(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップが、そのロック位置からそのアンロック位置まで、前記キャップが前記容器に対して純粋に平行移動することによって動かされることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
前記キャップがそのロック位置からそのアンロック位置まで移動する間に、前記閉止要素が前記容器に対して固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
前記キャップの前記アンロック位置において、前記シールが、前記閉止要素と前記容器の前記ネックとに接触していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
前記シールと前記容器の前記ネックとの間および/または前記シールと前記閉止要素との間の接触が、前記キャップの、そのロック位置からそのアンロック位置への移動軸に対して径方向であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
前記閉止要素が前記キャップから前記容器内に延びる塗布器を備え、そこにおいて、前記シールが前記容器の前記ネック上に固定式に搭載された塗布器ワイパーであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
前記ロック機構が、前記容器の前記ネック周りに固定されたフープと、前記フープと前記容器の前記ネックとの間に設置された弾性リングとを備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
前記保持手段と前記作動手段とが前記弾性リングで支持され、そこにおいて、前記保持手段と前記作動手段とが前記フープの外側から突出することを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【背景技術】
【0003】
「化粧品」という表現は、1993年6月14日付けの理事会指令93/35/EECに定義されたいかなる組成物をも意味することが理解される。
【0004】
化粧品は、一般に、キャップが容器にねじ込まれることによって閉止される容器内にパッケージングされる。したがって、たとえばケアクリームを含有し、ポットにねじ込まれた閉止ふたを有するポットが知られている。また、容器とキャップとを備え、キャップに固定されて容器内に延びる塗布器をキャップが備え、キャップがそれゆえ塗布器を保持するための部材として働く、パッケージングデバイスが知られている。このことは、特にマスカラに対する場合である。
【0005】
この種類のパッケージングに伴う欠点は、ユーザは、一方の手で容器を保持し、他方の手でキャップのねじを緩めるように、両手を使う必要があることである。このことは、身障者、または特にたとえば関節炎などの条件によって運動機能を損傷している人にとって、問題となり得る。
【0006】
加えて、ねじ式閉止は、共に接合されるべき部品に円形形状を強い、それにより設計を制約し、かつ/またはこれらのデバイスの開発の可能性を制限する。
【0007】
最後に、この種類のパッケージングデバイスは、容器に対してキャップの移動軸に沿ったシールの圧縮によって不浸透性になり、この不浸透性は、ねじの推進力に依存する。したがって、ねじが緩んでいる間、不浸透性はもはや保証されない。
【0008】
特許文献1は、化粧品のための容器と、ねじ込みによって容器に係合する閉止ストッパーとを備えるデバイスを提案している。閉止ストッパーは、ストッパー内に収められたばね手段によって軸方向に作動する移動可能な塗布器を設けられ、それにより、円錐形の閉止要素が、容器上に取り付けられた同様の円錐形のシールと接触する。
【0009】
しかしながら、閉止要素とシールとの間の接触点において圧力によって与えられる不浸透性は、容器に対するストッパーの移動に応じて変化し、ストッパーがアンロック位置にあるときは、もはや保証されない。
【0010】
加えて、このデバイスを開くために、ユーザは、一方の手で容器を保持し、他方の手でキャップのねじを緩めるために、両手を使う必要がある。
【0011】
