【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは技術水準における上記問題は、パラジウムおよび金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む金属粒子が表面に存在する電子供与表面を有する基体 であって、金属粒子の量が 約 0.001 〜約 8μg/cm
2である基体によって解決できることを見いだした。本発明のさらなる態様は添付の従属項に規定され、引用により本明細書に含まれる。
【0013】
<説明>
(定義)
本発明を詳細に開示および記載する前に、本発明は本明細書に開示された特定の配置、方法の工程および材料に限定されず、かかる配置、方法の工程および材料はいくらか変動しうることを理解されたい。また本明細書において用いる用語は、特定の態様を記載する目的でのみ用いられており、限定の意図はないことを理解されたい。本発明の範囲は添付の請求の範囲およびその均等物にのみ限定されるからである。
【0014】
本明細書および請求の範囲において用いる場合、単数形「ある」、「1つの」および「その」は特に断りの無い限り複数形も含むことを注意すべきである。
【0015】
以下の用語を明細書および請求の範囲にわたって用いる。
【0016】
本明細書において用いる場合、「生体適合性」は、材料が特定の用途で適切な宿主応答を行う能力である。
【0017】
本明細書において用いる場合、「バイオフィルム」は、微生物が包埋されている薄層である。バイオフィルムは微生物が表面に定着する際に生じる。
【0018】
本明細書において用いる場合、「補体活性化」は、成分 C1からC9の連鎖反応によって活性化されうる血漿中の因子の複雑なシステムであり、多数の生物学的作用を引き起こすものである。補体活性化は2つの様式で起こる:a)古典的なC1からC9、または b) 代替的には、C3の直接活性化によるもの。
【0019】
「接触角」。固体表面上の所与の液滴について、接触角は固体表面と固体と接触する点からの液滴半径に接する線との間に形成される角度の測定値である。
【0020】
本明細書において用いる場合、「電子供与材料」は、別のより貴な材料と接続したときに、貴な材料に電子を移動させる能力を有する材料である。一例は、より貴な金属とともにある卑な金属(卑金属:less noble metal)である。
【0021】
本明細書において用いる場合、「電子供与表面」は、電子供与材料を含む表面層である。
【0022】
本明細書において用いる場合、表面の「疎水性」は表面と水との相互作用を記載する。疎水性表面はほとんどまたはまったく水を吸収する傾向を有さず、水はその表面上で「玉のようになる」傾向がある。表面の疎水性という用語はまたその表面エネルギーと密接に関係している。表面エネルギーが表面とすべての分子との相互作用を記載するのに対し、疎水性は表面と水との相互作用を記載する。
【0023】
本明細書において用いる場合、「接触角のヒステリシス」は、前進および後退する接触角値の間の差異である。表面上の水滴の前進する接触角は、水と空気の間の境界が表面上を移動して湿らせる場合の接触角であり、後退する角度は水と空気の境界があらかじめ湿った表面上から離れる場合の接触角である。
【0024】
「炎症反応(inflammatory response)」は組織がウイルス、細菌、外傷、化学物質、熱、冷またはその他のあらゆる有害な刺激により損傷される場合に起こる。ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニンおよびその他を含む化学物質が特化した細胞により放出される。これら化学物質は組織マクロファージおよび白血球を引きつけて外来物質を飲み込み破壊する領域に位置づけさせる。
【0025】
「修飾する(又は改変する:modify)」とは、特性の低下または向上を意味する。
【0026】
「貴(noble)」とは本明細書において比較の意味で用いられる。それはそれらがどのように互いに相互作用するかに依存して、互いに金属を含む材料に関連するように用いられる。2つの金属が電解質中に沈められ、電気的に接続されている場合、「卑な」金属は電界腐食を経験する金属を示すのに用いられる。「より貴な(more noble)」という用語はもう一方の金属を示すのに用いられる。電子は「卑な」金属から「より貴な」金属へと移動する。
