(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータが収納されたモータケースが、モータホルダーの開口部から嵌入させて出力軸が底部開口より奥側に挿入されるように着脱可能に組み付けられるモータ着脱機構であって、
前記モータケースの外周面に第一弾性部材の一端を固定し他端を自由端として係止する第一係止部と、前記モータホルダーの側部内周面に前記第一係止部と係止する第一被係止部と、
前記モータケースの外周面に沿って第二弾性部材の一端を固定し他端を自由端としてスナップフィットにより係止する第二係止部と、前記モータホルダーの側部内周面に前記第二係止部と係止する第二被係止部と、
前記モータホルダーに設けられ、前記第二弾性部材の自由端を押し戻して前記第二係止部と前記第二被係止部との係止を解除させるための解除機構と、を具備し、
前記モータケースを前記出力軸側から前記モータホルダーの開口部より嵌入させた状態で当該モータケースを所定方向に回転させることにより、前記第一弾性部材の自由端が弾発して前記第一係止部を第一被係止部に係止させる共に前記第二弾性部材の自由端が弾発して前記第二係止部を前記第二被係止部にスナップフィットにより係止させて装着され、前記解除機構を用いて前記第二被係止部に係止した前記第二係止部の係止状態を解除させながら前記モータケースを反対方向に回転させることで、前記第一係止部と前記第一被係止部との係止を解除させて前記モータケースを前記モータホルダーより取り外せることを特徴とするモータ着脱機構。
前記第一弾性部材の自由端には半球状の第一凸部が設けられており、前記第二弾性部材の自由端には鉤状の第二凸部が設けられており、前記モータホルダーの側部内周面には、前記第一凸部に凹凸嵌合する第一凹部が形成されており、前記第二凸部がスナップフィットにより係止する第二凹部が形成されている請求項1又は2記載のモータ着脱装置。
前記解除機構は、前記モータホルダーに設けられた解除孔であり、解除用ロッドを前記解除孔に挿入して前記第二被係止部に係止した前記第二係止部の係止状態が解除される請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のモータ着脱装置。
【背景技術】
【0002】
例えば老人、婦人、障害者などの社会的弱者にとって、日常生活に支障をきたす過度の負荷が作用する場面ではロボット装置が用いられ、該ロボット装置にはモータの駆動力を補助的に用いるアシスト装置が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
これらに用いられるアクチュエータとしては、モータの回転を減速機構により減速して出力するようになっている。例えば、特許文献1においては、モータを起動するとロータが回転し、サンギア(太陽歯車)と噛み合うプラネタリーギア(遊星歯車)がアウターギア(内歯車)に沿って周回する。これにより負荷接続部を介してベベルルギア(傘歯車)を減速回転するようになっている。
【0004】
モータをアシスト装置の動力源として用いる場合、使用する人の体格や体力に応じて出力の異なるモータが必要になる場合がある。このため、モータ取付面からモータを着脱する機会が増えることが想定される。モータは一般に取付面に対して複数のねじを用いてねじ止めされて組み付けられる(特許文献2参照)。
また、ねじを用いないでモータを着脱する方法としては、モータハウジングにヒンジを設け、ヒンジに対してモータクランプの一端を圧縮ばねで付勢し、他端側にテーパ面を設けたモータ装着方法が提案されている。取付面側にはモータクランプのテーパ面に対応するテーパ面が形成されている(特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したアシスト装置に設けられるアクチュエータは、特許文献2に示すようにモータを交換するたびに複数のねじを緩めて締め付ける作業を行うことは使用者の負担が大きい。また、特許文献3のようにモータハウジングの外部にモータクランプを別途設けるとすれば、モータ自体が大型化し、しかも圧縮ばねの付勢によりテーパ面どうしを押圧しても、モータが人の動きに追従するように組み付けられる場合には、振動などにより脱落するおそれがある。
