(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0044】
(定義)
本明細書において開示された主題の理解を進めるために、本明細書において使用される多くの用語、略語又は他の省略語を、以下に定義する。定義されていない用語、略語又は省略語は、本出願の提出と同時期に当業者により使用される通常の意味を有すると理解される。
【0045】
「アミノ」は、任意に置換されてよい第一級、第二級又は第三級アミンをいう。具体的には複素環の一員である第二級又は第三級アミン窒素原子が含まれる。同じく具体的には、例えば、アシル部分により置換された第二級又は第三級アミノ基が含まれる。アミノ基のいくつかの非限定的例は、-NR'R"を含み、ここでR'及びR"の各々は独立して、H、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、シクロアルキル、アシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。
【0046】
「アルキル」は、炭素及び水素を含み、かつ分枝されているか又は直鎖であることができる、完全に飽和された非環式の一価のラジカルをいう。一部の実施態様において、アルキルは、約1〜約25個の炭素原子を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、n-オクチル、及びn-デシルである。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキルラジカルをいい、メチル、エチル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、イソアミル、n-ペンチル、及びイソペンチルにより例示される。
【0047】
「ヘテロアルキル」は、O、S及びNのようなヘテロ原子により置換されたアルキル基内に1個以上の炭素原子を有するアルキル基をいう。一部の実施態様において、ヘテロアルキル基は、1個以上のO原子を含む。別の実施態様において、ヘテロアルキル基は、1個以上のS原子を含む。更なる実施態様において、ヘテロアルキル基は、1個以上のアミニレン基を含む。ある実施態様において、ヘテロアルキル基は、2個以上のO、S、アミニレン又はそれらの組合せを含む。
【0048】
「アルケニル」又は「アルケニレン」は各々、少なくとも1個の二重結合を有する、一価又は二価のヒドロカルビルラジカルをいう。アルケニル基又はアルケニレン基は、環式、分枝した非環式、又は線状の非環式であってよい。一部の実施態様において、アルケニル基又はアルケニレン基は、ただ1個の二重結合を含む。別の実施態様において、アルケニル基又はアルケニレン基は、2個以上の二重結合を含む。更なる実施態様において、アルケニル基又はアルケニレン基は、主鎖内に2〜8個の炭素原子を含む、低級アルケニル又はアルケニレンであることができる。更なる実施態様において、アルケニル基又はアルケニレン基は、1個の二重結合及び最大25個の炭素原子を有し、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどにより例示される。
【0049】
「アルキニル」又は「アルキニレン」は各々、少なくともひとつの三重結合を有する、一価又は二価のヒドロカルビルラジカルをいう。一部の実施態様において、アルキニル基又はアルキニレン基は、ただ1個の三重結合を含む。別の実施態様において、アルキニル基又はアルキニレン基は、2個以上の三重結合を含む。更なる実施態様において、アルキニル基又はアルキニレン基は、主鎖内に2〜8個の炭素原子を含む、低級のアルキニル又はアルキニレンであることができる。更なる実施態様において、アルキニル基又はアルキニレン基は、1個の三重結合及び最大20個の炭素原子を有し、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどにより例示される。
【0050】
「芳香族の」又は「芳香族基」は、アリール又はヘテロアリールをいう。
【0051】
「アリール」は、任意に置換された炭素環式芳香族基をいう。一部の実施態様において、アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換されたフェニル、置換されたビフェニル又は置換されたナフチルのような、環部分に6〜12個の炭素原子を含む、単環式又は二環式の基を含む。別の実施態様において、アリール基は、フェニル又は置換されたフェニルである。
【0052】
「アラルキル」は、アリール基により置換されているアルキル基をいう。アラルキルのいくつかの非限定的例は、ベンジル及びフェネチルを含む。
【0053】
「アルカリル」は、アルキル基により置換されているアリール基をいう。アルカリルのいくつかの非限定的例は、メチルフェニル及びメチルナフチルを含む。
【0054】
「アシル」は、式-C(=O)H、-C(=O)-アルキル、-C(=O)-アリール、-C(=O)-アラルキル、又は-C(=O)-アルカリルの一価の基をいう。
【0055】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素をいう。
【0056】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードをいう。
【0057】
「ヘテロ原子」は、炭素及び水素以外の原子をいう。
【0058】
「ヘテロシクロ」又は「ヘテロシクリル」は、少なくとも一つの環の中に、O、S、N、B及びPのような少なくとも1個のヘテロ原子を有する、任意に置換された、完全に飽和された又は不飽和の、単環式又は二環式の、芳香族基又は非芳香族基をいう。芳香族ヘテロシクリル(すなわちヘテロアリール)基は、環内に1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、及び/又は1〜4個の窒素原子を有することができ、かつ炭素原子又はヘテロ原子を介して、その分子の残余部分に結合されてよい。ヘテロアリールのいくつかの非限定的例は、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、又はイソキノリニルなどを含む。
【0059】
「炭化水素」又は「ヒドロカルビル」は、専ら炭素及び水素の元素からなる有機化合物又はラジカルをいう。ヒドロカルビルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分を含む。ヒドロカルビルは、アルカリル、アルケンアリール及びアルキンアリールのような、他の脂肪族、環式又はアリール炭化水素基により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分も含む。一部の実施態様において、「炭化水素」又は「ヒドロカルビル」は、1〜30個の炭素原子を含む。
【0060】
「ヒドロカルビレン」は、炭化水素から2個の水素原子を取り除くことにより形成され、その自由原子価が二重結合に関与しない、二価基をいい、例えばアリーレン、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレン又はアルカリレンである。
【0061】
化合物又は化学部分を説明するために本明細書で使用される「置換された」は、その化合物又は化学部分の少なくとも1個の水素原子が、第二の化学部分で置き換えられていることをいう。置換基の非限定的例は、本明細書において開示された前述の例証的化合物及び実施態様において認められるものであり、更にはハロゲン;アルキル;ヘテロアルキル;アルケニル;アルキニル;アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ;アルコキシル;アミノ;ニトロ;チオール;チオエーテル;イミン;シアノ;アミド;ホスホナト;ホスフィン;カルボキシル;チオカルボニル;スルホニル;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;オキソ;ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル);単環又は縮合された若しくはされない多環であることができる炭素環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル)、又は単環又は縮合された若しくはされない多環であることができるヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル又はチアジニル);炭素環式又は複素環式、単環式又は縮合された若しくはされない多環式のアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル又はベンゾフラニル);アミノ(第一級、第二級又は第三級);o-低級アルキル;o-アリール、アリール;アリール-低級アルキル;-CO
2CH
3;-CONH
2;-OCH
2CONH
2;-NH
2;-SO
2NH
2;-OCHF
2;-CF
3;-OCF
3;-NH(アルキル);-N(アルキル)
2;-NH(アリール);-N(アルキル)(アリール);-N(アリール)
2;-CHO;-CO(アルキル);-CO(アリール);-CO
2(アルキル);及び-CO
2(アリール)であり;並びに、そのような部分は、縮合環構造又は架橋、例えば-OCH
2O-により、任意に置換されることもできる。これらの置換基は、そのような基から選択された置換基により、任意に更に置換されることができる。本明細書に開示された全ての化学基は、別に指定されない限りは、置換されることができる。例えば、本明細書に説明された「置換された」アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロカルビル又はヘテロシクロ部分は、ヒドロカルビル部分、置換されたヒドロカルビル部分、ヘテロ原子、又はヘテロシクロにより置換されている部分である。更に置換基は、炭素原子が、窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄、又はハロゲン原子のような、ヘテロ原子により置換されている部分を含んでよい。これらの置換基は、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステル及びエーテルを含んでよい。
【0062】
「ルミネセンス」は、発光物体の温度からエネルギーを派生しない光の放出である。ルミネセンスは、化学的、生化学的若しくは結晶学的変化、亜原子粒子の運動、又は原子システムの放射線が誘導した励起により引き起こされ得る。ルミネセンスは、リン光、蛍光、化学ルミネセンス、生物ルミネセンス、結晶ルミネセンス、陰極線ルミネセンスのようなエレクトロルミネセンス、音響ルミネセンス、摩擦ルミネセンス、フラクトルミネセンス及びピエゾルミネセンスのようなメカノルミネセンス、リン光及び蛍光のような光ルミネセンス、放射線ルミネセンス、並びに熱ルミネセンスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
「発光団」とは、ルミネセンスを顕在化する化学物質内の原子又は化学基をいう。有機発光団及び無機発光団が存在する。一部の実施態様において、本明細書に開示された発光団は、ロドール(rhodol)、ローダミン、レソルフィン又はそれらの誘導体のような有機発光団である。発光団は、発リン光体、発蛍光体、化学発光団、生物発光団、結晶発光団(crystallolumiphore)、陰極線発光団(cathodolumiphore)のような電気発光団(electrolumiphore)、音響発光団(sonolumiphore)、摩擦発光団(tribolumiphore)、破壊発光団(fractolumiphore)及び圧電発光団(piezolumiphore)のような応力発光団(mechanolumiphore)、光発光団(photolumiphore)、放射発光団、並びに熱発光団を含むが、これらに限定されるものではない。
【0064】
「光ルミネセンス」とは、物質が光子(電磁放射線)を吸収し、その後光子を後方に(photons back out)放射するプロセスをいう。光子を吸収した後の物質は、より高いエネルギー準位に励起され、その後光子の放出を伴い、より低いエネルギー準位に戻る。光ルミネセンスのふたつの一般型は、リン光及び蛍光を含む。
【0065】
「ルミネセンス消光剤」とは、発光団のルミネセンスを部分的又は全体的に除去することができる化合物をいう。
【0066】
「蛍光」とは、光子の分子吸収が、より長い波長の別の光子の放出の引き金を引くルミネセンスをいう。一部の実施態様においては、吸収された光子は紫外範囲内にあり、放出された光は可視範囲内にある。
【0067】
「発蛍光体」とは、光により励起され、蛍光を発することができる、小型分子又は大型分子の一部をいう。一部の実施態様において、発蛍光体は、約200nm〜約1000nm、又は約500nm〜約800nmの波長を有する光により励起された際に、蛍光を効率的に生じる。放出された放射線の強度及び波長は一般に、発蛍光体及びその発蛍光体の化学環境の両方により決まる。発蛍光体は、アクリジンオレンジ、アントラセン環、アロフィコシアニン、BODIPY、シアニン、クマリン、エダンス(Edans)、エオシン、エリスロシン、フルオレスカミン、フルオレセイン、FAM(カルボキシフルオレセイン)、HEX(ヘキサクロロフルオレセイン)、JOE(6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシ-フルオレセイン)、オレゴングリーン(Oregon Green)、フィコシアニン、フィコエリトリン、ローダミン、ROX(カルボキシ-X-ローダミン)、TAMRA(カルボキシテトラメチルローダミン)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、テキサスレッド、テトラメチルローダミン、及びキサンチンから選択されてよい。その他の非限定的例は、「蛍光プローブ及び標識技術の指針に関するハンドブック(The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies)」(第10版、Molecular Probes社、ユージーン、オレゴン州、2006年)に認めることができ、これは引用により本明細書中に組み込まれている。
【0068】
「リン光」とは、蛍光に関連した光ルミネセンスの特定の型をいう。蛍光とは異なり、リン光物質は、それが吸収した放射線を直ちには再放出しない。再放出の比較的遅い時間スケールは、量子力学の「禁制」エネルギー準位遷移に関連している。これらの遷移は、ある種の物質において低頻度で生じるので、吸収された放射線は、一部の実施態様において、より低い強度で最大数時間の間再放出され得る。
【0069】
「ケミルミネセンス」又は「化学ルミネセンス」とは、化学反応の結果としてのルミネセンスの作用をいう。
【0070】
「生物ルミネセンス」とは、その間に化学エネルギーが光エネルギーに変換される化学反応の結果としての、生体による光の発生及び放出をいう。
【0071】
「結晶ルミネセンス」とは、結晶化時に発生されるルミネセンスの作用をいう。
【0072】
「エレクトロルミネセンス」とは、物質が、それを通過する電流に反応して、又は強力な電界に反応して、光を発する、ルミネセンスの作用をいう。
【0073】
「陰極線ルミネセンス」とは、電子銃(例えば、陰極線管)により電子ビームが発生され、その後蛍光体のような発光物質に衝撃を与え、この物質に可視光線の発生を引き起こすことによる、ルミネセンスの作用をいう。
【0074】
「メカノルミネセンス」とは、固形物への何らかの機械的作用の結果としてのルミネセンスの作用をいう。これは、摩擦、超音波又は他の手段により発生されることができる。
【0075】
「摩擦ルミネセンス」とは、物質が、擦過、圧壊、又は摩擦される場合に、結晶内の不斉結合の破壊を介して、光が発生される、ルミネセンスの作用をいう。
【0076】
「フラクトルミネセンス」とは、結晶の破壊からの光の放出をいう。
【0077】
「ピエゾルミネセンス」とは、弾性変形のみ生じるような圧力により引き起こされるルミネセンスの作用をいう。
【0078】
「放射線ルミネセンス」とは、β粒子のような、電離放射線の衝突により物質中に生じる、ルミネセンスの作用をいう。
【0079】
「熱ルミネセンス」とは、紫外線又は他の電離放射線に曝露された際に、一部の無機物質がエネルギーを貯蔵する、ルミネセンスの作用をいう。このエネルギーは、無機物が加熱された場合に、光の形で放出される。
【0080】
「反応基」又は「Rg」とは、アミン、チオ、アルコール、アルデヒド又はケトンに対し高度に反応性である基をいう。反応基のいくつかの非限定的例は、ホスホロアミダイト、カルボン酸のスクシンイミジルエステル、ハロアセトアミド、ヒドラジン、イソチオシアネート、マレイミド、ペルフルオロベンズアミド、アジドペルフルオロベンズアミドなどを含む。
【0081】
「共役された物質」又は「Cg」とは、共役されることが必要であり、かつ一般に各反応基Rgとの共有反応に適した官能基を有している、所望の物質をいう。共役された物質のいくつかの非限定的例は、抗原、ステロイド、ビタミン、薬物、ハプテン、代謝産物、毒素、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、炭水化物、脂質などの共役体を含む。
【0082】
「活性酸素種」又はROSとは、酸素を含むイオン、フリーラジカル、更には非-ラジカル種をいう。活性酸素種のいくつかの非限定的例は、
1O
2、O
2・-、ROO
・、
・OH、OCl
-、及びH
2O
2を含む。
【0083】
「活性窒素種」又はRNSとは、窒素を含むイオン、フリーラジカル、更には非-ラジカル種をいう。活性窒素種のいくつかの非限定的例は、一酸化窒素(NO
・)、二酸化窒素(NO
2・)、亜硝酸イオン(NO
2-)、及びペルオキシナイトライト(ONOO
-)を含む。
【0084】
「発蛍光型プローブ」とは、その蛍光が、標的と反応する以前は「オフ」状態にあり、かつ標的と反応した以降は「オン」状態に切り替わることができる、潜在的蛍光分子をいう。一部の実施態様において、本明細書において開示された発蛍光型プローブは、活性酸素種及び活性窒素種とは、実質的に反応しない。別の実施態様において、本明細書において開示された発蛍光型プローブは、活性酸素種及び活性窒素種と、実質的に反応することができる。
【0085】
「ペルオキシナイトライトプローブ」とは、ペルオキシナイトライトと反応して、蛍光化合物を形成することができる化合物をいう。一部の実施態様において、本明細書において開示されたペルオキシナイトライトプローブは、ペルオキシナイトライトと実質的に反応しない。別の実施態様において、本明細書において開示されたペルオキシナイトライトプローブは、ペルオキシナイトライトと、実質的に反応することができる。
【0086】
