【文献】
荒関 卓,周波数領域処理を用いた地上デジタル放送用逐次適応型回り込みキャンセラ,映像情報メディア学会誌,日本,2002年 8月 1日,vol.56,no.8,第1342頁〜第1348頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記それぞれのアクティブチャネルに対する前記減算器の出力に結合される、それぞれのアクティブチャネルに対する共通チャネルフィルタをさらに備える、請求項3に記載の回路。
前記それぞれのアクティブチャネルに対する前記減算器と前記第1のDDCの前記それぞれのチャネル出力との間に結合される、それぞれのアクティブチャネルに対する第1のチャネルフィルタと、
前記それぞれのアクティブチャネルに対する前記フィルタステージと前記第2のDDCの前記それぞれのチャネル出力との間に結合される、それぞれのアクティブチャネルに対する第2のチャネルフィルタと、をさらに備える、請求項3に記載の回路。
それぞれのアクティブチャネルに対する前記第1および第2のチャネルフィルタに結合され、かつ前記それぞれのアクティブチャネルに対する計算された誤差に基づいてそれぞれのアクティブチャネルの前記フィルタステージに対する更新されたフィルタ係数を生成する、最小平均平方誤差推定器、をさらに備える、請求項7に記載の回路。
前記送出無線周波数信号および前記入力無線周波数信号の二乗平均平方根(RMS)電力を比較し、かつ前記比較されたRMS電力の差が閾値を超えるときに最小平均平方誤差推定器を作動させるための論理を含む比較器であって、前記作動させることが、少なくとも1つのアクティブチャネルの前記フィルタステージに対する更新されたフィルタ係数を生成するように前記最小平均平方誤差推定器を動作させる、比較器を、をさらに備える、請求項8に記載の回路。
前記全帯域ノイズフィルタおよび前記第1のDDCに結合され、かつ前記入力無線周波数信号の全信号帯域にわたってフィルタ係数を推定する第1の推定器を含む、全帯域フィルタ適応ユニットと、
それぞれの消去フィルタ、前記第1のDDC、および前記第2のDDCに結合され、かつチャネルのうちの少なくとも1つに対して前記チャネルごとに少なくとも1つのフィルタ係数を推定する第2の推定器を含む、チャネルフィルタ適応ユニットと、をさらに備える、請求項11に記載の回路。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ノイズ消去は、チャネルごとに送信器で送信される送出信号のコピーに適用されてもよい。送出信号のコピーは、チャネル化され、チャネル化プロセスによって別個のチャネル成分に分割されてもよい。受信器で受信されたデジタル化された信号はまた、チャネル化され、チャネルごとに別個の信号に分割されてもよい。ノイズ消去フィルタは、所定の受信帯域内のそれぞれのチャネルに提供されてもよい。いくつかの場合では、1つ以上のノイズ消去フィルタは、所定の受信帯域内のそれらのアクティブチャネル(複数可)にのみ提供されてもよい。他の場合では、ノイズ消去フィルタ(複数可)は、すべてのチャネルに提供されるが、受信帯域内のアクティブチャネル(複数可)のみに作動されてもよい。
【0011】
受信帯域全体の代わりにアクティブチャネルごとにノイズ消去を適用することは、ノイズ消去が適用される前にアクティブチャネルフィルタによる外部ブロッカの除去をもたらすことができる。結果として、チャネル特定のノイズ消去フィルタの適応率は、外部ブロッカの影響を受ける必要がなく、適応はいかなる外部ブロッカにかかわらず元の支障をきたさない速度で生じ得る。
【0012】
受信帯域全体の代わりにアクティブチャネルごとにノイズ消去を適用することはまた、ノイズ消去フィルタのフィルタリング要件およびフィルタ係数またはタップの数を実質的に減少させることができる。例えば、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)信号の全帯域フィルタリングは、例えば、W−CDMA信号を5MHzチャネルに分割し、アクティブチャネルのみフィルタリングするなどによってチャネルごとにフィルタリングが行われるときに個別のチャネルのそれぞれより多い100以上でないタップがフィルタリングする場合、単一のフィルタを少なくとも数十有することを必要とする場合がある。アクティブチャネルと関連付けられるフィルタのみに電力が供給される必要があるため、アクティブチャネルごとにフィルタリングするときに相当な節電が実現され得る。
【0013】
一実施形態において、回路は、送信器と、受信器と、該受信器に結合されるアナログ/デジタル変換器(ADC)と、該ADCに結合されるチャネライザと、受信器で受信された入力無線周波数信号のそれぞれのアクティブチャネルに対する消去フィルタとを含むことができる。それぞれの消去フィルタは、それぞれのアクティブチャネルに対するチャネライザの出力に結合されてもよい。それぞれの消去フィルタは、それぞれのアクティブ入力チャネルで送信器からのノイズを推定および消去するように構成されてもよい。いくつかの場合では、チャネライザは、デジタルダウンコンバータ(DDC)を含むことができ、これは、OFDM受信器内の個別の副搬送波を抽出する直交周波数分割多重(OFDM)の多重変換器などのデジタルミキサまたは多相および/もしくは高速フーリエ変換の多重変換器で実装されてもよい。
【0014】
ミキサは、受信器とADCとの間に結合されてもよい。ミキサは、入力無線周波数信号を発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器および帯域通過フィルタは、受信器とミキサとの間に結合されてもよい。低域通過フィルタは、ミキサとADCとの間に結合されてもよい。
【0015】
図1は、一実施形態における例示的な回路200を示す。送信器215は、送出RF信号を送信することができる。受信器225は、入力RF信号を受信することができる。送信器215は、送信器215のアンテナを駆動するために送出信号を増幅し得るRF電力増幅器205に結合されてもよい。第1のADC230は、受信器225および第1のチャネライザ272に結合されてもよい。受信器225で受信された入力RF信号は、受信器信号経路260に沿って伝搬することができる。第2のADC214は、送信器215および第2のチャネライザ271に結合されてもよい。送信器215で送信される送出信号は、送信器215で送信されることに加えて、電力増幅器205の出力から観察経路250に沿って伝搬されてもよい。
