実施形態において、該リン化合物は、分子内にさらに硫黄原子を含むものである。一実施形態において、該リン化合物のアミン塩は無灰、すなわち、金属無含有である(他の成分と混合される前)。
【0108】
該アミン塩としての使用に好適であり得るアミンとしては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、およびその混合物が挙げられる。該アミンとしては、少なくとも1個のヒドロカルビル基を有するもの、あるいは一部の特定の実施形態では2個または3個のヒドロカルビル基を有するものが挙げられる。ヒドロカルビル基は2〜30個の炭素原子を含むものであり得、あるいは他の実施形態では8〜26個、または10〜20個、または13〜19個の炭素原子を含むものであり得る。
【0109】
第1級アミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、およびドデシルアミン、ならびにn−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびオレイルアミンなどの脂肪アミンが挙げられる。他の有用な脂肪アミンとしては、市販の脂肪アミン、例えば、“Armeen(登録商標)”アミン(Akzo Chemicals、Chicago(Illinois)から入手可能な製品)、例えば、Armeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、Armeen HT、Armeen SおよびArmeen SD(ここで、文字の表記は、ココ基、オレイル基、タロー基またはステアリル基などの脂肪基に関する)が挙げられる。
【0110】
好適な第2級アミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミンおよびエチルアミルアミンが挙げられる。第2級アミンは、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンなどの環式アミンであってもよい。
【0111】
また、アミンは、第3級脂肪族第1級アミンであってもよい。この場合の脂肪族基は、2〜30、または6〜26、または8〜24個の炭素原子を含むアルキル基であり得る。第3級アルキルアミンとしては、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、1−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、tert−オクチルアミン、tert−デシルアミン、tertドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミン、およびtert−オクタコサニルアミンなどのモノアミンが挙げられる。
【0112】
一実施形態において、リン含有酸アミン塩としては、C11〜C14tert−アルキル第1級基を有するアミンまたはその混合物が挙げられる。一実施形態において、リン含有酸アミン塩としては、C14〜C18tert−アルキル第1級アミンを有するアミンまたはその混合物が挙げられる。一実施形態において、リン含有酸アミン塩としては、C18〜C22tert−アルキル第1級アミンを有するアミンまたはその混合物が挙げられる。
【0113】
また、アミン混合物も本発明において使用され得る。一実施形態において、有用なアミン混合物は、“Primene(登録商標)81R”と“Primene(登録商標)JMT”である。Primene(登録商標)81RおよびPrimene(登録商標)JMT(ともにRohm & Haasによって製造/販売)は、それぞれ、C11〜C14tert−アルキル第1級アミンおよびC18〜C22tert−アルキル第1級アミンの混合物である。
【0114】
一実施形態において、リン化合物の油溶性アミン塩としては、アミンを(i)リン酸のヒドロキシ置換ジ−エステル、または(ii)リン酸のリン酸化ヒドロキシ置換ジ−もしくはトリ−エステルのいずれかと反応させることを含む方法によって得られた/得られ得るリン含有化合物の硫黄が含有されていないアミン塩が挙げられる。この型の化合物のより詳細な説明は、国際特許出願PCT/US08/051126(または対応US出願11/627405)に開示されている。
【0115】
一実施形態において、アルキルリン酸エステルのヒドロカルビルアミン塩は、C14〜C18アルキルリン酸とPrimene 81R
TM(Rohm & Haasによって製造および販売)(C11〜C14tert−アルキル第1級アミンの混合物)との反応生成物である。
【0116】
