特許第5881750号(P5881750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881750
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】黒色エフェクト顔料
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/06 20060101AFI20160225BHJP
   C09C 1/40 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/24 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/46 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/28 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/62 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/04 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/36 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/64 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/66 20060101ALI20160225BHJP
   C09C 1/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 3/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20160225BHJP
   A61Q 90/00 20090101ALI20160225BHJP
【FI】
   C09C3/06
   C09C1/40
   C09C1/24
   C09C1/46
   C09C1/28
   C09C1/62
   C09C1/04
   C09C1/36
   C09C1/64
   C09C1/66
   C09C1/00
   A61K8/19
   A61Q1/00
   A61Q3/00
   A61Q5/00
   A61Q17/00
   A61Q19/00
   A61Q90/00
【請求項の数】18
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-558160(P2013-558160)
(86)(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公表番号】特表2014-508211(P2014-508211A)
(43)【公表日】2014年4月3日
(86)【国際出願番号】US2012029172
(87)【国際公開番号】WO2012125789
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年3月12日
(31)【優先権主張番号】13/419,772
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/452,804
(32)【優先日】2011年3月15日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】サイオス,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】キライル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アウカー,ベティ
【審査官】 桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−516688(JP,A)
【文献】 特開2004−197099(JP,A)
【文献】 特開2010−024460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 3/06
A61K 8/19
A61Q 1/00
A61Q 3/00
A61Q 5/00
A61Q 17/00
A61Q 19/00
A61Q 90/00
C09C 1/00
C09C 1/04
C09C 1/24
C09C 1/28
C09C 1/36
C09C 1/40
C09C 1/46
C09C 1/62
C09C 1/64
C09C 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基材上の少なくともSnO及び/又は水和SnOからなる部分層
b)少なくともFeからなる部分層
及び
c)所望により、金属酸化物からなる更なる層、
を含む黒色エフェクト顔料であり、
前記少なくともFeからなる部分層は、更に水酸化第二鉄及びFeを含み得、そして
前記SnO及び/又は水和SnOは、0.5乃至4質量%の範囲であり、且つ、前記Feが18.4乃至約70質量%の範囲であり、そして
該質量%は、黒色エフェクト顔料の全質量に基づいている、
黒色エフェクト顔料。
【請求項2】
前記SnO及び/又は水和SnO層及び/又は前記Fe層が、基材上に連続コーティング又は連続層を、カプセル化しているか又は形成している、請求項1に記載の黒色エフェクト顔料。
【請求項3】
更なる層c)が、SiO、TiO、ZrO、Al及びZnOからなる金属酸化物群から選択される、請求項1に記載の顔料。
【請求項4】