【0016】
それぞれのチャネライザ271および272は、それぞれのADC214および230によって出力された信号をチャネル化することができる。チャネル化中、チャネライザ271および272は、それぞれの信号をチャネルごとに別個のチャネルに分割することができる。したがって、いくつかの場合では、チャネライザ271および272は、入力RF信号帯域を有するそれぞれのチャネルに対する別個の出力を含むことができる。いくつかの場合では、チャネライザは、アクティブであるそれらのチャネルに対してチャネルごとに信号のみ出力することができる。チャネライザ271および272は、非アクティブチャネルに対する出力信号を生成する必要はない。いくつかの場合では、チャネライザ271および272は、DDC、多相、高速フーリエ変換、および/または他の種類の多重変換器を含むことができる。
【0017】
いくつかの場合では、消去フィルタ240は、入力RF信号帯域内のチャネルのそれぞれに提供されてもよい。他の場合では、消去フィルタ240は、信号帯域内のそれらのアクティブチャネル(複数可)にのみ提供されてもよい。それぞれの消去フィルタ240は、それぞれのチャネルに対する第1および第2のチャネライザ272および271の出力に結合されてもよい。それぞれの消去フィルタ240は、それぞれのアクティブ入力チャネルで送信器215からのノイズを推定および消去するように構成されてもよい。
【0018】
それぞれの消去フィルタ240は、減算器242に結合されるフィルタステージ241を含むことができる。それぞれのアクティブチャネルにおける消去フィルタ240に対する減算器242は、第1のチャネライザ272のそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。それぞれのアクティブチャネルにおける消去フィルタ240に対するフィルタステージ241は、第2のチャネライザ271のそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。共通チャネルフィルタ280は、それぞれのアクティブチャネルに提供され、それぞれのアクティブチャネルに対する減算器242の出力に結合されてもよい。
【0019】
いくつかの場合では、第1のミキサ228は、受信器225および第1のADC230に結合されてもよい。第1のミキサは、入力無線周波数信号を発振源221からの発振信号と混合することができる。第2のミキサ212は、送信器215および第2のADC214に結合されてもよい。第2のミキサ212は、送出信号を発振源221からの発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器226および第1の帯域通過フィルタ227は、受信器225と第1のミキサ228との間に結合されてもよい。第2の帯域通過フィルタ211は、送信器215および第2のミキサ212に結合される。第1の低域通過フィルタ229は、第1のミキサ228および第1のADC230に結合されてもよい。第2の低域通過フィルタ213は、第2のミキサ212および第2のADC214に結合されてもよい。
【0020】
図2は、チャネルフィルタリングが受信器信号経路360および観察信号経路350の両方に提供される一実施形態300を示す。送信器315は、送出RF信号を送信することができる。受信器325は、入力RF信号を受信することができる。送信器315は、送信器315のアンテナを駆動するために送出信号を増幅し得るRF電力増幅器305に結合されてもよい。第1のADC330は、受信器325および第1のチャネライザ372に結合されてもよい。受信器325で受信された入力RF信号は、受信器信号経路360に沿って伝搬することができる。第2のADC314は、送信器315および第2のチャネライザ371に結合されてもよい。送信器315で送信される送出信号は、送信器315で送信されることに加えて、電力増幅器305の出力から観察経路350に沿って伝搬されてもよい。
【0021】
それぞれのチャネライザ371および372は、それぞれのADC314および330によって出力された信号をチャネル化することができる。チャネル化中、チャネライザ371および372は、それぞれの信号をチャネルごとに別個のチャネルに分割することができる。したがって、いくつかの場合では、チャネライザ371および372は、入力RF信号帯域を有するそれぞれのチャネルに対する別個の出力を含むことができる。いくつかの場合では、チャネライザは、アクティブであるそれらのチャネルに対してチャネルごとに信号のみ出力することができる。チャネライザ371および372は、非アクティブチャネルに対する出力信号を生成する必要はない。いくつかの場合では、チャネライザ371および372は、DDC、多相、高速フーリエ変換、および/または他の種類の多重変換器を含むことができる。
【0022】
いくつかの場合では、消去フィルタ340は、入力RF信号帯域内のチャネルのそれぞれに提供されてもよい。他の場合では、消去フィルタ340は、信号帯域内のそれらのアクティブチャネル(複数可)にのみ提供されてもよい。それぞれの消去フィルタ240は、減算器242に結合されるフィルタステージ241を含むことができる。
【0023】
チャネルフィルタ381および382はまた、受信器信号経路360および観察信号経路350の両方において異なるチャネルに提供されてもよい。第1のチャネルフィルタのセット382におけるそれぞれのチャネルフィルタは、第1のチャネライザ372のそれぞれのチャネル出力およびそれぞれのチャネルと関連付けられる消去フィルタ340のそれぞれのフィルタステージ341に結合されてもよい。第2のチャネルフィルタのセット381におけるそれぞれのチャネルフィルタは、第2のチャネライザ371のそれぞれのチャネル出力およびそれぞれのチャネルに対する消去フィルタ340のそれぞれの減算器342に結合されてもよい。それぞれの消去フィルタ340は、それぞれのアクティブ入力チャネルで送信器315からのチャネルフィルタリングされたノイズを推定および消去するように構成されてもよい。
【0024】
