(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ガイド部材を備える骨接合プレート組立品を示す斜視図である。
【
図2】
図1の骨接合プレート組立品のプレート部材に設けられた孔を示す概略断面図である。
【
図3】プレート部材の孔に設けられた挿入物を上方からみた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1のプレート部材に設けられたガイド部材を示す側方斜視図である。
【
図5】
図3に示す挿入物を
図2に示す孔に挿入するための工具を示す側方斜視図である。
【
図6】
図3の挿入物の中心軸を含む平面における概略断面図である。
【
図7】工具、挿入物、ガイド部材、および孔を分解して示す概略断面図である。
【
図8】プレート部材を、
図1〜
図7に示す挿入物とガイド部材と工具と、ガイド部材に沿って案内されるドリルビットとともに示す概略断面図である。
【
図9】プレート部材を、孔と、ガイド部材を伴う挿入物と、旋回位置でガイド部材に沿って案内されるドリルビットとともに示す概略断面図である。
【
図10】骨接合プレート部材を、挿入された骨接合ねじおよびロック要素とともに示す概略断面図である。
【
図11】第2実施形態になるガイド部材を示す斜視図である。
【
図12】
図11のガイド部材を、ガイド部材の中心軸を含む平面で切断して示す概略断面図である。
【
図13】
図11のガイド部材に接続されるブッシングを示す斜視図である。
【
図14】
図13のブッシングを、中心軸を含む平面で切断して示す概略断面図である。
【
図15】プレート部材を、挿入物と、
図13および
図14のブッシングを備えたガイド部材と、ガイド部材に沿って案内されたガイドワイヤとともに示す概略断面図である。
【
図16】挿入物を取り外し、孔と、ブッシングを伴うガイド部材と、既に骨に挿入されたガイドワイヤとともに骨接合プレート部材を示す概略断面図である。
【
図17】骨接合プレート部材を伴う骨と、挿入物と、ガイド部材と、
図13〜
図16に示すブッシングよりも大きな内径を有するブッシングとを示す概略断面図である。
【
図18】挿入物を伴うプレート部材と、ガイドワイヤを受け入れるために他の実施形態のガイド部材よりも小さな内径を有するガイド部材とを示す概略断面図である。
【
図19】第3実施形態になるガイド部材および装入物の準組立品を示す斜視図である。
【
図20】第3実施形態になるガイド部材を示す斜視図である。
【
図21】プレート部材と、第3実施形態になるガイド部材を伴う挿入物と、直角位置にされたブッシングとを示す概略断面図である。
【
図22】挿入物を孔に挿入するための工具を示す側方断面図である。
【
図23】骨接合プレートを、挿入物と、ガイド部材と、さらに修正されたブッシングとともに分解して示す概略断面図である。
【
図24】取付状態における
図23の組立品を示す概略断面図である。
【
図25】さらに他の実施形態になる骨接合プレート組立品を分解して示す斜視図である。
【
図26】Kワイヤスリーブを除いた
図25の骨接合プレート組立品を示す斜視図である。
【
図27】Kワイヤスリーブとともに
図25の骨接合プレート組立品を示す斜視図である。
【
図28】
図26の骨接合プレート組立品を、プレート部材の孔の中心軸を含む平面で切断して示す概略断面図である。
【
図29】
図27に対応する組立状態にされた骨接合プレート組立品をKワイヤスリーブとともに示す概略断面図である。
【
図30】別の実施形態になる骨接合プレート組立品を分解して示す斜視図である。
【
図31】組立状態にされた
図30の骨接合プレート組立品を示す。
【
図32】
図30に対応する骨接合プレート組立品の挿入物を上方からみた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これから第1実施形態になる骨接合プレート組立品を、
図1〜
図9を参照しつつ説明する。
図1に示すように、骨接合プレート組立品は、本実施形態では略長尺な形状であって上側1aおよび下側1bを有するプレート部材1を含む。複数の孔が上側1aから下側1bまでプレート部材を貫通して延びる。孔の数および配列はプレート部材1の寸法および形状に応じて変更される。孔2は骨接合アンカーを受け入れるためのものであり、骨接合アンカーは例えばプレート部材1を骨の表面、例えば折れた骨の部分または椎骨、に固定する骨接合ねじである。
