(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882469
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】仕立てられた信号励起モジュールを使った高速MRI取得(RATE)のための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20160225BHJP
A61B 5/05 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
A61B5/05 311
A61B5/05ZDM
【請求項の数】30
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-529144(P2014-529144)
(86)(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公表番号】特表2014-526304(P2014-526304A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】IN2012000127
(87)【国際公開番号】WO2012127494
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】2547/MUM/2011
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】514045876
【氏名又は名称】アルナチャラム、 アルジュン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】アルナチャラム、 アルジュン
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0148410(US,A1)
【文献】
Lei Zhao et al,Reduced field-of-view MRI with two-dimensional spatially-selective RF excitation and UNFOLD,Magnetic Resonance in Medicine,2005年 5月,vol.53, no.5,pp.1118-1125
【文献】
J. Finsterbusch,Echo-planar diffusion-tensor imaging of inner field-of-views in the human brain and spinal cord using 2d-selective RF excitations,Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 17,2009年 4月,#165
【文献】
Bruno Madore et al,Unaliasing by fourier-encoding the overlaps using the temporal dimension (UNFOLD), applied to cardiac imaging and fMRI,Magnetic Resonance in Medicine,1999年11月,vol.42, no.5,pp.813-828
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕立てられた信号励起モジュールを使ったMRIスキャン中の時間上の複数点におけるMRIデータの高速取得のための方法であって、
(a)1つ以上の磁場勾配との組み合わせでRF励起パルスを使うことによって仕立てられた信号励起モジュールを得るステップと、
(b)区別されたk空間点をタグしてオーバーラップさせる、前記得られた仕立てられた信号励起モジュールを採用するパルスシーケンスを使って時間上の一点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するステップと、
(c)加速されたk−tデータセットを得るためにオーバーラップしたk空間点を時間の関数としてタギングしながら、スキャン中の複数時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するためにステップ(a)と(b)を繰り返すステップと、
(d)取得されたk空間データセット中のk空間エイリアシングを、それらを時間軸に沿ってフーリエ変換し、続いてオーバーラップした点を分離するためにフィルター処理することによって、解くステップと、
(e)データが取得されたところの異なる時間点についての画像フレームを生成するために、エイリアスでないk空間データセットの1つ以上の軸に沿ってフーリエ変換を行うステップと、
を含む方法。
【請求項2】
仕立てられた信号励起モジュールを得るステップ(a)が、少なくとも1つの空間的次元において直接的に対象物をサンプリングするステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
仕立てられた信号励起モジュールを得るステップ(a)が、以下の式:
【数1】
によって与えられたRF励起パルスを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
加速されたk−tデータセットを得るステップ(c)が、以下の式:
【数2】
によって与えられたオーバーラップしたk空間点における信号を得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ステップ(d)が、オーバーラップしたk空間点を分離し完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するために、前記加速されたk−tデータセットの時間的周波数スペクトルをフィルタリングするステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)が、完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するためにオーバーラップしたk空間点を分離するように、タギング係数の振幅と位相を変動させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ステップ(c)が、選択されたk空間軸に沿った加速のステップを含み、前記加速の軸は、位相エンコード軸である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ステップ(a)が、k空間中の複数のライン上に横たわるk空間点のオーバーラップが1つのk空間軸に沿って間を空けられることを引き起こす、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)が、2Dまたは3Dのk空間エイリアシングを実効化するように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)が、カルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)が、ノンカルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
ステップ(c)が、作成されたk−tデータセットから一連の画像フレームを再構成するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
ステップ(a)が、対応する複数の加速されたk空間データセットを作成するように複数の受信機コイルを使って仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含み、ステップ(c)が、MRIスキャンを加速するためのPMRI法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
ステップ(a)が、対応する複数のk空間データセットを作成するように仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含み、ステップ(c)が、MRIスキャンを加速するためのCS法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
対応する複数のk空間データセットと、複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットが、以前の参照MRIスキャンから取得された画像および/またはk空間情報を使って処理される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
仕立てられた信号励起モジュールを使ったMRIスキャン中の時間上の複数点におけるMRIデータの高速取得のためのシステムであって、