「次亜塩素酸イオンプローブ」とは、次亜塩素酸イオンと反応し、蛍光化合物を形成することができる化合物をいう。一部の実施態様において、本明細書に開示された次亜塩素酸イオンプローブは、次亜塩素酸イオンと実質的に反応しない。別の実施態様において、本明細書に開示された次亜塩素酸イオンプローブは、次亜塩素酸イオンと、実質的に反応することができる。
【0087】
「キノン」とは、シクロヘキサジエンジオン部分を含む化合物をいう。キノンのいくつかの非限定的例は、1,4-ベンゾキノン、1,2-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、アントラキノン、フェナントラキノンなどを含む。
【0088】
「反応する」、「添加する」などは、ひとつの反応物、試薬、溶媒、触媒、反応基などと、別の反応物、試薬、溶媒、触媒、反応基などを接触することをいう。反応物、試薬、溶媒、触媒、反応基などは、個々に、同時に又は個別に添加されることができ、かつ任意の順番で、添加されることができる。これらは、熱の存在下又は非存在下で添加されることができ、かつ不活性大気下で、任意に添加されることができる。一部の実施態様において、「反応する」とは、反応基が同じ分子内にある場合のインサイチュ形成又は分子内反応をいう。
【0089】
「実質的に反応する」とは、反応の少なくともひとつの反応物が、約75モル%より多い、約80モル%より多い、約85モル%より多い、又は約90モル%より多い量だけ消費されることをいう。一部の実施態様において、「実質的に反応する」とは、反応物が、約95モル%より多くだけ消費されることをいう。別の実施態様において、「実質的に反応する」とは、反応物が、約97モル%より多くだけ消費されることをいう。更なる実施態様において、「実質的に反応する」とは、反応物が、約99モル%より多くだけ消費されることをいう。
【0090】
「ハイスループット法」とは、非常に数多くの試料を自律的に処理又は評価することができる方法をいう。一部の実施態様において、ハイスループット法において、インフォマティクスシステムが使用されかつ実行されることができる。このインフォマティクスシステムは、ハイスループット法において使用される物理装置のソフトウェア制御を提供し、更にはハイスループット法により作製された電子データを組織化しかつ保存することができる。
【0091】
(詳細な説明)
ペルオキシナイトライトのような活性窒素種(RNS)又は次亜塩素酸イオンのような活性酸素種(ROS)の測定、検出又はスクリーニングのための、ルミネセンス消光剤及び/又は発蛍光型プローブとして使用することができる芳香族アミン化合物が、本明細書において提供される。一部の実施態様において、本明細書において開示された芳香族アミン化合物は、ルミネセンス消光剤として使用することができる。別の実施態様において、本明細書において開示された芳香族アミン化合物は、ペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンを選択的かつ特異的に検出、測定又はスクリーニングするために使用することができる。更なる実施態様において、本明細書に開示された芳香族アミン化合物は、
1O
2、O
2・-、NO、H
2O
2、・OH、
-OCl、ONOO
-及びアルキルペルオキシルラジカル(ROO
・)のような、その他の活性酸素及び/又は窒素種の存在下で、ペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンと選択的に反応するために使用することができる。
【0092】
本明細書に開示された芳香族アミン化合物は一般に、式(I)により表すことができ:
【化7】
式中、Lは、発光団であり;Qは、ルミネセンス消光部分であり;かつ、R
1は、H、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アミノアルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アルキルオキシ、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルアミド、アルコキシアミド、スルホニルアリール又はアシルである。一部の実施態様においては、R
1及びQの両方が、ルミネセンス消光部分である。別の実施態様においては、R
1及びQは同じである。更なる実施態様において、R
1及びQは異なる。
【0093】
一部の実施態様において、N、Q及びR
1は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、4-、5-、6-、7-又は8-員の飽和複素環を形成する。別の実施態様において、N、Q及びR
1は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。更なる実施態様において、N、Q及びR
1は一緒に、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンから選択された、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。
【0094】
ルミネセンス特性を有する任意の発光団を、ここで使用することができる。ある実施態様において、発光団Lは、発リン光体、発蛍光体、化学発光団、生物発光団、結晶発光団、電気発光団、応力発光団、光発光団、放射発光団、又は熱発光団である。別の実施態様において、発光団Lは、発リン光体、発蛍光体又は化学発光団である。
【0095】
一部の実施態様において、発光団Lは、発蛍光基である。好適な発蛍光基のいくつかの非限定的例は、置換又は非置換のフルオレセイン、BODIPY(ホウ素ジピロメテン)、ポルフィリン、スルホローダミン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミンO、ユーキサンチン(euxanthin)、ルシフェリン、ベンズアントロン、9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12-ビス(フェニルエチニル)ナフタセン、カルセイン、カルボキシフルオレセイン、1-クロロ-9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、7-ヒドロキシクマリンのようなクマリン、シアニン、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、臭化エチジウム、ペリレン、フィコビリン、フィコエリトリン、フィコエリトロビリン、ロドール、ローダミン、ルブレン、スチルベン、テキサスレッド、ナフトフルオレセイン又はそれらの誘導体から、H、OH又はアミノ基のようなひとつの原子又は基を除去することにより誘導された、一価の蛍光基である。好適な発蛍光基の他の非限定的例は、「蛍光プローブ及び標識技術の指針に関するハンドブック(The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies)」(第10版、Molecular Probes社、ユージーン、オレゴン州、2006年)に認めることができ、これは引用により本明細書中に組み込まれている。
【0096】
ある実施態様において、発光団Lは、ロドール、ローダミン、レソルフィン、フルオレセイン又はそれらの誘導体である。他の実施態様において、Lは、式(II)-(VI)、又はそれらの誘導体のひとつである:
【化8】
(式中、Yは、O-A、S-A又はNR
2R
3であり;
Y
1、Y
2、Y
3及びY
4の各々は独立して、O、S、NR
2'R
3'又はN
+R
2'R
3'であり;
Vは、N又はCR"であり;
R
2、R
3、R
2'及びR
3'の各々は独立して、H、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アミノアルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アルキルオキシ、カルボキシアルキル、アルキルアミド、アルコキシアミド、スルホニルアリール又はアシルであり;
R、R'、R"、R
a及びR
bの各々は独立して、H、CN、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アミノアルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アルキルオキシ、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルアミド、アルコキシアミド、スルホニルアリール又はアシルであり;
Aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、アミノアルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アシル又はアミノカルボニルであり;
K
1-K
52の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、-C(=O)-P
1又は-C(=O)-Z-P
2であり;
P
1及びP
2の各々は独立して、水素、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、チオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、カルバメート、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルチオ、ヘテロアルキル、又は3〜7個の環原子を有するヘテロシクリルであり;かつ
Zは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、アラルキレン又はアルカリレンである。)。
【0097】
一部の実施態様において、Lは、Y及びK
1-K
10が本明細書において開示されたものである、式(II)又はそれらの互変異性体である:
【化9】
一部の実施態様において、Yは、OH、CH
3C(=O)O又はNR
2R
3であり;K
1-K
10の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル、又はリン酸エステルであり;かつ、R
2及びR
3の各々は独立して、H又はアルキルである。
【0098】
ある実施態様において、K
1、K
3、K
4、K
6、K
7、K
8、K
9及びK
10の各々はHであり;かつ、K
2及びK
5の各々は独立して、H又はハロである。別の実施態様において、K
1-K
10の各々はHである。更なる実施態様において、Yは、OH又はCH
3C(=O)Oである。なお更なる実施態様において、Yは、OH又はCH
3C(=O)Oであり;かつ、K
1-K
10の各々は、Hである。なお更なる実施態様において、Yは、OH又はCH
3C(=O)Oであり;K
1、K
3、K
4、K
6、K
7、K
8、K
9及びK
10の各々はHであり;かつ、K
2及びK
5の各々は独立して、H又はハロである。
【0099】
一部の実施態様において、Yは、NR
2R
3である。別の実施態様において、R
2は、K
2と一緒に又はR
3はK
3と一緒に、環が任意に置換されている、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成する。別の実施態様において、R
2、R
3、K
1及びK
2は一緒に、二環式環が置換されているか又は置換されていない、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成する。
【0100】
ある実施態様において、式(II)の互変異性体は、Y及びK
1-K
10が、本明細書において開示されている、式(IIa)を有する:
【化10】
一部の実施態様において、式(IIa)のYは、NR
2R
3である。
【0101】
他の実施態様において、式(II)の互変異性体は、Yが、OH、SH又はNHR
2であり;R
2及びK
1-K
10が、本明細書に開示されており;かつ、Y'が、対応するYから1個の水素を除去することにより誘導される、OH、SH又はNHR
2である、式(IIb)を有する:
【化11】
【0102】
一部の実施態様において、Lは、K
11-K
17が本明細書において開示されている、式(III)又はそれらの互変異性体を有する:
【化12】
一部の実施態様において、K
11-K
17の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。別の実施態様において、K
11、K
12、K
13、K
14、K
16及びK
17の各々はHであり;かつ、K
15は、H又はハロである。
【0103】
ある実施態様において、式(III)の互変異性体は、K
11-K
17が本明細書に開示されている、式(IIIa)を有する:
【化13】
【0104】
ある実施態様において、Lは、R及びK
18-K
20が本明細書に開示されている、式(IV)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化14】
一部の実施態様において、K
18-K
20の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。別の実施態様において、K
18及びK
20の各々は、Hであり;かつ、K
19は、H又はハロである。
【0105】
一部の実施態様において、Lは、K
18-K
20が本明細書に開示されている、式(IVa)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化15】
別の実施態様において、K
18及びK
20の各々は、Hであり;かつ、K
19は、F、Cl、Br又はIのようなハロである。更なる実施態様において、K
18及びK
20の各々は、Hであり;かつ、K
19は、Clである。
【0106】
一部の実施態様において、Lは、Y
1、V及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(V)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化16】
【0107】
ある実施態様において、Lは、VがNである、式(V)を有する。別の実施態様において、Lは、Y
1及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Va)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化17】
更なる実施態様において、Y
1は、N
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、式(Va)のK
21-K
26の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
21-K
26の各々はHである。
【0108】
ある実施態様において、Lは、VがNであり;かつ、Y
1が、N
+R
2'R
3'である、式(V)を有する。別の実施態様において、Lは、R
2'、R
3'及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Vb)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化18】
更なる実施態様において、式(Vb)のK
21-K
26の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
21-K
26の各々は、Hである。
【0109】
一部の実施態様において、式(Vb)のN、R
2'及びR
3'は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む5-又は6-員の飽和複素環を形成する。なお更なる実施態様において、5-又は6-員の飽和複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の一方は、本明細書に開示されているQ基である。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の両方は、Q基であり、かつR
2'及びR
3'は、同じ又は異なってよい。
【0110】
ある実施態様において、R
2'はK
21と一緒に及びR
3'はK
22と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
21及びK
22は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は置換されているか又は置換されていない。
【0111】
一部の実施態様において、Lは、VがNであり;かつ、Y
1がOである、式(V)を有する。別の実施態様において、Lは、K
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Vc)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化19】
更なる実施態様において、式(Vc)のK
21-K
26の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
21-K
26の各々は、Hである。
【0112】
一部の実施態様において、Lは、VがCR"である、式(V)を有する。別の実施態様において、Lは、R"、Y
1及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Vd)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化20】
更なる実施態様において、Y
1は、O又はN
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、式(Vd)のK
21-K
26の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
21-K
26の各々は、Hである。
【0113】
ある実施態様において、式(Va)、(Vb)、(Vc)若しくは(Vd)のK
22及びK
23は一緒に、又は式(Va)、(Vb)、(Vc)若しくは(Vd)のK
25及びK
26は一緒に、ベンゾ環のような、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該5-又は6-員の飽和又は不飽和の環は、置換されているか又は置換されていない。更なる実施態様において、K
22及びK
23は一緒に又はK
25及びK
26は一緒に、ベンゾ環を形成し、ここで該ベンゾ環は、置換されているか又は置換されていない。
【0114】
一部の実施態様において、Lは、R'、Y
2及びK
27-K
36が本明細書に開示されている、式(VI)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化21】