よって、モータの取付面積を減らして小型化しつつ、取付面に対する着脱動作が簡易に行うことができ、しかも一旦モータを装着したら脱落し難い着脱機構であることが望ましい。
【0007】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、モータ取付面への取付面積を減らしモータの着脱動作が容易であり、しかも一旦装着したら外れ難いモータ着脱機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
モータが収納されたモータケースが、モータホルダーの開口部から嵌入させて出力軸が底部開口より奥側に挿入されるように着脱可能に組み付けられるモータ着脱機構であって、前記モータケースの外周面に第一弾性部材の一端を固定し他端を自由端として係止する第一係止部と、前記モータホルダーの側部内周面に前記第一係止部と係止する第一被係止部と、前記モータケースの外周面に沿って第二弾性部材の一端を固定し他端を自由端としてスナップフィットにより係止する第二係止部と、前記モータホルダーの側部内周面に前記第二係止部と係止する第二被係止部と、前記モータホルダーに設けられ、前記第二弾性部材の自由端を押し戻して前記第二係止部と前記第二被係止部との係止を解除させるための解除機構と、を具備し、前記モータケースを前記出力軸側から前記モータホルダーの開口部より嵌入させた状態で当該モータケースを所定方向に回転させることにより、前記第一弾性部材の自由端が弾発して前記第一係止部を第一被係止部に係止させる共に前記第二弾性部材の自由端が弾発して前記第二係止部を前記第二被係止部にスナップフィットにより係止させて装着され、前記解除機構を用いて前記第二被係止部に係止した前記第二係止部の係止状態を解除させながら前記モータケースを反対方向に回転させることで、前記第一係止部と前記第一被係止部との係止を解除させて前記モータケースを前記モータホルダーより取り外せることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、モータケースを出力軸側からモータホルダーの開口部より嵌入して出力軸が底部開口より奥側に挿入した状態で組み付けるので、モータの取付面積を減らして着脱することができる。また、モータケースを所定方向に回転させるだけで第一係止部を第一被係止部に係止させる共に第二係止部を第二被係止部にスナップフィットにより係止して回り止めするように装着されるので、モータケースをねじ等を使用せずにモータホルダーに嵌入及び回転操作により装着することができ、一旦モータケースを装着すれば、モータケースはモータホルダーに対して回り止めされかつ複数の係止部で係止されるので、脱落し難くなる。
また、解除機構を用いて第二被係止部に係止した第二係止部の係止状態を解除させながらモータケースを反対方向に回転させることで、第一係止部と第一被係止部との係止を解除してモータケースがモータホルダーより取り外せるので、モータ交換作業が容易となり使用者の負担を減らすことができる。
【0010】
前記モータケースの外周面には、前記第一弾性部材が組み付けられる第一周溝及び前記第二弾性部材が組み付けられる第二周溝が設けられており、前記モータホルダーの側部内周面には、前記第一被係止部が形成された第一突起部及び前記第二被係止部が形成された第二突起部が設けられており、前記第一周溝及び前記第二周溝には、前記モータケースをモータホルダーに嵌入する際に前記第一突起部を案内する第一ガイド溝及び前記第二突起部を案内する第二ガイド溝が前記第一周溝及び第二周溝と交差する向きに形成されていることが望ましい。
【0011】