いくつかの場合では、第1のミキサ328は、受信器325および第1のADC330に結合されてもよい。第1のミキサは、入力無線周波数信号を発振源321からの発振信号と混合することができる。第2のミキサ312は、送信器315および第2のADC314に結合されてもよい。第2のミキサ312は、送出信号を発振源321からの発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器326および第1の帯域通過フィルタ327は、受信器325と第1のミキサ328との間に結合されてもよい。第2の帯域通過フィルタ311は、送信器315および第2のミキサ312に結合される。第1の低域通過フィルタ329は、第1のミキサ328および第1のADC330に結合されてもよい。第2の低域通過フィルタ313は、第2のミキサ312および第2のADC314に結合されてもよい。
【0025】
いくつかの場合では、推定器391は、チャネルフィルタ381および382の出力に結合されてもよい。推定器391は、それぞれのチャネル(複数可)上のチャネルフィルタ381および382からのフィルタリングされた信号に基づいてチャネルのうちの1つ以上の新しいフィルタ係数を推定するように構成されてもよい。推定器391は、最小平均平方、最小二乗、反復最小二乗、最小二乗平均、または他のアルゴリズムなどの推定アルゴリズムを使用して、これらのフィルタ係数を推定することができる。フィルタ係数は、受信器および/または送信器がオフラインであるか、ちょうど始動するか、または他のときなど、所定の間隔または他の所定のイベントで定期的に推定されてもよい。推定器391は、それぞれのアクティブチャネルに対する係数推定値に基づいてそれぞれのアクティブチャネルのフィルタステージ341におけるフィルタに対する更新されたフィルタ係数を生成することができる。それぞれのフィルタステージ341は、チャネライザ371からの出力が複素数値であり得るため、非対称周波数応答および複素フィルタ係数を有することができる。
【0026】
いくつかの場合では、比較器392は、推定器391に結合されてもよい。比較器392は、観察信号経路350上の送出信号および受信器信号経路360上の入力信号の二乗平均平方根(RMS)電力を比較するための論理を含むことができる。いくつかの場合では、比較器392は、受信器信号経路360上の入力信号の電力を所定の最大値または送出信号の対応する電力と比較することができる。比較器392はまた、入力信号の電力が所定の最大値未満であるか、または入力および送出信号の比較された電力値の差が閾値を超えるときに、最小平均平方フィルタ係数の推定器391を作動させるための論理を含むことができる。比較器392による推定器391の作動は、チャネルのうちの少なくとも1つのフィルタステージ341に対する更新されたフィルタ係数を生成するように推定器391を動作させることができる。消去フィルタ340は、フィルタステージ341におけるフィルタに対するフィルタ係数および更新されたフィルタ係数を記憶するメモリ343を含むことができる。
【0027】
図3は、一実施形態における例示的なハイブリッド回路400を示す。第1のADC430は、他の図と同様の受信器(図示せず)および第1のチャネライザ472に結合されてもよい。 受信器で受信された入力RF信号は、受信器信号経路460に沿って伝搬することができる。第2のADC414は、他の図と同様の送信器(図示せず)および第2のチャネライザ471に結合されてもよい。送信される送出信号は、送信されることに加えて観察経路450に沿って伝搬されてもよい。
【0028】
それぞれのチャネライザ471および472は、それぞれのADC414および430によって出力された信号をダウンコンバートおよび/またはチャネル化することができる。チャネル化中、チャネライザ471および472は、それぞれの信号をチャネルごとに別個のチャネルに分割することができる。したがって、いくつかの場合では、チャネライザ471および472は、入力RF信号帯域を有するそれぞれのチャネルに対する別個の出力を含むことができる。いくつかの場合では、チャネライザは、アクティブであるそれらのチャネルに対してチャネルごとに信号のみ出力することができる。チャネライザ471および472は、非アクティブチャネルに対する出力信号を生成する必要はない。いくつかの場合では、チャネライザ471および472は、DDC、多相、高速フーリエ変換、および/または他の種類の多重変換器を含むことができる。
【0029】
2種類の消去フィルタ445および440が提供されてもよい。全帯域消去フィルタ445は、第2のADC414、第2のチャネライザ471、および減算器447に結合されてもよい。減算器447はまた、第1のADC430および第1のチャネライザ471に結合されてもよい。推定器391などの推定器を含み得る全帯域フィルタ適応ユニット446は、全帯域消去フィルタ445に対する更新されたフィルタ係数を計算するために使用されてもよい。全帯域フィルタ適応ユニット446はまた、受信器信号経路460に、いくつかの場合では、減算器447と第1のチャネライザ472との間に結合されてもよい。
【0030】
チャネル特定の消去フィルタ440は、入力RF信号帯域内のチャネルのそれぞれに提供されてもよい。他の場合では、チャネル特定の消去フィルタ440は、信号帯域内のそれらのアクティブチャネル(複数可)にのみ提供されてもよい。それぞれの消去フィルタ440は、それぞれのチャネルに対する第1および第2のチャネライザ472および471の出力に結合されてもよい。それぞれの消去フィルタ440は、それぞれのアクティブ入力チャネルで送信器ノイズを推定および消去するように構成されてもよい。
【0031】
それぞれの消去フィルタ440は、減算器442に結合されるフィルタステージ441を含むことができる。それぞれのアクティブチャネルにおける消去フィルタ440に対する減算器442は、第1のチャネライザ472のそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。それぞれのアクティブチャネルにおける消去フィルタ440に対するフィルタステージ441は、第2のチャネライザ471のそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。共通フィルタ480は、それぞれのアクティブチャネルに提供され、それぞれのアクティブチャネルに対する減算器442の出力に結合されてもよい。
【0032】
チャネルフィルタ適応ユニット490は、第2のチャネライザ471のそれぞれのチャネル出力、それぞれのフィルタステージ441、ならびにそれぞれのチャネルに対する減算器442および/または共通フィルタ480に結合されてもよい。チャネルフィルタ適応ユニット490は、上述のように同じ機能性を提供する推定器391および/または比較器392を含むことができる。全帯域およびチャネル消去フィルタ445および440は、フィルタ445および440に対するフィルタ係数および更新されたフィルタ係数を記憶するメモリを含むことができる。