ジアルキルジチオリン酸エステルのヒドロカルビルアミン塩の例としては、イソプロピルジチオリン酸、メチル−アミルジチオリン酸(4−メチル−2−ペンチルジチオリン酸またはその混合物)、2−エチルヘキシルジチオリン酸、ヘプチルジチオリン酸、オクチルジチオリン酸またはノニルジチオリン酸と、エチレンジアミン、モルホリンまたはPrimene 81R
TMとの反応生成物(1種類または複数種)およびその混合物が挙げられる。
【0117】
一実施形態において、ジチオリン酸をエポキシドまたはグリコールと反応させ得る。この反応生成物を、さらに、リン含有酸、無水物または低級エステルと反応させる。エポキシドとしては、脂肪族エポキシドまたはスチレンオキシドが挙げられる。有用なエポキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、オクテンオキシド、ドデセンオキシド、およびスチレンオキシドが挙げられる。一実施形態において、エポキシドはプロピレンオキシドである。グリコールは、1〜12個、または2〜6個、または2〜3個の炭素原子を有する脂肪族グリコールであり得る。ジチオリン酸、グリコール、エポキシド、無機リン試薬およびこれらを反応させる方法は、米国特許第3,197,405号および同第3,544,465号に記載されている。得られた酸を、次いでアミンと塩形成させ得る。好適なジチオリン酸の一例は、五酸化リン(約64グラム)
を58℃で45分間にわたって514グラムのヒドロキシプロピルO,O−ジ(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジチオエート(ジ(4−メチル−2−ペンチル)−ホスホロジチオ酸を1.3モルのプロピレンオキシドと25℃で反応させることにより調製)に添加することにより調製される。混合物を75℃で2.5時間加熱し、ケイソウ土と混合し、70℃で濾過する。濾液には11.8重量%のリン、15.2重量%の硫黄が含有されており、酸価は87である(ブロモフェノールブルー)。
【0118】
ジチオカルバメート含有化合物は、ジチオカルバミン酸またはその塩と不飽和化合物を反応させることにより調製され得る。また、ジチオカルバメート含有化合物は、アミン、二硫化炭素および不飽和化合物を同時に反応させることによっても調製され得る。一般的に、反応は25℃〜125℃の温度で行なわれる。
【0119】
硫化オレフィンを形成するために硫化させ得る好適なオレフィンの例としては、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ウンデシル、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノノデセン、エイコセンまたはその混合物が挙げられる。一実施形態において、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノノデセン、エイコセンまたはその混合物ならびにその二量体、三量体および四量体が特に有用なオレフィンである。あるいはまた、オレフィンは、ジエンのディールス・アルダー付加物(1,3−ブタジエンなど)および不飽和エステル(アクリル酸ブチルなど)であり得る。
【0120】
代替的な実施形態では、無灰耐摩耗剤は、ポリオールと脂肪族カルボン酸、多くの場合、12〜24個の炭素原子を含む酸とのモノエステルであり得る。多くの場合、ポリオールと脂肪族カルボン酸との該モノエステルは、ヒマワリ油などとの混合物の形態であり、摩擦調整剤混合物中に、前記混合物の5〜95重量パーセント、いくつかの実施形態では10〜90重量パーセント、または20〜85重量パーセント、または20〜80重量パーセントで存在し得る。該エステルを形成する脂肪族カルボン酸(特に、モノカルボン酸)は、典型的には、12〜24個、または14〜20個の炭素原子を含む酸である。該カルボン酸の例としては、ドデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸、およびオレイン酸が挙げられる。
【0121】
別の類型の硫化オレフィンとしては脂肪酸およびそのエステルが挙げられる。脂肪酸は、多くの場合、植物油または動物油から得られるものであり;典型的には4〜22個の炭素原子を含むものである。好適な脂肪酸およびそのエステルの例としては、トリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸またはその混合物が挙げられる。多くの場合、脂肪酸は、ラード油、トール油、ピーナッツ油、ダイズ油、綿実油、ヒマワリ種子油またはその混合物から得られたものである。一実施形態において、脂肪酸および/またはエステルをオレフィンと混合する。
【0122】
