(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記使い捨て可能な第1のアセンブリ(4;104;204;304)が、溶媒を含む前記第1のリザーバ(3;103;202A;303)と、固体粉末または乾燥凍結物質を含む前記第2のリザーバ(2;102;202B;302)とを少なくとも含むことを特徴とする、少なくとも請求項9に記載の混合装置(1;101;201;301)。
請求項1から12のいずれかに記載の混合装置(1;101;201;301)と、前記流体接続セレクタ(9;109;209;309)に接続される針(14;114;214;314)とを含むことを特徴とする、医療用小型注入装置(400)。
前記針(14;114;214;314)が、前記注入装置(400)の筐体(401)内を移動するように取り付けられることを特徴とする、請求項13に記載の注入装置(400)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、それぞれ第1のリザーバ3および第2のリザーバ2に含まれる2成分を混合することができる本発明の医療用小型混合装置1を示している。第1のリザーバ3および第2のリザーバ2として、標準的な医療用ボトルまたは他の容器が使用されるのが好ましく、このようなボトルまたは他の容器は、通常、「バイアル」、「カートリッジ」、または「ポーチ」とも呼ばれる。
【0023】
混合装置1は、スタンド8上に、まず、それぞれ第1のオリフィス7と第2のオリフィス6とを備え、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2の最初の無菌状態を保つように、それぞれ第1のリザーバ3と第2のリザーバ2とを封止された状態で受承するのに適した2つのエンドピースを含み、次に、この例では注射針14を使用して混合物を放出するための出口チャネル13を含む。
【0024】
好ましくは、混合装置1は、有利には、筐体(図示せず)を有する医療用小型注入装置に挿置され、針14は前記筐体内で
図1の矢印Aで示される軸方向に移動するように取り付けられ、針は混合物を注入するために針14が筐体から突出する突出位置まで針14を移動させるような構造の移動手段14Aによって移動される。好ましくは、移動手段14Aは、モータ駆動式である。
【0025】
スタンド8は、回転式流体接続セレクタ9の固定部10を成し、流体接続セレクタ9の実質的に円形の可動部11を受承するように実質的に半円の凹部8A(
図5に詳細に示す)を備える。具体的に
図4〜
図6を参照して後述するように、流体接続セレクタ9は、固定部10および可動部11内にチャネル網12を有し、固定部10のチャネル網の一部と可動部11のチャネル網の一部とを互いに位置合わせすることで、第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースを選択的に出口チャネル13に接続することができる。好ましくは、流体接続セレクタ9は、それ自体周知の方法で単純なプラスチック部品を使用して製造されてもよい。
【0026】
当然、第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースは、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2の栓に穴を空けるための穿孔手段(図示せず)と、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2と流体接続セレクタ9のチャネル網12との接続部を封止するための封止ガスケットとを備えるのが好ましい。
【0027】
さらに、混合装置1は、スタンド8に取り付けられるモータ駆動ポンプ15を含む。この例では、このポンプは、
図3に示されるような単一ポート15Aを有する2方向ピストンポンプ式のポンプであり、成分を第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースと出口チャネル13との間に位置する流体接続セレクタ9のチャネル網12に流すような構造である。
【0028】
図1に示されるように、混合装置1はさらに、フレーム16上に、ポンプ15を駆動するための第1のモータ駆動部17と流体接続セレクタ9を駆動するための第2のモータ駆動部18とを含む。これらのモータ駆動部は、フレーム16に取り付けられた、あるいは、変形形態として、混合装置1の筐体に取り付けられた中央監視制御装置19によって制御される。
【0029】
より詳細には、ポンプ15の第1のモータ駆動部17は、ポンプ15に接続される第1のモータ20と第1の伝動アセンブリ21とを備え、伝動アセンブリ21は、この例では、互いに噛み合う第1の組の歯車22、23の形であり、
図2により詳細に示されるように、歯車の一方(22)はポンプ15に接続され、他方の歯車(23)は第1のモータ20に接続される。
【0030】
同様に、流体接続セレクタ9の第2のモータ駆動部18は、流体接続セレクタ9に接続される第2のモータ24と第2の伝動アセンブリ25とを備え、伝動アセンブリ25は、この例では、互いに噛み合う第2の組の歯車26、27の形であり、歯車の一方(26)は流体接続セレクタ9の可動部11に接続され、他方の歯車(27)は第2のモータ24に接続される。したがって、モータ駆動部18が歯車27を回転駆動すると、歯車26は、後述するように、チャネル網12の種々のチャネルを選択的に互いに位置合わせするために、
図2の両矢印F1で示されるように駆動される。
【0031】
用語「中央監視制御装置」19は、混合装置1が自動で動作するのに必要な構成部品の全て、特に、モータ用の1つまたは複数のマイクロコントローラおよび必要な内部相互接続部を指すのに使用される。さらに、混合装置1は、フレーム16上および/または混合装置1の筐体上に、制御ボタンおよび/またはディスプレイを備えたユーザインターフェース19Aおよび電源19Bを含む。
【0032】
有利には、混合装置1はさらに、フレーム16上および/または混合装置1の筐体上に、1つまたは複数のセンサ19D、例えば、第1の流体リザーバ3および第2の流体リザーバ2の有無、流体の有無、患者の有無、もしくは針14の有無を感知するためのセンサ、または混合装置1の構造的完全性を検出するための検出器、さらに中央監視制御装置19にアクセス可能な内部データベース19Cおよび/またはリモートコンピュータ(図示せず)とデータ交換するための無線送受信器19Eを含んでもよい。
【0033】
また、有利には、混合装置1に、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2を第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピース上の定位置で係止するための係止装置(図示せず)を設置することで、混合装置1の使用時または使用後に第1のリザーバ3および第2のリザーバ2が交換される、または汚染されるリスクを避けることができる。