【0033】
全帯域およびチャネル消去フィルタ445および440は、全帯域フィルタ445のみ、チャネルフィルタ440のみ、またはフィルタ445および440の両方を使用する選択肢を提供するために、フィルタ445および440のそれぞれを選択的に有効および無効にするように構成される制御ユニット495に結合されてもよい。制御ユニット495は、アクティブチャネルが信号帯域の1つの隣接する領域にわたって集中され得るか、または信号絶縁特性が送信器ノイズを絶縁する多数のフィルタ係数を必要とする複雑なフィルタリングを必要としない状況で全帯域フィルタ445を選択するように構成されてもよい。
【0034】
制御ユニット495は、アクティブチャネルが信号帯域にわたって隣接せずに拡散され、送信器ノイズを絶縁する多数のフィルタ係数を必要とする領域に位置する状況でチャネルフィルタ440を選択するように構成されてもよい。チャネルフィルタ440と全帯域フィルタ445とを切り替えるように制御ユニット495を構成することは、低次全帯域フィルタ445が上述される低複雑性領域に使用され、チャネル化されたフィルタ440が高複雑性のアクティブチャネルにのみ適用される状況で改善された性能をもたらすことができる。
【0035】
全帯域フィルタ445およびチャネルフィルタ440のフィルタ係数は、それぞれの適応ユニット446および490によって更新されてもよい。これらの適応ユニット446および490における係数更新プロセスは、異なる間隔で行われてもよい。例えば、全帯域フィルタ445のフィルタ係数は、いくつかの場合では、1回のみ構成されてもよいが、チャネルフィルタ440のフィルタ係数は、一非限定的な例では、受信された入力信号の主電力レベルが十分に低いかまたはいくつかの他の基準を満たすときなど、回路400が起動されるたびにまたは別の定期ごとに構成されてもよい。
【0036】
いくつかの場合では、第1のミキサ428は、受信器および第1のADC430に結合されてもよい。第1のミキサ428は、入力無線周波数信号を発振源421からの発振信号と混合することができる。第2のミキサ412は、送信器および第2のADC414に結合されてもよい。第2のミキサ412は、送出信号を発振源421からの発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器426および第1の帯域通過フィルタ427は、受信器と第1のミキサ428との間に結合されてもよい。第2の帯域通過フィルタ411は、送信器415および第2のミキサ412に結合される。第1の低域通過フィルタ429は、第1のミキサ428および第1のADC430に結合されてもよい。第2の低域通過フィルタ413は、第2のミキサ412および第2のADC414に結合されてもよい。
【0037】
図4は、一実施形態における多重送受信器の交差結合されたノイズ消去回路を示す。この例では、2つの送受信器の対のみがそれぞれの交差結合された回路501および502に示されるが、他の実施形態は追加の送信器および/または受信器を含んでもよい。回路501および502はそれぞれ、類似の構成要素を含んでもよい。
【0038】
例えば、それぞれの回路501および502は、送出RF信号を送信する送信器515と、入力RF信号を受信する受信器525とを含むことができる。それぞれの送信器515は、送信器515のアンテナを駆動するために送出信号を増幅し得るRF電力増幅器505に結合されてもよい。それぞれの回路501および502は、その受信器525に結合される第1のADC530を含むことができる。それぞれの受信器525で受信された入力RF信号は、それぞれの受信器信号経路560に沿って伝搬することができる。それぞれの回路501および502は、そのそれぞれの送信器515に結合される第2のADC514を含むことができる。それぞれの送信器515で送信される送出信号は、そのそれぞれの送信器515で送信されることに加えて、電力増幅器505の出力からそれぞれの観察経路550に沿って伝搬されてもよい。
【0039】
いくつかの場合では、それぞれの回路501および502は、本実施形態に含まれる受信器のそれぞれに対する消去フィルタステージ541〜544を含むことができる。例えば、
図4が2つの受信器を含むため、送信器515のそれぞれは、2つの消去フィルタステージ541〜542および543〜544を有することができる。異なる数の受信器を有する他の場合では、フィルタステージの数は、それに応じて調節される。フィルタステージ541〜544のそれぞれはまた、それぞれの減算器551〜554およびその対応する第2のADC514に結合されてもよい。
【0040】
フィルタステージ541〜544のそれぞれは、フィルタステージ541〜544が結合される送信器515の間の送信器ノイズ、ならびにそれぞれの受信器525で受信された入力信号のうちのそれぞれの1つを推定および消去するように構成されてもよい。したがって、フィルタステージ541およびその減算器551は、回路501内の送信器515からの送信器ノイズを回路501の受信器525で受信された入力信号から減少させるように構成されてもよい。フィルタステージ542およびその減算器552は、回路501内の送信器515からの送信器ノイズを回路502の受信器525で受信された入力信号から減少させるように構成されてもよい。フィルタステージ543およびその減算器553は、回路502内の送信器515からの送信器ノイズを回路501の受信器525で受信された入力信号から減少させるように構成されてもよい。フィルタステージ544およびその減算器554は、回路502内の送信器515からの送信器ノイズを回路502の受信器525で受信された入力信号から減少させるように構成されてもよい。
【0041】
回路501内の低域通過フィルタ531は、回路501のADC530ならびにフィルタステージ541および543の減算器551および553に結合されてもよい。回路502内の低域通過フィルタ531は、回路502のADC530ならびにフィルタステージ542および544の減算器552および554に結合されてもよい。
【0042】