これにより、モータケースの第一ガイド溝をモータホルダーの第一突起部、モータケースの第二ガイド溝をモータホルダーの第二突起部に各々位置合わせしてモータケースをモータホルダーの開口部から嵌入すると、第一突起部は第一周溝に突き当たる位置、第二突起部は第二周溝に突き当たる位置まで挿入される。このとき、第一弾性部材は第一突起部によって径方向内側に押し込まれて弾発し、第二弾性部材は第二突起部によって径方向内側に押し込まれて弾発する。そして、モータケースを所定方向に回転させると、第一突起部は第一周溝に沿って第二突起部は第二周溝に沿って各々回転し、第一弾性部材の自由端に設けられた第一係止部が第一被係止部に対向する位置で弾発して係合し、第二弾性部材の自由端に設けられた第二係止部が第二被係止部に対向する位置で弾発して係合する。
よって、モータケースとモータホルダーを位置合わせして嵌入及び回転操作が確実にかつ操作性良く行える。
【0012】
前記第一弾性部材の自由端には半球状の第一凸部が設けられており、前記第二弾性部材の自由端には鉤状の(返しが設けられた)第二凸部が設けられており、前記モータホルダーの側部内周面には、前記第一凸部に凹凸嵌合する第一凹部が形成されており、前記第二凸部がスナップフィットにより係止する第二凹部が形成されていることが好ましい。
これにより、モータケースをモータホルダーに装着する際に第一弾性部材の弾発により第一凸部と第一凹部との凹凸嵌合によるクリック感が得られ、第二弾性部材の弾発により第二凸部と第二凹部とのスナップフィットにより係止してモータケースを回り止めすることができる。
【0013】
前記解除機構は、前記モータホルダーに設けられた解除孔であり、解除用ロッドを前記解除孔に挿入して前記第二被係止部に係止した前記第二係止部の係止状態が解除されることが好ましい。これにより、簡易な解除機構の構成で回り止めされた第二係止部と第二被係止部との係止状態を解除させることができる。
尚、前記第一係止部と第一被係止部は複数箇所に設けられ、前記第二係止部と第二被係止部は1カ所に設けられていることが好ましい。これにより、1カ所に設けられた第二係止部と第二被係止部の位置を合わせて、モータケースをモータホルダーに嵌入して回転させることにより正確に装着することができ、かつ複数箇所に設けられた第一係止部と第一被係止部との係止により安定した組み付け状態を保持することができる。
【0014】
アシスト装置側に設けられた前記モータホルダーに対して前記モータケースが着脱されることが好ましい。この場合、アシスト装置を使用する使用者が、自らの体格や体力に応じて出力の異なるモータを使用する場合に、モータ着脱作業が容易になり作業負担を減らすことができる。
尚、モータケースの外周面に前記第一被係止部が設けられ、前記モータホルダーの側部内周面に、前記第一弾性部材の一端を固定し他端を自由端として係止する前記第一係止部が設けられていてもよい。これにより、モータケース側に弾性部材の設置スペースがない場合に取付面であるモータホルダー側のスペースを利用して組み付けることができる。
【発明の効果】
【0015】
上述したようにモータ取付面への取付面積を減らして、モータの着脱動作が容易であり、しかも一旦装着したら外れにくいモータ着脱機構を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るモータ着脱機構の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。先ず、モータ着脱機構の一例としてアシスト装置にアクチュエータとして用いられるモータについて
図1乃至
図4を参照して説明する。アクチュエータ1は、
図1(A)〜(D)に示すように、取付面側に設けられるモータホルダー2にモータケース3を組み付けて用いられる。モータケース3は、第一ハウジング4と第二ハウジング5を組み合わせて形成される。
【0018】
モータケース3内にはモータMのほかに減速機構Nも一体に組み付けられる。先ずモータMの構成の一例について
図1(B)を参照して説明する。
ロータ6は、モータケース3(第二ハウジング5)に回転可能に軸支される回転軸7と該回転軸7を中心に組み付けられるロータヨーク8とその外周面に環状のロータマグネット9を備えている。ロータマグネット9は周方向にN極とS極が交互に着磁されている。