【0034】
有利には、本発明の混合装置1は、
図2で詳細に示されるように、互いに嵌合する2つの異なるアセンブリ4、5で構成されてもよい。混合装置1の混合される成分と接触する部分の全てを含む使い捨て可能な第1のアセンブリ4は、滅菌されるように、かつ使い捨てアセンブリになるように設計される。混合装置1の残りの部分を含む再利用可能な第2のアセンブリ5は、再利用可能である。したがって、混合装置1の使用後、使い捨て可能な第1のアセンブリ4は汚れているので廃棄することができ、再利用可能な第2のアセンブリ5は、新しい混合物を作成するために、滅菌された他の使い捨て可能な第1のアセンブリ4と共に再利用することができる。
【0035】
したがって、混合装置1の再利用可能な第2のアセンブリ5は、基本的には、2つのモータ駆動部17、18と中央監視制御装置19とを備えたフレーム16を備え、使い捨て可能な第1のアセンブリ4は、混合装置1の流体接続部のみ、すなわち、具体的には、スタンド8上に取り付けられるポンプ15と流体接続セレクタ9とを備える。
【0036】
当然、使い捨て可能な第1のアセンブリ4は、第1のモータ駆動部17のポンプ15に接続される歯車22と、第2のモータ駆動部18の可動部11に固定される歯車26とを含み、再利用可能な第2のアセンブリ5は、モータ駆動部17に接続される歯車23と、第2のモータ駆動部18に接続される歯車27とを含む。
【0037】
このように、本発明の混合装置1を使い捨て可能な第1のアセンブリ4と再利用可能な第2のアセンブリ5の形にすることで、まず、滅菌される流体接続部(使い捨て可能な第1のアセンブリ4)を減らすことができ、次に、制御駆動部(再利用可能な第2のアセンブリ5)を再生利用することができる。
【0038】
図3には、混合装置1の可動要素をより詳細に示すために、混合装置1の断面図が示されている。図示されているように、ポンプ15は、この例では、ポンプ15の歯車22と協働するウォームネジを備えたピストン28を含む。したがって、モータ駆動部17が第1の組の歯車の歯車22、23を回転駆動すると、ピストン28が、
図3の両矢印F2で示されるように、ポンプ15内で長手方向の一方向または他方向に移動して、成分が混合装置1内を流される。
【0039】
図4および
図5は、混合装置1において成分が流れることができるチャネル網12をよりわかりやすく示すために、流体接続セレクタ9の可動部11が無い状態の混合装置1の使い捨て可能な第1のアセンブリ4を示している。図示されているように、スタンド8には、第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースのそれぞれに直接接続され、スタンド9の凹部8Aに向かって開口している2つの第1のチャネル29、30が設けられ、凹部8Aは出口チャネル13に接続される。さらに、スタンド8には、一端がポンプ15のポート15Aへ開口し、他端が凹部8Aに向かって開口している第3のチャネル32が設けられる。
【0040】
また、流体接続セレクタ9の可動部11(可動部は、この例では、円形である)は、
図6に示されるように、全周囲にわたって歯33で縁取られ、可動部11の長さ区分34で第2の組の歯車の歯車26を形成する。別の長さ区分35で、可動部11は滑らかであり、歯33に対してわずかに後退しているので、
図3の可動部11を通る軸方向断面図に示されるように、可動部11はT字形の輪郭になる。スタンド8内の凹部8Aは、可動部11の形状と相補的形状であり、
図5でより詳細に示されているような半円枠36を有し、可動部11の歯付き長さ区分34が半円枠36上で静止する。変形形態では、歯車26の歯33が可動部11の周囲の一部のみに存在することで、当接部を形成することができ、また可動部11が固定部10内で回転運動できる範囲を制限することができる。
【0041】
図3および
図6でより詳細に示されるように、可動部11は、可動部11の中心11Aを通り、可動部11の滑らかな長さ区分35で横方向に開口するL字形チャネル31を備える。
【0042】
したがって、可動部11がスタンド8の凹部8A内の定位置にある時、チャネル31は中心でポンプ15につながる第3のチャネル32に向かって開口する。この時、可動部11は、ポンプ15を選択的に封止した状態で出口チャネル13または第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースのそれぞれに接続するための3つの異なる角度位置をとることができ、チャネル31は出口チャネル13へと横方向に開口する、または第1のオリフィス7および第2のオリフィス6を備えたエンドピースへとつながる第1のチャネル29、30の一方もしくは他方へと横方向に開口する。流体接続セレクタ9を円形にすることにより、チャネル網12内の流体圧力を適切に分散させることができ、流体接続セレクタ9を十分に封止することができると同時に、前記流体接続セレクタの構成部品の数を減らすことができる。
【0043】
本発明の混合装置1を使用するために、また第1のリザーバ2および第2のリザーバ3に含まれる2つの成分を混合およびブレンドするために、使用者は、
図7のステップ70で、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2を、例えば、第2のリザーバ2には固体粉末または「凍結乾燥」物質、第1のリザーバ3には溶媒を入れた状態で、第1のオリフィス7および第2のオリフィス6のそれぞれを備えたそれぞれのエンドピースに取り付けて、使い捨て可能な第1のアセンブリ4と再利用可能な第2のアセンブリ5とを互いに嵌合させることで混合装置1を組み立てることから始める。
【0044】
次に、ステップ71で、使用者は、中央監視制御装置19において有利に予めプログラムされている混合ステップ72〜76を開始するために中央装置19を作動させる。有利には、前記ステップ72において、中央監視制御装置19は、送受信器19Eを介して内部データベース19Cまたは外部データベースにアクセスすることで、ユーザインターフェース19Aを介して使用者によって得られた情報またはセンサ19Dによって提供された情報に基づいて作動して、混合のプロトコール、例えば、使用される溶媒の定量、および任意で注入プロトコール、例えば、針14の肌への刺入深さ、注入速度などを決定する。
【0045】
ステップ72で、中央監視制御装置19は、流体接続セレクタ9の可動部11を回転運動させて、可動部11のチャネル31を溶媒を含む第1のリザーバ3の第1のオリフィス7を備えたエンドピースにつながるチャネル30と位置合わせさせる。
【0046】