(a)1つ以上の磁場勾配と共にRF励起パルスを使うことによって仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたMRI信号励起手段と、
(b)区別されたk空間点をタグしてオーバーラップさせる、前記得られた仕立てられた信号励起モジュールを採用するパルスシーケンスを使って1つの時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するように適応され、更に加速されたk−tデータセットを得るためにオーバーラップしたk空間点を時間の関数としてタギングしながら、スキャン中の複数時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するステップを繰り返すように適応されたエイリアシング手段と、
(c)取得されたk空間データセットを時間軸に沿ってフーリエ変換し、続いてオーバーラップしたk空間点を分離するためにフィルター処理することによって、取得されたk空間データセット中のk空間エイリアシングを解くように適応された第1のフーリエ変換手段と、
(d)データが取得されたところの複数時間点について、エイリアスでないk空間データセットから、画像フレームを生成するように適応された第2のフーリエ変換手段と、
を含むシステム。
【請求項17】
前記励起手段が、少なくとも1つの空間的次元において直接的に対象物をサンプリングするように適応されたサンプリング手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記励起手段が、以下の式:
【数3】
によって与えられたRF励起パルスを得るように適応されたRF励起パルス取得手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項19】
前記励起手段が、以下の式:
【数4】
によって与えられたオーバーラップしたk空間点における信号を得るように適応された信号取得手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが、オーバーラップしたk空間点を分離し完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するために、前記加速されたk−tデータセットの時間的周波数スペクトルをフィルタリングするためにフィルタリング手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項21】
前記システムが、完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するためにオーバーラップしたk空間点を分離するように、タギング係数の振幅と位相をそれぞれ変動させるように適応された振幅変動手段および位相変動手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項22】
前記システムが、選択されたk空間軸に沿って加速されたk−t空間データセットを得るための加速手段を含み、前記加速の軸は、位相エンコード軸である、請求項16記載のシステム。
【請求項23】
前記システムが、k空間中の複数のライン上に横たわるk空間点のオーバーラップが1つのk空間軸に沿って間を空けられることを引き起こす、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたMRI信号励起手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項24】
前記MRI信号励起手段が、2Dまたは3Dのk空間エイリアシングをそれぞれ実効化するように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応された2DMRI信号励起手段または3DMRI信号励起手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項25】
前記MRI信号励起手段が、カルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたカルテジアンMRI信号励起手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項26】
前記MRI信号励起手段が、ノンカルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたノンカルテジアンMRI信号励起手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項27】
前記システムが、作成されたk−tデータセットから一連の画像フレームを再構成するように適応された画像フレーム再構成手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項28】
前記システムが、対応する複数のk空間データセットを作成するために仕立てられた信号励起モジュールを得るための複数の受信機コイルを含み、更に、MRIスキャンを加速するためのPMRI法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するように適応されたPMRI手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項29】
前記システムが、対応する複数のk空間データセットを作成するために仕立てられた信号励起モジュールを得るための複数の受信機コイルを含み、更に、MRIスキャンを加速するためのCS法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するように適応されたCS手段を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項30】
前記システムが処理手段を含み、そこでは対応する複数のk空間データセットと複数の画像フレームデータセットが以前の参照MRIスキャンから取得された画像および/またはk空間情報を使って処理される、請求項16記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2011年9月9日に出願されたインド特許出願番号2547/MUM/2011からの優先権を主張する。
【0002】
この発明は、撮像の分野に関する。
【0003】
特定には、この発明は、磁気共鳴撮像(MRI)の方法とシステムに関する。
【0004】
より特定には、この発明は、従来の撮像スキャン中のMRデータの取得速度を増加させるための方法とシステムに関する。
【0005】
もっと特定には、この発明は、仕立てられた信号励起モジュールを使った高速MRI取得(RATE)のための方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0006】
人間の組織のような物質が一様な磁場(分極場B
0)に曝されると、組織中の励起された核の個別の磁気モーメントはこの分極場と揃おうとするが、それらの特有のラーマ−周波数でランダムな順番にその周りを歳差運動する。もし物質、または組織が、x−y平面中にありラーマ−周波数に近い磁場(励起場B
1)に曝されると、正味の揃えられたモーメントM
zが、正味の横方向磁気モーメントM
tを生成するように、x−y平面中に回転され得る、または「傾けられ」得る。励起信号B
1が終了された後に、励起された核または「スピン」によって信号が放出され、この信号は、画像を形成するように受信されて処理され得る。
【0007】
画像を生成するためにこれらの「MR」信号を利用する時、磁場勾配(G
x、G
yおよびG
z)が採用される。典型的には、撮像されるべき領域が、それらの勾配が使われている特定の局所化方法に従って変動される測定サイクルのシーケンスによってスキャンされる。結果として得られる受信されたMR信号のセットは、多くの周知の再構成技術の1つを使って画像を再構成するようにデジタル化されて処理される。
【0008】
各MR信号を取得するのに使われる測定サイクルは、パルスシーケンサーによって作成されたパルスシーケンスの指示の下に行われる。臨床的に利用可能なMRIシステムは、多くの異なる臨床的な応用の必要に合致するように処方されることができるそのようなパルスシーケンスのライブラリーを格納する。研究用MRIシステムは、臨床的に立証されたパルスシーケンスのライブラリーを含み、それらはまた新しいパルスシーケンスの開発を可能とする。
【0009】
