(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記案内部は、それぞれ前記運搬台(4;104;204;304)の第1の転動要素(9)と第2の転動要素(10)と第3の転動要素(11)とを支持し且つ案内する第1の案内部(6)と第2の案内部(7)と第3の案内部(8)とを少なくとも含み、前記第1の案内部(6)は、前記第2の案内部(7)及び前記第3の案内部(8)と対向し、前記第2の案内部(7)と前記第3の案内部(8)とは実質的に並んで配置されている、請求項1に記載の装置。
前記転動要素(9、10、11;409、410、411)は、前記案内部(6、7、8;406、407、408)に対して平行な前記平面において二等辺三角形の頂点に配置される、請求項1又は2に記載の装置。
前記運搬台(4;104;204;404)が移動する際、前記転動要素(9、10、11;409、410、411)は、それぞれの前記連結部分(60c、70c、80c、60d、70d、80d)を実質的に同時に通過する、請求項4に記載の装置。
前記案内手段(3)は、1つの前記転動要素(11)を前記それぞれの案内部(8)から係合解除するため及び前記運搬台(4)を前記案内手段(3)から取り外すために取外し可能である少なくとも1つの取付け部分(30)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
前記運搬台(4;104;204)は、転動要素(9)を回転可能に支持すると共に、互いに交差する、特に直交する第1の方向(Y)と第2の方向(Z)とに沿って前記転動要素の位置を調節するように構成された調節手段(50;150;250)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
前記調節手段(50)は、前記第2の方向(Z)に沿った位置調節が可能となるように前記運搬台(4)の本体(41)に接続される調節要素(51)を含み、前記調節要素(51)は、前記転動要素(9)を回転可能に支持する支持ピボット(60)を摺動的に収容し、前記支持ピボット(60)は、前記第1の方向(Y)に沿って前記調節要素(51)に対して位置調節可能である、請求項8に記載の装置。
前記調節手段(150;250)は、前記第1の方向(Y)に沿って調節可能な位置において前記運搬台(104;204)の本体(141;241)に回転可能に接続される支持アーム(151;251)を含み、前記支持アーム(151;251)は、前記転動要素(9)を回転可能に支持するのに適する、請求項8に記載の装置。
前記支持アーム(151;251)は、前記作動配置(A)にある前記転動要素(9)がそれぞれの前記案内部(6)に当接し且つ係合するロック位置(D)と、前記転動要素(9)がそれぞれの前記案内部(6)から係合解除され且つ/又は離間する解放位置(E)との間で、回転軸(W)の周りに回転移動可能である、請求項10に記載の装置。
弾性当接手段(170;270)および調節可能な当接手段(180;280)を含み、前記弾性当接手段(170;270)および前記調節可能な当接手段(180;280)は、前記支持アーム(151;251)を前記ロック位置(D)に反転的に固定するように構成されると共に、前記ロック位置(D)を所望の態様に調節すること、即ち前記回転軸(W)の周りで前記支持アーム(151;251)の角位置と前記第2の方向(Z)に沿った前記転動要素(9)の位置とを調節することができるように構成される、請求項11に記載の装置。
前記移動手段(302)は、電磁式であると共に、前記案内手段(303)の内側に収容され、かつ前記移動手段(302)は、固定子手段(314)を備える少なくとも1つのリニア同期モータを含み、前記固定子手段(314)は、前記少なくとも1つの運搬台(304)の内側に挿入された永久磁石手段(315)によって生じるそれぞれの磁界と相互作用する電磁界を生じるのに適する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
周知の包装機用の運搬装置は、包装機の様々な一連の作業ステーションを通って包装対象の容器を移動させるように構成され、これらの作業ステーションでは容器に対して、例えば製品の充填、秤量、キャッピング等の複数の作業が行われる。
【0003】
周知の運搬装置は、一般に、駆動プーリと遊びプーリとの周りにおいてループ状に閉じられると共に容器用支持要素を備える運搬ベルト又はストラップを含む。
【0004】
運搬ベルトは、上側移動部と下側返送部とを含むと共に、駆動プーリによって長手前進方向に移動される。上側部と下側部とは直線状且つ平行をなし且つ重ね合わされると共に、運搬ベルトの閉ループ回路を形成するような態様で駆動プーリと遊びプーリとの周りに巻かれるそれぞれの湾曲部により端部において互いに相互接続される。
【0005】
駆動プーリと運搬ベルトとは、一般に歯を備えて、互いに噛み合うようになっている。駆動プーリと運搬ベルトとの間における噛み合いは、プーリの角位置をベルトの線形位置と合致させると共に、以って容器と包装機の作業ステーションとの間において同期関係を維持することを可能にする。
【0006】
一般に「ゴデット」として知られる支持要素は、1つ以上の長手当接案内部と共同で容器を収容する座部を備える。
【0007】
支持要素は、一般に、例えば運搬装置を洗浄及び消毒する場合及び/又は容器の大きさを変更するために支持要素を交換する場合にベルトに取り付けること及び/又は取り外すことができるような態様で適切な掛着装置により運搬ベルトに取外し可能に接続される。運搬ベルトは支持要素を牽引し且つ移動させる。長手案内部は、包装機の作業ステーションにおいて前進方向に沿った容器の正確な配置が約束されるような態様で支持要素を支持し且つ案内する。
【0008】
しかしながら、長手案内部上において支持要素が摺動することは、包装対象の製品を汚染しかねない、支持要素及び/又は案内部材料の粒子の発生;包装機内にある電気的又は電子的手段又は装置の適正な動作に影響を及ぼしかねない静電荷の発生;運搬ベルトを駆動し且つ多数の支持要素の摺動摩擦に打ち勝つために有意な出力の動力化を必要とすること等の幾つかの欠点をもたらす。
【0009】
