【実施例1】
【0016】
以下に、本発明に係るエアハウスの空気給・排気システムを図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、ハウス外郭体10として合成樹脂シートで成る内側の空気層形成フィルム20、21と外側の空気層形成フィルム30とで気密な空気層空間A、Aを形成し、同空気層空間Aへ電動ファン5により空気を吹き込み膨張させることにより断熱空気層Aが形成されたエアハウス1の全体図を示している。このエアハウス1のフレームを構成するアーチパイプ11や、同アーチパイプへ連結する棟方向へ配置したシート止着具4…等々は、格別新規なものではなく、従来一般のエアハウスに実施するフレーム資材とほぼ同じ構成である。
【0017】
図1に示す内側の空気層形成フィルム20は、ハウス1側面の下部に相当する位置に設置されたシート止着具40により一方の固定端20aが止着され、同固定端20aからハウス1の屋根部分まで展張した他方の固定端20bが、同ハウス1の屋根部分に形成された一定幅Rの排気口部Bの手前の一側口縁部に設置されたシート止着具41により止着されている。
外側の空気層形成フィルム30は、前記内側の空気層形成フィルム20の一方の固定端20aを止着するシート止着具40により共通に止着された固定端30aから展張された他方の固定端30bが前記排気口部Bを跨いだ反対側のハウス1側面の下部の位置に設置されたシート止着具42により止着されている。
そして、前記外側の空気層形成フィルム30の他方の固定端30bを止着するシート止着具42に一方の固定端21aが止着された内側の空気層形成フィルム21の他方の固定端21bが、前記排気口部Bの手前の他側口縁部に設置されたシート止着具43に止着されている。
前記排気口部Bは、断熱空気層Aへ送り込まれた空気を十分に排気できる開口幅Rとして、例えば5〜10cm程度の幅寸で構成することが好ましい。
なお、前記排気口部Bの全面には、
図4に詳示したように、ハウス1内の虫が断熱空気層Aへ進入することを防止する虫除けネット17が、左右の内側の空気層形成フィルム20、21の固定端20b、21bを止着するシート止着具41、43に止着されて取り付けられている。因みに、前記虫除けネット17の材質は、一例として繊維性又は樹脂性である。
また、図示した実施例では、内側の空気層形成フィルム20、21の一方の固定端20a、21a、及び外側の空気層形成フィルム30の両固定端30a、30bは、ハウス1側面の下部に相当する位置に止着された構成を示したが、この限りではなく、ハウス1側面の上部に相当する位置、具体的にはハウス1の肩部に止着された構成で実施することもできる。
【0018】
前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30を止着する手段は、エアハウス1の長手方向に沿ってアーチパイプ11に取り付けられた複数のシート止着具4(40〜43)により行われる。このシート止着具4(40〜43)は、当業技術分野では既に周知の技術である。具体的には、横断面方向に見ると底壁の両側に立ち上がる両側壁を内方へ略ハの字形状に傾斜させて開口が狭幅のシート止着溝が形成された構成である。前記シート止着溝の排気口部上にフィルムを拡げ、その上から波形状をなす弾性なシート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着するものである。
なお、左右の内側の空気層形成フィルムの他方の固定端20b、21bを止着するシート止着具41、43は、ダブル型シート止着具44を使用した構成で実施することもできる。このダブル型シート止着具44は、2本のシート止着具を連結片44aにより連結した構成であり、当業技術分野では既に周知の技術である(例えば意匠登録第1095339号や意匠登録第1340312号に開示)。前記ダブル型シート止着具40の前記連結片44aには、排気口部として複数の排気口孔44b…が長手方向に形成されている。
【0019】
因みに、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30を構成する合成樹脂シートは、耐用性に優れているポリオレフィン系シートやフッ素系シートを使用することが好ましい。外側の空気層形成フィルム30の厚みは、0.1〜0.15mm程度とされ、内側の空気層形成フィルム20、21の厚みは0.1mm程度とされている。なお、後述するカーテンの場合には、内外の空気層形成フィルムは、0.05〜0.075mm程度とされている。
【0020】
図1〜
図3に示すように、一方の内側の空気層形成フィルム21の上記排気口部Bと隣接する固定端21bの位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルム(20、21)と30の隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、内側の空気層形成フィルム21の固定端21bと共にシート止着具43で止着され、前記排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置されている。
なお、前記給気用チューブ6は、他方の内側の空気層形成フィルム20の排気口部Bと隣接する固定端20bの位置又はそれより内方側の位置に設置した構成で実施することもできる。
【0021】
前記給気用チューブ6をシート止着具43で止着させるには、給気用チューブ6の外面に軟質フィルムを溶着し、該軟質フィルムを内側の空気層形成フィルム21と共にシート止着具43のシート止着溝の開口部上に拡げ、シート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着する。
その他の方法として、