その後、吸引ステップ73で、中央監視制御装置19は、ポンプ15の駆動部17を作動させることでピストン28を駆動して、所望の定量の溶媒をポンプ15に吸い込む。
【0047】
必要量の溶媒が吸い込まれると、中央監視制御装置19は、ステップ74で、流体接続セレクタ9の可動部11を再び回転運動させて、今度は可動部11のチャネル31を固体粉末または凍結乾燥物質を含む第2のリザーバ2の第2のオリフィス6を備えたエンドピースにつながるチャネル29と位置合わせさせる。
【0048】
ブレンドステップ75で、中央監視制御装置19は、ポンプ15の駆動部17を作動させて、ポンプ15内に含まれた溶媒を第2のリザーバ2に注入する。含まれる成分に応じて、混合プロトコールは、均一な混合物を生成するために混合物のブレンドが必要である場合がある。このような状況で、ポンプ15のピストン28は、
図3に示されている矢印F2の両方向に作動して、複数回混合物を第2のリザーバ2から吸引および第2のリザーバに送出することができる。さらに確実に、このブレンドを行うことにより、混合装置1内に均一な混合物のみが含まれた状態になり、特に、そのまま注入されるかもしれないどんな微量の純溶媒も残らない状態になる。したがって、混合物の有効成分の計量精度が向上する。プロトコールに従って混合物が均一になると、混合物はポンプ15に吸い込まれる。そして、混合物を患者に投与するために、後述するように、混合物は第1のリザーバ3および第2のリザーバ2のうちの一方またはポンプ15(後でポンプリザーバとなる)に保管されるか、混合装置1の出口チャネル13から放出されることが可能である。
【0049】
第1の動作モードでは、混合物が、後で使用するために、第1のリザーバ3および第2のリザーバ2のうちの一方に保管されるように設計されている。このモードでは、ステップ75の後に、ステップ78が実行され、使い捨て可能な第1のアセンブリ4が再利用可能な第2のアセンブリ5から分離され、そして第1のリザーバ3および/または第2のリザーバ2が第1のオリフィス7および第2のオリフィス6それぞれを備えたエンドピースから取り外され、混合物を含む第2の容器2は維持されることが可能である。第1のリザーバ3および第2のリザーバ2は、使い捨て可能な第1のアセンブリ4を再利用可能な第2のアセンブリ5から分離せずに取り外すことも可能である。
【0050】
第2の動作モードでは、混合物を放出するために、ステップ76で、中央監視制御装置19は、流体接続セレクタ9の可動部11を回転運動させて、可動部11のチャネル31を出口チャネル13と位置合わせさせる。その後、混合物は混合装置1から放出されて、プロトコールに従って患者に投与される。さらに、混合物は、後で混合物を投与する、および/または混合物を保管するのに適した任意の容器に移される場合もある。
【0051】
混合装置1を直接使用して混合物が患者に注入される場合は、ステップ77で、前記混合装置1が、使用者によって、例えば、患者によって、混合物を注入すべき患者のいる場所に配置される。センサ19Dによって受信された情報および内部データベース19Cまたは外部データベースからの情報に従って、中央監視制御装置19は、針14を軸方向Aに移動させて所望の深さまで患者の肌に刺入する。その後、ポンプ15が中央監視制御装置19によって作動され、混合物が注入される。注入が終わると、センサ19Dおよびデータベースからの情報に従って、監視制御装置19はポンプ15を停止させて、針14を引き抜く。
【0052】
混合および注入が完了した後に、使用者は、ステップ78で、使い捨て可能な第1のアセンブリ4と再利用可能な第2のアセンブリ5とを分離することができ、その後、使い捨て可能な第1のアセンブリ4は医療廃棄物として扱われるが、第2のアセンブリ5はすぐに別の成分混合ができる状態にある。
【0053】
このようにして、本発明の混合装置1により、使用者は、混合装置1以外の部品を使用しなくても、簡単に2成分を混合し、生成された混合物をブレンドして、均一な溶液を生成することができる。本発明の混合装置1の操作は、3つの主なステップに簡略化される。これらのステップは、使用者にとっては、第一に、使い捨て可能な部分(使い捨て可能な第1のアセンブリ4と第1のリザーバ3および第2のリザーバ2)を再利用可能な部分(再利用可能な第2のアセンブリ5)に取り付けるステップと、第二に、完全に自動化された混合/ブレンドを開始するように中央監視制御装置19を作動させるステップと、第三に、混合物を投与するステップまたは混合物を移すもしくは保管するステップとからなる。このことは、費やされる時間やエラーのリスクを大幅に制限し、さらに有効物質が操作者にとって危険なものである場合に、例えば、細胞毒性物質を含むものである場合に外傷のリスクまたは汚染のリスクを大幅に制限することができる。また、ポンプ15の作動を管理する中央監視制御装置19を使用することで、成分の計量が非常に正確であり、混合物を十分にブレンドすることができる。
【0054】
図8および
図9を参照しながら、本発明の混合装置の第2の実施形態について以下に説明する。
図8は、本発明の混合装置101を示しており、混合装置1と混合装置101に共通であり、同じ機能を果たす要素は、同じ参照番号に100を足した番号が付されている。明確および簡潔に説明するために、以下の説明では、基本的に、上述の混合装置1とは異なる混合装置101の要素について説明する。
【0055】
図8に示されるように、混合装置101は、スタンド108を含み、スタンド108には、第2のオリフィス106A、106Bを備えた1組のエンドピースに封止した状態で接続される第2のリザーバ102と、第1のオリフィス107を備えた別のエンドピースに封止した状態で接続される第1のリザーバ103と、例えば、注入針114を使用して混合物を放出するための出口チャネル113とが取り付けられる。スタンド108はさらに、回転式流体接続セレクタ109(
図9を参照しながら後述する)を受承する。
【0056】
図8に示されるように、混合装置101はさらに、スタンド108に取り付けられるモータ駆動ポンプ115を含み、ポンプは、この例では、2つのポート(図示せず)を有する一方向型のポンプであり、成分を第1のリザーバ103および第2のリザーバ102と出口チャネル113との間にある流体接続セレクタ109に流すような構造である。
【0057】
さらに、混合装置101は、フレーム116上に、ポンプ115を駆動するための第1のモータ駆動部117と、流体接続セレクタ109を駆動するための第2のモータ駆動部118とを含み、これらのモータ駆動部は、フレーム116に取り付けられた中央監視制御装置119によって制御される。
【0058】