ポリオールとしては、ジオール、トリオール、およびより多数のアルコール性OH基を有するアルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコール;プロピレングリコール、例えば、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびテトラプロピレングリコール;グリセロール;ブタンジオール;ヘキサンジオール;ソルビトール;アラビトール;マンニトール;スクロース;フルクトース;グルコース;シクロヘキサンジオール;エリトリトール;ならびにペンタエリトリトール、例えば、ジペンタエリトリトールおよびトリペンタエリトリトールが挙げられる。多くの場合、ポリオールは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリトリトールまたはジペンタエリトリトールである。
【0123】
「グリセロールモノオレエート」として公知である市販のモノエステルは、60±5パーセント(重量基準)の化学種グリセロールモノオレエートを、35±5パーセントのグリセロールジオレエート、および5パーセント未満のトリオレエートとオレイン酸とともに含んでいると考えられている。上記のモノエステルの量は、任意のかかる混合物中に存在するポリオールモノエステルの補正した実際の量に基づいて計算される。
【0124】
抗スカフィング剤
また、潤滑剤組成物に抗スカフィング剤を含有させてもよい。抗スカフィング剤化合物は、凝着摩耗を低減させると考えられるものであり、多くの場合、硫黄含有化合物である。典型的には、硫黄含有化合物としては、硫化オレフィン、有機硫化物およびポリスルフィド、例えば、ジベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、ジ−tert−ブチルポリスルフィド、硫化オレイン酸メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、硫化ディールス・アルダー付加物、アルキルスルフェニルN,N−ジアルキルジチオカルバメート、ポリアミンと多塩基酸エステルとの反応生成物、2,3−ジブロモプロポキシイソ酪酸のクロロブチルエステル、ジアルキルジチオカルバミン酸のアセトキシメチルエステルおよびキサントゲン酸のアシルオキシアルキルエーテルならびにその混合物が挙げられる。
【0125】
極圧剤
油中に溶解性である極圧(EP)剤としては、硫黄含有EP剤およびクロロ硫黄含有EP剤、塩素化炭化水素EP剤およびリンEP剤が挙げられる。かかるEP剤の例としては、塩素化ワックス;硫化オレフィン(硫化イソブチレンなど)、有機硫化物およびポリス
ルフィド、例えば、ジベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、硫化オレイン酸メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、および硫化ディールス・アルダー付加物;ホスホ硫化炭化水素(phosphosulphurised hydrocarbon)、例えば、硫化リンとテルペンチンまたはオレイン酸メチルとの反応生成物;リンエステル、例えば、二炭化水素のホスファイトおよび三炭化水素のホスファイト、例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル;亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリルおよびポリプロピレン置換亜リン酸フェノール;チオカルバミン酸金属塩、例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびヘプチルフェノール二酸バリウム;アルキルリン酸およびジアルキルリン酸または誘導体のアミン塩、例えば、ジアルキルジチオリン酸とプロピレンオキシドの反応生成物(続いて、その後、さらにP
2O
5と反応させる)のアミン塩など;およびその混合物(US3,197,405に記載)が挙げられる。
【0126】
本発明の組成物に有用であり得る腐食防止剤としては、脂肪アミン、オクチルアミン オクタノエート、ドデセニルコハク酸または無水物および脂肪酸(オレイン酸など)とポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。
【0127】
本発明の組成物に有用であり得る消泡剤としては、アクリル酸エチルと2−エチルヘキシルアクリレートと任意選択で酢酸ビニルとのコポリマーが挙げられ;抗乳化剤としては、リン酸トリアルキル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーが挙げられる。発泡抑制剤としては、ジメチルシロキサンポリマーなどのシリコーン泡消し剤(antifoam agent)が挙げられ得る。
【0128】
