特許第5882017号(P5882017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882017
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】継手金具の取付治具
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/04 20060101AFI20160225BHJP
   E21D 11/08 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   E21D11/04 A
   E21D11/08
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-224442(P2011-224442)
(22)【出願日】2011年10月12日
(65)【公開番号】特開2013-83108(P2013-83108A)
(43)【公開日】2013年5月9日
【審査請求日】2014年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】592094586
【氏名又は名称】都築コンクリート工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596034919
【氏名又は名称】五十嵐工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592155832
【氏名又は名称】ユニタイト株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066094
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 武志
(74)【代理人】
【識別番号】100123146
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 崇
(72)【発明者】
【氏名】本田 和之
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 友宏
(72)【発明者】
【氏名】大倉 宣秋
(72)【発明者】
【氏名】宮田 勝治
(72)【発明者】
【氏名】井上 富美久
(72)【発明者】
【氏名】四方 弘章
(72)【発明者】
【氏名】井上 啓明
(72)【発明者】
【氏名】金丸 清人
(72)【発明者】
【氏名】阿曽 利光
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−242483(JP,A)
【文献】 特開2005−016236(JP,A)
【文献】 特開2010−222811(JP,A)
【文献】 特開2000−328889(JP,A)
【文献】 特開平09−221992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 10/00−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント間の継手面に、一方を嵌合部の側方からスライドさせることで互いに嵌合し、かつ嵌合方向以外の方向の抜け出しが拘束される断面ほゞC型の嵌合部を有するスライド式の継手金具を備えたコンクリート製セグメントを型枠で製造する際の前記継手金具を型枠に取り付けるための取付治具であって、前記継手金具の嵌合部に対応し、該嵌合部との間に遊びを有する一方向に延びる嵌合凹部と、側方からスライドさせて前記嵌合凹部内に嵌合した前記継手金具の嵌合部を前記嵌合凹部の底壁部に螺合により取付けた継手押さえボルトの前記底壁部上面から突出する先端部で押圧して、前記嵌合凹部内に前記継手金具の嵌合部を固定する固定手段と、前記継手金具の嵌合部を嵌合凹部内に固定した状態で前記セグメント製造用型枠に取り付ける取付部とをそれぞれ備えたことを特徴とする継手金具の取付治具。
【請求項2】
前記継手押さえボルトを、前記各嵌合凹部の底壁部に所定の間隔をおいて2本以上それぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1記載の継手金具の取付治具。
【請求項3】
前記各嵌合凹部が、セグメントの継手面に対して一方向にスライド勾配を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の継手金具の取付治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手面にスライド式の継手金具を備えたコンクリート製のセグメントを型枠で製造する際に、前記継手金具を型枠に取り付けるための取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート製のセグメントとセグメントとの連結構造としては、連結板を貫通した連結ボルトと、この連結ボルトに螺合するナットとで両連結板を締め付けたり、継手面にオス・メスのくさびをそれぞれ形成し、一方のくさびをスライドして連結する方法などがある。
