(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のヒューズが、前記強制転流式の同期整流器内の前記第1の障害、前記ローサイドスイッチ内の前記第1の障害、および前記電流源内の前記第2の障害の1つまたは複数に応答して開く、請求項1に記載のシステム。
前記電流源が少なくとも1つの太陽電池パネルを備えており、前記強制転流式の同期整流器に結合された前記電気的バスをさらに備え、前記電気的バスが宇宙船のパワーバスを構成する、請求項1に記載のシステム。
前記第2のヒューズおよび前記強制転流式の同期整流器に結合された前記バイパス整流器であって、前記電流源に結合されるように動作可能な前記バイパス整流器を提供することと、
前記バイパス整流器内の障害に応答して前記第2のヒューズを開くことと、
前記インダクタに結合された入力キャパシタを提供することと、
前記入力キャパシタおよび前記共通の接地に直列で結合された第3のヒューズを提供することと、
前記入力キャパシタ内の障害に応答して前記第3のヒューズを開くことと、
前記電気的バスに結合されるように動作可能な出力キャパシタを提供することと、
前記出力キャパシタおよび前記共通の接地に直列で結合された第4のヒューズを提供することと、
前記出力キャパシタ内の障害に応答して前記第4のヒューズを開くことと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、本開示または本開示の実施形態の適用分野および用途を限定しようとするものではない。特有のデバイス、技法、および適用分野の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載する例に対する修正形態は、当業者には容易に明らかになり、本明細書に規定する一般原則は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および適用分野にも適用することができる。さらに、前述の技術分野、背景技術、概要、または以下の詳細な説明で提示するいずれの明示または暗示する理論にも束縛されるものではない。本開示には、特許請求の範囲と一貫した範囲が与えられるべきであり、本明細書に記載および図示する例に限定されるものではない。
【0013】
本開示の実施形態については、機能および/または理論上のブロック構成要素ならびに様々な処理ステップの点で本明細書に説明することができる。そのようなブロック構成要素は、指定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素によって実現できることを理解されたい。話を簡単にするために、回路設計に関係する従来の技法および構成要素、ならびにシステム(およびシステムの個々の動作構成要素)の他の機能上の態様については、本明細書で詳細に説明しないことがある。さらに、本開示の実施形態は、様々な演算ハードウェアおよびソフトウェアと一緒に実行できること、そして本明細書に記載する実施形態が本開示の例示的な実施形態にすぎないことが、当業者には理解されるであろう。
【0014】
本開示の実施形態について、実際の非限定的な適用分野、すなわち衛星または宇宙船上での電圧変換に関連して本明細書に説明する。しかし、本開示の実施形態は、そのような衛星または宇宙船の適用分野に限定されるものではなく、本明細書に記載する技法は、他の適用分野でも利用することができる。たとえばそれだけに限定されるものではないが、実施形態は、航空機、船舶、自動車、建築物、列車、反応器からの過熱された熱結合、様々な電圧変換適用分野、および回路などに適用可能である。
【0015】
これらの実施形態は、実質上すべてのタイプの直列/並列発電源(電源)、ならびにエネルギーを伝えることができる電源および負荷を有する実質上すべてのタイプの車両に適用される。負荷は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、電池、電気的バス、様々な負荷、機器、モータ、加熱器、配電システムなどを含むことができる。電源は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、衛星の電源、宇宙船の電源、航空機の電源、船上の発電機、列車の電源、太陽電池およびエンジンによって電力供給される長期の航空機および宇宙船(有人および無人)の電源などを含むことができる。追加として、本開示の実施形態は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、太陽電池、風力、および波力エネルギー発電所/電源、発電機アレイなどに適用することもできる。
【0016】
この説明を読めば当業者には明らになるように、以下は本開示の例および実施形態であり、これらの例による動作に限定されるものではない。本開示の例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も利用することができ、構造上の変化を加えることもできる。
