(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
N−ビニルラクタム、ビニルエステル、およびポリエーテルを含むモノマー混合物のフリーラジカル重合により得られるグラフトコポリマーの、農薬活性を増強させるための使用であって、農薬はメトラフェノンまたはジフェノコナゾールであり、水性農薬組成物中に懸濁している、使用。
【発明を実施するための形態】
【0012】
農薬活性を増強することは農薬の殺虫作用の増強に関連する。ポリマー不存在下における農薬活性に関して、この活性は、他は同等の条件下増加する。したがって、このグラフトポリマーは助剤、若しくは助剤作用を有するグラフト ポリマーとも呼ばれる。
【0013】
グラフトポリマーは、一般的にポリマー側鎖と結合したポリマー主鎖を含むポリマー構造の周知の種類である。グラフトコポリマーは、モノマー混合物のフリーラジカル重合により得られ得る(好ましくは得られる)。グラフトコポリマーを生じるモノマー混合物のそのようなフリーラジカル重合は、下記に説明するように周知である。
【0014】
適当なビニルエステルの例として、1〜20個、特に1〜6個の炭素原子を有する飽和カルボン酸のビニルエステルが挙げられる。その例は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニルおよび/またはオクタン酸ビニルである。酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルを使用することが好ましい。酢酸ビニルを用いることが特に好ましい。本発明によれば、1種のビニルエステルを単独で用いることも、2種以上のビニルエステルの混合物を用いることもできる。
【0015】
適当なN−ビニルラクタムは、ラクタム環中に4〜13個の炭素原子を有するN−ビニル ラクタムである。その例は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルバレロラクタム、N−ビニルラウロラクタム、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドンおよび/またはN−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンである。N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタムおよび/またはN−ビニル−2−ピペリドンを使用することが好ましい。N−ビニルラクタム、N−ビニルピロリドン若しくはN−ビニルカプロラクタムまたはそれらの混合物がより好ましい。N−ビニルカプロラクタムが特に好ましい。本発明によれば、1種のN−ビニルラクタムを単独で用いることも、2種以上のN−ビニルラクタムの混合物を用いることもできる。
【0016】
好適なポリエーテルは、ポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコールは、1000〜100000D(ダルトン)の、好ましくは1500〜35000D、特に好ましくは1500〜10000Dの分子量を有していてよい。分子量は、DIN53240において特定されるように測定されたOH価に基づき決定される。
【0017】
ポリエチレングリコールが特に好適なポリアルキレングリコールである。また、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランまたは2−エチルオキシランまたは2,3−ジメチルオキシランから得られるポリブチレングリコールも適当である。
【0018】
適当なポリエーテルは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドから得られるポリアルキレングリコールのランダム若しくはブロックコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーである。ブロックコポリマーは、ABタイプであっても、ABAタイプであってもよい。
【0019】
ポリアルキレングリコールは、ヒドロキシ基により末端化されていてもよいし、片方若しくは両方のOH末端基においてアルキル化されていてもよい。適するアルキル基は、分枝若しくは非分枝のC1〜C22アルキル基であり、好ましくはC1〜C18アルキル基、例えば、メチル、エチル、N−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシルまたはオクタデシル基である。好ましくは、ポリアルキレングリコールはヒドロキシ基により末端化されている。
【0020】
モノマー混合物は、さらなるコモノマーを含んでいてよい。
【0021】
さらなるコモノマーの例は、ビニルカルボキシアミド、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド、およびN−ビニルプロピオンアミドである。N−ビニルホルムアミドおよび/またはN−ビニル−N−メチルアセトアミドを用いることが好ましい。N−ビニルホルムアミドおよび/またはN−ビニル−N−メチルアセトアミドのコポリマー化モノマー単位は、部分的または完全に加水分解されていてよい。
【0022】
別の適するさらなるコモノマーは、3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン化不飽和カルボン酸およびジカルボン酸若しくはそれらの無水物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸若しくは無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸若しくはイタコン酸無水物、シトラコン酸若しくはシトラコン酸無水物である。
【0023】
別の適するさらなるコモノマーは、前記モノエチレン化不飽和C3〜C6カルボン酸のアミド、エステルおよびニトリル、例えば、アミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、および炭素数1〜6のアルキル基を有するN−アルキルおよびN,N−ジアルキルアミド、例えば、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミドおよびtert−ブチルメタクリルアミド、ならびに塩基性(メタ)アクリルアミド、例えば、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、2−N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、3−N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよび3−N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミドである。
【0024】
別の適するさらなるコモノマーは、モノエチレン化不飽和カルボン酸とC1〜C6アルコールとのエステル、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、およびエチルメタクリレート、またはグリコール若しくはポリグリコールとのエステル(それぞれ、グリコールおよびポリグリコールの1つのOH基のみがエチレン化不飽和カルボン酸によりエステル化されている)、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ならびに200〜10000の分子量を有するポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸モノエステルである。とりわけ適当なのは、前記エチレン化不飽和カルボン酸とピロリドン誘導体とのエステル、例えば、2−(N−ピロリドン)エチルアクリレートまたは2−(N−ピロリドン)エチルメタクリレート、およびアミノアルコールとのエステル、例えば2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、3−N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、4−N,N−ジメチルアミノブチルアクリレート、4−N,N−ジエチルアミノブチルアクリレート、5−N,N−ジメチルアミノペンチルアクリレート、ジメチルアミノネオペンチルメタクリレートおよび6−N,N−ジメチルアミノヘキシルアクリレートである。塩基性(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドは、遊離塩基、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸および硝酸)との塩の形態、または4級化形態の形で用いられる。4級化剤の適当な例には、ジメチルスルフェート、メチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライドまたはジエチルスルフェートが含まれる。
【0025】
