【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、この目的は、独立クレームによる、手持ち式デバイス、電極システム、電気手持ち式デバイス用の検出デバイス、検出デバイスを備える手持ち式デバイスを用いてならびに手持ち式デバイスが手で握られるのを検出するための方法を用いて達成される。
【0016】
それ故に、本発明は、表面に置くことができ、少なくとも1つの送信電極、少なくとも1つの受信電極および送信電極と受信電極との間に配置される少なくとも1つの補償電極を提供され、それを用いて手持ち式デバイスへの手の接近が検出可能である電気手持ち式デバイスを提供し、
- 送信電極から第1の交流電場が、放射されてもよく、補償電極から第2の交流電場が、放射されてもよく、第2の交流電場に対して第1の交流電場は、位相遅延であり、交流電場は、表面および受信電極に結合されてもよく、
- 受信電極に結合される交流電場は、手持ち式デバイスへの手の接近を表す電流を受信電極に生成し、
- 手持ち式デバイス上の送信電極および受信電極は、
- 送信電極と表面との間のインピーダンス、
- 表面のインピーダンスおよび
- 表面と受信電極との間のインピーダンスから成る、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの合計が、手持ち式デバイスが表面に置かれるとき、受信電極に生成される電流を所定の値I
0より下に保つのに適している所定の値Z
0を越えるように配置される。
【0017】
送信電極と受信電極との間に少なくとも1つの補償電極が配置されていると、たとえ手持ち式デバイスが導電性表面に置かれても、手持ち式デバイスへの手の接近をより容易にかつより確実に検出することが可能である。送信電極と受信電極との間のインピーダンスが所定の値Z
0を越える場合の送信電極および受信電極の対応する配置のために、受信電極で交流電場を通じて生成される電流は、手持ち式デバイスを休止モードから動作可能なまたはアクティブモードに切り替えるのに十分ではない。補償電極で放出される交流電場の助けを借りて、手持ち式デバイスをアクティブモードに切り替えるのに十分なこともある送信電極から受信電極への十分に高い電流(おおよそ手持ち式デバイスの壁を越える)は、さらに防止される。
【0018】
接近は、手と手持ち式デバイスとの間の距離の低減および/または手持ち式デバイスの電極に対する手の位置の変化を含んでもよい。
【0019】
送信電極および補償電極は、所定の周波数および所定の振幅の交流電気量を供給されてもよいが、送信電極での交流電気量は、補償電極での交流電気量に対して位相遅延である。送信電極での交流電気量の振幅は、補償電極での交流電気量の振幅と異なってもよい。
【0020】
手持ち式デバイスへの手の接近が増加するにつれて、手を通って送信電極から受信電極に伝達される交流電場は、補償電極の交流電場のために次第に衰える補償を経験する。
【0021】
表面はまた、接触表面も含む。接触表面は、例えば壁であってもよく、その壁に手持ち式デバイスが、傾斜可能なレバーの形で配置される。
【0022】
その上、表面に置くことができ、いくつかの電極構造体または電極システムを含む電気手持ち式デバイスが、提供され、少なくとも1つの送信電極、少なくとも1つの受信電極および送信電極と受信電極との間の少なくとも補償電極が、それぞれ配置され、いくつかの電極構造体のいずれかを使って、手持ち式デバイスへの手の接近が、検出されてもよく、いくつかの電極構造体のいずれかは、
- 送信電極からは第1の交流電場および補償電極からは第2の交流電場が、放射され、第1の交流電場は、第2の交流電場に対して位相遅延であり、交流電場は、表面および受信電極に結合されてもよく、
- 受信電極に結合される交流電場は、手持ち式デバイスの電極構造体への手の接近を表す電流を受信電極に生成し、かつ
- 送信電極および受信電極は、
- 送信電極と表面との間のインピーダンス、
- 表面のインピーダンス、および
- 表面と受信電極との間のインピーダンスから成る、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの合計が、手持ち式デバイスが表面に置かれるとき、受信電極で生成される電流を所定の値より下に保つのに適している所定の値を越えるように手持ち式デバイスに配置される、などのように設計される。
