特許第5882511号(P5882511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5882511エアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882511
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】エアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/24 20060101AFI20160225BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   A01G9/24 H
   A01G9/14 S
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-27634(P2015-27634)
(22)【出願日】2015年2月16日
(62)【分割の表示】特願2010-225069(P2010-225069)の分割
【原出願日】2010年10月4日
(65)【公開番号】特開2015-91274(P2015-91274A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221568
【氏名又は名称】東都興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(72)【発明者】
【氏名】大林 崇志
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−035537(JP,A)
【文献】 特開2010−154831(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3148792(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14−9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウス外郭体として合成樹脂シートで成る内外二重の空気層形成フィルムにより気密な空気層空間が形成され、同空気層空間へ電動ファンにより空気を吹き込み膨張させて断熱空気層が形成される、エアハウスの空気給・排気システムであって、
内側の空気層形成フィルムは、ハウス側面の下部又は上部に相当する一方の固定端から展張した他方の固定端が排気口部の手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルムは同じ一方の固定端から展張した他方の固定端が前記排気口部を跨いで反対側のハウス側面の下部又は上部の位置に止着され、同止着位置で一方の固定端を止着された内側の空気層形成フィルムの他方の固定端が前記排気口部の手前の他側口縁部に止着されており、
一方の内側の空気層形成フィルムの前記排気口部と隣接する固定端の位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルムの隙間及び前記排気口部を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブが、前記排気口部の長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブに内外の空気層形成フィルムが形成する前記空気層空間に向かって連通する給気孔が設けられており、
前記給気用チューブの内部に向かって空気を吹き込む電動ファンが設置されており、
前記電動ファンにより給気を行い、給気用チューブを通じて空気層空間へ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層を形成することによりエアハウス外郭体が構成され、
前記断熱空気層の空気を前記排気口部から排気させる手段として、前記電動ファンを停止させて給気用チューブを萎ませて同排気口部を開放させる構成であることを特徴とする、エアハウスの空気給・排気システム。
【請求項2】
合成樹脂シートで成る内外二重の空気層形成フィルムによる気密な空気層空間が温室内のカーテンとして形成され、同空気層空間へ電動ファンにより空気を吹き込み膨張させて断熱空気層によるエアカーテンを形成する、エアカーテンの空気給・排気システムであって、
内側及び外側の空気層形成フィルムの自由端は巻き軸に巻き込まれ、内側の空気層形成フィルムは前記自由端から展張した先の固定端が排気口部の手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルムの他端は前記自由端から展張して前記排気口部を跨いだ反対側の巻き軸に巻き込まれ、同巻き軸に自由端を巻き込まれた内側の空気層形成フィルムは、同自由端から展張した先の固定端が前記排気口部の手前の他側口縁部に止着されており、
一方の内側の空気層形成フィルムの前記排気口部と隣接する固定端の位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルムの隙間及び前記排気口部を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブが、前記排気口部の長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブに内外の空気層形成フィルムが形成する前記空気層空間に向かって連通する給気孔が設けられており、