これらの欠点を克服するために、支持要素が、運搬ベルトにより接続され且つ移動されるそれぞれの運搬台に結合されると共に、適切な案内部又はレールに沿って転動するように構成される固定軸を有するローラ又はホイールを備える運搬装置が知られている。
【0010】
案内部は、運搬ベルトの形状及び寸法と実質的に同様の形状及び寸法を有する閉ループを形成する。運搬台は、一般に、運搬台の適切な安定性と位置決め精度とを確保するために対をなして配置されると共に案内部の対向する面に作用する4つのホイールを含む。これらのホイールは、一般に、案内部上において案内部の直線部と湾曲部とのいずれでも、より小さい間隙を有して移動することができるように、所定のホイールベースにより運搬台に固定される。
【0011】
固定軸ホイールを有する運搬台は、直線部上又は一定の曲げ半径を有する湾曲部上においてのみ、より小さい間隙を有して摺動することができ、直線部と湾曲部との両方を含む案内部上又は異なる曲げ半径を有する湾曲部を有する案内部上では、ホイールと案内部との間の間隙を許容不能なまでに大きくしない限りできない。
【0012】
この欠点を克服するために、「舵取り」運搬台、即ち案内部の各点において様々な角度で案内部に対して横向きに位置することができるように自由に回転することができるそれぞれの舵取り要素に取り付けられる1対のホイールを有する運搬台が用いられる運搬装置が知られている。このようにすると、運搬台は案内部のあらゆる点においてより小さい間隙を有して案内部に沿って移動可能となる。
【0013】
しかしながら、このような舵取り運搬台は、例えば舵取り要素を慎重に構成し且つ調節して、隙間を無くすと共に必要な動作精度及び安定性を確保することが必要になるため、非常に高費用且つ複雑である。
【0014】
更に、前述の運搬装置は、適切且つ効果的に洗浄及び消毒することができるように運搬台を容易且つ迅速に案内部に取り付けること又は取り外すことができないため、製薬及び/又は食品分野での使用には特に適さず、更に、このような運搬装置は舵取り要素に用いられる潤滑物質による汚染を引き起こしかねない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜
図5を参照すると、周知の種類であると共に図には示さない薬剤及び/又は化粧品及び/又は食品用自動包装機において容器100を運搬するように構成される本発明の運搬装置が1で示されている。運搬装置1は、1つ以上の運搬台4を移動経路Pに沿って、例えば前進方向Fに移動させるのに適する移動手段2を含み、各運搬台4には、包装対象の1つ以上の容器100を収容するように構成されるそれぞれの支持要素5、いわゆる「ゴデット」が取外し可能に結合される。運搬装置が複数の運搬台4を含む場合(この構成は図示せず)は、運搬台は設定段階により互いに規則正しく離間配置される。
【0022】
移動手段2は、プーリ手段21、22の周りに閉ループ状に巻かれると共にプーリ手段21、22により移動される、例えばベルト又はストラップ若しくはその他の細長可撓要素を含む。プーリ手段は、例えば、いずれもそれぞれの平行な回転軸X1、X2の周りで回転可能である駆動プーリ21と遊びプーリ22とを含む。遊びプーリ22は、前進方向Fに対して駆動プーリ21の上流に配置される。
【0023】
図示しない形態の装置において、プーリ手段は、ベルト2用に、幾つかのローブを有するループ状の閉回路を形成する3つ以上のプーリを含んでよい。
【0024】
ベルト2は、作動配置Aにおいて各運搬台4の掛着手段45、46(
図8に図示)と結合するように構成される牽引手段26と、少なくとも駆動プーリ21に形成される把持手段23と係合するように構成される更に他の牽引手段25とを含む。とりわけ、ベルト2は両歯型であり、外歯と内歯とがそれぞれ牽引手段26と更に他の牽引手段25とを形成する。
【0025】
更に他の牽引手段25と把持手段23との間における噛み合いは、駆動プーリ21の回転に従ったベルト2の牽引をもたらすと共に、プーリ手段21、22とベルト2との間における同期関係を確実にして、ベルトに対する滑動及び摺動を防ぐ。
【0026】
図に示さない形態の運搬装置1においては、移動手段は、プーリ又はホイールにより移動されると共に、運搬台4に接続される連接アーム又は同様の機構を含む牽引手段を備えるストラップ又は鎖を含んでよい。
【0027】
運搬装置1は、更に、それぞれの転動要素9、10、11、とりわけホイールを備える運搬台4を摺動的に支持すると共に移動経路Pに沿って案内する案内手段3を含む。案内手段3は更にベルト2を、プーリ21、22の周りに巻かれていない部分において支持する。
【0028】
案内手段3は、更にまた、運搬ベルト2と並んで位置する閉ループを形成するような態様に延在する。
【0029】
案内手段3は、延いては包装機の支持構造36に固定されることを意図される、運搬装置1のフレーム手段35に固定されると共に、このフレーム手段35によって支持される。
【0030】
案内手段3は、フレーム手段35に接続されると共にフレーム手段35によって支持される案内部本体31を含み、この案内部本体31には、運転台4の作動配置Aにおいて、それぞれ上述の運搬台4の第1の転動要素9と第2の転動要素10と第3の転動要素11とを支持し且つ案内するように構成される3つの別個の平行な案内部、とりわけ第1の案内部6と第2の案内部7と第3の案内部8とが固定される。転動要素9、10、11は、
図1〜
図5に示す実施形態を参照すると、互いに平行をなすと共に特にプーリ21、22の回転軸X1、X2に対して平行をなすそれぞれの回転軸の周りにおいて回転自在である、運搬台4に取り付けられるそれぞれのホイールを含む。
【0031】
有利には、滅菌環境における製薬用途においては、摩耗及び汚染を減らすために、案内部6、7、8はステンレス鋼又は陽極処理アルミニウムにより製作されてよく、ホイール9、10、11は米国食品医薬品局の基準に従った(FDA認可の)ポリウレタン被覆ステンレス鋼により製作されてよい。
【0032】