【0017】
孔内には、
図1に示すように各孔において、孔2の壁に取り外し可能に接続する挿入物3が設けられる。ガイド部材4が挿入物3に受け入れられる。図示の実施形態では、複数のガイド部材が各挿入物3に受け入れられる。挿入物3の数は、プレート部材に設けられたガイド部材4と、孔2とともに、骨接合プレート組立品に対する実際の要求に応じて変更可能であると理解されるべきである。
【0018】
図2に示すように、孔2は下側1bに向かう開口20と、開口20に隣接して骨接合ねじの頭部を旋回可能に受け入れる空洞状のシート部21とを有する。シート部21と上側1aとの間には、内周に雌ねじ部23を伴う円筒状のボア穴22が設けられる。ボア穴22の内径は、シート部21の内径よりも大きい。雌ねじ部23はあらゆるねじの形態であってもよく、例えばメートルねじである。かかるねじは、プレート部材の厚みを小さく設定することを許容する二条ねじであってもよい。
【0019】
特に
図1〜
図6に示すように、挿入物3は上側3aおよび下側3bを有する略円筒状の部品である。上側3aおよび下側3b間の全高は、挿入物を孔2のボア穴22に挿入したとき上側3aがプレート部材1の上側1aと略同じ高さとなるようにされる。挿入物3はその外周に、孔2の雌ねじ部23と協働する雄ねじ部30を有する。挿入物3はその中央部に、下側3b方向に広がる球状セグメント形状部32と同軸の貫通孔31を有する。球状セグメント形状部32は、下側3bまで円錐状に広がる部分33へ接続する。
【0020】
挿入物の上側3aには、
図5に示す工具5に係合する凹部34が設けられる。本記載の実施形態の凹部34は六角形の輪郭を有する。しかしながら凹部は、例えば他の多角形あるいは星形の凹部等、工具との係合を許容する他の形状であってもよい。凹部の内側輪郭は略筒状であり、環状リム35の高さが凹部の外壁面よりも実質的に小さい状態で残されるよう、凹部の内壁面が切除される。
【0021】
特に
図4および
図7に示すように、ガイド部材4は、上端4aと下端4bと上端4aから下端4bまで延びるガイド通路40とを有し、実質的に回転対称な形状にされた部品である。第1実施形態において、ガイド通路40の直径は、
図8および
図9に示すドリルビット6が通過することできるよう構成される。ガイド部材4は、外側表面が球状に形成されて下端4bに向かうほど直径が大きくなるようにされた部分41を含む。ガイド部材は、ガイド部材4が孔2に挿入されるときにプレート部材1から突出する部分であって、ガイド部材を把持してその向きを合わせるシャフト部42をさらに有する。シャフト部42は、小さな円錐角度で上端4aに向かう実質的に円錐のテーパ形状の外周面を有する。かかる円錐状外周面は単なる代表例であって、シャフト部42の外周面は、例えば円筒状あるいは多角形のデザインといった他のデザインにされてもよいと理解されるべきである。シャフト部42と球状部41との間には、シャフト部42および球状部41の外径よりも小径にされた首状部43が設けられる。首状部43からシャフト部42および/または球状部41への移り変わりは徐々であってもよいし突然であってもよい。上端4aに隣接する位置には、円筒部44が設けられてもよい。
【0022】
ガイド部材4および挿入物3の寸法は、特に
図7からわかるように、ガイド部材4が下側3bから挿入物3に導入可能なものにされる。ガイド部材4の球状部41が貫通孔の球状セグメント形状部32に着座するまで、シャフト部42は貫通孔31を通される。
図8および
図9からわかるように、ガイド部材4の球状部41の一部が貫通孔31を貫通して延びることが可能であり、挿入物3が球状部41を僅かに締め付けることができる。ガイド部材4は挿入物3内で旋回可能である。小径にされた首状部43は挿入物内の凹部34の空間に侵入し、挿入物はガイド部材4の旋回を60°までの幅広い範囲で許容する。
【0023】
図5は、挿入物3を孔2に挿入するために使用される工具5を示す。工具5は、上端5aと、下端5bと、下端5bの係合部50と、ハンドルとしての上部51とを有する。係合部50は、同軸のボア穴52を有し、ボア穴の径は挿入物3のリム35の外径よりも大きい。係合部50の外壁面は挿入物の凹部34の輪郭に適合し、本実施形態で表されるように六角形にされる。上部51は、ドリルビットまたは他の器具の通過を許容する貫通ボア穴53を有する。
【0024】