前記給気用チューブの内部に向かって空気を吹き込む電動ファンが設置されており、
前記巻き軸を回転して空気層形成フィルムを展開するに際して、又は展開後に前記電動ファンにより給気を行い、給気用チューブを通じて空気層空間へ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層を形成することによりエアカーテンが構成され、
前記断熱空気層の空気を前記排気口部から排気させる手段として、前記電動ファンを停止させ給気用チューブを萎ませて同排気口部を開放させる構成であることを特徴とする、エアカーテンの空気給・排気システム。
【請求項3】
排気口部の全面に防虫ネットが取り付けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システム。
【請求項4】
給気用チューブと外側の空気層形成フィルムの間に粘着防止シートが設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した発明に係るエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所謂ビニールハウスと通称される簡易構造の温室のハウス外郭体又は室内側カーテンとして、内外二重の空気層形成フィルムで気密な空気層空間を形成し、同空気層空間へ空気を吹き込んで膨張させることにより断熱空気層のハウス外郭体又は室内側カーテンを形成するエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システムの技術分野に属し、更に云えば、電動ファンで空気層空間へ空気を吹き込み膨張させ、一定層厚の断熱空気層が形成されて優れた断熱効果を期待でき、必要に応じて電動ファンの運転制御をオフ制御するエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜・花卉の栽培に利用されるエアハウスとして、合成樹脂シートで成る内外二重の空気層形成フィルムで気密な空気層空間を形成し、同空気層空間へ空気を吹き込んで同空気層空間を膨張させることにより断熱空気層を有するハウス外郭体が形成された構成(例えば下記特許文献1〜3に開示)が知られており、既に実用に供されている。
前記空気層形成フィルムで保温性を高めたエアハウスを実施すると、現状の重油を燃やす暖房費を約30%節減できると試算されている。また、通常のビニールハウスでも屋根部分や側面部分に内張りカーテンを設置すると断熱保温の効果が上がることが知られている。更に、その内張カーテンを空気層形成フィルムで構成すると、やはり暖房費を約20%節減できると試算されている。
【0003】
下記特許文献1及び2に記載された発明は、ハウスフレームを構成する支柱に設置したブロワー型送風機により、配管を通じて内外二重の空気層空間内へ空気を強制的に吹き込み膨張させて断熱空気層を有するハウス外郭体を形成する構成である。
断熱空気層を有するハウス外郭体を形成できる点において優れているが、前記ブロワー型送風機は、概して大型且つ大重量であり、専用の取り付け台座を支柱等のハウスフレームに加工する必要があり、その設置作業及び交換作業が大変面倒である。また、ブロワー型送風機は、概して風圧が大きいので、ビニールシートが必要以上に膨張し、ひいては破裂する虞がある、等々の問題がある。
【0004】
そこで、本出願人は、下記特許文献3に開示されたエアハウスを開発し特許出願をした。このエアハウスは、二重のシートの空気層空間内へ空気を強制的に吹き込む送風機として小型軽量のファン型送風機を使用し、該ファン型送風機をシートへ直接取り付けた構成である。即ち、下記特許文献1及び2に開示されたブロワー型送風機と比較して、専用の取り付け台座を不要とし、その設置作業及び交換作業の効率を向上させることができる。また風圧が小さいので、合成樹脂シートを破裂させる虞がない、等々の多くの利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−255291号公報
【特許文献2】特開平10−28484号公報
【特許文献3】特開2004−33065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献3に開示されたエアハウスには、ファン型送風機で吹き込まれた空気によって膨んだ断熱空気層の空気を効果的に排気する手段について何ら記載がない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、温室のハウス外郭体又はエアカーテンを内外二重の空気層形成フィルムで気密な断熱空気層構造とする場合に、小型の電動ファンで空気層空間へ空気を吹き込み膨張させて一定層厚の断熱空気層を形成し、優れた断熱効果を期待でき、必要に応じて電動ファンをオフ制御して断熱空気層A内の空気を効率良く排気させることができ、使い勝手に優れた、エアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るエアハウスの空気給・排気システムは、