別の実施態様において、Y
2は、O又はN
+R
2'R
3'である。
【0115】
ある実施態様において、Lは、Y
2がOである、式(VI)を有する。別の実施態様において、Lは、R'及びK
27-K
36が本明細書に開示されている、式(VIa)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化22】
更なる実施態様において、式(VIa)のK
27-K
36の各々は、独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
27-K
36の各々は、Hである。
【0116】
ある実施態様において、Lは、Y
2がN
+R
2'R
3'である、式(VI)を有する。別の実施態様において、Lは、R'、R
2'、R
3'、及びK
27-K
36が本明細書に開示されている、式(VIb)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化23】
更なる実施態様において、式(VIb)のK
27-K
36の各々は、独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
27-K
36の各々は、Hである。
【0117】
更なる実施態様において、式(VIb)のN、R
2'及びR
3'は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。なお更なる実施態様において、前記5-又は6-員の飽和複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の一方は、本明細書に開示されているQ基である。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'はQ基であり、かつR
2'及びR
3'は、同じ又は異なってよい。
【0118】
一部の実施態様において、R
2'はK
27と一緒に、及びR
3'はK
36と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
27及びK
36は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は、置換されているか又は置換されていない。
【0119】
ある実施態様において、K
28及びK
29は一緒に、又はK
30及びK
31は一緒に、又はK
33及びK
34は一緒に、又はK
35及びK
36は一緒に、ベンゾ環のような、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環を形成し、ここで、該5-又は6-員の飽和又は不飽和の環は、置換されているか又は置換されていない。更なる実施態様において、K
28及びK
29は一緒に、又はK
30及びK
31は一緒に、又はK
33及びK
34は一緒に、又はK
35及びK
36は一緒に、ベンゾ環を形成し、ここで該ベンゾ環は、置換されているか又は置換されていない。
【0120】
一部の実施態様において、Lは、R
a、Y
3及びK
37-K
44が本明細書に開示されている、式(XX)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化24】
別の実施態様において、Y
3は、O又はN
+R
2'R
3'である。
【0121】
ある実施態様において、Lは、Y
3がOである、式(XX)を有する。別の実施態様において、Lは、R
a、K
37-K
44が本明細書に開示されている、式(XXa)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化25】
。
更なる実施態様において、式(XXa)のK
37-K
44の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
37-K
44の各々は、Hである。なお更なる実施態様において、K
37は、Cl又はFであり;かつ、K
38-K
44の各々は、Hである。
【0122】
ある実施態様において、Lは、Y
3がN
+R
2'R
3'である、式(XX)である。別の実施態様において、Lは、R
a、R
2'、R
3'、及びK
37-K
44が本明細書に開示されている、式(XXb)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化26】
更なる実施態様において、式(XXb)のK
37-K
44の各々は、独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
37-K
44の各々は、Hである。
【0123】
更なる実施態様において、式(XXb)のN、R
2'、R
3'は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。なお更なる実施態様において、前記5-又は6-員の飽和複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の一方は、本明細書に開示されているQ基である。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の両方は、Q基であり、かつR
2'及びR
3'は、同じ又は異なってよい。
【0124】
一部の実施態様において、R
2'はK
37と一緒に又はR
3'はK
44と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
37及びK
44は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は、置換されているか又は置換されていない。
【0125】
ある実施態様において、K
37及びK
38は一緒に、又はK
39及びK
40は一緒に、又はK
42及びK
43は一緒に、ベンゾ環のような、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該5-又は6-員の飽和又は不飽和の環は、置換されているか又は置換されていない。更なる実施態様において、K
37及びK
38は一緒に、又はK
39及びK
40は一緒に、又はK
42及びK
43は一緒に、ベンゾ環を形成し、ここで該ベンゾ環は、置換されているか又は置換されていない。
【0126】
一部の実施態様において、Lは、R
b、Y
4及びK
45-K
52が本明細書に開示されている、式(XXI)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化27】
別の実施態様において、Y
4はO又はN
+ R
2'R
3'である。
【0127】
ある実施態様において、Lは、Y
4がOである、式(XXI)を有する。別の実施態様において、Lは、R
b、K
45-K
52が本明細書に開示されている、式(XXIa)、又はそれらの互変異性体である:
【化28】
更なる実施態様において、式(XXIa)のK
45-K
52の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
46-K
51の各々は、Hであり、かつK
45及びK
52の少なくともひとつは、独立して、Cl又はFである。
【0128】
ある実施態様において、Lは、Y
4がN
+R
2'R
3'である、式(XXI)を有する。別の実施態様において、Lは、R
b、R
2'、R
3'、及びK
45-K
52が本明細書に開示されている、式(XXIb)、又はそれらの互変異性体を有する:
【化29】
更なる実施態様において、式(XXIb)のK
45-K
52の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。なお更なる実施態様において、K
45-K
52の各々は、Hである。
【0129】
更なる実施態様において、式(XXIb)のN、R
2'、及びR
3'は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。なお更なる実施態様において、前記5-又は6-員の飽和複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の一方は、本明細書に開示されているQ基である。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の両方は、Q基であり、かつR
2'及びR
3'は、同じ又は異なってよい。
【0130】
一部の実施態様において、R
2'はK
45と一緒に又はR
3'はK
52と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は、任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
45及びK
52は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は、置換されているか又は置換されていない。
【0131】
ある実施態様において、K
46及びK
47は一緒に、又はK
48及びK
49は一緒に、又はK
51及びK
52は一緒に、ベンゾ環のような、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環を形成し、ここで前記5-又は6-員の飽和又は不飽和の環は、置換されているか又は置換されていない。更なる実施態様において、K
46及びK
47は一緒に、又はK
48及びK
49は一緒に、又はK
51及びK
52は、ベンゾ環を形成し、ここで該ベンゾ環は、置換されているか又は置換されていない。
【0132】
一部の実施態様において、R、R'、R"、R
a及びR
bの各々は、独立して、式(VII)を有する、置換又は非置換のフェニルであり:
【化30】
ここで、R
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'の各々は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アシル、アルキルカルボニルアルキル、トリフルオロメチルカルボニルアルキルのようなハロゲン化アルキルカルボニルアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、若しくはNR
9R
10であるか、又はR
4'及びR
5'は一緒に、R
5'及びR
6'は一緒に、R
6'及びR
7'は一緒に又はR
7'及びR
8'は一緒に、式(VIl)のフェニル環に縮合された、5-又は6-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環の一部を形成し;かつ
R
9及びR
10の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アリーロイル、又はポリエーテルである。
【0133】
ある実施態様において、R
4'、R
5'、R
6'及びR
7'は、独立して、Hであり;かつ、R
8'は、-COOH、-COR
17、-COOR
18、又は-CONR
19R
20であり、ここで、R
17、R
18、R
19及びR
20は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アシル、アルキルカルボニルアルキル、ハロゲン化アルキルカルボニルアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、若しくはNR
9R
10であるか、又はN、R
19及びR
20は一緒に、少なくともひとつの窒素原子を有する、5-又は6-員の複素環を形成する。別の実施態様において、R
8'は、-CONR
19R
20であり、かつN、R
19及びR
20は一緒に、5-又は6-飽和複素環を形成する。更なる実施態様において、前記複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。なお更なる実施態様において、R
8'は、-COOH基である。なお更なる実施態様において、R
4'、R
5'、R
6'及びR
7'の各々は、Hであり;かつ、R
8'は、-COOH基である。一部の実施態様において、R
4'、R
5'、R
6'及びR
7'の各々は、独立して、Hであり;かつ、R
8'は、キサンテン環のような多環式環の面からベンゼン環を生じるのに十分な立体障害を提供し得るような、メチル、メトキシ又は任意の他の基である。
【0134】
一部の実施態様において、Lは、式(a)-(v)、又はそれらの互変異性体のひとつを有し:
【化31】
ここで、式(a)-(v)の各々は、独立して、置換されていないか又は置換されている。
【0135】
ある実施態様において、式(I)のQは、式(VIIa)を有する、置換又は非置換のフェニルであり:
【化32】
ここで、R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アシル、アルキルカルボニルアルキル、トリフルオロメチルカルボニルアルキルのようなハロゲン化アルキルカルボニルアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、若しくはNR
9R
10であるか、又はR
4及びR
5は一緒に、R
5及びR
6は一緒に、R
6及びR
7は一緒に、又はR
7及びR
8は一緒に、式(VIIa)のフェニル環に縮合された、5-又は6-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環の一部を形成し;かつ、
R
9及びR
10の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アリーロイル、又はポリエーテルである。
【0136】
ある実施態様において、式(VIIa)のR
6は、NR
9R
10である。別の実施態様において、式(I)のR
1は、H、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルであり;式(VIIa)のR
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の各々は独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、又はポリエーテルであり;R
6は、OR
11又はCH
2CH
2COR
12であり、ここで、R
11は、H、アルキル、アルコキシアルキル、アルカノイル、又はポリエーテルであり;R
12は、CF
3、ハロゲン-置換された低級アルキル(例えば、CF
nH
3-n、ここでnは、1、2、又は3である)、又は(C=O)-O-V
2から選択された電子求引基であり、ここでV
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル又はアリールアルキルから選択された基である。
【0137】
一部の実施態様において、QのR
6は、-OCH
2OCH
3、OH、NR
9R
10、-CH
2CH
2C(=O)CF
3、又は-CH
2CH
2C(=O)OCH
3であり、ここでR
9及びR
10の各々は独立して、H又はアルキルであり;かつ、R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、Hである。別の実施態様において、R
6は、OH、NH
2、又は-CH
2CH
2C(=O)CF
3である。
【0138】
ある実施態様において、R
1は、H、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルであり;R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の各々は独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、又はポリエーテルであり;R
6は、OR
11又はCH
2CH
2COR
12であり、ここでR
11は、H、アルキル、アルコキシアルキル、アルカノイル、又はポリエーテルであり;R
12は、CF
3、ハロゲン-置換された低級アルキル、又は(C=O)-O-V
2から選択された、電子求引基であり、ここでV
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル又はアリールアルキルから選択された基である。
【0139】
一部の実施態様において、Lが、YがNR
2R
3である式(II)を有する場合、QのR
6は、ヒドロキシ、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロシクリル、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アシル、アルキルカルボニルアルキル、トリフルオロメチルカルボニルアルキルのようなハロゲン化アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル又はアミノカルボニルであるか、又はR
4及びR
5は一緒に、R
5及びR
6は一緒に、R
6及びR
7は一緒に、又はR
7及びR
8は一緒に、式(VIIa)のフェニル環と縮合された、5-又は6-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。
【0140】
一部の実施態様において、本芳香族アミン化合物は、Lが、本明細書に開示されている式(II)-(VI)、(XX)、(XXI)、(Va)-(Vd)、(VIa)-(VIb)、(XXa)-(XXb)、(XXIa)-(XXIb)、及び(a)-(v)のひとつを有し;Qが、本明細書に開示されている式(VIIa)を有し;かつ、R
1が、本明細書に開示されている、式(I)を有する:
【化33】
【0141】
式(IVa)、式(Vb)、式(VIIIb)、式(IXb)又は化合物3のような、芳香族アミン化合物のいずれかが、正帯電されている場合、この正電荷は、当業者に公知のいずれか好適な対陰イオンにより平衡とされることができる。好適な対陰イオンのいくつかの非限定的例は、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンのようなハロゲン化物イオン、ギ酸イオン及び酢酸イオンのようなカルボン酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオンなどである。一部の実施態様において、この対陰イオンは、塩化物イオンである。一部の実施態様において、この対陰イオンは、酢酸イオンである。
【0142】
ある実施態様において、本明細書に開示された芳香族アミン化合物は、化合物1a-1d、2、3、4a-4e及び5a-5d、又はそれらの互変異性体を含み:
【化34】
ここで化合物1a-1d、2、3、4a-4e、5a-5d、10、12、12a、14、22及び30の各々は独立して、置換されているか又は置換されていない。
【0143】