また、モータケース3内にはロータ6の外周にステータ10が配置されている。ステータコア10aにはコイルは巻かれており、極歯10bはロータマグネット9と配向配置されている。
また、ステータコア10aと第二ハウジング5の内底部との隙間には、センサ基板10cが設けられている。センサ基板10cには図示しないホールICなどのロータの磁極位置を検出する検出素子が搭載されている。
【0019】
ロータヨーク8は、ベース部8aの中央部で軸方向に起立形成され回転軸7が組み付けられる第一環状部8bと、それより外周側に円盤状のベース部8aから軸方向に起立形成された第二環状部8cが同心状に形成されている。回転軸7は第一環状部8bに圧入、焼嵌め、接着などにより固定されている。
【0020】
また、第一環状部8bと第二環状部8cとの間は、モータケース3(第2ハウジング5)から軸方向に起立形成された仕切り壁5aにより仕切られている。仕切り壁5aの軸方向先端部5bは径方向内側にL字状に折り曲げられており、後述するように第一軸受部11の軸方向の位置決めを行っている。
【0021】
第一軸受部11(例えば転がり軸受)は、第一環状部8bと仕切り壁5aとの間に組み付けられている。第一軸受部11の内輪は第一環状部8bと当接して組み付けられ、外輪は仕切り壁5aと当接して組み付けられ、内外輪ともにフリーに回転することができる。
第二軸受部12は、仕切り壁5aと第二環状部8cとの間に組み付けられている。第二軸受部12は、ロータヨーク8のベース部8aと第二ハウジング5との間に挟み込まれて抜け止めされて組み付けられる。第二軸受部12の内輪は仕切り壁5aと当接してフリーに回転し、外輪は第二環状部8cに圧入されて固定されて組み付けられる。
【0022】
第一軸受部11は、第一環状部8bの外周に設けられた抜け止めワッシャー13により軸方向に抜け止めされて組み付けられている。第一軸受部11と軸方向先端部5bとの間にはウェーブワッシャー14が設けられている。ウェーブワッシャー14は、第一軸受部11を軸方向に付勢して抜け止めワッシャー13に押し当てる。第一軸受部11は、ウェーブワッシャー14の下向きの付勢力と抜け止めワッシャー13から得られる上向きの反力が釣り合って、軸方向に位置決めされる。このとき、ロータヨーク8には、下向きに押す力が作用する。これにより、第二軸受部12にはロータヨーク8(ベース部8a)から下向きの押圧力を受け、この押圧力と第二ハウジング5から受ける上向きの反力が釣り合って軸方向に位置決めされる。
【0023】
次に減速機構Nの一例について、
図1(B)を参照して説明する。
図1(B)において、ロータヨーク8のベース部8a外周には、第三環状部8dが起立形成されている。第三環状部8dの外周には環状のロータマグネット9が組み付けられている。第三環状部8dに囲まれた第一環状部8b及び第二環状部8cとベース部8aを介して反対側に形成された収納部8eには、ロータ6の回転を減速して出力する減速機構Nが組み付けられる。
【0024】
具体的には、ロータヨーク8の収納部8eには、ロータ6の回転軸7に形成された太陽歯車7aに噛み合う複数(例えば3個)の遊星歯車15と各遊星歯車15と噛み合う内歯車16を備えた遊星歯車機構が組み付けられる。回転軸7に形成された太陽歯車7aと、該太陽歯車7aと内歯車16は同心状に組み付けられる。内歯車16はモータケース3(第一ハウジング4)に図示しないねじによって一体に組み付けられている。遊星歯車15は太陽歯車7aと内歯車16に噛み合い太陽歯車7aを中心に転がり回転する。各遊星歯車15はキャリヤ18に固定された複数(例えば3本)の中心軸15a(
図2(B)参照)を中心に軸受15bを介して回転可能に軸支されている。またキャリヤ18には、出力軸18aが一体に形成されている。出力軸18aは、第一ハウジング4に組み付けられた第三軸受部19(例えば転がり軸受)によって、回転可能に軸支されている。
【0025】