本発明の組成物に有用であり得る流動点降下剤としては、ポリαオレフィン、無水マレイン酸−スチレンコポリマーのエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが挙げられる。
【0129】
本明細書で用いる場合、用語「脂肪アルキル」または「脂肪(fatty)」は、摩擦調整剤との関連において、10〜22個の炭素原子を有する炭素鎖、典型的には直鎖の炭素鎖を意味する。
【0130】
本発明の組成物に有用であり得る摩擦調整剤としては、脂肪酸誘導体、例えば、アミン、エステル、エポキシド、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物およびアルキルリン酸のアミン塩、脂肪ホスホン酸エステルならびに脂肪カルボン酸をグアニジン、アミノグアニジン、尿素、チオ尿素およびその塩と反応させた反応生成物が挙げられる。したがって、摩擦調整剤としては、アルコキシ化脂肪アミン、ホウ素化脂肪エポキシド、脂肪ホスファイト(例えば、C16〜18の亜リン酸アルキル)、脂肪エポキシド、脂肪アミン、ホウ素化アルコキシ化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、ホウ素化グリセロールエステル、脂肪イミダゾリン、アミンリン酸塩(例えば、2−エチルヘキシルアミンの塩)、および長鎖アルキルリン酸エステルと長鎖アルキルアミンとの塩が挙げられる。「脂肪(fatty)」物質は、典型的には脂肪アルキル基、例えば、典型的にはC8〜C22アルキル基(通常、直鎖または場合によっては一分枝)を含むものである。かかる補助的摩擦調整剤(存在する場合)の量は、例えば、該流体組成物の0.01〜2パーセント(重量基準)、または0.05〜1.2パーセント、または0.1〜1パーセント(重量基準)であり得る。
【0131】
産業上の利用
本発明の方法および潤滑組成物は、冷凍潤滑剤、グリース、ギアオイル、車軸油、ドライブシャフトオイル、トラクションオイル、マニュアルトランスミッションオイル、オートマチックトランスミッションオイル、金属加工油剤、油圧作動油、または内燃機関油において使用され得る。ギアオイル、車軸油、ドライブシャフトオイル、マニュアルトランスミッションオイル、オートマチックトランスミッションオイルは、動力伝達装置の一部として使用されるものとして集合的に言及される場合がある。一実施形態において、動力伝達装置は、ギア、またはアクスル、またはマニュアルトランスミッションであり得る。
【0132】
一実施形態において、本発明の方法および潤滑組成物は、ギアオイル、車軸油、ドライブシャフトオイル、トラクションオイル、マニュアルトランスミッションオイルまたはオートマチックトランスミッションオイルのうちの少なくとも1種類のためのものであり得る。
【0133】
オートマチックトランスミッションとしては、連続可変変速機(CVT)、無段変速機(IVT)、トロイダル型変速機、連続滑り式トルクコンバータクラッチ(continuously slipping torque converter clutch)(CSTCC)、有段式オートマチックトランスミッションまたはデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が挙げられる。
【0134】
ギアオイルまたは車軸油は、遊星ハブリダクションアクスル、ユーティリティービークルのメカニカルステアリングおよびトランスファーギアボックス、シンクロメッシュギアボックス、パワーテイクオフギア、リミテッドスリップアクスル、および遊星ハブリダクションギアボックスにおいて使用され得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、好適な潤滑組成物は、以下の表に示す範囲で存在する(活性成分ベースで)該コポリマーを含むものである。
【0137】
種々の実施形態において、本発明のコポリマーは、0.1wt%〜99.9wt%、または1wt%〜70wt%、または1.5wt%〜65wt%、または10wt%〜60wt%、または15wt%〜60wt%、または18wt%〜46wt%で存在し得る。
【0138】
以下の実施例に本発明の実例を示す。この実施例は網羅的でなく、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【実施例】
【0139】
実施例
5L容フランジフラスコに、353gの無水マレイン酸、606gの1−ドデセン、およびトルエン(2372.8g)を仕込む。フラスコには、フランジリッドとクリップ、PTFE製攪拌器グランド、ロッドとオーバーヘッドスターラー、水冷式冷却器、熱電対および窒素供給口を装着する。フラスコを窒素下で攪拌する。Trigonox(登録商標)21Sとトルエン(315g)を、サイドアームを有する三角フラスコに仕込み、窒素を適用する。フラスコを105℃まで加熱する。三角フラスコの内容物をフランジフラスコに、Masterflex