ハウス外郭体として合成樹脂シートで成る内外二重の空気層形成フィルムにより気密な空気層空間が形成され、同空気層空間へ電動ファンにより空気を吹き込み膨張させて断熱空気層が形成される、エアハウスの空気給・排気システムであって、
内側の空気層形成フィルムは、ハウス側面の下部又は上部に相当する一方の固定端から展張した他方の固定端が排気口部の手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルムは同じ一方の固定端から展張した他方の固定端が前記排気口部を跨いで反対側のハウス側面の下部又は上部の位置に止着され、同止着位置で一方の固定端を止着された内側の空気層形成フィルムの他方の固定端が前記排気口部の手前の他側口縁部に止着されており、
一方の内側の空気層形成フィルムの前記排気口部と隣接する固定端の位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルムの隙間及び前記排気口部を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブが、前記排気口部の長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブに内外の空気層形成フィルムが形成する前記空気層空間に向かって連通する給気孔が設けられており、
前記給気用チューブの内部に向かって空気を吹き込む電動ファンが設置されており、
前記電動ファンにより給気を行い、給気用チューブを通じて空気層空間へ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層を形成することによりエアハウス外郭体が構成され、
前記断熱空気層の空気を前記排気口部から排気させる手段として、前記電動ファンを停止させて給気用チューブを萎ませて同排気口部を開放させる構成であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明に係るエアカーテンの空気給・排気システムは、
合成樹脂シートで成る内外二重の空気層形成フィルムによる気密な空気層空間が温室内のカーテンとして形成され、同空気層空間へ電動ファンにより空気を吹き込み膨張させて断熱空気層によるエアカーテンを形成する、エアカーテンの空気給・排気システムであって、
内側及び外側の空気層形成フィルムの自由端は巻き軸に巻き込まれ、内側の空気層形成フィルムは前記自由端から展張した先の固定端が排気口部の手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルムの他端は前記自由端から展張して前記排気口部を跨いだ反対側の巻き軸に巻き込まれ、同巻き軸に自由端を巻き込まれた内側の空気層形成フィルムは、同自由端から展張した先の固定端が排気口部の手前の他側口縁部に止着されており、
一方の内側の空気層形成フィルムの前記排気口部と隣接する固定端の位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルムの隙間及び前記排気口部を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブが、前記排気口部の長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブに内外の空気層形成フィルムが形成する前記空気層空間に向かって連通する給気孔が設けられており、
前記給気用チューブの内部に向かって空気を吹き込む電動ファンが設置されており、
前記巻き軸を回転して空気層形成フィルムを展開するに際して、又は展開後に前記電動ファンにより給気を行い、給気用チューブを通じて空気層空間へ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層を形成することによりエアカーテンが構成され、
前記断熱空気層の空気を前記排気口部から排気させる手段として、前記電動ファンを停止させ給気用チューブを萎ませて同排気口部を開放させる構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システムにおいて、
排気口部の全面に防虫ネットが取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したエアハウス又はエアカーテンの空気給・排気システムにおいて、
給気用チューブと外側の空気層形成フィルムの間に粘着防止シートが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の空気給・排気システムを採用したエアハウス又はエアカーテンは、内側及び外側の空気層形成フィルム20(21)、30が形成した空気層空間Aへ小型の電動ファン5による給気を行って同空気層空間Aを膨らませ一定層厚の断熱空気層が形成されて優れた断熱効果を発揮することができる。また、必要に応じて電動ファンの運転制御5をオフ制御することにより、断熱空気層A内の空気を排気口部Bから効率良く排気することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】エアハウス全体を概念的に示した正面図である。
図2】空気層空間へ空気を吹き込みエアハウス外郭体を形成した状態を示したエアハウスの屋根部分の拡大図である。