【0003】
上記のようなセグメントとセグメントとの連結構造のうちスライド式の継手では、オス金具とメス金具をセグメントの継手面に対し所定の嵌め合わせ角度とスライド勾配でもって連結する必要がある。そのため、継手金具の嵌め合わせ形状は高い精度をもつことが要求され、かなり高価なものとなりやすい。
【0004】
このような問題点を解決するものとして、特開平9−221992号公報の発明(特許文献1)では、連結作業を容易に短時間で行うことができ、しかも両セグメントの連結を確実に行うことのできるセグメントの連結構造として鋼矢板の継手部を再利用し、これをセグメントの連結面の部分に埋設する構成とすることで、継ぎ手部材を安価に供給できるものを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−221992号公報
【特許文献2】特開平9−195689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、鋼矢板の継手部は、長くロールされた鋼矢板を短冊状に切断したものであるため、ロール時の歪みなど他の継手部に比べ形状精度が劣る。したがって、この鋼矢板の継手部を使用した例えばシールドトンネル覆工用セグメントにあっては、実際の利用にあたって継手部を嵌め合わせることができない等の問題が発生する場合もある。
【0007】
本発明は、セグメント間の連結にスライド式の継手金具を備えたセグメントを型枠で製造する際に、前記継手金具がその嵌め合わせ部において形状にばらつきのある精度が劣る構造のものであっても、継手金具同志の接触部分をセグメントの継手面から所定の位置に設置することで、確実な継手接続が可能とした継手金具の型枠への取付治具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、セグメント間の継手面に、一方を嵌合部の側方からスライドさせることで互いに嵌合し、かつ嵌合方向以外の方向の抜け出しが拘束される断面ほゞC型の嵌合部を有するスライド式の継手金具を備えたコンクリート製のセグメントを型枠で製造する際の前記継手金具を型枠に取り付けるための取付治具であって、前記継手金具の嵌合部に対応し、該嵌合部との間に遊びを有する一方向に延びる嵌合凹部と、側方からスライドさせて前記嵌合凹部内に嵌合した前記継手金具の嵌合部を前記嵌合凹部の底壁部に螺合により取付けた継手押さえボルトの前記底壁部上面から突出する先端部で押圧して、前記嵌合凹部内に前記継手金具の嵌合部を固定する固定手段と、前記継手金具の嵌合部を嵌合凹部内に固定した状態で前記セグメント製造用型枠に取り付ける取付部とをそれぞれ備えたことを特徴とする継手金具の取付治具である。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は、前記継手押さえボルトを前記各嵌合凹部の底壁部に所定の間隔をおいて2本以上それぞれ取り付けたことを特徴とする継手金具の取付治具とした。
【0010】
そして、上記の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明にあって、前記嵌合凹部がセグメントの継手面に対して一方向にスライド勾配を備えてなる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明の取付治具を使用することで、セグメント製造時に、継手金具同士の接触部分をセグメントの継手面から一定の高さに保つことが可能となる。したがって、前記継手金具がその嵌合部において形状にばらつきのある精度が劣る構造のものであっても、継手金具同士の接触部分の位置の誤差は小さいので、2ヶ所あるこれらの接触部分をセグメントの継手面から一定の高さに保つことで、確実な継手接続が可能となる。
【0012】
また、取付治具の嵌合凹部内に嵌合した継手金具の嵌合部を固定する際には、前記継手押さえボルトの先端部を前記嵌合凹部方向へ螺進せしめれば済み、固定作業が容易で且つ確実に固定することが可能である。そして、請求項2に記載の発明とすることで、各継手押さえボルト先端部の前記底壁部上面からの突出高さを微調整することで前記嵌合凹部内に嵌合した継手金具の嵌合部を任意のスライド勾配に容易に設置することができるとゝもに、継手金具の嵌合部に対する偏った締め付けによる固定を防止することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明、すなわち、前記嵌合凹部がセグメントの継手面に対して一方向にスライド勾配を備えた構成としたことで、この取付治具をセグメント製造用の型枠に取り付けることで、前記スライド式の継手金具の嵌合部に前記嵌合凹部と同じ所定の勾配を付与することができ、設置作業が容易となる。そして、継手金具に所定の勾配を付けることで、セグメントを組み立てる際に、継手同士のスライドによる嵌合によってセグメント同士が引き寄せられ、セグメント間の継手面同士を密着させることができるとゝもに、セグメント間の連結性能も優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】連結する両セグメントの継手面にそれぞれ装着した継手金具の連結状態を示概略断面図である。