混合装置101において、ポンプ115の第1のモータ駆動部117は、ポンプ115に接続される第1のモータ120と第1の伝動アセンブリ121とを備え、伝動アセンブリ121は、この例では、正方形の内嵌連結器122の形である。第1の伝動アセンブリ121は、ポンプ115を駆動することができるラッチ式の他の何らかの形にしてもよい。この例では、流体接続セレクタ109の第2のモータ駆動部118は、第2のモータ124と第2の伝動アセンブリ125とを備え、伝動アセンブリ125は、互いに噛み合う1組の歯車126、127を備え、歯車の一方(126)は可動部111に固定され、他方の歯車127は第2のモータ駆動部118に接続される。したがって、歯車127が第2のモータ駆動部118によって回転駆動されると、前記歯車127は、
図8の両矢印F3で示されるように、歯車126を回転駆動して、後述するように、流体接続セレクタ109のチャネル網112のチャネルを互いに位置合わせさせる。
【0059】
図9でより詳細に示されているように、スタンド108は、上述の混合装置1の流体接続セレクタ9とは大きく異なる流体接続セレクタ109の固定部110となる。この例では、実質的に円筒状のスタンド108には凹部108Aが設けられ、凹部108Aは、同様に実質的に円筒状であり、出口チャネル113に接続され、同様に実質的に円筒状の流体接続セレクタ109の可動部111を受承するような構造であり、スタンド108にはさらに、第2のオリフィス106A、106B、107を備えたエンドピースを選択的に出口チャネル113に接続するように互いに位置合わせされることが可能であるチャネル網112が設けられる。
【0060】
より詳細には、3つのチャネル112A、112B、112Cは、流体接続セレクタ109の固定部110の周囲に形成され、これらのチャネル112A、112B、112Cの一端は、第1のオリフィス106を備えたエンドピースおよび第2のオリフィス106A、106Bを備えたエンドピースにそれぞれ接続され、他端は凹部108Aに向かって開口している。さらに、流体接続セレクタ109の可動部111に、互いに直交した状態の2つの半円状凹部150、151が横方向に形成され、それぞれの凹部150、151からは、ポンプ115のポートに接続されるチャネル112D、112Eそれぞれが伸びる。流体接続セレクタ109を十分に封止するために、1組のガスケット152が凹部150、151の周囲に配置される。
【0061】
また、可動部111は、スタンド108の直径より大きい直径の歯車126を形成する頭部を有し、歯車126は歯車127によって駆動されることが可能である。
【0062】
流体接続セレクタ109が動作している間、可動部111は固定部110に挿入されて、選択的に出口チャネル113または第2のオリフィス106A、106Bおよび第1のオリフィス107をポンプ115に接続する、または互いに接続するための3つの角度位置をとることができる。
【0063】
可動部111が固定部110内の第1の角度位置にある時、第1のリザーバ103の第1のオリフィス107を備えたエンドピースにつながるチャネル112Aは凹部150およびポンプ115につながるチャネル112Dと合致し、第2のリザーバ102の第2のオリフィス106Aを備えたエンドピースにつながるチャネル112Cは凹部151およびポンプ115につながるチャネル112Eと合致するので、第1のリザーバ103および第2のリザーバ102を互いに流体接続させて、成分を第1のリザーバ103から第2のリザーバ102に、または第2のリザーバ102から第1のリザーバ103に移す。他の2つのチャネル112Bおよび113は、この第1の位置では閉鎖されている。
【0064】
可動部111が第2の角度位置にある時、第2のリザーバ102の第2のオリフィス106A、106Bを備えたエンドピースにつながる2つのチャネル112Bおよび112Cはそれぞれ凹部150、151と合致するので、第2のオリフィス106A、106Bを備えたこれら2つのエンドピースをチャネル112D、112Eまたポンプ115を使用して互いに流体接続させ、例えば、第2のリザーバ102内で混合物をブレンドする。チャネル112Aおよび113は、この第2の位置では閉鎖されている。流体を流れやすくするために、第2のオリフィス106A、106Bを備えたエンドピースは、異なる長さを有し、および/または異なる内寸の端面を有する。流体を流れやすくするためには、例えば、約1センチポイズ(cP)の粘度の液体が使用される場合、例えば、液体表面の下にわずか8mm、例えば、2.5mLが入った5mLのリザーバで流量0.26ミリリットル/秒(mL/s)に対して、吸引用に使用される第2のオリフィスの端面の直径は約0.39mmで、送出用に使用される第2のオリフィスの端面の直径は約0.24mmであるのが好ましい。液体は、第2のリザーバ102に戻される時に、第2のリザーバ102の壁に当たるまで押し流されるので、第2のリザーバ102がすすぎやすくなると同時にブレンドしやすくなる。
【0065】
最後に、可動部111が第3の角度位置にある時、第2のリザーバ102の第2のオリフィス106Bを備えたエンドピースにつながるチャネル112Bは凹部150およびポンプ115につながるチャネル112Dと合致し、ポンプ115からのチャネル112Eは出口チャネル113と合致するので、第2のリザーバ102を出口と流体接続させて、混合物を放出する。他の2つのチャネル112Aおよび112Cは、この第3の位置では閉鎖されている。
【0066】
本発明の混合装置101は、好ましくは、互いに嵌合する2つのアセンブリ104、105、つまり、滅菌されるように、かつ使い捨てアセンブリになるように設計された使い捨て可能な第1のアセンブリ104と、再利用に適した再利用可能な第2のアセンブリ105とで構成される。したがって、使い捨て可能な第1のアセンブリ104は、混合装置101の流体接続部、具体的には、ポンプ115、流体接続セレクタ109、およびスタンド108を含み、再利用可能な第2のアセンブリ105は、モータ駆動部117、118および中央監視制御装置119を備えたフレーム116を含む。
【0067】
図7を参照しながら、第2のリザーバ102に含まれる固体粉末状または凍結乾燥状態の成分を第1のリザーバ103に含まれる溶媒と混合するための本発明の混合装置101の使用について以下に説明するが、混合装置1と異なる部分のみ詳細に説明するものとする。
【0068】
第1のリザーバ3および第2のリザーバ2を第2のオリフィス106A、106Bを備えたエンドピースおよび第1のオリフィス107を備えたエンドピースに装着(ステップ70)した後、ステップ71で、使用者は中央監視制御装置119を作動させて混合ステップおよびブレンドステップ72〜76を開始する。
【0069】
ステップ72で、中央装置は、流体接続セレクタ109の可動部111を上述した第1の角度位置まで回転運動させる。吸引ステップ73で、中央監視制御装置119がポンプ115の駆動部117を作動させると、第1のリザーバ103に含まれる溶媒がポンプ115によって吸い込まれて、第2のリザーバ102に移される。
