【文献】
Tong, H. et al,Novel polyquinolines containing phenylamine moiety,Synthetic Metals,2003年,137(1-3),p1115-1116
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)もしくは有機レーザーダイオード(O-laser)であることを特徴とする、請求項13または14記載の電子素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバゾール構造単位を有するポリマーとその製造方法に関する。本発明は、さらに、これらのポリマーを含む調合物と電子素子に関する。
【0002】
有機、有機金属および/またはポリマー半導体を含む電子素子は、重要性を増してきており、費用的理由とその性能に基づいて多くの市販製品に使用されている。ここで、言及されてもよい例は、電子複写における有機系電荷輸送材料(たとえば、トリアリールアミン系正孔輸送体)、表示素子における有機もしくはポリマー発光ダイオード(OLEDもしくPLED)または複写機における有機光受容素子である。有機太陽電池(O-SC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機集積回路(O-IC)、有機光増幅素子および有機レーザーダイオード(O-laser)が、開発の進んだ段階であり、将来における主な重要性を実現するかもしれない。
【0003】
多くのこれら電子素子は、夫々の用途を問わず、以下の一般的構造を有し、夫々の用途に適合することができる。
【0004】
(1)基板、
(2)電極、多くは、金属もしくは無機であるが、有機もしくはポリマー伝導性材料から製造されもする、
(3)電荷注入層もしくは中間層、たとえば、電極の不均性の補償用であり(「平坦化層」)、多くは、伝導性のドープされたポリマーから製造される、
(4)有機半導体、
(5)随意に、さらなる電荷輸送層もしくは電荷注入層もしくは電荷障壁層、
(6)対電極、(2)で言及された材料
(7)被包
上記配置は、種々の層が結合され得る有機電子素子の一般的構造をあらわし、その結果、最も単純な場合には、配置は、その間に有機層が位置する二個の電極となる。有機層は、この場合、発光を含むすべての機能を発揮する。この型のシステムは、たとえば、ポリ(p-フェニレン)系について、WO 90/13148 A1に記載されている。
【0005】
しかしながら、この型の「三層構造」で生じる問題は、多層構造、たとえば、SMOLED(「小分子OLED」)の場合に単純な方法で達成されるように、電荷分離制御不足と異なる層中の個々の構成成分の特性の最適化方法の不足である。
【0006】
小分子OLEDは、多くは、一以上の有機正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および/または電子注入層およびアノードとカソードを含み、全システムは、通常ガラス基板上に位置する。この型の多層構造の優位性は、電荷注入、電荷輸送および発光という種々の機能を種々の層に分けることができ、夫々の層の特性は、それゆえ別々に変更することができることに存する。この変更は、電子素子の性能をかなり改善することを可能とする。
【0007】
公知の電子素子は、使用可能な特性プロフィルを有する。しかしながら、これらの素子の特性を改善する継続した必要性が存在する。これらの特性は、特に、電子素子の寿命を含む。さらなる問題は、特に、電子素子が特定の目的で達成するエネルギー効率である。低分子量化合物とポリマーの双方を基礎としてよい有機発光ダイオードの場合には、光効率は、特に、高くあるべきであり、ある光電流を達成するためには、できるだけ少ない電力が消費されなければならない。さらに、予め指定された輝度を達成するためには、可能な最低の電位を不可欠とせねばならない。
【0008】
さらなる目的は、できるだけ高価でなく優秀な特性を有し、一定の品質を有する電子素子の提供とみなすことができる。
【0009】
さらに、電子素子は、多くの目的に使用され、適合されることができなければならない。特に、電子素子の性能は、広範な温度範囲で維持されねばならない。
【0010】
驚くべきことに、これらと明白には言及されないが、ここの序章での検討から簡単に導き出せ、推論できるさらなる目的が、本願請求項1の全特徴を有するポリマーにより達成されることが見出された。本発明のポリマーの有利な変更は、本願請求項1に従属する請求項で保護される。
【0011】
したがって、本発明は、少なくとも一つの一般式(I)のカルバゾール構造単位と少なくとも一つの一般式(II)および/または(III)のアリールアミン構造単位を含むポリマーに関する。
【化1】
【0012】
Ar
1、Ar
2、Ar
3は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
m、oは、互いに独立して、0または1であり;
nは、1、2または3であり;
破線は、ポリマー中での連結であり;
【化2】
【0013】
式中、
Ar
4、Ar
5、Ar
7、Ar
8は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
Ar
6は、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であるか、または、式Ar
9-Y-Ar
9の基であり、ここで、Ar
9は、各場合に、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいか、たがいに結合してよいアリールもしくはヘテロアリール基であり、Yはスペーサー基もしくは直接結合であり;
pは、1、2または3であり;
qは、0または1であり;
破線は、ポリマー中での連結である。
【0014】
一般式(I)のカルバゾール構造単位において、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよい5〜60個の、好ましくは、5〜40個の、特に、好ましくは、5〜20個の環原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基である。
【0015】
一般式(II)および/または(III)のアリールアミン構造単位は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよい5〜60個の環原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であるAr
4、Ar
5、Ar
7およびAr
8を含む。一般式(II)および/または(III)において、基Ar
6は、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であるか、または、式Ar
9-Y-Ar
9の基であり、ここで、Ar
9は、各場合に、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいか、たがいに結合してよいアリールもしくはヘテロアリール基であり、Yはスペーサー基もしくは直接結合である。アリールもしくはヘテロアリール基Ar
6および/またはAr
9は、5〜60個の環原子を含む。
【0016】
本発明の意味でのアリール基は、6〜60個、好ましくは、6〜40個、特に、好ましくは、6〜20個のC原子を含み、本発明の意味でのヘテロアリール基は、2〜59個、好ましくは、2〜39個、特に、好ましくは、2〜19個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれ、N、Oおよび/またはSが、特に、好ましい。ここで、アリールもしくはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、すなわち、ベンゼンまたは単純な複素環式芳香族環、たとえば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等または縮合アリールもしくはヘテロアリール基、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびインドール等を意味するものと解される。
【0017】
本発明の目的のために、一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位中の基Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、Ar
5、Ar
6、Ar
7、Ar
8およびAr