MRIシステムで取得されたMR信号は、フーリエ空間、または当該技術分野において「k空間」としばしば呼ばれるもの、における検査対象の信号サンプルである。各MR測定サイクル、またはパルスシーケンスは、典型的にはそのパルスシーケンスに特有のサンプリング軌跡に沿ってk空間の一部をサンプリングする。多くのパルスシーケンスは、時々「スピンワープ」、「フーリエ」、「レクティリニア」または「カルテジアン」スキャンと呼ばれる、ロースタースキャン状のパターンでk空間をサンプリングする。スピンワープスキャン技術は、従来技術文献 ‘Edelstein W A, Hutchison J M S, Johnson G, Redpath T. K-space substitution: Spin-Warp MR Imaging and Applications to Human Whole-Body Imaging. Physics in Medicine and Biology 1980; 25:751-756’ に論じられている。スピンワープ撮像と呼ばれる方法は、MRスピンエコー信号の取得に先立って可変な振幅位相エンコード磁場勾配パルスを採用して、この勾配の方向において空間的情報を位相エンコードする。2次元実装(2DFT)では、例えば、空間的情報は、その方向に沿って位相エンコード勾配(G
y)を印加することによって1つの方向にエンコードされ、それから位相エンコード方向と直交する方向における読み出し磁場勾配(G
x)が存在する中でスピンエコー信号が取得される。スピンエコー取得中に存在する読み出し勾配は、空間的情報を直交する方向においてエンコードする。典型的な2DFTパルスシーケンスでは、位相エンコード勾配パルスG
yの大きさは、測定サイクルのシーケンス、またはそれから全体画像が再構成されることができるところのk空間MRデータのセットを生成するためにスキャン中に取得された「視野」、においてインクリメントされる(ΔG
y)。
【0010】
MRIの基本的な制約は、k空間における「視野」の順次取得のみが可能であるということである。そのようなk空間データの順次取得は、MRIで達成することができる最大撮像速度に制限を課す。顕著な進歩にも拘わらず、物理的および生理学的制約が、磁場勾配を使ったデータ取得におけるあらゆる更なる増加を妨げている。視野の順次取得のみが可能であるので、ダイナミックなMRI取得における空間的および時間的解像度の競合する要求を満たすことに、基本的な制約が課せられる。
【0011】
MRIの1つの特定の応用は、時間におけるk空間の高速取得を通した関心のある信号の時間発展を捕捉することである。この目的のために時間において取得されたk空間データは、当該技術分野において「k−t空間」と呼ばれる。長年に渡り、ダイナミックなMRIスキャンにおけるk−t空間の高速取得のためにいくつかの方法が提案されている。それらの方法のいくつかは、撮像された対象物および/または関心のある時間的信号について或る種の仮定をする一方で、その他の技術は同じものとは独立に動作する。
【0012】
撮像された対象物および/または関心のある時間的信号について或る種の仮定をする方法は、以下の従来技術文献 Jones R A et al; K-space substitution: A novel dynamic imaging technique. Magn Reson Med 1993; 29:830-834, Van Vaals J J et al; "Keyhole" method for accelerating imaging of contrast agent uptake. J Magn Reson Imaging 1993; 3:671-675, Suga M et al Keyhole method for high-speed human cardiac cine MR imaging. J Magn Reson Imaging 1999; 10:778-783; Doyle M et al; Block Regional Interpolation scheme for k-space (BRISK): A rapid cardiac imaging technique, Magn Reson Med 1995; 33:163-170; Doyle M et al; Block Rapid cardiac imaging with turbo BRISK. Magn Reson Med 1995; 37:410-417, Korosec F R et al; Time-resolved contrast-enhanced 3D MR angiography; Magn Reson Med 1996; 36:345-351, Tsao J et al; k-t Blast and k-t SENSE: Dynamic MRI with High Frame Rate Exploiting SpatioTemporal Correlations; Magn Reson Med 2003; 50:1031-1042, Hu X et al Reduction of field of view for dynamic imaging; Magn Reson Med 1994; 31:691-694, Parrish T G et al; Hybrid technique for dynamic imaging. Magn Reson Med 2000; 44:51-55, Fredrickson J O et al; Temporal resolution improvement in dynamic imaging; Magn Reson Med 1996; 35:691-694, Scheffler K et al; Reduced circular field-of-view imaging; Magn Reson Med 1998; 40:474-480, Madore B et al; Unaliasing by Fourier-encoding the overlaps using the temporal dimension (UNFOLD), applied to cardiac imaging and fMRI; Magn Reson Med 1999; 42:813-828, Oesterle C et al; Improvement of spatial resolution of keyhole effect images; Magn Reson Med 1998; 39:244-250, Liang Z P et al; An efficient method for dynamic magnetic resonance imaging; IEEE Trans Med Imaging 1994; 13:677-686, Webb A G et al; Applications of reduced encoding MR imaging with generalized-series reconstruction (RIGR); J Magn Reson Imaging 1999; 17:109-119 に見られる。
【0013】
仮定とは独立に動作する方法は、以下の従来技術文献 Sodickson DK et al; Simultaneous acquisition of spatial harmonics (SMASH): fast imaging with radiofrequency coil arrays; Magn Reson Med 1997; 38:591-603, Pruessmann KP et al; SENSE: sensitivity encoding for fast MRI. Magn Reson Med 1999; 42:952-962, Pruessmann KP et al; Advances in sensitivity encoding with arbitrary k-space trajectories; Magn Reson Med 2001; 46:638-651, Griswold MA et al; Generalized autocalibrating partially parallel acquisitions (GRAPPA); Magn Reson Med 2002; 47:1202-1210, Lustig M et al; Sparse MRI: The application of compressed sensing for Rapid MR Imaging; Magn Reson Med 2007; 58:1182-1195 に見られる。
【0014】
仮定は、なされた時には、典型的には取得されるべきデータ中に存在し得るあらゆる空間的および/または時間的な冗長性を活用すべく、なされている。
【0015】