TMポンプ(流量=1.2ml/分
−1)によって5時間にわたって仕込む。フラスコを50℃まで冷却する。このフラスコにディーンスタークトラップを装着し、フラスコを120℃まで加熱してトルエンを除去した後、アルコールを添加する。フラスコを110℃まで冷却する。Alfol 810(522g)とメタンスルホン酸(24.7g)を一緒に混合し、145℃まで加熱しながらこのフラスコに滴下漏斗によって1.5時間にわたって仕込む。フラスコを2時間攪拌した後、周囲温度まで冷却する。フラスコを145℃まで加熱する。フラスコをさらに8時間攪拌する。2回目の添加分のメタンスルホン酸(12.4g)をこのフラスコに仕込む。次いで、添加分のブタノール(55.7g)をこのフラスコに仕込み、18時間攪拌する。2回目の添加分のブタノールをこのフラスコに仕込み、3時間攪拌する。3回目の添加分のブタノールをこのフラスコに仕込み、2.5時間攪拌する。4回目の添加分のブタノールをこのフラスコに仕込み、18時間攪拌する。5回目の添加分のブタノールをこのフラスコに仕込み、3時間攪拌する。6回目の添加分のブタノールをこのフラスコに仕込み、3時間攪拌する。16.82gの水酸化ナトリウム(水中50mol%)を、150℃まで加熱しながらこのフラスコに仕込み、さらに45分間攪拌する。7.56gのジメチルアミノプロピルアミン(0.1%の窒素を該コポリマーにもたらす)をこのフラスコに仕込み、次いで、2時間攪拌する。装置を真空蒸留用に設置する。フラスコを100℃まで加熱し、真空を適用し、30分間保持する。フラスコを130℃まで加熱し、45分間保持する。次いでフラスコを150℃まで加熱し、さらに3時間保持する。次いでフラスコを100℃まで冷却し、真空除去を行なう。生成物をケイソウ土に通して濾過し、およそ0.1%のN、2mgKOH/gのTBNを有する所望のエステルコポリマーを得る。
【0140】
ポリマー中間体2:エステルコポリマー2(Esc2)は、上記に概略を示した一般手順を使用し、ジメチルアミノプロピルアミンの代わりに、0.12%の窒素、2.2mgKOH/gのTBNをもたらす3−モルホリノプロパン−1−アミンを用いて調製する。
【0141】
ポリマー中間体3:エステルコポリマー3(Esc3)は、上記に概略を示した一般手順を使用し、0.27%の窒素、4.8mgKOH/gのTBNをもたらすジメチルアミノプロピルアミンを用いて調製する。
【0142】
ポリマー中間体4:エステルコポリマー2(Esc2)は、上記に概略を示した一般手順を使用し、ジメチルアミノプロピルアミンの代わりに、0.25%の窒素、およそ5mgKOH/gのTBNをもたらす3−モルホリノプロパン−1−アミンを用いて調製する。
【0143】
ポリマー中間体5:エステルコポリマー3(Esc3)は、上記に概略を示した一般手順、5.6mgKOH/gのTBNをもたらすジメチルアミノプロピルアミンを用いて調製する。
【0144】
ポリマー中間体6:エステルコポリマー5(Esc5)は、上記に概略を示した一般手順を使用し、0.4%の窒素、およそ8mgKOH/gのTBNをもたらすジメチルアミノプロピルアミンを用いて調製する。
【0145】
ポリマー中間体7:エステルコポリマー2(Esc2)は、上記に概略を示した一般手順を使用し、ジメチルアミノプロピルアミンの代わりに、0.4%の窒素、およそ8mgKOH/gのTBNをもたらす3−モルホリノプロパン−1−アミンを用いて調製する。
【0146】
本発明のコポリマー1(CPI1):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着した。このフラスコに、ポリマー中間体3(2232g)とジメルカプトチアジアゾール(28.46g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを90℃まで加熱し、アクリル酸n−ブチル(26.7g)を30分間にわたって添加する。フラスコの内容物をさらに30分間攪拌する。反応混合物を130℃まで加熱し、18時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である褐色粘性油状物が得られる。このコポリマーの硫黄分は8116ppmである。
【0147】
