特許第5882085号(P5882085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5882085発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882085
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラム。
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20160225BHJP
【FI】
   H01L33/00 K
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-45290(P2012-45290)
(22)【出願日】2012年3月1日
(65)【公開番号】特開2013-182988(P2013-182988A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】300022353
【氏名又は名称】NECライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】西村 直士
【審査官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−181378(JP,A)
【文献】 特開2009−170912(JP,A)
【文献】 特開2007−322133(JP,A)
【文献】 特開2008−130989(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/030381(WO,A1)
【文献】 特開2007−112237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部と、
前記発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する発光駆動回路と、
前記発光部に、前記駆動電圧と逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別するショート故障判別手段と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記ショート故障判別手段は、前記ツェナーダイオードの降伏電圧をVz、前記整流ダイオードの順方向電圧をVfとしたときに、(N−1)・(Vz+Vf)より大きくN・(Vz+Vf)より小さい電圧を前記発光部に印加し、電流が流れたときに、ショート故障が存在すると判別する、ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記ショート故障判別手段は、i・(Vz+Vf)+α (0<α<(Vz+Vf))の電圧を印加し(iは0と正の整数)、電流が流れたときに、ショート故障が存在し、故障カ所が(N−i)個であると判別する、ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記ショート故障判別手段は、のこぎり波状又は階段状の電圧を印加する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光駆動回路と前記ショート故障判別手段とを、選択的に、前記発光部に接続する接続切り替え手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光ダイオードは、有機EL(Electro Luminescence)素子から構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する工程と、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する工程と、
を含むことを特徴とするショート故障判別方法。
【請求項8】
コンピュータを、
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する手段、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の発光素子が開発され、それらの特性を生かした発光装置が提供されている。
例えば、特許文献1には、窒化物半導体材料を用いた発光素子と、それを用いた発光装置とが開示されている。また、LED(Light Emitting Diode),EL(Electoro Luminessence)素子、蛍光灯等の発光素子を用いた発光装置も広く利用されている。
【0003】
発光装置においては、様々な原因により、発光素子の正電極と負電極の間がショートしてしまうショート故障が発生することがある。発光素子にショート故障が発生した場合、これを検知して対応をしなければならない。このため、従来の発光装置の中には、ショート故障検出回路を備えるものがある。
【0004】
従来のショート故障検出回路は、発光素子の印加電圧を検出し、印加電圧が基準値を下回ると、ショート故障が発生したと検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−066863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発光素子に半導体発光素子(特に有機EL)を使用した場合、半導体発光素子の印加電圧はショート故障の前後であまり変化しない。このため、ショート故障を検出できない場合があるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ショート故障箇所での電圧降下が小さい場合でも、ショート故障を検出することができる発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、ショート故障を確実に検出することができる発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラムを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の第1の観点に係る発光装置は、
