(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882445
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】ジュエリーアイテムおよび可変寸法のジュエリーアイテムを得るためにモジュラーエレメントを連結する方法
(51)【国際特許分類】
A44C 25/00 20060101AFI20160225BHJP
A44C 5/04 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
A44C25/00 Z
A44C5/04 C
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-500545(P2014-500545)
(86)(22)【出願日】2011年3月22日
(65)【公表番号】特表2014-508623(P2014-508623A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】IT2011000085
(87)【国際公開番号】WO2012127511
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2014年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】513183588
【氏名又は名称】バルバッザ・フラテッリ・エスエーエス − ディ・バルバッザ・ロベルト・イー・シー.
【氏名又は名称原語表記】BARBAZZA FRATELLI SAS − di Barbazza Roberto e C.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】バルバッザ、ピエロ
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭40−008994(JP,B1)
【文献】
特開平08−052015(JP,A)
【文献】
米国特許第02780052(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/04
A44C 13/00
A44C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュラーエレメント(2)を備えているジュエリーアイテム(1)であり、そのようなモジュラーエレメント(2)の少なくとも一つは、
・三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結するための少なくとも三つの連結点(3a,3b,3c)を備えており、各連結点(3a,3b,3c)は、前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)をさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結するのに適しており、また、
・少なくとも一つの中間部分(4)を備えており、それは、前記三つの連結点(3a,3b,3c)の第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)への連結のための第一の連結点(3a)と、第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)への連結のための第二の連結点(3b)の間に挿入されており、前記少なくとも一つの中間部分(4)は、前記第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)と前記第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)の間への第四のさらなるエレメント(2d)の挿入を可能にするように構成されており、
前記四つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c,2d)および前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)は、少なくとも三つの連結点(3a,3b,3c)を備えており、
前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)は、前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結され、前記ジュエリーアイテム(1)が収縮外形から伸張外形に進行してその寸法を変えるように、前記第四のさらなるモジュラーエレメント(2d)と連結されている、ジュエリーアイテム(1)。
【請求項2】
前記中間部分(4)は、前記第四のさらなるモジュラーエレメント(2d)への連結のためのさらなる連結点を備えている、請求項1に記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項3】
前記モジュラーエレメント(2)は互いに同一である、請求項1または2に記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項4】
前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は互いに同一である、請求項1ないし3のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項5】
前記モジュラーエレメント(2)と前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は互いに同一である、請求項1ないし4のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項6】
前記モジュラーエレメント(2)は同じ平面αに属し、前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は、平面αに平行な同じ平面βに属している、請求項1ないし5のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項7】
