特許第5882316号(P5882316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5882316レーザビームを用いた管状部材の加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882316
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】レーザビームを用いた管状部材の加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/10 20060101AFI20160225BHJP
   B23K 26/08 20140101ALI20160225BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20160225BHJP
【FI】
   B23K26/10
   B23K26/08 D
   B23K26/064 N
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-519997(P2013-519997)
(86)(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公表番号】特表2013-530839(P2013-530839A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】EP2011003531
(87)【国際公開番号】WO2012019687
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年5月30日
(31)【優先権主張番号】102010027638.3
(32)【優先日】2010年7月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513014237
【氏名又は名称】クーン、アレクサンダー
(73)【特許権者】
【識別番号】513014248
【氏名又は名称】ダイニンゲル、クリストフ
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】クーン、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ダイニンゲル、クリストフ
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−106285(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00983819(EP,A1)
【文献】 特開昭50−143744(JP,A)
【文献】 米国特許第04001543(US,A)
【文献】 特開2003−284783(JP,A)
【文献】 特開昭49−039897(JP,A)
【文献】 特開2003−320471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源(7)から放射されるレーザビーム(8)によってパイプ又はその他の長尺材料を加工する装置であって、
・装置台座(1)、
・工具又は切削手段を支持するための、前記装置台座(1)に対し摺動可能かつ回動可能に支承される支持要素、
・加工の際に被加工材料によって貫入されると共に、前記支持要素によって包囲される孔(5)であって、加工がその内部において実行可能なトンネルを形成する孔(5)
を有
前記摺動可能かつ回動可能に支承される支持要素は、前記レーザビーム(8)のための前記レーザ光源(7)が工具又は切削手段としてその内側に配設される、長尺で中空の回動体(以下「長尺回動体」という)であること
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記長尺回動体は、ドラム状部材(3)であり、前記孔(5)は該ドラム状部材(3)の中心孔であること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーザビーム(8)は、自由に(無拘束的に)又はファイバないし中空導波管によって案内されて前記被加工材料(6)に導かれること
を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記長尺回動体は、前記装置台座に対し前記被加工材料(6)の長手方向に摺動可能に配設された支持ブロック部材(2)において、該被加工材料の中心軸(m−m)の周りで回動可能に支承されること
を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記被加工材料(6)は、長手方向に運動可能及び/又はその中心軸(m−m)の周りで回動可能に前記孔(5)を貫入すること
を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記レーザ光源(7)は、前記レーザビーム(8)を実質的に前記中心軸(m−m)の方向に放射すること、及び前記レーザビーム(8)を前記被加工部材(6)に向って偏向するためのビーム案内及び/又はビーム成形要素(9)が、前記ドラム状部材(3)内に配設されること
を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム案内及び/又はビーム成形要素(9)は、前記ドラム状部材(3)の中心軸に関し、半径方向及び/又は軸方向に位置調整可能に構成されること