本発明のコポリマー2(CPI2):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着する。このフラスコに、ポリマー中間体3(2619g)とジメルカプトチアジアゾール(33.34g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを90℃まで加熱し、ビス2−エチルヘキシルマレエート(83.22g)を30分間にわたって添加する。フラスコの内容物をさらに30分間攪拌する。反応混合物を130℃まで加熱し、18時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である褐色粘性油状物が得られる。このコポリマーの硫黄分は8325ppmである。
【0148】
本発明のコポリマー3(CPI3):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着する。このフラスコに、ポリマー中間体2(2905g)とジメルカプトチアジアゾール(17.04g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを50℃まで加熱し、アクリル酸n−ブチル(15.99g)を5分間にわたって添加する。反応混合物を130℃まで加熱し、16時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である褐色粘性油状物が得られる。このコポリマーの硫黄分は3749ppmである。
【0149】
本発明のコポリマー4(CPI4):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着する。このフラスコに、ポリマー中間体2(3125g)とジメルカプトチアジアゾール(18.31g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを50℃まで加熱し、ビス2−エチルヘキシルマレエート(45.69g)を5分間にわたって添加する。反応混合物を130℃まで加熱し、20時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である褐色粘性油状物が得られる。このコポリマーの硫黄分は3134ppmである。
【0150】
本発明のコポリマー5(CPI5):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着する。このフラスコに、ポリマー中間体6(3000g)とジメルカプトチアジアゾール(63.99g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを90℃まで加熱し、アクリル酸n−ブチル(60.04g)を30分間にわたって添加する。反応混合物を30分間攪拌し、130℃まで加熱する。反応混合物を16時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である粘性油状物が得られる。
【0151】
本発明のコポリマー6(CPI6):5L容フランジフラスコに、オーバーヘッドスターラー、攪拌器グランド、熱電対、窒素供給口(0.028m
3/時(または1SCFH))、水冷式冷却器およびPTFEガスケットを装着する。このフラスコに、ポリマー中間体3(2800g)とジメルカプトチアジアゾール(59.41g)との生成物を仕込む。フラスコの内容物を350rpmで攪拌する。フラスコを90℃まで加熱し、ビス2−エチルヘキシルマレエート(148.29g)を30分間にわたって添加する。フラスコの内容物をさらに30分間攪拌する。反応混合物を130℃まで加熱し、16時間攪拌する。フラスコの内容物を冷却すると、所望の生成物である粘性油状物が得られる。
【0152】
76wt%のポリαオレフィン(4mm
2/sまたはcSt、PAO−4と称している場合があり得る)、約530ppmのリンをもたらすリン耐摩耗剤、約93ppmのホウ素をもたらすホウ素化分散剤、0.2wt%のオレイルアミン、および2wt%の300 TBNスルホン酸カルシウム清浄剤を含む一連のマニュアルトランスミッション潤滑剤を調製する(MCE1、MEX1およびMEX2)。また、CE1には18.8wt%のポリマー中間体2のポリマーを含め;MEX1およびMEX2には、それぞれ、18.8wt%のCPI3およびCPI4を含める。
【0153】
CE1、MEX1およびMEX2を、ASTM D445(40℃(KV40)および100℃(KV100)における動粘度)、ASTM法D2270(粘度指数(VI))ならびにASTM D2783(極圧性能についての四球摩耗試験)に記載の方法論によって評価する。得られたデータは以下のとおりである:
【0154】
【化5】
【0155】
このデータは、本発明の潤滑組成物が比較例と比べて改善された融着性能を有することを示す。
【0156】
