(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電子部品の組付構造を有する電子部品モジュールの一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、電子部品としてリレーを用いて説明するが、電子部品はリレーに限られるものではなく、以下に説明するリレーと構成が共通する他の電子部品、例えば、ヒューズや基板化されたモジュール部品などを用いることもできる。また、本実施形態のリレーモジュールの用途は特に限定されないが、例えば、自動車等の車両における電源装置と電装品との接続状態を制御する機器類などに用いる場合を想定できる。この種のリレーモジュールは、電気接続箱の構成部材の1つとして構成されていればよいが、電気接続箱の構成部材としてではなく、単体でも取り扱いが可能であり、単体であってもリレー機能を担保することが可能となっている。
【0015】
図1〜
図3Bには、本発明の第1実施形態に係るリレー組付構造を示す。
図1は、リレー2、端子金具3、収容部材4を相互に組み付けてなるリレーモジュール1の全体構成図である。
図2は、かかるリレーモジュール1の平面図(2つのリレー2の一方は図示省略)である。また、
図3A,
図3Bには、リレーモジュール1の縦断面を
図1の矢印A10の方向から示しており、
図3Aは、リレー2を収容部材4に組み付ける際の状態を示す図、
図3Bは、リレー2を収容部材4に組み付けた後の状態を示す図である。なお、以下の説明においては、
図1に矢印A11で示す方向を上下方向、矢印A12で示す方向を左右方向、矢印A13で示す方向を前後方向という(以下、
図1以外の各図においても同様)。なお、上下方向については、
図1における上方へ向かう方向を上向き(上側)、下方へ向かう方向を下向き(下側)として特定する。ただし、これらの上下方向、左右方向及び前後方向は、リレーモジュール1が実際に車載された状態における各方向(例えば、自動車の上下方向、左右方向や前後方向)と必ずしも一致していなくともよい。なお、
図3A,
図3Bでは、リレー本体21の内部に収容されている各種部品については図示を省略している(
図6A,
図6Bも同様)。
【0016】
本実施形態において、リレーモジュール1は、リレー2と、リレー2と嵌合する端子金具3(3a〜3d)と、リレー2及び端子金具3を収容する収容部材4を相互に組み付けて構成されている。リレー2は、直方体状の本体部(以下、リレー本体という。)21と、リレー本体21に設けられた少なくとも1つの端子部(以下、タブという。)22を備えている。本実施形態においては、
図1に示すように、1つのリレーモジュール1が2つのリレー2で構成されている場合を一例として想定している。ただし、1つのリレーモジュールを構成するリレーの数は特に限定されず、1つのリレーのみで構成してもよいし、3つ以上のリレーで構成しても構わない。なお、複数のリレーでリレーモジュールを構成する場合、
図1に示すように同一態様のリレー2で構成してもよいし、異なる態様のリレー(例えば、
図7〜
図17に示すようなリレー2a〜2k)を混在させた構成であっても構わない。
【0017】
図4には、本実施形態に係るリレー2の一例を示す。かかるリレー2は、樹脂等によりリレー本体21が形成され、導電性を有する金属製のタブ22がリレー本体21に設けられた構成となっている。リレー本体21は、上下方向に対向する面部(以下、上面21a、底面21bという。)、左右方向に対向する面部(同、左側面21c、右側面21dという。)、前後方向に対向する面部(同、前面21e、背面21fという。)を有している。この場合、リレー本体21は、左右方向を長手方向とし、左側面21c及び右側面21d、前面21e及び背面21fの四面が側面部となるように位置付けられている。なお、本実施形態では、リレー本体21を一例として直方体状に形成しているが、リレー本体は立方体状に形成されていてもよい。
【0018】
タブ22は、リレー本体21から突出する基端部24(24a〜24d)と、リレー本体21の側面部と間隔を空けて該側面部に沿って基端部24の突出先端から延出して端子金具3と嵌合される嵌合部25(25a〜25d)を有している。なお、タブ22の数、幅や厚さは任意に設定することができる。例えば、リレー2が複数のタブ22を有する場合、すべてのタブ22を同一幅及び同一厚さとしてもよいし、タブ22ごとにそれぞれ異なる幅や厚さとしても構わない。また、各タブ22において、基端部24のリレー本体21からの突出位置や突出長さはいずれも任意に設定することが可能であり、特に限定されない。