【0017】
様々な適用分野では、電源(たとえば、宇宙船の太陽電池パネルまたは他の電源)は、電圧調整器を通って別のデバイス(たとえば、電気的バスまたは別の負荷)に結合される。本開示の実施形態は、強制転流式の同期整流器ならびにヒューズの組合せを備える同期整流器のPWM調整器システムを含み、その結果、耐障害性のシステムが得られる。耐障害性のシステムでは、構成要素が短絡した場合、ヒューズの1つまたは複数が開き、電源は別のデバイスに結合されたままである。同期整流器のPWM調整器システムは、同期整流器のブースト変換器として機能するように動作可能である。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態による例示的な強制転流式の同期整流器100(システム100)の図である。
図1は、電力スイッチ(図示せず)のデューティーサイクルに応じて、電流が第1のバス102(入力端子102)から(たとえば、電池から)第2のバス104(出力端子104)へ(たとえば、衛星または宇宙船の100Vバスへ)、または第2のバス104から第1のバス102へ流れることができる双方向変換器を示す。非常に小さいデューティーサイクルの変化で、第1のバス102の放電から第1のバス102の充電へ電流の方向を変化させることができるため、強制転流式の同期整流器100に結合されたインダクタのインダクタ電流を測定することが望ましく、したがってフィードバックループを追加して、電流の流れの大きさと方向の両方の微細な制御を可能にすることができる。
【0019】
強制転流式の同期整流器100は、強制転流回路140に電気的に結合された電界効果トランジスタ(FET)122などのスイッチング構成要素を備える。FET122は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、および真性ボディダイオード118を備える。たとえばそれだけに限定されるものではないが、
図1に示すFET122はn型FETを構成し、真性ボディダイオード118のアノードはソース端子112に接続され、真性ボディダイオード118のカソードはドレイン端子116に接続される。
【0020】
図1に示す実施形態は、一例としてn型FETを利用するが、FET122は、それだけに限定されるものではないが、n型FET、p型FET、スイッチなどの任意のスイッチング構成要素を構成することができ、関連する逆回復時間を有することがある真性ボディダイオードを備える。FET122がp型FETである一実施形態では、真性ボディダイオード118の方向を逆にすることができ、したがって、真性ボディダイオード118のカソードはp型FETのソース端子に接続され、真性ボディダイオード118のアノードはp型FETのドレイン端子に接続される。
【0021】
通常、n型FETは、FET Qをオンに切り換えることに関連する閾値電圧より大きい電圧がゲート端子114に供給されるとき、ソース端子112とドレイン端子116の間に電流を流すことができる。ゲート端子114に供給される電圧が閾値電圧より下まで低減されたとき、または完全に取り除かれたとき、FET122はオフに切り換えられ、ソース端子112とドレイン端子116の間を流れる電流は流れを止める。FET122がオフに切り換えられたときに電流がソース端子112からドレイン端子116へ流れている場合、電流は真性ボディダイオード118の順バイアス方向に流れていたため、FET122の真性ボディダイオード118は回復する期間を必要とする。これを逆回復時間と呼ぶ。
【0022】
しかし、FET122がオフに切り換えられたときに電流がドレイン端子116からソース端子112へ流れている場合、電流はすでに真性ボディダイオード118の逆バイアス方向に流れていたため、逆回復時間は必要とされない。上述の概念を使用して、FET122に関連するスイッチオフ事象中にダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ電流を強制転流することによって、ダイオードの逆回復時間をなくすことができる。
【0023】
FET122のゲート端子114は、FET122のスイッチングを制御する駆動電圧源110に電気的に結合される。駆動電圧源110が閾値電圧より大きい電圧をゲート端子114に提供するとき、FET122はオンに切り換えられる。FET122のゲート端子114が電圧をもたないとき、FET122はオフに切り換えられる。電流は、入力端子102を通ってFET122のソース端子112内へ流れるように構成され、FET122から流れ出る電流は、出力端子104の方へ流れる。
【0024】