減速機構Nは、モータMを起動すると回転軸7が回転し、ロータヨーク8内の収納部8eに収納された太陽歯車7aから遊星歯車15を内歯車16に沿って周回させることでキャリヤ18が回転し、出力軸18aに対してモータMの回転駆動を減速して伝達するようになっている。このモータMと一体に組み付けられた減速機構Nとでアクチュエータ1が構成されている。
【0026】
このように、減速機構N(遊星歯車機構)は太陽歯車7aを中心に遊星歯車15と内歯車16が互い径方向に噛み合って組み付けられるため、ロータヨーク8の第三環状部8dに囲まれた収納部8e内に偏平化してコンパクトに収納することができる。よって、モータMの回転駆動力を減速機構Nにより減速して出力軸18aへ出力するアクチュエータ1の小型化を図り、モータの振動により複数有するギア列のバックラッシュによる振動音の発生を抑えて静音化を図ることができる。
【0027】
次に、モータケース3のモータホルダー2に対する着脱機構の一例について説明する。モータMが収納されたモータケース3が、モータホルダー2の開口部2aから嵌入させて出力軸18aが底部開口2bより奥側に挿入されるように着脱可能に組み付けられる(
図4(A)参照)。
【0028】
以下、具体的に説明する。
図2(B)に示すように、モータケース2の外周面(第一ハウジング4の外周面4a)には、第一係止部20及び第二係止部21が設けられている。第一係止部20は、第一ハウジング4の外周面4aに対向する位置に設けられた第一周溝4bに第一板ばね22(第一弾性部材)が各々設けられている。一対の第一板ばね22は、一端が固定され、他端が自由端として挿入されて組み付けられている。
また、第二係止部21は、
図2(B)に示すように、一対の第一周溝4bの間に第二周溝4cが設けられ、第二周溝4cには第二板ばね23(第二弾性部材)が設けられている。第二板ばね23は、一端が固定され、他端が自由端として挿入されて組み付けられている。第一板ばね22及び第二板ばね23は、金属製(例えばステンレススチール製)の板ばねが用いられる。
【0029】
また、
図4(A)において、モータホルダー2の側部内周面2cには一対の第一係止部20と係止する一対の第一係止凹部2d(第一被係止部)が対向する位置に設けられている。また、一対の第一係止凹部2dの間には、第二係止部21と係止する第二係止凹部2e(第二被係止部)が設けられている。第一係止凹部2dは、側部内周面2cより径方向内側に突設された一対の第一突起部2fに各々設けられている。また、第二係止凹部2eは側部内周面2cより径方向内側に突設された第二突起部2gに設けられている。
【0030】
図4(A)(B)において、第一周溝4bには、モータケース3をモータホルダー2に嵌入する際に第一突起部2fを案内する第一ガイド溝4dが第一周溝4bと交差(直交)する向きに形成されている。また、第二周溝4cには、モータケース3をモータホルダー2に嵌入する際に第二突起部2gを案内する第二ガイド溝4eが第二周溝4cと交差(直交)する向きに形成されている。
【0031】
図3(A)〜(C)に示すように、第一板ばね22の自由端22aには半球状凸部22bが外向きに突設されている。第一板ばね22の固定端22cは自由端22aより幅広に形成されている。第一板ばね22の固定端22c側に段差を設けることで弾性を持たせている。第一板ばね22の固定端22cは、第一ハウジング4と第二ハウジング5を一体に組み付ける固定部材24(
図1(C)(D),
図2(A)参照)によって、固定端22cを周方向に位置決めすることで第一周溝4b内に組み付けられている。固定部材24も板バネなどのような金属板が用いられ、第一ハウジング4及び第二ハウジング5に重なり方向(軸方向と平行な方向)連続して形成された凹溝3aに嵌め込まれる。この固定部材24は、第一周溝4bと交差(直交)して配置されるため、第一突起部2fの回り止めとしても機能する。即ち、モータケース3をモータホルダー2に嵌入した状態で誤った方向に回転させようとしても、第一突起部2fが第一周溝4bと交差して組み付けられる固定部材24に回り止めされるため、組み付けを誤ることはなくなる(