骨接合プレート組立品の要素は、身体に馴染む金属、例えばステンレス鋼あるいはチタンあるいはニチノールを例とするニッケル・チタン合金といった身体に馴染む合金、身体に馴染むプラスチック材料、例えば医療等級のPEEK、あるいはこれらの組み合わせのような身体に馴染む材料で作製される。例えばプレート部材、挿入物、およびガイド部材は同じ材料あるいは異なる材料で作製されてよい。
【0025】
ガイド部材を伴う骨接合プレート組立品の使用につき、
図7〜
図10を参照しつつ説明する。まず、ガイド部材4の球状部41が挿入物の球状セグメント形状部32に着座するまで、下側3bから挿入物3にガイド部材4が導入される。次に、ガイド部材4を内部に伴う挿入物が、工具5の手段によって孔2に螺合する。挿入物3が孔2内に固定されるとき、挿入物およびプレート部材によって、ガイド部材4に僅かな圧力が及ぶ。これによりガイド部材4は挿入物内で僅かに締め付けられる。もし骨に設けられる予定の穴がプレート部材1に対して直交するのであれば、ガイド部材4は
図8に示すように直立位置にされる。この場合において、工具は挿入物3に係合したままでもよく、工具5およびガイド部材4を通過するようにドリルビット6を挿入可能である。工具5は、ドリルビット6を真っ直ぐに保持する支持部材として使用可能である。
【0026】
もし骨に傾斜した穴を設ける予定であれば、工具5は除去されてガイド部材4は所望の角度位置が得られるまで旋回される。次に、
図9に示すように、ドリルビット6がガイド部材4のガイド通路を通過して穴が開けられる。
【0027】
穴が開けられた後、ドリルビットは穴から除去され、挿入物は工具5によってねじによる螺合を解除される。挿入物をガイド部材とともに除去するため、ガイド部材4は工具5によって旋回され、プレート部材に対して直立位置に戻される。
【0028】
その後、
図10に示すように、球状の頭部70を有する骨接合ねじ7がプレート部材の孔2に挿入され、骨に設けられた穴に螺合する。その後にロック要素8が孔2に螺合し、ロック要素は球状の凹部80内で頭部70を押圧して孔2内の頭部70をロックする。
【0029】
ガイド部材の第2実施形態を、
図11〜
図16を参照しつつ説明する。第1実施形態の部品または部分と同じあるいは類似のものについては同一の参照符号を付し、繰り返し説明しない。ガイド部材400は、上端4aから離隔する環状の溝401を有する点で、ガイド部材4と異なる。かかる溝は円筒部44に設けられて、
図13に示すブッシング9の固定用要素に係合可能である。ブッシング9は上端9aおよび下端9bを有する円筒状の管であり、円筒の外径は
図12に示すガイド通路40の内径よりも僅かに小さくされて、ブッシング9はガイド部材400に導入され得る。ブッシング9の内径は、例えば
図15および
図16に示すようにブッシングを案内するKワイヤ10のような、ガイドワイヤの通過を許容する。ブッシング9は上端9aに襟90を有する。襟90はブッシングに接続して延び、ブッシング9がガイド部材400に挿入されるときに襟90はガイド部材400の外周面から離れつつガイド部材400の円筒部44に沿う。ブッシング9の本体に襟90を接続する襟90の接続部90aは、ブッシングのガイド部材400への挿入を停止する役目をする。
【0030】
ブッシング9は係合要素91によって固定され、本実施形態ではピン91が襟90を貫通して延び、溝401と係合する。ブッシングを取り外し可能にガイド部材に固定するものとして多くの案が考えられる。例えばガイド部材およびブッシングは、ガイド部材にスナップ嵌合する襟に代えて、クリンピング(crimping)あるいは弾性舌片からなる突出部および凹部によって共に保持される。またブッシングは、襟90の内側に、ガイド部材に設けられたねじ溝に螺合するねじ溝を有するという案が考えられる。
【0031】
使用状態でブッシングはガイド部材に挿入され、孔2内の挿入物3にガイド部材400が既に挿入された状態であってもよい。その後、ガイドワイヤがガイド部材400を通過し、ガイド部材400は所望の位置へ旋回する。ブッシング9は、ガイド部材に一時的に固定されることから、抜け出すことはない。骨片は、例えばガイドワイヤとともに固定され得る。もし必要であれば、
図15に示すように、ガイドワイヤを斜め方向に骨へ導入することができる。
【0032】
次に、ガイドワイヤが骨に残存したまま挿入物3は除去され得る。これについては
図16に示すように、骨結合プレートの表面に対して直角位置にされる。