ある実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(10)である。別の実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(12)である。更なる実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(12a)である。なお更なる実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(14)である。なお更なる実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(22)である。別の実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(30)である。
【0144】
一部の実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(30)である。別の実施態様において、化合物(30)の互変異性体は、以下に示した式(30a)を有する。
【化35】
【0145】
(ルミネセンス消光剤としての芳香族アミン化合物)
ある実施態様において、式(I)を有する芳香族アミン化合物は、ルミネセンス消光剤又はルミネセンス消光化合物として使用することができる。ある実施態様において、このルミネセンス消光化合物は、式(VIII)又は(IX)を有し:
【化36】
ここで、Y
1、Y
2、Q、R
'、R
1及びK
21-K
36は、本明細書に開示されている。
【0146】
ある実施態様において、Y
1又はY
2の各々は独立して、Oである。別の実施態様において、Y
1又はY
2の各々は独立して、N
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、Y
1又はY
2の各々は独立して、NR
2'R
3'である。なお更なる実施態様において、本ルミネセンス消光化合物は、Q、R'、R
1及びK
21-K
36が本明細書に開示されている、式(VIIIa)、(VIIIb)、(IXa)又は(IXb)を有する:
【化37】
【0147】
ある実施態様において、式(VIIIb)又は(IXb)のN、R
2'及びR
3'は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、4-、5-、6-、7-又は8-員の飽和複素環を形成する。別の実施態様において、式(VIIIb)又は(IXb)のN、R
2'及びR
3'は一緒に、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。更なる実施態様において、式(VIIIb)又は(IXb)のN、R
2'及びR
3'は一緒に、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンから選択された、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。なお更なる実施態様において、式(VIIIb)又は(IXb)のR
2'及びR
3'のひとつは、本明細書に開示されているQである。なお更なる実施態様において、R
2'及びR
3'の両方は、Qであり、かつR
2'及びR
3'は、同じ又は異なってよい。
【0148】
一部の実施態様において、式(VIII)、(VIII)、(VIIIa)、(VIIIb)、(IXa)又は(IXb)のN、Q及びR
1は一緒に、少なくともひとつの窒素を含む、5-又は6-員の飽和複素環を形成する。別の実施態様において、前述の5-又は6-員の飽和複素環は、置換又は非置換のピペリジン、モルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チオモルホリン、チアゾリジン又はピペラジンである。更なる実施態様において、R
1は、本明細書に開示されているQ基である。なお更なる実施態様において、R
1及びQ基の両方は、同じ又は異なってよい。
【0149】
ある実施態様において、式(VIIIb)のR
2'はK
21と一緒に、又はR
3'はK
22と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
21及びK
22は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は置換されているか又は置換されていない。
【0150】
一部の実施態様において、式(IXb)のR
2'はK
27と一緒に、又はR
3'はK
36と一緒に、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該環は任意に置換されている。別の実施態様において、R
2'、R
3'、K
27及びK
36は一緒に、飽和又は不飽和の二環式環の一部を形成し、ここで該二環式環は置換されているか又は置換されていない。
【0151】
ある実施態様において、K
22及びK
23は一緒に又はK
25及びK
26は一緒に、ベンゾ環のような、5-又は6-員の飽和又は不飽和の環の一部を形成し、ここで該5-又は6-員の飽和又は不飽和の環は、置換されているか又は置換されていない。更なる実施態様において、K
22及びK
23は一緒に又はK
25及びK
26は一緒に、ベンゾ環を形成し、ここで該ベンゾ環は、置換されているか又は置換されていない。
【0152】
一部の実施態様において、本ルミネセンス消光化合物は、化合物4a-4e及び5a-5dを含み:
【化38】
ここで、化合物4a-4e及び5a-5dの各々は、独立して、置換されているか又は置換されていない。
【0153】
一部の実施態様において、式(I)の芳香族アミン化合物のL、R
1及びQ基の少なくとも一つは、反応基(Rg)又は共役基(Cg)により置換されており、ここでRg又はCgは、連結基-X-を介して、本明細書に開示された芳香族アミン化合物に任意に結合されている。別の実施態様において、本明細書に開示された芳香族アミン化合物のL、R
1及びQ基の少なくとも一つは、-X-Rg基又は-X-Cg基により置換されている。別の実施態様において、式(I)の芳香族アミン化合物のL基は、-X-Rg基又は-X-Cg基により置換されている。
【0154】
一部の実施態様において、Xは、O、S、アミニレン基(例えばRが、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボキシル基、アシル基、芳香族基、又は複素環基であるような、NR基)、スルホニル基、有機連結基、若しくはそれらの組合せのような、結合又は連結基であるか、又はこれらを含んでいる。本明細書に開示された有機連結基は、一緒に化学式のL、R
1、Q、Rg又はCgのような、任意の二つの断片を結合する二価の連結有機基であることができる。二価の有機連結基のいくつかの非限定的例は、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基、二価の複素環基、及びそれらの組合せを含む。二価の有機連結基の別の非限定的例は、-(CH
2)
m-基を含み、ここでmは、1〜50までの整数であり、かつこのメチレン基の1個以上は、O、S、N、C、B、Si、P、C=O、O=S=O、複素環基、芳香族基、NR
a基、CR
b基、CR
cR
d基、SiR
eR
f基、BR
g基、又はP(=0)R
h基により任意に置換されており、ここでR
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、及びR
hは、各々独立して、結合、H、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、ハロゲン、アシル基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、ビニル基、アリル基及び2-フェニルエテニル基のようなアルケニル基、アルキニル基、複素環基、芳香族基、シクロアルキル基、複素環基及びベンゾ基のような環基の一部、又はアルキル基の水素の1個以上が、芳香族基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、又はハロゲンにより任意に置換されている、アルキル基である。アミニレン基の非限定的例は、NR基を含み、ここでRは、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、芳香族基、及び複素環基である。
【0155】
ある実施態様において、前述の有機連結基は、価数3以上を有することができ、その結果一緒に化学式のL、R
1、Q、Rg又はCgのような、3種以上の断片のいずれかに連結することができる。価数3を有する有機連結基の非限定的例は、-(CH
2)
m-基のメチレン基をCR
b基と交換することにより作製された三価の有機連結基である。価数4を有する有機連結基の他の非限定的例は、-(CH
2)
m-基のメチレン基を炭素原子と交換することにより作製された四価の有機連結基である。価数3を有する有機連結基の別の非限定的例は、-(CH
2)
m-基のメチレン基を、N、P、又はBと交換することにより作製された三価の有機連結基である。価数4を有する有機連結基の更なる非限定的例は、-(CH
2)
m-基の2個のメチレン基を2個のCR
b基と交換することにより作製された四価の有機連結基である。本明細書の開示を基に、当業者は、-(CH
2)
m-基の少なくとも1個のメチレン基を、N、P、B、C、Si、CR
b基のような、3以上の価数を有する少なくともひとつの原子又はひとつの基と交換することにより、2よりも大きい価数を有する芳香族基、並びに2よりも大きい価数を有する複素環基と交換することにより、2よりも大きい価数を有する有機連結基を作製することができる。
【0156】
別の関心のある実施態様において、前述の有機連結基は、-CR
b=N-結合、二重結合又は三重結合のような少なくともひとつの不飽和結合を含むことができる。二重結合を有する有機連結基の非限定的例は、-(CH
2)
m-基の2個の隣接メチレン基を2個のCR
b基と交換することにより作製された、不飽和の有機連結基である。この二重結合は、2個の隣接CR
b基の間に位置している。別の三重結合を有する有機連結基の非限定的例は、-(CH
2)
m-基の2個の隣接メチレン基を、各々2個の炭素原子と交換することにより作製された、不飽和の有機連結基である。この三重結合は、2個の隣接炭素原子の間に位置している。-CR
b=N-結合を有する有機連結基の別の非限定的例は、-(CH
2)
m-基の2個の隣接メチレン基を、1個のCR
b基及びN原子と交換することにより作製された、不飽和の有機連結基である。本明細書の開示を基に、当業者は、-(CH
2)
m-基の隣接メチレン基の少なくとも一つの対を、各々独立して、N、P、B、C、Si、CR
b基からなる群から選択される原子又は基、2よりも大きい価数を有する芳香族基、並びに2よりも大きい価数を有する複素環基と交換することにより、少なくともひとつの不飽和結合を有する有機連結基を作製することができる。
【0157】
ある実施態様において、R'、R
2'、R
3'、R
1-R
12、及びK
21-K
36の1つ以上は、-Cv-Rg基又は-Cv-Cg基により、独立して置換されている。別の実施態様において、Q、R'、R
2'、R
3'、及びR
11-R
12の1つ以上は、-Cv-Rg基又は-Cv-Cg基により、独立して置換されている。
【0158】
反応基(Rg)を有するルミネセンス消光化合物は、-Cv-Rgにより表される、反応基(Rg)の化学結合を生じるRg基に対し好適な反応性を持つ少なくとも1つの官能基を含んでいるか又は含むように修飾される多種多様な有機物質又は無機物質を含むことができる。一部の実施態様において、反応基(Rg)及び官能基は、共有結合を作製するように反応する、各々、求電子試薬及び求核試薬である。反応基(Rg)と共役された物質(Cg)の官能基との間の共役反応により、反応基(Rg)の1個以上の原子が連結Cvに組み込まれ、反応基(Rg)を有する本化合物を共役された物質(Cg)へ結合する。反応基(Rg)及び各々の官能基のいくつかの非限定的例を、表1に列挙している。この表は、溶媒、共溶媒、化学量論的な比、温度、圧力、反応時間、pH、触媒などの適切な選択により、他の官能基を、ここに開示された反応部位と反応させることができ一方で、ここに開示された官能基は、他の反応部位と反応させることができるので、化学反応性を含むことを意味しない。好適な反応基(Rg)の一部の非限定的例は、アクリルアミド、アシルアジド、ハロゲン化アシル、ニトリル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化アルキル、スルホン酸アルキル、アンヒドリド、ハロゲン化アリール、アルキン、アルコール、アミン、カルボン酸、カルボジイミド、ジアゾアルカン、エポキシド、ハロアセトアミド、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、イミドエステル、イソチオシアネート、マレイミド、スルホン酸エステル又はハロゲン化スルホニルを含む。
【表1】
【0159】
本明細書に開示されたルミネセンス消光化合物中の反応基は、それら二つの共有結合に適した官能基を持つ任意の共役された物質の調製に有用である。好適な共役のいくつかの非限定的例は、抗原、ステロイド、ビタミン、薬物、ハプテン、代謝産物、毒素、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、炭水化物、脂質などの共役を含む。本明細書に開示されたルミネセンス消光化合物の共役されるべき物質への結合に使用される反応基の選択は、典型的には共役されるべき物質上の官能基及び望ましい共有結合の種類又は長さによって決まる。典型的に物質上に存在する官能基の種類は、アミン、チオール、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、リン酸エステル、イミダゾール、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン又はこれらの基の組合せを含むが、これらに限定されるものではない。
【0160】
一部の実施態様において、前述の共役物質は追加的に、同じ又は異なってよい1種以上の発光団に共役される。別の実施態様において、発光団から消光化合物へのエネルギー移動が発生し、ルミネセンスの著しい消光を生じる。
【0161】
前記ルミネセンス消光化合物の適用は、単純に共役物質のための熱量測定標識物として、又は蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)技術において、よく説明されている。このような適用のいくつかの非限定的例は、米国特許第6,399,392号;及び、「蛍光プローブ及び標識技術の指針に関するハンドブック(The Handbook: a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies)」(第10版、Molecular Probes社、2006年)に認めることができ、これら両方は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0162】
(活性酸素/窒素種のための発蛍光型プローブとしての芳香族アミン化合物)
ある実施態様において、式(I)を有する芳香族アミン化合物は、発蛍光型プローブ化合物又は発蛍光型プローブ組成物として使用することができる。本発蛍光型プローブ化合物は、
1O
2、O
2・-、NO、H
2O
2、・OH、
-OCl、ONOO
-及びアルキルペルオキシルラジカル(ROO
・)のような、活性酸素種(ROS)又は活性窒素種(RNS)のための発蛍光型プローブとして使用することができる。一部の実施態様において、式(I)のQは、置換されたフェニルであり、これはある種のROS又はRNSにより酸化的に切断され、強力なルミネセンス又は蛍光特性を有する対応するL-NHR
1発光団又は発蛍光体を放出することができる。
【0163】
一部の実施態様において、本発蛍光型プローブ化合物は、式(X)を有し:
【化39】
ここで、L、R
1及びR
4-R
8は、本明細書に開示されているものである。一部の実施態様において、Lは発蛍光体である。別の実施態様において、Lは、本明細書において開示された式(II)-(VI)、(XX)、(XXI)、(Va)-(Vd)、(VIa)-(VIb)、(XXa)-(XXb)、(XXIa)-(XXIb)、及び(a)-(v)のひとつを有する。
【0164】
ある実施態様において、R
1及びR
4は一緒に又はR
1及びR
8は一緒に、式(X)のフェニル環と縮合された、5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環の一部を形成する。
【0165】
一部の実施態様において、R
4-R
8の各々は、Hである。一部の実施態様において、R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、Hであり;かつ、R
6は、H、ヒドロキシ、メトキシル、トリフルオロメチルカルボニルエチル、メチオキシカルボニルアルキル又はメトキシメトキシである。
【0166】
概して、本明細書に開示された式(X)を有する発蛍光型プローブは、活性酸素種及び/又は活性窒素種と反応し、四置換されたアンモニウム(XI)を形成し、これは加水分解を受け、L-誘導体化された発蛍光体(XII)及びキノン型副産物(XIII)を生成することができる。この一般的反応は、下記スキーム1に示されており、ここでL、R
1、及びR
4-R
8は、本明細書に開示されており、かつR
6"は、R
6から水素又はアルキルのような一価の基を除去することにより、R
6から誘導される。
【化40】
【0167】
一部の実施態様において、本明細書に開示された式(X)を有する発蛍光型プローブは、わずかに1又は2又は3種の活性酸素種又は活性窒素種と反応し、他のものよりも実質的により高い収率で式(X)を有する発蛍光体を生成することができる。ある実施態様において、式(X)を有する発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン又はヒドロキシラジカルと、いずれか他のROS及びRNSの収率よりもより高い収率で反応することができる。別の実施態様において、式(X)を有する発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライトと、いずれか他のROS及びRNSの収率よりもより高い収率で反応することができる。更なる実施態様において、式(X)を有する発蛍光型プローブは、次亜塩素酸イオンと、いずれか他のROS及びRNSの収率よりもより高い収率で反応することができる。なお更なる実施態様において、式(X)を有する発蛍光型プローブは、ヒドロキシラジカルと、いずれか他のROS及びRNSの収率よりもより高い収率で反応することができる。
【0168】