前記エチレン化不飽和カルボン酸のニトリルの例は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
【0026】
さらに、適するさらなるコモノマーは、N−ビニルイミダゾールおよび置換N−ビニルイミダゾール、例えば、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニル−4−メチルイミダゾール、N−ビニル−5−メチルイミダゾール、およびN−ビニル−2−エチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリン、例えば、N−ビニルイミダゾリン、N−ビニル−2−メチルイミダゾリン、およびN−ビニル−2−エチルイミダゾリン、およびN−ビニルイミダゾリジノン、例えば、N−ビニル−2−イミダゾリジノン およびN−ビニル−4−メチル−2−イミダゾリジノンである。N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリン、およびN−ビニルイミダゾリジノンは遊離塩基の形態で用いられるのみでなく、鉱酸により中和された形態または4級化形態で用いられる。4級化は、好ましくはジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、ベンジルクロライド、メチルクロライドまたはエチルクロライドを用いて行われる。
【0027】
最後に、さらなるコモノマーとして適するモノマーとして、スルホ基を含むモノマー、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられる。酸基を含む化合物は、遊離酸、アンモニウム塩またはグラフトポリマー用のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩の形態で用いることもできる。
【0028】
さらなるコモノマーは、架橋作用を有するモノマー、例えば、メチレンビスアクリルアミド、アクリル酸とメタクリル酸と多価アルコールのエステル、例えば、グリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、グリコールジメタクリレート、およびグリセロールトリメタクリレート、ならびにポリオール、例えば、ペンタエリスリトールおよびグルコース(少なくとも2倍のアクリル酸またはメタクリル酸によりエステル化されている)であってもよい。さらに適当な架橋剤は、ジビニルベンゼン、ジビニルジオキサン、N,N−ジビニル−2−イミダゾリジノン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、およびペンタアリルスクロースである。好ましい架橋モノマー(c)は、水溶性モノマー、例えば、300〜10000の分子量(数平均分子量)を有するポリエチレングリコールのグリコールジアクリレートまたはグリコールジアクリレートである。
【0029】
さらなるコモノマーの中で、N−ビニルイミダゾール、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、2−(N−ピロリドン)エチルアクリレート、2−(N−ピロリドン)エチルメタクリレート、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましく用いられる。しかしながら、本発明によれば、有利にはモノマー(c)を使用しない。
【0030】
本発明の一実施態様によると、グラフトコポリマーは、
i)30〜80重量% のN−ビニルラクタム、
ii)10〜50重量%のビニルエステル、および
iii)10〜50重量%のポリエーテル
を含むモノマー混合物から得られる。
【0031】
好ましい グラフトコポリマーは、
i)30〜70重量% のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%のビニルエステル、および
iii)15〜35重量%のポリエーテル
から得られ、
特に好ましい グラフトコポリマーは、
i)40〜60重量% のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%のビニルエステル、および
iii)15〜35重量%のポリエーテル
から得られる。
【0032】
通常、成分i)、ii)、iii)および任意にさらなるコモノマーをモノマー混合物中に100%までの量で加える。好ましくは、成分i)、ii)およびiii)をモノマー混合物中に100%まで加える。本発明の別の実施態様において、好ましいポリマーは、10 〜35重量%のポリエーテルを含む。2つ以上のさらなるコモノマーの混合物を用いることができることも高く評価されるであろう。
【0033】
グラフトコポリマーの一般的な製造方法自体は、既知である(例えばWO2007051743)。製造はフリーラジカル重合、好ましくは非水性有機溶媒若しくは非水性/水性溶媒の混合物中での溶液重合により行う。重合は、好ましくは60〜100℃の温度で行う。適当な非水性有機溶媒は、例えば、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールなど)およびグリコール(エチレングリコールおよびグリセリンなど)である。さらなる適当な溶媒は、エーテル、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルまたは酢酸ブチルである。
【0034】
フリーラジカル開始剤を、重合を開始するために用いる。開始剤若しくは開始剤混合物の使用量は、用いるモノマーに対して、0.01〜10重量%、好ましくは、0.3〜5重量%である。用いる溶媒の性質に応じて、有機および無機過酸(例えば、過硫酸ナトリウム)またはアゾ系開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ−ビス(2−アミドプロペルン)ジヒドロクロライドまたは2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)のいずれもが適する。過酸系開始剤の例は、ジベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、サクシニルペルオキシド、tert−ブチル ペルピバレート、tert−ブチルペルエチルヘキサノエート、tert−ブチルペルネオデカノエート、tert−ブチルペルマレエート、ビスー(tert−ブチルペル)シクロヘキサン、tert−ブチルペルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルペルセテート、2,2−ビス(tert−ブチルペル)ブタン、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジ−tert−ブチル ペルオキシド、 p−メンタンヒドロペルオキサイド、ピネンヒドロペルオキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、tert−ブチルヒドロペルオキサイド、過酸化水素、および前記開始剤の混合物である。前記開始剤は、酸化還元成分(例えばアスコルビン酸)と組み合わせて用いることもできる。特に適当な開始剤は、tert−ブチルペルネオデカノエート、tert−ブチルペルピバレートまたはtert−ブチルペルエチルヘキサノエートである。
【0035】
適切な場合乳化剤、適切な場合さらなるコロイド保護剤、適切な場合分子量調整剤、適切な場合バッファー系、および適切な場合、塩基または酸を使用したpH調整剤の存在下でフリーラジカル重合を行うことができる。
【0036】
適当な分子量調整剤は、スルフヒドリル化合物、例えばアルキルメルカプタン、例えばN−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸およびそのエステル、メルカプトアルカノール、例えばメルカプトエタノールなどである。さらなる適当な調整剤は、例えば独国特許出願第19712247号、第4頁に記載されたものである。分子量調製剤の必要量は、重合する(コ)モノマーの量に対して、0〜5重量%である。調整剤を使用する場合、その使用量は、0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲である。しかしながら、調整剤の不存在下で重合を行うことがとりわけ好ましい。
【0037】
適切な場合、乳化剤、例えばHLBが通常3〜13の範囲であるイオン性若しくは非イオン性乳化剤を用いることもできる。HLBの定義に関して、W.C. Griffinによる出版物J. Soc. Cosmetic Chem., 第5巻、249 (1954)を参照する。ポリマーに基づく界面活性剤の量は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%であってよい。
【0038】