【0019】
図4に示すように、本実施形態に係るリレー2は、板状をなす4つのタブ22を有しており、2つのタブ22a,22bがリレー本体21の左側面21cに配され、残りの2つのタブ22c,22dが右側面21dに配されている。この場合、4つの基端部24a〜24dは、いずれも同一高さ(上下方向に対する底面21bからの寸法が同一位置)からいずれも同一長さ(左右方向に対する寸法)で突出されている。また、4つの嵌合部25a〜25dは、基端部24a〜24dの突出先端から略直角かつ下向きに延出されている。
【0020】
図5には、本実施形態に係る端子金具3の構成の一例を示す。端子金具3は、電線5をリレー2と電気的に接続させるために、電線5の端末部51に接続されるインターフェース部材である。なお、
図5には、端子金具3が電線5の端末部51に接続される構成を一例として示しているが、端子金具3は接続用の基板やコネクタなどに接続させる構成とすることも可能である。端子金具3は、導電性を有する金属板材を加工して形成され、タブ22の嵌合部25が嵌合される雌型の接続部31と、電線5の端末部51の絶縁被覆52を剥離して露出された芯線53をかしめる一対の芯線圧着片32と、電線5の絶縁被覆52の先端部分をかしめる一対の外部圧着片33を有している。
【0021】
接続部31は、嵌合されるタブ22の嵌合部25を支持する平板状の平板部34と、嵌合部25を押圧するバネ部35を有しており、バネ部35によって平板部34へ押圧された嵌合部25を平板部34とバネ部35との間で嵌合するようになっている。バネ部35は、平板部34の前後方向の両端をそれぞれ立設させて、その先端部位を平板部34の前後方向の中央部近傍へ向けて湾曲させた一対の凸曲状に形成されている。これにより、バネ部35は、その先端部を平板部34と離間する方向へ弾性変形させることで、嵌合部25に対して押圧力(弾性復元力)を作用させて嵌合部25を嵌合可能な構成になっている。
【0022】
バネ部35は、嵌合部25を案内する傾斜部35aを有している。本実施形態では、バネ部35が平板部34に対して最も突出する部位から平板部34へ向けてなだらかに下降するように、バネ部35の上端面を傾斜させて傾斜部35aが形成されている。これにより、傾斜部35aは、タブ22の嵌合部25が接続部31に嵌合される際、かかる嵌合部25を平板部34とバネ部35との間まで案内することができるようになっている。
【0023】
収容部材4は、リレー2及び端子金具3を収容して保持するための樹脂製の筺体であり、リレー本体21を案内して収容する第1収容室41と、端子金具3を収容して保持する第2収容室42を備えている。なお、本実施形態においては、収容部材4を電気接続箱とは別体の単体部材として取り扱う。このため、収容部材4には、電気接続箱の枠体に取り付けるために、該枠体に設けられた被係止部(例えば、係止溝など)と係合可能な係止部40が突設されている。係止部40をかかる被係止部と係合させることで、収容部材4を電気接続箱の枠体に係止して取り付けることができる。ただし、収容部材4を電気接続箱の枠体の一部とし、電気接続箱とは分離不能に一体的に取り扱うものとして形成することも可能である。また、収容部材4が収容するリレー2及び端子金具3の数は特に限定されない。本実施形態においては、
図1に示すように、1つの収容部材4に2つのリレー2が収容される構成を一例として想定している。換言すれば、収容部材4は、1つの第1収容室41と2つの第2収容室42からなるリレー収容空間を二組備えた構成となっている。リレー2には、4つのタブ22が設けられているため、1つの収容部材4に8つの端子金具3が収容される構成となっている。これらのタブ22は、リレー本体21の左側面21c及び右側面21dにそれぞれ2つずつ設けられているため、収容部材4には、第1収容室41を挟んで一対の第2収容室42が対向配置され、各第2収容室42に端子金具3が2つずつ収容保持されている。
【0024】
ここで、