図3】エアハウスの給気用チューブが萎んで排気口部が開放されら状態を示したエアハウスの屋根部分の拡大である。
図4】(A)、(B)は防虫ネットの取付け例を示した説明図である。
図5】電動ファンの設置例を示した拡大図である。
図6】(A)、(B)は給気用チューブの止着例を示した説明図である。
図7】エアカーテンを形成したハウス全体を概念的示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るエアハウスの空気給・排気システムは、内側の空気層形成フィルム20は、ハウス1側面の下部又は上部に相当する一方の固定端20aから展張した他方の固定端20bが排気口部Bの手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルム30は同じ一方の固定端30aから展張した他方の固定端30bが排気口部Bを跨いで反対側のハウス1側面の下部又は上部の位置に止着され、同止着位置で一方の固定端21aを止着された内側の空気層形成フィルム21の他方の固定端21bが排気口部Bの手前の他側口縁部に止着されている。
一方の内側の空気層形成フィルム21の排気口部Bと隣接する固定端21bの位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルム20(21)、30の隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ6に内外の空気層形成フィルム20(21)、30が形成する空気層空間Aに向かって連通する給気孔6aが設けられている。給気用チューブ6の内部に向かって空気を吹き込む電動ファン5が設置されている。
電動ファン5により給気を行い、給気用チューブ6を通じて空気層空間Aへ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層Aを形成することによりエアハウス外郭体10が構成され、断熱空気層Aの空気を排気口部Bから排気させる手段として、電動ファン5を停止させて給気用チューブ6を萎ませて同排気口部Bを開放させる構成である。
【0015】
本発明に係るエアカーテンの空気給・排気システムは、内側及び外側の空気層形成フィルム20、30の自由端は巻き軸90に巻き込まれ、内側の空気層形成フィルム20は自由端から展張した先の固定端20bが排気口部Bの手前の一側口縁部に止着され、外側の空気層形成フィルム30の他端は自由端から展張して排気口部Bを跨いだ反対側の巻き軸に巻き込まれ、同巻き軸91に自由端を巻き込まれた内側の空気層形成フィルム21は、同自由端から展張した先の固定端21bが排気口部Bの手前の他側口縁部に止着されている。
一方の内側の空気層形成フィルム21の排気口部Bと隣接する固定端の位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルムの隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ6に内外の空気層形成フィルムが形成する空気層空間Aに向かって連通する給気孔が設けられている。給気用チューブ6の内部に向かって空気を吹き込む電動ファン5が設置されている。
巻き軸90、91を回転して空気層形成フィルム20、21、30を展開するに際して、又は展開後に電動ファン5により給気を行い、給気用チューブ6を通じて空気層空間Aへ空気を吹き込み膨張させて断熱空気層Aを形成することによりエアカーテンが構成され、断熱空気層Aの空気を排気口部Bから排気させる手段として、電動ファン5を停止させ給気用チューブ6を萎ませて同排気口部Bを開放させる構成である。
【実施例1】
【0016】
以下に、本発明に係るエアハウスの空気給・排気システムを図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、ハウス外郭体10として合成樹脂シートで成る内側の空気層形成フィルム20、21と外側の空気層形成フィルム30とで気密な空気層空間A、Aを形成し、同空気層空間Aへ電動ファン5により空気を吹き込み膨張させることにより断熱空気層Aが形成されたエアハウス1の全体図を示している。このエアハウス1のフレームを構成するアーチパイプ11や、同アーチパイプへ連結する棟方向へ配置したシート止着具4…等々は、格別新規なものではなく、従来一般のエアハウスに実施するフレーム資材とほぼ同じ構成である。
【0017】
図1に示す内側の空気層形成フィルム20は、ハウス1側面の下部に相当する位置に設置されたシート止着具40により一方の固定端20aが止着され、同固定端20aからハウス1の屋根部分まで展張した他方の固定端20bが、同ハウス1の屋根部分に形成された一定幅Rの排気口部Bの手前の一側口縁部に設置されたシート止着具41により止着されている。
外側の空気層形成フィルム30は、前記内側の空気層形成フィルム20の一方の固定端20aを止着するシート止着具40により共通に止着された固定端30aから展張された他方の固定端30bが前記排気口部Bを跨いだ反対側のハウス1側面の下部の位置に設置されたシート止着具42により止着されている。
そして、前記外側の空気層形成フィルム30の他方の固定端30bを止着するシート止着具42に一方の固定端21aが止着された内側の空気層形成フィルム21の他方の固定端21bが、前記排気口部Bの手前の他側口縁部に設置されたシート止着具43に止着されている。