モノマーまたはモノマー混合物あるいはモノマーのエマルション(通常、溶液中に存在する)は、開始剤とともに、重合温度で撹拌反応器中に投入する(バッチ工程)か、適切な場合、重合反応器に連続的に測り入れるか、若しくは複数回連続段階で測り入れる(供給工程)。供給工程においては、実際の重合の開始前に、(反応混合物を撹拌できるようにするため)溶剤に加えて一部の量(まれに重合する総量)の出発物質、例えば乳化剤、コロイド保護剤、モノマー、調整剤など、あるいは供給物の一部(通常、供給するモノマーまたは供給する乳化剤および供給する開始剤)を反応器に供給する。
【0039】
重合は、大気圧下でも加圧下の密閉容器内でも行うことができる。この場合、反応中設定された圧力下で重合することも、ガスを注入若しくは排出することによって圧力を調節して重合することもできる。圧力は、コンデンサー内への反応器の部分減圧によって制御することができる。
【0040】
その後、重合に用いる非水系溶媒を除去し、水蒸気蒸留により水で置き換えることができる。これは、通常、初めに非水系溶媒を可能な限り純粋に留去し、次いで蒸気を通すことにより水で完全に置換する。
重合後、残留モノマーを減らすための一般的に既知の方法を行うことができる。そのような方法の例は、重合の最後における開始剤のさらなる添加、酸を添加することによるビニルラクタムモノマーの加水分解、固体相、例えばイオン交換によるポリマー溶液の処理、十分に共重合するモノマーの供給、膜濾過および他の一般的方法である。
【0041】
得られた水性ポリマー分散体または溶液の固形分は、通常、10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
【0042】
ポリマー分散体または溶液は、例えば、噴霧乾燥、凍結噴霧乾燥、ドラム乾燥、パドル乾燥、ベルト乾燥または凍結乾燥などの種々の乾燥工程により、粉末状または顆粒状に変えることができる。噴霧乾燥の間、例えば、コロイダルシリカまたは疎水化修飾コロイダルシリカなどの添加剤を加えることが望ましい。コポリマーは、水性分散体または水溶液として得られ、あるいは水分の除去後、高い自由流動の水分散体若しくは水溶性粉末として得られる。
【0043】
通常、ポリマーは、10〜60の、好ましくは20〜50の、より好ましくは25〜40の範囲のフィケンチャー(Fikentscher)K値(1重量%エタノール性溶液中で測定)を有する。
【0044】
ポリマーは、30〜12℃、好ましくは50〜80℃の範囲のガラス転移温度を有していてよい。
【0045】
分子量Mw(ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定)は、通常、10000〜1000000g/mol、好ましくは30000〜500000g/mol、より好ましくは60000〜300000g/molの範囲である。
【0046】
本発明のコポリマーと併用することができる下記の活性物質のリストは、可能な組み合わせを説明することを意図するものであって、限定することを意図するものではない。
(A)ストロビルリン系:
アゾキシストロビン、コウメトキシストロビン、コウモキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン、2−[2−(2,5−ジメチル−フェノキシメチル)−フェニル]−3−メトキシ−アクリル酸メチルエステルおよび2−(2−(3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチル−アリリデンアミノオキシメチル)−フェニル)−2−メトキシイミノ−N−メチルアセトアミド;
(B)カルボキサミド系:
カルボアニリド系:ベナラキシル、ベナラキシル−M、ベノダニル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フラキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、イソチアニル、キララキシル、メプロニル、メタラキシル、メタラキシル−M(メフェノキサム)、オフラセ、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、チアジニル、2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボキシアニリド、N−(4’−トリフルオロメチルチオビフェニル−2−イル)−3−ジフロロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドおよびN−(2−(1,3,3−トリメチルブチル)−フェニル)−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
カルボン酸モルホリド系:ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;
安息香酸アミド系:フルメトベル、フルオピコリド、フルオピラム、ゾキサミド;
他のカルボキサミド系:カルプロパミド、ジクロシメット、マンジプロパミド、オキシテトラサイクリン、シルチオファム、N−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキサミド;
(C)アゾール系:
トリアゾール系:アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、オキシポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール;
イミダゾール系:シアゾファミド、イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;
ベンゾイミダゾール系:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール;
その他:エタボキサム、エトリジアゾール、ヒメキサゾール、2−(4−クロロフェニル)−N−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル]−2−プロパ−2−イニルオキシアセトアミド;
(D)ヘテロ環化合物:
ピリジン系:フルアジナム、ピリフェノックス、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、3−[5−(4−メチルフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン;
ピリミジン系:ブピリメート、シプロジニル、ジフルメトリム、フェナリモール、フェリムゾン、メパニピリム、ニトラピリン、ヌアリモール、ピリメタニル;
ピペラジン系:トリホリン;
ピロール系:フルジオキソニル、フェンピクロニル;
モルホリン系:アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;
ピペリジン系:フェンプロピジン;
ジカルボキシイミド系:フルオルイミド、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
非芳香族5−ヘテロ環式環系:ファモキサドン、フェンアミドン、フルチアニル、オクチリノン、プロベナゾール、5−アミノ−2−イソプロピル−3−オキソ−4−オルト−トリル−2,3−ジヒドロピラゾール−1−チオカルボン酸S−アリルエステル;
その他:アシベンゾラル−S−メチル、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、ブラストサイジン−S、カプタホール、キャプタン、キノメチオネート、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコート−メチル硫酸塩、フェノキサニル、ホルペット、オキソリン酸、ピペラリン、プロキナジド、ピロキロン、キノキシフェン、トリアゾキシド、トリシクラゾール、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルクロメン−4−オン、5−クロロ−1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール、および5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
(E)カルバメート系
チオカルバメート系およびジチオカルバメート系:ファーバム、マンコゼブ、マンネブ、メタム、メタスルホカルブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム;
カルバメート系:ベンチアバリカルブ、ジエトフェンカルブ、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、塩酸プロパモカルブ、バリフェナレート、N−(1−(1−(4−シアノフェニル)エタンスルホニル)ブタ−2−イル)カルバミン酸−4−フルオロフェニルエステル;
(F)他の活性物質
グアニジン系:グアニジン、ドジン、ドジン(遊離塩基)、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジン−トリスアルベシル酸塩;
抗生物質:カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、ストレプトマイシン、ポリオキシン、バリダマイシン A;
ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジクロラン、ジノブトン、ジノカップ、ニトロタール−イソプロピル、テクナゼン;
有機金属化合物:フェンチン塩、例えば、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ;
イオウ含有ヘテロ環化合物:ジチアノン、イソプロチオラン;
有機リン化合物:エジフェンホス、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、イプロベンホス、亜リン酸およびその塩、ピラゾホス、トルクロホス−メチル;
有機塩素化合物:クロロタロニル、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、フルスルファミド、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フタリド、キントゼン、チオファネート−メチル、トリルフルアニド、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド;
無機活性物質:ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、イオウ;
抗真菌性生物防除剤、植物生物活性剤:Ampelomyces quisqualis(例えば、AQ 10(登録商標)、Intrachem Bio GmbH & Co. KG製、ドイツ)、Aspergillus flavus(例えば、AFLAGUARD(登録商標)、Syngenta製、CH)、Aureobasidium pullu-lans(例えば、BOTECTOR(登録商標) 、bio-ferm GmbH製、ドイツ)、Bacillus pumilus(例えば、NRRL AccessioN,No. B-30087、SONATA(登録商標) およびBALLAD(登録商標)Plus、AgraQuest社製、アメリカ)、Bacillus subtilis(例えば、isolate NRRL-Nr.B-21661、RHAPSODY(登録商標)、SERENADE(登録商標)MAX およびSERENADE(登録商標)ASO、AgraQuest社製、アメリカ)、Bacillus subtilis var. amyloliquefaciens FZB24(例えば、TAEGRO(登録商標)、Novozyme Biologicals社製、アメリカ)、Candida oleophila I-82(例えば、ASPIRE(登録商標)、Ecogen社製 USA), Candida saitoana(例えば、BIOCURE(登録商標)(lysozymeとの混合物)およびBIOCOAT(登録商標)、Micro Flo社製、アメリカ(BASF SE)およびArysta)、キトサン(例えば、ARMOUR-ZEN、BotriZen社製、ニュージーランド)、Clonostachys rosea f. catenulata、またはGliocladium catenulatumとも称する(例えば、isolate J1446:PRESTOP(登録商標)、Verdera、Finland製)、Coniothyrium minitans(例えば、CONTANS(登録商標)、Prophyta製、ドイツ)、Cryphonectria parasitica(例えば、Endothia parasitica、CNICM製、フランス)、Cryptococcus albidus(例えば、YIELD PLUS(登録商標)、 Anchor Bio-Technologies製、南アフリカ)、Fusarium oxysporum(例えば、BIOFOX(登録商標)、 S.I.A.P.A.製、イタリア、FUSACLEAN(登録商標)、Natural plant Protection製、フランス)、Metschnikowia fructicola(例えば、SHEMER(登録商標)、Agrogreen製、イスラエル)、Microdochium dimerum(例えば、ANTIBOT(登録商標)、Agrauxine製、フランス)、Phlebiopsis gigantea(例えば、ROTSOP(登録商標)、Verdera製、フィンランド)、Pseudozyma flocculosa(例えば、SPORODEX(登録商標)、plant Products社製、カナダ)、Pythium oligandrum DV74(例えば、POLYVERSUM(登録商標)、Remeslo SSRO、Biopreparaty、Czech Rep)、Reynoutria sachlinensis(例えば、REGALIA(登録商標)、 Marrone BioIN,Novations製、アメリカ)、Talaromyces flavus V117b(例えば、PROTUS(登録商標)、Prophyta製、ドイツ)、Trichoderma asperellum SKT-1(例えば、ECO-HOPE(登録商標)、化学工業組合製、日本), T. atroviride LC52 (例えば、SENTINEL(登録商標)、Agrimm Technologies社製、ニュージーランド)、T. harzianum T-22 (例えば、plantSHIELD(登録商標)、Firma BioWorks社製、アメリカ)、T. harzianum TH35(例えば、ROOT PRO(登録商標)、Mycontrol 社製、イスラエル)、T. harzianum T-39(例えば、TRICHODEX(登録商標)およびTRICHODERMA 2000(登録商標)、 Mycontrol社製、イスラエルおよびMakhteshim社製、イスラエル)、T. harzianumおよびT. viride(例えば、TRICHOPEL、Agrimm Technologies社製、ニュージーランド)、T. harzianum ICC012およびT. viride ICC080(例えば、REMEDIER(登録商標)WP、Isagro Ricerca製、イタリア)、T. polysporumおよびT.harzianum (例えば、BINAB(登録商標)、 BINAB Bio-IN,Novation AB製、スウェーデン)、T. stromaticum(例えば、TRICOVAB(登録商標)、C.E.P.L.A.C.製、ブラジル)、T.virens GL-21(例えば、SOILGARD(登録商標)、Certis LLC製、アメリカ)、T.viride(例えば、TRIECO(登録商標)、Ecosense Labs.(インド)、Pvt. Ltd., インド、BIO-CURE(登録商標)、T.Stanes & Co. Ltd., インド)、T. viride TV1(例えば、T.viride TV1、Agribiotec srl製、イタリア)、Ulocladium oudemansii HRU3(例えば、BOTRY-ZEN(登録商標)、 Botry-Zen社製、ニュージーランド);
その他:ビフェニル、ブロノポール、シフルフェナミド、シモキサニル、ジフェニルアミン、メトラフェノン、ピリオフェノン、ミルディオマイシン、オキシン銅、プロヘキサジオン−カルシウム、スピロキサミン、テブフロキン、トリルフルアニド、N−(シクロプロピルメトキシイミノ−(6−ジフルオロメトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)メチル)−2−フェニルアセトアミド、N’−(4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルホルムアミジン、N’−(4−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルホルムアミジン、N’−(2−メチル−5−トリフルオロメチル−4−(3−トリメチルシラニルプロポキシ)フェニル)−N−エチル−N−メチルホルムアミジン、N’−(5−ジフルオロメチル−2−メチル−4−(3−トリメチルシラニルプロポキシ)フェニル)−N-エチル−N−メチルホルムアミジン、
2−{1−[2−(5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸メチル−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−アミド、2−{1−[2−(5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸メチル−(R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル−アミド、メトキシ酢酸6−tert−ブチル−8−フルオロ−2,3−ジメチル−キノリン−4−イルエステルおよびN−メチル−2−{1−[(5−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール-1−イル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−N−[(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]−4−チアゾールカルボキシアミド。