図3Bに示すように、リレー2が収容部材4へ組み付けられた状態におけるリレー本体21の高さ位置は、タブ22の嵌合部25と端子金具3の接続部31とが嵌合する位置によって決められる。壁部44の上端面は、タブ22の嵌合部25と端子金具3の接続部31とが嵌合した時に、タブ22の基端部24が接触しないように、フレーム部45の上端面よりも下方の所定の高さに位置付けられ、底部43は、リレー本体21の底面21bと接触しない所定の高さに位置付けられている。これにより、リレー2は、収容部材4の高さ方向において、タブ22の嵌合部25と端子金具3の接続部31が嵌合する部分を除いて、底部43や壁部44の上端面と干渉することなく、収容部材4に保持されるため、タブ22と端子金具3との接続を確実なものとすることができ、リレー2の保持力を安定させることができる。
【0025】
第1収容室41は、
図1〜
図3Bに示すように、底部43から立ち上がる枠状の壁部44に四方を囲まれて、上方が外部に開放された凹状の空間をなしている。壁部44は、リレー本体21の側面部(左側面21c、右側面21d、前面21e、背面21f)に沿って、該側面部を四方から取り囲むように底部43から立設され、リレー本体21を第1収容室41へ案内して収容するようになっている。この場合、第1収容室41は、壁部44に案内されたリレー本体21をスムーズに収容できるように、リレー本体21よりも一回り大きな略直方体状に形成されている。
【0026】
なお、
図1に示すように、リレー本体21の前面21eと正対可能に立設された壁部44には、前面21eに設けられた突起部23を係合させる係止溝44aが形成されている。これにより、リレー本体21が第1収容室41に収容された状態では突起部23が係止溝44aに係合され、リレー本体21を第1収容室41に係止させることができる。すなわち、このような突起部23と係止溝44aとの係合により、タブ22と端子金具3との嵌合によるリレー2と収容部材4との組付力を補完できる。補完が不要であれば、突起部23と係止溝44aはなくともよい。また、
図3A,
図3Bに示すように、底部43には、下方へ向けて突出する補強用のリブ43aを設けてもよい。
【0027】
第2収容室42は、壁部44を挟んで第1収容室41の外側に形成され、壁部44と収容部材4のフレーム部45により形成される角筒状の枠に囲まれて、上方及び下方が外部へ開放された直方体状の空間をなしている。第2収容室42には、端子金具3を保持する弾性撓み変形可能な係止片(以下、ランスという。)46が設けられている。
【0028】
ランス46は、収容部材4と同一の樹脂でなり、フレーム部45からバネ部35へ向かって片持ち状に伸延している。すなわち、ランス46は、いわゆるバネ機構をなし、弾性撓み変形から復帰しようとする復元力でバネ部35の下縁を押圧して係止することで、第2収容室42からの端子金具3の抜け止めを図りつつ、該端子金具3を第2収容室42において保持している。
図3A,
図3Bに示すように、各端子金具3は、リレー本体21を挟んだ両側で傾斜部35aが互いに逆向きに傾くように位置付けられている。
【0029】
そして、第2収容室42に端子金具3が保持された状態において、リレー2を収容部材4に組み付ける。本実施形態において、少なくとも1つのタブ22の嵌合部25は、リレー本体21がその高さ寸法(
図3Aに示す寸法H3)の少なくとも3分の1(同図に示す底面21bから壁部44の上端面までの高さA3に相当する部分。以下、最低収容部分A3という。)を第1収容室41へ収容させた時に端子金具3と当接されるように位置付けられている。これによれば、タブ22の嵌合部25が端子金具3に嵌合するのに先立って、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41に案内して収容することができるから、最低収容部分A3の収容に伴って、端子金具3と当接する嵌合部25の傾きを小さくすることができる。ここで、嵌合部25が端子金具3と当接する時に、リレー本体21の最低収容部分A3が第1収容室41に収容されていれば、その後、リレー本体21を第1収容室41に収容する際の姿勢を(リレー本体21の重心位置にかかわらず)安定させることができる。