撮像された対象物および/または時間的情報について仮定をする様々なダイナミックなMRI方法の内、いくつかは発明が与えられると特に興味深いものである。それらは、Madore B et al; Unaliasing by Fourier-encoding the overlaps using the temporal dimension (UNFOLD), applied to cardiac imaging and fMRI. Magn Reson Med 1999; 42:813-828 に開示されたUNFOLDのような技術と、文献 Hu X et al; Reduction of field of view for dynamic imaging; Magn Reson Med 1994; 31:691-694, Parrish T G et al; Hybrid technique for dynamic imaging; Magn Reson Med 2000; 44:51-55, Fredrickson J O et al; Temporal resolution improvement in dynamic imaging; Magn Reson Med 1996; 35:691-694, Scheffler K et al; Reduced circular field-of-view imaging; Magn Reson Med 1998; 40:474-480 に開示されたような削減FOVアプローチである。それらは、ダイナミックな情報は大半が撮像された対象物の一部に制限されているという仮定と、文献 Jones R A et al; K-space substitution: A novel dynamic imaging technique; Magn Reson Med 1993; 29:830-834, Van Vaals J J et al; “Keyhole” method for accelerating imaging of contrast agent uptake; J Magn Reson Imaging 1993; 3:671-675, Suga M et al; Keyhole method for high-speed human cardiac cine MR imaging, J Magn Reson et al; Imaging 1999; 10:778-783, Doyle M et al; Block Regional Interpolation scheme for k-space (BRISK): A rapid cardiac imaging technique; Magn Reson Med 1995; 33:163-170, Doyle M et al; Block Rapid cardiac imaging with turbo BRISK. Magn Reson Med 1995; 37:410-417 にあるようなキーホール撮像のような方法で、動作する。
【0016】
Korosec F R et al; Time-resolved contrast-enhanced 3D MR angiography; Magn Reson Med 1996; 36:345-351 に開示された従来技術は、撮像された対象物のk空間表現の同様の仮定をする。
【0017】
それらの仮定が成り立つとすれば、それらの方法は、効率良く情報を捕捉するようにk−tデータの取得を仕立てることができる。例えば、UNFOLDでは、空間的に区別されたボクセルが、k空間をアンダーサンプリングすることによって意図的にオーバーラップされると同時に、オーバーラップされたボクセルが位相機能で時間においてタギングされる。k−t空間の時間軸に沿ったフーリエ変換がそれから、エイリアスなボクセルを解消することができる。キーホール撮像等のような方法では、全ての時間フレームで中央k空間が取得される一方で、高次の空間的周波数はダイナミックな情報を殆どか全く含んでいないと仮定し、従ってより低い頻度で取得される。文献 Oesterle C et al; Improvement of spatial resolution of keyhole effect images; Magn Reson Med 1998; 39:244-250, Liang Z P et al; An efficient method for dynamic magnetic resonance imaging; IEEE Trans Med Imaging 1994; 13:677-686, Webb A G et al; Applications of reduced encoding MR imaging with generalized-series reconstruction (RIGR); J Magn Reson Imaging 1999; 17:109-119 にあるような先験的な情報を利用する、フーリエ内挿、重み付き代入のような技術と、スライディングウィンドウ再構成が、取得されていないデータポイントを推定するのにそれから使われる。仮定とは関係なく、それら全てのアプローチでは、k−t空間の取得は、空間的および時間的解像度についての競合する要求を満たそうとして変えられている。
【0018】
それとは別に、文献 Sodickson DK et al; Manning WJ. Simultaneous acquisition of spatial harmonics (SMASH): fast imaging with radiofrequency coil arrays; Magn Reson Med 1997; 38:591-603, Pruessmann KP et al; SENSE: sensitivity encoding for fast MRI; Magn Reson Med 1999; 42:952-962, Pruessmann KP et al; Advances in sensitivity encoding with arbitrary k-space trajectories; Magn Reson Med 2001; 46:638-651, and Griswold MA et al; Generalized autocalibrating partially parallel acquisitions (GRAPPA); Magn Reson Med 2002; 47:1202-1210 にあるような平行撮像(PMRI)と文献Lustig M et al; Sparse MRI: The application of compressed sensing for Rapid MR Imaging; Magn Reson Med 2007; 58:1182-1195 にあるような圧縮感知(CS)のカテゴリーに入る画像加速化技術もまた、ダイナミックなMRIスキャンの空間的および/または時間的解像度を増加するために採用されている。PMRI法がMRI勾配エンコードプロセスを補足するために複数のRFコイルによって提供された空間的エンコードに頼る一方で、CS法は、MRI画像または変換ドメインにおけるその表現のまばらさと関係する或る種の条件が満たされる時に適用可能である。それらの技術は、ダイナミックなMRIスキャンを加速するために、独立でかまたは前述した方法のいずれかとの協働のどちらかで採用されることができる。進歩にも拘わらず、介入性撮像、コントラスト強調MRアンギオグラフィー、心機能の評価および腹部撮像のような応用は、常により大きな加速要因から恩恵を得ることができる。それらおよびその他のダイナミックな撮像応用における基本的な制約は、空間的および時間的解像度との間のトレードオフであり続けている。
【発明の概要】
【0019】
発明の目的は、ダイナミックなMRIスキャンの持続時間の大幅な削減を可能とすると共に再構成された画像のより良い品質を確かなものとするMRIの装置と方法を提供することである。
【0020】
この発明によると、仕立てられた信号励起モジュールを使ったMRIスキャン中の時間上の複数点におけるMRIデータの高速取得のための方法であって、
(a)1つ以上の磁場勾配との組み合わせでRF励起パルスを使うことによって仕立てられた信号励起モジュールを得るステップと、
(b)区別されたk空間点をタグしてオーバーラップさせる、前記得られた仕立てられた信号励起モジュールを採用するパルスシーケンスを使って時間上の一点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するステップと、
(c)加速されたk−tデータセットを得るためにオーバーラップしたk空間点を時間の関数としてタギングしながら、スキャン中の複数時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するためにステップ(a)と(b)を繰り返すステップと、