【0027】
本明細書において用いる場合、「タンパク質吸着(protein adsorption)」は、タンパク質と表面との間の全引力に起因して表面にタンパク質が付着する現象である。
【0028】
本明細書において用いる場合、「基体(substrate)」は、本発明により処理される基剤である。
【0029】
「組織内殖(tissue ingrowth)」は、細胞が表面上で増殖しはじめ、新しい組織を形成するプロセスである。
【0030】
本明細書において用いる場合、「血栓形成性(thrombogenicity)」は、血液の凝固を誘発する基体の能力である。
【0031】
<発明の詳細な説明>
本発明によると、基体は所望の特性を示すよう処理される。基体は広範な材料から構成されうる。一つの態様において、基体は電子供与表面を有する材料から構成される。別の態様において、それは電子供与表面を有さない材料から構成される。電子供与表面の場合、金属粒子を電子供与表面に直接適用してもよい。表面が電子供与性でない場合、電子供与材料の層を適用して、電子供与表面を作らなければならない。
【0032】
本発明は電子供与表面を有する基体を含み、表面上に金属粒子が存在することを特徴とし、金属粒子はパラジウムおよび金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群から選択される少なくとも1つの金属を含み、金属粒子の量は約 0.001〜 約 8 μg/cm
2である。金属粒子の好ましい量は約 0.01〜約 4 μg/cm
2である。金属粒子の特に好ましい量は約 0.01〜 約 1 μg/cm
2である。
【0033】
基体自体が電子供与性であるか、または基体上に電子供与材料の層が適用される。電子供与材料が基体上に適用される場合、それは約 0.05〜約 12 μg/cm
2の量で適用される。
【0034】
電子供与材料はかならずしも電子供与表面を有していなくてもよい。一例はアルミニウムであり、それは空気中では電子供与表面ではない酸化物層を獲得する。
【0035】
電子供与材料は、電子供与表面を形成する能力があるいずれかの材料であり、例えば、導電性ポリマーまたは金属である。金属の場合、それはパラジウム、金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群における金属のいずれよりも卑である必要がある。
【0036】
電子供与表面としての使用のために好ましい金属は、銀、銅および亜鉛からなる群から選択される金属である。
【0037】
本発明の一つの態様において、基体はポリマー性基体である。
【0038】
一つの態様において、基体は以下からなる群から選択される:ラテックス、ビニル、ビニル基を含むポリマー、ポリウレタンウレア、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、スチレン、ポリウレタン、ポリエステル、エチレン酢酸ビニルのコポリメリゼート(copolymerisate)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアミド、およびポリイミド、またはそれらの混合物。
【0039】
本発明の別の態様において、基体は、天然ポリマー、分解可能ポリマー、食用ポリマー、生分解性ポリマー、環境に優しいポリマー、および医療グレードポリマーからなる群から選択される。
【0040】
本発明の別の態様において、基体は金属である。
【0041】
基体のための好ましい金属は、ステンレス鋼、医療グレード鋼、チタン、医療グレードチタン、コバルト、クロムおよびアルミニウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
本発明の別の態様において、基体は、ガラス、無機質、ゼオライト、石およびセラミックスからなる群から選択される。
【0043】
本発明の別の態様において、基体は、紙、木、織り繊維、繊維、セルロース繊維、革、炭素、炭素繊維、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる群から選択される。