(G)生長調整剤
アブシジン酸、アミドクロル、アンシミドール、6−ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、ブトラリン、クロルメコート(クロルメコートクロリド)、コリンクロリド、シクラニリド、ダミノジット、ジケグラック、ジメチピン、2,6−ジメチルプリジン、エテホン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール−3−酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコート(メピコートクロリド)、ナフタレン酢酸、N−6−ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオン−カルシウム)、プロヒドロジャスモン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5−トリヨード安息香酸、トリネキサパック−エチルおよびウニコナゾール;
(H)除草剤
アセトアミド系:アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、フルフェナセット、メフェナセット、メトラクロール、メタザクロール、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、テニルクロール;
アミノ酸誘導体:ビラナホス、グリホセート、グルホシネート、スルホセート;
アリールオキシフェノキシプロピオン酸系:クロジナホップ、シハロホップ-ブチル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−P−テフリル;
ビピリジル系:ジクワット、パラコート;
(チオ)カルバメート系:アシュラム、ブチレート、カルベタミド、デスメジファム、ジメピレート、エプタム(EPTC)、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、フェンメジファム、プロスルカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカーブ、トリアレート;
シクロヘキサンジオン系:ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム;
ジニトロアニリン系:ベンフルラリン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン;
ジフェニルエーテル系:アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、ジクロホップ、エトキシフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン;
ヒドロキシベンゾニトリル系:ブロモキシニル、ジクロベニル、イオキシニル;
イミダゾリノン系:イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル;
フェノキシ酢酸系:クロメプロップ、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2,4−DB、ジクロルプロップ、MCPA、MCPA−チオエチル、MCPB、メコプロップ;
ピラジン系:クロリダゾン、フルフェンピル−エチル、フルチアセット、ノルフルラゾン、ピリデート;
ピリジン系:アミノピラリド、クロピラリド、ジフルフェニカン、ジチオピル、フルリドン、フルロキシピル、ピクロラム、ピコリナフェン、チアゾピル;
スルホニル尿素系:アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン−エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メタゾスルフロン、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、1−((2−クロロ−6−プロピルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)スルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素;
トリアジン系:アメトリン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、エチオジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、テルブチラジン、テルブトリン、トリアジフラム;
尿素系:クロロトルロン、ダイムロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リニュロン、メタベンズチアズロン、テブチウロン;
他のアセトラクテート合成酵素阻害薬:ビスピリバック−ナトリウム、クロランスラム−メチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルカルバゾン、フルメトスラム、メトスラム、オルソ−スルファムロン、ペノキススラム、プロポキシカルバゾン、ピリバムベンズ−プロピル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロキシスラム;
その他:アミカルバゾン、アミノトリアゾール、アニロホス、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフルレセート、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ビシクロピロン、ブロマシル、ブロモブチド、ブタフェナシル、ブタミホス、カフェンストロール、カルフェントラゾン、シニドン−エチル、クロルタル、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、シプロスルファミド、ジカンバ、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル、Drechslera monoceras、エンドタール、エトフメセート、エトベンザニド、フェノキサスルホン、フェントラザミド、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルポキサム、フルオロクロリドン、フルルタモン、インダノファン、イソキサベン、イソキサフルトール、レナシル、プロパニル、プロピザミド、キンクロラック、キンメラック、メソトリオン、メチルヒ酸、ナプタラム、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペントキサゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピラフルフェン−エチル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、キノクラミン、サフルフェナシル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、ターバシル、テフリルトリオン、テンボトリオン、チエンカルバゾン、トプラメゾン、(3−[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)フェノキシ]ピリジン−2−イルオキシ)酢酸エチル、6−アミノ−5−クロロ−2−シクロプロピル−ピリミジン−4−カルボン酸メチル、6−クロロ−3−(2−シクロプロピル−6−メチルフェノキシ)-ピリダジン−4−オール、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル、および4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−3−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル。
(I)殺虫剤
有機(チオ)リン酸エステル系:アセフェート、アザメチホス、アジンホス−メチル、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ダイスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル−パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシジメトン−メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロロビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
カルバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカーブ、プロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
ピレスロイド系:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、λ−シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン I、ピレトリン II、レスメトリン、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
【0047】
昆虫成長阻害薬:(a)キチン合成阻害薬:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェンジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンテジン;(b)エクジソン拮抗薬:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;(c)幼若ホルモン様作用物質(juvenoid):ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;(d)脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
ニコチン受容体作動薬/拮抗薬:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−2−ニトロイミノ−3,5−ジメチル−[1,3,5]トリアジナン;
GABA拮抗薬:エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル)−4−スルフィナモイル−1H−ピラゾール−3−チオカルボキサミド;
大環状ラクトン系:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、スピネトラム;
ミトコンドリア電子伝達鎖阻害薬(METI)I殺ダニ薬:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
METI IIおよびIII物質:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
アンカップラー:クロルフェナピル;
酸化的リン酸化阻害薬:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット;
昆虫脱皮阻害薬:クリオマジン;
混合機能オキシダーゼ阻害薬:ピペロニルブトキシド;
ナトリウムチャンネル遮断薬:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
その他:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、イオウ、チオシクラム、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアジピル(HGW86)、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、イミシアホス、ビストリフルロン、および、ピリフルキナゾン。
【0048】
農薬は、好ましくは、少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも50℃、とりわけ少なくとも70℃の融点を有する。
【0049】
農薬は、好ましくは、20℃で10 g/l未満の、より好ましくは1g/l未満の、とりわけ好ましくは0.5g/l未満の、最も好ましくは0.1g/l未満の水に対する溶解度を有する。
【0050】
農薬は、任意の形態(例えば液体または固体など)で存在してよい。好ましくは、農薬は、溶解した形態または分散体(例えば、懸濁液または乳化物)で存在する。
【0051】
グラフトポリマーの量は、農薬の重量に基づいて、通常、5〜1000 重量%、好ましくは10〜500 重量%、より好ましくは20〜100 重量%の範囲である。
【0052】
本発明のコポリマーおよび組成物は、種々の栽培植物、例えば、穀草類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギまたはイネ);ビート(例えばテンサイまたは飼料用ビート);仁果類、核果類または軟果類などの果実(例えばリンゴ、洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリーまたはグーズベリー);マメ科植物(レンズマメ、エンドウマメ、アルファルファまたはダイズなど);油脂植物(セイヨウアブラナ、カラシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ豆、トウゴマ、アブラヤシ、ラッカセイまたはダイズなど);ウリ科植物(カボチャ、キュウリまたはメロンなど);繊維植物(綿、亜麻、麻またはジュートなど);柑橘類果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツまたはマンダリンなど);野菜(ブロッコリー、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物またはパプリカなど);クスノキ科植物(アボカド、シナモンまたはショウノウなど);エネルギー植物および原料植物(トウモロコシ、ダイズ、セイヨウアブラナ、サトウキビまたはアブラヤシなど);トウモロコシ;タバコ;堅果;コーヒー;茶;バナナ;ブドウの木(テーブルブドウおよびグレープジュース用のブドウの木);ホップ;芝生;ハイノキ属(ステビアとも称される);天然ゴム植物または観賞植物および森林植物(花、低木、広葉樹または常緑樹(例えば針葉樹)など);ならびにこれらの植物の植物繁殖材料(種子など)および穀物材料にとって重要である。
【0053】
好ましい栽培植物は、仁果類、核果類または軟果類などの果実(例えばリンゴ、洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリーまたはグーズベリー);ウリ科植物(カボチャ、キュウリまたはメロンなど);柑橘類果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツまたはマンダリンなど);野菜(ブロッコリー、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物またはパプリカなど);クスノキ科植物(アボカド、シナモンまたはショウノウなど);堅果;コーヒー;茶;バナナ;ブドウの木(テーブルブドウおよびグレープジュース用のブドウの木); ホップ;観賞植物および森林植物(花、低木、広葉樹または常緑樹(例えば針葉樹)など)である。最も好ましい植物は、ブドウの木、果実および野菜である。
【0054】
用語「植物繁殖材料」は、植物の生殖部分全て、例えば、植物の繁殖に使用し得る種子および栄養植物材料(挿し木および塊茎(例えばジャガイモ)など)を表すと理解される。この用語は、種子、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、苗条、芽、さらに他の植物部分を包含する。発芽後もしくは土壌から出芽した後に移植される幼苗および幼植物体も包含される。これらの幼植物体は、移植前に浸漬または注入によって完全にまたは部分的に処理してもよい。
【0055】
用語「栽培植物」は、市場に出ている、または開発中の農業バイオ技術製品(これらに限定されるものではない)をはじめとする、品種改良、突然変異体誘発または遺伝子操作によって改変されている植物を含むものと理解される。遺伝子組換え植物は、自然環境下での交雑育種、突然変異体誘発または自然的組換えによって取得することが出来ない、遺伝物質を組換えDNA技術の使用により改変した植物である。典型的には、植物の特定の特性を改善するために、1種以上の遺伝子が遺伝子組換え植物の遺伝物質へ組み込まれる。こうした遺伝子改変には、これらに限定するものではないが、タンパク質、オリゴペプチドまたはポリペプチドの標的化した翻訳後修飾、例えばグリコシル化、あるいはプレニル化、アセチル化もしくはファルネシル化成分またはPEG部分などのポリマー付加による修飾も含まれる。
【0056】
さらに、本発明は、農薬および
i)30〜80重量%のN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムまたはそれらの混合物、
ii)10〜50重量%の酢酸ビニル、および
iii)10〜50重量%のポリエーテル
を含むモノマー混合物のフリーラジカル重合により得られるグラフトコポリマーを含む組成物 に関する。
【0057】
通常、成分i)、ii)、iii) および任意にさらなるコモノマーをモノマー混合物中に100%まで加える。好ましくは、成分i)、ii)、iii) をモノマー混合物中に100%まで加える。グラフトコポリマーと農薬の好ましい 実施態様は、上述したとおりである。
【0058】