上述のように、FET122は、強制転流回路140に電気的に結合される。強制転流回路140は、パルス電流源120(選択的に制御される強制転流電流源)と、転流ダイオード108とを備える。パルス電流源120は、入力端子102を通って入る電流より大きくなるように構成された転流電流を生成するように構成することができる。一実施形態では、転流電流とは、非常に短い期間で強制転流式の同期整流器100から供給されるパルス電流である。パルス電流源120は、端子106で転流ダイオード108のアノード端子に電気的に結合される。
【0025】
転流ダイオード108は、端子106でパルス電流源120に電気的に結合されたアノード端子(図示せず)を備える。転流ダイオード108はまた、ノード124でFET122のドレイン端子116および出力端子104に電気的に結合されたカソード端子(図示せず)を備える。このように、転流ダイオード108は、FET122と並列である。転流ダイオード108は、転流ダイオード108のカソード端子が真性ボディダイオード118のカソード端子に接続されるように構成されるべきである。
【0026】
強制転流式の同期整流器100は、4つの位相で動作することができる。第1の位相では、FET122とパルス電流源120はどちらもオフに切り換えられ、したがってパルス電流源120は転流電流を供給しない。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、転流ダイオード108を通って流れ、出力端子104で強制転流式の同期整流器100から出力される。
【0027】
第2の位相では、FET122はオンに切り換えられ、パルス電流源120はオフに切り換えられたままである。この位相では、入力電流は、入力端子102から入り、FET122を通ってソース端子112からドレイン端子116へ流れ、出力端子104を通って出る。FET122の両端の電圧降下が転流ダイオード108の順電圧より小さいため、電流は転流ダイオード108を通って流れなくなる。
【0028】
第3の位相では、FET122はオンに切り換えられ、パルス電流源120もオンに切り換えられる。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、パルス電流源120および転流ダイオード108を通って流れる。さらに、パルス電流源120は、転流ダイオード108およびFET122を通って流れる転流電流を供給する。ノード124で、入力電流は出力端子104へ流れ、一方転流電流は、FET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ進む。
【0029】
第4の位相では、転流電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間に、FET122はオフに切り換えられる。この位相では、転流電流は流れを止め、入力電流は転流ダイオード108を通って流れ、出力端子104から出力される。FET122の真性ボディダイオード118に関連する逆回復時間をなくすために、電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ(真性ボディダイオード118とは反対の方向に)流れている間に、FET122はオフに切り換えられるべきである。4つの位相によって表される事象のシーケンスに従うことによって、転流電流がFET122を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間に、FET122はオフに切り換えられる。したがって、FET122に関連する逆回復時間はなくなる。
【0030】
上述の強制転流式の同期整流器100は、様々な適用分野に対する構築ブロックとして利用することができる。具体的には、真性ボディダイオードを備えるスイッチング構成要素を利用するスイッチングの適用分野は、上述の強制転流式の同期整流器100を利用することによってより効率的に実行することができる。さらに、バック変換器、ブースト変換器、およびバック−ブースト変換器などのスイッチング調整器も、上述の強制転流式の同期整流器100を利用することができる。
【0031】
従来のスイッチング調整器は、整流器を使用して、主FETのオフ時間中にインダクタ電流に対する電流路を提供することができる。現在の改善によって、FETスイッチの逆回復時間はかなり小さくなり、その結果エネルギーがほとんど放散されなくなってきたため、整流器をFETと交換することが実用的になってきた。しかし、高圧の適用分野では、逆回復時間は比較的大きく、著しいワット損をもたらし、ならびにFETのスイッチング周波数に制限をもたらす。
【0032】