図2】本発明に係る第1の実施例の取付治具の斜視図である。
図3】同図の左側面図である。
図4】同図の正面図である。
図5】本発明に係る取付治具に継手金具を装填する工程の斜視図である。
図6】同取付治具に継手金具を固定した状態の正面図である。
図7】継手金具を固定した取付治具をセグメント製造用型枠に装填する工程を示す斜視図である。
図8】継手金具を固定した取付治具をセグメント製造用型枠に固定した状態の断面図である。
図9】本発明に係る第2の実施例の取付治具に継手金具を固定し、これをセグメント製造用型枠に取り付けた状態の縦断面図である。
図10】本発明に係る第3の実施例の取付治具に継手金具を固定し、これをセグメント製造用型枠に取り付けた状態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る取付治具を、関連する各種の部材との関係を示しながら図面に示す実施例により詳細に説明する。図1乃至図8において、A1 は本発明に係るスライド式継手金具の取付治具で、Bはシールドトンネル覆工用セグメントであり、B1 は先組みセグメント、B2 は同セグメントB1 に対して円周方向に連結する後組みセグメントである。
【0016】
Cは上記両セグメントB1 ,B2 の接合部の継手面25,25に取り付けた断面がほゞC形のスライド式の継手金具で、21Aは前記セグメントB1 ,B2 の継手面25から凹部26a内に突出している第1,第2の円弧状先端部22A,22Bからなる嵌合部、21Bは前記セグメントB1 ,B2 内に埋設されているアンカー部であり、Dは前記セグメントBの継手面25に前記スライド式の継手金具Cを備えた前記シールドトンネル覆工用セグメントBを製造する際に使用する型枠である。
【0017】
本発明に係る前記継手金具Cの取付治具A1 は、前記シールドトンネル覆工用のセグメントBを前記型枠Dを使用して製造する際に、上部面に前記スライド式の継手金具Cを固定し、下部を前記型枠Dに取り付けるように構成したものである。詳しくは、図1乃至図8に示すように、矩形状の基台1の上部面に、前記継手金具Cの嵌合部21Aを挿・脱自在で、かつ所望の傾斜角度で固定可能とした嵌合固定部2を、基台1の下面中央部には前記取付治具A1 を前記型枠Dに取り付けるための取付部6をそれぞれ備えている。
【0018】
前記嵌合固定部2は、前記継手金具Cの嵌合部21Aに対応し、該嵌合部21Aとの間に遊びを有する一方向に延びる平行な嵌合凹部3,4および両嵌合凹部3,4間の離間部5により構成されている。詳しくは、図1及び図8において、前記基台1の前部側には、前記継手金具Cの嵌合部21Aにあって、その一方の円弧状の先端部22Aを右側から挿入することによって嵌合する第1の嵌合凹部3が、後部側には、他方の円弧状の先端部22Bを同じく右側から挿入することによって嵌合する第2の嵌合凹部4が、そして、前記第1と第2の嵌合凹部3,4の中間部には、継手金具Cの嵌合部21Aにあって、その中央の円弧状凹部24を同じく右側から挿入することによって嵌合する離間部5をそれぞれ備えている。
【0019】
7は前記取付治具A1 の第1と第2の嵌合凹部3,4内にそれぞれ嵌合した前記継手金具Cの先端部22A,22Bを前記嵌合凹部3,4内に固定するための固定手段で、該固定手段7は、前記嵌合凹部3,4の底壁部3A,4Aに所定の間隔をおいて螺合によって取付けた継手押さえボルト8,8の前記底壁部3A,4A上面から突出する先端部8A,8Aで嵌合部21Aを押し上げ、円弧状の先端部22Aの内周面22aを前記離間部5の庇部下面5A1 へ、先端部22Bの外周面22bを前記嵌合凹部4の一方壁を構成している箱抜き部26の天版部下面26Aへ向けそれぞれ押し付けることで、前記継手金具Cの先端部22A,22Bを前記嵌合凹部3,4内に固定する構造としたものである。
【0020】
前記継手金具Cの嵌合部21Aは、上記図6及び図7に示すような構造で前記取付治具A1 の嵌合固定部2に固定される。そして、このような固定状態が保持された図6及び図7に示す状態のままで、シールドトンネル覆工用セグメントBの製造用型枠Dの取り付け位置まで運ばれていき、図8に示すように、前記型枠Dに取付部6の部分で固定される。