を特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記ビーム案内及び/又はビーム成形要素(9)は、適応ミラー、フォーカシングミラー、トロイダルミラー、スキャナ、ファイバ、偏向要素、ビームスプリッタ、レンズからなる群から選択される少なくとも1つの要素を含むこと
を特徴とする請求項又はに記載の装置。
【請求項9】
前記レーザ光源(7)にエネルギを供給するための回転伝導装置(10)が、前記長尺回動体と前記支持ブロック部材(2)との間に配設されること
を特徴とする請求項の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
更なる支持ブロック部材(11)が、前記被加工材料(6)の長手方向において摺動可能に前記装置台座に配設されること
を特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2010年7月19日に出願されたドイツ特許出願10 2010 027 638.3に基づく優先権を主張するが、この出願の開示内容はこの引用を以って本願の一部を構成するものとする。
【0002】
本発明は、レーザビーム源から放射されるレーザビームを用いて管状部材又はその他の長尺材料を加工するための装置に関し、とりわけ請求項1の上位概念部(前置部)に記載の特徴を有するものに関する。
【背景技術】
【0003】
管状部材が加工又は切削(切断)されるべき場合、該管状部材は一般的に旋盤のチャックに配され、これによって固定的に保持されかつ回転され、他方、例えば回転しない切削工具が横から該回転する管状部材に移動される。切削は管状部材の連続する複数の回転において実行され、他方、バイト(切削刀:Einsatzwerkzeug)はゆっくりと回転する管状部材内に侵入する。旋盤のためには、持続的に設置部位に固定される重い台座が必要である。更に、バイトのためには、頑丈であるが運動可能な把持装置が必要である。
【0004】
例えば切削(切断)作業のような加工を容易化するためには、レーザが使用される。変形された管状部材のレーザによる加工は、通常の装置では、定置的な又は直線的に摺動可能なレーザによって実行され、このレーザの下で、加工されるべき(被加工)管状部材が回転ないし摺動される。既に屈曲又は湾曲された長尺の管状部材又は既に他のコンポーネントに結合された管状部材の場合、該未完成加工品の回転はしばしば不可能であるか、多大な手間を要するため、他の加工ないし切削方法が適用される必要がある。
【0005】
請求項1の上位概念の背景をなすDE 11 2007 001 639 T5には、切削されるべき(被切削)材料ないし管状部材がその中に固定される中央孔が中央部に設けられた管状部材切削装置が記載されている。この中央孔の周りに、回動可能かつ被切削材料の長手方向に運動可能な切削ヘッドが案内される。更に、2つの異なる駆動装置が、複雑な切削も実行可能なように、プロセッサを介して調和して作動される。この場合、切削ヘッドは、定置的なレーザビーム源から離隔されているため、レーザ光はまず切削ヘッドに案内される必要がある。これは、切削ヘッドが回転される場合にも確保されるべきである。中央孔は管状部材の直径に適合されるべきであるので、バイト領域(Einsatzbereich)は中央孔のサイズに依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 11 2007 001639 T5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、この技術水準から出発し、種々異なる材料の有利(所望)かつフレキシブルな(適応性の大きい)加工を可能にする、レーザビームを用いた管状部材又はその他の長尺材料の加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。
即ち、上記の課題を解決するために、本発明の一視点により、レーザ光源から放射されるレーザビームによってパイプ又はその他の長尺材料を加工する装置が提供される。この装置は、
・装置台座、
・工具又は切削手段を支持するための、前記装置台座に対し摺動可能かつ回動可能に支承される支持要素、
・加工の際に被加工材料によって貫入されると共に、前記支持要素によって包囲される孔であって、加工がその内部において実行可能なトンネルを形成する孔を有し、
前記摺動可能かつ回動可能に支承される支持要素は、前記レーザビームのための前記レーザ光源が工具又は切削手段としてその内側に配設される、長尺で中空の回動体(以下「長尺回動体」という)であることを特徴とする(形態1・基本構成)。
【発明の効果】
【0009】
本発明の独立請求項1に係る発明により上記課題に掲げた効果が達成される。即ち、本発明により、種々異なる長尺材料の有利かつフレキシブルな加工が可能になる。