約1474ppmのリンが送達されるのに充分なリン耐摩耗剤、0.13wt%のオレイルアミド、約4wt%の硫化オレフィン、および1.25wt%のホウ素化分散剤(約235ppmのホウ素が送達されるためのもの)を含む一連のアクスルギア潤滑剤ACE1(アクスル比較例1)およびAXEX1(アクスルギア潤滑剤の本発明の実施例1)を調製する。ACE1には、51.26wt%のPAO−4と38.6wt%のポリマー中間体2も含める。AXEX1には36.8wt%のCPI3の生成物と53.34wt%のPAO−4も含める。
【0157】
ACE1およびAXEX1を、ASTM法D445(KV40およびKV100を測定するためのもの)、ASTM法D2270(VIを測定するためのもの)、ならびにL−42試験(ASTM法D7452)の方法論によって評価する。L−42では、高速かつ衝撃負荷の条件下で、最終ドライブアクスルに使用された潤滑剤の耐荷特性を測定する。L−42試験では、参照流体(L−42試験によって指定)と比べたときのギアのコースト側の表面のスカフィングおよび評点付けを評価し、試験終了時(EOT)の評点が低いほど良好な結果を示している。スカフィングに対する評点が低いほど、潤滑剤が、衝撃負荷下においてギアの損傷を最小限にできるものであることを示す。ACE1およびAXEX1に関して実施した種々のASTM試験で得られた結果は:
【0158】
【化6】
【0159】
である。
【0160】
L−42試験によって指定された参照油は、コースト側のリングの評点付けで平均評点12、およびコースト側のピニオンの評点付けで平均評点16を有するものである。参照流体とACE1およびAXEX1とのデータの比較により、本発明の潤滑組成物が衝撃負荷下でのスカフィングを低減させ、ギアの損傷を最小限にし得るものであることが示される。
【0161】
一部の上記の物質は最終配合物中で相互作用する場合があり得、そのため、最終配合物の成分が最初に添加したものと異なる場合があり得ることはわかるであろう。かくして形成される生成物、例えば、本発明の潤滑剤組成物をその意図された用途で使用して形成される生成物が、容易に説明され得ないものである場合があり得る。とはいえ、かかる変形例および反応生成物はすべて、本発明の範囲に含まれる;本発明には、上記の成分を混合することにより調製される潤滑剤組成物が包含される。
【0162】
本明細書で用いる場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、当業者によく知られたその通常の意味で用いている。具体的には、分子の残部に直接結合している炭素原子を有し、主として炭化水素の特性を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例としては:炭化水素置換基、例えば、脂肪族、脂環式、および芳香族置換基;置換炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含む置換基(該非炭化水素基は、本発明の状
況において、該置換基の主として炭化水素の性質を改変しないものである);ならびにヘテロ置換基、すなわち、同様の主として炭化水素の特性を有するが環内または鎖内に炭素以外を含む置換基が挙げられる。用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」のより詳細な定義は、公開出願US2010−0197536の段落[0137]〜[0141]に示されている。
【0163】
本実施例の場合を除き、または特に明示していない場合、材料、反応条件、分子量、炭素原子の数などの量を指定する本記載における数量はすべて、文言「約」によって修飾されていると理解されたい。特に記載のない限り、本明細書において言及している各化学物質または組成物は、市販品等級の物質であり、異性体、副生成物、誘導体、および市販品等級のものに存在すると通常理解されている他のかかる物質が含まれている場合があり得ると解釈されたい。しかしながら、特に記載のない限り、各化学成分の量は、市販物質中に通常存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いた量で示している。
【0164】
上記において言及した各文献は、引用により本明細書に組み込まれる。本明細書に示した量、範囲および比率の上限と下限は、独立して、組み合わされ得ることを理解されたい。同様に、本発明の各要素の範囲および量を、任意のその他の要素の範囲および量と一緒に使用してもよい。
【0165】
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明したが、本明細書を読むと種々のその変形例が当業者に自明となるであろうことは理解されよう。したがって、本明細書に開示した発明には、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるかかる変形例が包含されることを意図していることを理解されたい。