【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、この目的は、エコー・キャンセルのための方法によって達成され、前記方法は、
それぞれの取得されたマーク付けされたソース信号を送信するために、それぞれのソース信号のそれぞれの開始するタイミング基準を識別するための、またそれぞれのトランスミッタを識別するためのそれぞれのマーカー信号を用いて前記それぞれのソース信号をマーク付けするステップと、
少なくとも1つの集約ノードに対する前記それぞれのトランスミッタによるそれぞれマーク付けされたソース信号の送信のステップと、
前記少なくとも1つの集約ノードによって受信されたそれぞれのマーク付けされたソース信号を合計し、それによって、マルチキャスト・ノード(mcast)を経由して、それぞれのトランスミッタに関連するそれぞれのレシーバに対して提供のためのマルチキャスト信号を生成するステップと、
前記それぞれのレシーバにおいて、前記それぞれのマーク付けされたソース信号を修正し、それによってそれぞれの遅延され、また正規化されたそれぞれのマーク付けされたソース信号を取得するために、それぞれの往復電力正規化値と往復遅延値とを決定するステップと、
前記それぞれのレシーバにおいて、前記マルチキャスト信号からそれぞれの往復の遅延され、また正規化されたマーク付けされたソース信号を差し引き、それによって、前記それぞれのレシーバにおいてそれぞれのエコー・キャンセルされたマルチキャスト信号を取得するステップと
を含む。
【0006】
セントラル・サーバにおける選択的処理が、必要とされず、またローカル・エコー・キャンセルが、今や、レシーバにおいて集約信号から遅延され、また利得調整されたマーク付けされたソース信号のはるかに簡単な減算に帰着させられるので、これは、大きなエリアに広がる会議サービスをサポートするために必要とされる処理電力およびエネルギーをかなり低減させる。
【0007】
一実施形態においては、本方法は、集約ノードによってそれぞれ送信されたマーク付けされたソース信号を受信するステップと、前記集約ノードにおいて、それぞれの受信されたマーク付けされたソース信号について、それぞれの遅延されたソース信号とそれぞれのマーカーへと分離するステップと、それぞれの遅延されたソース信号とそれぞれのマーカーを再び合計し、それによって前記マルチキャスト・ノードへ提供するための集約信号を生成するステップとをさらに含む。
【0008】
この問題解決手法は、1つの集約ノードに結合されるトランスミッタ/レシーバ・ノードのいくつかのクラスタが、最終的なマルチキャスト・ノードに対するツリー状構成へとさらに接続され得るので、アクティブな参加者の数に関して非常にスケーラブルであることが分かっている。そのような構成を用いると、音声をただ聴いている受動的な参加者を追加することは、非常に簡単であり、エネルギー効率がよく、またどのようなさらなる処理電力も、または重いネットワーク負荷も必要としない。
【0009】
一実施形態においては、マーカー信号は、前記ソース信号に対する帯域内信号として生成される。
【0010】
これは、結果として生じるマルチキャスト信号が、この信号を搬送するレガシー機器によってトランスペアレントに取り扱われ得る単一の信号であるという利点を有する。
【0011】
一実施形態においては、異なるトランスミッタについてのそのような帯域内信号のうちの異なる帯域内信号は、元のオーディオ信号の中に、例えば、低電力雑音信号として挿入される適切な相関特性を有する疑似ランダム・コードに基づいて生成される可能性があり、その結果、人間によってはほとんど気付くことができないが、相互に関連するデコーダだけが、マーカーを抽出することができる。これらのコードのおのおのは、特定のトランスミッタ毎に異なり、またこれらのコードは、通常、例えば、この方法を実現するためのマスタ・ソフトウェア・プログラムを用いて、あらかじめ決定される。
【0012】
別の実施形態においては、予備の、または未使用のオーディオ信号ビットは、マーカーの帯域内符号化のために使用される可能性がある。複数の除外された値を注意深く帰属させることにより、オーディオ・デコーダからのシンボル・ビットは、マスクされることになる。8−ビット・システムにおいて、それは、例えば、0、127および255を表す以下の組合せが、除外される場合とすることができる。{0、127、255}の中にあるMと、{0、127、255}の中にないVとを用いたMVMを満たす任意の3ビットは、1のシンボルであり、任意の3ビットのMMVは、0のシンボルである。