図2(B)参照)。第一板ばね22は、第一ハウジング4の外周面に沿って組み付けられるため、外側が凸面となるように湾曲した形状に成形されている。
【0032】
図3(D)〜(F)に示すように、第二板ばね23の自由端23aには返しが形成された鉤状凸部23bが外向きに突設されている。第二板ばね23の固定端23cは自由端23aより幅広に形成されている。第二板ばね23の固定端23c側に段差を設けることで弾性を持たせている。第二板ばね23の自由端23aに設けられた鉤状凸部23bは、第二係止凹部2eとスナップフィットにより係止するようになっている。上述したスナップフィットにより係止する第二板ばね23は一旦係止すると、外部操作により解除する必要が生ずるため、第一板ばね22と異なり1カ所のみに設けられることが好ましい。第二板ばね23の固定端23cは、第一ハウジング4と第二ハウジング5を一体に組み付ける固定部材24(
図1(C)(D),
図2(A)参照))によって、固定端23cを周方向に位置決めすることで第二周溝4c内に組み付けられている。固定部材24は、第一ハウジング4及び第二ハウジング5に重なり方向(軸方向と平行な方向)連続して形成された凹溝3aに嵌め込まれる。この固定部材24は、第二周溝4cと交差(直交)して配置されるため、第二突起部2gの回り止めとしても機能する。即ち、モータケース3をモータホルダー2に嵌入した状態で誤った方向に回転させようとしても、第二突起部2gが第二周溝4cと交差して組み付けられる固定部材24に回り止めされるため、組み付けを誤ることはなくなる(
図2(B)参照)。第二板ばね23は、第一ハウジング4の外周面に沿って組み付けられるため、外側が凸面となるように湾曲した形状に成形されている。
【0033】
モータホルダー2の第二係止凹部2eの近傍には、解除孔2h(解除機構)が形成されている。この解除孔2hは、モータホルダー2の第二係止凹部2eと係止した鉤状凸部23bの係止状態を解除するために設けられている。モータホルダー2の側部外側から例えば解除用ロッド25(
図4(B)参照)を挿入して第二板ばね23の自由端23aを弾性力に抗して押し戻すことで鉤状凸部23bによる係止状態を解除させることができる。
【0034】
モータケース3をモータホルダー3に着脱動作の一例について
図4(A)(B)を参照して説明する。
図4(A)に示すように、モータケース3に形成された一対の第一ガイド溝4dをモータホルダー2に形成された一対の第一突起部2fと各々位置合わせをし、モータケース3に形成された第二ガイド溝4eをモータホルダー2に形成された第二突起部2gと位置合わせしてモータケース3を出力軸18a側からモータホルダー2の開口部2aより嵌入させる。このとき、第二ガイド溝4eと第二突起部2gは一か所のみに設けられているため、モータケース3の向きを誤って装着することはない。
【0035】
モータケース3をモータホルダー2の開口部2aから嵌入すると、第一突起部2fは第一周溝4bに突き当たる位置、第二突起部2gは第二周溝4cに突き当たる位置まで挿入される。このとき、第一板ばね22は第一突起部2fによって径方向内側に押し込まれて弾発し、第二板ばね23は第二突起部2gによって径方向内側に押し込まれて弾発する。そして、モータケース3を
図4(A)の矢印方向(時計回り方向)に回転させると、第一突起部2fは第一周溝4bに沿って第二突起部2gは第二周溝4cに沿って各々回転し、第一板ばね22の自由端22aに設けられた第一係止部20(半球状凸部22b)が第一係止凹部2dに対向する位置で弾発してクリック感を伴って係合し(
図2(B)P部拡大,Q部拡大参照)、第二板ばね22の自由端22aに設けられた第二係止部21(鉤状凸部22b)が第二係止凹部2eに対向する位置で弾発してスナップフィットにより係合する(
図2(B)R部拡大参照)。第二係止部21と第二係止凹部2eはスナップフィットにより係止するためモータケース3は回り止めされてモータホルダー2に装着される(