【0070】
次に、ステップ74で、中央監視制御装置119は、流体接続セレクタ109の可動部111を上述した第2の角度位置まで再び回転運動させる。したがって、ブレンドステップ75では、ポンプ115が懸濁固体粉末の混合物または溶媒で再水和された凍結乾燥成分の混合物を第2のリザーバ102の第2のオリフィス106A、106Bを備えたエンドピース間に流して、混合物をブレンドする。
【0071】
最後に、第1の動作モードでは、混合物が均一になると、プロトコールに従って、中央監視制御装置119は、ステップ76で、流体接続セレクタ109の可動部111を回転運動させて、混合物を放出するために上述した第3の位置になるようにする。
【0072】
第2の動作モードでは、第2のリザーバ102内の生成混合物を保管することもできる。
【0073】
図10〜
図13を参照しながら、本発明の混合装置の第3の実施形態について以下に説明する。
図10は、本発明の混合装置201を示しており、混合装置1と混合装置201に共通であり、同じ機能を果たす要素は、同じ参照番号に200を足した番号が付されている。したがって、上述したように、以下の説明では、主に、上述の混合装置1とは異なる混合装置201の要素について説明する。
【0074】
混合装置201は、第1の標準的な医療用リザーバ202A、第2の標準的な医療用リザーバ202B、および第3の標準的な医療用リザーバ202C内の成分を混合しブレンドするように設計されるので、この例では、このような3つのリザーバを備える。
【0075】
図10に示されるように、混合装置201は、直線状流体接続セレクタ209およびチャネル網212によって形成される固定スライドウェイ210内で
図10に示されているF4の方向に摺動するように取り付けられた可動スライド211を支承するスタンド208を含む。
【0076】
より詳細には、スライド211は、スライドウェイ210の2つの溝210A、210B内を摺動する上下逆さにしたチャネル断面輪郭を有し、スライドウェイ210は横に倒したE字の形状である。この例では、スライド211のチャネル断面のウェブは、4つの貫通オリフィス229A、229B、229C、229Dを備え、これらのオリフィスは、F4の方向に列を成して配置され、
図12でより詳細に示されており、そこから4つのエンドピースのそれぞれが伸びている。これらのエンドピースは、第1のオリフィス206A、第2のオリフィス206B、206C、第3のオリフィス206Dを備え、後述するように、第1のリザーバ202A、第2のリザーバ202B、第3のリザーバ202Cを封止して受承するのに適している。
図11に示されるように、第2のリザーバ202B用の第2のオリフィス206B、206Cを備えたエンドピースは、有利には、第2のリザーバ202B内の流体流れを改善するために、長さ、および/または内側端面寸法(例えば、内径)が異なる。
【0077】
スライドウェイ210は、この例では、スタンド208に対して可動になるように取り付けられた注入針214を使用して混合物を放出するための出口チャネル213を備える。以下で説明するように、特に、
図11を参照すると、第1のオリフィス206A、第2のオリフィス206B、206C、および第3のオリフィス206Cを備えたエンドピースと出口チャネル213とは、流体接続セレクタ209のチャネル網212を介して選択的に相互接続されることが可能である。
【0078】
上述の混合装置1および混合装置101と同様に、混合装置201はさらに、スタンド208に取り付けられるモータ駆動ポンプ215で、2つのポート(図示せず)を有する2方向型のポンプであり、成分を第1のオリフィス206A、第2のオリフィス206B、206C、および第3のオリフィス206Dを備えたエンドピースと出口チャネル213との間にあるチャネル網212に流すような構造のモータ駆動ポンプ215を含む。
【0079】
さらに、
図10に示されるように、混合装置201は、フレーム216上に、ポンプ215を駆動するための第1のモータ駆動部217と、流体接続セレクタ209を駆動するための第2のモータ駆動部218とを含み、これらのモータ駆動部は、フレーム216に取り付けられた中央監視制御装置219によって制御される。
【0080】
より詳細には、ポンプ215の第1のモータ駆動部217は、ポンプ215に接続される第1のモータ220と第1の伝動アセンブリ221とを備え、伝動アセンブリ221は、この例では、正方形の内嵌連結器の形である。流体接続セレクタ209の第2のモータ駆動部218は、流体接続セレクタ209に接続される第2のモータ224と第2の伝動アセンブリ225とを備え、伝動アセンブリ225は、この例では、モータ224に接続され、流体接続セレクタ209のスライド211上に形成されるラック226(
図13に示される)と協働する歯車227の形である。したがって、モータ駆動部218が歯車227を回転駆動すると、スライド211は、後述するように、チャネル網212の種々のチャネルを選択的に互いに位置合わせするために、両矢印F4で示されるように摺動する。
【0081】
本発明の装置201は、互いに嵌合し取り外し可能な2つの異なるアセンブリ、つまり、混合装置201の混合される成分と接触する部分、すなわち、特に、スタンド208、流体接続セレクタ209、およびポンプ215を含む使い捨て可能な第1のアセンブリ204と、特に、ポンプ215のモータ駆動部217および流体接続セレクタ209のモータ駆動部218を含む再利用可能な第2のアセンブリ205で構成されることがわかる。
【0082】
図11には、混合装置201のチャネル網212をより詳細に示すために、混合装置201の断面が示されている。特に、ポンプ215に接続されるU字形チャネル232は、スライドウェイ210内に形成され、このチャネル232はスライド211に対向する2つのオリフィス232A、232Bに向かって開口する。
【0083】
図12は、スライド211の断面図であり、スライド211は、スライド211の長さの一部に広がり、オリフィス229A〜229DおよびF4の方向に(
図11)オリフィス229A〜229と一列に並んだ第5の楕円形の止まり穴242を囲む中央凹部240を備える。凹部240内には、凹部240の形状と相補的形状であり、スライド211がスライドウェイ210に取り付けられる際にスライド211とスライドウェイ210との間に挿置されるように設計され、流体接続ガイドおよびガスケットとしての機能を果たす中間部材241が示されている。
【0084】