ある実施態様において、式(X)を有する発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン又はヒドロキシラジカルと、いずれか他のROS及びRNSの収率よりも、約5%より高い、約10%より高い、約15%より高い、約20%より高い、約25%より高い、約30%より高い、約35%より高い、約40%より高い、約45%より高い、約50%より高い、約50%より高い、約60%より高い、約65%より高い、約70%より高い、約75%より高い、約80%より高い、約85%より高い、約90%より高い又は約95%より高い収率で反応する。
【0169】
本明細書に提供された発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライトを特異的に検出するために使用することができる。一部の実施態様において、式(X)の式(X)のR
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の少なくともひとつは、-CH
2CH
2C(=W)R
13であり、ここでR
13は、CF
3、ハロゲン-置換された低級アルキル(例えば、CF
nH
3-n、ここでnは、1、2又は3である)、-O-V
1又は(C=O)-O-V
2から選択された電子求引基であり、ここでV
1及びV
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル又はアリールアルキルから選択された基である。
【0170】
ある実施態様において、本明細書に開示された発蛍光型プローブは、式(XIVa)、(XIVb)又は(XIVc)を有し:
【化41】
ここで、L、R
1、R
4、R
5、R
7、R
8は、本明細書に定義されており;
Wは、O又はSであり;かつ
R
13は、CF
3、ハロゲン-置換された低級アルキル(例えば、CF
nH
3-n、ここでnは、1、2又は3である)、-O-V
1又は(C=O)-O-V
2から選択された電子求引基であり、ここでV
1及びV
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル又はアリールアルキルから選択された基である。
【0171】
一部の実施態様において、Wは、Oである。別の実施態様において、R
13は、CF
3である。更なる実施態様において、R
1は、メチルである。更なる実施態様において、Wは、Oであり;R
13は、CF
3であり;R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、Hであり;かつ、R
1は、メチルである。
【0172】
ある実施態様において、式(XIV)を有する発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライトと特異的に反応し、ジオキシラン中間体を形成し、これは引き続き式(XIV)のフェニル環を酸化し、C-N結合切断を引き起こし、その結果下記スキーム2に示されたようにL誘導体(XII)を放出する。L誘導体(XII)は、励起時に、強力な蛍光シグナルを放出することができる。
【化42】
【0173】
本明細書に開示された発蛍光型プローブは、ペルオキシナイトライトを高感度で検出するために使用することができる。一部の実施態様において、式(X)の発蛍光型プローブのR
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の少なくともひとつは、OR
14であり、ここでR
14は、H、アルキル、アルコキシアルキル、アルカノイル又はポリエーテルである。別の実施態様において、本明細書に提供された発蛍光型プローブは、式(XVIa)、(XVIb)又は(XVIc)を有し:
【化43】
ここで、L、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8は、本明細書に開示されており;かつ、
R
14は、H、アルキル、アルコキシアルキル、アルカノイル又はポリエーテルである。
【0174】
一部の実施態様において、R
5及びR
14は一緒に又はR
7及びR
14は一緒に、式(XVIa)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。別の実施態様において、R
4及びR
14は一緒に又はR
6及びR
14は一緒に、式(XVIb)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。更なる実施態様において、R
5及びR
14は一緒に、式(XVIc)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。
【0175】
ある実施態様において、式(XVIa)のR
4、R
5、R
7、R
8及びR
14の各々は、Hであり;かつ、R
1は、メチルである。別の実施態様において、式(XVIb)のR
4、R
6、R
7、R
8及びR
14の各々は、Hであり;かつ、R
1は、メチルである。更なる実施態様において、式(XVIc)のR
5、R
6、R
7、R
8及びR
14の各々は、Hであり;かつ、R
1は、メチルである。
【0176】
一部の実施態様において、式(XVIa)を有する発蛍光型プローブは、特異的にペルオキシナイトライトと実質的に反応し、ジオキシラン中間体を形成し、これは引き続き式(XVIa)のフェニル環を酸化し、C-N結合切断を引き起こし、その結果下記スキーム3に示されたようにL誘導体(XII)を放出する。L誘導体(XII)は、励起時に、強力な蛍光シグナルを放出することができる。
【化44】
【0177】
本明細書に開示された発蛍光型プローブは、次亜塩素酸イオンを高感度で検出するために使用することができる。一部の実施態様において、式(X)の発蛍光型プローブのR
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の少なくともひとつは、NR
15R
16であり、ここでR
15及びR
16の各々は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アリーロイル、又はポリエーテルである。別の実施態様において、本明細書に提供された発蛍光型プローブは、式(XVIIIa)、(XVIIIb)又は(XVIIIc)を有し:
【化45】
ここで、L、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8は、本明細書に開示されており;かつ、
R
15及びR
16の各々は独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、アリーロイル又はポリエーテルである。
【0178】
一部の実施態様において、R
5及びR
15は一緒に又はR
7及びR
16は一緒に、式(XVIIIa)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。別の実施態様において、R
4及びR
15は一緒に又はR
6及びR
16は一緒に、式(XVIIIb)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。更なる実施態様において、R
5及びR
15は一緒に、式(XVIIIc)のフェニル環と縮合された5-又は6-又は7-員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。
【0179】
一部の実施態様において、式(XVIIIa)を有する発蛍光型プローブは、特異的に次亜塩素酸イオンと実質的に反応し、C-N結合切断を引き起こし、その結果下記スキーム4に示されたようにL誘導体(XII)を放出する。L誘導体(XII)は、励起時に、強力な蛍光シグナルを放出することができる。
【化46】
【0180】
ある実施態様において、式(XVIIIa)のR
4、R
5、R
7、及びR
8の各々は、Hであり;かつ、R
1は、メチルであり;かつ、R
15及びR
16の各々は独立して、H又はメチルである。ある実施態様において、式(XVIIIb)のR
4、R
6、R
7、及びR
8の各々は、Hであり;R
1は、メチルであり;かつ、R
15及びR
16の各々は独立して、H又はメチルである。ある実施態様において、式(XVIIIc)のR
5、R
6、R
7及びR
8の各々は、Hであり;R
1は、メチルであり;かつ、R
15及びR
16の各々は独立してH又はメチルである。
【0181】
本明細書に開示された活性酸素種及び/又は活性窒素種のための発蛍光型プローブは、ロドール、ローダミン、レソルフィン、及びナフトフルオレセイン発蛍光体を含む。一部の実施態様において、本明細書に開示された化合物又はペルオキシナイトライトプローブ又は次亜塩素酸イオンプローブは、実質的に非蛍光である。別の実施態様において、本明細書に開示された化合物又はペルオキシナイトライトプローブ又は次亜塩素酸イオンプローブは、生理的条件下で、ペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンと効率的に反応し、強力な蛍光シグナルを発生することができる。更なる実施態様において、ペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンの量は、これらの酸化されたプローブの蛍光シグナルを測定することにより、非常に高い特異性及び感受性で決定することができる。
【0182】
一部の実施態様において、式(I)の発蛍光型プローブのLは、当業者に公知の発蛍光体のいずれかであることができる。別の実施態様において、Lは、ロドール、ローダミン、レソルフィン、ナフトフルオレセイン、セミナフトフルオレセイン又はそれらの誘導体に由来することができる。
【0183】
一部の実施態様において、Lは、ロドール、ローダミン又はそれらの誘導体に由来し、ここでLは、Y
1及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Vd)を有する:
【化47】
【0184】
一部の実施態様において、式(Vd)のR"は、R
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'が、本明細書に開示されている、式(VII)を有する、置換又は非置換のフェニルである:
【化48】
ある実施態様において、式(VlI)のR
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'の一つ以上は、ハロゲン化アルキルである。別の実施態様において、式(VII)のR
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'の一つ以上は、クロロメチルであり、これは、細胞内のスルフィド基と反応し、細胞の内側に、かつ該発蛍光型プローブを漏出しないよう、維持することができる。別の実施態様において、式(VII)のR
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'の少なくとも一つは、トリフェニルホスホニウムのような、細胞小器官局在化部分に連結されている。更なる実施態様において、式(VII)のR
4'、R
5'、R
6'、及びR
7'の各々は、Hであり;かつ、R
8'は、-COOH基、メチル、又はメトキシである。
【0185】
ある実施態様において、Lは、レソルフィン又はそれらの誘導体に由来し、かつ、Y
1及びK
21-K
26が本明細書に開示されている、式(Va)を有する:
【化49】
一部の実施態様において、Y
1は、Oである。別の実施態様において、Y
1は、N
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、式(Va)のK
21-K
26の各々は独立して、H、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、チオ、チオアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アシルオキシ、シアノ、ニトロ、スルフヒドリル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、スルホニル、ホスホニル、スルホン酸エステル又はリン酸エステルである。別の実施態様において、K
21-K
26の各々は、Hである。別の実施態様において、K
22及びK
25の各々は独立して、塩素又はフッ素である。
【0186】
一部の実施態様において、Lは、ナフトフルオレセイン又はそれらの誘導体に由来し、かつ、Y
2及びK
27-K
36が本明細書に開示されている、式(VI)を有する:
【化50】
別の実施態様において、Y
2は、R
2'及びR
3'が本明細書に開示されている、N
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、Y
2はOである。
【0187】
一部の実施態様において、R'は、R
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'が本明細書に開示されている、式(VII)を有する、置換又は非置換のフェニルである:
【化51】
一部の実施態様において、式(VII)のR
4'又はR
8'は、-COOH基である。更なる実施態様において、式(VII)のR
4'、R
5'、R
6'、及びR
7'の各々は、Hであり;かつ、R
8'は、-COOH基、メチル又はメトキシである。
【0188】
一部の実施態様において、Lは、セミナフトフルオレセイン又はそれらの誘導体に由来し、かつ、Y
3、Y
4及びK
37-K
52が本明細書に開示されている、式(XX)又は(XXI)を有する:
【化52】
別の実施態様において、Y
3及びY
4の各々は、独立して、R
2'及びR
3'が本明細書に開示されている、N
+R
2'R
3'である。更なる実施態様において、Y
3及びY
4の各々は、Oである。一部の実施態様において、K
37は、塩素又はフッ素である。一部の実施態様において、K
45及びK
52の少なくとも一方は、塩素又はフッ素である。
【0189】
一部の実施態様において、R
a又はR
bは、R
4'、R
5'、R
6'、R
7'及びR
8'が本明細書に開示されている、式(VII)を有する置換又は非置換のフェニルである:
【化53】
一部の実施態様において、式(VII)のR
4'又はR
8'は、-COOH基である。更なる実施態様において、式(VII)のR
4'、R
5'、R
6'、及びR
7'の各々は、Hであり;かつ、R
8'は、-COOH基、メチル又はメトキシである。
【0190】
ある実施態様において、前記発蛍光型プローブ組成物は、ペルオキシナイトライトを測定、検出又はスクリーニングするために使用することができ、ここで該発蛍光型プローブ組成物は、本明細書に開示された芳香族アミン化合物を含有する。ある実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(10)、化合物(12)又は化合物(30)、又はそれらの互変異性体、又はそれらの組合せである:
【化54】
【0191】
一部の実施態様において、前記発蛍光型プローブ組成物は、次亜塩素酸イオンを測定、検出又はスクリーニングするために使用することができ、ここで該発蛍光型プローブ組成物は、本明細書に開示された芳香族アミン化合物を含有する。ある実施態様において、本芳香族アミン化合物は、化合物(14)、又はそれらの互変異性体である:
【化55】
【0192】
ある実施態様において、本明細書に開示された発蛍光型プローブ組成物は、溶媒、酸、塩基、緩衝溶液又はそれらの組合せを更に含有する。
【0193】
一部の実施態様において、前記芳香族アミン化合物は、下記スキーム5に示されたように、ONOO
-と反応し、強力な蛍光特性を持つ化合物(11)を形成する、化合物(10)である。様々な波長で様々な濃度のONOO
-に反応した化合物10の蛍光強度を示す蛍光スペクトルは、
図1-2に示されている。様々なROS及びRNSに反応した化合物10の蛍光強度は、
図3に示されている。
【化56】
【0194】
別の実施態様において、前記芳香族アミン化合物は、下記スキーム6に示されたように、ONOO
-と反応し、強力な蛍光特性を持つ化合物(13)を形成する、化合物(12)である。様々な波長で様々な濃度のONOO
-に反応した化合物12の蛍光強度を示す蛍光スペクトルは、
図4に示されている。様々なROS及びRNSに反応した化合物12の蛍光強度は、
図5に示されている。
【化57】
【0195】
更なる実施態様において、前記芳香族アミン化合物は、下記スキーム7に示されたように、OCl
-と反応し、強力な蛍光特性を持つ化合物(13)を形成する、化合物(14)である。様々な波長で様々な濃度のOCl
-に反応した化合物14の蛍光強度を示す蛍光スペクトルは、
図6に示されている。様々なROS及びRNSに反応した化合物14の蛍光強度は、
図7に示されている。
【化58】
【0196】
一部の実施態様において、ペルオキシナイトライトを測定、検出又はスクリーニングするための発蛍光型プローブ組成物は、化合物(22)、化合物(12a)又はそれらの組合せを含有している。化合物(22)及び化合物(12a)の各々は、それぞれ、化合物(10)及び化合物(12)のエステル誘導体である。ある実施態様において、化合物(22)及び化合物(12a)は、望ましい細胞膜透過性を提供する。
【化59】
【0197】
一部の実施態様において、次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸イオンを測定、検出又はスクリーニングするための発蛍光型プローブ組成物は、化合物(14)のエステル誘導体である、化合物(14a)を含有している。化合物(14a)は、望ましい細胞膜透過性を提供する。
【化60】
【0198】
ある実施態様において、本明細書に開示された発蛍光型プローブ組成物は、本明細書に開示された発蛍光型プローブ化合物の酢酸エステル又はアセトキシメチル(AM)エステル誘導体を含有する。これらの発蛍光型プローブ化合物の中性型は、細胞膜透過性に関して有利である。
【0199】
ある実施態様において、本明細書に開示された発蛍光型プローブ組成物は、溶媒、酸、塩基、緩衝溶液又はそれらの組合せを更に含有する。
【0200】
化学試料中、又は微生物、若しくは動物由来の細胞若しくは組織のような生物試料中のペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンを直接的又は間接的に測定するための試薬組成物も提供される。この試薬組成物は、本明細書に開示された発蛍光型プローブを含有する。一部の実施態様において、本試薬組成物は、溶媒、酸、塩基、緩衝溶液若しくはそれらの組合せを、又は塩基、緩衝溶液若しくはそれらの組合せを、更に含有する。
【0201】