図5に示す実施形態では、特に案内部6、7、8に直交し且つプーリX1、X2の回転軸に対して平行をなす横断面において、第1の案内部6は第2の案内部7と対向し(且つとりわけ第2の案内部7と同一平面上にあり)且つ第3の案内部8と対向しており、即ち第1の案内部6は第2の案内部7と第3の案内部8とに対して案内部本体31の反対側に配置される。第2の案内部7及び第3の案内部8は実質的に並行且つ隣接して配置される。このような態様で、作動配置Aにおいて、運搬台4は案内手段3に接続されると共に、案内手段3からもはや接続解除不能となる。
【0033】
図示しない変形態様の装置において、第3の案内部8は第2の案内部7と並行及び隣接しなくてもよく、換言すれば、案内部6、7、8を横断する方向の平面に沿って千鳥状に配置されてよい。
【0034】
図示しないまた他の変形態様の運搬装置では、3つの案内部6、7、8は、(横断面において)角度的に120°離間して配置される。
【0035】
案内手段3は、更に、案内部本体31に固定されると共にベルト2を摺動的に支持するように構成されるまた他の案内部本体32を含む。案内部本体31とまた他の案内部本体32とを一体化させて単一体にすることができる。
【0036】
案内部6、7、8は、上述のホイール9、10、11のそれぞれの移動軌道60、70、80を形成し、これらの移動軌道は、本明細書において更により詳細に説明するように、各ホイール9、10、11が移動経路Pに沿ってそれぞれの案内部6、7、8の各点でそれぞれの案内部6、7、8と実質的に皆無又は非常に縮小された隙間を有する接触状態に維持されるように、互いに接合され且つ形成される。換言すれば、案内部6、7、8は、周知のように転がり摩擦は滑り摩擦よりはるかに減じられるため、運搬台のホイールがより低い摩擦でそれに沿って転動することができる軌道又はレールを形成する。
【0037】
図1〜
図5に示す実施形態において、案内部6、7、8は、案内部本体31の上に直接形成されると共に、運搬台4のホイール9、10、11と係合すると共にこれらのホイールを横方向に固定するような態様の形状、例えば台形状の断面を有する長手方向の盛上り部を含み、ホイールは相補的形状を有する条溝を備える。
【0038】
このような態様で且つ案内部6、7、8が相互に配置されることにより、作動配置Aにおいて、各運搬台4は移動経路Pに沿ってのみ移動可能となると共に、案内部6、7、8を横断する方向には移動不能となる。特に、第1の方向Yはホイール9、10、11の回転軸と、ベルト2の上側部分により形成されると共に容器100がその上において摺動する摺動面Mとに対して平行をなす。第2の方向Zは、第1の方向Yと前述の摺動面Mとに直交する。
【0039】
運搬台4の第1のホイール9は、互いに横方向且つ長手方向に離間する第2のホイール10と第3のホイール11とに実質的に対向する。特に、第3のホイール11は、運搬台4の前進方向Fに対して第2のホイール10の上流に配置される。このような態様で、正面図では、案内部6、7、8に対して平行をなす、即ちホイール9、10.11の回転軸と直交する平面上において、これらのホイールは三角形、とりわけ二等辺三角形の頂点に配置されるように見える。換言すれば、ホイール9、10、11の回転軸は、案内部6、7、8に対して平行な前述の平面(
図2)上において、三角形の頂点を形成する。これらのホイールは、案内部6、7、8と直交する横断面(
図5)において、前述の平面と同一平面上に位置するわけではなく、横方向に離間する(少なくとも第2のホイール10及び第3のホイール11)ことに注意されたい。この(「三角形」)構成により、運搬台が移動する時に、特に直線部と湾曲部との間に挟み込まれる案内部の接続部において、運搬台の最大限の安定性が確保される。
【0040】
本発明の運搬装置1の図に示さない態様において、案内手段3は、例えば並行対として配置される4つの案内部を含み、第1の対をなす案内部は第2の対をなす案内部と対向し、即ち第2の対をなす案内部に対して案内部本体31の反対側に配置される。
【0041】
その結果として、運搬台は、それぞれの案内部と係合するのに適する4つのホイールを含む。正面図において、案内部に対して平行な平面上では、2つのホイール、例えば第1の対をなす案内部と係合するホイールは、それぞれの回転軸を実質的に整合させて並行に配置されると共に横方向に離間する。第2の対をなす案内部に係合する残りの2つのホイールは、互いに横方向且つ長手方向に離間する。このため、この態様では更にまた、案内部に対して平行な平面上において、4つのホイールは、整合した軸を有する対状のホイールが実質的に単一ホイールとして作用するため、三角形、特に二等辺三角形の頂点に配置される。この「三角形」構成により、運搬台が移動する時に、特に直線部と湾曲部との間に挟み込まれる案内部の接続部において、運搬台の最大限の安定性が確保される。4つの案内部の存在は、運搬台が特に重い負荷を運搬する場合に、案内部とホイールとに作用する負荷及び力がより良好に分配されることを可能にする。
【0042】
図1に例として示す運搬装置1の実施形態を参照すると、プーリ21、22の周りに閉ループ状に巻回される可撓性移動手段2は、プーリの位置で湾曲部分により接続される上側部分又は運搬側部分と下側部分又は返送側部分とを含む。
【0043】
同様に、案内手段3は、第1の上側直線部12と第1の湾曲部13と第2の下側直線部14と第2の湾曲部15とを含む。湾曲部13、15は半円形状を有する。
【0044】
また他の案内部本体32は、直線部12、14のみに延在する一方で、案内部本体31は湾曲部13、15にも延在する。
【0045】
第1の直線部12において、案内手段3は、包装対象の容器100を運搬する運搬台4を支持し且つ案内する。第2の下側直線部14と湾曲部13、15とにおいて、案内手段は、支持要素5が容器100を有さない運搬台4を支持する。
【0046】
案内手段3の直線部12、14では、案内部6、7、8の移動軌道60、70、80は、それぞれの直線部分60a、70a、80aを構成する。湾曲部13、15では、案内部6、7、8の移動軌道60、70、80は、例えばそれぞれの一定の曲げ半径を有するそれぞれの湾曲部分60b、70b、80bを構成する。
【0047】