(d)取得されたk空間データセット中のk空間エイリアシングを、それらを時間軸に沿ってフーリエ変換し、続いてオーバーラップした点を分離するためにフィルター処理することによって、解くステップと、
(e)データが取得されたところの異なる時間点についての画像フレームを生成するために、エイリアスでないk空間データセットの1つ以上の軸に沿ってフーリエ変換を行うステップと、
を含む方法、が提供される。
【0021】
発明は、区別されたk空間点を意図的にオーバーラップさせるためにRF励起パルス(B1パルス)と勾配波形の組み合わせを利用する。ボクセルをタグしてオーバーラップさせるためのRF励起パルスと磁場勾配の使用は、以前に米国特許出願シリアル番号61/142,987に提案されているが、この発明では、RF励起パルスと磁場勾配は、k空間データ点をタグしてオーバーラップさせるように設計されている。
【0022】
区別されたk空間点をオーバーラップさせることに加えて、発明は、オーバーラップしたk空間点をタグするためにRF励起パルスの振幅と位相を使用する。完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するためにオーバーラップしたk空間点を分離するように、タギング係数の振幅と位相をそれぞれ変動させるように適応された振幅変動手段および位相変動手段が提供される。
【0023】
取得されたデータの時間軸に沿ったフーリエ変換がそれから、オーバーラップしたk空間点を解消することができる。もしk空間中のダイナミックな情報が小さな領域、例えばその中央、に制限されたまま残っていれば、ここまでに記載されたプロセスで充分である。この仮定が成り立たない時には、発明のプロセスは、あらゆる残留する、補正されていないk空間エイリアシングによって生じ得るあらゆる画像ドメインアーチファクトを緩和するために、RF励起パルスの位相および/または振幅を変動させることができる。このやり方でのk−tデータの取得は、空間的および/または時間的解像度および/または空間的収束における改善に結果としてなる。
【0024】
この発明の別の側面は、追加の加速を達成するためのPMRI法およびCS法の利用である。この発明における、PMRI法およびCS法を利用することによって達成される総加速は、エイリアスなk空間データの取得によって提供される加速と、それぞれPMRIおよび/またはCS技術によって提供されるそれとの積である。
【0025】
典型的には、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップ(a)が、少なくとも1つの空間的次元において直接的に対象物をサンプリングするステップを含む。
【0026】
典型的には、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップ(a)が、以下の式:
【0027】
【数1】
によって与えられたRF励起パルスを得るステップを含む。
【0028】
典型的には、加速されたk−tデータセットを得るステップ(c)が、以下の式:
【0029】
【数2】
によって与えられたオーバーラップしたk空間点における信号を得るステップを含む。
【0030】
典型的には、ステップ(d)が、オーバーラップしたk空間点を分離し完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するために、前記加速されたk−tデータセットの時間的周波数スペクトルをフィルタリングするステップを含む。
【0031】
典型的には、ステップ(c)が、完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するためにオーバーラップしたk空間点を分離するように、タギング係数の振幅と位相を変動させるステップを含む。好ましくは、ステップ(c)が、選択されたk空間軸に沿った加速のステップを含み、前記加速の軸は、位相エンコード軸である。
【0032】
典型的には、ステップ(a)が、k空間中の複数のライン上に横たわるk空間点のオーバーラップが1つのk空間軸に沿って間を空けられることを引き起こす、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む。
【0033】
典型的には、ステップ(a)が、2Dまたは3Dのk空間エイリアシングを実効化するように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む。
【0034】
代替的に、ステップ(a)が、カルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む。
【0035】
代替的に、ステップ(a)が、ノンカルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含む、請求項1記載の方法。
【0036】
典型的には、ステップ(c)が、作成されたk−tデータセットから一連の画像フレームを再構成するステップを含む。
【0037】
一実施形態では、ステップ(a)が、対応する複数の加速されたk空間データセットを作成するように複数の受信機コイルを使って仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含み、ステップ(c)が、MRIスキャンを加速するためのPMRI法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するステップを含む。
【0038】
別の実施形態では、ステップ(a)が、対応する複数のk空間データセットを作成するように仕立てられた信号励起モジュールを得るステップを含み、ステップ(c)が、MRIスキャンを加速するためのCS法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するステップを含む。
【0039】
代替的に、対応する複数のk空間データセットと、複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットが、以前の参照MRIスキャンから取得された画像および/またはk空間情報を使って処理される。
【0040】
この発明によると、仕立てられた信号励起モジュールを使ったMRIスキャン中の時間上の複数点におけるMRIデータの高速取得のためのシステムであって、
(a)1つ以上の磁場勾配と共にRF励起パルスを使うことによって仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたMRI信号励起手段と、
(b)区別されたk空間点をタグしてオーバーラップさせる、前記得られた仕立てられた信号励起モジュールを採用するパルスシーケンスを使って1つの時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するように適応され、更に加速されたk−tデータセットを得るためにオーバーラップしたk空間点を時間の関数としてタギングしながら、スキャン中の複数時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するステップを繰り返すように適応されたエイリアシング手段と、
(c)取得されたk空間データセットを時間軸に沿ってフーリエ変換し、続いてオーバーラップしたk空間点を分離するためにフィルター処理することによって、取得されたk空間データセット中のk空間エイリアシングを解くように適応された第1のフーリエ変換手段と、
(d)データが取得されたところの複数時間点について、エイリアスでないk空間データセットから、画像フレームを生成するように適応された第2のフーリエ変換手段と、
を含むシステム、も提供される。
【0041】
典型的には、前記励起手段が、少なくとも1つの空間的次元において直接的に対象物をサンプリングするように適応されたサンプリング手段を含む。
【0042】
典型的には、前記励起手段が、以下の式:
【0043】
【数3】
によって与えられたRF励起パルスを得るように適応されたRF励起パルス取得手段を含む。
【0044】
典型的には、前記励起手段が、以下の式:
【0045】
【数4】
によって与えられたオーバーラップしたk空間点における信号を得るように適応された信号取得手段を含む。
【0046】
典型的には、前記システムが、オーバーラップしたk空間点を分離し完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するために、前記加速されたk−tデータセットの時間的周波数スペクトルをフィルタリングするためにフィルタリング手段を含む。
【0047】
典型的には、前記システムが、完全にエイリアスでないk−t空間データセットを作成するためにオーバーラップしたk空間点を分離するように、タギング係数の振幅と位相をそれぞれ変動させるように適応された振幅変動手段および位相変動手段を含む。