特許文献2は、保護要素で取り囲まれた化粧品をパッケージングするための容器を備えるデバイスを提案している。容器内の開口は、塗布器を携える閉止要素によって閉止される。保護要素は、容器と、保護要素に関連する閉止要素部材組立体とを保持するための手段を備える。保持手段を作動させるための手段は、容器と閉止要素部材組立体とを保護要素から切り離すために、保持手段を非アクティブにする。容器と保護要素との間に設置された戻し要素の手段によって、この組立体が、保護要素に対して動かされる。戻し要素はまた、デバイスがロック位置にあるときに十分な不浸透性を維持することを可能にする。
【0012】
このデバイスは比較的複雑であり、また、デバイスを組み立てるためにデバイスがより長くなりかつよりコストがかかるようになる、保護要素の使用を必要とする。
【0013】
加えて、このデバイスにおいて、閉止部材はまた保持部材として働く。したがって、保持部材は汚染されて、ユーザの指を汚すことがある。
【0014】
最後に、デバイスがアンロック位置にあるときは、閉止部材と容器との間の不浸透性は、戻し手段の軸方向力がこれら2つの要素の間に働かないので、デバイスがロック位置にあるときと同様に確保されることはもはやなく、このことで、デバイスが偶然にアンロックされると、製品の漏れを招くおそれがある。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1および
図2を参照すると、化粧品をパッケージングするためのデバイス1は、製品を含有するための容器10と、容器10を閉止するためのキャップ20と、キャップ20を容器10の上に保持するためのロック機構30とを備える。
【0038】
この例では、デバイス1は、マスカラをパッケージングし、塗布するためのデバイスであるが、本発明は、この種類のパッケージングに限定されない。本発明はまた、たとえばマニキュア液、口紅、リップグロス、またはケア製品などの他の化粧品をパッケージングするためのデバイスに関してもよい。
【0039】
デバイス1の容器10と、ロック機構30と、キャップ20とは、非円形断面を有し、断面は、この例では特にほぼ正方形である。しかしながら、多角形、卵形、円形または他の断面など、デバイス1の他の断面が考えられる。
【0040】
容器10は、主に縦軸X-Xに沿って延びる中空体であり、端壁で一端を閉止され、かつ他端を開放されている。容器10内の開口は、容器10の肩から延びるネック12で画定される。この例では、ネック12は円形断面を有するが、異なる断面を有してもよい。
【0041】
ネック12は、容器とネック12の上部リムとの間に位置する狭小部13を有し得る。
【0042】
容器10は、たとえば、ガラス、金属またはプラスチックで作られてよい。
【0043】
シール14は、容器10のネック12で画定される開口内に固定される。マスカラの場合、シール14はまた、以下で説明する塗布器40を拭う機能を与える。この目的で、シールはワイパーとも呼ばれ得る。
【0044】
シール14は、ほぼ管状であり、ネック12の内壁に緊密に嵌合して係合し、シール14と容器10のネック12との間に円筒形の不浸透部を形成する。シール14は、ネック12の上部周辺リムと軸方向に接触することを目的とする上縁を備え得る。
【0045】
加えて、シール14をネック12内に軸方向に保持するために、シール14は、ネック12内の内部環状溝の中に係合する外部環状ボスを、その上端付近に備え得る。
【0046】
拭う機能をもたらすために、シール14の下端は、底から頂部にかけてラッパ状に広がる円錐台形の壁で形成され、容器の内部に向かう貫通オリフィスを画定し、このオリフィスはネック12内の開口より狭い。
【0047】
キャップ20を容器10の上でロックするための機構30は、フープ31と、容器10のネック12周りに嵌合される弾性リング36とを備える。ロック機構30のフープ31は、容器10のネックに固定され、リング36をネック12周りに保持する。
【0048】
フープ31は、上部32と下部33とを備える。上部32は、取り外せない状態でネック12に固定される。この目的で、フープ31の上部32の内壁は、ネック12の外壁にしっかりと嵌合される。フープ31の上部32は、任意の適切な手段によって、たとえば接着結合、締まりばめ、またはスナップ締めによってネック12に固定されてもよい。
【0049】
フープ31の上部32の下の部分は、ネック12の狭小部13の頂部に隣接して外に開く窓34を備える。したがって、フープ31の上部32のこの下の部分は、ネック12の外壁と接触しない。
【0050】