【0044】
本発明の別の態様において、基体は粒子の形状を有する。
【0045】
本発明の一つの態様において、本発明による基体を含む物(又は対象物)が提供される。本発明による基体を含む物の例としては、医療機器、医療装置、使い捨て商品、医用使い捨て商品が挙げられる。
【0046】
粒子は常にパラジウムを含んでいなければならない。パラジウムに加えて少なくとも1つのその他の金属が存在する。金属粒子中のパラジウムとその他の金属との比は約 0.01:99.99〜約 99.99:0.01が本発明において利用できる。約 0.5:99.5 〜約 99.8:0.2の比が好ましい。特に好ましい比は約 2:98 〜約 95:5である。 さらに特に好ましい比は、5:95〜95:5である。別の態様において、比は約 10:90 〜約 90:10である。
【0047】
本発明の一つの態様において、金属粒子は、パラジウムに加えて金を含む。
【0048】
本発明者らは金属粒子の平均サイズ が約 10 〜約 10000Åである場合に有利な特性が達成されることを見いだした。
【0049】
一つの態様において金属粒子の平均サイズは約 100 〜約 600Åである。
【0050】
本発明の別の側面において、本明細書に記載する基体を含む物(又は対象物)が提供される。
【0051】
本明細書に記載する基体を含む医療機器も提供される。
【0052】
本明細書に記載する基体を含む使い捨て商品も提供される。
【0053】
本発明はまた、本明細書に記載する基体を含む歯科用物品、ならびに歯科用機器、歯科インプラント、および歯科用品を提供する。
【0054】
金属粒子の適用量は μg/cm
2にて表され、金属粒子は被覆層を形成せず、電子供与表面上に均一に分散された粒子またはクラスターであることを認識しなければならない。
【0055】
電子供与材料の適用層は好ましくは均一であり、表面上に実質的に凝集塊またはクラスターがないように適用される。電子供与表面層が均質かつ均一であれば、μg/cm
2 における適用量はÅにて厚さに変換できる。0.05-4μg/cm
2 の適用量は約 4.8-380Å、0.5-8μg/cm
2 は約 48-760Å、そして 0.8-12μg/cm
2 は約 76-1140Åに対応する。
【0056】
本発明の一つの態様において、電子供与表面は市販の実質的に純粋な銀の層であり、それは少量の不純物の可能性を排除するものではない。
【0057】
基体が電子供与表面を有さず電子供与表面層の析出が必要である場合、析出は以下からなる群から選択される方法を用いて行われる: 化学蒸着、スパッタリング、および金属塩を含む溶液からの金属の析出。実質的にクラスターまたは凝集塊のない均一な層が析出の結果である。好ましくは、析出は第一の層が基体に対して良好な付着を有するように行われる。
【0058】
被覆された基体の調製のための本発明の一つの態様を記載する。電子供与表面を有さない基体のために、方法は以下の工程のいくつかまたはすべてを含む:
1.前処理
2.すすぎ
3.活性化
4.電子供与表面の析出
5.すすぎ
6.金属粒子の析出
7.すすぎ
8.乾燥。
【0059】
電子供与表面を有する物(又は対象物)について、方法は以下の工程を含む:
1.すすぎ
2. 金属粒子の析出
3.すすぎ
4.乾燥。
【0060】
以下、電子供与表面を有さない基体についての工程1 〜9の一つの態様をより詳細に記載する。
【0061】
前処理は0.0005 〜30 g/lのスズイオンを含有するスズ塩の水溶液中で行われうる。pH は1 〜4であり、塩酸 および/または 硫酸により調整される。処理時間は室温で2-60 分間である。前処理の後、表面を脱塩水ですすぐが、乾燥はさせない。
【0062】
活性化してすすいだ基体を析出溶液に移す。析出溶液のpHは8以上である。それは銀塩、亜鉛塩、および銅塩からなる群から選択される金属塩を含む。本発明の一つの態様において、塩は硝酸銀 (AgNO
3)である。金属塩は約 0.10 g/l以下、好ましくは 約 0.015 g/lの有効量にて用いられる。金属含量が約 0.10 g/lを超えると、溶液中または容器壁上で元素金属が不均質に形成され得る。金属含量が有効量を下回ると、所望の時間内にフィルムを形成するには金属が不十分となる。