9は、特に、好ましくは、それぞれ、互いに独立して、ベンゼン、フルオレン、スピロビフルオレン、シス-およびトランス-インデノフルオレン、ナフタレン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンおよびインドールに由来し、ここで、ベンゼン、フルオレン、スピロビフルオレン、シス-およびトランス-インデノフルオレン、ナフタレン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン、キノリンおよびイソキノリンが、非常に、特に、好ましい。
【0018】
一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位中において、Rは、出現毎に互いに独立して、F、Cl、Br、I、N(Ar)
2、N(R’)
2、CN、NO
2、Si(R’)
3、B(OR’)
2、C(=O)Ar、C(=O)R’、P(=O)(Ar)
2、P(=O)(R’)
2、S(=O)Ar、S(=O)R’、S(=O)
2Ar、S(=O)
2R’、-CR’=CR’(Ar)、OSO
2R’、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基R’により置換されてよく、1以上の隣接しないCH
2基は、R’C=CR’、C≡C、Si(R’)
2、Ge(R’)
2、Sn(R’)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR’、P(=O)(R’)、SO、SO
2、NR’、O、SもしくはCONR’で置き代えられてよく、ここで、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2で置き代えられてよい。)または架橋可能基または各場合に1以上の基R’により置換されてよい5〜60個の環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または1以上の基R’により置換されてよい5〜60個の環原子を有するアリールオキシあるいはヘテロアリールオキシ基もしくはこれらの構造の組み合わせより成る群から選ばれ、ここで、二以上の基Rは、互いにモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、ここで、R’は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、Arは、2〜30個のC原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基である。
【0019】
一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位は、上記言及したとおり、一以上の架橋可能基を含む。「架橋可能基」は、不可逆的に反応することができる官能基を意味する。不溶性である架橋可能材料が、そこに形成される。架橋は、通常、熱により、UV、マイクロ波、X線もしくは電子照射により支援することができる。ここで、本発明のポリマーの安定性に基づいて、架橋の間には、少しの副生物生成しか生じない。さらに、本発明のポリマー中の架橋可能基は、非常にたやすく架橋し、より少ない量のエネルギーが架橋のために必要である(たとえば、熱架橋の場合に、<200℃)。
【0020】
架橋可能基の例は、二重結合、三重結合、二重あるいは三重結合をその場で形成することのできる前駆体、またはヘテロ環付加重合可能基を含む単位である。架橋可能基は、特に、ビニル、アルケニル、好ましくは、エテニルおよびプロペニル、C
4−20-シクロアルケニル、アジド、オキシラン、オキセタン、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、シアネートエステル、ヒドロキシル、グリシジルエーテル、C
1−10-アルキルアクリレート、C
1−10-アルキルメタクリレート、アルケニルオキシ、好ましくは、エテニルオキシ、パーフルオロアルケニルオキシ、好ましくは、パーフルオロエテニルオキシ、アルキニル、好ましくは、エチニル、マレイミド、トリ(C
1−4)-アルキルシロキシおよびトリ(C
1−4)-アルキルシリルである。特に、好ましいものは、ビニルとアルケニルである。
【0021】
アリールもしくはヘテロアリール基Ar
4、Ar
5、Ar
6、Ar
7およびAr
8は、互いに結合を介して連結せず、式(II)または(III)の単位は、一般式(I)の意味でのカルバゾール単位ではない。したがって、式(II)の単位は、トリアリールアミン構造単位であって、ここで、式(III)の構造単位は、通常、さらなる構造単位と組み合わせてトリアリールアミン単位を形成する。
【0022】
本発明の意味での芳香族環構造は、6〜60個、好ましくは、6〜40個、特に、好ましくは、6〜20個のC原子を環構造中に含む。本発明の意味での複素環式芳香族環構造は、2〜59個、好ましくは、2〜39個、特に、好ましくは、2〜19個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を環構造中に含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれる。本発明の意味での芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、さらに、必ずしもアリールもしくヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、その代わりに、複数のアリールもしくヘテロアリール基は、例えば、sp
3混成のC原子、N、O原子のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少ない。)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。したがって、例えば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等のような構造も、本発明の意味での芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいるが、二個以上のアリール基が、たとえば、直鎖あるいは分岐鎖アルキル基もしくはシリル基による中断される系も同様である。P(=O)もしくはC(=O)基は、通常は共役中断ではない。
【0023】
5〜60個の環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、各場合に、任意の所望の基Rにより置換されていてもよく、任意の所望の位置を介して、芳香族もしくは複素環式芳香族系に連結していてもよいが、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-もしくはトランス-インデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10テトラアザピレン、ピラジン、フェナジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、ベンズアントレン、ベンズアントラセン、ルビセンおよびトリフェニレンから誘導される基を意味するものと解される。本発明の目的のために、特に、好ましいものは、フルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレンおよびカルバゾールである。
【0024】
本発明の目的のためには、1〜40個のC原子を有するアルキル基は、ここで、加えて、個々のH原子もしくはCH
2基は、上記した基または基Rにより置換されていてよく、好ましくは、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルおよびオクチニルを意味するものと解される。1〜40個のC原子を有するアルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシおよび2-メチルブトキシを意味するものと解される。
【0025】
式Ar
9-Y-Ar
9において、Yはスペーサー基であり、スペーサーとも呼ばれる。使用されるスペーサーYは、この目的のために当業者に知られる全ての基であることができる。二個の基Ar
9は、互いに直接結合してもよく、この場合には、Yは結合であり、スペーサー基とは異なってよい。
【0026】
当業者にとって驚くべき優位性は、特に、アリールもしくはヘテロアリール基Ar
9またはポリマーの共役中断をもたらすスペーサー基Yにより達成することができる。