図16に示す状態で、カニューレ処置されたドリルによって骨に穴を開けることができる。次に、ガイド部材400を除去することができ、ガイドワイヤに続いてカニューレ処置されたねじを挿入することができる。最後にガイドワイヤを除去し、
図10に示すロック要素8が孔2に螺合して骨接合ねじをロックする。
【0033】
図17は第2実施形態を更に修正したものを示す。この実施形態では、ブッシング9´の内径が前述した実施形態のブッシング9の内径よりも大きい点のみ異なる。また、ピン91に代えて、ブッシング9´の表面にノーズ92が設けられ、かかるノーズは溝状あるいは他の形状の対応する係合部にスナップ嵌合する。ガイド通路40の径を特定の器具あるいはドリルに適用することができるように、異なる内径を有する幾つかのブッシングを準備することができる。
【0034】
図18は前述の実施形態を更に修正したものを示す。ガイド部材4´は、前述した実施形態のガイド通路40の径よりも小さな径を有するガイド通路40´を持ち、内部を通過するようにガイドワイヤ10を案内するよう構成される。この場合、ガイド部材4´を使用するガイドワイヤ10とともに、骨接合ねじの所望の位置を予め定義することが可能であり、ガイドワイヤを骨に残存させながら挿入物3およびガイド部材4´を除去することができる。
【0035】
図19は第3実施形態になる挿入物3000およびガイド部材4000の準組立品を個々に示す。以下に説明するように、ガイド部材4000は取り外し可能に挿入物3000に取り付けられる。
【0036】
挿入物3000の構造は他の実施形態の挿入物と略同じである。しかし、工具5に係合するための凹部34に代えて、挿入物3000は周囲に六角形3001を有し、以下に述べる工具に合致するように適合する。六角形のソケットを有する凹部34に代えて、挿入物3000はテーパ状凹部3002、あるいはガイド部材が旋回するための空間になる類似のものを有する。前述した挿入物3において、工具と係合するための凹部の六角形ソケット34は、挿入物3000の周囲にある六角形3001に代用される。なお、六角形に代えて、例えば他の多角形構造のような、他の外周係合構造を用いてもよい。
【0037】
また
図20に示すガイド部材4000の構造は他の実施形態のガイド部材の構造と略同じであり、同一の参照符号を付してある。しかしガイド部材4000は、下端4bからシャフト部42に向かって延びるスロット4002を有する球状セグメント形状第1部分4001を有する。この方向で、スロットは球状セグメント形状第1部分4001の約中央まで形成される。これらのスロット4002により、球状セグメント形状第1部分4001は、球状セグメント形状第1部分4001の下方領域に作用する径方向力に対して柔軟性を得る。
【0038】
さらに球状セグメント形状第1部分4001は、所定の角度をなす傾斜平坦部分4003を有する。傾斜平坦部分4003は、下端4bから球状セグメント形状第1部分4001の外周面へ広がる。下端4bと傾斜平坦部分4003との間の角度は約30度である。他の実施形態として、角度を周囲の構造に応じて変更してもよい。プレート部材1の全てが基礎をなす骨と接触してガイド部材4000が傾くとき、傾斜平坦部分4003はガイド部材4000と骨との接触を回避する。もし骨とガイド部材との接触が生じると骨壊死の虞がある。このデザイン形状により、ガイド部材4000と骨との間に約1mmの隙間を確保できる。
【0039】
上端4aには、確認用切り込み4004が設けられる。確認用切り込み4004は上端4aから球状セグメント形状第1部分4001に向かう方向に延びる。確認用切り込み4004は、ガイド部材4000の下端4bの傾斜平坦部分4003と揃っている。したがって、ガイド部材がプレートの孔2に取り付けられために傾斜平坦部分4003が見えない場合であっても、ガイド部材4000の軸配向性および傾斜平坦部分4003の位置を知ることができ、骨に接触することなく傾斜した角度で所望の方向に指向するようにガイド部材4000を回転調整することができる。確認用切り込みの機能は、傾斜平坦部分4003の配向を確認可能な他の代替的構造にされてもよく、確認用切り込みは異なる位置に設けられてもよい。印刷されたマークあるいは高さを変えたマークのような他の種類の確認用マークを使用してよい。
【0040】
図21に示すように、挿入物3000は、テーパ状凹部3002の下方に、下側3bに向かう球状セグメント形状部3003を有する。球状セグメント形状部3003は、球状セグメント形状部3003の球の中心を超えて、下側3bに向かう方向に僅かに広がる増大ボール接触区画を有する。