移動軌道60、70、80の直線部分60a、70a、80aと湾曲部分60b、70b、80bとは、運搬台4のホイール9、10、11がそれぞれの直線部分60a、70a、80aからそれに続く湾曲部分60b、70b、80bへ、及びその逆に実質的に同時に移動するような態様で移動経路Pに沿って連続して配置される。このような態様で、運搬台4のホイール9、10、11は、それぞれの案内部6、7、8と実質的に間隙を有さずに一定且つ適正な接触を維持しながら、舵取りホイールを必要とすることなしに運搬台4が直線部からそれに続く湾曲部へ、及びその逆に通過することを可能にする。
【0048】
第1の直線部12(又は第2の下側直線部14)の直線部分60a、70a、80aと第1の湾曲部13(又は第2の湾曲部15)の湾曲部分60b、70b、80bとの間には、連結部分60c、70c、80cが設けられる。
【0049】
同様に、第1の湾曲部13(又は第2の湾曲部15)の湾曲部分60b、70b、80bと第2の直線部14(又は第1の直線部12)の直線部分60a、70a、80aとの間には、また他の連結部分60d、70d、80dが設けられる。
【0050】
上述の連結部分60c、70c、80c、60d、70d、80dは、衝撃及び振動を免れたホイールと案内部との間において連続的且つ恒常的な接触が得られるように、直線部分と湾曲部分との間及びその逆におけるホイール9、10、11の一様且つ通例的な通過を可能にするような態様に形成される。連結部分は、例えば、通常の周知の計算手段を用いて計算可能であり、且つ運搬台のホイールの跳躍及び衝撃を伴わない連続的転動を可能にするような一定の半径を有する湾曲部の一部分又はサイクロイド曲線、多項式曲線等である。
【0051】
図に示さない更に他の実施形態において、案内手段は、適切な連結部分により接続される、異なる曲げ半径を持つそれぞれの湾曲部分を構成する移動軌道を有する湾曲部を含んでよい。実際には、案内手段は様々な移動経路Pを形成することができる。
【0052】
本発明の運搬装置1は、運搬台4と案内部6、7、8との間の間隙を、案内部のあらゆる点で、更にまた前述の案内部の直線部と湾曲部との間の連結部分においても確実に減少させると共に無視できる程度にし、且つ更には固定軸、即ち非舵取り軸を持つホイールを有する1つの運搬台4を用いて、容器100を正確且つ的確な態様で移動させることを可能にすることに注意することが適切である。これにより、本明細書において以下によりわかりやすく例証するこのような運搬台4は、これらの用途に通常的に用いられる舵取りホイール付き運搬台より単純且つ頑丈且つ安価となる。
【0053】
本発明に従った運搬装置は、更に、各案内部が1つのホイールのみを支持するため、案内部の摩耗を更に減少させることができる。
【0054】
図6〜
図13に、掛着手段45、46(作動配置Aにおいてベルト2の牽引手段26と結合するように構成される)を下側41aに、容器100のそれぞれの支持要素5と取外し可能に接続される結合手段71、72を上側41bに備える本体41を含む運搬台4が詳細に示されている。
【0055】
本体41から、第2のホイール10と第3のホイール11とが自由回転可能な態様に固定される支持体42が横方向且つ下方に延在する。支持体42は、略台形の形状を有すると共に運搬台4の総重量を軽減するために形成された中央貫通開口42aを備える板を含む。
【0056】
第2のホイール10と第3のホイール11とは、並行に配置される第2の案内部7と第3の案内部8とにこれらのホイールを係合可能にするために、異なる長さを有する接続軸28とまた他の接続軸29とにより、それぞれ支持体42に固定される。第2のホイール10と第3のホイール11とは、対をなす転がり軸受91により、それぞれの接続軸28、29に取り付けられる。
【0057】
第1のホイール9は、この第1のホイール9を支持すると共にその第1の方向Yと第2の方向Zとに沿った位置を正確に調節可能にする調節手段50により運搬台4に取り付けられる。
【0058】
図10及び
図11に詳細に示すように、調節手段50は、本体41の下側41aに設けられる下側座部48内に部分的に収容される調節要素51を含む。
【0059】
この調節要素51は、第1のホイール9を格納すると共にこの調節要素52上に2つの向き合う対向壁部53、54を形成させるのに適する第1の貫通キャビティ52を備える。これらの壁部53、54上に、第1の方向Yに対して平行な軸を有して実質的に同軸をなす2つのそれぞれの貫通円形開口が形成され、これらの開口は、例えば対をなすそれぞれの転がり軸受92を介在させることにより第1のホイール9が回転可能に取り付けられる支持ピボット60を受けるのに適する。
【0060】
支持ピボット60は、例えば、組立上の必要性により、ねじ接続部を手段として互いに結合される2つの部分からなる。
【0061】
第1の方向Yに沿った第1のホイール9の横方向位置は、本体41に付随すると共に前述の支持ピボット60の対向端部に作用する第1の固定手段61、62を手段として、支持ピボット60の位置を調節要素51に対して変化させることによって調節可能である。
【0062】
第1の固定手段は、特に、本体41のそれぞれのねじ穴43、44に係合する第1のねじ61と第1のグラブねじ62とを含む。
【0063】
第2の方向Zに沿った第1のホイール9の横方向位置は、本体41に調節可能な態様で接続される調節要素51の位置を第2の固定手段63、64により変化させることによって調節可能である。
【0064】
この目的のために、本体41の座部48の内側に配置される調節要素51の内面55上且つこの調節要素51の一端において、座部48の底壁48aに当接する横方向盛上り部56が設けられる。この横方向盛上り部56は、その周りにおいて調節要素51を本体41に対して回転させることができる支点として機能する。回転の大きさは、例えば本体41に螺着されるねじ又はグラブねじを含む調節可能な当接部65に作用を及ぼすことにより定められる。調節可能な当接部65は、横方向盛上り部56に近い端部とは反対側の調節要素51の端部において、内面55に作用する端部分を有して本体41から突出する。調節可能な当接部65の前述の端部分の長さは、調節可能な当接部65を適切に螺入すること又は緩めることによって較正可能である。
【0065】