いくつかの場合では、回路501および502は、その受信器525およびその第1のADC530に結合される第1のミキサ528を含むことができる。第1のミキサは、入力無線周波数信号を発振源521からの発振信号と混合することができる。回路501および502は、そのそれぞれの送信器515および第2のADC514に結合される第2のミキサ512を含むことができる。第2のミキサ512は、送出信号を発振源521からの発振信号と混合することができる。回路501および502は、そのそれぞれの受信器525と第1のミキサ528との間に結合される無線周波数増幅器526および第1の帯域通過フィルタ527を含むことができる。回路501および502は、そのそれぞれの送信器515および第2のミキサ512に結合される第2の帯域通過フィルタ511を含むことができる。回路501および502は、そのそれぞれの第1のミキサ528および第1のADC530に結合される第1の低域通過フィルタ529を含むことができる。回路501および502は、第2のミキサ512および第2のADC514に結合される第2の低域通過フィルタ513を含むことができる。
【0043】
整合モジュール565は、それぞれの回路501および502内の1つ以上のフィルタステージ541と第2のADC514との間に結合されてもよい。整合モジュール565は、対応する受信された入力信号からの送信器ノイズを消去するために、遅延を追加するか、または別の方法で送出信号を受信された入力信号と時間的に整合するように構成されてもよい。
【0044】
送出および入力信号がそれぞれのチャネライザによってチャネル化されるか、他の回路が信号をチャネルごとに分割するように構成される場合では、フィルタステージ541〜544および減算器551〜554のそれぞれは、チャネルのそれぞれに提供されてもよい。いくつかの場合では、チャネライザは、DDC、多相、高速フーリエ変換、および/または他の種類の多重変換器を含むことができる。したがって、入力信号の信号帯域がn個のチャネルを含む場合、n個のチャネルのそれぞれに対するフィルタステージ541および減算器551のn個のコピー、n個のチャネルのそれぞれに対するフィルタステージ542および減算器552のn個のコピー、n個のチャネルのそれぞれに対するフィルタステージ543および減算器553のn個のコピー、およびn個のチャネルのそれぞれに対するフィルタステージ544および減算器554のn個のコピーがあってもよい。したがって、交差結合されたノイズ消去回路の変化は、他の図に示され、かつ本明細書に論述されるノイズフィルタチャネル化配列を含むことができる。
【0045】
いくつかの場合では、
図4に示されるものなどの多重送受信器ノイズ消去回路は、nが2つ以上である、回路200、300、501、および/または502に類似するn個の数の回路を含むことができる。これらの回路のそれぞれは、それぞれのアクティブチャネルに対する同じn個の数の消去フィルタを含むことができる。それぞれのアクティブチャネルに対するn個の消去フィルタのフィルタステージのそれぞれは、それぞれの回路に対する第2のチャネライザのそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。それぞれのアクティブチャネルに対するそれぞれの消去フィルタの減算器は、1〜n個の回路のそれぞれに対するそれぞれの回路に対する第1のチャネライザのそれぞれのチャネル出力に結合されてもよい。
【0046】
一実施形態におけるノイズ消去回路はまた、それぞれがアナログ/デジタル変換器(ADC)およびそれぞれのチャネライザに結合される、2つ以上の受信器を含むことができる。ノイズ消去回路はまた、それぞれがアナログ/デジタル変換器(ADC)およびそれぞれのチャネライザにも結合される、2つ以上の送信器を含むことができる。ノイズ消去回路はまた、少なくとも1つの消去フィルタが送信器チャネライザおよび受信器チャネライザのそれぞれの間に結合される、複数の消去フィルタを含むことができる。
【0047】
図5は、一実施形態における例示的なプロセスを示す。ボックス601では、入力受信RF信号および送出RF送信信号が発振信号と混合されてもよい。
【0048】
ボックス602では、混合された信号のそれぞれがデジタル化されてもよい。
【0049】
ボックス603では、デジタル化された信号のそれぞれがデジタル処理でダウンコンバートされてもよい。
【0050】
ボックス604では、デジタル化された信号のそれぞれは、チャネル化されるか、またはチャネルごとにそれぞれのチャネル成分に分割されてもよい。いくつかの場合では、デジタル化された信号は、デジタルダウンコンバージョンプロセスの一部としてチャネル化されてもよい。
【0051】
ボックス605では、ノイズ消去フィルタは、チャネル化されたダウンコンバート信号の識別されたアクティブチャネルにのみ適用されてもよい。別個のノイズ消去フィルタがそれぞれのチャネルに提供されてもよい。
【0052】
ボックス606では、チャネルフィルタは、ノイズ消去フィルタを適用する前にチャネル化されたダウンコンバート信号のそれぞれに適用されてもよい。チャネルフィルタは、低域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、または他のフィルタであってもよい。
【0053】
ボックス607では、入力信号の二乗平均平方根(RMS)電力は、送出信号の電力と比較されてもよい。
【0054】
ボックス608では、チャネルフィルタリングされた入力および送出ダウンコンバート信号の最小平均平方誤差は、比較されたRMS電力の差が閾値を超えるときにそれぞれのチャネルに対して計算されてもよい。
【0055】
ボックス609では、少なくとも1つのチャネルに提供されるノイズ消去フィルタに対するフィルタ係数は、計算された最小平均平方誤差に基づいて更新されてもよい。
【0056】
図6は、全帯域フィルタ791のフィルタ係数がサブバンドに基づいて適応される一実施形態700を示す。送信器715は、送出RF信号を送信することができる。受信器725は、入力RF信号を受信することができる。送信器715は、送信器715のアンテナを駆動するために送出信号を増幅し得るRF電力増幅器705に結合されてもよい。第1のADC730は、受信器725、チャネルサブバンド適応ユニット793、および減算器742に結合されてもよい。受信器725で受信された入力RF信号は、受信器信号経路760に沿って伝搬することができる。第2のADC714は、送信器715、チャネルサブバンド適応ユニット793、および全帯域ノイズ消去フィルタ791に結合されてもよい。全帯域フィルタ791は、減算器742およびADC714に結合されてもよい。減算器742は、全帯域フィルタ791によって出力された推定されたノイズをデジタル化された受信入力信号から減算することができる。送信器715で送信される送出信号は、送信器715で送信されることに加えて、電力増幅器705の出力から観察経路750に沿って伝搬されてもよい。