【0023】
いくつかのそのような電極構造体の提供は、手持ち式デバイスのいくつかの領域への手の接近を有利に検出するまたは接近の方向を確実に識別することを可能にする。
【0024】
いくつかの電極構造体は、電子評価デバイスと結合されてもよく、それによって電子評価デバイスは、いくつかの電極構造体の各々への手の接近を連続して評価するように設計される。
【0025】
いくつかの電極構造体はまた、それぞれの電子評価デバイスと結合されてもよく、それによって各電子評価デバイスは、それぞれの接続電極構造体への手の接近を評価するように適合される。
【0026】
いくつかの電極構造体の各々の送信電極、補償電極および受信電極は、手持ち式デバイスが表面に置かれるときそれらが表面に触れないように手持ち式デバイスに配置されるとき有利である。
【0027】
この有利な配置を使うと、手持ち式デバイスが導電性表面に置かれるとき、検出感度を低減させることもあり得る、送信電極と受信電極との間のガルバニック接触の生成は、避けられる。
【0028】
電極構造体の各々の送信電極、補償電極および受信電極は、手持ち式デバイスの表面に配置されてもよい。
【0029】
電極構造体の各々の送信電極、補償電極および受信電極はまた、表面と向かい合う手持ち式デバイスの側面に配置されてもよい。
【0030】
手持ち式デバイスの表面はまた、手持ち式デバイスの外側も含む。このようにして、例えば任意の単一電極またはすべての電極は、外側に配置されて、ユーザーに見えてもよい。しかしながら、単一またはすべての電極はまた、手持ち式デバイスの表面の下に直接配置されてもよく、その結果それらは、ユーザーには見えず、その上より良く保護される。
【0031】
有利には、いくつかの電極構造体のいずれかでは、補償電極で放射される交流電場は、送信電極で放射される交流電場と少なくとも部分的に干渉し、それは、重ね合わせから結果として生じる交流電場のレベルの低減を決定し、受信電極に生成される電流の低減をもたらす。
【0032】
補償電極の別の利点は、送信電極で放出される交流電場のほかに、補償電極で放出される交流電場もまた、表面で結合され、その結果、表面材料にかかわらず、補償電極で放出される交流電場は、送信電極によって放出される交流電場と干渉するという事実にある。このようにして、手の接近は、表面材料にかかわらず、確実に検出できる。
【0033】
いくつかの電極構造体のいずれかでは、手持ち式デバイスへの手の第1の接近は、所定の値Z
0とさらなら所定の値Z
1との間に含まれ、Z
0>Z
1であり、受信電極で生成される電流を所定の値I
0を上回るようにするのに適している、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの合計の変化を引き起こしてもよい。
【0034】
第1の接近は、例えば電極からの手の距離および/または電極に対する手の位置を含んでもよい。
【0035】
いくつかの電極構造体の各々では、手持ち式デバイスへの手の第2の接近は、さらなる所定の値Z
1より下であり、受信電極で生成される電流を第2の所定の値I
1を上回るようにするのに適しており、I
1>I
0である、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの合計の変化を引き起こしてもよい。
【0036】
第2の接近はさらに、電極からの手の距離および/または電極に対する手の位置を含んでもよく、その場合第2の接近は、第1の接近と異なる。それで第2の接近での電極からの手の距離は、所定の値I
1を上回る受信電極でのアンペア数の増加を引き起こすために、例えば第1の接近でのそれよりも小さくてもよい。
【0037】
同様に所定の値I
1を上回る受信電極でのアンペア数増加は、第2の接近での手の距離が第1の接近でよりも小さいときでさえ、電極に対する手の位置を通じて達成できる。
【0038】
電極の配置は、手持ち式デバイスへの手の接近または手持ち式デバイスの把持では、送信電極と受信電極との間のインピーダンスが、受信電極に結合される交流電場が受信電極で生成される電流を第1の値I