第2の固定手段63、64は、調節要素51の両側において、本体41のそれぞれの貫通穴に挿入されると共に内面55に形成されるねじ穴に係合する1対のねじを含む。このため、第2の固定手段63、64を締めることにより、横方向盛上り部56と調節可能な当接部65との間の協働によって、とりわけ本体41から突出する調節可能な当接部65の端部分の長さによって画定される角位置に調節要素51を固定することができる。
【0066】
横方向盛上り部56の周りにおける調節要素51の回転に従って、第1のホイール9の回転軸は弓状の調節軌道に沿って移動することに注意されたい。それでもなお、この回転が非常に縮小された規模であることから、この軸の移動は実質的に線形且つ第2の方向Zに対して平行と見なされる。
【0067】
調節手段50により、このように案内部を横断する方向に第1の方向Yと第2の方向Zとにホイール9の位置を迅速且つ単純に、しかも同時に非常に正確に調節すると共に、このような態様でホイールと案内部との間における構造上及び/又は組立上の間隙を解消すること若しくは有意に減少させることが、又は特に第2の方向Zに沿って好適な態様で案内部上のホイールに予圧を加えることさえ可能になる。
【0068】
図8及び
図9に詳細に示すように、掛着手段45、46は、本体41の下側41aに形成されると共に、ベルト2の外歯26と係合するように構成される歯部分を含む。特に、掛着手段は、第1のホイール9の位置において中央に配置される第1の歯部分45と、運搬台4の両側の端部に配置される2つの第2の歯部分46とを含む。
【0069】
使用時において、運搬台がベルト2により移動されると、中央の歯部45は常にベルト2と係合したままである一方で、周縁歯部分46は、運搬台4がベルト2の直線部から湾曲部に、及びその逆に移動する時にベルト2に対して係合/係合解除する。
【0070】
側部格納手段47が、中央の歯部45の位置において運搬台4に設けられて、支持体42と協働して、ベルト2と運搬台4との間における第1の方向Yの相対移動を防ぐ。
【0071】
側部格納手段47は、とりわけ、本体41の下側41aに固定されて運搬台4の作動配置Aにおいてベルト2のフランクに当接するようになっている1対の付属体を含む。
【0072】
結合手段は、例えば、運搬台4の本体41の上側41bに形成されると共に支持要素5のまた他の結合手段73、74を受けることを意図される1対の横溝71、72を含む。結合手段73、74は、とりわけ支持要素5の底壁に固定される1対のパッドを含む。
【0073】
例えば「L」形の断面を有する横溝71、72は、ホイール9、10、11の回転軸に対して実質的に平行をなすと共に、以って作動配置Aにおいて案内部6、7、8に対して直交する。
【0074】
支持要素5は、運搬台4と連結するように構成されると共に結合手段73、74と1つ以上の容器100を収容する支持部分76とを含む接続部分75を含む。
【0075】
固定手段81、82は本体41の上側41bに設けられて、組立位置B(
図11及び
図13)で支持要素5を運搬台4上において停止させる。
【0076】
固定手段81、82は、例えば、本体41に形成されるそれぞれの座部内に摺動的且つ弾性的に収容されると共に、支持要素5が組立位置Bにある時に支持要素5のキャビティに係合するのに適する当接部分を備える1つ又は2つ、例えば2つの停止ピボットを含む。停止ピボット81、82は、それぞれの座部の内側において移動可能であると共に、座部の内側に弾性的に入り込むことができて、支持要素5の挿入又は抜脱を可能にする。
【0077】
結合手段71、72及びまた他の結合手段73、74と固定手段81、82とにより、例えば包装対象の容器の大きさを変更する場合又は装置及び/又は包装機の洗浄/消毒処理の場合に、このように支持要素5を運搬台4に迅速且つ簡単且つ正確に取り付けること/取り外すことができる。結合手段71、72、73、74は、特に、前進方向Fにおける異動経路Pに沿った支持要素5の、以って容器100の適正な配置を確実なものとする。固定手段81、82は、第1の方向Yに沿った支持要素5の適正な配置を確実なものとする。
【0078】
案内手段3は、運搬台4の1つのホイールをそれぞれの案内部から係合解除するために移動経路Pに沿った所定の取外し位置Rにおいて取外し可能である1つ以上、例えば2つの各取付け部分30(
図1に示す)を備える。このように、ホイールを案内部から係合解除することにより、運搬台4を案内手段3及びベルト2から分離させ且つ取り外すことが可能になる。
【0079】
各取付け部分30は、例えば、対応する第3の案内部8の一部分に関連付けられた案内部本体31の一部分を含み、取付け部分30は第3の案内部8の移動軌道80の連結部分80cを含む。
【0080】
取付け部分30は、例えばねじ要素により案内部本体31に取外し可能に固定される。
【0081】
運搬台4を案内手段3から取り外す2つの後続段階を示す
図14及び
図17に示すように、一旦取付け部分30が案内手段3から取り外されると(段階1)、取外し位置Rにおいて、第3のホイール11が係合解除される(
図14及び
図15)。このような態様で、運搬台4を回転させると共に、それぞれの案内部6、7から第1のホイール9と第2のホイール10とを係合解除させるような態様に持ち上げることができる。同時に、掛着手段45、46をベルト2の外歯26から係合解除させることができる(段階2)。この点で、運搬台4を第1の方向Yに沿って移動させることにより、運搬台4を案内手段3及びベルト2から取り外すことができる(段階3は図示せず)。
【0082】
取付け手順は、上述の同じ段階を含むが、逆の順序で行われる。
【0083】
このように、本発明の運搬装置1は、運搬台及び/又は装置全体に日常の又は特別な保守又は洗浄及び/又は消毒処理の作業を行うことができるように、運搬台4を案内部6、7、8に対して非常に迅速且つ簡単に挿入すること及び取り外すことを可能にする。運搬台4は、部分的に分解することさえ必要とせずに、例えば1つ以上のホイールを支持体42から取り外さなくても挿入/取外し可能であることに注意することが適切である。
【0084】
長手盛上り部の形態をとる成形断面を有する案内部6、7、8がその上に形成された案内部本体31と、この案内部本体3
1と一体化されるまた他の案内部本体32とを含む案内手段3の構造は、特に単純であり、とりわけ、凹部又はキャビティを有さない容易に洗浄可能な表面を特徴とするため、洗浄及び消毒作業に適する。