図13は、中間部材241をより詳細に示しており、中間部材241は、一列に配置された5つオリフィス243A、243B、243C、243D、243Eで、中間部材241が凹部240に挿置されるとそれぞれ止まり穴242およびオリフィス229A〜229Dと合致する5つのオリフィス243A、243B、243C、243D、243Eを備え、3つのオリフィス243A、243C、243Dは楕円形で、2つのオリフィス243A、243Dはほぼ円形である。さらに図示されているように、中間部材240は、F4の方向に対して実質的に垂直な方向に伸びる延長部分となり、楕円形オリフィス243Aはこの延長部分内を伸び(止まり穴242も同じ垂直な方向に向かって伸びる)、他の2つの楕円形オリフィス243C、243DはF4の方向に向かって伸びる。
【0085】
混合装置201は、チャネル網212の種々のチャネルに適切な封止要素(図示せず)を備えるものとする。
【0086】
したがって、中間部材241を備えたスライド211がスライドウェイ210の定位置にある時、ポンプ215からのチャネル232のオリフィス232A、232Bはスライド211の2つの隣接するオリフィス242、229A〜229Dと連通して、ポンプ215を第1のリザーバ202A、第2のリザーバ202B、第3のリザーバ202Cのうちの1つもしくは2つ、および/または出口チャネル213に選択的に接続することができる。特に、この例では、スライドウェイ210内でスライド211の4つの異なる横方向の位置を決めることができる。
【0087】
スライド211が
図11に示されるスライドウェイ210内の最初の横方向の位置にある時、チャネル232は、第1のリザーバ202Aの第1のオリフィス206Aを備えたエンドピースを出口チャネル213に接続されるスライド211の止まり穴242と連通させて、第1のリザーバ202Aを出口と流体接続させて前記第1のリザーバの内容物を放出する。他の第2のリザーバ202Bの第2のオリフィス206B、206Cを備えた他のエンドピースおよび第3のリザーバ202Cの第3のオリフィス206Dを備えた他のエンドピースは、この最初の位置では閉鎖されている。
【0088】
スライド211が第1の横方向の位置にある時、チャネル232は第1のリザーバ202Aの第1のオリフィス206Aを備えたエンドピースを第2のリザーバ202Bの第2のオリフィス206Bを備えたエンドピースと連通させ、これら2つの第1のリザーバ202Aと第2のリザーバ202Bを相互接続して、第1のリザーバ202Aから第2のリザーバ202Bへ、またはその逆方向に成分を移す。出口チャネル213および第2のオリフィス206Cを備えたエンドピースと第3のオリフィス206Dを備えたエンドピースは、この第2の位置では閉鎖されている。
【0089】
スライド211が第2の横方向の位置にある時、チャネル232は第2のリザーバ202Bの第2のオリフィス206B、206Cを備えた2つのエンドピースを連通させて、第2のリザーバ202B内で混合物をブレンドする。出口チャネル213および第2のオリフィス206A、206Dを備えたエンドピースは、この第3の位置では閉鎖されている。
【0090】
最後に、スライド211が第3の横方向の位置にある時、チャネル232は、第2のリザーバ202Bのエンドピース206Cを第3のリザーバ202Cの第3のオリフィス206Dを備えたエンドピースと連通させ、これら第2のリザーバ202Bと第3のリザーバ202Cとを互いに流体接続して、第2のリザーバ202Bから第3のリザーバ202Cへ、またはその逆方向に成分または混合物を移す。出口チャネル213および第1のオリフィス206Aを備えたエンドピースと第2のオリフィス206Bを備えたエンドピースは、この第4の位置では閉鎖されている。
【0091】
図7を参照しながら、本発明の混合装置201の使用について以下に説明するが、上述した混合装置1と異なる部分のみ説明し、主なステップは混合装置1について上で説明したステップと同じものとする。混合装置201を使用して、第2のリザーバ202Bに含まれる固体粉末状または凍結乾燥状態の成分を第1のリザーバ202Aに含まれる溶媒と混合およびブレンドし、その後、第3のリザーバ202C内に、または出口チャネル213と針214に向かって混合物を放出することができる。
【0092】
第1のオリフィス206Aを備えたエンドピース、第2のオリフィス206B、206Cを備えたエンドピース、および第3のオリフィス206Dを備えたエンドピースに第1のリザーバ202A、第2のリザーバ202B、第3のリザーバ202Cを装着(ステップ70)した後、ステップ71で、使用者は、中央監視制御装置219を作動させて混合ステップ72〜76を開始する。
【0093】
ステップ72で、中央監視制御装置219は、流体接続セレクタ209のスライド211を上述した第2の横方向の位置まで回転移動させる。吸引ステップ73で、中央監視制御装置219がポンプ215の駆動部217を作動させると、第1のリザーバ202Aに含まれる溶媒がポンプ215によって吸い込まれて、第2のリザーバ202Bに移される。
【0094】
その後、ステップ74で、中央監視制御装置219は、再びスライド211を上述した第3の横方向の位置まで横方向に移動させる。したがって、ブレンドステップ75で、ポンプ215は混合物を第2のリザーバ202Bの第2のオリフィス206B、206Cを備えた2つのエンドピース間に流して、前記第2のリザーバ202B内で混合物をブレンドする。
【0095】
混合物が均一になると、ステップ76で、中央監視制御装置219は、出口チャネル213を介して直接または第3のリザーバ202Cを介して間接的に混合物を投与するためにスライド211を上述した第3の横方向の位置まで横方向に移動させる。
【0096】
図14〜
図16を参照しながら、本発明の混合装置の第4の実施形態について以下に説明する。
図14は、本発明の混合装置301を示しており、混合装置1と混合装置301に共通であり、同じ機能を果たす要素は、同じ参照番号に300を足した番号が付されている。したがって、上述したように、以下の説明では、主に、上述の混合装置1とは異なる混合装置301の要素について説明する。
【0097】
図14は、スタンド308を含む混合装置301を示しており、スタンド308上には、第1のリザーバ303および第2のリザーバ302が取り付けられ、これらのリザーバは、第1のオリフィス307を備えたエンドピースと第2のオリフィス306を備えたエンドピースにそれぞれ封止した状態で接続され(
図16)、スタンド308は、注入針314を使用して混合物を放出するための出口チャネル313を備える。スタンド108はさらに、
図15および
図16を参照しながら後述するが、第1のリザーバ303および第2のリザーバ302を出口チャネル313に選択的に接続するように位置合わせされることが可能であるチャネル網312を含む直線状流体接続セレクタ309を備える。
【0098】
さらに、混合装置301は、スタンド308に取り付けられるモータ駆動ポンプ315を含む。この例では、このポンプは、