0を上回る(接近するとき)または第2の値I
1を上回る(握るときまたはさらなる接近で)ようにするのに十分であるように減少するという利点を有する。
【0039】
このようにして、手持ち式デバイスの休止モード、スイッチモードおよびアクティブモードは有利には、電流I
0およびI
1がしきい値としての役割を果たす受信電極と結合される制御手段を使って引き起こされてもよい。スイッチモード(休止モードとアクティブモードとの間の中間段階として)の提供は、手の対応する接近ではすでに、手持ち式デバイスが、例えば初期化プロセスを開始することによってアクティブモードに備えられてもよいというさらなる利点を有する。従って、手持ち式デバイスのユーザーによる遅延活性化の感触は、避けることができる。
【0040】
いくつかの電極構造体の少なくとも1つの送信電極、受信電極および補償電極を、手持ち式デバイスへの手の接近が、
- 干渉から結果として生じる交流電場のレベルの上昇、および
- 送信電極と受信電極との間のインピーダンスの低減を引き起こすというように解釈することは、特に有利である。
【0041】
第2の接近で結果として生じる交流場のレベルP
2に対する第1の接近で結果として生じる交流場のレベルP
1の比が、第1の接近での送信電極と受信電極との間のインピーダンスZ
1に対する第2の接近での送信電極と受信電極との間のインピーダンスZ
2の比よりも小さいとき、特に有利である。第1および第2の接近でのレベルおよびインピーダンスは、互いに次のように振る舞う。
【0042】
【数1】
【0043】
このようにして、手持ち式デバイスの電極配置の感度は、手が接近するにつれて改善されるので、手持ち式デバイスへの手の接近が増加するにつれて、スイッチモードまたはアクティブモードの活性化もまた、生じることを有利に保証することが可能である。
【0044】
いくつかの電極構造体の少なくとも1つの送信電極、受信電極および補償電極は、接近する手の左/右の区別を決定するために非対称に配置されてもよい。その区別に応じて、デバイスの所定の機能が、果たされてもよい。
【0045】
手持ち式デバイスへの接近の左/右の区別を使って、右利きと左利きとの間の区別がまた、手持ち式デバイスに提供されるディスプレイ上のメニュー方向をそれに応じてディスプレイの左または右に配置するために、有利に行われてもよい。
【0046】
いくつかの電極構造体の少なくとも1つの補償電極から放射される交流電場は、手持ち式デバイスを取り囲む電場に応じて所定の値I
0の適合のために提供されてもよい。
【0047】
従って、手持ち式デバイスが休止モードからスイッチモードにまたはアクティブモードに移行するのに十分である電流のしきい値は、手持ち式デバイスそれ自体を通じて異なる表面材料に適合できる。
【0048】
手持ち式デバイスのいくつかの電極構造体の配置を使うと、もしユーザーが、好ましくは手持ち式デバイスの特定の領域で、片方の手または両方の手で手持ち式デバイスを保持するならば、特に簡単な方法で検出することが可能である。
【0049】
さらに、検出デバイスは、手持ち式デバイスが手で握られるのを検出するために電気手持ち式デバイスに提供され、検出デバイスは、送信電極、受信電極および補償電極を有し、送信電極および補償電極は、互いに直流的に結合され、送信電極、受信電極および補償電極は、手持ち式デバイスで互いに分離され、受信電極および補償電極は、それらが容量的に結合できるように手持ち式デバイスに配置されてもよい。送信電極は、第1の交流電圧を供給されてもよく、その結果第1の交流電場が、送信電極によって照射されてもよく、第1の交流電圧は、直流的結合で補償電極に結合され、補償電極は、第2の交流電圧を供給されてもよく、それによって第1の交流電圧および第2の交流電圧から結果として生じる第2の交流電場は、補償電極によって照射されてもよく、
- それによって第2の交流電場は、第1の電流を生成するために受信電極に結合され、
- それによって第1の交流電場は、手持ち式デバイスが手で握られるとき、第2の電流をそこで生成するために受信電極に結合されてもよく、第1の電流および第2の電流から結果として生じる全電流は、手持ち式デバイスの把持を示す。
【0050】