試料中のペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンを測定する方法も提供される。一部の実施態様において、これらの方法は、a)本明細書に開示された発蛍光型プローブを、試料と接触させ、蛍光化合物を形成する工程;及び、b)この蛍光化合物の蛍光特性を測定する工程:を含む。一部の実施態様において、これらの蛍光特性は、本明細書に開示された方法又は当業者に公知の任意の方法により測定される。別の実施態様において、前記試料は、化学試料又は生物試料である。更なる実施態様において、前記試料は、微生物、又は動物由来の細胞若しくは組織を含む、生物試料である。
【0202】
試料中のペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンを検出するためのハイスループットスクリーニング蛍光法も提供される。一部の実施態様において、このハイスループットスクリーニング蛍光法は、a)本明細書に開示された発蛍光型プローブを、試料と接触させ、1種以上の蛍光化合物を形成する工程;及び、b)この蛍光化合物の蛍光特性を測定する工程:を含む。別の実施態様において、これらの蛍光特性は、本明細書に開示された方法又は当業者に公知の任意の方法により測定される。
【0203】
ペルオキシナイトライト又は次亜塩素酸イオンのレベルを増加又は減少することができる1種以上の標的化合物をスクリーニングするためのハイスループット法も提供される。一部の実施態様において、このハイスループット法は、a)本明細書に開示された発蛍光型プローブを、標的化合物と接触させ、1種以上の蛍光化合物を形成する工程;及び、b)この蛍光化合物の蛍光特性を測定し、標的化合物を定性的又は定量的に決定する工程:を含む。別の実施態様において、これらの蛍光特性は、本明細書に開示された方法又は当業者に公知の任意の方法により測定される。
【0204】
一部の実施態様において、インフォマティクスシステムが使用され、かつ本明細書に開示されたハイスループット法において実行されることができる。別の実施態様において、このインフォマティクスシステムは、該ハイスループット法で使用される、物理装置のソフトウェア制御を提供する。別の実施態様において、このインフォマティクスシステムは、該ハイスループット法により作製された電子データを組織化する。更なる実施態様において、このインフォマティクスシステムは、該ハイスループット法により作製された電子データを保存する。
【0205】
(全般的合成手順)
本明細書に開示された芳香族アミン化合物又は発蛍光型プローブは、公知の有機合成により、更には本明細書に開示された様々な全般的又は具体的合成手順により、当業者により作製されることができる。
【0206】
一般に、前記芳香族アミン化合物の合成の重要な工程は、下記スキーム8に示されたような、一般にトリフラートを使用するヒドロキシ活性化工程、及び引き続きのアミノ化工程を含み:
【化61】
ここで、L、R
1、及びQは、本明細書に開示されており;Tfは、トリフリルであり;Pd-触媒は、C-N結合形成のためのパラジウム-リガンド触媒システムである。最初に、発光団(L-OH)のOH基が、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(triflic anhydride)のようなトリフリル-供給試薬との反応により、活性化され、トリフラート基を形成する。次にこのトリフラート基は、引き続き式HNR
1Qを有するアミンと、Pd触媒のような触媒の存在下で、クロスカップリング反応を受け、式(I)の芳香族アミン化合物を形成する。
【0207】
好適な合成法のいくつかの非限定的例は、2008年4月3日に出願された米国特許出願第61/041923号に認めることができ、これは引用により本明細書中に組み込まれている。
【実施例】
【0208】
(実施例)
下記実施例1-13及び
図1-11は、本発明において開示された対象化合物の製造法及び使用法の詳細な説明である。この詳細な開示は、本開示の一部を形成している本明細書に開示された合成スキーム又は手順の範囲内であり、かつこれらを例示するために役立つ。これらの実施例、図面及びスキームは、単に例証目的で提示されており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0209】
(実施例1−化合物1-4の合成スキーム)
(化合物8の合成)
【化62】
無水ジメチルホルムアミド50mL中のレソルフィン(2.13g, 10mmol)の溶液へ、水素化ナトリウム(437mg, 11mmol, 鉱油中60%分散液)を、0℃で添加した。0℃で30分間攪拌した後、次にこの溶液に、N-フェニルビス-トリフルオロメタンスルホンイミド(4.3g, 12mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌し、次に水でクエンチした。その後、この混合物へ1N塩酸を添加し、この溶液をpH2まで酸性とした。次に酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、かつブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物8を生じた。
【0210】
(化合物1の合成)
【化63】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(2mg, 1%mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(9mg, 1.5%mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(91mg, 0 28mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(2mL)中の化合物8(69mg, 0.2mmol)及び4-(メトキシメトキシ)アニリン(37mg, 0.24mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1を生じた。
【0211】
(化合物2の合成)
【化64】
乾燥ジクロロメタン(1mL)中の化合物1(35mg, 0.1mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を、0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。次にこの混合物を、真空下で濃縮し、トルエンと3回共沸した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物2を生じた。
【0212】
(化合物3及び4の合成)
化合物3及び4は、トリフラート化反応及びそれに続くアミノ化反応を含む、化合物1及び2に関して示されたものに類似したスキームで合成することができる。
【0213】
(実施例2−化合物5-7の合成スキーム)
(化合物9の合成)
【化65】
無水ジメチルホルムアミド50mL中のナフトフルオレセイン(4.3g, 10mmol)の溶液へ、水素化ナトリウム(437mg, 11mmol, 鉱油中60%分散液)を、0℃で添加した。0℃で30分間攪拌した後、次にこの溶液に、塩化メトキシメチル(MOMCl)(0.76mL, 10mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌し、次に水でクエンチした。その後、この混合物へ1N塩酸を添加し、この溶液をpH2まで酸性とした。次に酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、かつブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物9を生じた。
【0214】
(化合物10の合成)
【化66】
乾燥ジクロロメタン中の化合物9(476mg, 1mmol)及びピリジン(0.32mL, 4mmol)の溶液に、アルゴンガス下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.34mL, 2mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を、室温で2時間攪拌し、その後水でクエンチした。この混合物へ、ジクロロメタンを添加し、有機層を分離し、1N塩酸、引き続き水及びブラインで洗浄した。その後有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物10を生じた。
【0215】
(化合物11の合成)
【化67】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(2mg, 1%mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(9mg, 1.5%mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(91mg, 0 28mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(2mL)中の化合物10(122mg, 0.2mmol)及び4-(メトキシメトキシ)アニリン(37mg, 0.24mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物11を生じた。
【0216】
(化合物5の合成)
【化68】
乾燥ジクロロメタン(1mL)中の化合物11(61mg, 0.1mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を、0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。次にこの混合物を、真空下で濃縮し、トルエンと3回共沸した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物5を生じた。
【0217】
(化合物6及び7の合成)
化合物6及び7は、トリフラート化反応及びそれに続くアミノ化反応を含む、化合物5に関して示されたものに類似したスキームで合成することができる。
【0218】
(実施例3−消光化合物の蛍光の評価)
実施例1及び2で得られた化合物1-7の各々を、濃度10mMとなるようDMFに溶解し、その後この溶液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)により、10μMまで希釈した。この化合物の10μM溶液の蛍光スペクトルを、日立F2500蛍光分光光度計を使用し測定し、かつ光電子増倍管の電圧を、700Vであるように設定した。スリット幅は、励起及び発光の両方に関して2.5nmであった。測定は、励起波長600nmで実行した。結果は、化合物1-7に関する蛍光強度の絶対値は、全て10未満であることを示している。従って、化合物1-7は、事実上非蛍光であると考えられる。
【0219】
(実施例4−化合物10の合成スキーム)
(化合物15の合成)
【化69】
ジメチルホルムアミド(DMF)中の2,7-ジクロロフルオレセイン(1.0g, 2.5mmol)及び炭酸カリウム(860mg, 6.2mmol)の溶液に、クロロメチルメチルエーテル(0.57mL, 7.5mmol)を添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、次に1N塩酸溶液、水及びブラインで洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ濃縮し、赤色固形物である化合物15を生じた。
【0220】
(化合物16の合成)
【化70】
化合物15の赤色固形物を、水酸化ナトリウム(3g, 7.5mmol)を含有するテトラヒドロフラン(30mL)及び水(10mL)の混合液中に溶解した。この溶液を、1時間還流加熱した。室温に冷却後、反応溶液を、1N塩酸で中和しpH2とし、次に酢酸エチルで抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ真空で蒸発させた。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物16(830mg, 収率75%)を生じた。化合物16は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化71】
及び、C
22H
14Cl
2O
6のHRMS (EI):理論分子量は444.0167であり、かつ実測分子量は444.0170であった。
【0221】
(化合物17の合成)
【化72】
乾燥ジクロロメタン(CH
2Cl
2)中の化合物16(830mg, 1.87mmol)及びピリジン(0.6mL, 7.5mmol)の溶液に、アルゴンガス下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.63mL, 3.74mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を、室温で2時間攪拌し、次に水でクエンチした。この混合物へ、ジクロロメタンを添加し、かつ有機層を分離し、1N塩酸、引き続き水及びブラインで洗浄した。その後有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物である化合物17(1.06g, 収率98%)を生じた。化合物17は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化73】
及び、C
23H
13Cl
2F
3O
8SのHRMS(EI):理論分子量は575.9660であり、かつ実測分子量は575.9660であった。
【0222】
(化合物18の合成)
【化74】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(6mg, 2.5%mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(24mg, 3.75%mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(228mg, 0.7mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(5mL)中の化合物17(289mg, 0.5mmol)及び3-(4-(メチルアミノ)フェニル)プロピオン酸メチルエステル(116mg, 0.6mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物18(264mg, 収率85%)を生じた。化合物18は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化75】
及び、C
33H
27Cl
2NO
7のHRMS(EI):理論分子量は619.1165であり、かつ実測分子量は619.1188であった。
【0223】
(化合物19の合成)
【化76】
テトラヒドロフラン(6mL)及び水(2mL)中の化合物18(264mg, 0.43mmol)の溶液に、水酸化リチウム(95mg, 2.2mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を、全ての出発材料が消費されるまで、0℃で攪拌した。その後、この混合物を、1N塩酸で酸性とした。この溶液を、塩化ナトリウムで飽和し、酢酸エチル15mLで3回抽出した。一緒にした有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物19(237mg, 収率92%)を生じた。化合物19は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化77】
及び、C
32H
25ClNO
7 (M
+-Cl)のHRMS(EI):理論分子量は570.1320であり、かつ実測分子量は570.1307であった。
(化合物20の合成)
【化78】
乾燥ジクロロメタン(3mL)中の化合物19(237mg, 0.39mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。次にこの混合物を、真空下で濃縮し、トルエンと3回共沸し、化合物20(250mg, 収率100%)を生じ、これを更に精製することなく、直接次工程に供した。化合物20は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化79】
【0224】
(化合物21の合成)
【化80】
ピリジン(8mL)中の化合物20(250mg, 0.39mmol)の溶液へ、無水酢酸(3mL)及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(10mg, 0.08mmol)を添加した。得られた混合物を、2時間還流加熱した。次にこの反応混合物を、水でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物21(172mg, 収率73%)を生じた。化合物21は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化81】
及び、C
32H
23ClNO
7 (M
+-Cl)のHRMS(EI):理論分子量は568.1163であり、かつ実測分子量は568.1160であった。
【0225】
(化合物22の合成)
【化82】
乾燥ジクロロメタン(4mL)中の化合物21(172mg, 0.28mmol)の溶液へ、塩化オキサリル(0.12mL, 1.4mmol)を添加し、室温で2時間攪拌した。その後溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを、減圧下で蒸発させた。得られた酸塩化物を、乾燥ジクロロメタン(10mL)中に再溶解した。前記溶液へ、アルゴンガス下、-40℃で、無水トリフルオロ酢酸(0.24mL, 1.7mmol)及びピリジン(0.17mL, 2.2mmol)を連続して添加した。得られた混合物を、-20℃までゆっくり温め、この温度で4時間攪拌した。その後、この反応を、水(5mL)をゆっくり添加することにより、クエンチした。その後この混合物を、ジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物22(116mg, 収率63%)を生じた。化合物22は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化83】
及び、C
33H
22Cl
2F
3NO
6のHRMS (EI):理論分子量は655.0776であり、かつ実測分子量は655.0783であった。
【0226】
(化合物10の合成)
【化84】
メタノール(3mL)中の化合物22(66mg, 0.1mmol)の溶液へ、水(1mL)中の炭酸カリウム(41mg, 0.3mmol)の溶液を添加した。室温で3時間攪拌した後、得られた混合物を、酢酸エチルで希釈し、希塩酸及びブラインで洗浄した。次に有機溶液を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物10(60mg, 収率98%)を生じた。化合物10は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化85】