前記金属酸化物がSiO又はTiOである、請求項3に記載の顔料。
【請求項5】
前記顔料が、金属酸化物層c)を含み、且つ、該金属酸化物層が透明である、請求項1に記載の顔料。
【請求項6】
前記基材が、酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china clay)、磁
器、酸化チタン、二酸化チタン、亜酸化チタン、ゼオライト、カオリン、ゼオライト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の顔料。
【請求項7】
前記基材が、天然マイカ、合成マイカ、パーライト、板状ガラス及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の顔料。
【請求項8】
前記基材が、マイカ又は合成マイカである、請求項1に記載の顔料。
【請求項9】
前記SnO及びFeが、同一層中に存在する、請求項1に記載の顔料。
【請求項10】
前記SnO及びFeが、二つの分離層中に存在する、請求項1に記載の顔料。
【請求項11】
以下の層構造:
基材/SnO及び/又は水和SnO+Fe(同一層)、
基材/SnO及び/又は水和SnO+Fe(同一層)/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/ZnO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/ZrO
基材/TiO+SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/TiO+SnO/Fe/SiO、基材/TiO+SnO/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO、基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO+SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO/SnO/Fe/SiO
基材/SiO/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO、又は
基材/SnO/TiO/SnO/Fe/SiOを有し、
前記基材は、酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china clay)、磁器、酸化チタン、二酸化チタン、亜酸化チタン、ゼオライト、カオリン、ホウケイ酸塩及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の顔料。
【請求項12】
請求項1に記載の黒色エフェクト顔料を含有するペイント、コーティング、粉末コーティング、印刷インキ、レーザーマーキング顔料、化粧品配合物、顔料組成物又は乾燥調合物。
【請求項13】
請求項1に記載の黒色エフェクト顔料を含む、化粧料配合物。
【請求項14】
約10乃至約90wt%の化粧品に適するキャリヤ材料を更に含む、請求項13に記載の化粧料配合物。
【請求項15】
前記配合物が、コンシーラースティック、ファンデーション、舞台用メイクアップ、マスカラ、ケーキマスカラ、クリームマスカラ、アイシャドウ、リキッドアイシャドウ、ポマードアイシャドウ、パウダーアイシャドウ、スティックアイシャドウ、圧縮(プレスド)アイシャドウ、クリームアイシャドウ、ヘアカラー、リップスティック、リップグロス、コールペンシル、アイライナー、頬紅、アイブロウペンシル、クリームパウダー、ネイル
エナメル、スキングロッサースティック、ヘアスプレー、フェイスパウダー、レッグメイクアップ、虫よけローション、ネイルエナメルリムーバー、香水ローション、シャンプー、ゲルシャンプー、リキッドシャンプー、シェービングクリーム、エアロゾルシェービングクリーム、ブラシレスシェービングクリーム、泡立ちシェービングクリーム、整髪用品、コロンスティック、コロン、コロンエモリエント、バブルバス、ボディローション、保湿ボディローション、洗浄ボディローション、鎮痛ボディローション、収斂ボディローション、アフターシェーブローション、アフターバスミルク及びサンスクリーンローションから成る群から選択される化粧品である、請求項13に記載の化粧料配合物。
【請求項16】
少なくとも部分的にSnOコート又はSnO層化され、更に水和SnOコートを含み得る基材上に、水酸化第二鉄又は酸化第二鉄を更に含み得るFeコーティング又はFe層を適用する工程、並びに
所望により更なる金属酸化物コーティングを適用する工程、を含む、
請求項1に記載の黒色エフェクト顔料を製造する方法。
【請求項17】
前記基材が、酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、板状シリカ、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china clay)、磁器、酸化チタン、二酸化チタン、亜酸化チタン、ゼオライト、カオリン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
a)0.5乃至4質量%のSnO又は水和SnOで基材を少なくとも部分的にコーティングする工程、
b)工程a)の少なくとも部分的にコーティングされた基材に、18.4乃至70質量%のFeを適用する工程、及び
c)所望により、更に金属酸化物コーティングを適用する工程、
を含み、そして
該質量%がコーティングされた基材の全質量に基づく、