図16に示されるようなピストン328と単一ポート315Aとを有する2方向ピストンポンプ式のポンプであり、成分を第1のオリフィス306および第2のオリフィス307を備えたエンドピースと出口チャネル313との間に位置する流体接続セレクタ309に流すような構造である。
【0099】
さらに、
図14に示されるように、混合装置301はフレーム316を含み、フレーム316上に、ポンプ315を駆動するための第1のモータ駆動部317と、流体セレクタ309を駆動するための第2のモータ駆動部318とが取り付けられ、これらのモータ駆動部は、フレーム316に取り付けられた中央監視制御装置319によって制御される。
【0100】
より詳細には、ポンプ315の第1のモータ駆動部317は、ポンプ315に接続される第1のモータ320と第1の伝動アセンブリ321とを備え、伝動アセンブリ321は、この例では、互いに噛み合う第1の組の歯車322、323の形であり、歯車の一方(322)はポンプ315に接続され、他方の歯車(323)は第1のモータ317に接続される。
【0101】
同様に、流体接続セレクタ309の第2のモータ駆動部318は、流体接続セレクタ309に接続される第2のモータ324と第2の伝動アセンブリ325とを備え、伝動アセンブリ325は、この例では、モータ324に接続され、流体接続セレクタ309上に形成されるラック326(
図13に示される)と協働する歯車327の形である。
【0102】
したがって、モータ駆動部317が歯車322、323を回転駆動すると、ピストン328が、
図14の両矢印F5で示されるように、ポンプ315内で長手方向の一方向または他方向に移動して、成分が混合装置301内を流れる。
【0103】
図15に示されるように、スタンド308は、直線状流体接続セレクタ309の固定部310を成し、流体接続セレクタ309の実質的に円筒状の可動部311を受承するように実質的に円筒状の凹部308Aを備える。したがって、モータ駆動部318が歯車327を回転駆動すると、可動部311上に形成されたラック326は、後述するように、流体接続セレクタ309のチャネル網312の種々のチャネルを互いに位置合わせするために、
図16の両矢印F6で示されるように駆動される。
【0104】
有利には、混合装置301は、
図14で詳細に示されるように、互いに嵌合する2つの異なるアセンブリ304、305、つまり、混合装置301の混合される成分と接触する部分(特に、およびポンプ315、流体接続セレクタ309、およびスタンド308)の全てを含む使い捨て可能な第1のアセンブリ304と、混合装置301の残りの部分(特に、フレーム316およびモータ駆動部317、318)を含む再利用可能な第2のアセンブリ305で構成されてもよい。
【0105】
図16に示されるように、スタンド308は、第2のオリフィス306を備えたエンドピースおよび第1のオリフィス307を備えたエンドピースそれぞれに直接接続され、スタンド308の凹部308Aに向かって開口する2つの第1のチャネル329、330を備える。さらに、スタンド308は、ポンプ315のポート315Aと凹部308Aとを互いに連通させる第3のチャネル332を備える。
【0106】
図17は、チャネル331に実質的に垂直な4つのチャネル部分340、341、342、343に向かって横方向に開口するチャネル331を外周にわたって長手方向に備える可動部311を示しており、非常に幅の広い第1のチャネル340は、ポンプ315と連通するように設計され、他のチャネル部分341、342、323はそれぞれ第2のリザーバ302または第3のリザーバ303につながるチャネル329、330にそれぞれ接続するように、または出口チャネル313に接続するように設計される。
【0107】
さらに、可動部311は、流体接続セレクタ309の凹部308Aを封止した状態で閉鎖するために、一端にガスケット350を備える。混合装置301は、チャネル網312の種々のチャネルに適切な封止要素(図示せず)を備えるものとする。
【0108】
図16に示されるように、可動部311が凹部308A内の定位置にある時、可動部311は
図16の矢印F6で示される方向に応じて3つの異なる横方向の位置をとることができる。これらの横方向の位置の3つ全てにおいて、チャネル部分340はポンプ315に接続されるチャネル332と連通した状態であるので、ポンプ315は、第1のリザーバ303および第2のリザーバ302の一方と交互に連通する、または出口チャネル313と連通する。
【0109】
可動部311が固定部310の第1の横方向の位置にある時、可動部311のチャネル部分342は第1のリザーバ303の第1のオリフィス307を備えたエンドピースにつながるチャネル329と合致するので、ポンプ315は第1のリザーバ303と流体接続する。他の2つのチャネル341、343は、この第1の位置では閉鎖されるものとする。
【0110】
可動部311が第2の横方向の位置にある時、可動部311のチャネル部分341は第2のリザーバ302の第1のオリフィス307を備えたエンドピースにつながるチャネル330と合致するので、ポンプ315は第2のリザーバ302と流体接続する。他の2つのチャネル342、343は、この第2の位置では閉鎖されるものとする。
【0111】
最後に、可動部311が第3の横方向の位置にある時、可動部311のチャネル部分343は出口チャネル313と合致するので、ポンプ315は混合物を放出するために出口を流体接続した状態になる。他の2つのチャネル341、342は、この第3の位置では閉鎖されるものとする。
【0112】
図7を参照しながら、本発明の混合装置301の使用について説明するが、混合装置1と異なる部分のみ説明し、主なステップは混合装置1について上で説明したステップと同じものとする。混合装置301を使用して、第2のリザーバ302に含まれる固体粉末状または凍結乾燥状態の成分を第1のリザーバ303に含まれる溶媒と混合およびブレンドし、その後、出口チャネル313および針314に向かって放出することができる。
【0113】
混合装置1について上で説明したように、第1のリザーバ303および第2のリザーバ302を第1のオリフィス307を備えたエンドピースおよび第2のオリフィス306を備えたエンドピースに使用者が装着(ステップ70)した後、ステップ71で、使用者は中央監視制御装置319を作動させて混合ステップ72〜76を開始する。
【0114】
ステップ72で、中央監視制御装置319は、流体接続セレクタ309の可動部311を上述した第1の横方向の位置まで横方向に移動させる。その後、吸引ステップ73で、中央監視制御装置319は、ポンプ315を作動させることで、第1のリザーバ303に含まれている溶媒をポンプ315に吸い込む。
【0115】