【0027】
特別な態様によれば、式Ar
9-Y-Ar
9中のYは、好ましくは、1〜20個のC原子、特に好ましくは、1〜12個のC原子を有する直鎖あるいは分岐アルキレン基であって、1以上の隣接しないCH
2基は、-O-、-S-、-NH-、-N(CH
3)-、-N-CO-、-N-CO-O-、-N-CO-N-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-COO-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CHもしくはC≡Cまたは環状アルキル基、好ましくは、シクロヘキサンもしくは1,4-あるいは1,3-連結を持つシクロヘキサン誘導体である。さらなる可能なスペーサー基Yは、たとえば、-(CH
2)
o-、-(CH
2CH
2O)
p-CH
2CH
2-、-CH
2CH
2-S-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2-NH-CH
2CH
2-(ここで、o=1〜12、好ましくは、2〜12で、p=1〜3)であるが、-O-でもある。
【0028】
特に、好ましいスペーサー基Yは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン-N-メチルイミノエチレン、1-メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0029】
Yは、特に、好ましくは、2〜8個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレンオキシ基である。ここで、直鎖基が、特に、好ましい。
【0030】
さらなる態様によれば、式Ar
9-Y-Ar
9中のスペーサー基Yは、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を含んでもよい。ここで、特に、好ましいものは、式(Ya)のスペーサー基である。
【化3】
【0031】
式中、
R
1は、各場合に、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
1は、互いにおよび/またはR
1が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
rは、0、1、2、3または4であり、
破線は、アリールもしくはヘテロアリール基Ar
9への連結である。
【0032】
式Ar
9-Y-Ar
9の単位は、好ましくは、少なくとも一つの式(Yb)のスペーサー基を含む。
【化4】
【0033】
式中、
R
1は、各場合に、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または、1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
1は、互いにおよび/またはR
1が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
r、sは、0、1、2、3または4であり、
破線の結合は、アリールもしくはヘテロアリール基Ar
9への連結である。
【0034】
式Ar
9-Y-Ar
9の単位は、特に、好ましくは、少なくとも一つの式(Yb1)のスペーサー基を含む。
【化5】
【0035】
式中、
R
2は、各場合に、独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
2は、互いにおよび/またはR
2が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
t、uは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
破線は、アリールもしくはヘテロアリール基Ar
9への連結である。
【0036】
特に、驚くべき優位性は、特に、少なくとも一つの式(Yb2)のスペーサー基Yを含む式Ar
9-Y-Ar
9の単位により示される。
【化6】
【0037】
式中、
R
3、R
4は、夫々、互いに独立して、水素原子、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
3、R
4は、互いにおよび/または他の環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
破線は、アリールもしくはヘテロアリール基Ar
9への連結である。
【0038】
本発明の好ましい態様によれば、本発明のポリマーは、少なくとも一つの一般式(Ia)のカルバゾール構造単位を含む。
【化7】
【0039】
式中、
Ar
1、Ar
2、Ar
3は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
m、oは、互いに独立して、0または1であり;
破線は、ポリマー中での連結である。
【0040】
式(Ia)中の基Ar
1、Ar
2、Ar
3と添え字mとoは、式(I)に対して上記に示される意味を有する。
【0041】
特に、好ましいポリマーは、少なくとも一つの一般式(Ib)のカルバゾール構造単位を含む。
【化8】
【0042】
式中、
Ar
2は、各場合に、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
破線は、ポリマー中での連結である。
【0043】
式(Ib)中の基Ar
2は、式(I)に対して上記に示される意味を有する。
【0044】
本発明のポリマー中の一般式(I)、(Ia)および(Ib)のカルバゾール構造単位の割合は、本発明の好ましい態様によれば、少なくとも5モル%、特に、好ましくは、少なくとも10モル%、非常に、特に、好ましくは、少なくとも20モル%、特に、少なくとも40モル%である。
【0045】
驚くべき優位性を、好ましくは、少なくとも一つの一般式(IIa)および/または(IIIa)のアリールアミン構造単位を含む本発明のポリマーにより達成することができる。
【化9】
【0046】
式中、
Ar
4、Ar
5、Ar
7、Ar
8は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
qは、0または1、好ましくは、1であり;
Yは、スペーサー基または直接結合であり;
破線は、ポリマー中での連結である。
【0047】
式(IIa)および/または(IIIa)において、基Ar
4、Ar
5、Ar
7、Ar
8と添え字qとスペーサー基Yは、式(II)および/または(III)に対して上記に示される意味を有する。スペーサー基Yは、好ましくは、上記に詳細に説明されるように、ポリマーのアリール基の共役中断をもたらすことができる。
【0048】
さらに、好ましいものは、少なくとも一つの一般式(IIIb)のアリールアミン構造単位を含む。
【化10】
【0049】
式中、Yはスペーサー基もしくは直接結合であり;
R
5は、夫々、互いに独立して、水素原子、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基もしくはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
5は、互いにおよび/またはR
5が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
破線はポリマー中での連結である。
【0050】
一般式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)および(IIIb)のアリールアミン構造単位の割合は、本発明の好ましい態様によれば、少なくとも5モル%、特に、好ましくは、少なくとも10モル%、非常に、特に、好ましくは、少なくとも20モル%、特に、少なくとも40モル%である。
【0051】
一般式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)および(IIIb)のアリールアミン構造単位に対する一般式(I)、(Ia)および(Ib)のカルバゾール構造単位のモル比は、好ましくは、10:1〜1:10の範囲、特に、好ましくは、5:1〜1:5の範囲、非常に、特に、好ましくは、2:1〜1:2の範囲である。
【0052】
一以上の一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位に加えて、本発明のポリマーは、さらなる構造単位を含んでもよい。
【0053】
当業者に対しての驚くべき優位性が、特に、連結構造単位を含むポリマーにより達成することができる。特に、好ましい連結構造単位は、ポリマーの共役中断をもたらすことができる。