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部と、
前記発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する発光駆動回路と、
前記発光部に、前記駆動電圧と逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別するショート故障判別手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係るショート故障判別方法は、
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する工程と、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する手段、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ショート故障箇所での電圧降下が小さい場合でも、ショート故障を検出することができる発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、ショート故障を確実に検出することができる発光装置、ショート故障判別方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る発光装置の回路図である。
図2】本発明の実施の形態に係る発光素子ユニットの回路図である。
図3】本発明の実施の形態に係る発光装置の動作サイクルを説明する図である。
図4】本発明の実施の形態に係る発光装置の電圧・電流を説明する図である。
図5】本発明の実施の形態に係る発光素子ユニットがショート故障を起こしていないときの回路図である。
図6】本発明の実施の形態に係る発光素子ユニットが一つショート故障を起こしたときの回路図である。
図7】本発明の実施の形態に係る発光素子ユニットが二つショート故障を起こしたときの回路図である。
図8】本発明の実施の形態に係る発光素子ユニットが三つショート故障を起こしたときの回路図である。
図9】本発明の実施の形態に係る制御回路のショート故障検出動作のフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態に係る逆電圧発生装置が発生する逆電圧の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態に係るショート故障検出機能を備える発光器具について説明する。
【0014】
(実施の形態)
以下に本実施の形態に係る発光装置10の構成を説明する。
【0015】
本実施形態に係る発光装置10は、図1に示すように、発光部11、スイッチ素子12a〜12c、コイル13、コンデンサ14、還流ダイオード15、電流制限抵抗16、逆電流検出抵抗21、逆電流検出回路22、逆電圧発生装置23、制御回路24、報知部25、電源ライン26、基準電位ライン27、とから構成されている。
【0016】
発光部11は、3つの発光素子ユニット110〜110が直列に接続されて構成されている。発光素子ユニット110〜110を総称して発光素子ユニット110と呼ぶ。
【0017】
各発光素子ユニット110は、図2に示すように、半導体発光素子111と整流ダイオード112とツェナーダイオード113とから構成されている。各発光素子ユニット110において、整流ダイオード112は、そのカソードが半導体発光素子111のアノードに接続され、ツェナーダイオード113は、そのアノードが整流ダイオード112のアノードに接続され、カソードが半導体発光素子111のカソードに接続されている。
【0018】
スイッチ素子12aはN型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)から構成され、その電流路の一端(ドレイン)は、発光部11の一端(カソード)CTに接続され、他端(ソース)は、コイル13の一端とコンデンサ14の負極とに接続され、制御端子(ゲート)には、制御回路24からオン・オフ制御信号が供給されている。
【0019】
コイル13の他端は、スイッチ素子12bの電流路の一端(ドレイン)と還流ダイオード15のアノードとに接続されている。
【0020】
発光部11の他端(アノード)ATとコンデンサ14の正極と還流ダイオード15のカソードは、基準電圧Vrefを基準として正極性のDC(直流)電圧Vccが印加された電源ライン26に接続されている。
【0021】
スイッチ素子12bはN型MOSFETから構成され、その電流路の他端(ソース)は電流制限抵抗16の一端に接続され、制御端子(ゲート)には、制御回路24からオン・オフ制御信号が供給されている。
【0022】
電流制限抵抗16の他端は、基準電位Vrefが印加されている基準電位ライン27に接続されている。
【0023】
スイッチ素子12cはN型MOSFETから構成され、その電流路の一端(ドレイン)は電源ライン26及び発光部11の他端(アノード)ATに接続され、他端(ソース)は、逆電圧発生装置23の負出力端T−に接続され、制御端子(ゲート)には、制御回路24からオン・オフ制御信号が供給されている。