図4(B)参照)。尚、モータケース3を
図4(A)の矢印方向と反対方向(反時計回り方向)に回転させても、第一突起部2f及び第二突起部2gは固定部材24に各々突き当たって回り止めされるため、回転方向を誤ることもなくなる。
【0036】
また、モータケース3をモータホルダー2から取り外す場合には、
図4(B)において、解除孔2hより解除用ロッド25を挿入して第二係止凹部2eに係止した第二係止部21(鉤状凸部22b)の係止状態を解除させながらモータケース3を
図4(A)の矢印と反対方向(反時計回り方向)に回転させることで第一係止部20(半球状凸部22b)と第一係止凹部2dとの係止を解除させて、第一突起部2fが第一周溝4bの第一ガイド溝4dと交差する位置、第二突起部2gは第二周溝4cの第二ガイド溝4eと交差する位置まで回転させると、モータケース3をモータホルダー2の開口部2aから取り外すことができる。
【0037】
以上説明したように、モータケース3を出力軸18a側からモータホルダー2の開口部2aより嵌入させて出力軸18aが底部開口2bより奥側に挿入した状態でモータケース3を所定方向に回転させるので、モータの取付面積を取らずに着脱することができる。また、第一係止部20と第一係止凹部2dとを係止させる共に第二係止部21と第二係止凹部2eをスナップフィットにより係止して回り止めするように装着されるので、モータケース2をねじ等を使用せずにモータホルダー3に嵌入及び回転操作により装着することができ、一旦モータケース3を装着すれば、モータケース3は回り止めされかつ複数の係止部で係止されるので、脱落し難くなる。
また、解除孔2hより第二係止凹部2eに係止した第二板ばね23の自由端23aの係止を解除させながらモータケース3を反対方向に回転させることで、第一係止部20(半球状凸部22b)と第一係止凹部2dとの係止を解除してモータケース3がモータホルダー2より取り外せるので、モータ交換作業が容易となり使用者の作業負担を減らすことができる。
【0038】
また、第一板ばね22の自由端22aには半球状凸部22bが形成されているので、モータケース3をモータホルダー2に装着する際にクリック感が得られ、第二板ばね23の自由端23aには鉤状凸部23bが形成されているのでスナップフィットにより係止して回り止めすることができる。
また、1カ所に設けられた第二ガイド溝4eと第二突起部2gの位置を合わせて、モータケース3をモータホルダー2に嵌入して回転させることにより装着することができ、かつ複数箇所に設けられた半球状凸部22bと第一係止凹部2dとの係止により安定して組み付け状態を保持することができる。
【0039】
上述した実施例には、モータケース3(第一ハウジング4)の外周面4aに第一板ばね22の一端を固定し自由端22aに半球状凸部22bを設け、モータホルダー2の対向する側部内周面2cに半球状凸部22bと凹凸嵌合する第一係合凹部2dを設けたが、これに限定されるものではない。例えば、モータケース3(第一ハウジング4)の外周面に第一被係止部となる第一係止凹部2dが設けられ、モータホルダー2の側部内周面2cに、第一板ばね22の一端を固定し自由端22aに半球状凸部22bを設けてもよい。この場合、第一板ばね22は、モータホルダー2の側部内周面2cに沿って組み付けられるため、内側が凹面となるように湾曲した形状に成形される。特にモータケース3側に弾性部材の設置スペースがない場合に有効である。
また、第一弾性部材及び第二弾性部材の一例として板ばねを例示したが、これに限定されるものではなく例えばコイルばねの一端をモータケース3若しくはモータホルダー2側の径方向内側に固定して自由端である径方向外側に半球状凸部若しくは鉤状凸部を設けてもよい。
【0040】
上述した遊星歯車機構は、太陽歯車7aに周囲に遊星歯車15を3カ所に設けたがそれより多く設けてもよい。また、減速機構Nとしてロータヨーク8の収納部8eに遊星歯車機構を設けたが、これに限定されるものではなく、モータギアと噛み合う減速ギア設けて減速するようにしてもよい。