さらに、本発明は、農薬とグラフトコポリマーを混合することによる本発明の組成物の製造方法に関する。成分の混合は、任意の温度(例えば室温)で従来装置を用いて行えばよい。好ましい混合方法は、農薬組成物を調製するのに適用される方法である。
【0059】
さらに、本発明は、本発明の組成物を特定の害虫、その生息場所若しくは特定の害虫から保護すべき植物、土および/または望ましくない植物および/または有用植物および/またはそれらの生息地域に作用させることのできる、植物病原菌および/または望ましくない植物生長および/または望ましくない虫若しくはダニによる攻撃を制御するための、および/または植物の生長を調整するための方法に関する。
【0060】
本発明のグラフトコポリマーおよび/または組成物は、一般的なタイプの農薬組成物、例えば 、溶液、エマルション、懸濁液、散粉剤、粉末、ペーストおよび顆粒などに変換することができる。組成物のタイプは、特定の意図する目的に依存する:それぞれの場合において、本発明の化合物の微細で均一な分布を確保すべきである。組成物のタイプの例には、懸濁液(SC、OD、FS)、乳化性濃縮物(EC)、エマルション(EW、EO、ES)、ペースト剤、錠剤、水和剤もしくは散粉剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)または顆粒(GR、FG、GG、MG)(これらは水溶性または湿潤性であり得る)、ならびに、植物繁殖材料(例えば種子)処理用のゲル剤(GF)がある。通常、組成物のタイプ(例えば、SC、OD、FS、EC、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は、希釈して使用する。DP、DS、GR、FG、GGおよびMGなどの組成物タイプは、通常、希釈せずに使用する。好ましくは、本発明の組成物は懸濁液である。
【0061】
農薬は、農薬組成物中に、例えば液体または固体のような任意の形態で存在していてよい。好ましくは、農薬は、溶媒に溶解した形態または水性農薬組成物中に分散した状態(懸濁液または乳化物)で存在する。より好ましくは、農薬は水性農薬組成物中に懸濁している。
【0062】
農薬組成物は、農薬組成物に一般的な助剤を含んでいてもよい。使用する助剤は、特定の適用形態および活性物質にそれぞれ依存する。適当な助剤は、溶媒、固体担体、分散剤または乳化剤(例えば、さらなる可溶化剤、保護コロイド、界面活性剤および粘着剤)、有機および無機増粘剤、殺菌剤、抗凍結剤、適切な場合には、着色剤および粘着付与剤または(例えば種子処理調製物用の)バインダーである。
【0063】
適当な溶媒は、水、有機溶媒、例えば、中沸点〜高沸点の鉱油留分(例えば、ケロシンおよびディーゼル油)、さらにコールタール油、および植物または動物由来のオイル、脂肪族、環状または芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノール)、グリコール、ケトン(例えば、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトン)、ジメチル脂肪酸アミド、脂肪酸および脂肪酸エステル、ならびに強極性溶媒(例:N-メチルピロリドンのようなアミン)である。
【0064】
固体担体は、鉱物質土類(例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土);硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び酸化マグネシウム;粉砕合成材、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムや尿素)、さらには栽培植物由来の産物(例えば、穀類粉、樹皮挽き粉、木材挽き粉及び堅果殻引き粉)、セルロース粉末、ならびに他の固体担体である。
【0065】
適する界面活性剤(助剤、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤や乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えば、リグニンスルホン酸(例えばBorresperse(登録商標)タイプ、Borregard、ノルウェー)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、アメリカ)およびジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、さらには脂肪酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、アルキルスルホナートおよびアルキルアリールスルホナート、アルキルスルファート、ラウリルエーテルスルファート、および脂肪アルコールスルファート、並びに硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−、およびオクタ−デカノール、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらに、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシ−エチレンオクチルフェニルエーテル、イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、
トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタート、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸塩廃液、およびタンパク質、変性タンパク質、多糖類(例えばメチルセルロース)、疎水修飾デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokolan(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリアルコキシラート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリビニルピロリドンおよびそのコポリマーである。
【0066】
増粘剤(すなわち、組成物の流動性の変化(すなわち、静止状態下の高い粘度および撹拌中の低い粘度)を付与する化合物)の例は、多糖類および有機および無機クレイ、例えばキサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、アメリカ)、 Rhodopol(登録商標) 23 (Rhodia、フランス)、 Veegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt、アメリカ)またはAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp., NJ、アメリカ)である。
【0067】
殺菌剤を、組成物の防腐および安定化のために加えてもよい。適当な殺菌剤の例は、ジクロロフェンおよびベンジルアルコール(ヘミ形式)(Proxel(登録商標)、ICI製または Acticide(登録商標)RS、Thor Chemie製およびKathon(登録商標)MK、Rohm & Haas製)およびイソチアゾリン誘導体、例えばアルキルイソチアゾリノンおよびベンズイソチアゾリノン(Acticide(登録商標)MBS、Thor Chemie製)に基づく殺菌剤である。
【0068】
適当な抗凍結剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素およびグリセリンである。抑泡剤は、シリコーン乳化剤(例えば、Silikon(登録商標)SRE、 Wacker、ドイツまたはRhodorsil(登録商標)、Rhodia、フランス)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、フッ素化有機化合物およびそれらの混合物である。粘着付与剤またはバインダーの例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびセルロースエーテル(Tylose(登録商標)、信越、日本)である。
【0069】
農薬組成物は、一般的に、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%、最も好ましくは0.5〜90重量%の活性物質(例えば農薬)を含む。活性物質は、90〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で、好ましくは95〜100%の純度で使用する。
【0070】
本発明のグラフトコポリマーまたは組成物は、直接噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液、分散体、エマルション、油分散体、ペースト、散粉生成物、噴霧用材料、または顆粒として、またはそのような組成物の形態として、噴霧、微粒化、散粉、拡散、ブラッシング、浸漬または注入により使用することができる。適用形態は、意図する目的に完全に依存する:それぞれ、本発明の活性物質の可能な限り微細な分散を確保することを意味する。