基材にFeの付着を増加させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/452,804号(その全体が参照により本明細書に援用される)の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
真珠光沢顔料又は真珠箔としても既知であるエフェクト顔料は、真珠光沢、金属光沢及び/又は虹色に迫るマルチカラー効果を材料に対して与える為に使用される。例えば、フレーク形態基材をベースとする黒色エフェクト顔料は、化粧品において特に関心を集める。Fe−ベースのエフェクト顔料を含む初期の黒色エフェクト顔料の一つは、化粧品用途に認可されている。
【0003】
米国特許第3,926,659号明細書、米国特許第7,303,622号明細書及び米国特許出願公開第2007/0032573号明細書は、Feベースのエフェクト顔料を開示する。
【0004】
Feベースのエフェクト顔料は非常に安定な傾向があり、カーマインなどの多くのカラーベースの顔料のように分解されない。しかしながら、Feベースのエフェクト顔料は、通常、満足な黒色を提供できない。
【0005】
加えて、Feは、板状基材に十分に結合しない。例えば、マイカ及びパーライトなどの基材へのFe付着は弱い。従って、Feコートされた基材を、例えばラッカー中で製品の手練りといった機械的せん断にひとたび晒すと、Feコーティング又は層は容易に基材表面から除去される。基材からのこのFeコート又は層の除去は、“汚染”問題を引き起こし得る。
【0006】
従って、当業者において、改善された暗さと改善された板状基材への付着を備える黒色エフェクト顔料組成物に対する継続した要求が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、Feベースのエフェクト顔料におけるいくつかのこれらの弱点が、本書に開示される種々の実施態様を用いて対処できることを開示する。
【0008】
この開示の第一の実施態様は、
・新規な黒色エフェクト顔料
・本発明の黒色エフェクト顔料を含有するペイント、コーティング、印刷インキ、化粧品配合物、レーザーマーキング、顔料組成物又は乾燥調合物、特に化粧品配合物
・前記黒色エフェクト顔料の製造方法、及び
・基材へのFeの付着を増加させる方法
を対象とする。
【0009】
従って本発明は、
a)基材上の少なくともSnO及び/又は水和SnOからなる部分層
b)少なくともFeからなる部分層
及び
c)所望により、金属酸化物からなる更なる層、該金属酸化物層は透明である、
を含み、
前記少なくともFeからなる部分層は、更に水酸化第二鉄及びFeを含み得る、
黒色エフェクト顔料を対象とする。
【0010】
本発明の黒色エフェクト顔料を含有するペイント、コーティング、印刷インキ、化粧品配合物、レーザーマーキング、顔料組成物又は乾燥調合物、特に化粧品配合物は、本開示の重要な実施態様である。
【0011】
黒色エフェクト顔料を製造する方法は、少なくとも部分的にコート又は層化されたSnOコートされた基材上に、Feのコーティング又は層を適用する工程、並びに所望により更なる金属酸化物コーティングを適用する工程を含む。
【0012】
あるいはこの方法は、その後のFe沈着のための基材の前処理のためのSnO及び/又は水和SnOの使用として表現され得る。
【0013】
基材へのFeの付着を増加させる方法は、
a)基材をSnO及び/又は水和SnOで少なくとも部分的にコーティングする工程、
b)工程a)で少なくとも部分的にコートされた基材へFeを適用する工程、及びc)所望により、更に金属酸化物コーティングを適用する工程を含み、
前記Feからなる部分層は更に水酸化第二鉄及びFeを含み得る。
【0014】
あるいは、この方法は、その後のFe層のための、基材上の接着促進剤としてのSnO及び/又は水和SnOの使用として表現され得る。
【0015】
図1乃至図4は、酸化スズにより処理され、Feが沈着してなるマイカの図である。黒い点がFeを示す。写真1−4は、倍率400倍にて、ニコンLV−100で撮影した。写真5は倍率100倍で撮影した。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、マイカ上の0.39wt%のSnO及び/又は水和SnO層と、39wt%のFe層を示す。
図2図2は、マイカ上の3.2wt%のSnO及び/又は水和SnO層と、31wt%のFe層を示す。
図3図3は、マイカ上の2.6wt%のSnO及び/又は水和SnO層と、40wt%のFe層を示す。
図4図4は、マイカ上の1.92wt%のSnO及び/又は水和SnO層と、18.4wt%のFe層を示す。
図5図5は、マイカ上の、25wt%のFe層を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
この開示のために、用語“基材”は板状の無機物又は有機物の処理された又は処理されていない材料を意味する。例えば、そのような板状材料としては、酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、板状シリカ、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china clay)、磁器、酸化チタン、板状二酸化チタン、亜酸化チタン、カオリン、ゼオライト及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
上記に定義したとおり、基材は処理又は未処理であり得る。例えば基材は、シリコーン及びカップリング剤などのような剤で実質的に処理され得る。あるいは、基材は、少なくともSnO及びFeからなる部分コーティングを適用する前に、表面を平坦にするために機械的処理をされ得、又は表面を活性化するためにプラズマ又は放射線処理され得る。