【0048】
典型的には、前記システムが、選択されたk空間軸に沿って加速されたk−t空間データセットを得るための加速手段を含み、前記加速の軸は、位相エンコード軸である。
【0049】
典型的には、前記システムが、k空間中の複数のライン上に横たわるk空間点のオーバーラップが1つのk空間軸に沿って間を空けられることを引き起こす、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたMRI信号励起手段を含む。
【0050】
代替的に、前記MRI信号励起手段が、2Dまたは3Dのk空間エイリアシングをそれぞれ実効化するように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応された2DMRI信号励起手段または3DMRI信号励起手段を含む。
【0051】
代替的に、前記MRI信号励起手段が、カルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたカルテジアンMRI信号励起手段を含む。
【0052】
代替的に、前記MRI信号励起手段が、ノンカルテジアンk空間サンプリング軌跡上で間を空けられた複数のk空間点をオーバーラップさせるように設計された、仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたノンカルテジアンMRI信号励起手段を含む。
【0053】
代替的に、前記システムが、作成されたk−tデータセットから一連の画像フレームを再構成するように適応された画像フレーム再構成手段を含む。
【0054】
一実施形態では、前記システムが、対応する複数のk空間データセットを作成するために仕立てられた信号励起モジュールを得るための複数の受信機コイルを含み、更に、MRIスキャンを加速するためのPMRI法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するように適応されたPMRI手段を含む。
【0055】
別の実施形態では、前記システムが、対応する複数のk空間データセットを作成するために仕立てられた信号励起モジュールを得るための複数の受信機コイルを含み、更に、MRIスキャンを加速するためのCS法を使って複数の画像フレームおよび/またはk空間データセットを処理するように適応されたCS手段を含む。
【0056】
典型的には、前記システムが処理手段を含み、そこでは対応する複数のk空間データセットと複数の画像フレームデータセットが以前の参照MRIスキャンから取得された画像および/またはk空間情報を使って処理される。
【0057】
発明がここで、添付の図面との関係で記載される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1a】
図1aは、N=2であるRF励起パルス取得手段によって取得されたRFパルスを描く。
【
図1b】
図1bは、一次位相エンコード方向において振幅G
pe1とG
pe2をもった勾配ブリップを描く。
【
図1c】
図1cは、それらの勾配ブリップの面積が、一定であることができるかまたは1つのTRから次のもので変動されることができるかのどちらかであることを描き、Aはそれぞれのスライス選択勾配とリワインダーローブの面積を表記する。
【
図2】
図2は、フィルタリング手段を使って今度は分離されることができる2つのスペクトルを描く。
【
図3】
図3は、2つのオーバーラップした点の時間的スペクトルを描き、そこではk
1(f)とk
2(f)が等しくダイナミックである。
【
図4】
図4は、N=5についてのオーバーラップした領域を描き、そこではkエイリアシングによる最小の変造を確かなものとするために、k
2(f)とk
4(f)がk
3(f)から更に遠くに離されて置かれている。
【
図5】
図5は、MRIシステム中で採用されたRATE発明を描く。
【
図6】
図6は、信号励起と受信のためのMRIスキャナー中で使われるRFシステムを描く。
【発明を実施するための形態】
【0059】
この発明によると、仕立てられた信号励起モジュールを使ったMRIスキャン中の時間上の複数点におけるMRIデータの高速取得のための方法とシステムが提供される。
【0060】
発明は、仕立てられた信号励起モジュールを使った高速MRI取得(RATE)のための方法として記載されることができる。
【0061】
システムは、RATEで使われるRF励起パルスP
rf(t)を得るように適応されたRF励起パルス取得手段を含み、そのパルスは以下の式:
【0062】
【数5】
によって与えられる。ここで、P
n(t)は個々のRFパルスエンベロープを表し、a
nはタギング係数であり、Δtはあらゆる2つのRFパルスエンベロープ間の遅延である。同じものの例が、2D軸性撮像プロセスについて
図1に与えられている。
【0063】
図1aは、RF励起パルス取得手段によって得られたRFパルスを描いており、ここでは上の式(1)においてN=2である。RFパルスP
1(t)とP
2(t)はスライス選択的であり、両パルスのフリップ角はθに等しい。P
1(t)とP
2(t)は同じスライスを励起し、(
図1bに見られるような)一次位相エンコード方向において振幅G
pe1とG
pe2をもった勾配ブリップを伴っている。それらの勾配ブリップの面積は、一定であることができるかまたは1つのTRから次のもので変動されることができるかのどちらかである。(
図1c中の)参照符号「A」は、それぞれのスライス選択勾配とリワインダーローブの面積を表記する。
【0064】
仕立てられた信号励起モジュールを得るように適応されたMRI信号励起手段が設けられている。
【0065】
勾配とRFパルスのこの組み合わせから結果として得られる総信号は、以下の式:
【0066】
【数6】
によって与えられる。ここで、k
1=γ(G
pe1+G
pe2)yt
p、k
2=γG
pe2yt
p
であり、t
pは勾配ブリップの持続時間、O(x,y)は撮像された対象物の2Dスライス、a
1、a
2は、定常状態縦方向磁気とフリップ角θに依存したタギング係数である。示されていないが、式(2)は、S(t)を取得するために読み出し勾配が
図1のパルスに続くことを仮定している。式(2)から明らかなように、サンプリングされた信号S(t)は、2つの区別された位相エンコードk
1とk
2の線形組み合わせである。区別された位相エンコードがこのやり方でオーバーラップすることを引き起こすRFと勾配パルスのブロックは、これ以降はRATEモジュールと呼ばれ、式(1)中のパラメータNはkエイリアシングファクターと呼ばれる。
【0067】
もし
図1のRATEモジュールが、追加の位相エンコード勾配パルスを含む2D撮像シーケンス中に挿入されれば、信号式は以下のもの:
【0068】
【数7】
となる。ここで、k
yは、追加の位相エンコード勾配振幅とそれらの持続時間にそれぞれ依存したパラメータである。
【0069】
図1中のパルスのブロックは、2D撮像のためのRATEモジュールの一例である。それらのモジュールは、異なるシナリオのために設計され、選ばれたあらゆるパルスシーケンス中に挿入されることができる。例えば、3D取得のために設計されたRATEモジュールは、
図1に示された全てのパルスに加えて、また二次位相エンコード次元に沿った勾配ブリップからなる。
【0070】
別の潜在的な応用は、kエイリアシングモジュールが好ましい軌跡を通過するように同時にいくつかまたは全ての勾配軸に沿った勾配波形を利用することができる、ノンカルテジアン取得が関与する。
【0071】
オーバーラップした位相エンコードをタギングするステップと、区別されたk空間点をタグしてオーバーラップさせる、前記得られた仕立てられた信号励起モジュールを採用するパルスシーケンスを使って1つの時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するように適応され、更に加速されたk−tデータセットを得るためにオーバーラップしたk空間点を時間の関数としてタギングしながら、スキャン中の複数時間点におけるエイリアスなk空間データセットを取得するステップを繰り返すように適応されたエイリアシング手段と、が設けられる。システムは更に、選択されたk空間軸に沿って加速されたk−t空間データセットを得るための加速手段を含み、前記加速の軸は、位相エンコード軸である。
【0072】
式(3)中のタギング係数は、ユーザ定義されたものである。それらの係数の大きさと位相は、P
rf(t)を構成する個々のRFパルスエンベロープのフリップ角と位相に依存する。従って、
【0073】
【数8】
であり、ここでA
nはP
rf(t)中のいくつか/全てのRFパルスのフリップ角によって決定され、Φ
nはP
rf(t)中のn番目のRFパルスエンベロープの初期位相である。式(3)中の2つのオーバーラップする位相エンコードは、係数a