【0041】
したがって球状セグメント形状部3003とガイド部材4000の球状第1部分4001は、ぴったりと合うように接続する。しかし、スロット4002に基づいた球状第1部分4001の弾性的特徴によって、球状第1部分4001を球状セグメント形状部3003にカチンと押し込むことにより、球状第1部分4001を球状セグメント形状部3003に取り外し可能に取り付けることができる。
【0042】
挿入物3とプレート部材1のシート部21との間にガイド部材の球状第1部分を固定する前述した実施形態と異なり、ガイド部材4000の球状第1部分4001はぴったりと合う接続と、球状セグメント形状部3003と球状第1部分4001との間の摩擦力によって単に保持されている。挿入物を締め付けると、球状セグメント形状部3003と球状第1部分4001との間の固定力を変更することなく挿入物の下側3bが孔2の底部に隣接する。したがってたとえ挿入物3000が強く締め付けられても、ガイド部材4000を傾けることができ、固定力は締め付けトルクの影響を受けない。
【0043】
さらに、工具を六角形3001に係合可能とするため、
図21に示すように六角形3001はプレート部材1の外側に位置する。
【0044】
ガイド部材400にスナップ嵌合するブッシング9と同様に、ブッシング9000はガイド部材4000にスナップ嵌合する。しかし代替的に、ブッシングは他の方法で取り付けられてもよい。ブッシング9000は僅かにテーパ形状の通路9002を有する。通路9002の内径は、ブッシング9000の上端9001で小さくされる。ブッシング9の小さい方の内径は、ガイドワイヤ、例えばKワイヤを案内および通過を許容する。しかしながら、障害物が内径一定の通路内に存在する場合には、ガイドワイヤは通路内に固定される。この実施形態では、通路がテーパ形状にされることから、ガイドワイヤは固定されない。
【0045】
図22は、挿入物3000を孔2に挿入するための工具5000を示す。工具5000は挿入物3000の六角形3001に適合する断面形状を有する凹部5001を備える。上端5aに向かう凹部5001の深さは、六角形3001の高さよりも大きい。さらに凹部5001の深さは、ガイド部材4000の全可動範囲内に含まれるあらゆる傾斜あるいは直立位置においても、挿入物3000およびガイド部材4000を受け入れることができるようにされる。したがってガイド部材4000の角度位置にかかわらず、挿入物3000を挿入あるいは取り外すために工具5000を使用することができる。
【0046】
使用の際、まずガイド部材4000は挿入物3000にカチンと嵌められ、
図19に示す準組立品を構成する。次に、他の実施形態として、挿入物3000はガイド部材4000を伴って、工具5000により孔2に螺合する。ガイド部材の傾斜角度を予め調整可能とするよう、ガイド部材4000は摩擦力によって固定される。傾斜あるいは直立したガイド部材4000は予め調節された角度位置に保持されることができる。工具の凹部5001は、自身の深さにより、ガイド部材4000の全可動範囲内に含まれるあらゆる傾斜あるいは直立位置であっても、挿入物3000およびガイド部材4000を受け入れることができる。
【0047】
次に、工具5000が除去される。もし必要であれば、ガイド部材4000の傾斜角度が調整される。続いてドリルビットがガイド部材4000のガイド通路を通過して、孔が穿孔される。
【0048】
孔が穿孔された後、ドリルビットが孔から除去され、工具5000により挿入物の螺合が解除される。工具5000のデザインにより、ガイド部材4000を直立位置に戻さなくても、またカニューレ処置されたねじあるいは他の装置が必要な場合にたとえガイドワイヤが骨に残っていたとしても、ガイド部材4000を除去することができる、
他の実施形態になる骨接合プレート組立品の使用につき対比説明する。
【0049】
内径が異なるガイド部材と、異なる種類のブッシングを備えることにより、外科医が極めて多様な手続の中から選択可能なモジュラーシステムを得ることができる。
【0050】
さらに変更されたブッシング900を、第3実施形態のガイド部材4000および挿入物3000とともに、
図23および