【0019】
好ましい実施態様において、基材は天然マイカ、合成マイカ、パーライト、板状ガラス、オキシ塩化ビスマス及びアルミニウムからなる群から選択され得る。天然マイカ(天然又は合成)が特に重要である。
【0020】
本明細書に使用される記述“板状”は当業界でよく理解される。用語“板状”は、フレーク、フレーク状、プレート状、プレートレット、及び片状(flaky)と同じ意味で使用され得る。
【0021】
用語“黒色”が使用されるとき、これは実質上黒色であることを意味する。
【0022】
黒色が十分な黒色度によって、すなわち低L値、及び“a”及び“b”値がゼロ点周囲にあることによって区別されることが、本開示の目的に関して、“実質的に黒色”を意味する。黒色は、金、赤、緑などの他色のオーバートーンを含み得る。定義された“a”及び“b”値の調整は、金、緑赤又は青がかった色を有する黒色干渉顔料を得ることを可能にする。
【0023】
フレーズ“少なくとも部分層又は部分コーティング”は、SnO、Fe又は任意の金属酸化物コーティング、層又はスタック(積み重ね)を言及し、コーティングが不完全又は部分的であり得ること、すなわち、板状表面の全ては完全な連続層でカバーされておらず、板状表面の一部のみをカバーしていることを意味する。
【0024】
本明細書に記載されたありとあらゆる特許、特許出願、及び本書に記載された刊行物の開示は、それら全体が参照することにより本明細書に援用される。
【0025】
基材
上述したように、板状基材は有機物又は無機物であり得、但し好ましくは無機物である。
【0026】
基材はさらに多くの方法で特徴づけられ得る。例えば、板状基材の直径は、約0.1乃至約350ミクロン、好ましくは約5乃至約250ミクロン、そして最も好ましくは約1乃至約150ミクロンの範囲であり得る。
【0027】
板状基材はまた、それぞれが異なる粒子サイズを有する、同一の又は異なる基材の混合物であり得る。基材混合物は、2、3又はそれ以上の異なる基材から構成され得る。好ましいのは一種の基材であり、例えば天然マイカ又は合成マイカである。
【0028】
SnO
重要な実施態様において、SnO及び/又は水和SnOは部分的又は完全に基材をコートし得、部分的にコートされた又は完全にコートされた基材は隣接し、少なくともFeからなる部分コーティング又は部分層で直接コートされる。
【0029】
SnOコーティング又は層は、基材に直接影響を与え得るかどうかはわからない。しかしSnOコーティング又は層は、少なくともひとつのFe層、スタック又はコーティングと直接接触する。
【0030】
別の重要な実施態様は板状基材であり、特にマイカはSnOをシード(播種)され得、隣接するTiO層が続き得る。従って、SnOを含むTiO層は、その上にFeコーティングが適用される、隣接層として使用され得る。
【0031】
しかしながら、Feコーティング層に影響を与えるSnOコーティング又は層は、TiOコーティング又は層に取り込まれていないことが好ましい。
【0032】
板状表面上の沈着に要求されるSnO及び/又は水和SnO化合物量は様々である。しかし概して、酸化スズ及び/又はそれらの水和物の最少量は、エフェクト顔料の総質量に基いて、少なくとも約0.01wt%、好ましくは約0.1wt%、そして最も好ましくは約0.5wt%のSnO及び/又はそれらの水和物の範囲である。
【0033】
従って、エフェクト顔料wt%として、SnO及び/又は水和SnOの量は、エフェクト顔料の総質量に基いて、少なくとも0.01乃至20wt%、好ましくは0.1乃至10wt%、そして最も好ましくは0.5乃至4wt%である。
【0034】
本黒色エフェクト顔料の有利点の一つは、基材上、特にマイカ又は合成マイカ上の、少なくとも部分的なSnO又は少なくとも部分的な水和SnOのコーティングが、隣接するFe層又はコーティングの適用に関して、より改善された基材表面をもたらすことである。これは、基材と結合していないFe粒子よりむしろ、板状基材に付着する大量のFeをもたらす。これは、ほとんど汚染点を伴わない、より真の、より深い黒色エフェクト顔料であって、低濃度で効果的であるエフェクト顔料を与える。
【0035】
従って、その後のFe沈着のための基材の前処理のためのSnO及び/又は水和SnOの使用(前記基材は酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china
clay)、磁器、酸化チタン、二酸化チタン、亜酸化チタン、ゼオライト、カオリン、ゼオライト及びそれらの組み合わせ、好ましくは天然マイカ、合成マイカ、パーライト、板状ガラス及びアルミニウム、最も好ましくは天然マイカ又は合成マイカからなる群から選択される)は、本開示の重要な実施態様である。
【0036】
様々なスズ塩が酸化スズ及び/又は酸化スズ水和物化合物の源として使用され得、第1スズ又は第2スズ塩のいずれもが適用可能である。多くのスズ化合物は、溶液は希釈剤によって容易に加水分解(水和)され、プラスに帯電してなる高コロイド懸濁液を形成するという特徴がある。酸化スズ化合物の核をなす表面の不溶化は、熱によって、又は分離したフレークの乾燥によって、又は比較的高い温度にスラリーを加熱することによって、容易にもたらされる。
【0037】
Fe
マグネタイト層又はFe層は、適切な板状基材上に、湿式化学法、化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)によって、直接的に沈着され得る。あるいは、板状基材は、まず酸化鉄(III)でコートされ、続いて酸化鉄(II)を含む層に還元される。
【0038】