【0024】
逆電流検出抵抗21は、その一端が発光部11の他端(カソード)CTとスイッチ素子12aの接続ノードに接続され、その他端は、逆電圧発生装置23の正出力端T+に接続され、制御回路26からオン・オフ制御信号が供給されている。
【0025】
逆電流検出回路22は、逆流検出抵抗21の両端の電圧を検出することにより、電流I21が流れたことを検出し、検出信号SDを制御回路24に供給する。
【0026】
逆電圧発生装置23は、制御回路24の制御に従って、出力端子T−とT+の間にのこぎり波状に変化する逆方向電圧Vsweepを発生し、逆流検出抵抗21とスイッチ素子12cを介して、発光部11に印加する。逆方向電圧Vsweepは、点灯時に発光部11に印加される電圧とは逆極性の電圧であり、半導体発光素子111を逆バイアスする電圧である。
【0027】
制御回路24は、プロセッサ、プログラムを記憶したメモリなどから構成され、ボリューム24aを備え、プログラムを実行することにより、スイッチ素子12a〜12cと逆電圧発生装置23を制御し、逆電流検出回路22からの検出信号に応答して、全体を制御する。
【0028】
より具体的には、制御回路24は、図3(a)に示すように、点灯処理と短絡検出処理とを繰り返す。
短絡検出処理を行う短絡検出処理期間TDは十分に短い時間、例えば、利用者が発光部11の消灯を知覚できない程度の継続時間、例えば、10m秒程度に設定される。一方、発光部11の短絡を検出するのに適した周期、例えば、1分程度に設定され、その間は点灯処理を行う点灯期間TLとなる。
【0029】
制御回路24は、図2(b)と(d)に示すように、点灯処理期間TLの間、スイッチ素子12aにハイレベルのゲート信号を供給して、スイッチ素子12aをオンし、スイッチ素子12cにローレベルのゲート信号を供給して、スイッチ素子12cをオフする。一方、制御回路24は、短絡検出期間TDの間、スイッチ素子12aにローレベルのゲート信号を供給して、スイッチ素子12aをオフし、スイッチ素子12cにハイレベルのゲート信号を供給して、スイッチ素子12cをオンする。
【0030】
また、制御回路24は、図2(c)に示すように、点灯処理期間TLの間、スイッチ素子12bに、ボリューム24aの値に対応するデューティのオン・オフ信号を繰り返し供給し、スイッチ素子12bを断続的にオン・オフし、ボリューム24aが指示する明るさで、発光部11を点灯する。
【0031】
また、制御回路24は、図2(e)に示すように、短絡検出期間TDの間、逆電圧発生装置23に、のこぎり波状の電圧を発生させ、逆電流検出回路22の検出電流から、発光部11の半導体発光素子111(111〜111)のショート故障を検出する。なお、ショート故障検出の詳細は、後述する。
制御回路24は、ショート故障を検出した場合には、報知部26を制御して、その旨を報知する。
【0032】
報知部25は、LED(Light Emitting Diode)、スピーカなどから構成され、制御回路24の制御に従って、発光部11を構成する半導体発光素子111にショート故障が発生していること、その数などを報知する。
【0033】
次に、上記構成を有する発光装置10の動作を説明する。
【0034】
主電源をオンすると、制御回路24は、所定の初期化動作を実行し、続いて、期間TLの間、点灯処理を行う。この点灯処理において、制御回路24は、スイッチ素子12aをオンし、スイッチ素子12cをオフする。
【0035】
また、制御回路24は、スイッチ素子12bを、ボリューム24aの値に対応するデューティで、オン・オフする。
【0036】
スイッチ素子12bがオンされている期間、電源ライン26→アノードAT→発光部11→カソードCT→スイッチ素子12a→コイル13→スイッチ素子12b→電流制限抵抗16→基準電位ライン27と電流が流れる。発光部11を流れる電流は、順方向電圧が印加されるため、各発光素子ユニット110(110〜110)の各半導体発光素子111を流れ、各半導体発光素子111は発光する。なお、整流ダイオード112(112〜112)とツェナーダイオード113(113〜113)との直流回路には、整流ダイオード112(112〜112)の逆方向電圧が印加されるため、電流は流れない。
【0037】
続いて、スイッチ12bがオフされると、それまでの電流路は遮断され、それまでの電流の流れが停止する。一方、コイル13に蓄積されたエネルギーにより、コイル13→還流ダイオード15→電源ライン26→アノードAT→発光部11→カソードCT→スイッチ素子12a→コイル13と電流が流れる。また、コンデンサ14→電源ライン26→アノードAT→発光部11→カソードCT→スイッチ素子12a→コンデンサ14と電流が流れる。また、電圧の変動はコンデンサ14によりある程度抑えられる。このため、コイル13及びコンデンサ14に蓄積されたエネルギーが消費されるまで、発光部11に電流が流れる。発光部11を流れる電流は、各発光素子ユニット110の各半導体発光素子111を流れ、各半導体発光素子111は発光する。
【0038】
このような動作を繰り返すことにより発光部11は発光する。発光部11で消費されるエネルギーは、ボリューム24aの指示値を調整することにより調整される。
【0039】
上述の動作が繰り返され、点灯期間TLが終了すると、制御回路24は、図3(b)、(d)に示すように、スイッチ素子12aをオフし、スイッチ素子12cをオンする。
【0040】
続いて、制御回路24は、逆電圧発生装置23をオンする。これにより、逆電圧発生装置23は、図4(a)に示すような、発光部11のカソードCTに正極性で、アノードATに負極性となる、のこぎり波状に徐々に大きくなる逆方向電圧Vsweepを発生する。逆電流検出回路22は、逆電流検出抵抗21を流れる電流I21を検出すると、制御回路24に検出信号SDを出力する。