フープ31の上部32の断面は、容器10の胴体とネック12との間の肩において、容器10の胴体の上部断面より狭い。
【0051】
フープ31の上部32の断面は非円形であり、特にほぼ正方形である。しかしながら、多角形、卵形、円形または他の断面など、フープ31の上部32の他の断面が考えられる。フープ31の上部32の断面は、容器10の胴体の断面に対して相似である必要はない。
【0052】
フープの上部32がネック12の所定の位置に固定されるとき、フープ31の下部33の下部周辺縁部は、ネック12と容器10の胴体との間の肩に接触してまたは実質的に接触して設置される。
【0053】
フープ31の下部33は、下部33の断面が上部32の断面より広くなるように、肩によって上部32に接続される。特に、下部33の断面は、容器10の表面を連続させるために、容器10の断面に整合されてよい。
【0054】
フープ31の下部33の内壁は、ネック12の狭小部13に面して設置され、フープ31の下部33と容器10のネック12との間にほぼ環状の空間39を形成する。
【0055】
フープ31の下部33は、ほぼ環状の空間39の中に向かって開く開口35を備える。
【0056】
弾性リング36が、ネック12周りで狭小部13に面する環状空間39内に設置される。
【0057】
このリング36は、弾性金属から、または、たとえばポリオキシメチレン(POM)またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの弾性プラスチックで作り出される。
【0058】
弾性リング36は、狭小部13の外径より大きい内径を有し、フープ31の下部33の内壁の直径より大きい外径を有する環帯を形成する。したがって、弾性リング36は、フープ31内にプレストレスを受ける状態で搭載される。リング36のこのプレストレスを受ける位置は、リング36の休止位置と呼ばれる。
【0059】
弾性リング36は、フープ31内の開口35内に置かれた、押しボタンなどの作動手段37を備える。リング36の休止位置において、作動手段37は、フープ31の下部33の壁から突出し得る。
【0060】
弾性リング36はまた、保持手段38を備える。この保持手段38は、以下に説明するように、キャップ20を容器10の上でロックすることを目的とする。
【0061】
保持手段38は、たとえば、フープ31の上部32の下の部分の窓34内に設置される留め部を形成する。リング36の休止位置において、保持手段38は、フープ31の上部32の壁から突出する。
【0062】
保持手段38は、リングの、作動手段37と同じ側面上に設置される。留め部は、たとえば、リング36および作動手段37の他端において接続されるタブの端部に設置される。
【0063】
ユーザが圧力を作動手段37に加えると、リング36が変形し、作動手段37が保持手段38とともにネック12の方に移動して、保持手段38は窓34から突出しなくなる。したがって、作動手段37は、容器10に対して径方向に移動し得る。
【0064】
作動手段37にかかる圧力が解除されると、弾性リング36はその休止位置に戻る。
【0065】
この例では、作動手段37および保持手段38は、弾性リングに接続されるが、それらは、弾性リングに接続されないことも可能である。同様に、この例は弾性リングを記載するが、任意の他の弾性的戻し部材を使用してもよい。その上、保持手段を作動させるための手段は、押しボタンに限らず、その手段は、レバー、摺動部材などであってもよい。
【0066】
デバイス1のキャップ20は、主に容器10の縦軸X-Xに沿って延びる中空体であり、端壁によって一端を閉止され、かつ他端を開放され、それによりキャップ20は、容器10のネック12周りに設置され得る。この目的のために、キャップ20の高さは、ネック12の高さより高い。
【0067】
キャップは、金属、ガラス、プラスチックまたは任意の他の材料から作り出されてよい。
【0068】
インサート21は、キャップ20内に取り外せない状態で固定される。インサート21は、キャップ20内に嵌合された管状の中空体である。この例では、インサート21の断面はほぼ正方形であるが、この断面は、キャップ20の断面に応じて任意の他の形状を有してもよい。
【0069】
インサート21は、任意の適切な手段によって、たとえば接着結合、締まりばめ、またはスナップ締めによって、キャップ20内に取り外せない状態で固定されてよい。
【0070】