前記中間部分(4)は二つあり、第一のものは、前記第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)への連結のための前記第一の連結点(3a)と、前記第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)の間に挿入され、前記第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)と前記第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)の間への前記第四のさらなるモジュラーエレメント(2d)の挿入を可能にするように構成されており、第二のものは、前記第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)と、第三のさらなるモジュラーエレメント(2c)への連結のための第三の連結点(3c)の間に挿入され、前記第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)と前記第三のさらなるモジュラーエレメント(2c)の間への第五のさらなるモジュラーエレメント(2e)の挿入を可能にするように構成されている、請求項1ないし6のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項8】
前記モジュラーエレメント(2)は、回転ピンを介して前記連結点(3a,3b,3c)で前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)と連結されている、請求項1ないし7のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項9】
前記連結点(3a,3b,3c)は貫通穴を備えている、請求項1ないし8のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項10】
宝石(6)または他の装飾エレメントを収容するのに適したハウジング(5)をさらに備えている、請求項1ないし9のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項11】
前記ハウジング(5)は、連結点(3a,3b,3c)および/または各中間エリア(4)に配置されている、請求項10に記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項12】
前記モジュラーエレメント(2)および/または前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c,2d,2e)の間の少なくとも一つは長い形に形づくられている、請求項1ないし10のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
【請求項13】
可変寸法のジュエリーアイテム(1)を得るためにモジュラーエレメント(2)を連結する方法であり、
a.モジュラーエレメント(2)を少なくとも三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に、対応する三つの連結点(3a,3b,3c)において連結するステップと、
b.前記モジュラーエレメント(2)に連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)の二つの間に少なくとも一つのモジュラーエレメント(2d,2e)を挿入するステップを有しており、前記四つのモジュラーエレメント(2a,2b,2c,2d)および前記モジュラーエレメント(2)は、少なくとも三つの連結点(3a,3b,3c)を備えており、その結果、そのような挿入されたさらなるモジュラーエレメント(2d,2e)は、それの中間エリア(4)において前記モジュラーエレメント(2)と連結する、方法。
【請求項14】
前記ステップbは、二つのさらなるモジュラーエレメントの、おのおの、前記モジュラーエレメントに連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメントの二つの間への挿入を有している、請求項13に記載の可変寸法のジュエリーアイテム(1)を得るためにモジュラーエレメント(2)を連結する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジュエリーアイテム、およびそのようなジュエリーアイテムを得るためにモジュラーエレメントを連結する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、ジュエリーアイテムを可変寸法のアイテムにするように互いに連結される複数のモジュラーエレメントを備えているジュエリーアイテムに関する。
【背景技術】
【0003】
可変寸法のジュエリーアイテムを製作するためにモジュラーエレメントを連結する方法および関連するジュエリーアイテムが知られている。
【0004】
このタイプのアイテムは、たとえば、DE9100430またはEP1911366に説明されている。
【0005】
そのような文献は、閉じた(または収縮)外形から始まって開いた(または伸張)外形にまで、アイテム自体の寸法を変えるジュエリーアイテムを開示している。
【0006】
しかしながら、そのようなアイテムは、開いた外形では、衝撃の際に破損するほかに、それらが脆弱である、すなわち、使用のあいだに変形しやすいという事実にある欠点を有している。
【0007】
さらに、閉じた位置では美学的に好ましいが、それの開いた位置では美学的に満足でない。
【0008】
そのような既知のアイテムの別の欠点は、ほとんど頑丈でないので、それらは、最大の開いた位置と最大に閉じた位置の間の中間の位置をほとんど維持しないが、これらの二つの位置の一方を取る傾向があり、したがって非モジュラー寸法をもたらすという事実に関連している。
【0009】