【0054】
好ましい連結構造単位は、式(IV)である。
【化11】
【0055】
式中、Xはスペーサー基であり;
破線はポリマー中での連結である。
【0056】
好ましいスペーサー基Xは、1〜20個のC原子、特に好ましくは、1〜12個のC原子を有する直鎖あるいは分岐アルキレン基であって、1以上の隣接しないCH
2基は、-O-、-S-、-NH-、-N(CH
3)-、-N-CO-、-N-CO-O-、-N-CO-N-、-CO-、-O-CO-、-S-CO-、-O-COO-、-CO-S-、-COO-、-CH(ハロゲン)-、-CH(CN)-、-CH=CH-または-C≡C-または環状アルキル基、好ましくは、シクロヘキサンもしくは1,4-あるいは1,3-連結を持つシクロヘキサン誘導体である。さらなる可能なスペーサー基Xは、たとえば、-(CH
2)
o-、-(CH
2CH
2O)
p-CH
2CH
2-、-CH
2CH
2-S-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2-NH-CH
2CH
2-(o=1〜12、好ましくは、2〜12で、p=1〜3)であるが、-O-でもある。
【0057】
特に、好ましいスペーサー基Xは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン-N-メチルイミノエチレン、1-メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0058】
特に、Xは、2〜8個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレンオキシ基である。ここで、直鎖基が、特に、好ましい。
【0059】
さらなる態様によれば、連結構造単位は、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を含んでよい。ここで、好ましいものは、式(Va)の連結構造単位である。
【化12】
【0060】
式中、
R
1は、各場合に、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
1は、互いにおよび/またはR
1が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
rは、0、1、2、3または4であり、
破線は、ポリマー中での連結である。
【0061】
さらに、使用は、好ましくは、式(Vb)の連結構造単位でなされる。
【化13】
【0062】
式中、
R
1、R
2は、夫々、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
1および/またはR
2は、互いにおよび/またはR
1が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
r、sは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
破線は、ポリマー中の連結である。
【0063】
特に、好ましいポリマーは、少なくとも一つの式(Vb1)の連結構造単位である。
【化14】
【0064】
式中、
R
3は、各場合に、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
3は、互いにおよび/またはR
3が結合する環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
t、uは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
破線は、ポリマー中の連結である。
【0065】
特に、驚くべき優位性は、特に、少なくとも一つの式(Vb2)の連結構造単位を含むポリマーにより示される。
【化15】
【0066】
式中、
R
4、R
5は、夫々、互いに独立して、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基またはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
4、R
5は、互いにおよび/または別の環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
破線は、ポリマー中の連結である。
【0067】
本発明のポリマー中の、連結構造単位、特に、一般式(IV)、(Va)、(Vb)、(Vb1)および(Vb2)のものの割合は、本発明の好ましい態様によれば、0〜90モル%の範囲、特に、好ましくは、1〜50モル%の範囲、非常に、特に、好ましくは、5〜30モル%の範囲である。
【0068】
連結構造単位が、ポリマー中に存在するならば、連結構造単位、特に、上記式(IV)、(Va)、(Vb)、(Vb1)および(Vb2)のものに対する一般式(I)、(Ia)および(Ib)のカルバゾール構造単位のモル比は、好ましくは、100:1〜1:10の範囲、特に、好ましくは、50:1〜1:5の範囲、非常に、特に、好ましくは、20:1〜1:2の範囲である。
【0069】
連結構造単位が、ポリマー中に存在するならば、連結構造単位、特に、上記式(IV)、(Va)、(Vb)、(Vb1)および(Vb2)のものに対する一般式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)および(IIIb)のアリールアミン構造単位の割合は、好ましくは、100:1〜1:10の範囲、特に、好ましくは、50:1〜1:5の範囲、非常に、特に、好ましくは、20:1〜1:2の範囲である。
【0070】
本発明の意味でのポリマーは、オリゴマーとデンドリマーをも意味するものと解されることを意図している。
【0071】
本発明の意味でのオリゴマーは、3〜9個の反復単位を有する化合物に適用される。本発明の意味でのポリマーは、10個以上の反復単位を有する化合物を意味するものと解される。ここで、ポリマーの分岐因子は0(直鎖、分岐点なし)と1(完全に分岐したデンドリマー)の間である。
【0072】
ポリマー、オリゴマーもしくはデンドリマーは、共役していても、部分共役していても、非共役でもよい。ポリマーまたはオリゴマーは直鎖、分岐鎖あるいは樹状であってよい。直鎖で結合する構造において、一般式(I)、(II)および/または(III)の単位は、互いに直接結合してもよいか、二価基を介して、たとえば、置換あるいは非置換アルキレン基を介して、ヘテロ原子を介して、または二価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、互いに結合することができるかの両者である。分岐構造においては、たとえば、3個以上の一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位は、三価あるいは多価基を介して、たとえば、三価あるいは多価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、結合することができ、分岐ポリマーまたはオリゴマーを形成する。
【0073】
本発明のポリマーは、好ましくは、10000〜2000000g/モルの範囲、特に、好ましくは、200000〜1000000g/モルの範囲、非常に、特に、好ましくは、500000〜5000000g/モルの範囲の重量平均分子量M
wを有する。重量平均分子量M
wは、通常の方法、特に、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される。
【0074】
本発明のポリマーは、公知の方法を使用して調製され、官能化された化合物が共重合される。これらの官能化された化合物は、上記記載された上記式の構造単位と臭素、ヨウ素、ボロン酸またはボロン酸エステル等の少なくとも二個の脱離基を含む。
【0075】
適切な重合反応は、当業者に知られ、文献に記載されている。特に、適切で、好ましい重合およびカップリング反応は、C-C連結を生じるものすべてであり、スズキ、ヤマモト、スチル、ヘック、ネギシ、ソノガシラ、ヒヤマによるものである。
【0076】
驚くべき優位性は、ブーフバルト反応により得られるポリマーによって達成することができる。ここで、芳香族ジアミンがハロゲン化アリールと反応する。ブーフバルト反応を使用して反応することができる好ましい官能化モノマーは、特に、式(I)、(Ia)または(Ib)のカルバゾール構造単位を含むハロゲン化物と、式(III)、(IIIa)または(IIIb)の構造単位を含む二個の二級窒素原子を有するジアミンである。