インサート21の下部、すなわちキャップ20の開端に最も近い部分は、少なくともインサート21の内壁上に開く開口を備える。この開口は、ロック機構30を保持するための手段38に対する捕捉手段23を画定する。この例では、正方形断面を有する管状のインサート21の各側面は、そのような捕捉手段23を有し、それにより、容器に対してキャップ20がいかなる角度位置にあっても、少なくとも1つの捕捉手段23が、ロック機構30を保持するための手段38に面して位置する。
【0071】
インサート21の上部で互いに対向する2つの壁は、それぞれ、少なくともインサート21の内壁上に開く窓22を備える。
【0072】
容器10内の開口に対する閉止要素45が、インサート21に対して、したがってキャップ20に対して摺動式に搭載される。この目的で、閉止要素45の上部41は、インサート21の内部断面と相補関係にある断面を有する固体の板を形成し、それにより、上部41はこのインサート21内で摺動することができる。
【0073】
閉止要素45の上部41は、閉止要素45の上部41の各側面に対して径方向に延びる2つの突起42を備える。各突起42は、軸X-Xに平行な軸に沿ってこの窓22内で移動できるように、インサート21内の窓22の中に挿入される。このようにして、インサート21内の窓22の上部リムに対して、また下部リムに対して当接するようになる突起42が、キャップ20が閉止要素45に対して摺動するときにキャップ20の移動経路を閉止要素45に対して制限するための手段を形成する。
【0074】
閉止要素45は、シール14の管状の部分の内面に接触して設置されるシリンダを備える。
【0075】
図6に示すように、容器10のネックにおいて不浸透部を形成するための最適な接触を得るために、閉止要素45は、その周辺に環状のビード46を備え得る。変形形態を
図7に示しており、そこでは、閉止要素45はビードを持たず、シール14の内面が、閉止要素45と接触して変形する環状の隆起16を有する。いずれの場合にも、不浸透部を形成する各要素間の接触は、縦軸X-Xに対して径方向に生じる。
【0076】
こうして得られる不浸透部は、気体と液体とに対して不浸透性である。より正確には、マスカラなどの化粧品を含有する容器10の内圧が約1バールの大気圧にほぼ等しい間に、デバイスが、低減された圧力を受けるために真空ベル内でロック位置に置かれるとき、デバイスは不浸透性のままであり、すなわち、デバイスの外側への製品の漏れは観察されない。デバイスの不浸透性は、ベル内の、デバイスの外部の圧力が0.3バール未満、さらには0.25バール未満、たとえば0.2バールに下がった状態で維持される。
【0077】
その上、アンロック位置において、デバイスは、閉止要素45が容器10のネックから取り外されない限り、大気圧において不浸透性のままである。容器10のネックから閉止要素45を取り除くための力は、製品Pで満たされた容器10の重量より大きい。たとえば、この取り外しの力は、1ニュートンより大きいかまたはさらに2ニュートンより大きい。
【0078】
この例では、ワンド47が、閉止要素45から始まって軸X-Xに沿って長手方向に延びる。ワンド47の端部には、たとえばマスカラブラシのような塗布器要素48が設けられる。したがって、閉止要素45が、容器10内の開口を閉じると、ワンド47および塗布器要素48は容器10内に浸される。したがって、キャップ20および閉止要素45は、化粧品塗布器40を形成する。
【0079】
デバイス1は、キャップ20と閉止要素45の上部41との間に配置されたばね部材50を備え、それにより、縦軸X-Xに沿ってこれらの2つの要素を押して互いに離すように資する力が発生する。ばね部材50は、キャップ20と閉止要素45の上部41との間に圧縮された状態で搭載されるコイルばねであってよい。しかしながら、他の種類のばね要素、たとえば閉止要素45またはインサート21と一体的に形成された弾性舌を使用してもよい。
【0080】
次に、デバイス1が機能する方式を、
図3〜
図5を参照して説明する。
【0081】
図3を参照すると、デバイス1のキャップ20は、容器10の上でロック位置にある。
【0082】
このロック位置において、閉止要素45は、容器10内の開口内に設置されてシール14と接触している。閉止要素45の上部41は、ネック12の上部周辺リムと軸方向に当接し得る。弾性リング36はその休止位置にあり、保持手段38は、フープの外部33から突出してインサート21の捕捉手段23と係合している。したがって、ばね50は、キャップ20と閉止要素45との間で圧縮され、キャップ20はそれゆえロック機構30によって軸方向に保持される。