高圧の適用分野は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、上記の例示的な衛星用のバス、陸上および海上の産業用および軍事用航空機、太陽電池、風力、および波力の電源などを含むことができる。高圧の適用分野はまた、たとえばそれだけに限定されるものではないが、機上レーダ、通信システムなどの電池および他の高圧バスに供給する太陽電池およびエンジン電源を備える長期滞空無人航空機(UAV)を含むことができる。追加として、高圧の適用分野は、それだけに限定されるものではないが、再利用可能な単一任務の車両などの宇宙船(有人および無人)を含むことができる。
【0033】
ブースト変換器などの高圧スイッチング調整器の適用分野で整流器として利用されるFETの真性ボディダイオードの逆回復時間をなくすために、従来の整流器または同期スイッチFETを、
図1に記載する強制転流式の同期整流器100と交換することができる。スイッチを伴う整流の適用分野では、上述の4つの位相による整流サイクルを使用することができる。これらのサイクルを、整流器スイッチサイクルと呼ぶことができる。第4の位相は、整流器スイッチサイクルのスイッチオフ縁部で発生する。高圧整流器の適用分野では、FETなどのスイッチに印加される電圧は、60Vより大きくすることができる。
【0034】
図2は、本開示の一実施形態による例示的な耐障害性の同期整流式のPWM調整器システム200(システム200)の図である。システム200は、上述の強制転流式の同期整流器S1(ハイサイドスイッチ)と、ローサイドヒューズF1に結合されたローサイドスイッチQ1と、出力キャパシタC1と、入力キャパシタC2と、ヒューズF2と、インダクタL1と、バイパス整流器CR1と、ヒューズF3と、ヒューズF4と、電流源Ispと、電気的バス202と、共通の接地204とを備えることができる。システム200は、同期整流式のブースト変換器として機能するように動作可能である。以下により詳細に説明するように、強制転流式の同期整流器S1ならびにヒューズF1〜F4の組合せを使用することによって、システム200は、著しく低減させたワット損で耐障害性のシステムを提供し、したがってシステム200の重量を低減させ、それによって宇宙船の重量を低減させる。
【0035】
図2に示すように、ヒューズF1、F2、F3、およびF4は、それぞれローサイドスイッチQ1、電流源Isp、入力キャパシタC2、および出力キャパシタC1に直列で結合される。その結果、システム100のいずれかの構成要素が障害(たとえば、短絡)を有する場合、ヒューズF1〜F4の1つまたは複数が開き、電流源Ispは、たとえばバイパス整流器CR1を通って電気的バス202を介して負荷206に接続されたままである。このようにして、システム200は、耐障害性のシステムを提供する。障害は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、短絡、過負荷電流、閉固着障害などを含むことができる。本明細書では、短絡と障害を区別なく使用することがある。負荷206は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、電気的バス、機器、モータ、電池、加熱器、配電システムなどを含むことができる。
【0036】
ローサイドヒューズF1は、ローサイドスイッチQ1に直列で結合されており、強制転流式の同期整流器S1が短絡した場合は開くように動作可能である。このようにして、電流源Ispは、バイパス整流器CR1と強制転流式の同期整流器S1の両方を通って電気的バス202に接続されたままになる。ローサイドヒューズF1はまた、Q1が短絡した場合も開くように動作可能である。このようにして、電流源Ispは、電気的バス202に接続されたままになる。
【0037】
ヒューズF2は、電流源Ispに直列で結合されており、バイパス整流器CR1が短絡した場合は開くように動作可能である。バイパス整流器CR1が短絡した場合、ヒューズF2が開くまで、インダクタL1、バイパス整流器CR1、および強制転流式の同期整流器S1の経路内を高い電流が循環する。このようにして、電流源Ispは、電気的バス202に接続されたままになる。ヒューズF2はまた、電流源Ispが共通の接地204に短絡した場合も開くように動作可能である。この場合、電流源Ispは電気的バス202に電力を提供しなくなる。
【0038】
強制転流式の同期整流器S1は、ヒューズF1、バイパス整流器CR1、出力キャパシタC1、インダクタL1、および電気的バス202に結合される。強制転流式の同期整流器S1(ハイサイドスイッチ)は、FET Q2を備えており、電流源Ispからの直流電流を、電気的バス202上の電圧調整された交流電流に変換するように動作可能である。通常、ハイサイドスイッチ(バスに結合)は整流器である。しかし、
図1に示す実施形態では、強制転流式の同期整流器S1がハイサイドスイッチとして使用され、したがってワット損が著しく低減される。
【0039】