【0057】
チャネルサブバンド適応ユニット793は、受信された入力信号のサブバンドのうちの1つ以上のフィルタ係数を推定することができる。サブバンドは、指定された全信号帯域のあらゆる細区分を含むことができ、1つ以上のチャネルまたはこれらのサブ部分を含むことができる。サブバンドに基づいてフィルタ係数を推定することによって、推定は、アクティブチャネルまたはサブバンドにのみ行われる必要があってもよい。これは、指定された信号帯域に現れる他のソースからの外部ブロッカまたは信号を含み得る非アクティブチャネル上のフィルタ係数を推定する必要性を回避する。したがって、チャネルサブバンド適応ユニット793は、その解析をそれらのアクティブチャネルのみに限定することによって外部ブロッカの影響を排除することができる。これは、推定プロセスの精度および収束時間を改善する。次いで、適応ユニット793に結合されるサブバンド/全帯域シンセサイザ792は、サブバンド適応ユニット793によって行われるそれぞれのサブバンドに対する個別推定値から全信号帯域に対する推定されたフィルタ係数を再構築することができる。
【0058】
いくつかの場合では、チャネルサブバンド適応ユニット793は、周波数領域適応フィルタ794を含むことができる。周波数領域適応フィルタ794は、周波数領域内のそれぞれのサブバンドに対する係数を推定することによって適応を行うことができる。異なるサブバンドは、特定の周波数範囲に相当する異なるビンに割り当てられてもよい。異なるサブバンドに対するビンは、それぞれのサブバンドに対する推定値によって別に重みをかけられてもよい。外部ブロッカは、それに応じて外部ブロッカの周波数範囲に相当するビンに重みをかけることによって拒否されてもよい。
【0059】
それぞれのサブバンドの推定された係数は、デジタル化された受信入力信号を送信器715で送信されたデジタル化された送出信号と比較することに基づいてもよい。この比較をするために、サブバンド適応ユニット793は、受信器経路760内のADC730、次いで観察経路750内のADC714の両方に結合されてもよい。次に、1つ以上のサブバンドに対する推定された係数は、それぞれのサブバンドを独立して適応するために使用されてもよい。いくつかの場合では、この適応はリアルタイムで生じ得るが、他の場合では、推定および適応が遅延させられてもよい。いくつかの場合では、1つ以上のサブバンドの適応は、受信器が入力信号を全く受信していないとき、または非リアルタイムの期間にオフラインで生じ得る。
【0060】
チャネルサブバンド適応ユニット793は、最小平均平方、最小二乗、反復最小二乗、最小二乗平均、または他の推定アルゴリズムなどの推定アルゴリズムを使用することができる。フィルタ係数は、受信器725および/または送信器715がオフラインであるか、ちょうど始動するか、または他のときなど、所定の間隔または他の所定のイベントで定期的に推定されてもよい。チャネルサブバンド適応ユニット793の推定器は、それぞれのサブバンドに対する推定に基づいてそれぞれのサブバンドに対する更新されたフィルタ係数推定値を生成することができる。推定器は、一度に1つのサブバンドを連続的に、または一度に2つ以上のサブバンドを並行してそれぞれのサブバンドに対する推定値を計算することができる。全帯域フィルタ791は、ADC714からの出力が複素数値であり得るため、非対称周波数応答および複素フィルタ係数を有することができる。
【0061】
いくつかの場合では、チャネルサブバンド適応ユニット793は、観察信号経路750上の送出信号および受信器信号経路760上の入力信号の二乗平均平方根(RMS)電力を比較するための論理を有する比較器を含むことができる。いくつかの場合では、比較器は、受信器信号経路760上の入力信号の電力を所定の最大値または送出信号の対応する電力と比較することができる。比較器はまた、入力信号の電力が所定の最大値未満であるとき、または入力および送出信号の比較された電力値の差が閾値を超えるときにチャネルサブバンド適応ユニット793内の推定器を作動させるための論理を含むことができる。比較器による推定器の作動は、1つ以上のチャネルまたは受信された入力信号のサブバンドに対する更新された推定値を生成するように推定器を動作させることができる。
【0062】
サブバンド/全帯域シンセサイザ792は、サブバンド適応ユニット793および全帯域フィルタ791に結合されてもよい。シンセサイザ792は、サブバンドのそれぞれに対する推定されたフィルタ係数を全帯域に対するフィルタ係数に変換することができる。したがって、全帯域に対するフィルタ係数は、シンセサイザ792によってそれぞれのサブバンドに対して計算される個別の係数から再構成されてもよい。チャネルのすべてが更新された時点で、シンセサイザ792で生成された全帯域に対するフィルタ係数は、全帯域フィルタ791においてフィルタ係数を設定するために使用されてもよい。これは、全帯域フィルタ791に対するフィルタ係数がデジタルフロントエンドから独立してノイズ消去を改善するために更新されることを可能にし、独自のカスタマイズされた信号処理機能を入力受信信号に適用することを望むユーザが独自のデジタルフロントエンドを接続することによってそのようにすることができるようにする。
【0063】
サブバンド適応ユニット793が周波数領域適応フィルタ794を含んだ場合では、シンセサイザ792は、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール795を含むことができる。IFFTモジュール795は、アクティブサブバンドに対応するそれぞれのビンに対する周波数領域内の推定された係数を時間領域内の全信号帯域に対するフィルタ係数のセットに変換することができる。周波数領域適応フィルタ794およびIFFTモジュール795を使用することは、異なるサブバンド間の直交性を保つことによって全帯域フィルタ係数を再構成するのに必要とされる計算の複雑性を減少させることができる。
【0064】