図24に示す。なおブッシング900は、説明した他の実施形態に含まれる他のいかなるガイド部材および挿入物とともに使用可能であることを付言しておく。ブッシング900は、ガイド通路40の内径よりも大きな外径を有する第1部分901を有する。第1部分に続いて、ガイド通路40内で摩擦によってブッシングを保持するような外径寸法を有する第2部分902が形成される。続いて、ガイド通路の内径よりも小さな外径を有する第3部分903と、ガイド通路40の内径よりも僅かに小さな外径を有する第4部分904が形成されてもよい。これらの部分の数は変更可能である。しかし上方の肉厚にされた第1部分は、ブッシングの挿入を規制するストッパを提供する。ブッシングの内径は、ドリルビットの導入を許容するよう構成され、あるいはガイドワイヤや他の装置の導入を許容するよう構成される。ブッシング900は容易に製造される。
【0051】
他の変更および上述した実施形態の変更例を作製することができる。例えば挿入物とプレート部材との接続は、例えばバヨネット接続のような他の解除可能な接続であってもよい。ガイド部材の形状は変更可能である。例えばシャフト部は図示の実施形態よりも長くても短くてもよい。
【0052】
一般的に、挿入物は、例えばねじ回しのための六角形3001といった係合部を周囲に有してもよい。
【0053】
一般的に、ガイド部材400,4000は環状の溝401を有してもよく、ブッシングが溝401にスナップ嵌合可能である。
【0054】
一般的に、ブッシング9000は、僅かにテーパ形状にされて小さい方の内径がブッシング9000の上端9001に位置する通路9002を有してもよい。
【0055】
骨接合アンカーに関し、骨接合ねじ、骨接合釘等、全ての種類の骨接合アンカーを使用することができる。
【0056】
図25から
図29を参照して、骨接合プレート組立品のさらなる実施形態を示す。簡略化して図示されるプレート部材1´は、円形の板部材である。プレート部材1´は、上側1a´と、下側1b´と、上側1a´から下側1b´まで延びる孔2´とを有する。前の実施形態と同様に、孔2は´下側1b´に向かう開口20´と、開口20´に隣接する空洞状のシート部21´とを有する。シート部21´と上側1a´との間には、内周に雌ねじ部23´を伴う円筒状のボア穴22´が設けられる。ボア穴22´は前の実施形態のボア穴22よりも深くなく、空洞状のシート部21´は前の実施形態よりも軸方向に大きい。シート部21´は空洞状の球状セグメント形状を有する。
【0057】
本実施形態の挿入物300は、上側300aおよび下側300bを有する実質的に回転対称な形状にされた部品である。上側300aおよび下側300b間の全高は、挿入物300を孔2´内において上側300aがプレート部材1´の上側1a´と略同じ高さとなるようにされる。下側300bに隣接して、空洞状の球状セグメント形状部302が設けられる。空洞状の球状セグメント形状部302は、シート部21´に合致する球状の外側表面と、後述するガイド部材400´を受け入れる球状の内側表面部分を有する。空洞状の球状セグメント形状部302には、軸方向に延びる少なくとも1個、好ましくは複数の、スロット302aが設けられる。スロット302aにより、空洞状の球状セグメント形状部302は径方向の柔軟性を得る。これによりガイド部材400´は容易に挿入される。
【0058】
挿入物300は、上側300aに隣接する複数の係合部304をさらに有する。係合部304は工具500と係合するためのものである。
【0059】
ガイド部材400´は、上端400a´と下端400b´と上端から下端まで延びるガイド通路400c´とを有し、実質的に回転対称な形状にされた部品である。ガイド部材400´は、下端400b´に隣接するとともに球体部分の最大外径を含むよう軸方向に延びる球状の外側表面部分401´をさらに有する。球状の外側表面部分401´は、挿入物300の空洞状の球状セグメント形状部302に合致する。上端400a´に隣接して、前の実施形態のシャフト部よりも短く、プレート部材1´の上側1a´から外方へ突出しないかあるいは僅かに突出する円筒状のシャフト部402´が設けられる。ガイド部材400´は、上端400a´から下端400b´まで延びるガイド通路400c´を有する。
【0060】