送信電極の補償電極との直流的結合は、補償電極に照射され、受信電極に結合される交流電場が、補償電極および送信電極が供給される交流電圧に依存するという結果をもたらす。受信電極で結合される交流電場は、しきい値としての役割を果たす電流をそこで生成する。この電流は、送信電極での交流電圧に対して補償電極での交流電圧を変えることによって調節可能である。
【0051】
第1の交流電圧および第2の交流電圧が同じ信号形を有し、互いに位相遅延であることは、有利である。
【0052】
送信電極および受信電極は、手持ち式デバイスの全電流の変化に基づいて、手持ち式デバイスが手で握られるのを検出するために設計される評価電子装置と結合されてもよい。
【0053】
送信電極および受信電極は好ましくは、それらが、表面に置かれる手持ち式デバイスの表面に触れないように手持ち式デバイスに配置可能である。
【0054】
送信電極と表面との間の距離および/または受信電極と表面との間の距離はそれによって、好ましくは送信電極と受信電極との間のインピーダンスが所定の値を越えないように選択され、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの組は、
- 送信電極と表面との間のインピーダンス、
- 表面のインピーダンス、および
- 表面と受信電極との間のインピーダンスであり、所定の値は、送信電極に照射される交流電場が受信電極に結合できないように選択される。
【0055】
送信電極、補償電極および受信電極は、手持ち式デバイスの上部表面に配置されてもよい。
【0056】
送信電極および補償電極は、信号発生器と結合され、送信電極および補償電極は、第1の、好ましくは調節可能な移相器を用いて互いに結合されかつ/または信号発生器は、第2の、好ましくは調節可能な移相器を用いて結合される。
【0057】
好ましくは評価電子装置は、所定の全電流が手持ち式デバイスのスイッチオンモードおよび/またはアクティブモードを決定するように設計される制御手段から成る。
【0058】
受信電極での第1の電流は、第1の交流電圧と第2の交流電圧との間の位相を変えることによって調節可能である。有利にはこれは、移相器によって成し遂げられる。
【0059】
送信電極、受信電極および補償電極は、手持ち式デバイスの表面上にまたは表面の下近くに配置されてもよい。
【0060】
送信電極を手持ち式デバイスの第1の側壁に配置し、受信電極および補償電極を第1の側壁の反対側の第2の側壁に配置することは、特に有利である。
【0061】
その上、手持ち式デバイスが手で握られるのを検出デバイスで検出するための方法は、本発明によって提供され、検出デバイスは、少なくとも1つの送信電極、1つの受信電極および1つの補償電極を有し、送信電極は、補償電極と直流的に結合され、補償電極は、受信電極と容量的に結合されてもよく、
- 送信電極は、第1の交流電圧を供給されてもよく、その結果第1の交流電場が、送信電極に照射され、第1の交流電圧は、直流的結合によって補償電極に少なくとも部分的に結合され、
- 補償電極は、第2の交流電圧を供給され、その結果第2の交流電場が、補償電極に照射され、受信電極に結合され、受信電極に結合される第2の交流電場は、受信電極に第1の電流を生成し、
- 全電流は、受信電極で評価され、全電流は、第1の電流および第2の電流から結果として生じ、第2の電流は、手が手持ち式デバイスを握るとき、受信電極への第1の交流電場の容量性結合を通じて生成され、それによって全電流は、手持ち式デバイスが手で握られたことを示す。
【0062】
手持ち式デバイスにはいくつかの検出デバイスが、例えば手持ち式デバイスの異なる位置での手持ち式デバイスの把持を確実に検出するために、本発明に従って提供されてもよい。
【0063】
さらにまた、手持ち式デバイスは、
-ケーシングデバイスと、
- XおよびY軸方向へのケーシングデバイスの移動とそれ自体で相関する制御データを生成するための移動検出デバイスと、
- ケーシングデバイスに対する手の近接状況をそれ自体で表す信号を生成するための手検出デバイスとを提供され、
- 手検出デバイスは、3つの場電極を持つ電極グループ、および
- これらの場電極と結合される回路デバイスを含み、