【0077】
したがって、本発明のポリマーの調製のためのカルバゾールモノマーは、式(MI)、(MIa)または(MIb)である。
【化16】
【0078】
式中、
Ar
1、Ar
2、Ar
3は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
m、oは、互いに独立して、0または1であり;
nは、1、2または3であり;
Zは、各場合に独立して、脱離基である。
【0079】
本発明のポリマーの調製のためのアリールアミンモノマーは、式(MII)、(MIIa)である。
【化17】
【0080】
式中、
Ar
4、Ar
5、Ar
7、Ar
8は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
Ar
6は、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であるか、または、式Ar
9-Y-Ar
9の基であり、ここで、Ar
9は、各場合に、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいか、たがいに結合してよいアリールもしくはヘテロアリール基であり、
Yはスペーサー基もしくは直接結合であり;
pは、1、2または3であり;
qは、0または1であり;
Zは、各場合に独立して、脱離基である。
【0081】
式(MII)および(MIIa)のアリールアミンモノマーは、上記記載のとおりのカルバゾールモノマーと、特に、上記記載のスズキ反応により、重合することができる。
【0082】
特に、好ましいものは、さらに、式(MIII)、(MIIIa)および(MIIIb)のアリールアミンモノマーの使用である。
【化18】
【0083】
式中、
Ar
5、Ar
7は、夫々、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であり;
Ar
6は、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいアリールもしくはヘテロアリール基であるか、または、式Ar
9-Y-Ar
9の基であり、ここで、Ar
9は、各場合に、互いに独立して、1以上の任意の所望の型の基Rにより置換されてよいか、たがいに結合してよいアリールもしくはヘテロアリール基であり、Yはスペーサー基もしくは直接結合であり
R
5は、各場合に、互いに独立して、水素原子、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基であるか、または1〜40個のC原子を有するシリル基もしくは置換ケト基または2〜40個のC原子を有するアルコキシカルボニル基、7〜40個のC原子を有するアリールオキシカルボニル基、シアノ基(-CN)、カルバモイル基(-C(=O)NH
2)、ハロホルミル基(-C(=O)-X)(ここで、Xはハロゲン原子である。)、ホルミル基(-C(=O)-H)、イソシアノ基、イソシアネート基、チオシアネート基あるいはイソチオシアネート基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、CF
3基、Cl、Br、F、架橋可能基または5〜60個の環原子を有する置換・非置換芳香族もしくは複素環式芳香族環構造または5〜60個の環原子を有する置換・非置換アリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基もしくはこれらの構造の組み合わせであり、ここで、一以上の基R
5は、互いにおよび/または別の環と共にモノあるいはポリ環状の脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してよく、
pは、1、2または3である。
【0084】
式(MIII)、(MIIIa)および(MIIIb)のアリールアミンモノマーは、カルバゾールモノマーと、特に、上記記載のブーフバルト反応により、重合することができる。
【0085】
連結構造単位、特に、式(IV)、(Va)および(Vb)の挿入のために使用することができる、特に、好ましいコモノマーは、特に、前記構造単位を含む、臭素、ヨウ素、ボロン酸またはボロン酸エステル等の二個の脱離基を有する化合物を含む。
【0086】
さらに、本発明によるポリマーは官能性コモノマーに由来するさらなる反復単位を含んでもよい。
【0087】
さらに、本発明によるポリマーの調製のための組成物は、さらなる反応性化合物、特に、分子量の制御が可能である一官能性化合物を含んでよい。これらの化合物は、上記モノマーと対応するが、二個以上の脱離基ではなく、ただ一つの脱離基、好ましくは、臭素、ヨウ素、ボロン酸またはボロン酸エステル基を有する。ブーフバルト反応の場合には、一官能性アミンが使用されてもよい。
【0088】
これらの方法により重合を実行することができる方法とポリマーを反応媒体から分離し精製することができる方法は、当業者に知られており、文献、たとえば、WO 03/048225およびWO 04/037887に詳細に記載されている。
【0089】
本発明の構造単位を含むポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、たとえば、OLEDもしくはPLEDの製造のために、特に、発光層中で、特に、ホスト材料として、正孔注入層および/または正孔輸送層中に使用される。
【0090】
ポリマー層は、たとえば、溶液からのコーティング、好ましくは、スピンコーティングにより製造することができる。
【0091】
本発明は、また、有機電子素子における本発明のポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーの使用に関する。
【0092】
有機電子素子は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O-laser)である。
【0093】
本発明の目的のために、本発明のポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、電子素子中で層の形態で存在する(または、層中に存在する)ことが好ましい。
【0094】
ポリマーおよびコポリマーは、さらに、直鎖状または分岐状であってよい。本発明のコポリマーは、ランダム、交互もしくはブロック様構造を有するか、または交互配置の複数のこれらの構造であることができる。ブロック様構造を有する上記コポリマーを得ることができる方法とこの目的のために、特に、好ましい構造要素は、たとえば、WO 05/014688に詳細に記載されている。この詳細は、参照として本願に組み込まれる。
【0095】
本発明のさらなる態様では、素子は、複数の層を含む。ここで、本発明のポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、好ましくは、正孔輸送、正孔注入および/または発光層中に存在する。
【0096】
したがって、本発明は、本発明のポリマーを含む少なくとも一つの正孔輸送および/または正孔注入層を含む電子素子にも関する。正孔輸送および/または正孔注入層の厚さは、好ましくは、1〜500nmの範囲、好ましくは、2〜200nmの範囲である。
【0097】
素子は、さらに、低分子量化合物から構築される層を含んでもよい(いわゆる、小分子;SMOLED)。これらは、高真空中での低分子量化合物の蒸発により製造することができる。
【0098】
ポリマーを純粋物質としてではなく、任意の所望の型のさらなるポリマー状、オリゴマー状、樹状または低分子量物質との混合物(ブレンド)として使用することも追加的に好ましいかもしれない。これは、たとえば、電子特性または発光自体を改善し得る。したがって、本発明は、同様に、この型のブレンドに関する。
【0099】
本発明の好ましい態様では、本発明のポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、発光層中でホスト材料またはマトリックス材料として使用される。ここで、有機エレクトロルミネセンス素子は、一つの発光層または複数の発光層を含んでもよく、少なくとも一つの発光層は、少なくとも一つの上記定義の本発明によるポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーを含む。複数の発光層が存在するならば、これらは、好ましくは、380nm〜750nm間に全体で複数の最大発光波長を有し、全体として、白色発光が生じ、換言すれば、蛍光および/または燐光を発することができる種々の発光化合物が発光層中に使用される。非常に、特に好ましいものは、3層構造であり、その3層は青色、緑色およびオレンジ色もしくは赤色発光するものである(基本構造については、例えば、WO 05/011013参照。)。白色発光素子は、たとえば、表示装置(LCD)の照明もしくはバックライトのために適している。