図6(B)に示すように、給気用チューブ6の排気口部B側の端部を内側の空気層形成フィルム21と共にシート止着具43のシート止着溝の開口部上へ拡げ、シート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着する。このとき、
図6(A)に示すように、給気用チューブ6の外面に、シート止着具41(43)の口縁部へ合わせるライン18と電動ファン5を設置するためのライン19を、ハウス1の長手方向に沿って印刷等で付することより、同給気用チューブ6を設置するときに捻れる等の不都合を解消して作業性を高めることが好ましい。
なお、上記給気用チューブ6と外側の空気層形成フィルム30とが、水滴により粘着する場合には、給気用チューブ6と外側の空気層形成フィルム30の間に粘着防止シートを設けることが好ましい。具体的には、
図4(A)、(B)に示すように、排気口部Bの全面に設けた虫除けネット17を給気用チューブ6を越えて断熱空気層Aに向かって延ばし、同虫よけネット17を給気用チューブ6へ貼り付けることにより、表面張力の発生を抑制して粘着(密着)を予防できる。
前記給気用チューブ6は、柔軟性のある合成樹脂性又はゴムシート等であり、上記断熱空気層Aへ向かって連通する直径約6mmの給気孔6a…が上下方向に約30mmの間隔をあけて2個設けられ、ハウスの長手方向においては例えば500mmの間隔をあけて設けられている。但し、前記給気孔6a…は、給気チューブ6が膨張して内外の空気層形成フィルム21、30と密着し、且つ空気を空気層空間Aへ吹き込むことが可能な形状と大きさであれば良く、前記寸法及び個数に限定されない。
【0022】
上記給気用チューブ5には、エアハウス1の室内側から前記給気用チューブ6に向って空気を吹き込む小型軽量の電動ファン5が直接取り付けられ、前記電動ファン5の空気吹き出し口が前記給気用チューブ6に向って直接開口されている。
因みに、
図5は前記電動ファン5を内側の空気層形成フィルム21と給気用チューブ6とを挟んで取り付ける場合の構成を示している。小型の電動ファン5を内側の空気層形成フィルム21の内側面にあてがい、同給気用チューブ6の内側面に当てがわれた押さえ縁50とで同フィルム21と給気用チューブ6をサンドイッチ状に挟み、ボルト接合して取り付けられている。前記電動ファン5を取り付ける箇所は、空気の出入りが可能な大きさと形状に開口されている。
前記電動ファン5は、一例として出力25W程度のものであり、給気用チューブ6の長手方向(約30m程度)に1個設置され、10分程度の作動でエアハウス外郭体10を形成することができる。ただし、前記電動ファン5は、給気用チューブ6の長手方向(約30m程度)に複数個設置して、より素早く空気層空間Aへ空気を吹き込みエアハウス外郭体10を形成する構成で実施することもできる。
【0023】
次に、上記電動ファン5により、上記空気層空間A、Aへ空気を吹き込み、断熱空気層A、Aを有するエアハウス外郭体10を形成する手順について説明する。
先ず、空気層空間A、Aへ空気を給気させる手順であるが、電動ファン5をスイッチオンして給気を行い、
図1及び
図2に示すように、左右の空気層空間A、Aを膨らませる。前記電動ファン5から空気が前記給気用チューブ6へ吹き込まれて、給気用チューブ6が萎んだ状態から、先ずはこの給気用チューブ6を膨らませて、同給気用チューブ6で排気口部Bを閉止する。続いて、空気は前記給気用チューブ6の給気孔6aから抜け出て、空気層空間A内へ順次に効率よく吹き込まれる。
こうして、膨張した前記給気用チューブ6は、内外の空気層形成フィルム20(21)、30へ密接し、更に排気口部Bを完全に塞いだ状態になるから、空気が内外の空気層形成フィルム20(21)、30の外部へ漏れることがなく、断熱空気層Aを有するエアハウス外郭体10を形成することができる。
【0024】
空気層空間A内へ空気を吹き込む際に、例えば作業員により断熱空気層Aの膨らみ厚に応じて断続的に電動ファン5を作動させて同空気層空間A内へ空気を吹き込む構成で実施する。或いは断熱空気層Aの膨らみ厚を設定値になるように自動調整する検出手段としての電動スイッチ機構と、同電動スイッチ機構を使用して作動させる電気スイッチ機構とからなる電気スイッチ機構を設置して、同電気スイッチ機構により前記膨らみ厚を調整しながら空気を吹き込む構成で実施することもできる。
【0025】
断熱空気層Aから空気を抜く排気手順としては、
図3に示すように、電動ファン5のスイッチをオフにして電動ファン5を停止させ、給気用チューブ6を萎ませる。すると、給気用チューブ6と内外の空気層形成フィルム20(21)、30との密接状態が解除されると共に、排気口部Bが大きく開放されるので、空気は排気口部Bから一気に大量に放出可能である。
【0026】
なお、強風や冬期における積雪によりエアハウス1の屋根部分のフィルムが集中的に又は局所的に圧迫されて空気層形成フィルム20(21)、30が垂れ下がるおそれがある場合には、電動ファン5により継続して給気を行い、断熱空気層Aの内圧を高める。すると、エアハウス外郭体10は大きくピンっと張った状態となり、エアハウス1の屋根部分の積雪を地面に向って振るい落とすことができるし、強風に耐えうる強度に形成することができる。
【実施例2】
【0027】
次に、請求項2に記載した発明に係るエアカーテンの空気給・排気システムを説明する。なお、上述した実施例1のエアハウスの空気給・排気システムと重複する内容についての説明は省略する。
エアカーテンの空気給・排気システムは、
図7に示すように、主に断熱、保温効果を目的として温室13の内部のフレーム17と、同温室13の側面部のそれぞれに沿って空気層形成フィルムを上下方向のカーテン状に展張し又は同フィルムを収納するカーテンシステム15において、断熱空気層Aによるカーテンを形成し、回転伝達装置で回転する巻き軸90、91でカーテンを巻き上げて収納し、又は巻き下ろして展張する場合の空気給・排気システムである。