したがって、本発明の目的は、開いたまたは伸張した位置でも抵抗があり、美学的に楽しい可変寸法のジュエリーアイテムを提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、シンプルで経済的である可変寸法のジュエリーアイテムを得るためにモジュラーエレメントを連結するとともに、それのすべての可能な外形において耐性があり楽しいアイテムを得ることを可能にするための方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、ジュエリーアイテムの寸法のモジュール性を許可し、寸法と味わいに関して異なる使用者に適応可能にすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】DE9100430
【特許文献2】EP1911366
【発明の概要】
【0013】
これらおよび他の目的は、複数のモジュラーエレメントを備えているジュエリーアイテムによって達成され、そのようなモジュラーエレメントの少なくとも一つは、
・三つのさらなるモジュラーエレメントに連結するための少なくとも三つの連結点を備えており、前記連結点は、前記少なくとも一つのモジュラーエレメントをさらなるモジュラーエレメントに連結するのに適しており、また、
・少なくとも一つの中間部分を備えており、それは、前記三つの連結点の第一のさらなるモジュラーエレメントへの連結のための第一の連結点と、第二のさらなるモジュラーエレメントへの連結のための第二の連結点の間に挿入されており、前記少なくとも一つの中間部分は、前記さらなる第一のさらなるモジュラーエレメントと前記さらなる第二のモジュラーエレメントの間へのさらなる第四のエレメントの挿入を可能にするように構成されており、
前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)は、前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結され、前記ジュエリーアイテム(1)が収縮外形から伸張外形に進行してその寸法を変えるように、前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)と適切に関連されている。
【0014】
そのような特徴の組み合わせは、それのおのおのの外形において耐性があり美学的に楽しいジュエリーアイテムを得ることを可能にする。
【0015】
特に、同じモジュラーエレメントに連結された二つのさらなるモジュラーエレメントの間への、モジュラーエレメントに適切に関連された、さらなるモジュラーエレメントの挿入は、変形と衝撃に対する高い耐性と、美学的に楽しいコンパクトな構造を作り出すのを助ける。
【0016】
本発明のある好適な実施形態によれば、前記中間部分(4)は、前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)への連結のためのさらなる連結点を備えている。
【0017】
このように、前記モジュラーエレメントはまた、そのようなさらなるモジュラーエレメントに連結され、前記アイテムはまたさらに耐性がある。
【0018】
有利には、前記モジュラーエレメントは互いに同一であり、前記さらなるモジュラーエレメントは互いに同一であり、および/または、前記モジュラーエレメントと同一であり、明らかに製作上の利点がある。
【0019】
あるいは、それらは互いに異なっており、それで得られることができる異なる審美的な解決策の利点がある。
【0020】
好ましくは、前記モジュラーエレメントは同じ平面αに属し、前記さらなるモジュラーエレメントは、平面αに平行な同じ平面βに属している。
【0021】
好ましい実施形態によれば、前記中間部分は二つあり、第一のものは、前記さらなる第一のモジュラーエレメント(2a)への連結のための前記第一の連結点(3a)と、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)の間に挿入され、前記さらなる第一のモジュラーエレメント(2a)と前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)の間への前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)の挿入を可能にするように構成されており、第二のものは、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)と、さらなる第三のモジュラーエレメント(2c)への連結のための第三の連結点(3c)の間に挿入され、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)と前記さらなる第三のモジュラーエレメント(2c)の間へのさらなる第五のモジュラーエレメント(2e)のの挿入を可能にするように構成されている。
【0022】
好ましくは、前記モジュラーエレメントは、回転ピンを介して前記連結点で前記さらなるモジュラーエレメントと連結されている。
【0023】
有利には、前記連結点は、貫通穴を備えている。
【0024】
好ましくは、ジュエリーアイテムは、宝石または他の装飾エレメントを収容するのに適したハウジングをさらに備えている。
【0025】
したがって、前記アイテムの審美的な側面が改善される。
【0026】
有利には、前記ハウジングは、各連結点および/または各中間エリアに配置されている。
【0027】
好ましくは、前記モジュラーエレメントおよび/または前記モジュラーエレメントは長方形に形づくられている。
【0028】
それの第二の側面によれば、本発明は、可変寸法のジュエリーアイテムを得るためにモジュラーエレメントを連結する方法に関連しており、
a.モジュラーエレメント(2)を少なくとも三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に、対応する三つの連結点(3a,3b,3c)において連結するステップと、