すなわち、前記継手金具Cは、本発明に係る取付治具A1 を介して型枠Dの所定位置に設置し固定されるものであるために、継手金具Cの嵌合部21AはセグメントBの継手面25に対し一定の嵌め合わせ位置に固定されることになる。
【0021】
このように、継手金具Cは、セグメントBの成型時において、位置決めが難しく不安定な状態にある先端部の嵌合部21Aは、前記型枠Dに取付部6で固定した取付治具A1 の嵌合固定部2に固定された状態にある。そして、この状態を保持したまま、図7に示すように、型枠Dに形成した前記取付部6とほゞ同形,同大の貫通縦孔27内に、基台1の下面が設置部28と面接するまで落とし込む。
【0022】
つぎに、型枠Dの下面に設けたボックス形の取付部材29に対し螺合によって貫通せしめた固定ボルト30を締めつけることで、該固定ボルト30の上端部30Aが螺合した前記取付部6を介して取付治具A1 を前記型枠Dに着脱可能となるように固定する。なお、図中31は前記型枠Dの内面側にあって、前記基台1の設置部に近接して設けたスライド方向の凹部を形成するための抜き中子である。
【0023】
上記のように、本発明に係る取付治具A1 は、その嵌合固定部2に継手金具Cの嵌合部21Aを固定したものをシールドトンネル覆工用セグメントBの成型用型枠Dの取り付け場所まで運び、図6及び図7に示す状態で、取付治具A1 の取付部6を、基台1の下面が型枠Dの設置部28と面接するまで貫通縦孔27内に落とし込んで組み立てる。その後、図8に示すように、取付部6において取付治具A1 を型枠Dに固定ボルト30により固定する。
【0024】
つぎに、前記型枠D内にその他必要な配筋を設置しコンクリートを打設する。そして、コンクリート養生後、成型用型枠Dに対する取付治具A1 の固定ボルト30による固定を解除し、脱型後、継手金具Cから取付治具A1 を前記の挿入方向と逆方向に抜き中子31により形成した凹部内をスライドさせることで取り外す。取付治具A1 を継手金具Cから取り外すことで、図1に示すように、取付治具A1 の基台1にあってその箱抜き部26でセグメントBに形成された凹部26a内に、継手金具Cの第1,第2の円弧状先端部22A,22Bがそれぞれ継手面25の前記凹部26aから突出した状態のセグメントBができあがる。
【0025】
このように、成型されたセグメントBの継手面25にあって、該継手面25の凹部26a内から突出している継手金具Cの嵌合部21Aは一定の嵌め合わせ位置に形成される。
したがって、継手金具Cの嵌合部21Aがその嵌め合わせ部において形状にばらつきがあったり或いは形状誤差があっても、セグメントB1 ,B2 の継手金具Cの嵌合部21A,21A同士の嵌め合いは容易であり且つ確実な嵌合が可能となる。すなわち、両継手金具C,Cの2ヶ所の接触部分22aー1と22bー1はセグメントBの継手面25から所定の位置、詳しくは、図1において、先端部22Aの内周面22aの接触部分22aー1は継手面25から外側に一定の距離を置いた位置に、他方の先端部22Bの外周面22bの接触部分22bー1は継手面25から内側に一定の距離を置いた位置にそれぞれ位置している。
【0026】
また、上記のように、取付治具A1 の嵌合凹部3,4内にそれぞれ嵌合した前記継手金具Cの円弧状先端部22A,22Bは、前記嵌合凹部3,4内で固定手段7で固定される際に、継手押さえボルト8,8の先端部8A,8Aで押し上げられる構成としている。したがって、前記継手押さえボルト8,8の底壁部3A,4A上面からの突出高さを微調整することで、継手金具Cの嵌合部21Aに一方向に所定のスライド勾配、例えば1/15〜1/25のスライド勾配、好ましくは1/20のスライド勾配を容易に形成することができる。
【0027】
このように、継手金具Cの嵌合部21Aが一方向のスライド勾配を備えることで、両セグメントB1,2 をトンネルの円周方向に組み立てる際、先組みセグメントB1 の一対の円弧状先端部22A,22Bと、後組みセグメントB2 の一対の円弧状先端部23A,23Bの嵌め合わせ開始時において、継手面25の凹部26a内に突出している一方の円弧状先端部22A,22Bの嵌め合わせ部と、凹部26b内に突出している他方の円弧状先端部23A,23Bの嵌め合わせ部は、前記型枠Dの抜き中子31で形成した図1における前後方向(トンネル軸方向)に延びる凹部内で、後組みセグメントB2 の円弧状先端部23A,23Bが先組みセグメントB1 の円弧状先端部22A,22B方向へスライドすることで嵌合する。
【0028】
そして、前記後組みセグメントB2 の円弧状先端部23A,23Bが先組みセグメントB1 の円弧状先端部22A,22Bとの嵌合の度合いが進んだ嵌め合わせ途中において、嵌合部21Aにはそれぞれスライド勾配があるためスムーズな挿入が可能であること、組み立て終了時において、継手金具Cの嵌合部21A,21A同士の嵌合により両セグメントB1 ,B2 同士が相対的に引き寄せられ、セグメントB1 ,B2 の継手面25,25を密着させることができる。