【0013】
さらに別の実施形態においては、前記マーカー信号は、前記ソース信号に対する帯域外信号として生成される。
【0014】
本発明は、同様に、前記ソース信号の時間基準を識別するための、またトランスミッタを識別するためのマーカー信号を用いてソース信号をマーク付けするように適合された信号ソース修正手段を備えるトランスミッタの実施形態に関し、前記信号ソース修正手段は、それによって、集約ノードに対する送信のためのマーク付けされたソース信号を生成するように適合されている。
【0015】
本発明はまた、複数のそのようなトランスミッタに結合され、またこれらのトランスミッタによって送信されるそれぞれの受信されたマーク付けされたソース信号をマルチキャスト・ノードへのさらなる送信のための集約信号へと合計するように適合された集約ノードについての実施形態に関する。
【0016】
一実施形態においては、これらのマーク付けされた受信ソース信号は、最初に、それぞれのマーカー信号と、遅延されたソース信号へと分離され、共通の時間基準に向かって同期化のステップが、続いており、この同期化された信号は、次に、合計されて、マルチキャスト・ノードへのさらなる送信のための集約信号を形成する。
【0017】
本発明はまた、少なくとも1つの集約ノードに結合され、また前記少なくとも1つの集約ノードから、前記複数のそれぞれのトランスミッタに関連する複数のそれぞれのレシーバに向かってさらにプロビジョニングしているいずれかのマルチキャスト信号を受信するように適合されたマルチキャスト・ノードの実施形態に関する。
【0018】
代わりに、マルチキャスト・ノードは、少なくとも1つのそれぞれの集約信号を受信するように、また前記複数のそれぞれのトランスミッタに関連する複数のそれぞれのレシーバに向かってさらにプロビジョニングするために前記少なくとも1つのそれぞれの集約信号をマルチキャスト集約信号へと合計するように適合されるように最終的な集約ノードと結合される可能性もある。
【0019】
さらに、本発明はまた、マルチキャスト・ノードに結合され、またトランスミッタに関連づけられるレシーバの実施形態に関し、前記レシーバは、マルチキャスト・ノードから、マルチキャスト信号を受信するように適合されており、前記レシーバは、さらに、それぞれの遅延され、また正規化されたマーク付けされたソース信号を生成するための、前記レシーバに関連する前記トランスミッタによって提供される、それぞれのマーク付けされたソース信号の、前記レシーバにおける修正するステップ中に使用されるためのそれぞれの往復電力正規化値および往復遅延値を決定するように適合されており、前記レシーバは、さらに、前記マルチキャスト信号からそれぞれの往復の遅延され、また正規化されたマーク付けされたソース信号を差し引いて、それによってエコー・キャンセルされたマルチキャスト信号を取得するように適合されている。
【0020】
特許請求の範囲において使用される用語「結合される(coupled)」は、直接接続だけに限定されるようには解釈されるべきではないことに注意すべきである。それゆえに、表現「デバイスBに結合されるデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力が、デバイスBの入力に直接に接続されるデバイスまたはシステムだけに限定されるべきではない。それは、他のデバイスまたは手段を含む経路とすることができる、Aの出力と、Bの入力との間の経路が、存在することを意味している。
【0021】
特許請求の範囲において使用される用語「備えている/含んでいる(comprising)」は、以下でリストアップされる手段だけに限定されるように解釈されるべきではないことに注意すべきである。それゆえに、表現「手段Aと、Bとを備えるデバイス」の範囲は、コンポーネントAと、Bとだけから構成されるデバイスだけに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスのただ関連のあるコンポーネントが、Aと、Bとであることを意味している。
【0022】
添付の図面と一緒に解釈される一実施形態についての以下の説明を参照することにより、本発明の上記および他の目的および特徴は、より明らかになり、また本発明それ自体は、最も良く理解されるであろう。