同期整流は、電力デバイス内のワット損を低減させる。ワット損をより低くすることで、より少ないヒートシンク材料が必要とされ、構成要素をより密集してパッケージできるため、電力デバイスの重量を低減させる。このようにして、より少ない熱管理ハードウェアが必要とされるため、それだけに限定されるものではないが、宇宙船などの車両の重量を低減させることができる。同期整流はまた、伝達関数が動的に変化する不連続伝導モードでブースト変換器が機能する必要がないため、より広い範囲の電源(たとえば、電流源Isp)の変動およびバス電流にわたって制御ループの安定性を改善する。
【0040】
出力キャパシタC1は、ヒューズF4および電気的バス202に直列で結合されており、電流源Ispからの充電を受け取るように動作可能である。
【0041】
入力キャパシタC2は、ヒューズF3に直列で結合されており、インダクタL1に対する交流接地を提供するように動作可能である。
【0042】
インダクタL1は、ローサイドヒューズF1、ヒューズF2、入力キャパシタC2、および強制転流式の同期整流器S1に結合されており、システム200のブースト変換器に対するエネルギー貯蔵を提供するように動作可能である。既存の解決策では、ローサイドスイッチQ1が電流源Ispを永久的に共通の接地に接続する場合、電力が失われる。しかし、既存の解決策とは対照的に、
図1に示す実施形態では、ローサイドスイッチQ1が電流源Ispを共通の接地204に接続する場合、強制転流式の同期整流器S1がオンになり、ローサイドヒューズF1が開いて共通の接地204への短絡を取り除き、電流源Ispを電気的バス202に接続(または結合)したままにする。
【0043】
バイパス整流器CR1は、強制転流式の同期整流器S1、ヒューズF2、電流源Isp、および電気的バス202に結合されており、F2が開いている場合、電流を電気的バス202へ迂回させるように動作可能である。
【0044】
電流源Ispは、それだけに限定されるものではないが、太陽電池アレイ(たとえば、衛星または宇宙船バスの電源として使用)、電池などの電源を含むことができる。上記のように、システム200はまた、それだけに限定されるものではないが、他の衛星および宇宙船航空機の電源、船上の発電機、列車の電源、太陽電池およびエンジンによって電力供給される長期の航空機および宇宙船(有人および無人)の電源などの他のタイプの電源を調整することができる。
【0045】
電気的バス202は、電流を分散させるように動作可能であり、たとえばそれだけに限定されるものではないが、宇宙船のパワーバス、衛星のパワーバス、船舶の電気的バス、自動車の電気的バス、電力網の電気的バスなどとすることができる。
【0046】
システム200は、同期ブースト変換器として機能するように動作可能であり、ローサイドヒューズF1はローサイドスイッチQ1に結合され、ローサイドヒューズF1およびヒューズF2は、ブーストインダクタ経路内でインダクタL1を通って結合される。このようにして、システム200は、強制転流式の同期整流器S1、ローサイドスイッチQ1、出力キャパシタC1、入力キャパシタC2、バイパス整流器CR1、および電流源Ispなどのいずれかの電力段デバイスが短絡/障害モードで機能しなくなったとき、障害を自動的に除去する。
【0047】
一実施形態では、キャパシタヒューズF3およびF4は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、直列冗長キャパシタを含むことができる。
【0048】
システム200の結果、ブースト回路経路は、ダイオードが通常有するはずの電圧降下より低い電圧降下を有する1つのFET(たとえば、Q1またはQ2)を備えるため、実質上最高の可能な効率が得られる。
【0049】
電力段が同期整流式であるため、インダクタL1の電流は、連続モードで動作することができ、したがって制御ループの伝達関数は、負荷電流I
LOADの全動作範囲および電流源Ispの電圧全体にわたってより均一になる。これにより、システム200は、より低いインダクタンス値に対応することができ、より小さい重量につながる。
【0050】
図3は、本開示の一実施形態による耐障害性の同期整流式の自動PWM調整プロセス300(プロセス300)を示す例示的な流れ図である。プロセス300に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス300は、任意の数の追加または代替のタスクを含むことができ、
図3に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス300は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順またはプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0051】
例示の目的で、プロセス300の以下の説明では、