ガイド部材400´に接続可能なブッシング900´が設けられる。ブッシング900´は、ブッシング900´を圧入することによりガイド部材400´に接続するようガイド通路400c´の内径よりも僅かに小さな外径を有する第1部分901´を有する。第1部分901´に隣接して、第2部分902´が設けられる。第2部分902´の外径は、ブッシング900´がガイド部材400´に接続するとき、第2部分902´の外側表面がガイド部材400´のシャフト部402´と同じ高さになるようにされる。ブッシング900´は、例えばKワイヤといったガイドワイヤをその内部に通すよう案内する径寸法にされた同軸の貫通通路903´を有する。
【0061】
工具500は前部に、挿入物300の係合部304と係合するための複数の係合部501を有する。また工具500は、ブッシング900´の外径よりも大きな内径にされた同軸の貫通通路502を有する。
【0062】
使用の際、ガイド部材400´は挿入物300およびブッシング900´とともに予め組み立てられ、工具500を用いてプレート部材1´に一緒に挿入される。プレート部材1´が一旦に骨か骨部分か骨片に導入されると、Kワイヤはブッシング900´およびガイド部材400´を通すように骨へ案内される。次に挿入物300はガイド部材400´およびブッシング900´と一緒に除去され、カニューレ処置されたドリルによって骨に穴を開けることができる。その後、ガイドワイヤに続いてカニューレ処置されたねじを挿入することができる。最後にガイドワイヤは除去され、前述したロック要素が孔2´に螺合して骨接合ねじをロックする。説明した実施形態は低侵襲手術(MIS minimally invasive surgery)の適用に特に適する。
【0063】
図30〜
図32は骨接合プレート組立品の他の実施形態を示す。前の実施形態と同じ部品については同一の参照符号を付し、繰り返し説明しない。挿入物300´は、雄ねじを有する外側表面部分300c´と上側300a´との間に、工具500´と係合するための係合部304´を外側表面に伴う円筒部300d´を有する。工具500´は、挿入物300´の係合部304´と係合する係合部を一端の内壁面に伴う同軸の貫通通路502´を有する。ガイド部材400´´は、前の実施形態よりも長いシャフト部402´´を有する。ブッシング900´´は、シャフト部402´´に挿入される一層長い第1部分901´´を有する。さらにブッシング900´´は、ガイド部材400´´のシャフト部402´´から外方へ突出する第2部分902´´を有する。
図31に示すように組み立てられた状態で、シャフト部402´´およびブッシングの第2部分902´´は、挿入物300´の外方およびプレート部材1´の上側1a´から外方へ突出する。
【0064】
骨接合プレート組立品の使用は、前の実施形態と類似する。ガイド部材400´´の長いシャフト部402´´およびブッシング900´´の長い第2部分902´´によって、骨接合プレート組立品は低侵襲手術の適用に有用である。
【0065】
他の実施形態において、骨接合プレート組立品は、上側および下側を有するプレート部材と、かかる上側から下側まで延びる少なくとも1個の孔と、この孔に配置される挿入物とを含み、挿入物は貫通孔を有し、かかる挿入物の貫通孔にはガイド部材が取り外し可能に配置され、ガイド部材はガイド通路および挿入物内でガイド部材の旋回運動を許容するように貫通孔の内壁部分と係合する外側表面部分を有する。挿入物は、ガイド部材の球状の外側表面部分と協働する球状の内側表面部分を有する。
【0066】
さらに他の実施形態において、骨接合プレート組立品は、上側および下側を有するプレート部材と、かかる上側から下側まで延びる少なくとも1個の孔と、この孔に配置される挿入物とを含み、挿入物は貫通孔を有し、かかる挿入物の貫通孔にはガイド部材が取り外し可能に配置され、ガイド部材はガイド通路および挿入物内でガイド部材の旋回運動を許容するように貫通孔の内壁部分と係合する外側表面部分を有する。骨接合プレート組立品は、ガイド部材のシャフト部が挿入物の貫通孔を十分に通過するときにガイド部材がかかる貫通孔に着座するように配列される。
【0067】
さらにその他の実施形態において、骨接合プレート組立品は、上側および下側を有するプレート部材と、かかる上側から下側まで延びる少なくとも1個の孔と、この孔に配置される挿入物とを含み、挿入物は貫通孔を有し、かかる挿入物の貫通孔にはガイド部材が取り外し可能に配置され、ガイド部材はガイド通路および挿入物内でガイド部材の旋回運動を許容するように貫通孔の内壁部分と係合する外側表面部分を有する。ガイド部材は挿入物内で摩擦によって保持される。
【0068】
様々な実施形態について本発明を説明してきたが、本発明は請求項のみに限定されない。