1とa
2によって重み付けされているので、それらは同じものによって「タグされ」ていると言われ、係数自体はタギング係数と呼ばれる。タギング係数のユーザ制御は、kエイリアシングプロセスにおける柔軟性を提供する。例えば、式(2)中の2つのオーバーラップした位相エンコードが与えられると、タギング係数a
1とa
2の位相Φ
1とΦ
2は、k空間エイリアシングが後処理プロセスを通して補正されることができるように、予め決められたやり方で1つの時間フレームから次のもので変動されることができる。これが次に記載される。
【0074】
k空間アンエイリアシングのステップと、取得されたk空間データセットを時間軸に沿ってフーリエ変換し、続いてオーバーラップしたk空間点を分離するためにフィルター処理することによって、取得されたk空間データセット中のk空間エイリアシングを解くように適応された第1のフーリエ変換手段と、が更に設けられる。
【0075】
2つのエンコードk
1とk
2が単一のk空間点k
alias=k
1+k
2上にオーバーラップするような、N=2,A
1=A
2=1、Φ
1=Φ
2=0である第1の取得を考える。ここで、πに設定されるΦ
2以外の全てのパラメータが同じままである第2のシナリオを考える。オーバーラップした点k
aliasはここではk
1−k
2である。ここで、全ての偶数時間フレームについてA
1=A
2=1、Φ
1=Φ
2=0であり、全ての奇数時間フレームについて
A
1=A
2=1、Φ
1=0、Φ
2=πである撮像の時間系列の取得を考える。するとオーバーラップした点k
aliasは、以下の式:
【0076】
【数9】
によって与えられる。ここで、tは時間フレーム番号である。もしオーバーラップした位相エンコードがダイナミックな情報を含んでいれば、式(4)は、以下のもの:
【0078】
時間におけるフーリエ変換が、k(t)
aliasの時間的周波数スペクトルを与える。このスペクトルは、DCにおいて中心をもったk
1(t)のスペクトルと、ナイキスト周波数において中心をもったk
2(t)のものからなる。オーバーラップした点の時間的周波数スペクトルは、タギング係数、A
1=A
2=1の振幅によって尺度付けされる。
図2に示されるように、2つのスペクトルはここでは、フェルミフィルターのようなフィルタリング手段を使って分離されることができる。
【0079】
図2では、2つのオーバーラップした点の時間的スペクトルが示され、そこではk
1(f)がk
2(f)よりももっとダイナミックである。k
1(f)を抽出するのに使われるフェルミフィルターは、k
2(f)を抽出するのに使われるフィルターと比較してより大きな帯域幅を有する。
【0080】
任意のkエイリアシングファクターNについて、オーバーラップしたk空間点における信号は、:
【0082】
図2では、k
1(t)がk
2(t)よりももっとダイナミックであることが仮定されている。この条件が満たされる時には、k
2(t)のスペクトルの崩落テールは、通常k
1(t)のものに対して無視し得る。これは、時間的スペクトルドメインにおいてオーバーラップしたスペクトルを分離するための理想的な条件である。但し、この条件が破られる時には、分離は不完全であり、残留kエイリアシングが残って、画像アーチファクトに結果としてなる。例えば、もしオーバーラップする点k
1(t)とk
2(t)が等しくダイナミックであれば、フーリエ変換後の2点のスペクトルにおけるシフトにも拘わらず、2つのスペクトルの崩落テールの有意なオーバーラップがあるであろう。
【0083】
1つのオプションは、画像アーチファクトを最小化するためにタギング係数の振幅を使用することである。例えば、もしこのデータが振幅A
1=1とA
2=0.25をもったタギング係数を使って取得されるべきものであったとすると、DCにおいて中心をもったスペクトル上のオーバーラップのインパクトは、タギング係数の振幅における差のために、12DBによって最小化される。もしDCスペクトルが中央k空間からの位相エンコードのものであれば、その復元は画像アーチファクトを顕著に最小化する。ナイキストにおいて中心をもったスペクトルは、変造されたまま残り、変造されたデータ点を除外するより小さな帯域幅をもったフィルターを使って抽出されることができる。このプロセスを通して、実効的には、時間的スペクトルのより大きな部分がそれからDCスペクトルに割り当てられる一方で、ナイキストスペクトルはより小さな部分を占有することに終わる。ナイキストスペクトルに割り当てられたより小さな帯域幅は、その時間的情報のいくらかの損失に結果としてなる。これが
図3に描かれている。
【0084】
図3は、2つのオーバーラップした点の時間的スペクトルを描き、そこではk
1(f)とk
2(f)が等しくダイナミックである。k
1(f)を抽出するのに使われるフェルミフィルターのようなフィルタリング手段は、k
2(f)を抽出するのに使われるフィルターと比較してより大きな帯域幅を有し、RATEは画像アーチファクトを抑制するためにオーバーラップした点の大きさにおける相対的な差に頼っている。点線のスペクトルは、相対的な振幅差を導入するようにそのタギング係数が変形された後のk
2(f)のものである。
【0085】
別のオプションは、生来のk空間特性に頼ることであり、そこではより低い空間的周波数を表している係数の大きさが通常、より高い空間的周波数のものよりも大きい。この特性を活用するために、タギング係数の位相Φ
nは、
図4に示されるように、より大きな大きさをもったオーバーラップする点のスペクトルがk
aliasの時間的スペクトルにおいてお互いからより遠くに離れて置かれることに終わるように、選ばれる。
【0086】
図4は、N=5についてのオーバーラップした領域を描き、そこではkエイリアシングによる最小の変造を確かなものとするために、k
2(f)とk
4(f)がk
3(f)から更に遠くに離されて置かれている。k
1(f)とk
5(f)のスペクトルが、kエイリアシングによって最もインパクトを受けている。
【0087】
このステップを通して、より大きなk空間係数のスペクトルはお互いとオーバーラップせず、k空間係数の大きさにおける生来の変動が画像アーチファクトを最小化する。再度、変動する帯域幅をもったフィルターがここでは、様々なオーバーラップする点の時間的情報を抽出するのに使われることができるので、kエイリアシングによって変造された点の殆どが避けられる。
【0088】
RATEモジュールは、利用可能なSNRとその他の関係のあるスキャンパラメータを念頭に置きながら、あらゆる加速要因のために設計されることができる。潜在的に強力なオプションは、RATEをPMRI/CS法との組み合わせで使用することである。このやり方で使われた時、総加速は、N*A
PMRI/CSであり、ここでA
PMRI/CSはPRMI/CSプロセスによる加速である。例えば、もしN=3およびA
PMRI/CS=3であれば、そのような組み合わされたプロセスの総加速は9である。
【0089】
X−f空間(fはここでは時間的周波数を表記し、Xは空間的座標を表記する)におけるオーバーラップした成分を解消するために先験的な情報を使うことの有用性は、従来技術文献において以前に報告されている。同様のアプローチがRATEにおいて利用されることができ、そこでは先験的な情報は、RATE取得プロセスを更に加速するために参照スキャンからの画像および/またはk空間ドメインから取得されることができる。
【0090】
図5を参照すると、RATE発明がMRIシステム中で採用されている。MRIシステムは、ディスプレイ12とキーボード14を有するワークステーション10を含む。ワークステーション10は、商業的に入手可能なオペレーティングシステムを実行している商業的に入手可能なプログラム可能なマシンであるプロセッサ16を含む。ワークステーション10は、スキャン処方がMRIシステム中に入れられることを可能とするオペレーターインターフェースを提供する。ワークステーション10は、パルスシーケンスサーバー18、データ取得サーバー20、データ処理サーバー22およびデータ格納サーバー23を含んだ4つのサーバーに結合されている。ワークステーション10と各サーバー18、20、22および23は、お互いと通信するように接続されている。
【0091】
パルスシーケンスサーバー18は、勾配システム24とRFシステム26を操作するためにワークステーション10からダウンロードされた命令に応答して機能する。処方されたスキャンを行うのに必要な勾配波形が作成され、位置エンコード用MR信号のために使われる磁場勾配G
x、G
yおよびG
zを作成するためにアッセンブリー28中の勾配コイルを励起する勾配システム24に印加される。勾配コイルアッセンブリー28は、分極用磁石32と全身RFコイル34を含む磁石アッセンブリー30の一部を形成する。RATEでは、処方された磁気共鳴パルスシーケンスを行うために、B1励起パルスがRFシステム26によってRFコイル34に印加される。RFコイル34または別の局所コイル(