- 回路デバイスは、場電極が動作周波数で交互に繰り返す発生器電圧をそれぞれ供給され、かつ
- タッピング回路は、信号制御ユニットに伝えられる電極信号を生成するために提供される。
【0064】
手持ち式デバイスは、例えばコンピュータマウス、ゲーム機のための入力デバイス、携帯電話または携帯型ミニコンピュータであってもよい。
【0065】
このようにして、極めて小さい電力需要で、接近する出来事の検出を行い、手の接近が検出されるときだけ、手持ち式デバイスの残りの電子装置、例えばマウス電子装置を活性化することは、有利に可能である。
【0066】
好ましくはタッピング回路は、信号入力でのインピーダンスが動作周波数範囲で最小量を示すように開発される。この点において、信号増幅は好ましくは、生じ得る最小の急勾配の場合にはそれが動作的に安定な最大値を経験するように扱われる。
【0067】
有利な方法では、連続するさらなる信号増幅が、行われ、その場合タッピング回路の出力インピーダンスは好ましくは、タッピング回路の出口に場電極のAC入力信号から直接生じるDC出力信号が現れるように調整される。このDC出力信号は、それに含まれるモジュールとして働く信号制御ユニットに伝えられる。
【0068】
好ましくは、発生器デバイスは、信号制御ユニットに直接含まれる。タッピング回路の最初の強化ステップが、信号制御デバイスを通じて電圧を供給されるように、タッピング回路を信号制御ユニットに接続することは、可能である。
【0069】
信号制御デバイスは好ましくは、休止モードおよびアクティブモードがそれを通じて決定されてもよいように配列される。休止モードの間、接近状況の検出は、中断によって分離される間隔で行われる。
【0070】
本発明はさらに、少なくとも1つの送信電極、1つの受信電極および1つの補償電極を備える、手持ち式デバイスに配置されるべき電極システムを提供し、補償電極は、送信電極と受信電極との間に配置されてもよく、電極システムは、
- 送信電極からは第1の交流電場および補償電極からは第2の交流電場が、放射され、第1の交流電場は、第2の交流電場に対して位相遅延であり、交流電場は、受信電極に結合されてもよく、かつ
- 受信電極に結合される交流電場は、手持ち式デバイスへの手の接近を表す電流を受信電極に生成するように開発される。
【0071】
送信電極および受信電極は、送信電極と受信電極との間のインピーダンスが、手持ち式デバイスが表面に置かれる場合に、受信電極に生成される電流を所定の値より下に保持するのに適している所定の値Z
0を越えるように、手持ち式デバイスに配置されるとき有利である。
【0072】
従って、手持ち式デバイスの電極システムへの手の接近は、手持ち式デバイスが置かれる表面の材料にかかわらず確実に検出できる。
【0073】
送信電極と受信電極との間のインピーダンスは、支持表面に置かれる手持ち式デバイスの場合には、
- 送信電極と表面との間のインピーダンス、
- 表面のインピーダンスおよび
- 表面と受信電極との間のインピーダンスから成る、送信電極と受信電極との間のインピーダンスの合計である。
【0074】
電極システムは、電子評価デバイスと結合されてもよく、電子評価デバイスは好ましくは、電極システムへの手の接近を評価し、接近を表す信号を提供するように適合される。信号は、例えばさらなる処理のためにマイクロコントローラ、例えばゲーム機の制御ユニットに伝えられてもよい。
【0075】
本発明は、本発明による少なくとも1つの電極システムを備える手持ち式デバイス、特にコンピュータマウス、遠隔制御デバイス、携帯電話またはゲーム機のための入力デバイスを提供する。
【0076】
いくつかの電極システムを備える手持ち式デバイスの場合には、電極システムのいずれかへの接近が、検出されてもよい。このようにして例えば、決定された領域に両手で触れるときだけ活性化されてもよい手持ち式デバイスが、提供されてもよい。
【0077】
本発明はまた、少なくとも1つの静電容量センサー素子の観測領域の誘電特性のための指標となる出力信号を生成するための回路装置も提供し、少なくとも1つの静電容量センサー素子は、少なくとも1つの送信電極、少なくとも1つの補償電極および少なくとも1つの受信電極を含み、その回路装置は、