【0085】
図18〜
図26に、第1のホイール9を支持すると共にこのホイールの第1の方向Y及び第2の方向Zに沿った位置調節を可能にすることに加えて、案内手段に取付け部分を設ける必要なしに運搬台104を案内手段3のあらゆる点で取付け又は取外し可能にする異なる構造の調整手段150により、既に開示した運搬台とは異なるまた他の実施形態の運搬台104が示されている。
【0086】
調節手段150は、支持アーム151を含み、支持アーム151は、ホイール9、10、11の回転軸に対して実質的に平行をなすそれぞれの回転軸Wの周りに回転するような態様で運搬台104の本体141に回転可能に接続されている。
【0087】
細長形状と略四辺形の断面とを有する支持アーム151は、その中央部分において、それぞれ支持ピボット160を有しており、支持ピボット160には、第1のホイール9(
図22)が1対のそれぞれの転がり軸受93を介して回転可能に取り付けられている。
【0088】
支持アーム150の端部分は、運搬台104の作動配置Aにおいて第1の方向Yに対して平行な回転軸Wに沿って位置を調節することができるような態様で本体141に固定される(
図23)。
【0089】
この目的のために、支持アーム151は、本体141に調節可能に接続される調節ピボット152に回転可能に取り付けられる。とりわけ、支持アーム151の端部分は、調節ピボット152を回転可能に収容するように構成されるスリーブ162を支持する側部付属体161を含む。調節ピボット152は、本体141内に設けられるハウジング143の内側で摺動すると共に、このハウジング内において第3の固定手段155、156により所望の位置に固定される。この第3の固定手段は、例えば、本体141に螺着されると共にハウジング143の内側において調節ピボット152の調節可能な当接部として作用するそれぞれの第1のねじ又はグラブねじ155を含む。第3の固定手段の第2のねじ156は、本体141に係合すると共に、調節ピボット152を所定の位置において第1のねじ155に当接させて固定維持するような態様で調節ピボット152に螺着される。
【0090】
このため、ハウジング143の内側において第1のねじ155の位置を変化させることにより、調節ピボット152の、以って支持アーム151の位置を第1の方向Yに沿って調節することができる。
【0091】
支持アーム151は、弾性当接手段170と調節可能な当接手段180とを手段として、それぞれの回転軸Wの周りにおいて所望のロック位置Dに固定可能である。調節可能な当接手段180は、所望のロック位置Dを画定し且つ調節することも可能にする。
【0092】
弾性当接手段170は、支持アーム151の長手キャビティ156の内側に部分的且つ摺動的に挿入されると共に、この長手キャビティ156から突出する自由端部に、少なくともロック位置Dにおいて、運搬台104の本体141上に形成される成形されたロック部分144に当接するのに適する小ホイール172を備えるステム171を含む。
【0093】
例えばコイルばねを含む弾性手段157は、長手キャビティ156の内側に挿入されると共に、ステム171を外方に押すような態様で作用する。長手キャビティ156の内側におけるステム171の最大行程は、小ホイール172とは反対側のステム170の端部に形成される貫通スロット174の長さによって画定され、この貫通スロット174は支持アーム151に固定される横ピン175と係合する。
【0094】
成形されたロック部分144は、支持アーム151の回転軸Wに直交する断面において、傾斜し且つ対向する第1の表面144aと第2の表面144bとにより形成される、ステム171の方に向く先端又は頂点を形成する。
【0095】
調節可能な当接手段180(
図24に詳細に示す)は、支持アーム151のまた他の側部付属体163に調節可能な態様で接続される当接ピボット181と、運搬台104の本体141に固定されると共にロック位置Dにおいて当接ピボット181に当接するように構成される行程端要素182とを含む。
【0096】
行程端要素182は、多大な機械抵抗と耐磨耗性とを有する材料により形成されると共に運搬台の本体141の実質的に平坦な棚状部145に固定される例えば円柱状の挿入体を含む。
【0097】
ロック位置Dにおいて、支持アーム151とこの支持アームにより支持される第1のホイール9とは、弾性当接手段170と調節可能な当接手段180との相互作用により、第2の軸Zに対して所定の位置に安定的に固定される。特に、当接ピボット181は、弾性手段157により押されて第1の表面144aに当接するステム171によって加えられる力により、行程端要素182に当接し、以って支持アーム151の所望の位置を確定して維持される。第1の表面144aは、実際には、
図18及び
図20において、上述の支持アーム151の、例えば反時計方向の適切な回転を促進するような態様に傾斜する。
【0098】
支持アーム151のロック位置Dにおいて、運搬台104が案内手段3に取り付けられると、第1のホイール9は第1の案内部6に係合する。第2の軸Zに沿った且つ第2のホイール10と第3のホイール11とに対する第1のホイール9の位置は、全てのホイールがそれぞれの案内部と、間隙が減じられた状態で又はこのように当接ピボット181を調節することにより調節可能である所定の締付(予圧)力で、適正に接触することが約束されるような位置である。換言すれば、当接ピボット181は、ステム171により加えられる力の一部分を放散させるのに貢献し、従って、この力が完全にホイール9及びそれぞれの案内部6に負荷されることはない。
【0099】
小ホイール172を第1の表面144a上において転動させて、以ってステム171により加えられる力を克服すると共に、然る後に第2の表面144b上で転動させる(
図18及び
図20において反時計方向に)ような態様で支持アーム151を回転させることにより、当接ピボット181を行程端要素182から離れる方向に移動させると共に、第1のホイール9を第1の案内部6から係合解除することができる。
【0100】