基材上にFeが形成又は沈着する際、少量の水酸化第二鉄及びFeが形成され、おそらくそれも存在している点が重要である。
【0039】
概してFe含有コーティングは、本発明の黒色エフェクト顔料の総質量の、約20乃至約70wt%、好ましくは約25乃至約65wt%、約35乃至約60wt%の範囲である。
【0040】
SnO及び/又は水和SnO層及び/又はFe層を含む黒色エフェクト顔料は、基材に連続コーティング又は層をカプセル化し得るか又は形成し得る。どちらのコーティングが部分的であることは必要でない。
【0041】
金属酸化物コーティング
本発明の別の実施態様は、基材表面へのFeの付着が、更なる金属酸化物コーティングを用いてさらに改善され得る。このコーティングは、内部のFe層のための外部保護層として、あるいは、せん断による除去からFe層を保護する層として機能し得る。この更なる金属酸化物コーティングはまた、更なる酸化からFeを保護し得る。
【0042】
更なる金属酸化物層は、エフェクト顔料を作る下層のFe層を、皮膚及び化粧品用途により適合するものにする。
【0043】
この更なる保護層は、実質的にあらゆる金属酸化物から、好ましくは透明な金属酸化物から選択され得る。例えば、SiO、TiO、ZrO、Al及びZnOなどの金属酸化物が想定される。
【0044】
更なる金属層c)に関する好ましい実施態様は、SiO、TiO及びZrO、最も好ましくはSiO及びTiO、特にSiOからなる群から選択される。
【0045】
この更なる保護層又は金属酸化物外部層は、約1nm乃至約350nm、好ましくは約5nm乃至約100nm、そして特に10乃至約100nmの範囲であり得る。
【0046】
これまで説明された実施態様は3層、すなわち、a)SnO及び/又は水和SnO層又はコーティング、b)Fe層又はコーティング、そしてc)更なる金属酸化物層であるが、本発明の黒色エフェクト顔料はこれら3層に限定されない。他のバリエーションが可能である。例えば、以下の層順序の干渉顔料が想定されるが、限定されるものではない:
基材/SnO及び/又は水和SnO+Fe(同一層)、
基材/SnO及び/又は水和SnO+Fe(同一層)/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/ZnO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/ZrO
基材/TiO+SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/TiO+SnO/Fe/SiO、基材/TiO+SnO/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO、基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO+SnO/Fe/SiO
基材/SnO及び/又は水和SnO/Fe/SiO/SnO/Fe/SiO
基材/SiO/SnO及び/又は水和SnO/Fe/TiO
基材/SnO/TiO/SnO/Fe/SiO
前記基材は、酸化アルミニウム、板状ガラス、パーライト、アルミニウム、天然マイカ、
合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、板状酸化鉄、板状グラファイト、ブロンズ、ステンレス鋼、天然パール、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、銅フレーク、銅合金フレーク、亜鉛フレーク、亜鉛合金フレーク、酸化亜鉛、エナメル、カオリン(china clay)、磁器、酸化チタン、二酸化チタン、亜酸化チタン、ゼオライト、カオリン、ホウケイ酸塩及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは天然マイカ、合成マイカ、パーライト、板状ガラス及びアルミニウムからなる群から選択され、最も好ましくは天然マイカ又は合成マイカである。
【0047】
上述したように、本発明の黒色エフェクト顔料はまた一つの層中に存在するSnOとFe、又は2つの分離層中に存在するSnOとFeを具体化する。
【0048】
黒色エフェクト顔料の製造
本願の顔料組成物に有用なエフェクト顔料は、当業者に既知のいかなる工程によって形成し得る。一例として、金属酸化物を薄層状の板状基材粒子上に沈殿させ、その後、コートされた粒子を焼成して、金属酸化物コートされたフレーク形態顔料を得ることによって、達成可能である。
【0049】
一般に、エフェクト顔料の製造手順は、基材、特に板状基材を分散させ、その分散液を前駆体と組み合わせ、基材上に前駆体の酸化物の沈着をもたらすことを含む。例えば、酸化チタンの場合、塩化チタニル又は四塩化チタンが前駆体として使用され得る。酸化鉄の場合、前駆体原料は硫酸第一鉄であり得、酸化スズ及び/又はそれらの水和物の場合、前駆体はSnClであり得る。得られるスラリーのpHは、板状基材上に酸化鉄の沈殿を引き起こすために、鉄塩の添加の間、水酸化ナトリウムなどの適切な塩基の使用によって、適正なレベルに維持される。所望により、酸化チタン、酸化ケイ素、SnO及び酸化鉄(又は他の金属)の更なる層が続いて沈着され得る。
【0050】
別のコーティング手順、例えば、化学気相蒸着法(CVD)又は物理気相蒸着法(PVD)もまた、本願組成物に有用なエフェクト顔料の製造に使用され得る。
【0051】
従って、実質的に黒色エフェクト顔料の製造方法は、少なくとも部分的にコート又は層化されたSnO又は水和SnOコートされた基材上に、Feのコーティング又は層を適用する工程、並びに所望により更なる金属酸化物コーティングを適用する工程を含む。