いくつかの場合では、第1のミキサ728は、受信器725および第1のADC730に結合されてもよい。第1のミキサは、入力無線周波数信号を発振源721からの発振信号と混合することができる。第2のミキサ712は、送信器715および第2のADC714に結合されてもよい。第2のミキサ712は、送出信号を発振源721からの発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器726および第1の帯域通過フィルタ727は、受信器725と第1のミキサ728との間に結合されてもよい。第2の帯域通過フィルタ711は、送信器715および第2のミキサ712に結合される。第1の低域通過フィルタ729は、第1のミキサ728および第1のADC730に結合されてもよい。第2の低域通過フィルタ713は、第2のミキサ712および第2のADC714に結合されてもよい。
【0065】
図7は、全帯域フィルタ891のフィルタ係数がサブバンドに基づいて適応される一実施形態800を示す。送信器815は、送出RF信号を送信することができる。受信器825は、入力RF信号を受信することができる。送信器815は、送信器815のアンテナを駆動するために送出信号を増幅し得るRF電力増幅器805に結合されてもよい。第1のADC830は、受信器825、チャネライザ872、および減算器842に結合されてもよい。受信器825で受信された入力RF信号は、受信器信号経路860に沿って伝搬することができる。第2のADC814は、送信器815、チャネライザ872、および全帯域ノイズ消去フィルタ891に結合されてもよい。全帯域フィルタ891は、減算器842およびADC814に結合されてもよい。減算器842は、全帯域フィルタ891によって出力された推定されたノイズをデジタル化された受信入力信号から減算することができる。送信器815で送信される送出信号は、送信器815で送信されることに加えて、電力増幅器805の出力から観察経路850に沿って伝搬されてもよい。
【0066】
チャネライザ872は、それぞれのADC814および830によって出力された信号をダウンコンバートおよび/またはチャネル化することができる。チャネル化中、チャネライザ872は、それぞれの信号を別個のサブバンドに分割することができ、これは、必要ではないが1つ以上のチャネルを含むことができる。いくつかの場合では、チャネライザ872は、入力RF信号帯域内のそれぞれの指定されたサブバンドに対する別個の出力を含むことができる。いくつかの場合では、チャネライザ872は、アクティブであるそれらのサブバンドに対してサブバンドごとに信号のみ出力することができる。それぞれのサブバンドに対する信号は、一度に、または並行して1つのサブバンドを連続的に出力されてもよい。それぞれのサブバンドに対する信号がチャネライザ872によって連続的に出力される場合では、チャネライザ872は、直列化されたデジタルダウンコンバータと、チャネルコアフィルタとを含むことができる。チャネライザ872は、非アクティブチャネルに対する出力信号を生成する必要がない。いくつかの場合では、チャネライザ872は、DDC、多相、高速フーリエ変換、および/または他の種類の多重変換器を含むことができる。
【0067】
いくつかの場合では、1つ以上のバッファ865は、チャネライザ872の入力および/または出力に結合されてもよい。バッファ865は、チャネライザ872への入力として供給される受信器信号経路760および観察信号経路750上にデジタル化された信号のコピーを一時的に記憶することができる。バッファ865はまた、チャネライザ872および/またはバッファ865に結合されるチャネルサブバンド適応器893への入力として後で使用されるチャネライザ872によって出力されたチャネル化された信号のコピーを一時的に記憶することができる。バッファ865は、チャネライザ872が一度に1つのサブバンドに対する信号を出力するように構成される点においてチャネライザ872が連続的に動作する場合に使用されてもよい。バッファ865はまた、遅延を追加するか、または別の方法で受信器信号経路860から生じるバッファリングされた信号を観察信号経路850から生じる対応するバッファリングされた信号と時間的に整合するように構成され得る整合モジュールも含むことができる。次いで、整合モジュールは、信号がノイズ消去目的に対して互いに対応することができても、異なる時間にチャネライザ872によって出力された直列信号を時間的に整合することができる。
【0068】
チャネライザ872および/またはバッファ865は、チャネルサブバンド適応ユニット893に結合されてもよい。チャネルサブバンド適応ユニット893は、チャネライザ872によって出力された受信された入力信号のサブバンドのそれぞれのノイズ消去フィルタのフィルタ係数を推定することができる。サブバンドは、指定された全信号帯域のあらゆる細区分を含むことができ、1つ以上のチャネルまたはこれらのサブ部分を含むことができる。サブバンドに基づいてフィルタ係数を推定することによって、推定計算は、それらのアクティブチャネルまたはサブバンドにのみ行われてもよい。これは、指定された信号帯域に現れる他のソースからの外部ブロッカまたは信号を含み得る非アクティブチャネルを解析する必要性を回避する。したがって、チャネルサブバンド適応ユニット893は、アクティブチャネルのみ解析することによって外部ブロッカのあらゆる影響を排除することができる。これは、全帯域ノイズ消去フィルタに対するフィルタ係数生成プロセスの精度および収束時間を改善する。次に、サブバンド適応ユニット893に結合されるサブバンド/全帯域シンセサイザ892は、サブバンド適応ユニット893によって行われるそれぞれのサブバンドの個別の推定されたフィルタ係数から全帯域係数を再構築することによって全信号帯域に対する推定されたフィルタ係数を再構築することができる。
【0069】
いくつかの場合では、チャネルサブバンド適応ユニット893は、周波数領域適応フィルタ794を含むことができる。周波数領域適応フィルタ794は、周波数領域内のそれぞれのサブバンドに対するフィルタ係数を推定することによって適応を行うことができる。異なるサブバンドは、特定の周波数範囲に相当する異なるビンに割り当てられてもよい。異なるサブバンドに対するビンは、それぞれのサブバンドに対する推定値によって別に重みをかけられてもよい。外部ブロッカは、それに応じて外部ブロッカの周波数範囲に相当するビンに重みをかけることによって拒否されてもよい。
【0070】