したがって、リレー本体21を第1収容室41に押し込むだけで、嵌合部25は適正な挿入方向へ向いた状態で端子金具3に嵌合されるから、リレー2を収容部材4にスムーズに収容することができ、リレー2の組み付け作業の効率を高めることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、少なくとも最低収容部分A3を第1収容室41に収容させれば、その後のリレー本体21の姿勢を安定させ、嵌合部25を端子金具3に対して適正な挿入方向(上下方向の下向き)へ向けることが可能な程度までリレー2の傾きを抑制できるように、最低収容部分A3をリレー本体21の高さ寸法H3の少なくとも3分の1としているが、かかる程度にリレー2の傾きを抑制できるのであれば、最低収容部分A3の高さを変更することは可能である。
【0031】
また、リレー2は、リレー本体21の最低収容部分A3が第1収容室41に収容され、少なくとも1つの嵌合部25が端子金具3と当接する状態で、収容部材4に載置することができる。その際、複数の嵌合部25の中に端子金具3と当接していない嵌合部25があったとしても、当接する嵌合部25を端子金具3に嵌合させることにより、続いて端子金具3と当接する嵌合部25を端子金具3にスムーズに嵌合させることができ、作業性を損なわずに済む。
【0032】
リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41へ収容させた時に嵌合部25を端子金具3と当接させるには、嵌合部25と端子金具3の高さ位置を相互に調整する必要がある。そこで、本実施形態では、一例として、タブ22a〜22dの各嵌合部25a〜25dの延出先端を同一高さに位置付けた構成とし、複数の端子金具3を同一高さに位置付けた構成としている。この場合、リレー本体21の最低収容部分A3が第1収容室41へ収容された時に、端子金具3と当接する複数の嵌合部25a〜25dは、端子金具3との嵌合前に挿入方向が適正化されるため、端子金具3へスムーズに嵌合させることができる。なお、嵌合部25a〜25dの延出先端を同一高さに位置付けるためには、各基端部24a〜24dの突出先端から嵌合部25a〜25dをそれぞれ同一寸法で延出させればよい。
【0033】
図3A,
図3Bには、本実施形態に係るタブ22の嵌合部25と端子金具3とを嵌合させてリレー2を収容部材4に組み付ける際の一態様を示している。リレー2を収容部材4に組み付ける際には、
図3Aに示すように、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41へ収容すればよい。これにより、タブ22aとタブ22cの嵌合部25a,25cを適正な挿入方向へ向けることができる。また、この状態では、左右方向の両側の同一高さ位置で嵌合部25a,25cが端子金具3a,3cと当接するから、リレー2が左右方向へ傾くことを抑制することができる。加えて、端子金具3a,3cは、リレー本体21を挟んだ両側(左右方向の両側)で傾斜部35aが互いに逆向きに傾くように位置付けられているため、傾斜部35aに当接した嵌合部25a,25cの位置を左右方向の相反する向きからそれぞれ均等に規制することができる。したがって、嵌合部25a,25cを左右方向の両側で端子金具3に対して位置決めすることができるから、リレー2の左右方向への傾きをさらに抑制することができ、嵌合部25a,25cをより確実に適正な挿入方向へ向けることができる。また、嵌合部25a,25cと前後方向に並んで配されている嵌合部25b,25dを端子金具3b,3dと当接させることで、リレー2を前後方向に均等に支えることができ、リレー2の前後方向への傾きも抑制することができる。なお、各端子金具3の傾斜部35aの傾きは、
図3A,
図3Bに示すようにフレーム部45側から壁部44側へ下降する向きとすればよいが、端子金具3をそれぞれ反転させて、壁部44側からフレーム部45側へ下降する向きとしても、同様に嵌合部25a,25cを位置決めできる。
【0034】
このように、本実施形態においては、嵌合部25を端子金具3と嵌合させる前に、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41に収容させることで、リレー2を容易に適正姿勢(収容部材4に対して傾くことなくリレー2が上下方向に沿った姿勢)とすることができる(