【0063】
析出溶液の第二の成分は、金属含有塩を元素金属へと還元する還元剤である。還元剤は化学的還元が達成されるのに十分な量存在しなければならない。許容される還元剤には、 ホルムアルデヒド、硫酸ヒドラジン、水酸化ヒドラジン、および次リン酸が含まれる。本発明の一つの態様においてそれは約 0.001 ml/l溶液の量で存在する。還元剤の濃度が高すぎると溶液および容器壁上にわたって金属の析出が起こり、濃度が低すぎると基体上への金属の形成が不十分となりうる。当業者は常套の実験により本明細書を鑑みて還元剤の所望の量を決定できる。
【0064】
析出溶液のもう一つの成分は還元された金属が微細な金属粉末として溶液から直接沈降したり、容器の壁に沈降したりすることを防ぐために析出反応を遅らせるのに十分な量にて存在する析出制御剤である。使用可能な析出制御剤には、インベルトースとしても知られる転化糖、コハク酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、およびアンモニアが含まれる。析出制御剤は 好ましくは約 0.05 g/l溶液の量にて存在する。存在量が少なすぎると、均一な金属表面の代わりに金属クラスターの沈降が起こりうる。存在量が多すぎると、金属含有塩が目的の基体への所望の沈降のために安定となりすぎる可能性がある。
【0065】
還元剤および析出制御剤の濃度は、基体材料、所望のフィルムの厚さ、析出条件および溶液中の金属濃度に応じて所望の結果を達成するように必要により調整される。例えば、薄いフィルムのためには、金属塩濃度は比較的低いであろうし、還元剤および析出制御剤の濃度も同様であろう。当業者は本明細書を鑑みて常套の実験により析出制御剤の所望の量を決定できる。
【0066】
析出溶液の調製において、溶液の成分のそれぞれは好ましくは個別に脱塩水に溶解される。様々な前溶液を、上記濃度を達成するために正しい量にて次いで混合し、必要であれば希釈する。
【0067】
金属塩と還元剤の組合せにより、基体表面上に析出されるのに好適な状態にて金属が塩から還元されるのが可能となる。この方法は完成した金属フィルムの基体表面への良好な付着の達成のために特に有益である。良好な付着はほぼすべての用途において重要である。
【0068】
基体表面は適当な手順により析出溶液に曝される。溶液への浸漬が通常好ましいが、溶液は噴霧または刷毛塗りなどのいずれの便宜な技術によっても適用されうる。金属フィルムは金属塩の濃度によって制御されうる速度にて溶液から均一に析出する。薄いフィルムが要求される場合、析出温度を析出が制御可能にゆっくり行われるように十分に低く維持する。
【0069】
電子供与表面として作用する金属層を適用するその他の方法を本発明において適用できる。電子供与表面を達成するその他の方法は、化学蒸着およびスパッタリングである。
【0070】
上記の金属析出の後、基体は金属からなる電子供与表面を有する。この金属析出は、基体が最初から電子供与表面を有さない場合のみ必要である。基体が既に電子供与表面を有する場合、金属粒子は金属層のさらなる追加なしに表面に析出しうる。後者の場合、粒子の適用の前に基体を徹底的に清浄にする。
【0071】
製造方法の次の工程は金属粒子の析出である。
【0072】
一つの態様において金属のコロイド懸濁液を用いてパラジウムおよび少なくとももう1つの金属を含む粒子を表面上に得る。金属粒子は所望の粒子の懸濁液から析出する。懸濁液中の金属粒子の組成は好ましい値に応じて調整される。電子供与表面を有する基体は金属粒子の懸濁液に約数秒から約数分間またはそれ以上の時間浸漬される。
【0073】
金属粒子の懸濁液はいくつかの方法で製造されうる。一つの態様において金属粒子の懸濁液は所望のサイズの金属粒子が形成されるような条件下で還元される金属塩の水溶液から作られる。好適な量の金属塩、還元剤および安定化剤の混合によりこれが達成される。上記と同じ還元剤および安定化剤が粒子懸濁液の作成において使用できる。当業者は本明細書を鑑みて常套の実験により所望の粒子サイズを得るための還元剤および安定化剤の所望の量を決定できる。別の態様において、市販の金属粒子のコロイド懸濁液が使用される。所望の組成の金属粒子が懸濁液の作成に使用される。
【0074】