図1〜2に関連して上記で述べた要素に言及することがある。実際の実施形態では、プロセス300の一部分は、強制転流式の同期整流器S1(ハイサイドスイッチ)、ローサイドスイッチQ1、出力キャパシタC1、入力キャパシタC2、ローサイドヒューズF1、ヒューズF2、インダクタL1、バイパス整流器CR1、ヒューズF3、ヒューズF4、電流源Isp、および電気的バス202など、システム100〜200の異なる要素によって実行することができる。プロセス300は、
図1〜2に示す実施形態に類似している機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0052】
プロセス300は、バイパス整流器CR1に結合され、電気的バス202に結合されるように動作可能な強制転流式の同期整流器S1、強制転流式の同期整流器S1に結合されたインダクタL1、および共通の接地204に結合されたローサイドスイッチQ1を使用して、電流源Ispからの電流を電気的バス202に対する電流に同期整流すること(タスク302)によって始めることができる。
【0053】
プロセス300は、強制転流式の同期整流器S1およびローサイドスイッチQ1に結合された第1のヒューズF1を提供すること(タスク304)によって継続することができる。
【0054】
プロセス300は、バイパス整流器CR1およびインダクタL1に結合された第2のヒューズF2を提供すること(タスク306)によって継続することができる。
【0055】
図4は、本開示の一実施形態による耐障害性の同期整流式のPWM調整器システム200を動作させるプロセス400を示す例示的な流れ図である。プロセス400に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス400は、任意の数の追加または代替のタスクを含むことができ、
図4に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス400は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順またはプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0056】
例示の目的で、プロセス400の以下の説明では、
図1〜2に関連して上記で述べた要素に言及することがある。実際の実施形態では、プロセス400の一部分は、強制転流式の同期整流器S1(ハイサイドスイッチ)、ローサイドスイッチQ1、出力キャパシタC1、入力キャパシタC2、ローサイドヒューズF1、ヒューズF2、インダクタL1、バイパス整流器CR1、ヒューズF3、ヒューズF4、電流源Isp、および電気的バス202など、システム100〜200の異なる要素によって実行することができる。プロセス400は、
図1〜2に示す実施形態に類似している機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、および要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0057】
プロセス400は、電気的バス202に結合された強制転流式の同期整流器S1、強制転流式の同期整流器S1および電流源Ispに結合されたバイパスフィルタCR1、強制転流式の同期整流器S1および入力キャパシタC2に結合されたインダクタL1、ならびに共通の接地204に結合されたローサイドスイッチQ1を使用して、電流源Ispからの電流を入力キャパシタC2に結合された電気的バス202に対する電流に同期整流することによって始めること(タスク402)ができる。
【0058】
プロセス400は、強制転流式の同期整流器S1内で障害が発生した場合、強制転流式の同期整流器S1およびローサイドスイッチQ1に結合されたローサイドヒューズF1などの第1のヒューズを開くこと(タスク404)によって継続することができる。
【0059】
プロセス400は、ローサイドスイッチQ1内で障害が発生した場合、ヒューズF1などの第1のヒューズを開くこと(タスク406)によって継続することができる。
【0060】
プロセス400は、電流源Isp内で障害が発生した場合、バイパス整流器CR1およびインダクタL1に結合されたヒューズF2などの第2のヒューズを開くこと(タスク408)によって継続することができる。
【0061】
プロセス400は、バイパス整流器CR1内で障害が発生した場合、第2のヒューズF2を開くこと(タスク410)によって継続することができる。
【0062】
プロセス400は、入力キャパシタC2内で障害が発生した場合、入力キャパシタC2および共通の接地204に結合されたヒューズF3などの第3のヒューズを開くこと(タスク412)によって継続することができる。
【0063】
プロセス400は、出力キャパシタC1内で障害が発生した場合、出力キャパシタC1および共通の接地204に結合されたヒューズF4などの第4のヒューズを開くこと(タスク414)によって継続することができる。
【0064】