図3Aに示す状態)。そして、嵌合部25と端子金具3との嵌合前に、すべての嵌合部25を適正な挿入方向へ向けた状態で端子金具3と当接させることができるから、当接させた嵌合部25をそのまま端子金具3へ挿入するだけでこれらを嵌合させることができ(
図3Bに示す状態)、リレー2を収容部材4に組み付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0035】
また、すべての嵌合部25が端子金具3と当接した状態では、収容部材4に載置されたリレー2は適正姿勢となっているため、リレー本体21の上面21aをほぼ水平(左右方向及び前後方向の双方に沿った平面上)に保つことができる。したがって、複数のリレー2を収容部材4に組み付ける場合であっても、これらのリレー2の嵌合部25を端子金具3に当接させれば、それぞれのリレー本体21の上面21aを水平(同一平面上)に保つことができる。このため、これらの上面21aを同時かつ均一に押圧させ易く、複数のリレー2を収容部材4にまとめて押し込むことが可能となる。これにより、端子金具3に当接させた嵌合部25をまとめて嵌合させることができるため、複数のリレー2の嵌合部25を端子金具3と嵌合させる際の作業性を向上させることができる。なお、複数のリレー2を収容部材4にまとめて押し込む場合には、これらのリレー本体21の上面21aをカバーして均一に押圧力を作用させることができるような作業器具を用いればよい。
【0036】
ここで、本実施形態では、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41へ収容させた時に嵌合部25を端子金具3と当接させるために、各嵌合部25の延出先端を同一高さに位置付けるとともに、各端子金具3を同一高さに位置付ける構成としたが、このような当接タイミングとするための構成はこれに限定されない。例えば、複数のタブ22のうち、一部もしくはすべてのタブ22の嵌合部25の延出先端を異なる高さに位置付けた構成とし、複数の端子金具3のうち、一部もしくはすべての端子金具3を異なる高さに位置付けた構成としてもよい。このように異なる高さ位置とした構成を本発明の第2実施形態として、以下に説明する。なお、第2実施形態に係るリレーモジュール10の基本的な構成は、上述した第1実施形態に係るリレーモジュール1と同様としているため、第1実施形態と同一もしくは類似の構成部材については図面上で同一符号を付し、以下では第1実施形態との相違点について説明する。
【0037】
図6A,
図6Bには、第2実施形態に係るリレーモジュール10の縦断面を
図1の矢印A10に相当する方向から示しており、
図6Aは、リレー2を収容部材4に組み付ける際の状態を示す図、
図6Bは、リレー2を収容部材4に組み付けた後の状態を示す図である。一例として、
図6A,
図6Bには、嵌合部25a,25cの延出先端を異なる高さに位置付けた構成とし、これらの嵌合部25a,25cと嵌合する端子金具3a,3cを異なる高さに位置付けた構成を示す。この場合、嵌合部25aの延出先端の高さ位置を嵌合部25cよりも低くし、端子金具3aの高さ位置を端子金具3cよりも低くしている。具体的には、嵌合部25a,25cの延出先端の高低差分だけ、端子金具3aの高さ位置が端子金具3cよりも低くなるように端子金具3a,3cを第2収容室42に保持している。
【0038】
なお、この場合、タブ22b,22dの嵌合部25b,25dとこれらを嵌合する端子金具3b,3dの高さ位置は、
図3A,
図3Bに示す嵌合部25a,25cと端子金具3a,3cのように同一高さとしてよいし、
図6A,
図6Bに示す嵌合部25a,25cと端子金具3a,3cのように異なる高さとしてもよい。要するに、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41へ収容させた時に、少なくとも1つの嵌合部25を端子金具3に当接させることができれば、その他の嵌合部25と端子金具3の高さ位置は任意に設定できる。
【0039】
また、本発明に係るリレーは、直方体状のリレー本体21から突出する基端部24と、リレー本体21の側面部と間隔を空けて該側面部に沿って基端部24の突出先端から延出して端子金具3と嵌合される嵌合部25を有するようにタブ22が構成され、最低収容部分A3の収容時に少なくとも1つの嵌合部25を端子金具3に当接させることができれば、