- 送信電極を第1の交流電気信号で帯電させ、補償電極を第2の交流電気信号で帯電させるための信号発生器デバイスであって、第2の交流電気信号は、第1の交流電気信号と異なる、信号発生器デバイスと、
- 受信電極で測定される電極電気信号を処理するためのおよび処理信号を提供するための、受信電極と結合される信号処理デバイスと、
- 処理信号の評価のためのおよび評価に応じての出力信号の作成のための評価器であって、この評価器まで処理信号を伝えることができる、評価器とを含む。
【0078】
それ故に、静電容量センサー素子の電極は、手を介しての送信電極の受信電極との容量性結合に基づいて、手による送受話器の把持を検出できるように、送受話器に配置できる。
【0079】
信号処理デバイスは、
- 受信電極で測定される電極電気信号に対応する電気信号を提供するための増幅デバイスと、
- 電気信号をデジタル化するためのおよび処理デジタル化信号を提供するためのデジタル化デバイスであって、このデジタル化デバイスまで増幅デバイスの電気信号が伝えられる、デジタル化デバイスとを含んでもよい。
【0080】
増幅デバイスは、下流の電圧増幅器を備える電流/電圧トランスを含んでもよい。
【0081】
電圧増幅器の電圧利得は、調節可能であってもよい。
【0082】
電流/電圧トランスは、トランスインピーダンス増幅器を含んでもよい。
【0083】
電流/電圧トランスのトランスインピーダンスは、調節可能であってもよい。
【0084】
増幅デバイスは、第1の整流器と結合されてもよい。
【0085】
増幅デバイスは、第2の整流器と結合されてもよい。
【0086】
第1の整流器の出力および第2の整流器の出力は各々、それぞれの整流器に印加される信号を平滑化するために、フィルターと結合されてもよい。
【0087】
デジタル化デバイスは、2つのアナログデジタル変換器を含んでもよく、フィルターの出力は各々、2つのアナログデジタル変換器の1つと結合される。
【0088】
デジタル化デバイスは、フィルターの出力に印加される信号をアナログデジタル変換器に伝えるために、マルチプレクサーを含んでもよく、好ましくはフィルターの出力に印加される信号は各々、それらがアナログデジタル変換器に伝えられる前にサンプルホールド回路によって走査される。
【0089】
好ましくは、フィルターの復調されかつ平滑化された出力信号が伝えられる減算器が、提供され、減算器の差分信号は、デジタル化デバイスに伝えられる。
【0090】
第1の整流器および第2の整流器は、第1の交流電気信号のフランク(flank)に各々同期して開かれるおよび/または閉じられる電気的に制御可能なスイッチとして設計されてもよい。
【0091】
デジタル化デバイスは、デジタル化デバイスに伝えられる電気信号が1周期当たり二度走査されるように第1の交流電気信号に同期して動作されてもよく、走査位相は、走査の第1および第2の半周期の各々で伝えられる電気信号のピーク値が走査され、デジタル化されるように選択される。
【0092】
信号発生器デバイスは、
- 第1の交流電気信号を生成する信号発生器、および第1の交流電気信号から第2の交流電気信号を生成するためのインバーターであって、減衰器が、第2の交流電気信号を減衰させるためにインバーターの下流にある、信号発生器およびインバーター、
- 第1の交流電気信号を生成する第1の信号発生器、および第2の交流電気信号を生成する第2の信号発生器であって、第1の交流電気信号の周波数は基本的に、第2の交流電気信号の周波数に対応する、第1の信号発生器および第2の信号発生器、または
- 第1の交流電気信号を生成する信号発生器および第1の交流電気信号から第2の交流電気信号を生成するための移相器を含んでもよい。
【0093】
第1の交流電気信号は、インバーターで反転されてもよい。反転交流電気信号は、減衰器で減衰されてもよく、その結果反転交流電気信号の振幅は、低減される。それ故に、第1の交流電気信号から基本的に180°だけ位相がずれ、第1の交流電気信号の振幅よりも小さい振幅を含む第2の交流電気信号が、有利に提供される。
【0094】
評価器は、マイクロコントローラ、比較器、および有限オートマトンの群の少なくとも1つを含んでもよい。
【0095】
本発明のさらなる詳細および特徴は、図面と関連する以下の記述から生じる。