このようにして、本開示の実施形態は、いずれかの電力段デバイスが短絡モードで動作しなくなったとき、障害を自動的に除去する。ワット損を低減させるために、強制転流式の同期整流器が使用される。ワット損をより低くすることで、より少ないヒートシンク材料が必要とされ、構成要素をより密集してパッケージできるため、電力段デバイスの重量を低減させる。このようにして、より少ない熱管理ハードウェアが必要とされるため、宇宙船の重量などの重量を低減させることができる。この重量の節約はまた、実質上すべてのタイプの電源/負荷相互作用デバイスに必要とされる空間およびコストの節約につながる。
【0065】
上記の説明では、ともに「接続」または「結合」された要素またはノードまたは特徴に言及する。本明細書では、別段明示しない限り、「接続」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接つなぎ合わされる(または直接連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。同様に、別段明示しない限り、「結合」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接または間接的につなぎ合わされる(あるいは直接または間接的に連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。したがって、
図1〜2は要素の例示的な構成を示すが、本開示の一実施形態では、追加の介在要素、デバイス、特徴、または構成要素が存在することもある。
【0066】
本明細書で使用される用語および語句、ならびにその変形は、別段明示しない限り、限定ではなくオープンエンド(open ended)と解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「非限定的に含む」などを意味すると読まれるべきであり、「例」という用語は、議論される項目の例示的な場合を提供するために使用され、その徹底的または限定的なリストを提供するものではなく、また「従来の(conventional)」、「従来の(traditional)」、「正常な」、「標準的な」、「周知の」、および類似の意味の用語などの形容詞は、記載する項目を、所与の期間に、または所与の時点で利用可能な項目に限定すると解釈されるべきではなく、代わりに、現在または将来の任意の時点で利用可能または周知の従来の(conventional)、従来の(traditional)、正常な、または標準的な技術を包含するように読まれるべきである。
【0067】
同様に、「および」という接続詞でつながれた1群の項目は、群内でそれらの項目のそれぞれがすべて存在することを必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、「および/または」と読まれるべきである。同様に、「または」という接続詞でつながれた1群の項目は、その群内で相互排他性を必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、同じく「および/または」と読まれるべきである。さらに、本開示の項目、要素、または構成要素を単数で記載または請求することがあるが、単数への限定が明示されない限り、複数も本開示の範囲内であることが企図される。場合によっては、「1つまたは複数」、「少なくとも」、「それだけに限定されるものではない」、または他の同様の語句などの包括的な言葉および語句の存在は、そのような包括的な語句がない場合により狭いケースが意図され、または必要とされることを意味するように読まれるべきではない。
【0068】
本発明はまた、以下の実施形態に関する。
1.電気的バスに結合されるように動作可能な強制転流式の同期整流器と、
共通の接地に結合されるように動作可能なローサイドスイッチと、
強制転流式の同期整流器およびローサイドスイッチに結合された第1のヒューズであって、第1の障害に応答して開くように動作可能な第1のヒューズと、
第1のヒューズ、強制転流式の同期整流器、およびローサイドスイッチに結合されたインダクタと、
インダクタに結合された第2のヒューズであって、電流源に結合されるように動作可能であり、また第2の障害に応答して開くように動作可能な第2のヒューズと
を備える耐障害性の同期整流器のPWM調整器システム。
2.第1のヒューズが、強制転流式の同期整流器内の第1の障害に応答して開く、実施形態1に記載のシステム。
3.第1のヒューズが、ローサイドスイッチ内の第1の障害に応答して開く、実施形態1に記載のシステム。
4.第2のヒューズが、電流源内の第2の障害に応答して開く、実施形態1に記載のシステム。
5.第2のヒューズおよび強制転流式の同期整流器に結合されたバイパス整流器であって、電流源に結合されるように動作可能なバイパス整流器をさらに備え、第2のヒューズがバイパス整流器内の第2の障害に応答して開く、実施形態1に記載のシステム。