及び、C
31H
20Cl
2F
3NO
5のHRMS(EI):理論分子量は613.0671であり、かつ実測分子量は613.0682であった。
【0227】
(実施例5−化合物12及び12aの合成スキーム)
(化合物23の合成)
【化86】
無水ジメチルホルムアミド50mL中のフルオレセイン(3.3g, 10mmol)の溶液へ、水素化ナトリウム(437mg, 11mmol, 鉱油中60%分散液)を、0℃で添加した。0℃で30分間攪拌した後、次にこの溶液に、塩化メトキシメチル(MOMCl)(0.76mL, 10mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌し、次に水でクエンチした。その後、この混合物へ1N塩酸を添加し、この溶液をpH2まで酸性とした。次に酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、かつブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物23(3.2g, 収率85%)を生じた。化合物23は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化87】
及び、C
22H
16O
6のHRMS (EI):理論分子量は376.0947であり、かつ実測分子量は376.0949であった。
【0228】
(化合物24の合成)
【化88】
乾燥ジクロロメタン中の化合物23(3.2g, 8.5mmol)及びピリジン(2.74mL, 34mmol)の溶液に、アルゴンガス下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.86mL, 17mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を、室温で2時間攪拌し、その後水でクエンチした。この混合物へ、ジクロロメタンを添加し、有機層を分離し、1N塩酸、引き続き水及びブラインで洗浄した。その後有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物24(4.2g, 収率98%)を生じた。化合物24は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化89】
及び、C
23H
15F
3O
8SのHRMS (EI):理論分子量は508.0440であり、かつ実測分子量は、508.0438であった。
【0229】
(化合物25の合成)
【化90】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(2mg, 1%mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(9mg, 1.5%mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(91mg, 0.28mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(2mL)中の化合物24(102mg, 0.2mmol)及び4-(メトキシメトキシ)アニリン(37mg, 0.24mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物25(84mg, 収率82%)を生じた。化合物25は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化91】
及び、C
30H
25NO
7のHRMS (EI):理論分子量は511.1631であり、かつ実測分子量は、511.1632であった。
【0230】
(化合物25の合成)
【化92】
テトラヒドロフラン(4mL)中の化合物25(84mg, 0.16mmol)の溶液へ、水素化ナトリウム(10mg, 0.24mmol, 鉱油中60%分散液)を、0℃で添加した。この懸濁液を30分間攪拌した後、次にヨウ化メチル(20μL, 0.32mmol)を導入した。この混合物を、室温で一晩攪拌し、次に水でクエンチした。この混合物を、酢酸エチルで希釈し、1N塩酸及びブラインで洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、有機溶液を真空で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物26(64mg, 収率76%)を生じた。化合物26は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化93】
及び、C
31H
27NO
7のHRMS (EI):理論分子量は525.1788であり、かつ実測分子量は525.1792であった。
【0231】
(化合物12の合成)
【化94】
乾燥ジクロロメタン(CH
2Cl
2)(2mL)中の化合物26(64mg, 0.12mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。次にこの混合物を、真空で濃縮し、トルエンと3回共沸した。残渣を、酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)、引き続き水及びブラインで洗浄した。有機溶液を真空で濃縮し、次に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物12(47mg, 収率90%)を生じた。化合物12は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化95】
及び、C
27H
19NO
5のHRMS(EI):理論分子量は437.1263であり、かつ実測分子量は437.1266であった。
【0232】
(化合物12aの合成)
【化96】
乾燥ジクロロメタン(CH
2Cl
2)(4mL)中の化合物12(108mg, 0.25mmol)の溶液に、ピリジン(0.4mL)及び塩化アセチル(0.8mL)を連続して添加した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。その後この反応物を、飽和NH
4Cl溶液によりクエンチし、かつ酢酸エチルで抽出した。有機溶液を真空で濃縮し、その後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物12a(110mg, 収率85%)を生じた。化合物12aは、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化97】
及び、C
31H
23NO
7のHRMS(EI):理論分子量は521.1475であり、かつ実測分子量は521.1471であった。
【0233】
(実施例6−化合物14の合成スキーム)
(化合物27の合成)
【化98】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(2mg, 1%mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(9mg, 1.5%mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(91mg, 0 28mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(2mL)中の化合物24(102mg, 0.2mmol)及び4-ニトロアニリン(33mg, 0.24mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物27(79mg, 収率80%)を生じた。化合物27は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化99】
及び、C
27H
20N
2O
5 (M
+-CO
2)のHRMS(EI):理論分子量は452.1372であり、かつ実測分子量は452.1366であった。
【0234】
(化合物28の合成)
【化100】
テトラヒドロフラン(4mL)中の化合物27(79mg, 0.16mmol)の溶液へ、水素化ナトリウム(10mg, 0.24mmol, 鉱油中60%分散液)を、0℃で添加した。この懸濁液を30分間攪拌した後、次にヨウ化メチル(20μL, 0.32mmol)を導入した。この混合物を、室温で一晩攪拌し、次に水でクエンチした。この混合物を、酢酸エチルで希釈し、1N塩酸及びブラインで洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、有機溶液を真空で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物28(67mg, 収率83%)を生じた。化合物28は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化101】
及び、C
28H
22N
2O
5 (M
+-CO
2)のHRMS(EI):理論分子量は466.1522であり、かつ実測分子量は466.1529であった。
【0235】
(化合物29の合成)
【化102】
エタノール(10mL)中の化合物28(67mg, 0.13mmol)の溶液に、パラジウム(活性炭粉末上に担持された10%, 7mg)をゆっくり添加した。この混合物を、室温で2時間水素化した。その後この混合物を、セライトパッドを通して濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物29(48mg, 収率77%)を生じた。化合物29は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化103】
及び、C
29H
24N
2O
5のHRMS (EI):理論分子量は480.1685であり、かつ実測分子量は480.1688であった。
【0236】
(化合物14の合成)
【化104】
乾燥ジクロロメタン(2mL)中の化合物29(48mg, 0.10mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。その後混合物を真空で濃縮し、トルエンと3回共沸した。この残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)、引き続き水及びブラインで洗浄した。有機溶液を真空で濃縮し、その後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物14(40mg, 収率91%)を生じた。化合物14は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化105】
及び、C
27H
20N
2O
4のHRMS(EI):理論分子量は436.1423であり、かつ実測分子量は436.1424であった。
【0237】
(実施例7−化合物30の合成スキーム)
(化合物31の合成)
【化106】
2'-カルボキシ-5-クロロ-2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン及び1,6-ジヒドロキシナフタレンを、メタンスルホン酸中で一緒にし、かつ壁の厚いガラス管内に密封した。得られた混合物を90℃で24時間攪拌した後、この反応物を、氷冷水へと注ぎ、沈殿を濾過し、水で洗浄し、かつ真空で乾燥した。粗生成物31を、更に精製することなく、次工程で使用した。
【0238】
(化合物32の合成)
【化107】
ジメチルホルムアミド(DMF)中の化合物31(1.23g, 2.95mmol)及び炭酸カリウム(407mg, 2.95mmol)の溶液へ、クロロメチルメチルエーテル(0.22mL, 2.95mmol)を添加した。室温で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、その後1N塩酸溶液、水及びブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物32(680mg, 収率50%)を生じた。
【0239】
(化合物33の合成)
【化108】
乾燥ジクロロメタン(CH
2Cl
2)中の化合物32(340mg, 0.75mmol)及びピリジン(0.36mL, 4.48mmol)の溶液へ、アルゴンガス下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.38mL, 2.24mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を、室温で2時間攪拌し、その後水でクエンチした。この混合物へジクロロメタンを添加し、有機層を分離し、1N塩酸、引き続き水及びブラインで洗浄した。その後有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物33を白色固形物(436mg, 収率98%)として生じた。
【0240】
(化合物34の合成)
【化109】
炉で乾燥したシュレンク管に、酢酸パラジウム(II)(5mg, 0 02mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP)(19mg, 0 03mmol)及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(79mg, 0.24mmol)を充填し、アルゴンガスを5分間フラッシュした。トルエン(3mL)中の化合物33(120mg, 0.2mmol)及び4-(メトキシメトキシ)-N-メチルアニリン(36mg, 0.21mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を最初にアルゴンガス下で、室温で30分間、次に100℃で20時間攪拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタン10mLで3回洗浄した。その後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物34(104mg, 収率85%)を生じた。
【0241】
(化合物30の合成)
【化110】
乾燥ジクロロメタン(2mL)中の化合物34(104mg, 0.17mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で滴下した。得られた溶液を、薄層クロマトグラフィーが全ての出発材料が消費されたことを示すまで、室温で攪拌した。次にこの混合物を、真空で濃縮し、トルエンと3回共沸した。残渣を、酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)、引き続き水及びブラインで洗浄した。有機溶液を真空で濃縮し、次に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物30(72mg, 収率82%)を生じた。化合物30は、下記の分光学的データにより特徴づけられた:
【化111】
及び、C
31H
20ClNO
5のHRMS(EI):理論分子量は521.1030であり、かつ実測分子量は521.1033であった。
【0242】
(実施例8−ペルオキシナイトライトの化合物10による特異的検出)
(化合物10のUV-可視吸収スペクトル)
実施例4において得られた化合物10を、共溶媒として0.1%DMFを含有するpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、10μM溶液を作製した。この化合物10の10μM溶液の吸収スペクトルを測定し、かつ化合物10は約520nmに最大吸収を持つことが示された。
【0243】
(化合物10の発光スペクトル)
実施例4において得られた化合物10を、DMF中に濃度10mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)により、10μMに希釈した。化合物10の10μM溶液の蛍光スペクトルを、日立F2500蛍光分光光度計を用いて測定し、かつ光電子増倍管の電圧は700Vであった。スリット幅は、励起及び発光の両方に関して2.5nmであった。測定は、励起波長520nmで実行した。
図1に示された結果は、化合物10それ自身は非蛍光であることを示した。
【0244】
(ペルオキシナイトライトの化合物10による検出)
実施例4において得られた化合物10を、DMF中に濃度10mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)により、10μMに希釈した。0.1M NaOH中のペルオキシナイトライト溶液を、Keith及びPowellの方法により調製し(Keith, W.G.及びPowell, R.E.の論文、「ペルオキシナイトライト分解の速度論(Kinetics of decomposition of peroxynitrous acid)」、J. Chem. Soc. A, 1969, 1, 90)、かつ使用したストック溶液中のその濃度は、302nmでの1670cm
-1(mol/L)
-1の励起係数を用いて概算した(Hughes及びNicklinの論文、「過亜硝酸の化学、パートI:過亜硝酸分解の速度論(The chemistry of pernitrites. Part I. Kinetics of decomposition of pernitrious acid)」、J. Chem. Soc. A, 1968, 2, 450-452)。ペルオキシナイトライトストック溶液を、化合物10の溶液へ添加し、0、2、6、10、20、30、50、100、及び200μMのような、様々な最終濃度を提供した。これらの溶液の蛍光スペクトルを、5分後に、前述の条件と同じ条件下で測定した。蛍光スペクトルを
図1に示した。
図1に明確に示されたように、化合物10の蛍光強度は、ペルオキシナイトライトの添加後、著しく増加する。更に
図2は、541nmでの蛍光強度は、ペルオキシナイトライトの濃度の増加により、線形に増加することを示している。
【0245】
(異なるROS及びRNSによる化合物10の特異性の比較)
OCl
-、H
2O
2、
1O
2、NO、O
2・-、
・OH、ONOO
-、及びアルキルペルオキシルラジカル(ROO
・)を含む、様々な活性酸素種(ROS)及び活性窒素種(RNS)に対する化合物10の反応性を、比較した。異なる活性酸素種及び活性窒素種を、化合物10の溶液(0.1Mリン酸カリウム緩衝液中10μM)5mLへ、独立して添加した。この処理前後の蛍光強度の変化を、測定した。結果を
図3に示している。活性酸素種及び活性窒素種は、下記のように調製した:
a. H
2O
2(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