b.前記モジュラーエレメント(2)に連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)の二つの間に少なくとも一つのモジュラーエレメント(2d,2e)を挿入するステップを有しており、その結果、そのような挿入されたさらなるモジュラーエレメント(2d,2e)は、それの中間エリア(4)において前記モジュラーエレメント(2)と適切に関連する。
【0029】
そのような方法は、シンプルで経済的であり、耐性があり可変寸法の美学的に楽しいジュエリーアイテムを作成する目的を達成する。
【0030】
好ましくは、前記ステップbは、二つのさらなるジュラーエレメントの挿入を有しており、前記二つのさらなるモジュラーエレメントのおのおのは、前記モジュラーエレメントに連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメントの二つの間に挿入される。
【0031】
本発明のより良い理解のために、また、それの利点を認識するために、添付図面を関連して、本発明のアイテムと方法のいくつかの非制限的な実施形態の説明が以下に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1a】
図1aは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図1b】
図1bは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図1c】
図1cは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図1d】
図1dは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図2a】
図2aは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図2b】
図2bは、本発明の実施形態によるジュエリーアイテムのモジュラーエレメントの概要の斜視図を示している。
【
図3a】
図3aは、収縮外形にある、
図1aのモジュラーエレメントで得られた本発明の第一の実施形態によるジュエリーアイテムの一部分の平面図を示している。
【
図3b】
図3bは、収縮外形にある、
図1aのモジュラーエレメントで得られた本発明の第一の実施形態によるジュエリーアイテムの一部分の斜視図を示している。
【
図4a】
図4aは、伸張外形にある、
図3aに表わされた部分を示している。
【
図4b】
図4bは、伸張外形にある、
図3bに表わされた部分を示している。
【
図5a】
図5aは、収縮外形にある、
図1aのモジュラーエレメントで得られた本発明の第二の実施形態によるジュエリーアイテムの一部分の平面図を示している。
【
図5b】
図5bは、収縮外形にある、
図1aのモジュラーエレメントで得られた本発明の第二の実施形態によるジュエリーアイテムの一部分の斜視図を示している。
【
図6a】
図6aは、伸張外形にある、
図5aに表わされた部分を示している。
【
図6b】
図6bは、伸張外形にある、
図5bに表わされた部分を示している。
【
図7】
図7は、収縮外形にある、
図1cのモジュラーエレメントで得られた本発明の第三の実施形態によるジュエリーアイテムの一部の斜視図を示している。
【
図7b】
図7bは、
図7の部分の簡略バージョンの分解組立図を示している。
【
図8】
図8は、伸張外形にある、
図7に示されたジュエリーアイテムの部分の斜視図を示している。
【
図8b】
図8bは、
図8の部分の簡略バージョンの分解組立図を示している。
【
図9】
図9は、本発明によるジュエリーアイテムの宝石または他の装飾エレメントのためのハウジングの二つの可能な変形を示している。
【
図10】
図10は、本発明によるジュエリーアイテムの宝石または他の装飾エレメントのためのハウジングの二つの可能な変形を示している。
【
図11】
図11は、収縮外形にある、本発明のある好適な実施形態によるジュエリーアイテムを示している。
【
図12】
図12は、伸張外形にある、本発明のある好適な実施形態によるジュエリーアイテムを示している。
【
図13】
図13は、収縮外形にある本発明の変形によるジュエリーアイテムの一部分の平面図を示している。
【
図14】
図14は、伸張外形にある本発明の変形によるジュエリーアイテムの一部分の平面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1〜14に関連して、本発明によるジュエリーアイテムは、一般に参照番号1で示される。
【0034】
ジュエリーアイテム1は、複数のモジュラーエレメント2を備えており、そのようなモジュラーエレメント2の少なくとも一つは、三つのさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cに連結するための少なくとも三つの連結点3a,3b,3cを備えており、連結点3a,3b,3cは、前記少なくとも一つのモジュラーエレメント2をさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cに連結するのに適している。
【0035】
本発明によれば、ジュエリーアイテム1はさらに、少なくとも一つの中間部分4を備えており、それは、前記三つの連結点3a,3b,3cの第一の連結点3aと第二の連結点3bの間に挿入されている。そのような中間部分4は、前記さらなる第一のさらなるモジュラーエレメント2aと前記さらなる第二のモジュラーエレメント2bの間へのさらなる第四のモジュラーエレメント2dの挿入を可能にするように構成されている。
【0036】
言いかえれば、モジュラーエレメント2は、さらなるモジュラーエレメント2d,2eの挿入のための三つの連結部分と一つの部分の、少なくとも四つの部分を備えている。
【0037】
モジュラーエレメント2は、前記三つのさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cに連結されており、また、ジュエリーアイテム1が収縮外形から伸張外形に進行してその寸法を変えるように、前記さらなる第四のモジュラーエレメント2dと適切に関連されている。