【0100】
これらの層とは別に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、更なる層、例えば、各場合に、一以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子注入層、電子障壁層、励起子障壁層および/または電荷生成層(IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5), T.Matsumoto, T. Nakada, J.Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J.Kido, 電荷生成層を有するマルチフォトン有機EL素子)を含んでもよい。同様に、たとえば、励起子障壁機能を有する中間層を、二個の発光層の間に導入し得る。しかしながら、これら各層は必ずしも存在する必要はないことが指摘されねばならない。これらの層は、同様に、上記定義されるとおりの本発明によるポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーを含む。複数のOLEDが互いに上に配置されることも可能であり、達成されるべき光収率に関する効率の更なる増加が可能となる。光のアウトカップリングを改善するために、OLEDの光の出口側の最後の有機層は、全反射の割合を減少するナノフォームの形態であることもできる。
【0101】
さらに好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が昇華プロセスにより適用され、材料は、10
−5mbar未満、好ましくは、10
−6mbar未満、特に、好ましくは、10
−7mbar未満の圧力で真空昇華ユニット中で気相堆積される。
【0102】
同様に、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセスあるいはキャリアーガス昇華を用いて適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が、更に好ましく、材料は、10
−5mbar〜1barの圧力で適用される。
【0103】
さらに、1以上の層が、溶液から、例えば、スピンコーティングにより、もしくは、たとえば、スクリーン印刷、フレキソ印刷あるいはオフセット印刷、特に、好ましくは、LITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)もしくはインクジェット印刷のような所望の印刷法により製造される有機エレクトロルミネッセンス素子が好ましい。可溶性化合物は、必要ならば、適切な置換により得られ、この目的のために必要である。
【0104】
対応して、本発明は、さらに、一以上の溶媒中に一般式(I)、(II)および/または(III)の構造単位を有する上記定義の本発明によるポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーを含む調合物に関する。この型の調合物を調製することができる方法は、当業者に知られており、たとえば、WO 02/072714およびWO 03/019694とそこに引用された文献に記載されている。
【0105】
適切で、好ましい溶媒は、たとえば、トルエン、アニソール、キシレン、メチルベンゾエート、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトール、テトラヒドロフランおよびクロロベンゼンならびにそれらの混合物である。
【0106】
素子は、通常、カソードとアノード(電極)を含む。本発明の目的のために、電極(カソード、アノード)は、高度に効率的な電子もしくは正孔注入を確保するために、その電位が、隣接する有機層の電位に可能な限り適合するように選択される。
【0107】
カソードは、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、たとえば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属あるいはランタノイド金属(たとえば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)のような種々の金属を含む金属合金もしくは多層構造を含む。多層構造の場合、たとえばAgのような比較的高い仕事関数を有する金属を、前記金属に加えて使用することもでき、その場合、たとえば、Ca/AgもしくはBa/Agのような金属の組み合わせが一般的に使用される。高い誘電定数を有する物質の薄い中間層を金属カソードと有機半導体との間に導入することも好ましいかもしれない。この目的のために適切なのは、たとえば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属フッ化物だけでなく、対応する酸化物である(たとえば、LiF、Li
2O、BaF
2、MgOおよびNaF等)。この層の層厚は、好ましくは、1〜10nm、特に、好ましくは、2〜8nmである。
【0108】
アノードは、好ましくは、高い仕事関数を有する材料を含む。アノードは、好ましくは、真空に対して4.5eV超の電位を有する。この目的に適切なのは、一方で、たとえば、Ag、PtもしくはAuのような高還元電位を有する金属である。他方で、金属/金属酸化物電極(たとえば、Al/Ni/NiO
x、Al/PtO
x)も好ましいかもしれない。いくつかの用途では、少なくとも一つの電極は、有機材料の照射(O−SC)もしくは光のアウトカップリング(OLED/PLED、O−LASER)の何れかを可能とするために、透明でなければならない。好ましい構成は、透明アノードを使用する。ここで、好ましいアノード材料は、伝導性混合金属酸化物である。特に、好ましいのは、インジウム錫酸化物(ITO)もしくはインジウム亜鉛酸化物(IZO)である。さらに好ましいのは、伝導性のドープされた有機材料、特に、たとえば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)およびポリアニリン(PANI)のような伝導性のドープされたポリマーである。
【0109】
素子は、用途に応じて、それ自体公知の方法で対応して構造化され、接点を供給され、このような素子の寿命が水および/または空気の存在で徹底的に短くなることから、最後に密封される。
【0110】
本発明は、いくつかの例を参照して、以下に、より詳細に説明されるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【0112】
例:
A)モノマーの調製
例1(化合物3の調製)
化合物3は、以下のとおり、調製される:
【化19】
【0113】
化合物2
【化20】
【0114】
104.3g(2モル当量、0.442モル)の1,4-ジブロモベンゼンが、まず、300mlのTHF中に導入され、アセトン/ドライアイス浴中で−75℃まで、冷却される。117ml(2モル当量、0.442モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)は、内部温度が−69℃を超えないような速度で滴下され、撹拌が−72℃で1時間続行される。116g(1モル当量、0.221モル)の化合物1が、次いで220mlのTHF中に溶解され、内部温度が−69℃を超えないように、−72℃でゆっくりと滴下される。反応溶液は、−70℃でさらに1時間および室温で一晩攪拌される。120mlの50%酢酸が、バッチに添加される。相が分離される。水性相はヘプタンで抽出される。結合した有機相は、水で抽出され、Na
2SO
4で乾燥され、濾過され、減圧下蒸発される。
【0115】
1H NMR (CDCl
2, δ (ppm), J (Hz)): 0.51 (s broad, 4H), 0.81 (t, 6H, J = 7.25), 0.94 - 1.25 (m, 20H), 1.55 - 1.85 (m, 4H), 6.73 (d, 1H, J = 8.0), 6.87 - 6.90 (m, 2H), 6.95 - 7.05 (m broad, 4H), 7.21 (d, 1H, J = 7.55), 7.24 (d, 1H, J = 7.75), 7.28 -7.36 (m, 4H), 7.42 (d, 4H, J = 8.6), 7.56 (d, 1H, 7.75), 7.66 - 7.68 (m, 1H)