小ホイール172が第1の表面144aに当接する第1の段階において、弾性手段157はこの回転に対抗し(弾性手段157は支持アームをロック位置Dに維持する傾向にあるため)、小ホイール172が第2の表面144bに当接する第2の段階において、弾性手段157は、第2の表面144bの傾斜により、この回転を促進する。
【0101】
その後、支持アーム151を完全に上方に回転させて、第1のホイール9が本体141上に載置されると共に第1の案内部6から離間する取外し位置Eにつけることができる(
図26参照)。
【0102】
取外し位置Eでは、運搬台104を移動経路Pに沿った案内手段3のあらゆる位置において案内手段3から容易且つ迅速に取り外すことができることに注意することが適切である。案内手段3は、この場合は、取外し可能な取外し部分を有さない。
【0103】
図27〜
図30に、異なる構造の調節手段250、とりわけ支持アーム251及び当接手段270、280により、上記に記載の実施形態とは異なる変形態様の運搬台204が示されている。
【0104】
支持アーム251は、既に示した運搬台104の支持アーム151と実質的に同様である態様で運搬台204の本体241に回転可能に接続される。
【0105】
支持アーム251の端部分は、実際には、それぞれの回転軸W´に対して平行に、即ち運搬台204の作動配置Aにおいて第1の方向Yに沿って位置調節可能となるような態様で本体241に固定される。
【0106】
支持アーム251は、本体241に調節可能に接続される調節ピボット252に回転可能に取り付けられる(
図29参照)。特に、支持アーム251の端部分は、調節ピボット252と回転可能に係合するスリーブ262を含む。調節ピボット252は本体241のハウジング253内に挿入され、このハウジング内において第4の固定手段255、256により所望の位置に固定される。
【0107】
更にまた、この変形態様では、支持アーム251は、自身の中央部分において、第1のホイール9(
図28)が1対の転がり軸受を介して回転可能に取り付けられるそれぞれの支持ピボット260を有する。
【0108】
支持アーム251は、弾性当接手段270と調節可能な当接手段280とにより、それぞれの回転軸W´に対して所望のロック位置B´に固定可能である。
【0109】
特に
図30を参照すると、弾性当接手段270は、運搬台204の本体241に摺動的且つ弾性的に接続されると共に、少なくともロック位置B´において、スリーブ262とは反対側の支持アーム251の端部に自由に回転可能に取り付けられるローラ263に当接するのに適する成形された作動端272を備えるステム271を含む。
【0110】
ステム271は、この目的のために長手貫通キャビティ274aを備える固定ブシュ274の内側に部分的に挿入される。固定ブシュ274は、本体241のねじ付き貫通穴243内に挿入され且つ螺入される。成形された作動端272の反対側の、固定ブシュ274から突出するステム271の端部273は、ステム271がローラ263と当接しない時に固定ブシュ274から完全に突出することを防ぐ横ピン275を有する。
【0111】
例えばコイルばねを含む弾性手段276が、長手貫通キャビティ274aの内側に挿入されると共に、ステム271を支持アーム251の方へと押すような態様で作用する。
【0112】
調節可能な当接手段280は、本体241に調節可能な態様で接続される当接ピボット281と、支持アーム251に固定されると共にロック位置B´において当接ピボット281に当接するように構成される行程端要素282とを含む。
【0113】
行程端要素282は、特に、スリーブ262を含む支持アーム251の端部分に形成される側部付属体261に固定される。
【0114】
当接ピボット281は、本体241のそれぞれのねじ穴244内に螺入されると共に、そこに1対のナットにより固定されるねじ部分を含む。
【0115】
ロック位置B´において、支持アーム251とこの支持アームにより支持される第1のホイール9とは、弾性当接手段270と調節可能な当接手段280との相互作用により、第2の軸Zに対して安定的に固定される。当接ピボット281を調節することにより、ロック位置B´を調節することができる。行程端要素282は、弾性手段276により押されてローラ263に当接するステム271によって加えられる力により、当接ピボット281に当接し、以って支持アーム251の位置を確定して維持される。ステム271の成形された作動端272は、実際には、
図27及び
図30において、例えば反時計方向に支持アーム151の回転を促進するような態様に傾斜する面272aを有する。
【0116】
支持アーム251のロック位置B´において、運搬台204が案内手段3に取り付けられると、第1のホイール9は第1の案内部6と係合する。第2の軸Zに沿った、第2のホイール10及び第3のホイール11に対する第1のホイール9の位置は、より小さい間隙で全てのホイールとそれぞれの案内部とが適正に接触することが約束されるような位置である。換言すれば、当接ピボット281は、ステム271により加えられる力の一部分を放散させるのに貢献し、従って、この力が完全にホイール9及びそれぞれの案内部6に負荷されることはない。
【0117】
更にまた、この変形態様の運搬台204では、
図27及び
図30において例えば時計方向に支持アーム251を適切に回転させて、行程端要素282を当接ピボット281から離れる方向に移動させると共に、以って第1のホイール9を第1の案内部6から係合解除することができる。
【0118】
第1の段階において、例えば横ピン275を手段として手動的にステム271に力を及ぼして弾性手段276の力を圧倒することにより、作動端272をローラ263から離れる方向に移動させる。一旦作動端272とローラ263とが結合解除されると、第2の段階において、ローラ263がステム271を通り過ぎた時に支持アーム151を完全に上方に回転させて、第1のホイール9が第1の案内部6から離間して、例えば本体241上に載る取外し位置(図示せず)に付けることができる。この取外し位置では、運搬台204を案内手段3により移動経路Pに沿った案内手段3のあらゆる点において容易且つ迅速に取り外すことができる。
【0119】
図31に、移動手段302が磁気式であることにより、既に開示した実施形態とは異なる態様の本発明の運搬装置1が示されている。