次に、ステップ74で、中央監視制御装置319は、可動部311を上述した第2の横方向の位置まで横方向に移動させる。ブレンドステップ75で、ポンプ315は溶媒を第2のリザーバ302に送出して、その後、ポンプ315を作動させることで混合物が完全に均一になるまで混合物がブレンドされる。
【0116】
第1の動作モードでは、混合物が均一になると、ステップ76で、中央監視制御装置319は、出口チャネル313から混合物を直接投与するために可動部311を上述した第3の横方向の位置まで横方向に移動させることができる。第2の動作モードでは、第2のリザーバ302内の生成混合物を保管することもできる。
【0117】
図18は、医療用小型注入装置400を示した図であり、該注入装置400は、混合物の成分を均一に混合して、前記混合物を注入針14を使用して患者に注入することを可能にするために、筐体401内に本発明の混合装置1を含む。
【0118】
図18では、混合装置1の第2のリザーバ2はスタンド8上に取り付けられ、注入針14につながる出口チャネル13の流体接続セレクタ9を介して接続されている。
図1〜
図3に関して上述したのと同じように、スタンド8は、フレーム16に接続される。
【0119】
図18に示されるように、針14を移動させるための移動手段14Aは、移動手段14Aを案内するための1つまたは複数の案内手段403、例えば、スライドウェイを使用して、針14を筐体401に対して移動させるために、例えば、モータおよびロッドナットアセンブリもしくはラックの形態または1組のバネの形態のアクチュエータ402を備える。より正確には、針14、スタンド8、および要素の全てが取り付けられたフレーム16からなるアセンブリが筐体401に対して軸方向Aに移動するように取り付けられる。
【0120】
注入装置400を人間工学的に改善するために、中央監視制御装置19の一部が筐体401に直接取り付けられてもよいことがわかる。前記一部は、例えば、
図18に示されるように、ユーザインターフェース19Aおよび/または電源19Bである。
【0121】
さらに、移動手段14Aが、例えば、筐体401に対して軸方向Aに移動されるスタンド8を使用して、第2のオリフィス6および第1のオリフィス7を備えたエンドピースで第2のリザーバ2および第1のリザーバ3の穴を自動的に開けることができるように第2のリザーバ2および第1のリザーバ3を支持するために、筐体401に支持体(図示せず)が設けられてもよい。
【0122】
したがって、本発明の注入装置400を使用して成分の混合物を注入するために、使用者は、まず、
図7に関して上述したステップ70〜76を実行することによって成分を混合して、次に、ステップ77で、生成混合物を注入するための移動手段14Aを作動させる。
【0123】
したがって、本発明の注入装置400を使用すれば、1つの装置で、混合物の成分を簡単に、正確に、かつ自動的に混合すること、および生成混合物を容易に患者に投与することの両方を、使用者がこれらの操作の何か特別な訓練をしなくても行うことができる。
【0124】
当然、注入装置400は、
図8および
図9、
図10〜
図13、または
図14〜
図17に関して上述した本発明の混合装置101、201、または301を収容するのに十分に適した構造であってよい。
【0125】
当然、本発明は、上述の実施形態の内容に決して限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱せずに修正を施すことも可能である。
【0126】
したがって、変形形態では、出口チャネルは、針に接続される代わりに、点滴注入用のカニューレに接続されてもよいし、歩行装置に接続されてもよいし、他の何らかのボトルまたは容器に接続されてもよいし、混合物を投与するための任意の他の手段に接続されてもよい。
【0127】
また、ポンプは、電磁石で作動されるダイヤフラムを有するポンプにしてもよいし、圧電素子または任意のエネルギーを機械エネルギーに変換する働きの任意の他の作動手段によって作動されるポンプにしてもよい。
【0128】
また、使用者が調整しやすい手動の流体接続セレクタを設けることも可能である。
【0129】
さらに、本発明の混合装置1、101、201、301は、他の用途の他のボトルもしくは容器用のオリフィスを備えた1つまたは複数のエンドピースを追加して、それに応じて流体接続選択を調整することで、容易に調整可能である。次に、大量の流体を小さいリザーバに対して流出入させる操作を容易にするために、セレクタの少なくとも1つのチャネルに吸気口を設けることも可能である。
【0130】
特に、中央監視制御装置は、混合物を投与する種々の可能性、例えば、直接注入、経口、後の投与のための混合物の一時保管などに合わせてステップ76およびステップ77を開始するような構造にしてもよい。そのためには、流体接続セレクタは、混合物の漏れを防ぐために流体接続遮断位置を有する構造にしてもよい。
【0131】
例えば、成分の混合物は、出口チャネルに放出せずに、後で投与するためにリザーバの1つに保管してもよい。例えば、複数の患者に投与するために、本発明の混合装置から1組の小さいサイズのリザーバに成分の混合物の一部のみをそれぞれ充填することも可能である。これは、病院で使用される場合に、特に有利である。
【0132】
さらに、中央監視制御装置は、有利には、選択された時間に、成分および周囲条件に合った順序およびパラメータに基づいて成分を混合するようにプログラム可能にしてもよい。例えば、この場合、有利には、混合物の準備ができたことを使用者に知らせるためのアラームを備えることも可能である。
【0133】
さらに、有利には、様々な成分の混合物に合うように、特に、気泡または凝集を防ぐためにポンプの速度を調整できるようにしてもよい。したがって、凝集を防ぐために、例えば、機械振動装置もしくは超音波振動装置のような振動装置もしくは乱流ミキサーを流体接続チャネルの1つに沿って挿置する、または実際にポンプにフィルタを取り付けることも可能である。
【0134】
最後に、混合装置は、複数のポンプおよび/または複数の流体接続セレクタを含んでもよく、各々のポンプおよび各々のセレクタを特定の混合物専用にしてもよい。
【0135】
本発明により、上述の目的を達成することができると同時に、大きな利点が得られる。
【0136】
まず、本発明の混合装置1、101、201、301が、例えば、本発明の注入装置400を使用して直接混合物を投与する際に、非常に有利であるのは、混合、ブレンド、および2つ以上の成分を混合して生成された物質の投与に1つのポンプが使用されるという点である。
【0137】
さらに、混合物を投与する際に、流体接続回路の全ておよびポンプが均一な混合物で満たされるので、本発明の装置でかなり正確に有効成分を計量することができると同時に、従来の装置の死容積によるマイナスの影響を抑えることができる。