【0041】
ここで、整流ダイオード112の順方向電圧をVf、ツェナーダイオード113の降伏電圧をVzとする。全ての半導体発光素子111が正常であるとすると、逆電圧発生装置23の出力電圧が3・(Vf+Vz)を超えるまで電流が流れず、逆方向電圧Vsweepが3・(Vf+Vz)を超えると、整流ダイオード112の印加電圧とツェナーダイオード113の印加電圧との和が整流ダイオード112の順方向電圧Vfとツェナーダイオード113の降伏電圧Vzとの和を超えるため、図4(a)、(b)、図5に示すように、整流ダイオード112とツェナーダイオード113の直列回路に電流が流れ、逆電流検出抵抗21に電流I21が流れ始める。このため、逆電流検出回路22は、図4(a)、(c)に示すように、逆方向電圧Vsweepが3・(Vf+Vz)を超えると、検出信号SDを出力する。
【0042】
一方、図6に示すように、3つの半導体発光素子111の2つが正常で、1つがショート状態にあるとすると(ここでは、111とする)、図4(a)、(d)に示すように、逆電圧発生装置23の出力する逆方向電圧Vsweepが2・(Vf+Vz)を超えるまで電流が流れず、逆方向電圧Vsweepが2・(Vf+Vz)を超えると、整流ダイオード112の印加電圧とツェナーダイオード113の印加電圧との和が整流ダイオード112の順方向電圧Vfとツェナーダイオード113の降伏電圧Vzとの和を超えるため、逆電流検出抵抗21に電流I21が流れ始める。このため、逆電流検出回路22は、図4(a)、(e)に示すように、逆方向電圧Vsweepが2・(Vf+Vz)を超えると、検出信号SDを出力する。
【0043】
さらに、図7に示すように、3つの半導体発光素子111の1つが正常で、2つがショート状態にあるとすると(ここでは、111、111とする)、図4(a)、(f)に示すように、逆電圧発生装置23の出力電圧が(Vf+Vz)を超えるまで電流が流れず、電圧が1・(Vf+Vz)を超えると、整流ダイオード112の印加電圧とツェナーダイオード113の印加電圧との和が整流ダイオード112の順方向電圧Vfとツェナーダイオード113の降伏電圧Vzとの和を超え、逆電流検出抵抗21に電流I21が流れ始める。このため、逆電流検出回路22は、図4(a)、(g)に示すように、逆方向電圧Vsweepが(Vf+Vz)を超えると、検出信号SDを出力する。
【0044】
さらに、図8に示すように、3つの半導体発光素子111が全てショート状態にあるとすると、図4(a)、(h)に示すように、逆電圧発生装置23の逆方向電圧Vsweepが出力されると、直ちに逆電流検出抵抗21に電流I21が流れ始める。このため、逆電流検出回路22は、図4(a)、(i)に示すように、逆方向電圧Vsweepが出力されると、直ちに、検出信号SDを出力する。
【0045】
制御回路24は、逆電流検出回路22からの検出信号SDを受信すると、その時点で、逆電圧発生装置23が発生している逆方向電圧Vsweepを特定し、上記いずれの電圧に相当するかを判別する。
【0046】
制御回路24は、判別した電圧から、ショート故障発生の有無とショートしている半導体発光素子111の数を判別する。
【0047】
制御回路24は、ショート故障が存在する場合には、報知部25を駆動して、ショート故障の有無、ショートしている半導体発光素子111の数を報知する。
【0048】
一方、制御回路24は、ショート故障が存在しない場合には、再び、スイッチ素子12cをオフし、スイッチ素子12aをオンし、点灯処理を実行する。
【0049】
こうして、制御回路24は、点灯処理中に周期的にショート故障の有無を判別し、ショート故障を検出すると、ユーザにその旨を報知する。従って、容易に且つ確実にショート故障を検出することができる。
【0050】
制御回路24のショート故障検出動作をまとめると、図9に示すようになる。
制御回路24は、通常時には、点灯処理を実行し(ステップS1)、ショート故障検出タイミングになると(ステップS2:YES)、スイッチ素子12aをオフ、スイッチ12素子cをオンに切り替え(ステップS3)、逆電圧発生装置23に逆電圧Vsweepを発生させる(ステップS4)。
【0051】
続いて、制御回路24は、逆電流検出回路22が電流I23を検出して検出信号SDが出力されたタイミングで、逆電圧Vsweepの電圧を特定する(ステップS5)。
【0052】
制御回路24は、ステップS5にて特定した電圧から、ショート故障の有無を判別する(ステップS6)。特定した電圧が、i・(Vz+Vf)より大きく、(i+1)・(Vz+Vf)より小さければ、ショート故障が存在し、(発光素子ユニット110の接続数N−i)個の半導体発光素子111が故障していると判別する。
例えば、N=10で、2(Vz+Vf)より大きく、3・(Vz+Vf)より小さければ、ショート故障が存在し、(10−2)=8個の半導体発光素子111が故障していると判別する。
【0053】
制御回路24は、故障有りと判別した場合には(ステップS6;YES)、報知部25による報知処理を行う(ステップS7)。なお、点灯を継続するか、消灯するかは任意である。
【0054】
一方、ショート故障を検出しなかった場合には(ステップS6;NO)、スイッチ素子12aをオン、スイッチ素子12cをオフして(ステップS8)、点灯処理を実行する(ステップS1)。
【0055】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、発光素子ユニット110を3個直列に接続する例を示したが、2個以下でも、4個以上でも任意である。逆電圧発生装置23は、発光素子ユニット110の接続数Nに応じて、0〜N・(Vz+Vf)以上の逆電圧を発生する。