6.電流源が少なくとも1つの太陽電池パネルを備える、実施形態1に記載のシステム。
7.強制転流式の同期整流器に結合された電気的バスをさらに備え、電気的バスが宇宙船のパワーバスを構成する、実施形態1に記載のシステム。
8.インダクタに結合された入力キャパシタと、
入力キャパシタおよび共通の接地に直列で結合された第3のヒューズであって、入力キャパシタ内の第3の障害に応答して開くように動作可能な第3のヒューズと
をさらに備える、実施形態1に記載のシステム。
9.第3のヒューズが直列冗長キャパシタを備える、実施形態8に記載のシステム。
10.電気的バスに結合されるように動作可能な出力キャパシタと、
出力キャパシタおよび共通の接地に直列で結合された第4のヒューズであって、出力キャパシタ内の障害に応答して開くように動作可能な第4のヒューズと
をさらに備える、実施形態1に記載のシステム。
11.第4のヒューズが直列冗長キャパシタを備える、実施形態10に記載のシステム。
12.強制転流式の同期整流器がワット損を低減させる、実施形態1に記載のシステム。
13.強制転流式の同期整流器が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
FETスイッチに並列で電気的に結合された転流ダイオードであって、転流ダイオードのカソード端子が真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合される、転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備える、実施形態1に記載のシステム。
14.耐障害性の同期整流式の自動PWM調整方法であって、
バイパス整流器に結合され、電気的バスに結合されるように動作可能な強制転流式の同期整流器、強制転流式の同期整流器に結合されたインダクタ、および共通の接地に結合されたローサイドスイッチを使用して、電流源からの電流を電気的バスに対する電流に同期整流することと、
強制転流式の同期整流器およびローサイドスイッチに結合された第1のヒューズを提供することと、
バイパス整流器およびインダクタに結合された第2のヒューズを提供することと
を含む方法。
15.強制転流式の同期整流器内の障害に応答して第1のヒューズを開くことと、
ローサイドスイッチ内の障害に応答して第1のヒューズを開くことと
をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
16.電流源内の障害に応答して第2のヒューズを開くことをさらに含む、実施形態14に記載の方法。
17.第2のヒューズおよび強制転流式の同期整流器に結合されたバイパス整流器であって、電流源に結合されるように動作可能なバイパス整流器を提供することと、
バイパス整流器内の障害に応答して第2のヒューズを開くことと
をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
18.インダクタに結合された入力キャパシタを提供することと、
入力キャパシタおよび共通の接地に直列で結合された第3のヒューズを提供することと、
入力キャパシタ内の障害に応答して第3のヒューズを開くことと
をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
19.電気的バスに結合されるように動作可能な出力キャパシタを提供することと、
出力キャパシタおよび共通の接地に直列で結合された第4のヒューズを提供することと、
出力キャパシタ内の障害に応答して第4のヒューズを開くことと
をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
20.PWM調整器システムの耐障害性の同期整流を動作させる方法であって、
電気的バスに結合された強制転流式の同期整流器、強制転流式の同期整流器および電流源に結合されたバイパス整流器、強制転流式の同期整流器および入力キャパシタに結合されたインダクタ、ならびに共通の接地に結合されたローサイドスイッチを使用して、電流源からの電流を入力キャパシタに結合された電気的バスに対する電流に同期整流することと、
強制転流式の同期整流器内で障害が発生した場合、強制転流式の同期整流器およびローサイドスイッチに結合された第1のヒューズを開くことと、
ローサイドスイッチ内で障害が発生した場合、第1のヒューズを開くことと、
電流源内で障害が発生した場合、インダクタおよび電流源に結合された第2のヒューズを開くことと、
バイパス整流器内で障害が発生した場合、第2のヒューズを開くことと、
入力キャパシタ内で障害が発生した場合、入力キャパシタおよび共通の接地に結合された第3のヒューズを開くことと、
出力キャパシタ内で障害が発生した場合、出力キャパシタおよび共通の接地に結合された第4のヒューズを開くことと
を含む方法。