一つの態様において、金属粒子の懸濁液は脱塩水でパラジウムおよび金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む金属粒子の市販の濃縮コロイド溶液を希釈することにより作られる。基体は懸濁液で約数秒から約数分間またはそれ以上の時間処理される。処理の後、基体は溶媒または水、例えば脱塩水ですすがれ、室温で放置され乾燥される。
【0075】
一つの特定の非限定的態様において、市販の金属粒子は75% パラジウムおよび25% 金からなる。
【0076】
したがって本発明によると、特定の所望の表面を有する基体を得ることが出来る。例えば、75% パラジウムおよび25% 金からなる粒子を備える銀電子供与表面または85% パラジウム および15% ルテニウムからなる粒子を備える銅電子供与表面を有する基体を調製することが出来る。
【0077】
かかる基体を生産するための柔軟かつ制御され反復可能な方法により提供される利点の一つは多種多様な基体が生産されうることである。本明細書に記載するように、特定の基体は既存の基体よりも改善された特性を有する。例えば、本発明による特定の基体はそれが適用される基体の疎水性の驚くべき有利な改変をもたらしうる。請求項 1による 基体によりこのように修飾しうるその他の特性としては、タンパク質吸着、組織内殖、補体活性化、炎症反応、血栓形成性、摩擦係数、および表面の硬さが挙げられる。
【0078】
即ち、基体が適用される物(又は対象物)の表面特性を修飾するために、粒子サイズ、粒子の組成および粒子の量を調整することが可能である。
【0079】
本発明者らは請求項 1による基体を使用することによりこれを達成することが可能であることを見いだした。具体的には表面特性を修飾するために、粒子サイズ、粒子の組成および粒子の量を調整することが可能である。
【0080】
本発明による基体は多くの目的のために利用できる。これらは、基体の疎水性、タンパク質吸着、組織内殖、補体活性化、炎症反応、血栓形成性、摩擦係数、および表面硬さを改変することが望ましいあらゆる用途における使用に好適である。
【0081】
基体の特性は低下させることも上昇させることも出来る。したがって特徴を上昇させる少なくとも1つの領域および特徴を低下させる少なくとも1つの領域を示す物(又は対象物)が提供される。一例はタンパク質吸着を低下させる領域およびタンパク質吸着を上昇させる領域を有する物である。別の例は、組織内殖を低下させる領域および組織内殖を上昇させる領域を有する物である。
【0082】
本発明による基体はまた、電子供与表面を有する基体であって、表面上に金属粒子を有し、金属粒子がパラジウムを含み、金属粒子の量が約 0.001 〜約 8 μg/cm
2である基体を含む。
【0083】
本発明は、本発明による基体を含む物(又は対象物)に対するタンパク質吸着を改変するための本発明による基体の使用を提供する。
【0084】
本発明は、本発明による基体を含む物(又は対象物)の上の組織内殖を改変するための本発明による基体の使用を提供する。
【0085】
本発明は、本発明による基体を含む物(又は対象物)によってもたらされる補体活性化を改変するための本発明による基体の使用を提供する。
【0086】
本発明は、本発明による基体を含む物(又は対象物)によってもたらされる炎症反応を改変するための本発明による基体の使用を提供する。
【0087】
本発明は、本発明による基体を含む物(又は対象物)によってもたらされる血液凝固を改変するための本発明による基体の使用を提供する。
【0088】
添付の請求の範囲による基体のさらなる利点は摩擦係数を改変する可能性を提供することである。したがって本発明による基体を含む物(又は対象物)の摩擦係数の改変のための本発明による基体の使用が提供される。
【0089】
本発明のその他の特徴およびそれに付随する利点は明細書および実施例を読むと当業者に明らかであろう。
【0090】
本発明は本明細書に示した特定の態様に限定されないことを理解されたい。以下の実施例は例示の目的で提供されるものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。本発明の範囲は添付の請求の範囲およびその均等物にのみ限定される。