【0071】
水性適用形態は、水を加えることにより、エマルション濃縮物、ペーストまたは湿潤粉末(噴霧可能な粉末、油分散体)から調製することができる。エマルション、ペーストまたは油分散体を調製するために、油若しくは溶媒のような物質、あるいは油若しくは溶媒に溶解した物質を、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤または乳化剤を用いることにより水に均質化することができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤または乳化剤から構成される濃縮物を調製することができ、そのような濃縮物は水による希釈物にとって適している。
【0072】
即用調製物中の活性物質濃度は、比較的広い範囲で変化することができる。一般的にその濃度は、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の活性物質である。植物保護において用いる場合、活性物質の量は、所望の種類や効果に応じて、0.001〜2kg/ha、好ましくは0.005〜2kg/ha、より好ましくは0.05〜0.9kg/ha、特に0.1〜0.75kg/haで使用される。
【0073】
種々の油、湿潤剤、助剤、除草剤、殺菌剤、他の防カビ剤および/または農薬を、活性物質またはそれを含む組成物に、適切な場合には、使用直前まで添加することができる(タンク混合)。これらの剤は、本発明の組成物と、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で混合することができる。
【0074】
使用し得る助剤は、特に有機変性ポリシロキサン、例えばBreak Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えばAtplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)およびLutensol ON 30(登録商標); EO/POブロック ポリマー、例えばPluronic RPE 2035(登録商標)およびGenapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えばLutensol XP 80(登録商標); およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えばLeophen RA(登録商標)である。
【0075】
本発明の組成物を調製するために、コポリマーと農薬を個々に、または部分的若しくは完全に互いに混合して使用することができる。それらをパッケージ化することもでき、部材キットなどの複合組成物としても使用することができる。本発明の一実施態様において、キットは、主題の農薬組成物を調製するのに使用し得る1つ以上の成分(全成分の場合を含む)を含んでいてよい。例えば、キットは、1つ以上の農薬およびコポリマーを含み得る。成分の1つ以上は、すでに一緒に組み合わされていても、または前調製されていてもよい。2以上の成分がキット中に含まれる実施態様においては、成分は、一緒に組み合わされて、一の容器(例えば、バイアル、瓶、缶、ポーチ、バッグまたはキャスターなど)にパッケージ化されていてよい。他の実施態様において、キットの2以上の成分は別々に包装されていてよい(すなわち、前調製されない)。そのような場合、キットは、1つ以上の別々の容器(例えば、バイアル、瓶、缶、ポーチ、バッグまたはキャスターなど)を含み、各容器は農薬組成物の1つ以上の別々の成分を含む。いずれの場合においても、キットの成分は、他の成分と別々にまたは他の成分とともに、あるいは本発明の組成物調製用の本発明に従う組み合わせ組成物の成分として使用することができる。
【0076】
ユーザーは、本発明の組成物を、通常、投与装置、背負い噴霧器、噴霧タンクまたは噴霧飛行機から塗布する。ここで、農薬組成物は、所望の適用濃度まで水および/または緩衝液により調製され、可能な場合、適切な場合には、さらに助剤が加えられて、即用噴霧または本発明の農薬組成物が得られる。通常、農場の有用面積1ヘクタールあたり50〜500リットル、好ましくは100〜400リットルの即用噴霧液が使用される。一実施態様によれば、本発明の組成物の個々の成分(例えばキットの一部、2成分若しくは3成分混合物の一部)を、ユーザー自身により噴霧タンク内で混合してもよく、適切な場合には、さらなる助剤を加えることもできる(タンク混合)。本発明の別の実施態様において、本発明の組成物は、個別の成分または一部前混合成分のいずれかである。
【0077】
本発明の利点は、例えば、本発明が(例えば粒子径、粘度に関して)優れた安定性を有することである。グラフトコポリマーは、農薬の
農薬活性を増強させる。この助剤の効果は、組成物の安定性を低下させることなく達成される。グラフトコポリマーの植物毒性は非常に低く、特に野菜や果物の処理に重要である。このようなグラフトコポリマーは容易に取り扱うことができ、例えば、農薬調製物を取り扱う農業従事者の皮膚に関して不利な影響をもたらさない。グラフトコポリマーは、工業規模で、低コストで容易に製造することができる。さらに、グラフトポリマーは、植物表面の農薬の保持力を高める。
【実施例】
【0078】
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0079】
実施例1:植物における活性物質の保持力
300 g/lフルクサピロキサド(fluxapyroxad)、分散剤、抑泡剤、キサンタンガム(粘着付与剤)、殺菌剤、および1,2−プロピレングリコール(凍結防止剤)を含む水性懸濁濃縮物を調製した(「SCブランク」と称する)。任意に、グラフトポリマーAを加えた。グラフトポリマーAは、WO2007051746号の記載に従って、13重量%のポリエチレングリコール(平均分子量6000g/mol;ヒドロキシ価から算出)、57重量%のN−ビニルカプロラクタムおよび30重量%の酢酸ビニルから調製した(35のK値を有していた)。
【0080】
水性噴霧の保持力を測定するため、懸濁濃縮物を水および蛍光トレーサー(フルオレセイン)で希釈して、噴霧可能なタンク混合物を調製した。前記タンク混合物を、ノズルセット(ノズルタイプ:フラットファン(空気誘導)、ID 120 02、Lechler)を介して200l/ha の割合、速度1.4 m/s、3.4barの圧力およびスプレー指示部(1m、3ノズル;ノズル長さ50cm)で散布した。タンク混合物を、コムギ(var. Melon)に、生長段階BBCH12で散布した。散布後、植物の葉を収集し、所定量の洗浄溶液(0.1mol/l NaOH)で洗浄した。葉に残存する活性物質の量に比例する蛍光強度を蛍光光度計により測定した。各実験を4回繰り返し、平均値を表1に示した。このデータは、植物における保持力が、添加剤を加えない処方または水と比較して、ポリマー性添加剤Aにより高まることを示す。
【0081】
【表1】
【0082】
実施例2:ウリ科植物における増強効果
120g/lのジフェノコサノール(防カビ剤、20℃での水溶解性3.3mg/L)、300g/lのメトラフェノン(防カビ剤、20℃での水溶解性0.49mg/L)、任意に50g/lのグラフトポリマーA(実施例1参照)および一般的な助剤(例えば1,2−プロピレングリコール、抗生物質、粘着性付与剤)を含む水性懸濁濃縮物(「SC1」)を調製した。
農薬効果を、スペインで、Sphaerotheca fuligineaに感染させたウリ科植物における農場試験により試験した。植物を、140g農薬/haの使用量でSC1により処理した(500l水/ha;7日間の間隔で3回塗布)。感染率(塗布後7日)を表2に示した。このデータは、グラフトポリマーを含む本発明の組成物は、グラフトポリマーを含まないコントロールと比較してより高い
農薬効果を有することを示した。
【0083】
【表2】
【0084】
実施例3:ブドウにおける増強効果
実施例2の水性懸濁濃縮物(「SC1」)を用いた。殺虫効果を、Erysiphe necatorに感染させたブドウにおける農場試験により試験した。84g農薬/haの使用量でSC1により処理した(500l水/ha;14日間の間隔で5回塗布)。感染率(塗布後14日)を表3に示した。このデータは、グラフトポリマーを含む本発明の組成物は、グラフトポリマーを含まないコントロールと比較してより高い
農薬効果を有することを示した。
【0085】
【表3】
【0086】
実施例4:ブドウにおける増強効果
農薬効果を実施例3に記載のように、の水性懸濁濃縮物(「SC1」)を用いた。
農薬効果を、Erysiphe necatorに感染させたブドウにおける別の農地での農場試験により試験した。280g農薬/haの使用量でSC1により処理した(500l水/ha;14日間の間隔で6回塗布)。感染率(塗布後14日)を表4に示した。このデータは、グラフトポリマーを含む本発明の組成物は、グラフトポリマーを含まないコントロールと比較してより高い
農薬効果を有することを示した。
【0087】
【表4】