【0056】
また、上記実施の形態では、逆電圧発生装置23は、のこぎり波状の電圧を発生していたが、図10に例示するように、0、(Vz+Vf)+α、2(Vz+Vf)+α、3(Vz+Vf)+α、...、N(Vz+Vf)+α、というような階段状に変化する電圧を発生してもよい。なお、0<α<(Vz+Vf)である。
【0057】
また、ショート故障が発生しているか否かのみを検出し、故障した発光素子ユニット110の数を検出しないという条件ならば、1つの逆電圧(N−1)・(vz+Vf)+αのみを発生するようにしてもよい。この逆電圧を印加して、逆電流I21が流れなければ、ショート故障は存在しない。
【0058】
また、上記実施の形態では、通常の点灯処理の間に、ショート故障検出動作を行ったが、例えば、点灯時や消灯時に1回検出動作を行い、点灯中は、ショート故障の検出を行わないようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、スイッチ素子12a〜12cは、MOSFETにより構成されているが、MOSFET以外の任意のスイッチを使用可能である。
制御回路24として、プロセッサとプログラムから構成される例を示したが、ハードウエア構成、例えば、ロジック回路などから構成されてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態では、スイッチング動作により、発光部11に供給するエネルギーを調整することにより、調光する構成を例示したが、他の構成を採用してもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、発光装置10が制御回路24を備えていたが、制御回路24を発光装置10から分離させてもよい。この場合、発光装置10に外部のコンピュータを接続し、このコンピュータがショート故障検出動作を実行させるプログラムを備えるようにしてもよい。
【0062】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部と、
前記発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する発光駆動回路と、
前記発光部に、前記駆動電圧と逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別するショート故障判別手段と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【0064】
(付記2)
前記ショート故障判別手段は、前記ツェナーダイオードの降伏電圧をVz、前記整流ダイオードの順方向電圧をVfとしたときに、(N−1)・(Vz+Vf)より大きくN・(Vz+Vf)より小さい電圧を前記発光部に印加し、電流が流れたときに、ショート故障が存在すると判別する、ことを特徴とする付記1に記載の発光装置。
【0065】
(付記3)
前記ショート故障判別手段は、i・(Vz+Vf)+α (0<α<(Vz+Vf))の電圧を印加し(iは0と正の整数)、電流が流れたときに、ショート故障が存在し、故障カ所が(N−i)個であると判別する、ことを特徴とする付記2に記載の発光装置。
【0066】
(付記4)
前記ショート故障判別手段は、のこぎり波状又は階段状の電圧を印加する、ことを特徴とする付記2又は3に記載の発光装置。
【0067】
(付記5)
前記発光駆動回路と前記ショート故障判別手段とを、選択的に、前記発光部に接続する接続切り替え手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の発光装置。
【0068】
(付記6)
前記発光ダイオードは、有機EL(Electro Luminescence)素子から構成されている、ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の発光装置。
【0069】
(付記7)
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する工程と、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する工程と、
を含むことを特徴とするショート故障判別方法。
【0070】
(付記8)
コンピュータを、
発光ダイオードと、該発光ダイオードに並列に接続され、前記発光ダイオードと同一方向に接続されたツェナーダイオードと逆方向に接続された整流ダイオードとの直列回路と、から構成される発光素子ユニットをN個直列に接続して構成された発光部に、前記発光ダイオードに順方向電圧が印加される駆動電圧を印加する手段、
前記発光部に、前記駆動電圧とは逆極性の逆方向電圧を印加し、印加電圧と流れた電流とに基づいて、前記発光ダイオードのショート故障の有無を判別する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0071】
10 …発光装置
11 …発光部
12a …スイッチ素子
12b …スイッチ素子
12c …スイッチ素子
13 …コイル
14 …コンデンサ
15 …還流ダイオード
16 …電流制限抵抗
21 …逆電流検出抵抗
22 …逆電流検出回路
23 …逆電圧発生装置
24 …制御回路
24a …ボリューム
25 …報知部
26 …電源ライン
27 …基準電位ライン
110 …発光素子ユニット
111 …半導体発光素子
112 …整流ダイオード
113 …ツェナーダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10