【0038】
言いかえれば、上述の特徴の組み合わせは、アイテムが、たとえば、リング、ブレスレット、時計ストラップに、円形に形づくられる、直径が最小である収縮外形から、直径が最大である伸張外形に進行し、モジュラーエレメント2がそれの相対位置を変えることを可能にする。
【0039】
収縮位置から伸張位置への進行およびその逆は調整されることができ、したがって、構造体の特定の外形および強健さのおかげで、アイテム1は、そのような極端な二つの位置の間のすべての中間位置を得てそのような中間位置にとどまり得る。
【0040】
当然のこととして、上述の外形は、先行技術のアイテムのように、頂点においてだけではなく、他の四角形部分においても、相互に抑制されるアーテイキュラブル(articulable)頂点をもつ四角形システムを得ることを可能にする。
【0041】
中間部分4は、二つの連結点3a,3b,3cの間のブリッジとして役に立ち、第四のモジュラーエレメント2dが、それに固定されずに、その上をスライドすることを許し、または、前記さらなる第四のモジュラーエレメント2dへの連結のためのさらなる連結点を備えている。
【0042】
図3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d,6a〜6d,7,7a,7b,8,8a,8b,13,14に示される実施形態によれば、モジュラーエレメント2とさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cはすべて互いに同一であるが、それらは異なっていてもよい。
【0043】
図に見られるように、前記モジュラーエレメント2は同じ平面αに属しており、前記さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cは、平面αに平行な同じ平面βに属している。
【0044】
図1b〜1d,2a,2b,7,7a,7b,8,8a,8b,13および14に示される実施形態によれば、二つの中間部分4があり、第一は、前記さらなる第一のモジュラーエレメント2aへの連結のための前記第一の連結点3aと、前記さらなる第二のモジュラーエレメント2bへの連結のための前記第二の連結点3bの間に挿入され、前記さらなる第一のモジュラーエレメント2aと前記さらなる第二のモジュラーエレメント2bの間への前記さらなる第四のモジュラーエレメント2dの挿入を可能にするように構成されており、第二のものは、前記さらなる第二のモジュラーエレメント2bへの連結のための前記第二の連結点3bと、さらなる第三のモジュラーエレメント2cへの連結のための第三の連結点3cの間に挿入され、前記さらなる第二のモジュラーエレメント2bと前記さらなる第三のモジュラーエレメント2cの間へのさらなる第五のモジュラーエレメント2eの挿入を可能にするように構成されている。
【0045】
示された実施形態によれば、モジュラーエレメント2とさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c,2d,2eは、長方形に形づくられている。
【0046】
特に、
図1aのモジュラーエレメント2は、長方形のエレメントを形成するために軸に沿って配された四つの円形部分を備えている。そのような四つの部分の三つは連結点3a,3bおよび3cと一致し、そのような円形部分の一つは中間部分4と一致している。
【0047】
そのような円形部分のおのおのは、モジュラーエレメント2をさらなるモジュラーエレメント2a,2bおよび2cに回転および/または継手ピンを介して連結するのに適した貫通穴を備えている。
【0048】
しかしながら、モジュラーエレメント2は、さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c,2d,2eに必ずしも四点で連結されている必要はない。実際、中間部分4は、連結点を備えていても、備えていなくてもよい。
【0049】
図1bのモジュラーエレメント2は、長方形のエレメントを形成するために軸に沿って配された五つの円形部分を備えている。そのような五つの部分の三つは連結点3a,3bおよび3cと一致し、そのような円形部分の二つは中間部分4と一致している。
【0050】
そのような円形部分のおのおのは、モジュラーエレメント2をさらなるモジュラーエレメント2a,2bおよび2cに回転および/または継手ピンを介して連結するのに適した貫通穴を備えている。
【0051】
しかしながら、前の場合と同様に、モジュラーエレメント2は、さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c,2d,2eに必ずしも五点で連結されている必要はない。
図1c,1d,2aおよび2bのモジュラーエレメント2は、三つの円形部分を備えており、それらは連結点3a,3bおよび3cと一致しており、それらは、二つの(
図1cおよび1dでは)直線または(
図2aおよび2bでは)曲線エレメントによって連結されており、それらは連結部分4と一致しており、長いエレメントを形成している。
【0052】
そのような円形部分のおのおのは、モジュラーエレメント2をさらなるモジュラーエレメント2a,2bおよび2cに回転および/または継手ピンを介して連結するのに適した貫通穴を備えている。
【0053】
さらに、
図1cの直線エレメントと
図2aおよび2bの曲線エレメントは、さらなるモジュラーエレメント2a,2bおよび2cへのモジュラーエレメント2の連結のためにおそらく使用可能な貫通穴を備えている。
【0054】
図2aおよび2bのモジュラーエレメント2は、コレットまたはシムであってよい、審美的機能を有しているエレメント8を備えている。
【0055】
そのようなエレメント8は、好ましくは、モジュラーエレメント2と一体である。
【0056】
前述したように、モジュラーエレメント2は、前記連結点3a,3b,3cにおいて前記さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cにピンを介して連結されている。
【0057】
好ましい実施形態では、ジュエリーアイテム1は、