図4に示す構成には限定されない。例えば、
図7〜
図17に示すような第1変形例〜第11変形例に係るリレー構成とすることも可能であり、これらの変形例とした場合であっても、リレー2と同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
以下、第1変形例〜第11変形例に係るリレー構成について説明する。なお、これらの変形例に係るリレーの基本的な構成は、本実施形態に係るリレー2と同様としているため、本実施形態と同一もしくは類似の構成部材については図面上で同一符号を付して説明を省略し、以下ではリレー2との相違点について説明する。また、これらの変形例に係るリレー構成とした場合、端子金具3及び収容部材4は、かかるリレー構成(具体的には、リレーのタブ配置)に対応して、第1収容室41と第2収容室42を収容部材4に配する、つまり、第1収容室41に対する第2収容室42の位置を設定するとともに、端子金具3を第2収容室42に保持させる構成とすればよい。その際、端子金具3は、リレー本体21の最低収容部分A3を第1収容室41へ収容させた時に、少なくとも1つの嵌合部25を当接させることができるような高さに位置付ければよい。また、いずれの変形例においても、タブ22の数、基端部24の突出位置や突出長さなどは、任意に設定することができる。
【0041】
図7には、第1変形例に係るリレー2aの構成を示す。かかるリレー2aにおいて、タブ22は、基端部24及び嵌合部25を前面21e及び背面21fと平行に延在する平板状とした構成となっている。この場合、リレー2aは、4つのタブ22を備えており、これらのタブ22は、リレー本体21の左側面21cに2つ、右側面21dに2つ設けられている。4つのタブ22は、基端部24が同一高さ(上下方向に対する同一位置)から同一長さで突出されている。また、各側面部(左側面21c、右側面21d)の2つのタブ22は、同一間隔(異なっていても可)を空けて各側面部からそれぞれ突出されている。
【0042】
また、上述した
図4及び
図7に示すリレー構成では、リレー本体21の長手方向(左右方向)に位置する一対の側面部(左側面21cと右側面21d)からタブ22の基端部24を突出させているが、基端部24は、1つの側面部のみ、隣り合う2つの側面部、あるいはそれ以上の側面部から突出させてもよい。
【0043】
図8及び
図9には、リレー本体21の1つの側面部(前面21e)のみからタブ22の基端部24を突出させた第2変形例及び第3変形例の構成を示す。
図8に示す第2変形例に係るリレー2bにおいては、4つのタブ22のうち、2つのタブ22の基端部24を前面21eにおける上端部近傍から突出させ、これらよりも下側から残りの2つのタブ22の基端部24を突出させている。これに対し、
図9に示す第3変形例に係るリレー2cにおいては、4つのタブ22の基端部24を前面21eにおける上端部近傍の同一高さから突出させている。
【0044】
また、
図10及び
図11には、リレー本体21の隣り合う2つの側面部(前面21eと右側面21d)からタブ22の基端部24を突出させた第4変形例及び第5変形例の構成を示す。
図10に示す第4変形例に係るリレー2dにおいては、4つのタブ22のうち、3つのタブ22の基端部24を前面21eにおける上端部近傍から突出させ、これらと同一高さから残りの1つのタブ22の基端部24を右側面21dから突出させている。これに対し、
図11に示す第5変形例に係るリレー2eにおいては、4つのタブ22のうち、2つのタブ22の基端部24を前面21eにおける上端部近傍から突出させ、これらと同一高さから残りの2つのタブ22の基端部24を右側面21dから突出させている。
【0045】
そして、
図12には、リレー本体21の3つの側面部(左側面21c、前面21e、右側面21d)からタブ22の基端部24を突出させた第6変形例の構成を示す。第6変形例に係るリレー2fにおいては、4つのタブ22を左側面21cから1つ、前面21eから2つ、右側面21dから1つそれぞれ突出させている。
【0046】
これらの第1変形例〜第6変形例(
図7〜
図12)において、4つのタブ22の嵌合部25は、基端部24の突出先端から略直角かつ下向きに屈曲して、該基端部24が突出された側面部と平行をなすようにそれぞれ延出されている。また、同一の側面部において隣り合うタブ22は、同一間隔(異なっていても可)を空けて並んでいる。