b. (3-(1,4-ジヒドロ-1,4-エピジオキシ-1-ナフチル)プロピオン酸)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
c. 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
d. SNP(ニトロフェリシアニド(III)ナトリウム二水和物)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
e. O
2・-は、キサンチン及びキサンチンオキシダーゼにより生成した。キサンチンオキシダーゼを最初に添加した。キサンチンオキシダーゼが溶解した後、キサンチン(最終100μM)を添加し、この混合物を25℃で1時間攪拌した。
f. 塩化第一鉄(最終10μM)を、10当量のH
2O
2(100μM)の存在下で添加した。
g. ONOO
-(最終10μM)を、25℃で添加した。
h. NaOCl(最終10μM)を25℃で添加した。市販の漂白剤は、NaOClの給源であった。
【0246】
図3は、ペルオキシナイトライトは、他のROS及びRNSのいずれよりも、化合物10のはるかに強力な蛍光増強につながることを示している。これらの結果は、化合物10は、無生物システムにおいて、ROS及びRNSの中でペルオキシナイトライトに対しはるかに高い反応性を有することを明らかにしている。更に生物学的システムの存在下では、同様の反応は、化合物10のトリフルオロメチル誘導体と他の活性酸素種又は活性窒素種のいずれの間でも進行しない。
【0247】
(実施例9−細胞アッセイにおける化合物22の適用)
マウスのJ744.1マクロファージ(ATCC, 米国)を使用し、生存細胞におけるペルオキシナイトライトの検出に関する化合物22(化合物10由来の酢酸エステル)の能力を調べた。J744.1マクロファージは、ペニシリン100U/ml及びストレプトマイシン100μg/mlを補充した10%の熱で失活したウシ胎仔血清(Gibco社)を含有する、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Gibco社)において、37℃、5%CO
2で培養した。これらは、製造業者の指示に従い、擦過し、かつ6-ウェルプレートに播種することにより継代した。増殖培地は、2〜3日毎に交換した。細胞は、実験前に集密になるまで増殖した。マウスJ744.1マクロファージを、化合物22(20μM)と共に1時間インキュベーションし、その後PBS緩衝液で3回洗浄した。刺激が存在しない場合は、非常に弱い蛍光のみが認められた(
図8A)。蛍光は、LPS(リポ多糖、1μg/ml)及びIFN-γ(インターフェロン-γ、50ng/ml)で4時間処理した後に、誘導され(
図8B)、かつPMA(ホルボール12-ミリステート13-アセテート、10nM)の30分間添加後に、強力な蛍光が認められた(
図8C)。従って本発明者らは、化合物22は、刺激されたマウスJ744.1マクロファージにおいて生成されたペルオキシナイトライトの検出に適していると結論した。
【0248】
(実施例10−化合物12によるペルオキシナイトライトの高感度検出)
(化合物12のUV-可視吸収スペクトル)
実施例5において得られた化合物12を、共溶媒として0.1%DMFを含有するpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、1μM溶液を作製した。この化合物12の1μM溶液の吸収スペクトルを測定し、かつ化合物12は約515nmに最大吸収を持つことが示された。
【0249】
(化合物12の発光スペクトル)
実施例5において得られた化合物12を、DMF中に濃度1mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)により、1μMに希釈した。化合物12の1μM溶液の蛍光スペクトルを、日立F2500蛍光分光光度計を用いて測定し、かつ光電子増倍管の電圧は700Vであった。スリット幅は、励起及び発光の両方に関して2.5nmであった。測定は、励起波長515nmで実行した。
図4に示された結果は、化合物12それ自身は非蛍光であることを示した。
【0250】
(ペルオキシナイトライトの化合物12による検出)
実施例5において得られた化合物12を、DMF中に濃度1mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)により、1μMに希釈した。0.1M NaOH中のペルオキシナイトライト溶液を、Keith及びPowellの方法により調製し(Keith, W.G.及びPowell, R.E.の論文、「ペルオキシナイトライト分解の速度論(Kinetics of decomposition of peroxynitrous acid)」、J. Chem. Soc. A, 1969, 1, 90)、かつ使用したストック溶液中のその濃度は、302nmでの1670cm
-1(mol/L)
-1の励起係数を用いて概算した(Hughes及びNicklinの論文、「過亜硝酸の化学、パートI:過亜硝酸分解の速度論(The chemistry of pernitrites. Part I. Kinetics of decomposition of pernitrious acid)」、J. Chem. Soc. A, 1968, 2, 450-452)。ペルオキシナイトライトストック溶液を、化合物12の溶液へ添加し、0、1、2、3、4、5、6及び7μMのような、様々な最終濃度を提供した。これらの溶液の蛍光スペクトルを、5分後に、前述の条件と同じ条件下で測定した。蛍光スペクトルを
図4に示した。
図4に明確に示されたように、化合物12の蛍光強度は、ペルオキシナイトライトの添加後、著しく増加する。更に、535nmでの蛍光強度は、ペルオキシナイトライトの濃度の増加により、線形に増加する(データは示さず)。
【0251】
(異なるROS及びRNSによる化合物12の特異性の比較)
OCl
-、H
2O
2、
1O
2、NO、O
2・-、
・OH、ONOO
-、及びアルキルペルオキシルラジカル(ROO
・)を含む、様々な活性酸素種(ROS)及び活性窒素種(RNS)に対する化合物12の反応性を、比較した。異なる活性酸素種及び活性窒素種を、化合物12の溶液(0.1Mリン酸カリウム緩衝液中1μM)5mLへ、独立して添加した。この処理前後の蛍光強度の変化を、測定した。結果を
図5に示している。活性酸素種及び活性窒素種は、下記のように調製した:
i. H
2O
2(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
j. (3-(1,4-ジヒドロ-1,4-エピジオキシ-1-ナフチル)プロピオン酸)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
k. 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
l. SNP(ニトロフェリシアニド(III)ナトリウム二水和物)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
m. O
2・-は、キサンチン及びキサンチンオキシダーゼにより生成した。キサンチンオキシダーゼを最初に添加した。キサンチンオキシダーゼが溶解した後、キサンチン(最終100μM)を添加し、この混合物を25℃で1時間攪拌した。
n. 塩化第一鉄(最終10μM)を、10当量のH
2O
2(100μM)の存在下で添加した。
o. ONOO
-(最終10μM)を、25℃で添加した。
p. NaOCl(最終10μM)を25℃で添加した。市販の漂白剤は、NaOClの給源であった。
【0252】
図5は、ペルオキシナイトライトは、他のROS及びRNSのいずれよりも、化合物12のはるかに強力な蛍光増強につながることを示している。これらの結果は、化合物12は、無生物システムにおいて、ROS及びRNSの中でペルオキシナイトライトに対しはるかに高い反応性を有することを明らかにしている。更に生物学的システムの存在下では、同様の反応は、化合物12のフェノール誘導体と他の活性酸素種又は活性窒素種のいずれの間でも進行しない。
【0253】
(実施例11−化合物14による次亜塩素酸イオンの高感度検出)
(化合物14のUV-可視吸収スペクトル)
実施例6において得られた化合物14を、共溶媒として0.1%DMFを含有するpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、1μM溶液を作製した。化合物14の1μM溶液の吸収スペクトルを測定し、かつ化合物14は約515nmに最大吸収を持つことが示された。
【0254】
(化合物14の発光スペクトル)
実施例6において得られた化合物14を、DMF中に濃度1mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)により、1μMに希釈した。化合物14の1μM溶液の蛍光スペクトルを、日立F2500蛍光分光光度計を用いて測定し、かつ光電子増倍管の電圧は700Vであった。スリット幅は、励起及び発光の両方に関して2.5nmであった。測定は、励起波長515nmで実行した。
図6に示された結果は、化合物14それ自身は非蛍光であることを示した。
【0255】
(化合物14によるペルオキシナイトライトの検出)
実施例6において得られた化合物14を、DMF中に濃度1mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)により、1μMに希釈した。市販の漂白剤は、NaOClの給源であった。NaOClの濃度は、KIO
3による滴定により標準化された、チオ硫酸ナトリウム溶液による滴定により決定した。その後、NaOClを添加し、0、2、3、4、5、6、7、及び8μMのような最終濃度を提供した。これらの溶液の蛍光スペクトルを、5分後に、前述の条件と同じ条件下で測定した。蛍光スペクトルを
図6に示した。
図6に明確に示されたように、化合物14の蛍光強度は、次亜塩素酸イオンの添加後、著しく増加する。更に、535nmでの蛍光強度は、次亜塩素酸イオンの濃度の増加により、線形に増加する。
【0256】
(異なるROS及びRNSによる化合物14の特異性の比較)
OCl
-、H
2O
2、
1O
2、NO、O
2・-、
・OH、ONOO
-、及びアルキルペルオキシルラジカル(ROO
・)を含む、様々な活性酸素種(ROS)及び活性窒素種(RNS)に対する化合物14の反応性を、比較した。異なる活性酸素種及び活性窒素種を、化合物14の対応する溶液(0.1Mリン酸カリウム緩衝液中1μM)5mLへ、独立して添加した。この処理前後の蛍光強度の変化を、測定した。結果を
図7に示している。活性酸素種及び活性窒素種は、下記のように調製した:
a. H
2O
2(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
b. (3-(1,4-ジヒドロ-1,4-エピジオキシ-1-ナフチル)プロピオン酸)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
c. 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
d. SNP(ニトロフェリシアニド(III)ナトリウム二水和物)(最終100μM)を添加し、その後25℃で1時間攪拌した。
e. O
2・-は、キサンチン及びキサンチンオキシダーゼにより生成した。キサンチンオキシダーゼを最初に添加した。キサンチンオキシダーゼが溶解した後、キサンチン(最終100μM)を添加し、この混合物を25℃で1時間攪拌した。
f. 塩化第一鉄(最終10μM)を、10当量のH
2O
2(100μM)の存在下で添加した。
g. ONOO
-(最終10μM)を、25℃で添加した。ペルオキシナイトライトは、実施例4に示したように調製した。
h. NaOCl(最終10μM)を25℃で添加した。
【0257】
図7は、次亜塩素酸イオンは、他のROS及びRNSのいずれよりも、化合物14のはるかに強力な蛍光増強につながることを示している。これらの結果は、化合物14は、無生物システムにおいて、ROS及びRNSの中で次亜塩素酸イオンに対しはるかに高い反応性を有することを明らかにしている。更に生物学的システムの存在下では、同様の反応は、化合物14のアニリン誘導体と他の活性酸素種又は活性窒素種のいずれの間でも進行しない。
【0258】
(実施例12−細胞アッセイにおける化合物12及び12aの適用)
マウスのJ744.1マクロファージ(ATCC, 米国)を使用し、生存細胞におけるペルオキシナイトライトの検出に関する化合物12及び12aの能力を調べた。J744.1マクロファージは、ペニシリン100U/ml及びストレプトマイシン100μg/mlを補充した10%の熱で失活したウシ胎仔血清(Gibco社)を含有する、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Gibco社)において、37℃、5%CO
2で培養した。これらは、製造業者の指示に従い、擦過し、かつ6-ウェルプレートに播種することにより継代した。増殖培地は、2〜3日毎に交換した。細胞は、実験前に集密になるまで増殖した。マウスJ744.1マクロファージを、化合物12又は12a(20μM)と共に1時間インキュベーションし、その後PBS緩衝液で3回洗浄した。刺激が存在しない場合は、非常に弱い蛍光のみが認められた(
図9B及び
図10A)。蛍光は、LPS(リポ多糖、1μg/ml)で4時間処理した後に、誘導された(
図9D及び
図10B)。同じく化合物12からの緑色が、ミトコンドリア色素MitoTracker Red CMXRosからの赤色により共局在化された(
図9F)。これらの結果は、化合物12は、ミトコンドリア内に選択的に局在化することを示している。
【0259】
(実施例13−化合物30によるペルオキシナイトライトの高感度検出)
(化合物30のUV-可視吸収スペクトル)
実施例7において得られた化合物30を、共溶媒として0.1%DMFを含有するpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、10μM溶液を作製した。この化合物30の10μM溶液の吸収スペクトルを測定した。化合物30の最大吸収は、約540nmに認められた。
【0260】
(化合物30の発光スペクトル)
実施例7において得られた化合物30を、DMF中に濃度10mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)により、10μMに希釈した。化合物30の10μM溶液の蛍光スペクトルを、日立F7000蛍光分光光度計を用いて測定し、かつ光電子増倍管の電圧は900Vであった。スリット幅は、励起及び発光の両方に関して2.5nmであった。測定は、励起波長520nmで実行した。
図11に示された結果は、化合物30それ自身は非蛍光であることを示した。
【0261】
(化合物30によるペルオキシナイトライトの検出)
実施例7において得られた化合物30を、DMF中に濃度10mMとなるよう溶解し、次にこの溶液を、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)により、10μMに希釈した。0.1M NaOH中のペルオキシナイトライト溶液を、Keith及びPowellの方法により調製し(Keith, W.G.及びPowell, R.E.の論文、「ペルオキシナイトライト分解の速度論(Kinetics of decomposition of peroxynitrous acid)」、J. Chem. Soc. A, 1969, 1, 90)、かつ使用したストック溶液中のその濃度は、302nmでの1670cm
-1(mol/L)
-1の励起係数を用いて概算した(Hughes及びNicklinの論文、「過亜硝酸の化学、パートI:過亜硝酸分解の速度論(The chemistry of pernitrites. Part I. Kinetics of decomposition of pernitrious acid)」、J. Chem. Soc. A, 1968, 2, 450-452)。ペルオキシナイトライトストック溶液を、化合物30の溶液へ添加し、様々な最終濃度を提供した。これらの溶液の蛍光スペクトルを、5分後に、前述の条件と同じ条件下で測定した。蛍光スペクトルを
図11に示した。
図11に明確に示されたように、化合物30の蛍光強度は、ペルオキシナイトライトの添加後、著しく増加する。
【0262】
前述のように、本明細書に開示された実施態様は、ペルオキシナイトライトの検出、測定及び/又はスクリーニングのための発蛍光型プローブとして使用することができる様々な化合物を提供する。本開示は、限られた数の実施態様に関して説明されているが、ひとつの実施態様の具体的特徴は、別の実施態様に帰するものではない。単独の実施態様が、本開示の全ての態様を代表するものではない。一部の実施態様において、組成物又は方法は、本明細書において言及されない多くの化合物又は工程を含み得る。別の実施態様において、組成物又は方法は、本明細書に列挙された化合物又は工程を、含まないか、又は実質的に無関係である。説明された実施態様の変化及び修飾が存在する。例えば本明細書に開示された試薬組成物は、本明細書に開示された発蛍光型プローブのみを含有する必要はない。これは、一般に発蛍光型プローブに適した任意の種類の化合物を含有することができる。本明細書に開示された発蛍光型プローブの作製法及び使用法は、多くの工程に関して説明されていることは注目される。これらの工程は、いずれかの順番で実践することができる。1以上の工程を、省くか、又は組み合わせ、依然実質的に同じ結果を実現することができる。添付された「特許請求の範囲」は、本開示の範囲内に収まるようそのような変化及び修飾の全てを対象とすることが意図されている。
【0263】
本明細書において言及された全ての刊行物及び特許出願は、各々個別の刊行物及び特許出願が具体的かつ個別に引用により本明細書中に組み込まれていることを示したのと同程度に、引用により本明細書中に組み込まれている。本開示は、本発明、その原理、及びその実践的適用を当業者に知らせるために、例証及び実施例により詳細に説明されていることは理解されるべきである。更に、説明されたように本明細書に提供される具体的実施態様が、本開示を網羅するか又は限定することは意図されず、かつ多くの代替、修飾、及び変化が、前記実施例及び詳細な説明を考慮し、当業者に明らかである。従って本開示は、下記「特許請求の範囲」の精神及び範囲内に収まるそのような代替、修飾、及び変化を全て包含することが意図されている。先の実施例及び説明の一部は、化合物、組成物及び方法が機能し得る様式に関するいくつかの結論を含むが、本発明者らは、そのような結論及び機能により結びつけることを意図するものではないが、現時点の理解を考慮し、それらを可能な説明としてのみ提供する。