【0083】
図4を参照すると、デバイス1のキャップ20は、所定のアンロック位置にある。
【0084】
この位置を達成するために、ユーザは、保持手段38を非アクティブにするために、保持手段38を作動させるための手段37に圧力を加え、それにより、圧縮されたばね50が少なくとも部分的に膨張する影響のもとで、キャップ20が容器10に対して純粋に平行に移動することが可能になる。キャップ20は、そのロック位置から、キャップ20が容器から自由に分離され得るアンロック位置に向かって移動する。この移動の間、閉止要素45は、容器内の開口内の適所でかつアンロック位置に留まり、そこにおいて、シール14と閉止要素45との間の径方向の接触が保持され、たとえアンロック位置にあっても不浸透性を維持することを可能にする。
【0085】
インサート21内の窓22の下方リムが閉止要素45の上部41の突起42と軸方向に当接するときに、アンロック位置が行程制限器によって決定される。
【0086】
次いで、ユーザは、
図5に示すように、閉止要素45によってシール14に加えられる摩擦力より大きい軸方向の引き抜き力を加えることによって、キャップ20を取り外すことができる。
【0087】
上記で説明したデバイスの変形形態を、
図8および
図9に示す。
【0088】
この変形形態は、マスカラをパッケージングし、塗布するためのデバイス101を提供する。
【0089】
デバイス101は、容器110と、ロック機構130と、キャップ120とを備える。この変形形態において、容器110の、ロック機構130の、およびキャップ120の断面は、円形である。しかしながら、多角形、卵形、非円形または他の断面など、デバイス101の他の断面が考えられる。
【0090】
上記で説明したデバイス1におけるように、この変形形態における容器110は、主に縦軸X-Xに沿って延びる中空体であり、端壁で一端を閉止され、かつ他端を開放されている。容器110の開口は、容器110の肩から延びるネック112で画定される。
【0091】
ネック112は、同様に、容器とネック112の上部リムとの間に位置する狭小部113を有し得る。
【0092】
シール114は、容器110のネック112で画定される開口内に固定される。シール114は、上記で説明したワイパータイプと同様である。
【0093】
キャップ120を容器110の上でロックするための機構130は、同様に、フープ131と、容器110のネック112に嵌合される弾性リング136とを備える。
【0094】
上記で説明したデバイスとは異なり、フープ131の上部132の断面は円形である。
【0095】
弾性リング136は、フープ131内の開口135内に置かれた押しボタンなど、作動手段137を備える。
【0096】
弾性リング136も同様に、キャップ120を容器110の上でロックすることを目的とした保持手段138を備える。
【0097】
保持手段138は、フープ131の上部132の下の部分の窓134内に設置された留め部を形成する。
【0098】
インサート121は、キャップ120内に取り外せない状態で固定される。インサート121は、キャップ20内に嵌合された管状の中空体である。この変形形態において、インサート121の断面は円形である。
【0099】
インサート121は、任意の適切な手段によって、たとえば接着結合、締まりばめ、またはスナップ締めによって、キャップ120内に取り外せない状態で固定されてよい。
【0100】
インサート121の下縁、すなわちキャップ120の開端に最も近い縁部は、インサート121の壁からインサート121の内側に向かって径方向に延びる突起142を備える。この突起142は、ロック機構130を保持するための手段138に対する捕捉手段を画定する。
【0101】
この突起142は、インサート121の下縁の全円周の周りに延びるので、この突起は、有利には、割り出しのない捕捉手段を画定することを可能にし、すなわちキャップ120と容器110との間の任意の相対的な角度の向きでキャップ120が容器110に接続されてよい。
【0102】
容器110内の開口に対する閉止要素145が、インサート121に対して摺動式に搭載される。この目的で、閉止要素145の上部141は、このインサート121内で摺動し得るように、インサート121の内部断面と相補関係にある円筒形の外壁を備える。