前記排気口部Bは、断熱空気層Aへ送り込まれた空気を十分に排気できる開口幅Rとして、例えば5〜10cm程度の幅寸で構成することが好ましい。
なお、前記排気口部Bの全面には、図4に詳示したように、ハウス1内の虫が断熱空気層Aへ進入することを防止する虫除けネット17が、左右の内側の空気層形成フィルム20、21の固定端20b、21bを止着するシート止着具41、43に止着されて取り付けられている。因みに、前記虫除けネット17の材質は、一例として繊維性又は樹脂性である。
また、図示した実施例では、内側の空気層形成フィルム20、21の一方の固定端20a、21a、及び外側の空気層形成フィルム30の両固定端30a、30bは、ハウス1側面の下部に相当する位置に止着された構成を示したが、この限りではなく、ハウス1側面の上部に相当する位置、具体的にはハウス1の肩部に止着された構成で実施することもできる。
【0018】
前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30を止着する手段は、エアハウス1の長手方向に沿ってアーチパイプ11に取り付けられた複数のシート止着具4(40〜43)により行われる。このシート止着具4(40〜43)は、当業技術分野では既に周知の技術である。具体的には、横断面方向に見ると底壁の両側に立ち上がる両側壁を内方へ略ハの字形状に傾斜させて開口が狭幅のシート止着溝が形成された構成である。前記シート止着溝の排気口部上にフィルムを拡げ、その上から波形状をなす弾性なシート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着するものである。
なお、左右の内側の空気層形成フィルムの他方の固定端20b、21bを止着するシート止着具41、43は、ダブル型シート止着具44を使用した構成で実施することもできる。このダブル型シート止着具44は、2本のシート止着具を連結片44aにより連結した構成であり、当業技術分野では既に周知の技術である(例えば意匠登録第1095339号や意匠登録第1340312号に開示)。前記ダブル型シート止着具40の前記連結片44aには、排気口部として複数の排気口孔44b…が長手方向に形成されている。
【0019】
因みに、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30を構成する合成樹脂シートは、耐用性に優れているポリオレフィン系シートやフッ素系シートを使用することが好ましい。外側の空気層形成フィルム30の厚みは、0.1〜0.15mm程度とされ、内側の空気層形成フィルム20、21の厚みは0.1mm程度とされている。なお、後述するカーテンの場合には、内外の空気層形成フィルムは、0.05〜0.075mm程度とされている。
【0020】
図1図3に示すように、一方の内側の空気層形成フィルム21の上記排気口部Bと隣接する固定端21bの位置又はそれより内方側の位置に、内外の空気層形成フィルム(20、21)と30の隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、内側の空気層形成フィルム21の固定端21bと共にシート止着具43で止着され、前記排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置されている。
なお、前記給気用チューブ6は、他方の内側の空気層形成フィルム20の排気口部Bと隣接する固定端20bの位置又はそれより内方側の位置に設置した構成で実施することもできる。
【0021】
前記給気用チューブ6をシート止着具43で止着させるには、給気用チューブ6の外面に軟質フィルムを溶着し、該軟質フィルムを内側の空気層形成フィルム21と共にシート止着具43のシート止着溝の開口部上に拡げ、シート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着する。
その他の方法として、図6(B)に示すように、給気用チューブ6の排気口部B側の端部を内側の空気層形成フィルム21と共にシート止着具43のシート止着溝の開口部上へ拡げ、シート止め線材4aをシート止着溝の中へ押し入れて止着する。このとき、図6(A)に示すように、給気用チューブ6の外面に、シート止着具41(43)の口縁部へ合わせるライン18と電動ファン5を設置するためのライン19を、ハウス1の長手方向に沿って印刷等で付することより、同給気用チューブ6を設置するときに捻れる等の不都合を解消して作業性を高めることが好ましい。
なお、上記給気用チューブ6と外側の空気層形成フィルム30とが、水滴により粘着する場合には、給気用チューブ6と外側の空気層形成フィルム30の間に粘着防止シートを設けることが好ましい。具体的には、図4(A)、(B)に示すように、排気口部Bの全面に設けた虫除けネット17を給気用チューブ6を越えて断熱空気層Aに向かって延ばし、同虫よけネット17を給気用チューブ6へ貼り付けることにより、表面張力の発生を抑制して粘着(密着)を予防できる。