【0052】
湿式化学法は特に重要である。基材は、液体中、特に、加水分解に適切なpHで添加される一種以上の加水分解性金属塩を含む水中に、通常懸濁又は分散される。pHは、金属酸化物又は酸化金属水和物が第二の沈殿の発生なしにフレーク上に直接沈殿するように、選択される。pHは塩基の酸性を同時に計測することによって、一定に保たれる。
【0053】
本発明の黒色エフェクト顔料の場合、SnO及び/又は水和SnO処理された板状基材は、塩基性pHで、還元性条件の有無にかかわらず、FeSOなどの加水分解性鉄塩が存在する液体中に分散され得る。
【0054】
SnO及び/又は水和SnOの板状基材への沈殿は、乾燥又は焼成とは分離して実施され得、続いてFe層が形成される。あるいは、酸化スズ及び/又はそれらの水和物コーティングは、酸性条件下で、乾燥又は焼成工程なしに一工程で適用され得、続いて塩基性の還元又は非還元条件下で、Fe沈着がなされる。
【0055】
本発明はまた、例えばマイカ又は合成マイカなどの、板状基板に対するFeの付着を改善する、新規な方法又は使用を対象とする。
【0056】
該方法は、基材へのFeの付着を増加させ、
a)基材、特にマイカ(合成又は天然)をSnO及び/又は水和SnOで少なくとも部分的にコーティングする工程、
b)工程a)で少なくとも部分的にコートされた基材へFeを適用する工程、及びc)所望により、更に金属酸化物コーティングを適用する工程を含み、
前記Feからなる部分層は更に水酸化第二鉄及びFeを含み得る。
【0057】
本発明の黒色エフェクト顔料は、疎水性又は親水性特性をエフェクト顔料に与えるために更にコートされ得る。そのような処理は、配合物の相溶性を改善し得、又は、肌への顔料の感触や肌触りを改善し得る。例えば、米国特許出願公開第2008/0213322号明細書は、顔料の疎水性を増加させるためのセチルジメチコンを用いたエフェクト顔料のコーティングを記載する。疎水性処理の他の例は、可能なコーティング剤のいくつかの例を挙げると、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンのシクロコポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン、ラウロイルリジン、及びオクチルヘプタメチルトリシロキサンを用いた顔料の処理が含まれ得る。
【0058】
本発明の黒色エフェクト顔料の適用
本発明のエフェクト顔料は、あらゆる慣用の用途に使用可能であり、例えば、大量のポリマーの着色、コーティング(自動車部門など向けのエフェクト仕上げを含む)及びプリントインキ(オフセット印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ブロンズ処理及びフレキソ印刷を含む)、及びまた化粧品用途、インクジェット用途、テキスタイル染色用途、並びにペーパー及びプラスティックスのレーザーマーキング用途が挙げられる。前記用途は、参考文献から知られており、例えば“インダストリアレ オーガニッシェ ピグメンテ(Industrielle Organische Pigmente)”(W.ハーブスト及びK.ハンガー,VCH ヴェルラングシゲゼルシャフト mbH,ヴァインハイム/ニューヨーク,2nd,完全改訂版,1995)。
【0059】
本発明の黒色エフェクト顔料を含むペイント、コーティング、印刷インキ、プラスティック、化粧品配合物、レーザーマーキング、顔料組成物又は乾燥調合物、特に化粧品配合物は、本開示の重要な実施態様である。
【0060】
一つの実施態様において、組成物は化粧品組成物の一部である。化粧品組成物の形態は、クリーム、エマルション、フォーム、ゲル、ローション、ミルク、ムース、軟膏、ペースト、パウダー、スプレー又は懸濁液などの、化粧品に通常使用されるいかなる形態であり得る。化粧品組成物は、コンシーラースティック、ファンデーション、舞台用メイクアップ、マスカラ(ケーキ又はクリーム)、アイシャドウ(リキッド、ポマード、パウダー、スティック、圧縮(プレスド)又はクリーム)、ヘアカラー、リップスティック、リップグロス、コールペンシル、アイライナー、頬紅、アイブロウペンシル及びクリームパウダーなどの、肌、毛髪、眼又は唇に使用されるいかなる着色化粧品であり得る。他の例示的化粧品組成物は、ネイルエナメル、スキングロッサースティック、ヘアスプレー、フェイスパウダー、レッグメイクアップ、防虫ローション、ネイルエナメルリムーバー、香水ローション、及びあらゆるタイプのシャンプー(ゲル又はリキッド)などが挙げられ、但しこれらに限定されない。加えて、本願組成物は、シェービングクリーム(エアロゾル、ブラシレス、泡立ち用に濃縮される)、整髪、コロンスティック、コロン、コロンエモリエント、バブルバス、ボディローション(保湿、洗浄、鎮痛、収斂)、アフターシェーブローション、アフターバスミルク及びサンスクリーンローションに使用可能である。化粧品用途の報告に関して、コスメティックス:サイエンス及びテクノロジー,第二版,M.S.バルサム及びエドワード サガーリン編,ウィリー−インターサイエンス(1972
)、及びデナバレ(deNavarre),化粧品ケミストリー及びサイエンス,第二版,第1及び2巻(1962),フォン ノストランド社,第3及び4巻(1975),コンチネンタルプレスを参照のこと、これらは参照することにより援用される。
【0061】