前記換気口を開閉させるべく、巻き軸90、91の巻き上げ又は巻き下ろし手段に用いる回転伝達装置は、例えば特開2007−92973号公報や特開2005−221072号公報等に開示されて既に実用に供されている。
図7に示す実施例では、前記回転伝達装置の記載を省略し、内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き付ける巻き軸90、91のみを記載している。
【0028】
内側及び外側の空気層形成フィルム20、30の自由端は、温室13の側面の下部に相当する位置で巻き軸90に巻き込まれ、前記内側の空気層形成フィルム20は、前記自由端から展張した先の固定端20bが、排気口部Bの手前の一側口縁部に設置されたシート止着具41により止着されている。
外側の空気層形成フィルム30は、前記自由端から展張して前記排気口部Bを跨いだ反対側の温室13の側面の下部に相当する位置で巻き軸91に巻き込まれている。
そして、前記巻き軸91に自由端を巻き込まれた内側の空気層形成フィルム21は、同自由端から展張した先の固定端21bが前記排気口部Bの手前の他側口縁部に設置されたシート止着具43により止着されている。
なお、上記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端は、温室13の側面の上部(肩部)に相当する位置で巻き軸90(91)に巻き込まれた構成で実施することもできる。
【0029】
即ち、内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端側は、回転伝達装置で正逆方向へ回転される巻き軸90、91に巻き付けられ、回転伝達装置の手動ハンドルを一方へ回転させると、巻き軸90、91により内外の空気層形成フィルム20(21)、30が自由端側から巻き上げられて換気口が形成される。手動ハンドルを逆方向へ回転させると巻き軸90、91で内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き戻し、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30は展張されて換気口を閉じることができる構成である。
なお、
図7において詳示することは省略したが、前記排気口部Bの全面には、虫除けネットが、シート止着具41(43)に止着されて取り付けられている。
【0030】
上記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端は、温室13の側面の下部に相当する位置まで展張して巻き軸90(91)に巻き込まれた構成で実施することもできる。
【0031】
上記一方の内側の空気層形成フィルム21の排気口部Bと隣接する固定端21bの位置又はそれより内方側の位置に、同内外の空気層形成フィルム20(21)、30の隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、前記排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ6において上記空気層空間Aに向って連通する複数の給気孔6a…が設けられている(詳しくは
図2を参照)。
そして、給気用チューブ6の内部に向かって空気を吹き込む電動ファン5が、給気用チューブ6に取り付けられている。
【0032】
次に、上記空気層空間Aへ空気を給・排気させる手順を説明する。
先ず、空気層空間Aへ空気を給気させる手順であるが、回転伝達装置のハンドルを回転させることにより巻き軸90(91)を巻き戻して内外の空気層形成フィルム20(21)、30を展開する際(途中)、又は展開した際(展開後)に、前記電動ファン5をスイッチオンして給気を行い空気層空間Aを膨らませる。電動ファン5から給気用チューブ6へ吹き込まれて、先ずはこの給気用チューブ6を膨らませて、排気口部Bを閉止する。続いて、空気は前記給気用チューブ6の給気孔6aから抜け出て、空気層空間A内へ順次に効率よく吹き込まれる。こうして、膨張した給気用チューブ6は、内外の空気層形成フィルム20(21)、30へ密接し、更に排気口部Bを完全に塞いだ状態になるから、空気が空気層空間Aの外部へ漏れることがなく、空気層形成フィルム20(21)、30は断熱空気層Aを形成することができる。
【0033】
次に、断熱空気層Aへ空気を排気させる手順であるが、先ず、スイッチをオフにして電動ファン5を停止させ、給気用チューブ6を萎ませる。すると、給気用チューブ6と、内外のフィルム20(21)、30との密接状態が解除され排気口部Bが開放されるので、空気は排気口部Bから一気に大量に放出可能である。よって、上記回転伝達装置のハンドルを回転させて巻き軸90(91)で内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き取る際の巻き軸90(91)による前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の巻き上げ速度(空気層形成フィルム2の絞り効果)に負けない早さで断熱空気層A内の空気を一気に排出できるし、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、31の巻き上げる際に巻き軸90(91)が空気圧で浮き上がる不都合もなく、作業性に優れている。
【0034】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は実施例の構成に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて行うであろう設計変更その他の応用、改変の範囲まで含むことを念のため申し添える。