前記給気用チューブ6は、柔軟性のある合成樹脂性又はゴムシート等であり、上記断熱空気層Aへ向かって連通する直径約6mmの給気孔6a…が上下方向に約30mmの間隔をあけて2個設けられ、ハウスの長手方向においては例えば500mmの間隔をあけて設けられている。但し、前記給気孔6a…は、給気チューブ6が膨張して内外の空気層形成フィルム21、30と密着し、且つ空気を空気層空間Aへ吹き込むことが可能な形状と大きさであれば良く、前記寸法及び個数に限定されない。
【0022】
上記給気用チューブ5には、エアハウス1の室内側から前記給気用チューブ6に向って空気を吹き込む小型軽量の電動ファン5が直接取り付けられ、前記電動ファン5の空気吹き出し口が前記給気用チューブ6に向って直接開口されている。
因みに、図5は前記電動ファン5を内側の空気層形成フィルム21と給気用チューブ6とを挟んで取り付ける場合の構成を示している。小型の電動ファン5を内側の空気層形成フィルム21の内側面にあてがい、同給気用チューブ6の内側面に当てがわれた押さえ縁50とで同フィルム21と給気用チューブ6をサンドイッチ状に挟み、ボルト接合して取り付けられている。前記電動ファン5を取り付ける箇所は、空気の出入りが可能な大きさと形状に開口されている。
前記電動ファン5は、一例として出力25W程度のものであり、給気用チューブ6の長手方向(約30m程度)に1個設置され、10分程度の作動でエアハウス外郭体10を形成することができる。ただし、前記電動ファン5は、給気用チューブ6の長手方向(約30m程度)に複数個設置して、より素早く空気層空間Aへ空気を吹き込みエアハウス外郭体10を形成する構成で実施することもできる。
【0023】
次に、上記電動ファン5により、上記空気層空間A、Aへ空気を吹き込み、断熱空気層A、Aを有するエアハウス外郭体10を形成する手順について説明する。
先ず、空気層空間A、Aへ空気を給気させる手順であるが、電動ファン5をスイッチオンして給気を行い、図1及び図2に示すように、左右の空気層空間A、Aを膨らませる。前記電動ファン5から空気が前記給気用チューブ6へ吹き込まれて、給気用チューブ6が萎んだ状態から、先ずはこの給気用チューブ6を膨らませて、同給気用チューブ6で排気口部Bを閉止する。続いて、空気は前記給気用チューブ6の給気孔6aから抜け出て、空気層空間A内へ順次に効率よく吹き込まれる。
こうして、膨張した前記給気用チューブ6は、内外の空気層形成フィルム20(21)、30へ密接し、更に排気口部Bを完全に塞いだ状態になるから、空気が内外の空気層形成フィルム20(21)、30の外部へ漏れることがなく、断熱空気層Aを有するエアハウス外郭体10を形成することができる。
【0024】
空気層空間A内へ空気を吹き込む際に、例えば作業員により断熱空気層Aの膨らみ厚に応じて断続的に電動ファン5を作動させて同空気層空間A内へ空気を吹き込む構成で実施する。或いは断熱空気層Aの膨らみ厚を設定値になるように自動調整する検出手段としての電動スイッチ機構と、同電動スイッチ機構を使用して作動させる電気スイッチ機構とからなる電気スイッチ機構を設置して、同電気スイッチ機構により前記膨らみ厚を調整しながら空気を吹き込む構成で実施することもできる。
【0025】
断熱空気層Aから空気を抜く排気手順としては、図3に示すように、電動ファン5のスイッチをオフにして電動ファン5を停止させ、給気用チューブ6を萎ませる。すると、給気用チューブ6と内外の空気層形成フィルム20(21)、30との密接状態が解除されると共に、排気口部Bが大きく開放されるので、空気は排気口部Bから一気に大量に放出可能である。
【0026】
なお、強風や冬期における積雪によりエアハウス1の屋根部分のフィルムが集中的に又は局所的に圧迫されて空気層形成フィルム20(21)、30が垂れ下がるおそれがある場合には、電動ファン5により継続して給気を行い、断熱空気層Aの内圧を高める。すると、エアハウス外郭体10は大きくピンっと張った状態となり、エアハウス1の屋根部分の積雪を地面に向って振るい落とすことができるし、強風に耐えうる強度に形成することができる。
【実施例2】
【0027】
次に、請求項2に記載した発明に係るエアカーテンの空気給・排気システムを説明する。なお、上述した実施例1のエアハウスの空気給・排気システムと重複する内容についての説明は省略する。
エアカーテンの空気給・排気システムは、図7に示すように、主に断熱、保温効果を目的として温室13の内部のフレーム17と、同温室13の側面部のそれぞれに沿って空気層形成フィルムを上下方向のカーテン状に展張し又は同フィルムを収納するカーテンシステム15において、断熱空気層Aによるカーテンを形成し、回転伝達装置で回転する巻き軸90、91でカーテンを巻き上げて収納し、又は巻き下ろして展張する場合の空気給・排気システムである。
前記換気口を開閉させるべく、巻き軸90、91の巻き上げ又は巻き下ろし手段に用いる回転伝達装置は、例えば特開2007−92973号公報や特開2005−221072号公報等に開示されて既に実用に供されている。図7に示す実施例では、前記回転伝達装置の記載を省略し、内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き付ける巻き軸90、91のみを記載している。
【0028】
内側及び外側の空気層形成フィルム20、30の自由端は、温室13の側面の下部に相当する位置で巻き軸90に巻き込まれ、前記内側の空気層形成フィルム20は、前記自由端から展張した先の固定端20bが、排気口部Bの手前の一側口縁部に設置されたシート止着具41により止着されている。