更に、各従属請求項に係る発明により付加的な効果が夫々達成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この装置では、有利には中心孔も設けられるが、この中心孔は管状部材の固定のために利用されるのではなく、専ら管状部材の受容(収容)のために利用される。更に、この中心孔は、たとえばドラム状(円筒状)部材のような長尺回動体形成されるため、加工がその内部で実行可能なトンネルが形成される。このため、実行されるべき加工作業の長さに関する制限はない。この場合、この孔は、直径ないし(幾何学的)形状が非常に小さい場合でも非常に大きい場合でも加工が可能であるような大きさに形成することが可能である。レーザビーム源は既に長尺回動体の内部に配設されているので、専ら、エネルギ供給及び相応の制御が適切な態様で確保されるべきであるが、これは、相応のエネルギ及び制御命令を長尺回動体に供給するために、有利には回転導電(ないし伝導)装置(Drehdurchfuehrungen)ないしスリップリング(Schleifringe)を介して実行可能である。被加工材料のフレキシブルな受容によって(被加工材料の受容適応性が大きいため)、可能な(幾何学的)形状及び回転運動は回動体と管状部材の相対運動によって規定されるが、このため、レーザビームの最大出力を利用したより迅速な処理サイクルも可能になる。
【0011】
更なる利点は、従属請求項及び有利な実施例についての以下の説明から明らかになる。以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)上掲基本構成参照。
(形態)上記形態1の装置において、前記長尺回動体は、ドラム状部材であり、前記孔は該ドラム状部材の中心孔であることが好ましい。
(形態)上記形態1又は2の装置において、前記レーザビームは、自由に(無拘束的に)又はファイバないし中空導波管によって案内されて前記被加工材料に導かれることが好ましい。
(形態)上記形態1〜の何れかの装置において、前記長尺回動体は、前記装置台座に対し前記被加工材料の長手方向に摺動可能に配設された支持ブロック部材において、該被加工材料の中心軸の周りで回動可能に支承されることが好ましい。
(形態)上記形態1〜の何れかの装置において、前記被加工材料は、長手方向に運動可能及び/又はその中心軸の周りで回動可能に前記孔を貫入することが好ましい。
(形態)上記形態1〜の何れかの装置において、前記レーザ光源は、前記レーザビームを実質的に前記中心軸の方向に放射すること、及び前記レーザビームを前記被加工部材に向って偏向するためのビーム案内及び/又はビーム成形要素が、前記ドラム状部材内に配設されることが好ましい。
(形態)上記形態の装置において、前記ビーム案内及び/又はビーム成形要素は、前記ドラム状部材の中心軸に関し、半径方向及び/又は軸方向に位置調整可能に構成されることが好ましい。
(形態)上記形態又はの装置において、前記ビーム案内及び/又はビーム成形要素は、適応ミラー、フォーカシングミラー、トロイダルミラー、スキャナ、ファイバ、偏向要素、ビームスプリッタ、レンズからなる群から選択される少なくとも1つの要素を含むことが好ましい。
(形態)上記形態の何れかの装置において、前記レーザ光源にエネルギを供給するための回転伝導装置が、前記長尺回動体と前記支持ブロック部材との間に配設されることが好ましい。
(形態10)上記形態1〜の何れかの装置において、更なる支持ブロック部材が、前記被加工材料の長手方向において摺動可能に前記装置台座に配設されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドラム状部材内に配設されたレーザビーム源を有する(加工)装置の一例の模式的断面図。
【実施例】
【0013】
本発明の実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。尤も、以下の実施例は単なる例に過ぎず、本発明の(技術的)思想(コンセプト)を特定の形態に限定して解すべきではない。本発明を詳細に説明するに当って留意すべきことは、本発明は実施例の装置の個々の構成要素及び実施例の個々の方法ステップに限定して解すべきものではなく、これは、これら構成要素及び方法は変更可能だからである。本書で使用される概念は、特定の実施例の説明のためにのみ規定されており、限定的に使用されていない。更に、明細書又は特許請求の範囲において単数又は不定冠詞が用いられる場合、これらは、開示全体から明瞭に異なるものが明示されていない限り、当該要素の複数にも関連する。
【0014】
図1は、管状部材又はその他の長尺材料6の加工装置の一例を模式的に示す。これらの管状部材ないし長尺材料は種々異なる断面並びに種々異なる直径及び(幾何学的)形状を有し得る。加工は、レーザ(ビーム)源7から放射されるレーザビーム8を用いて実行されるが、その際、レーザビーム源によって実行可能な全ての処理プロセスが実行可能である。とりわけ、材料の切削、分離(切断)、マーキング、クリーニング、接合ないし溶接、除去(Abtragen)、硬化又は刻字ないし印字(Beschriften)のためのレーザプロセスが、更には例えばケーブルの絶縁材除去ためのレーザプロセスもまた実行可能である。
【0015】
レーザビーム8は、任意の態様でレーザビーム源から加工されるべき(被加工)材料6の加工点に導かれる。図1には、(無拘束の)自由レーザビーム8と、偏向要素として構成されたビーム案内及び/又はビーム成形(整形)要素9が示されている。尤も、レーザビームは、例えばファイバ又は中空導波管(Hohlwellenleiter)等によっても良好に案内されることが可能である。ここでいう「ビーム案内及び/又はビーム成形要素」9という概念は、ファイバ、ミラー、トロイダルミラー(トロイド:Toroide)、偏向要素、ビームスプリッタ、スキャナ等のようなレーザビームを案内する要素及び/又は例えばレンズ又は例えばフォーカシングミラー、適応ミラー(adaptive Spiegel)等のような組合せ要素のようなレーザビームを成形(整形)する要素(formende Elemente)のすべてを意味する。
【0016】