図11および12に見られるような宝石6、または、好ましくは機械加工され得る、図に示されていない、たとえばキャップを閉じる他の装飾エレメントを収容するのに適したハウジング5をさらに備えている。
【0058】
そのようなハウジング5は、連結ピン7と一体であってよい。
【0059】
そのような場合、前述の貫通穴はまた、そのようなハウジング5を整列させる機能を果たす。
【0060】
貫通穴は、要求にしたがって、異なる形をしていてもよい。
【0061】
図9および10は、ハウジング5の二つの異なる変形を示している。しかしながら、それらは、そのような目的に適したどのような既知のタイプであってよい。
【0062】
図7および8に示される実施形態では、前記ハウジング5は、各連結点3a,3b,3cに配置されている。
【0063】
これに反して、
図3a,3b,4a,4b,5a,5b,6a,6bに示される実施形態では、前記ハウジング5は、各連結点3a,3b,3cに、また各中間エリア4に配置される。
【0064】
図3cおよび3dは、
図3aおよび3bの簡略図を示している。同様に、
図4cおよび4dは、
図4aおよび4bの簡略図を示している。
【0065】
言いかえれば、
図3c,3d,4cおよび4dは、ただ一つのモジュラーエレメント2と、それが、組み立てが完了した後に連結される、および/または、適切に関連される、さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c,2dを示している。
【0066】
同様に、
図7a,7b,8a,8b,13,14は、ただ一つのモジュラーエレメント2と、それが、組み立てが完了した後に連結される、および/または、適切に関連される、さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c,2d,2eを示している。
【0067】
図3a〜3d,4a〜4d,5a,5b,6a,6bに示されたジュエリーアイテム1の一部分は、
図1aのモジュラーエレメント2で得られる。
【0068】
図7,7a,7b,8,8a,8bに示されたジュエリーアイテム1の一部分は、
図1cのモジュラーエレメント2で得られる。
【0069】
図13および14に示されたジュエリーアイテム1の一部分は、
図1dのモジュラーエレメント2で得られる。
【0070】
モジュラーエレメント2とさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2c、2d,2eは、アイテム1の一部分またはアイテム1全体に配されてよい。
【0071】
前記ジュエリーアイテム1は好ましくはリングであるが、それは、既知のタイプの、またどのような形(フラット、凹状、凸状、曲線的、その他)のどのような装飾品であってよい。
【0072】
明らかに、本発明は、修正を必要とすることなく、ジュエリー、銀器、模造ジュエリーなどのアイテムまで伸張される。
【0073】
ジュエリーアイテム1は、適切と考えられるどのような材料で作られてもよい。
【0074】
以下は、本発明による、可変寸法のジュエリーアイテムを得させるために複数のモジュラーエレメント2を連結する方法の説明である。
【0075】
第一のステップaによれば、方法は、モジュラーエレメント(2)を少なくとも三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に、対応する三つの連結点(3a,3b,3c)において連結することを提供する。
【0076】
続いて、本発明の方法は、前記モジュラーエレメント2に連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cの二つの間への少なくとも一つのモジュラーエレメント2d,2eの挿入のステップbを有しており、その結果、そのような挿入されたさらなるモジュラーエレメント2d,2eは、それの中間エリア4において前記モジュラーエレメント(2)と適切に関連する。
【0077】
好ましくは、前記ステップbは、二つのさらなるモジュラーエレメント2d,2eの、おのおの、モジュラーエレメント2に連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cの二つの間への挿入を有している。
【0078】
挿入されたさらなるモジュラーエレメント2d,2eをモジュラーエレメント2に連結するステップcが設けられてもよい。
【0079】
好ましくは、ステップaは、連結ピン3a,3b,3cに配置されたピンによっておこなわれ、存在するとき、またステップcが、同じ手法でおこなわれてよい。
【0080】
好ましくは、ピンは、連結点3a,3b,3cに存在する特定の貫通穴の中に挿入されており、それの突出ベースは、さらなるモジュラーエレメント2a,2b,2cと一緒に鋳造される。
【0081】
明らかに、本発明によるジュエリーアイテムとそれの生産プロセスは、この分野の熟練者によって偶然と要求に会う目的をもって、さらなる修正および変形がほどこされてもよく、それらはすべて本発明の保護の範囲内にある。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 複数のモジュラーエレメント(2)を備えているジュエリーアイテム(1)であり、そのようなモジュラーエレメント(2)の少なくとも一つは、
・三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結するための少なくとも三つの連結点(3a,3b,3c)を備えており、各連結点(3a,3b,3c)は、前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)をさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結するのに適しており、また、