外側の空気層形成フィルム30は、前記自由端から展張して前記排気口部Bを跨いだ反対側の温室13の側面の下部に相当する位置で巻き軸91に巻き込まれている。
そして、前記巻き軸91に自由端を巻き込まれた内側の空気層形成フィルム21は、同自由端から展張した先の固定端21bが前記排気口部Bの手前の他側口縁部に設置されたシート止着具43により止着されている。
なお、上記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端は、温室13の側面の上部(肩部)に相当する位置で巻き軸90(91)に巻き込まれた構成で実施することもできる。
【0029】
即ち、内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端側は、回転伝達装置で正逆方向へ回転される巻き軸90、91に巻き付けられ、回転伝達装置の手動ハンドルを一方へ回転させると、巻き軸90、91により内外の空気層形成フィルム20(21)、30が自由端側から巻き上げられて換気口が形成される。手動ハンドルを逆方向へ回転させると巻き軸90、91で内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き戻し、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30は展張されて換気口を閉じることができる構成である。
なお、図7において詳示することは省略したが、前記排気口部Bの全面には、虫除けネットが、シート止着具41(43)に止着されて取り付けられている。
【0030】
上記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の自由端は、温室13の側面の下部に相当する位置まで展張して巻き軸90(91)に巻き込まれた構成で実施することもできる。
【0031】
上記一方の内側の空気層形成フィルム21の排気口部Bと隣接する固定端21bの位置又はそれより内方側の位置に、同内外の空気層形成フィルム20(21)、30の隙間及び排気口部Bを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ6が、前記排気口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ6において上記空気層空間Aに向って連通する複数の給気孔6a…が設けられている(詳しくは図2を参照)。
そして、給気用チューブ6の内部に向かって空気を吹き込む電動ファン5が、給気用チューブ6に取り付けられている。
【0032】
次に、上記空気層空間Aへ空気を給・排気させる手順を説明する。
先ず、空気層空間Aへ空気を給気させる手順であるが、回転伝達装置のハンドルを回転させることにより巻き軸90(91)を巻き戻して内外の空気層形成フィルム20(21)、30を展開する際(途中)、又は展開した際(展開後)に、前記電動ファン5をスイッチオンして給気を行い空気層空間Aを膨らませる。電動ファン5から給気用チューブ6へ吹き込まれて、先ずはこの給気用チューブ6を膨らませて、排気口部Bを閉止する。続いて、空気は前記給気用チューブ6の給気孔6aから抜け出て、空気層空間A内へ順次に効率よく吹き込まれる。こうして、膨張した給気用チューブ6は、内外の空気層形成フィルム20(21)、30へ密接し、更に排気口部Bを完全に塞いだ状態になるから、空気が空気層空間Aの外部へ漏れることがなく、空気層形成フィルム20(21)、30は断熱空気層Aを形成することができる。
【0033】
次に、断熱空気層Aへ空気を排気させる手順であるが、先ず、スイッチをオフにして電動ファン5を停止させ、給気用チューブ6を萎ませる。すると、給気用チューブ6と、内外のフィルム20(21)、30との密接状態が解除され排気口部Bが開放されるので、空気は排気口部Bから一気に大量に放出可能である。よって、上記回転伝達装置のハンドルを回転させて巻き軸90(91)で内外の空気層形成フィルム20(21)、30を巻き取る際の巻き軸90(91)による前記内外の空気層形成フィルム20(21)、30の巻き上げ速度(空気層形成フィルム2の絞り効果)に負けない早さで断熱空気層A内の空気を一気に排出できるし、前記内外の空気層形成フィルム20(21)、31の巻き上げる際に巻き軸90(91)が空気圧で浮き上がる不都合もなく、作業性に優れている。
【0034】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は実施例の構成に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて行うであろう設計変更その他の応用、改変の範囲まで含むことを念のため申し添える。
【符号の説明】
【0035】
1 エアハウス
10 ハウス外郭体
13 温室
15 カーテンシステム
17 虫除けネット
20〜22 内側の空気層形成フィルム
30、31 外側の空気層形成フィルム
4(40〜43) シート止着具
5 電動ファン
6 給気用チューブ
90、91 巻き軸
A 断熱空気層(空気層空間)
B 排気口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7