【0029】
図9に示すものは本発明に係る第2の実施例の取付治具である。この取付治具A2 は、矩形状の基台51の左側面部に、前記継手金具Cの嵌合部21Aを挿・脱自在で、かつ一方向へ所望の傾斜角度で固定可能とした嵌合固定部52を、また前記基台51の四隅には固定ボルト9により前記型枠Dの固定部10に固定するための固定ボルト挿入孔11をそれぞれ備えている。
【0030】
前記嵌合固定部52は前記継手金具Cの嵌合部21Aに対応し、該嵌合部21Aとの間に遊びを有する一方向(図9では前後方向)に延びる平行な嵌合凹部53,54が、上下に離間して左側面部から突設した高さの異なる2つの逆L字形の仕切部材55,56により形成されている。
【0031】
詳しくは、図9において、前記基台51の左側面部には、前記継手金具Cの嵌合部21Aにあって、その一方の円弧状の先端部22Aを前側又は後側から挿入することによって嵌合する第1の嵌合凹部53が逆L字形の仕切部材55により、そして、下側には、他方の円弧状の先端部22Bを同じく前側又は後側から挿入することによって嵌合する第2の嵌合凹部54が、前記仕切部材55及びこれより高さの高い逆L字形の仕切部材56によりそれぞれ形成されている。
【0032】
57は前記継手金具Cの円弧状の先端部22A,22Bを前記第1,第2の嵌合凹部53,54内にそれぞれ固定するための固定手段で、前記取付治具A2 の第1,第2の嵌合凹部53,54内にそれぞれ嵌合した前記継手金具Cの円弧状の先端部22A,22Bを、前記嵌合凹部53,54の底壁部53A,54Aに所定の間隔をおいて螺合によって取付けた継手押さえボルト58,58で抑えて固定するためのものである。
【0033】
詳しくは、前記嵌合凹部53,54の底壁部53A,54Aの上面から突出する継手押さえボルト58,58の先端部58A,58Aで、前記継手金具Cの円弧状の先端部22A,22Bの外周面をそれぞれ図中左方向へ押し付ける。これにより、先端部22Aにあってはその内周面22aが仕切部材55の庇部下面55Aに、他方の先端部22Bにあってはその外周面22bが仕切部材56の庇部下面56Bにそれぞれ押し付けられ、前記継手金具Cの円弧状先端部22A,22Bの内周面22a,外周面22bは前記嵌合凹部53,54内にそれぞれ、セグメントBの継手面25から一定の距離に固定される。
【0034】
ここで、先の図1に示すように、両セグメントB1,2 の組み立て時において、継手金具C,C同士の接触部分は、図9における前記庇部下面55Aの突起部と当接する先端部22Aの内周面22aの1ヶ所22aー1と、前記庇部下面56Bの突起部と当接する先端部22Bの外周面22bの1ヶ所22bー1の2ヵ所である。継手金具同志のこの2ヵ所の接触部分(コントロールポイント)22aー1,22bー1は、形状精度が悪い継手金具同士においてもその位置の誤差は小さい。
【0035】
従って、2つのコントロールポイント22aー1,22bー1がそれぞれセグメントBの継手面25から一定の距離であれば、セグメント組立後、両セグメントB1,2 の継手面同士は同一面となるため、継手接続後の余裕を0mmや1mmなど一定に保つことが可能となる。なお、図中Dー1はセグメントの継手面25に位置する型枠Dにあって、継手金具Cの設置箇所の箱抜き部26に設けた箱抜き部型枠である。
【0036】
図10に示すものは本発明に係る取付治具の第3の実施例である。この取付治具A3 は前記図9に示す第2の実施例の取付治具A2 とは以下の点で相違するのみである。すなわち、この第3の実施例に示す取付治具A3 は、基台51の仕切部材56と箱抜き部26とが一体構造となった点で前記図9に示す取付治具A2 と相違するのみであり、その他の構成は同じである。したがって、同一部分については同一の符号を付し、構成および作用等に関する詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0037】
1,A2,A3 取付治具
1,51 基台
2,52 嵌合固定部
3,53 第1の嵌合凹部
3A,53A 同底壁部
4,54 第2の嵌合凹部
4A,54A 同底壁部
5 離間部
5A 庇部下面
7,57 固定手段
8,58 継手押さえボルト
8A 同先端部
B セグメント
C 継手金具
21A 嵌合部
21B アンカー部
22A 第1円弧状の先端部
22a 同内周面
22aー1 接触部分
22B 第2円弧状の先端部
22b 同外周面
22bー1 接触部分
24 円弧状の凹部
25 継手面
26 箱抜き部
26A 天版部下面
26a・26b 凹部
27 貫通孔
28 設置部
29 取付部
30 固定ボルト
55・56 仕切り部材
55A,56B 庇部下面
D 型枠
Dー1 箱抜き部型枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10