【0103】
インサート121上の突起142は、閉止要素145の円筒形の上部141の下縁が軸方向に当接するようになり得る留め具を形成し、それにより、キャップ120の移動経路を閉止要素145に対して制限するための手段を形成する。
【0104】
閉止要素145は、上記で説明したデバイス1と同じ方法で、デバイス101の不浸透性を確保する。
【0105】
同様に、ワンド147が、閉止要素145から軸X-Xに沿って長手方向に延び、ワンド147の端部には、塗布器要素148が設けられる。
【0106】
最後に、デバイス101は、同様に、キャップ120と閉止要素145の上部141との間に配置されたばね部材150を備え、それにより、これら2つの要素を押して互いに離すように資する力を発生する。
【0107】
次に、デバイス101が機能する方式を、
図10〜
図12を参照して説明する。
【0108】
図10を参照すると、デバイス101のキャップ120は、容器110の上でロック位置にある。
【0109】
このロック位置において、閉止要素145は、容器110内の開口の中に位置してシール114と接触している。閉止要素145の上部141は、ネック112の上部周辺リムと軸方向に当接し得る。弾性リング136はその休止位置にあり、保持手段138は、フープ133の外部から突出して、インサート121の突起で形成される捕捉手段142と係合している。したがって、ばね150は、キャップ120と閉止要素145との間で圧縮され、キャップ120は、それゆえロック機構130によって軸方向に保持される。
【0110】
図11を参照すると、デバイス101のキャップ120は、所定のアンロック位置にある。
【0111】
この位置を達成するために、ユーザは、保持手段138を非アクティブにするために、保持手段138を作動させるための手段137に圧力を加え、それにより、キャップ120が容器110に対して純粋に平行に移動することが可能になる。上記で説明したデバイスにおけるように、この移動の間、閉止要素145は、たとえアンロック位置にあっても不浸透性を維持するために、容器内の開口内の適所に留まる。
【0112】
インサート21上の突起142が閉止要素145の上部141の一部と軸方向に当接するときに、アンロック位置が行程制限器によって決定される。
【0113】
次いで、ユーザは、
図12に示すように、閉止要素145によってシール114に加えられる摩擦力より大きい軸方向の引き抜き力を加えることによって、キャップ120を取り外すことができる。
【0114】
本発明によるデバイスのロック機構のための弾性リングおよびフープの変形形態を
図13〜
図18に示す。
【0115】
弾性リングの第1の変形形態236を
図13に示し、それを容器210上で対応するフープ231内に搭載することを
図14に示す。
【0116】
弾性リング236は、ほぼ正方形の形状を有する。正方形リング236の側面を形成する第1のセクションは、押しボタンの形態である作動手段237を有する。
【0117】
2つの横セクションが、第2の対向するセクションをリング236の第1のセクションに接続する。横セクションは、リング236の内側に向かって曲がっており、それぞれはその中間にロック機構の保持手段238を有する。したがって、第1のセクションと第2のセクションとが互いに向かって動くように、作動手段237に加えられる圧力によって、保持手段238は、弾性リング236の内側に向かって動かされる。
【0118】
したがって、フープ231は、保持手段238を貫通させるために2つの横窓232を有する。
【0119】
弾性リングの第2の変形形態236’を
図15に示し、それを容器210’上で対応するフープ231’内に搭載することを、
図16に示す。
【0120】
弾性リング236’は、ほぼ円形の形状を有し、押しボタンの形態である作動手段237’を有する。
【0121】
リング236’は、作動手段237’の反対側に位置するスロット239’を有し、それにより、リング236’は、閉じた環帯を形成しない。したがって、2つの円形の横セクションが作動手段237’からスロット239’の自由端まで伸びる。
【0122】
各セクションは、円形リングのほぼ接線方向に延びる留め部を形成する保持手段238’を有する。
【0123】