・少なくとも一つの中間部分(4)を備えており、それは、前記三つの連結点(3a,3b,3c)の第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)への連結のための第一の連結点(3a)と、第二のさらなるモジュラーエレメント(2b)への連結のための第二の連結点(3b)の間に挿入されており、前記少なくとも一つの中間部分(4)は、前記さらなる第一のさらなるモジュラーエレメント(2a)と前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)の間へのさらなる第四のエレメント(2d)の挿入を可能にするように構成されており、
前記少なくとも一つのモジュラーエレメント(2)は、前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に連結され、前記ジュエリーアイテム(1)が収縮外形から伸張外形に進行してその寸法を変えるように、前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)と適切に関連されている、ジュエリーアイテム。
[2] 前記中間部分(4)は、前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)への連結のためのさらなる連結点を備えている、[1]に記載のジュエリーアイテム(1)。
[3] 前記モジュラーエレメント(2)は互いに同一である、[1]または[2]に記載のジュエリーアイテム(1)。
[4] 前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は互いに同一である、[1]ないし[3]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[5] 前記モジュラーエレメント(2)と前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は互いに同一である、[1]ないし[4]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[6] 前記モジュラーエレメント(2)は同じ平面αに属し、前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c、2d)は、平面αに平行な同じ平面βに属している、[1]ないし[5]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[7] 前記中間部分(4)は二つあり、第一のものは、前記さらなる第一のモジュラーエレメント(2a)への連結のための前記第一の連結点(3a)と、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)の間に挿入され、前記さらなる第一のモジュラーエレメント(2a)と前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)の間への前記さらなる第四のモジュラーエレメント(2d)の挿入を可能にするように構成されており、第二のものは、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)への連結のための前記第二の連結点(3b)と、さらなる第三のモジュラーエレメント(2c)への連結のための第三の連結点(3c)の間に挿入され、前記さらなる第二のモジュラーエレメント(2b)と前記さらなる第三のモジュラーエレメント(2c)の間へのさらなる第五のモジュラーエレメント(2e)の挿入を可能にするように構成されている、[1]ないし[6]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[8] 前記モジュラーエレメントは(2)は、回転ピンを介して前記連結点(3a,3b,3c)で前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)と連結されている、[1]ないし[7]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[9] 前記連結点(3a,3b,3c)は貫通穴を備えている、[1]ないし[8]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[10] 宝石(6)または他の装飾エレメントを収容するのに適したハウジング(5)をさらに備えている、[1]ないし[9]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[11] 前記ハウジング(5)は、連結点(3a,3b,3c)および/または各中間エリア(4)に配置されている、[10]に記載のジュエリーアイテム(1)。
[12] 前記モジュラーエレメント(2)および/または前記さらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c,2d,2e)の間の少なくとも一つは長方形に形づくられている、[1]ないし[11]のいずれか一つに記載のジュエリーアイテム(1)。
[13] 可変寸法のジュエリーアイテム(1)を得るためにモジュラーエレメント(2)を連結する方法であり、
a.モジュラーエレメント(2)を少なくとも三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)に、対応する三つの連結点(3a,3b,3c)において連結するステップと、
b.前記モジュラーエレメント(2)に連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメント(2a,2b,2c)の二つの間に少なくとも一つのモジュラーエレメント(2d,2e)を挿入するステップを有しており、その結果、そのような挿入されたさらなるモジュラーエレメント(2d,2e)は、それの中間エリア(4)において前記モジュラーエレメント(2)と適切に関連する、方法。
[14] 前記ステップbは、二つのさらなるジュラーエレメントの、おのおの、前記モジュラーエレメントに連結された前記三つのさらなるモジュラーエレメントの二つの間への挿入を有している、[13]に記載の可変寸法のジュエリーアイテム(1)を得るためにモジュラーエレメント(2)を連結する方法。