それぞれのサブバンドに対する推定されたフィルタ係数は、デジタル化された受信入力信号を送信器815で送信されたデジタル化された送出信号と比較することに基づいてもよい。この比較をするために、サブバンド適応ユニット893は、受信器経路860内のADC830、次いでチャネライザ872を介する観察経路850内のADC814の両方に結合されてもよい。次に、1つ以上のサブバンドに対する推定値は、それぞれのサブバンドを独立して適応するフィルタ係数を生成するために使用されてもよい。いくつかの場合では、この適応はリアルタイムで生じ得るが、他の場合では、推定および適応が遅延させられてもよい。いくつかの場合では、1つ以上のサブバンドの適応は、受信器が入力信号を全く受信していないとき、または非リアルタイムの期間にオフラインで生じ得る。
【0071】
チャネルサブバンド適応ユニット893は、最小平均平方、最小二乗、反復最小二乗、最小二乗平均、またはフィルタ係数を推定する他の推定アルゴリズムなどの推定アルゴリズムを使用することができる。係数は、受信器825および/または送信器815がオフラインであるか、ちょうど始動するか、または他のときなど、所定の間隔または他の所定のイベントで定期的に推定されてもよい。チャネルサブバンド適応ユニット893の推定器は、それぞれのサブバンドに対する推定値に基づいてそれぞれのサブバンドに対する更新されたフィルタ係数を生成することができる。 推定器は、一度に1つのサブバンドを連続的に、または一度に2つ以上のサブバンドを並行してそれぞれのサブバンドに対する推定値を計算することができる。全帯域フィルタ891は、ADC814からの出力が複素数値であり得るため、非対称周波数応答および複素フィルタ係数を有することができる。
【0072】
いくつかの場合では、チャネルサブバンド適応ユニット893は、観察信号経路850上の送出信号および受信器信号経路860上の入力信号の二乗平均平方根(RMS)電力を比較するための論理を有する比較器を含むことができる。いくつかの場合では、比較器は、受信器信号経路860に関する入力信号の電力を所定の最大値または送出信号の対応する電力と比較することができる。比較器はまた、入力信号の電力が所定の最大値未満であるとき、または入力および送出信号の比較された電力値の差が閾値を超えるときにチャネルサブバンド適応ユニット893内の推定器を作動させるための論理を含むことができる。比較器による推定器の作動は、1つ以上のチャネルまたは受信された入力信号のサブバンドに対する更新されたフィルタ係数の推定値を生成するように推定器を動作させることができる。
【0073】
サブバンド/全帯域シンセサイザ892は、サブバンド適応ユニット893および全帯域フィルタ891に結合されてもよい。シンセサイザ892は、サブバンドのそれぞれに対する推定されたフィルタ係数の推定値を全帯域に対する推定された係数に変換することができる。したがって、全帯域に対する推定された係数は、シンセサイザ892によってそれぞれのサブバンドに対して計算される個別の係数から再構成されてもよい。チャネルのすべてが更新された時点で、全帯域に対する生成された係数は、全帯域フィルタ891においてフィルタ係数を設定するために使用されてもよい。これは、全帯域フィルタ891に対するフィルタ係数がデジタルフロントエンドから独立してノイズ消去を改善するために更新されることを可能にし、独自のカスタマイズされた信号処理機能を入力受信信号に適用することを望むユーザが独自のデジタルフロントエンドを接続することによってそのようにすることができるようにする。
【0074】
サブバンド適応ユニット893が周波数領域適応フィルタ794を含んだ場合では、シンセサイザ892は、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール795を含むことができる。IFFTモジュール795は、アクティブサブバンドに対応するそれぞれのビンに対する周波数領域内の推定された係数を時間領域内の全信号帯域に対する係数に変換されてもよい。周波数領域適応フィルタ794およびIFFTモジュール795を使用することは、異なるサブバンド間の直交性を保つことによって全帯域フィルタ係数を再構成するのに必要とされる計算の複雑性を減少させることができる。
【0075】
いくつかの場合では、第1のミキサ828は、受信器825および第1のADC830に結合されてもよい。第1のミキサは、入力無線周波数信号を発振源821からの発振信号と混合することができる。第2のミキサ812は、送信器815および第2のADC814に結合されてもよい。第2のミキサ812は、送出信号を発振源821からの発振信号と混合することができる。無線周波数増幅器826および第1の帯域通過フィルタ827は、受信器825と第1のミキサ828との間に結合されてもよい。第2の帯域通過フィルタ811は、送信器815および第2のミキサ812に結合される。第1の低域通過フィルタ829は、第1のミキサ828および第1のADC830に結合されてもよい。第2の低域通過フィルタ813は、第2のミキサ812および第2のADC814に結合されてもよい。
【0076】
前述の説明は、図解および説明の目的のために提示された。それは、包括的ではなく、実施形態を開示される正確な形態に限定しない。上記教示に照らして修正および変形が可能であり、本明細書に記載される実施形態と一致する実施形態を実践することから得られてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、入力および送出信号のチャネル化は、デジタルダウンコンバータによって行われてもよいが、他の場合では、チャネル化は、ダウンコンバージョンから独立して行われてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、送信器および受信器は、独自のアンテナで互いに独立してもよいが、他の実施形態では、送信器および受信器は、トランシーバの一部であり、および/またはディプレクサを介して単一のアンテナに結合されてもよい。最終的に、いくつかの場合では、それぞれのチャネルの帯域幅は、特定の通信規格によって規定されるものに基づいてもよいが、他の場合では、チャネル化は、通信規格によって決定されるあらゆるチャネル帯域幅から独立してカスタマイズされたサブバンドに基づいて適用されてもよい。例えば、第三世代のセルラーW−CDMA規格は、ディプレクサの複雑性に応じて帯域を5MHzチャネルに分割するが、外部ブロッカの存在または他の基準のノイズフィルタ消去は、この規格によって決定される5MHzチャネルとは異なるチャネル化されたサブバンドに基づいて適用されてもよい。