化合物3a
【化21】
【0116】
177.4g(1モル当量、0.22モル)の化合物2が、353.2ml(2.8モル当量、6.1モル)の氷酢酸中に溶解され、還流まで温められる。19.6ml(1.1モル当量、0.24モル)の濃塩酸が、還流下添加され、混合物は、還流下1.5時間加熱される。TLCチェック後(ヘプタン/酢酸エチル)、2×2mlの濃塩酸が、反応時間3時間で添加される。反応が終わると、25mlの水が注意深く添加される。さらなる50mlの水が、引き続き、相分離のために添加される。混合物は、ジクロロメタンで抽出され、結合した有機相は、次いで、水とNaHCO
3で抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、濾過され、減圧下蒸発される。
【0117】
精製は、再結晶化(アセトニトリル/トルエン)により実行され、白色固形物(99%)を得る。
【0118】
1H NMR (CDCl
2, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.79 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.25 (m, 20H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.10 (d, 4H, J = 8.75), 7.26 - 7.29 (m, 3H), 7.33 - 7.41 (m, 7H), 7.57 (s, 1H), 7.60 - 7.62 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.55)
化合物3b
【化22】
【0119】
化合物3bは、1,3-ジブロモベンゼンを市販の出発物質として使用して、化合物3aと同様に調製される。
【0120】
1H NMR (CDCl
2, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.79 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.25 (m, 20H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.10 (d, 4H, J = 8.75), 7.26 - 7.29 (m, 3H), 7.33 - 7.41 (m, 7H), 7.57 (s, 1H), 7.60 - 7.62 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.55)
例2(化合物6の調製)
【化23】
【0121】
化合物6は、以下のとおり、調製される:
【化24】
【0122】
25gの4-アミノビフェニル4(148ミリモル)、22.6g(72ミリモル)の4,4’-ジブロモビフェニル5と21.4gのナトリウムtert-ブトキシド(222ミリモル)が、トルエン中に溶解され、反応溶液は、注意深く、脱気される。反応溶液は、80℃まで温められ、反応は、325mg(0.36ミリモル)のPd
2dba
3と451mg(0.73ミリモル)のBINAP触媒の添加により開始され、還流温度まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、混合物は室温まで冷却され、50mlの水が添加される。相が分離され、水性相は50mlのトルエンで二度抽出される。結合した有機相は、50mlの水で三度抽出され、硫酸マグネシウムで乾燥され、溶媒は真空除去される。粗生成物はトルエンから再結晶化される。
【0123】
例3〜5(化合物11〜13の調製)
【化25】
【0124】
化合物11〜13は、以下のとおり、調製される:
【化26】
【0125】
N-N’-ジアルキルフルオレンベンジジン11〜13は、ジフェニルベンジジンの合成と同様にして得られる(例2参照。)
N-N’-ビス(ジメチルフルオレン)ベンジジン11
N-N’-ビス(ジブチルフルオレン)ベンジジン12
N-N’-ビス(ジオクチルフルオレン)ベンジジン13
例6〜8(化合物15〜17の調製)
【化27】
【0126】
化合物15〜17は、以下のとおり、調製される:
【化28】
【0127】
13.9gの4-アミノジメチルフルオレン7(66ミリモル)、11g(32ミリモル)の4,4’-ジブロモジベンジル14と9.4gのナトリウムtert-ブトキシド(97ミリモル)が、トルエン中に溶解され、反応溶液は、注意深く、脱気される。反応溶液は、80℃まで温められ、反応は、148mg(0.16ミリモル)のPd
2dba
3と201mg(0.32ミリモル)のBINAP触媒の添加により開始され、還流温度まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、混合物は室温まで冷却され、30mlの水が添加される。相が分離され、水性相は30mlのトルエンで二度抽出される。結合した有機相は、30mlの水で三度抽出され、硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥され、溶媒は真空除去される。粗生成物はトルエンから再結晶化される。
【0128】
N-N’-ビス(ジアルキルフルオレン)ジアミノビベンジル15〜17は、ジフェニルベンジジンの合成と同様にして得られる(例2参照。)
N-N’-ビス(ジメチルフルオレン)ジアミノビベンジル15
N-N’-ビス(ジブチルフルオレン)ジアミノビベンジル16
N-N’-ビス(ジオクチルフルオレン)ジアミノビベンジル17
例9(化合物23の調製)
【化29】
【0129】
化合物23は、以下の合成シーケンスにしたがって、得られる:
【化30】
【化31】
【0130】
フェニルカルバゾールボロン酸エステル19:
150g(406ミリモル)の3-ヨードフェニルカルバゾールが、800mlのジオキサン中に溶解され、123.8g(488ミリモル)のビス(ピナコラート)ジボランと131.6g(1.34ミリモル)の酢酸カリウムと3.2g(4.1ミリモル)の1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(ジクロロメタンとの錯体(1:1)、Pd13%)が、引き続き、添加される。反応は、110℃まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、バッチは室温まで冷却され、200mlの水が添加される。相が分離される。有機相は100mlの水で二度抽出される。結合した有機相は、100mlの水で三度抽出され、硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過され、溶媒は真空除去される。粗生成物はヘプタンから再結晶化され、ベージュ色の固形物を得る。
【0131】
ビスフェニルカルバゾール20:
91g(242ミリモル)の3-ヨードフェニルカルバゾールと91g(246ミリモル)のフェニルカルバゾールボロン酸エステル19が、アセトン中に懸濁され、350mlの20%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド溶液(493ミリモル)が、添加され、混合物は、アルゴンを使用して、注意深く脱気される。4.6g(4ミリモル)のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムが、引き続き、添加される。反応は、70℃まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、バッチは室温まで冷却され、沈殿した生成物は吸引濾過される。粗生成物はアセトニトリルから再結晶化され、ベージュ色の固形物を得る。
【0132】
ジヨードビスフェニルカルバゾール21:
68g(139ミリモル)のビスフェニルカルバゾール20と68g(306ミリモル)のN-ヨードスクシンイミドが、氷酢酸中に懸濁され、室温で遮光下一晩撹拌される。固形物は吸引濾過され、水とヘプタンで洗浄される。粗生成物はアセトニトリルから再結晶化され、白色の固形物を得る。
【0133】
ビスフェニルカルバゾールビスボロン酸エステル22:
100g(136ミリモル)のジヨードビスフェニルカルバゾール21が、500mlのジオキサン中に溶解され、83g(326ミリモル)のビス(ピナコラート)ジボランと88g(896ミリモル)の酢酸カリウムが、添加される。2.2g(2.7ミリモル)の1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(ジクロロメタンとの錯体(1:1)、Pd13%)が、引き続き、添加される。反応は、110℃まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、バッチは室温まで冷却され、200mlの水が添加される。相が分離される。有機相は100mlの水で二度抽出される。結合した有機相は、100mlの水で三度抽出され、硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過され、溶媒は真空除去される。粗生成物はヘプタンから再結晶化され、ベージュ色の固形物を得る。
【0134】
ビス-3-(4-ブロモフェニル)ビスフェニルカルバゾール23:
30g(41ミリモル)のビスフェニルカルバゾールビスボロン酸エステル22と28.8g(102ミリモル)の1-ブロモ-4-ヨードベンゼンが、トルエン中に溶解され、82mlの2M炭酸ナトリウム溶液(163ミリモル)が、添加され、混合物は、アルゴンを使用して、注意深く脱気される。0.94g(0.8ミリモル)のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムが、引き続き、添加される。反応は、110℃まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、バッチは室温まで冷却され、沈殿した生成物は吸引濾過される。粗生成物は、ジメチルホルムアミドから再結晶化され、ベージュ色の固形物を得る。
【0135】
例10(化合物24の調製)
【化32】
【0136】
化合物24は、以下のとおり、調製される:
【化33】
【0137】
13.9gの4-アミノジメチルフルオレン7(66ミリモル)、25.2g(32ミリモル)のジブロモ3aと9.4gのナトリウムtert-ブトキシド(97ミリモル)が、トルエン中に溶解され、反応溶液は、注意深く、脱気される。反応溶液は、80℃まで温められ、反応は、148mg(0.16ミリモル)のPd
2dba
3と201mg(0.32ミリモル)のBINAP触媒の添加により開始され、還流温度まで加熱される。反応の進行は、薄層クロマトグラフによりフォローされる。反応が終わると、混合物は室温まで冷却され、30mlの水が添加される。相が分離され、水性相は30mlのトルエンで二度抽出される。結合した有機相は、30mlの水で三度抽出され、硫酸マグネシウムで乾燥され、溶媒は真空除去される。粗生成物はエタノールから再結晶化される。
【0138】
B)ポリマーの調製
例11〜16:ポリマー(P1〜P5)と比較ポリマー(V1)の調製
標準的手順
2ミリモルのハロゲン化モノマーと2ミリモルのジアミンモノマーと0.577g(6ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドが、20mlのトルエン中に溶解される。反応溶液は、注意深く、アルゴン下脱気される。溶液は、保護ガス雰囲気下約80℃まで温められ、反応は、1mlのトルエン中に溶解された3.6mg(16マイクロモル)の酢酸パラジウムと69mg(96マイクロモル)のトリ-tert-ブチルホスフィンの添加により開始される。反応混合物は、溶液が粘ちゅうとなるまで、約1時間沸騰加熱される。重合は、3mgのブロモフェニルの添加により停止され、反応溶液は、末端基を閉じるためにさらなる時間沸騰加熱される。溶液は、65℃まで冷却され、80mlのトルエンで希釈され、80mlの10%チオカルバミド溶液が添加され、混合物は、65℃で3時間撹拌される。混合物は室温まで冷却され、50mlの水で三度抽出され、引き続き、2倍量のメタノール中で沈殿される。精製のために、ポリマーはトルエン中に溶解され、引き続き、2倍量のメタノール中で沈殿される。この手順が、さらなる時間繰り返される。
【0139】
例11(ポリマーP1)
【化34】
【0140】
例12(ポリマーP2)
【化35】
【0141】
例13(ポリマーP3)
【化36】
【0142】
例14(ポリマーP4)
【化37】
【0143】
例15(ポリマーP5)
【化38】
【0144】
比較例16(比較例6のポリマーV1)
スズキカップリングによる比較例のポリマーV1の調製は、WO 03/048225に記載されたプロセスにより実行される。
【化39】
【0145】
C)PLEDの製造
例17〜28:
ポリマー有機発光ダイオード(PLED)の製造は、文献(たとえば、WO 2004/037887 A2)に何度も既に記載されてきた。本発明を実例で説明するために、ポリマーP1〜P5を含み、比較例のポリマーV1を含むPLEDが、スピンコーティングにより、製造される。
【0146】
典型的な素子は、
図1に示される構造を有し、本発明のポリマーは、正孔輸送層(HTL)の機能を果たす。製造工程で気相堆積により適用されたカソードは、2×2mm大きさの4画素を有する。素子の構造は、
図2に平面図で示す。
【0147】
基板は、クリーンルーム内で脱イオン水と洗剤(デコネックス15PF)で洗浄され、ついで、UV/オゾンプラズマ処理により活性化される。80nmのPEDOT(PEDOTは、ポリチオフェン誘導体(バイトロン PVAI4083sp)H.C.Stack,Goslar製、水性分散液として供される。)層が、その後、同様に、クリーンルーム内で、スピンコーティングにより適用される。必要とされるスピン速度(典型的には80nm:4500rpm)は、希釈度と特定のスピンコーターの形状に依存する。層から残留水を除去するために、基板は、ホットプレート上で180℃で10分間加熱により乾燥される。
【0148】
この後、不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下、まず、20nmの中間層またはHTL層が適用される。本発明のポリマーは、5および8g/lの濃度を有するトルエン溶液からこの層中で加工される。次いで、65nmの発光層が、引き続き、トルエン溶液から適用される。二層は180℃で少なくとも10分間、加熱により乾燥される。
【0149】
最後に、Ba/Alカソードが、気相堆積マスク(アルドリッチ製高純度金属、特に、99.99%バリウム(注文番号474711);レスカー社等製気相堆積ユニット、典型的真空レベルは、5×10
−6mbar、Ba/Al層厚は、3nm/100nm)により指示されるパターンで、気相堆積により適用される。最後に、素子は、特に、空気と周囲湿度からカソードを保護するために密封され、その後、特性決定される。
【0150】
このために、素子は基板サイズに合わせて特別に製造されたホルダーに把持され、ばね接触で供される。アイレスポンスフィルターを有するフォトダイオードは、外部光からの影響を排除するために、測定ホルダー上に直接置くことができる。典型的な測定設備は、
図3に示される。
【0151】
電圧は、0から最大20Vまで、0.2V刻みで増加され、再度減少される。各測定点に対して、素子の電流と得られた光電流が、フォトダイオードにより測定される。こうして、試験素子のIVLデータが得られる。重要な特性量は、測定された最大効率(cd/Aでの「max.eff.」)と100cd/m
2に対して必要とされる電圧である。
【0152】
さらに、試験素子の色と正確なエレクトロルミネセンススペクトルを知るために、100cd/m
2に対して必要とされる電圧が、最初の測定後に再度適用され、光ダイオードが、スペクトル測定ヘッドにより置き代えられる。これは、光学繊維により分光計(オセアン オプティック製)に結合している。色座標(CIE:国際照明委員会、1931年からの標準オブザーバー)は、測定スペクトルから導き出すことができる。
【0153】
PLED中中間層としてのポリマーP1〜P5とV1の使用により得られた結果は、表1に示される。使用された発光層EML1(M1とE1)とEML2(M2とE1)は、以下に示す可溶性マトリックスとエミッターの組み合わせである。エミッターE1は、20重量%の濃度で、マトリックスM1またはM2と前混合される。
【化40】
【0154】
表1
本発明のポリマーP1〜P5(例17〜21と23〜27)と比較例のポリマーV1(例22〜28)に対する素子例
【表1】
【0155】
表1から見て取ることができるように、本発明によるポリマーは、比較例のポリマーV1を超える、素子の駆動に必要とされる電圧および光効率に関する大きな優位性を示す。輝度1000cd/m
2に対する駆動電圧の増加は、1.5Vまでであり得る。本発明のポリマーの優位性は、さらに、パワー効率を考慮すると明らかである。効率は、本発明のポリマーを使用することによって約2倍になり得る。