装置台座1の上には、該装置台座に対し摺動可能かつ回動可能に支承される、工具又は切削手段を支持するための支持要素が配設される。この支持要素は、実施例ではドラム状部材3として構成されている長尺回動体によって構成される。尤も、長尺回動体は、長手方向において被加工材料を受容するためのトンネルが形成される任意の外部形状及び/又は内部形状を有し得る。本発明の更なる説明のために、支持要素ないし長尺回動体をドラム状部材3と称する。
【0017】
支持要素ないしドラム状部材3は、中心の、その限りでトンネル状の孔5を含むが、該孔5は加工の際に被加工材料6によって貫入される。所望の加工が保証される限りにおいて、中心からずれた孔も原理的には利用可能である。明確に認識すべきことは、被加工材料6は中心孔5において固定されるのではなく、その中で自由に(無拘束的に)受容されることである。そのため、被加工材料ないし管状部材は、少なくとも必要に応じ長手方向に運動可能に又はその中心軸m−mの周りで回動可能であるように、例えばベアリング又はロボットアームのようなものによって他の位置において支持されるべきことは自ずと理解できる。この場合、前もって他の要素と結合されているか或いは既に湾曲されている管状部材又は被加工材料もまた加工することができる。更に、被加工材料は、短縮化(短くした)部分としても、無端的に(長い場合)も加工装置に供給されることができる。
【0018】
ドラム状部材3には、レーザビーム源7が内部に配設されている。このため、レーザビーム源に外部から接触(アクセス)することが必要であり、そのため、エネルギ供給も媒体の搬入及び搬出を保証し、更に、例えば制御命令をレーザビーム源に供給するために、不図示のプロセッサとの接続も可能にする回転導電(ないし伝導)装置(Drehdurchfuehrungen)10が配設されている。不図示のマイクロプロセッサは、更に、何れも装置台座1に対し被加工材料の長手方向に図1に矢印で示したように摺動可能に構成された支持ブロック部材2、11を介して駆動ユニット(複数)と接続されている。同様に、マイクロプロセッサは、ドラム状部材3及び/又は被加工材料6のための不図示の回動駆動装置を制御する。
【0019】
長手方向に摺動可能な支持ブロック部材2には、中心軸m−mの周りで回動可能に支承され駆動されるドラム状部材3が、適切な軸受4を介して支持ブロック部材2に対して支持されている。中心孔5には、任意の横断面を有する適切な(被加工)材料6が選択的に短縮化(断片化)されて又は無端的に供給されることができる。この場合、材料6は、中心軸m−mの周りにおいて回動可能であるか又は固定的に案内可能であり、更に、長手方向において運動可能であるか又は装置台座1に対して固定可能である。ドラム状部材3には、ドラム状部材3の回動によって材料加工が未完成加工品の周囲で実行されるよう、適切な工具、とりわけレーザビーム源7が配設される。レーザビームを用いる場合、レーザビームは適切なビーム案内及び/又はビーム成形要素9によって適切な角度で未完成加工品に向って偏向される。この場合、レーザビーム源7はレーザビームを中心軸m−mに対し実質的に平行に放射し、そして、ビーム案内及び/又はビーム成形要素9がレーザビームをドラム状部材3内の被加工材料6に向けて偏向する。尤も、レーザビーム源7がドラム状部材3内に配設される限りにおいて、レーザビーム源7の他の任意の配置も原理的には可能である。従って、ビーム案内及び/又はビーム成形要素9を用いることなく、レーザビーム源は、例えば半径方向において加工点の方向に整列(位置合せ)されることも可能である。ビーム案内及び/又はビーム成形要素9及び/又はレーザビーム源は、レーザビームの合焦ポイントが種々異なる及び/又は非回転対称的ないし非対称的な(幾何学的)形状に調整されるよう、不図示の駆動装置を介してドラム状部材に関し半径方向及び/又は軸方向(長手方向)に摺動可能に構成することも可能である。
【0020】
被加工材料6の長手方向に運動可能に構成される更なる支持ブロック部材11は材料の取り扱いを支援する。(被加工)材料6とドラム状部材3との間の相対運動は、材料6の送りと支持ブロック部材2の運動によって規定される。周(方向)における(被加工)材料に対する工具ないしレーザビーム源7の相対速度は、ドラム状部材3及び材料6の回転速度によって規定される。
【0021】
ドラム状部材3内に中心孔5によって形成されるトンネルは、被加工材料6の多様な加工を可能にする。一方では、中心孔5の直径が十分に大きい限り、任意の小さい直径又は任意の大きい直径もまた使用することができる。他方では、レーザビームのための光学系は中心孔内における加工(処理)を妨害しない。更に、ドラム状部材3は、(被加工)材料の長手方向において比較的長い切削(切断)ないし加工を実行可能にすると共に、必要に応じドラム状部材自体も相応に長尺化可能であるという利点を有する。
【0022】
上記の説明は添付の特許請求の範囲に実質的に同等の範囲内に含まれる種々多様な修正、変更及び適合化が可能であることは当然である。なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【符号の説明】
【0023】
1 装置台座
2 支持ブロック部材
3 ドラム状部材
4 軸受
5 中心孔(トンネル)
6 (被加工)材料
7 レーザビーム源
8 レーザビーム(無拘束的又は案内される、例えばファイバ)
9 ビーム案内及び/又はビーム成形要素
10 回転導電(ないし伝導)装置(Drehdurchfuehrungen)
11 更なる支持ブロック部材
m−m 6の中心軸(線)
図1