【0047】
上述した
図4及び
図7〜
図12に示すリレー構成では、リレー本体21の側面部からタブ22の基端部24を突出させているが、基端部24は、
図13〜
図17に示す第7変形例〜第11変形例のようにリレー本体21の上面21aから突出させてもよい。これらの第7変形例〜第11変形例においては、4つのタブ22の基端部24を上面21aから突出させ、側面部側へ略直角に屈曲して延在するように伸長させている。
【0048】
図13に示す第7変形例に係るリレー2gにおいては、4つのタブ22の嵌合部25が前面21eと平行をなすように基端部24から延出されている。
図14に示す第8変形例に係るリレー2hにおいては、4つのタブ22の嵌合部25のうち、2つを前面21e、残りの2つを背面21fとそれぞれ平行をなすように基端部24から延出させている。
図15に示す第9変形例に係るリレー2iにおいては、4つのタブ22の嵌合部25のうち、3つを前面21e、残りの1つを右側面21dとそれぞれ平行をなすように、基端部24から延出させている。
図16に示す第10変形例に係るリレー2jにおいては、4つのタブ22の嵌合部25のうち、2つを前面21e、残りの2つのタブ22の嵌合部25を右側面21dとそれぞれ平行をなすように、基端部24から延出させている。そして、
図17に示す第11変形例に係るリレー2kにおいては、4つのタブ22の嵌合部25のうち、1つを左側面21c、2つを前面21e、残りの1つを右側面21dとそれぞれ平行をなすように基端部24から延出させている。
【0049】
また、これまで説明したリレーはいずれもリード端子の基端部が完全に露出されているが、基端部の少なくとも一部を樹脂で包囲してもよい。
図19Aは、リード端子の基端部が樹脂に包囲されるリレーの外観斜視図であり、
図19Bは、
図19Aに示すリレーの側面図である。
【0050】
図19A,19Bに示すように、リレー100は、リレー本体101の1つの面(例えば実施形態の上面21aに相当する面)に沿って平板状の絶縁部材102が取り付けられている。絶縁部材102は、絶縁性の樹脂などを成形することにより、平面視で略矩形をなして形成される。この絶縁部材102は、相互に対向配置されるリレー本体101の一対の側面103,104と直交する方向に延在する。これらの側面103,104にはそれぞれ2本のリード端子105が設けられる。各リード端子105は、その接触部107が各側面103,104と対向するよう設けられる。絶縁部材102は、各リード端子105の基端部106を包囲するように形成される。
【0051】
図19Bに示すように、リード端子105の基端部106は、その軸方向に亘って絶縁部材102に包囲され、リード端子105の接触部107は、絶縁部材102の下面から突出して設けられる。絶縁部材102と各側面103,104が交差する位置には、突起部108が段付き状に形成される。この突起部108は、リレー100が収容部材に組付けられたときに、壁部の上端面と当接される。なお、リード端子105の基端部106は、この突起部108から突出するよう配置されてもよいし、リレー本体101の側面103,104から突出するよう配置されてもよい。
【0052】
これによれば、各リード端子105の基端部106を上方から絶縁部材102によって支持することができる。これにより、リード端子105をそれぞれ端子金具に嵌入させるときに、リード端子105にかかる負荷を大幅に軽減させることができるため、リード端子105の変形を防ぐことができる。その結果、リード端子105と端子金具との電気的な接続状態を良好に維持するとともに、リレー100の収容部材に対する保持力の低下を防ぐことができる。また、各リード端子105の基端部106を絶縁部材102で包囲することにより、隣り合うリード端子105の短絡を防ぐことができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を図面により詳述してきたが、上述した実施形態は本発明の例示に過ぎないものであり、本発明は上述した実施形態の構成のみに限定されるものではない。したがって、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれることは言うまでもない。