作動手段237’に加えられる圧力によって、セクションの自由端が互いに向かって移動し、それにより、スロット239’の幅が狭くなる。したがって、保持手段238’は、弾性リング236’の内側に向かってスロット239’の方向に移動する。
【0124】
次いで、フープ231’は、保持手段238’が貫通し、かつ保持手段238’がフープ231’の内側に向かって摺動するために、2つの横窓232’を備える。
【0125】
弾性リングの第3の変形形態236’’を
図17に示し、それを容器210’’上で対応するフープ231’’内に搭載することを、
図18に示す。
【0126】
弾性リング236’’はほぼ円形の形状を有し、押しボタンの形態の2つの作動手段237’’を有し、作動手段237’’はリング236’’の両側に設置される。
【0127】
各作動手段237’’は、各作動手段237’’から軸方向に延びる留め部の形態の保持手段238’’に接続される。
【0128】
したがって、作動手段237’’に同時にかかる圧力によって、作動手段が互いに向かってリング236’’の中心方向に動かされ、また、保持手段238’’が互いに向かってリング236’’の内側方向に動かされる。
【0129】
次いで、フープ231’’は、保持手段238’’が貫通するための2つの対向する窓232’’と、作動手段237’’が貫通するための2つの対向する開口とを備える。
【0130】
本発明のデバイスの変形形態を、
図19および
図20に示す。
【0131】
この変形形態は、クリームなどのケア製品をパッケージングするためのデバイス301を提供する。
【0132】
デバイス301は、容器310と、ロック機構330と、キャップ320とを備える。この変形形態において、容器310はポットの形態である。
【0133】
この変形形態の容器310は、一端を端壁で閉止され、他端において、容器310の肩から延びるネック312で画定される、この例では円形の開口を備える中空体である。
【0134】
デバイスの前の変形形態におけるように、キャップ320を容器310の上でロックするための機構330は、フープ331と、容器310のネック312に嵌合される弾性リング336とを備える。
【0135】
弾性リング336は、フープ331内の開口335内に置かれた押しボタンなど、作動手段337を備える。弾性リング336も同様に、キャップ320を容器310の上でロックすることを目的とする保持手段338を備える。
【0136】
インサート321は、キャップ320内に取り外せない状態で固定される。インサート321は、キャップ320内に嵌合された管状の中空体である。
【0137】
インサート321の下縁は、インサート321の壁からインサート321の内側に向かって径方向に延びる突起342を備える。この突起342は、ロック機構330を保持するための手段338に対する捕捉手段を画定する。
【0138】
容器310内の開口に対する閉止要素345が、インサート321に対して摺動式に搭載される。この目的で、閉止要素345の上部341は、このインサート321内で摺動し得るように、インサート321の内部断面と相補関係にある円筒形の外壁を備える。
【0139】
閉止要素345の下部は、円形の断面を有し、容器310のネック312によって形成される開口内に挿入され得る板を形成する。
【0140】
閉止要素345の板の縁部は、板の中の周辺溝内に固定されるシール314を有する。したがって、閉止要素345およびそのシール314は、容器310内の開口を不浸透性に閉止するために好適である。
【0141】
インサート321上の突起342は、閉止要素345の円筒形の上部341の下縁が軸方向に当接するようになり得る留め具を形成し、それにより、キャップ320の移動経路を閉止要素345に対して制限するための手段を形成する。
【0142】
最後に、デバイス301は、同様に、キャップ320と閉止要素345の上部341との間に配置されたばね部材350を備え、それにより、これら2つの要素を押して互いに離すように資する力を発生する。
【0143】
この変形形態が機能する方法は、上記で説明したデバイスの変形形態が機能する方法に類似する。
【0144】
本発明は、図示した例に限定されない。様々な例の特徴を、特に、図示しない変形形態の一部として組み合わせてもよい。
【0145】
「〜を1つ備える」という表現は、特に逆の規定がなければ「少なくとも1つの〜を備える」という意味であるものと理解すべきである。