図1には図示せず)によって検出された応答するMR信号は、パルスシーケンスサーバー18によって作成されたコマンドの指示の下で、RFシステム26によって受信され、増幅され、復調され、フィルタリングされ、デジタル化される。RFシステム26は、MRパルスシーケンスで使われる幅広い種類のRFパルスを作成するためのRF送信機を含む。RF送信機は、望ましい周波数、位相およびパルス振幅波形のRFパルスを作成するために、パルスシーケンスサーバー18からのスキャン処方と指示に応答的である。RATEでは、RF励起パルスは、全身RFコイル34にかまたは1つ以上の局所コイルまたはコイルアレイ(
図1では図示せず)に印加され得る。RFシステム26はまた、1つ以上のRF受信機チャネルを含む。各RF受信機チャネルは、それが接続されているコイルによって受信されたMR信号を増幅するRF増幅器と、受信されたMR信号のIおよびQ直交成分を検出してデジタル化する検出器を含む。受信されたMR信号の大きさはよって、IおよびQ成分の二乗和平方根:
【0092】
【数12】
によってあらゆるサンプリングされた点において決定されても良く、また受信されたMR信号の位相も、:
【0094】
パルスシーケンスサーバー18はまた、オプションで、生理学的取得コントローラ36からの患者データを受け取る。コントローラ36は、電極からのECG信号や蛇腹からの呼吸信号のような、患者に接続された多数の異なるセンサーからの信号を受け取る。そのような信号は、典型的には、スキャンのパフォーマンスを被験者の呼吸または心拍と同期する、または「ゲート」するために、パルスシーケンスサーバー18によって使われる。
【0095】
パルスシーケンスサーバー18はまた、患者および磁石システムの状態と関連付けられた様々なセンサーからの信号を受け取るスキャンルームインターフェース回路38に接続する。患者配置システム40がスキャン中に望ましい位置まで患者を動かすためのコマンドを受け取るのも、スキャンルームインターフェース回路38を通してである。
【0096】
RFシステム26によって作成されたデジタル化されたMR信号サンプルは、データ取得サーバー20によって受け取られる。データ取得サーバー20は、リアルタイムのMRデータを受け取り、データ超過によってデータが失われないようにバッファーストレージを提供するように、ワークステーション10からダウンロードされた命令に応答して動作する。いくつかのスキャンでは、データ取得サーバー20は、取得されたMRデータをデータ処理サーバー22に渡す以上のことはしない。但し、スキャンの更なるパフォーマンスを制御するために取得されたMRデータから導出された情報を要求するスキャンでは、データ取得サーバー20は、そのような情報を作成し、それをパルスシーケンスサーバー18に伝えるようにプログラムされる。例えば、プリスキャン中には、MRデータが取得され、パルスシーケンスサーバー18によって行われるパルスシーケンスを校正するのに使われる。また、ナビゲーター信号が、スキャン中に取得され、RFまたは勾配システム動作パラメータを調節するかまたはk空間がサンプリングされる視野オーダーを制御するのに使われても良い。また、データ取得サーバー20は、MRAスキャン中にコントラスト剤の到着を検出するのに使われるMR信号を処理するために採用されても良い。全てのそれらの例において、データ取得サーバー20は、MRデータを取得し、スキャンを制御するのに使われる情報を作成するためにそれをリアルタイムで処理する。
【0097】
データ処理サーバー22は、データ取得サーバー20からMRデータを受け取り、それをワークステーション10からダウンロードした命令に従って処理する。そのような処理は、例えば、2または3次元の画像を作成するための生のk空間MRデータのフーリエ変換、画像を再構成するためのフィルターの適用、取得されたMRデータの逆投影画像再構成の実施、機能的MR画像の計算、動きまたは流れ画像の計算、アンダーサンプリングされたk空間データのPMRI再構成等、を含んでいても良い。データ処理サーバー22によって再構成された画像は、ワークステーション10に伝え戻されて、そこでそれらは格納される。リアルタイム画像は、データベースメモリーキャッシュ(図示せず)中に格納され、そこからそれらは、オペレーターディスプレイ12または付き添っている医師による使用のために磁石アッセンブリー30の近くに位置しているディスプレイ42に出力されても良い。バッチモード画像または選択されたリアルタイム画像は、ディスクストレージ44上のホストデータベース中に格納される。そのような画像が再構成されてストレージに転送された時には、データ処理サーバー22は、ワークステーション10上のデータ格納サーバー23に通知する。ワークステーション10は、画像を保管する、フィルムを作成する、または画像をその他の施設にネットワークを介して送るために、オペレーターによって使われても良い。
【0098】
図5に示されるように、RFシステム26が全身RFコイル34に接続されても良く、または
図6に示されるように、RFシステム26の送信機セクションが1つのRFコイル152Aに接続されても良く、その受信機セクションが別のRF受信コイル152Bに接続されても良い。しばしば、送信機セクションが全身RFコイル34に接続され、各受信機セクションが別の局所コイル152Bに接続される。
【0099】
特に
図6を参照すると、RFシステム26は、処方されたRF励起場を作成する送信機を含む。このRF励起場のベースまたはキャリア周波数は、パルスシーケンスサーバー18からデジタル信号のセットを受け取る周波数シンセサイザー200の制御下で作成される。それらのデジタル信号は、出力201において作成されたRFキャリア信号の周波数と位相を指し示す。RFキャリアは変調器およびアップコンバーター202に印加され、そこでその振幅が、これもまたパルスシーケンスサーバー18から受け取った信号R(t)に応答して変調される。信号R(t)は、作成されるべきRF励起パルスのエンベロープを規定し、一連の格納されたデジタル値を順次読み出すことによって作成される。それらの格納されたデジタル値は、作成されるべきあらゆる望ましいRFパルスエンベロープ、例えばRATEのB1励起パルス、を可能とするように変更されても良い。
【0100】
出力205において作成されたRF励起パルスの大きさは、パルスシーケンスサーバー18からのデジタルコマンドを受け取る励起器減衰器回路206によって減衰される。減衰されたRF励起パルスは、RFコイル152Aを駆動するパワー増幅器151に印加される。依然として
図6を参照すると、被験者によって生成された信号は、受信機コイル152Bによって拾い上げられ、受信機減衰器207の入力にプリ増幅器153を通して印加される。受信機減衰器207は、パルスシーケンスサーバー18から受け取ったデジタル減衰信号によって決定される量で、更に信号を増幅する。受信された信号は、ラーマ−周波数にあるかまたはその周りにあり、この高周波数信号は、最初にライン201上でMR信号をキャリア信号と混合し、それからライン204上で結果として得られる差分信号を参照信号と混合するダウンコンバーター208によって、2段階プロセスでダウンコンバートされる。ダウンコンバートされたMR信号は、アナログ−デジタル(A/D)コンバーター209の入力に印加され、それはアナログ信号をサンプリングしてデジタル化して、それをデジタル検出器および信号プロセッサ201に印加し、それは受信された信号に対応する16ビットの同相(I)値と16ビットの直交(Q)値を作成する。結果として得られる、受信された信号のデジタル化されたIおよびQ値のストリームは、データ取得サーバー20に出力される。参照信号と、A/Dコンバーター209に印加されるサンプリング信号は、参照周波数発生器203によって生成される。
【0101】
発明の好ましい実施形態を実施するには、MRIデータは、RATE発明によって要求されたような特別に設計されたRATEモジュールを採用するMRIスキャナー上で、パルスシーケンスを使って取得される。データを収集した後、最終的な画像を得るためにRATE再構成アルゴリズムが採用される。再構成プロセスに関与するステップは、利用されているRATEの特徴に依存する。スキャンを更に加速するために、CS、PMRIアルゴリズムや、k空間と画像ドメインの両方からの先験的な情報を採用することができる。
【0102】
描写の目的で本発明の或る特定の実施形態について詳細な記載が開示されたが、以下の請求項に規定されるような発明の精神と範囲からの逸脱を構成しない様々な変形が当業者には明らかであろう。前述の記載事項は発明の限定としてではなく単なる描写としてだけ解釈されるべきものであることがはっきりと理解されるべきである。