化粧品組成物は所望により少なくとも一種の化粧品に許容される助剤を含む。化粧品に許容される助剤としては、キャリヤ(担体)、賦形剤、乳化剤、界面活性剤、防腐剤、香料、香油、増粘剤、ポリマー、ゲル化剤、染料、吸収顔料、光保護剤、稠度調整剤、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、樹脂、溶媒、溶解促進剤、中和剤、安定剤、殺菌剤、推進剤、乾燥剤、乳白剤、化粧品活性成分、ヘアーポリマー、ヘアー及びスキンコンディショナー、グラフトポリマー、水溶性又は分散性シリコン含有ポリマー、漂白剤、ケア剤、着色剤(colorants)、着色剤(tinting agents)、タンニング(日焼け)剤、保湿剤、脂化剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、軟化剤及び柔軟剤、着色剤、日焼け剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗菌活性成分、フォトフィルター活性成分、防虫活性成分、充血性物質、角質溶解及び角質軟化物質、ふけ防止活性成分、消炎剤、角化物質、抗酸化剤として及び/又はフリーラジカルスカベンジャーとして機能する活性成分、スキンモイスチャライジング又は保湿物質、脂化活性成分、防臭活性成分、皮脂安定化活性成分、植物抽出物、抗紅斑又は抗アレルギー活性成分、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。化粧品配合物は当業者に知られている。米国特許出願公開第2008/0196847号明細書及び米国特許出願公開第2010/0322981号明細書を参照のこと。
【0062】
本発明の黒色エフェクト顔料は、ペイント、コーティング、印刷インキ、高分子量有機材料、化粧品配合物、レーザーマーキング、顔料組成物又は乾燥調合物に、着色に効果的な量で添加され得る。
【0063】
黒色エフェクト顔料は、ペイント、コーティング、印刷インキ、高分子量有機材料、化粧品配合物、レーザーマーキング、顔料組成物又は乾燥調合物などの材料に、0.0001乃至約90wt%、例えば約0.001乃至約80wt%、特に0.01乃至約50wt%の範囲の濃度で添加され得る(wt%は材料の総質量に基づく)。
【0064】
化粧品配合物に関して、本発明の黒色エフェクト顔料は、化粧品配合物の総質量に基いて、約0.0001乃至90wt%で添加され得る。化粧品配合物は、大概、化粧品に適切なキャリヤ材料を約10乃至約90wt%の範囲で更に含み得る。化粧品に適切なキャリヤ材料は、好ましくは水とは異なる。
【実施例】
【0065】
組成物及び使用方法をさらに以下の実施例を参照することにより詳細に説明する。これら実施例は、説明の目的にのみ提供されるものであって、他に特に規定がなければ限定することを意図したものではない。したがって、組成物及び使用方法は、以下の実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになる、ありとあらゆるバリエーションを包含すると解釈されるべきである。
【0066】
例1
3l Lフラスコ中で、天然マイカ100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを撹拌して均質に保ち、82℃に加熱した。HClでpHを1.4に調整した。SnClを制御された速度で加え、NaOHでpHを1.4に維持した。添加後、撹拌を30−60分間継続した。スラリーを冷却し、ろ過し、洗浄しそして焼成し、その後蒸留水1000mlで再度スラリー状にした。スラリーを再度撹拌し85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、NaNOを加えた。Nをスラリーを通してバブリングし酸素をパージした。FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8
.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。
【0067】
例2
3l Lフラスコ中で、合成マイカ100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを撹拌して均質に保った。HClでpHを1.6に調整した。SnClを制御された速度で加え、NaOHでpHを1.6に維持した。添加後、撹拌を30−60分間継続した。スラリーを85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、Nをスラリーを通してバブリングし、そしてNaNOを加えた。FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。
【0068】
例3
3l Lフラスコ中で、合成マイカ100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを撹拌して均質に保ち、85℃に加熱した。HClでpHを1.6に調整した。SnClを制御された速度で加え、NaOHでpHを1.6に維持した。添加後、撹拌を30−60分間継続した。スラリーを冷却し、ろ過し、リンスし、そして焼成した。粉末を再度スラリー状にし、撹拌し、85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、Nをバブリングし、そしてNaNOを加えた。FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。表面にFeをカプセル化するために、金属酸化物層をFeを覆うように沈着させた。20%メタケイ酸ナトリウムをpH8.0、温度72℃で加え、pHをHClで保ち、又は、TiOClをpH1.4−2.2で加え、pHをNaOHを保ち、TiOを形成した。
【0069】
例4