【0120】
特に、移動手段302は、案内手段303の内側に収容されると共に、各運搬台304の内側に挿入される永久磁石手段315により生じしめられるそれぞれの磁界と相互作用する電磁界を生じしめるのに適する固定子手段314を備えるリニア同期モータを含む。
【0121】
移動手段302と案内手段303とは、特にマグネモーション社(Magnemotion Inc.)により開発されると共に国際公開第03/029651号、国際公開第01/71684号、国際公開第01/38124号、国際公開第2008/005428号、国際公開第2007/013991号に開示されている種類のリニア同期モータ(LSM)電磁運搬システムを形成する。固定子手段は、案内手段303のまた他の案内部本体332の内側に挿入されると共にこの案内手段の全長にわたって延在する固定子又は一次巻線314を含む。これに代わる方法として、移動手段302は、複数の区間又はモータ区画を含んでよく、各モータ区画は、案内手段303の内側に挿入される一連のモータ区画に沿って運搬台304の移動を調整する指令を供給し且つ受けるような態様で隣接する区画の固定子314と連通する固定子314を含む。各運搬台304は、実際には、本体341の下側341aに、リニアモータの固定子314の巻線内を交流電流が流れることによって生じる電磁界と相互作用する磁界を生じしめる永久磁石315を備える。磁界と電磁界との間における相互作用が運搬台304に推進力を与えて、以って運搬台は案内手段303の案内部6、7、8に沿って移動するようになる。
【0122】
運搬装置1が付随することがある包装機の制御装置に含まれる、図に示さない制御システムは、位置、速度及び加速の点で独立的に且つ同時に案内部6、7、8上にある複数の運搬台304を移動させ且つ制御することを可能にする。
【0123】
各運搬台304は、更に、運搬台304の、以ってこの運搬台により運搬される単一又は複数の容器100の正確な位置を高精度で実時間に判断するために制御システムにより検出可能である信号を固定子314内において誘導する図示しないセンサ又は変換器を含む。制御システムは、案内部6、7、8に沿った隣接する運搬台304の衝突を防ぐこともできる。
【0124】
各運搬台304は、異なる種類の動き及び/又は移動速度で移動経路Pに沿って移動されてよい。例えば、運搬装置1が包装機に取り付けられる場合は、移動経路Pは、案内手段303の第1の上側直線部において、包装機の作業ステーションが容器100に対して作業及び/又は処理を行う複数の作業部と2つの隣接する作業部間に挟み込まれる複数の移送部とに分けられてよい。異なる作業部分及び/又は移送部において、運搬台304は異なる種類の動き及び/又は速度で移動されてよい。
【0125】
本発明の運搬装置1のこのような変形態様は、案内手段303が、作業装置及び/又は後続の包装機及び/又は処理装置のそれぞれの作業ステーションを通って運搬台304を選択的に移動させるために互いに平行に且つ/又は連続的に配置される複数の移動経路Pを有して形成されることを可能にする。案内手段303は、容器100が摺動する摺動平面Mに実質的に直交する平面上に構成されるか、又は前述の摺動平面に対して実質的に平行をなす平面上に構成される何らかの形態の閉ループを形成するような態様で延在してよい。
【0126】
図32及び
図33に、この場合は、案内手段403に係合するのに適するそれぞれの支持ボール409、410、411を含む、運搬台404の異なる転動要素により、上記に開示した実施形態とは異なる本発明の運搬装置1のまた他の実施形態が示されている。案内手段403は、案内手段403の案内部本体431上に直接形成されると共に上述のボール409、410、411を部分的に受けるように構成される長手溝の形態をとる案内部406、407、408を含むと共に、これらのボールの自由な転動を可能にする。各長手溝406、407、408は、弓形の断面を有するそれぞれの摺動壁を含む。
【0127】
ボール409、410、411は、例えばボール409、410、411と補強内部軌道との間に挟み込まれる転動循環ボール機構を含む周知の種類の適切なブシュ組立体415により運搬台404に固定される。
【0128】
第1の転動要素409は、対応するブシュ組立体415により運搬台404の本体441の下側441aに固定されるそれぞれのボールを含む。第2の転動要素410及び第3の転動要素411は、対応するブシュ組立体415により運搬台404の支持体442に固定されるそれぞれのボールを含む。この目的のために、本体441及び支持体442は、ブシュ組立体415を受けるのに適する座部を含む。
【0129】
更にまたこの場合は、ボール409、410、411は、正面図において案内部406、407、408に対して平行な平面上では、三角形の、とりわけ二等辺三角形の頂点に配置されるように見える。特に、ボール409、410、411の瞬間回転軸は前述の平行な平面上において三角形の頂点を形成する。換言すれば、ボール409、410、411は、正面図において、案内部406、407、408に対して平行且つボール409、410、411の瞬間回転軸に対して垂直な平面上では、三角形の、とりわけ二等辺三角形の頂点に配置されるように見える。
【0130】
このような実施形態の運搬装置1は、また他の利点を得ること、とりわけ、案内部本体431における機械加工によって直接得ることができる長手溝を含む、より高速且つより簡単且つより安価に製作することができる案内部406、407、408の構造の更なる単純化を可能にする。更に、ボール409、410、411とそれぞれのブシュ組立体415とは、運搬台404に迅速且つ簡単に取付け又は取外し可能である。
【0131】
開示の運搬装置は、本発明の範囲から逸脱することなしに改変可能である。例証しない変形態様において、案内手段は、例証した変形態様とは異なる態様で案内部本体上に配置される案内部を含んでよく、例えば、これらの案内部は角度的に等間隔の態様に配置されると共に、同じ案内部本体に対する半径方向の距離に従って配置されてよい。このため、運搬台は、それぞれの案内部と結合されるのに適するホイール、とりわけ案内部の半径方向に対して垂直をなす軸を有するホイールを含む。