3l Lフラスコ中で、天然マイカ100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを撹拌して均質に保ち、82℃に加熱した。HClでpHを1.4に調整した。SnClを制御された速度で加え、NaOHでpHを1.4に維持した。添加後、撹拌を30−60分間継続した。スラリーを85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、NaNOを加え、FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。表面にFeをカプセル化するために、金属酸化物層をFeを覆うように沈着させた。20%メタケイ酸ナトリウムをpH8.0、温度72℃で加え、pHをHClで保ち、又は、TiOClをpH1.4−2.2で加え、pHをNaOHを保った。
【0070】
例5(比較)
3l Lフラスコ中で、天然マイカ100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、NaNOを加え、FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。
【0071】
例6
3l Lフラスコ中で、パーライト100gを蒸留水1000mlでスラリー状にした。スラリーを撹拌して均質に保ち、82℃に加熱した。HClでpHを1.4に調整した。SnClを制御された速度で加え、NaOHでpHを1.4に維持した。添加後、撹拌を30−60分間継続した。スラリーを冷却し、ろ過し、洗浄しそして焼成し、その後蒸留水1000mlで再度スラリー状にした。スラリーを再度撹拌し85℃に加熱し、pHを8.2に調整し、NaNOを加えた。Nをスラリーを通してバブリングし酸素をパージした。FeSO(酸性)溶液を制御された速度で注入した。NaOHでpHを8.2に制御した。試料を除去し、真空ろ過し、洗浄し、乾燥し、評価した。
【0072】
【表1】
【0073】
適用例
プレスドアイシャドウパウダー及びネイルエナメルドローダウン
【表2】
【表3】
【0074】
黒色顔料組成物の試料
a)実施例1及び2の本発明の黒色(マイカ/SnO/〜38wt%Fe)−(JAS−0287−1)。合成マイカ(D10は20.77ミクロン、D50は44.84ミクロン、D90は81.45ミクロン)
b)市販のブラックマイカ(マイカ/TiO/47−50%Fe)(CLE−100052A)
c)基材としてパーライトを用いた本発明の黒色(パーライト/SnO/〜55wt%
Fe)(JAS−0286−1)。パーライトの粒子分布は、D10が8.50、D50が24.32、そしてD90が52.68。
d)合成マイカ類似物(CLM−100050A)は62wt%の合成マイカと38wt%のFeの混合物。合成マイカ粒子分布はa)と同一。
e)合成マイカ/48wt%Fe/SiOである本発明の黒色顔料
f)天然マイカ/48wt%Fe/SiOである本発明の黒色顔料
【0075】
結果
プレスドアイシャドウパウダーの結果及びネイルエナメルドローダウン
プレスドパウダー又はネイルエナメルドローダウンに配合されたとき、本発明の黒色a)(JAS−0287−1)、a)、c)、e)及びf)は、b)及びd)と比べて、より暗く/より強い色をもたらした。これは、市販のブラックマイカとしてのb)がより多くのFeを含むという点から非常に驚くことである。d)を本発明のa)と並べて見たとき、本発明のa)もまたより暗かった。さらに本発明の黒は、類似物d)と比べた際、より優れた分散性を示した。
【0076】
本発明の黒色を含有するさらなる配合物
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【表16】
【0089】
【表17】
【0090】
【表18】
【0091】
【表19】
【0092】
組成物及びそれらの使用方法が特定の実施態様を参照して開示されているが、真の精神と記載された組成物、キット及び使用方法の範囲を逸脱しない範囲において、他の実施態様及びバリエーションが当業者によって考案され得ることは明白である。添付の特許請求の範囲は、前記実施態様及び等価なバリエーションを含むと解釈されることを意図する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】米国特許第3,926,659号明細書
【特許文献2】米国特許第7,303,622号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0032573号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0213322号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0196847号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2010/0322981号明細書
【非特許文献】
【0094】
【非特許文献1】“インダストリアレ オーガニッシェ ピグメンテ(Industrielle Organische Pigmente)”(W.ハーブスト及びK.ハンガー,VCH ヴェルラングシゲゼルシャフト mbH,ヴァインハイム/ニューヨーク,2nd,完全改訂版,1995)。
【非特許文献2】コスメティックス:サイエンス及びテクノロジー,第二版,M.S.バルサム及びエドワード サガーリン編,ウィリー−インターサイエンス(1972)
【非特許文献3】デナバレ(deNavarre),化粧品ケミストリー及びサイエンス,第二版,第1及び2巻(1962),フォン ノストランド社,第3及び4巻(1975),コンチネンタルプレス
図1
図2
図3
図4
図5