(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0022】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
[実施形態の概要]
実施形態に係る非燃焼型香味吸引器は、熱源と、前記熱源を着脱可能に保持する保持部材とを備える。前記熱源は、炭素数が4以上である糖アルコールを含む潜熱蓄熱材を含む。
【0024】
実施形態では、保持部材とは別体として設けられた熱源が潜熱蓄熱材として炭素数が4以上の糖アルコールを含む。
【0025】
炭素数4以上の糖アルコールは酢酸ナトリウムに比して、比較的高い融点を有しているため、相対的に高い潜熱を有し得る。したがって、これまで以上に効果的に香味源へ熱を供給することができる。加えて、炭素数4以上の糖アルコールは揮発性が低く、揮発した際にもにおいが発生しない。そのため、酢酸ナトリウムなどの潜熱蓄熱材と比べて、融点程度まで加熱しても殆どにおいを発生しないため、香味が損なわれず、香味を向上することができる。
【0026】
実施形態では、潜熱蓄熱材は、炭素数が4以上である糖アルコールであるため、比較的高い潜熱(融解熱又は結晶化熱とも称する)が得られる。従って、比較的高い温度を熱源から香味源に伝達することができる。
【0027】
[第1実施形態]
(非燃焼型香味吸引器)
以下において、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器について説明する。
図1は、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100を示す図である。
図2は、保持部材30を示す図である。
図3及び
図4は、熱源50を示す図である。
図3は、非挿入端部50A側から熱源50を見た図である。
図4は、挿入端部50B側から熱源50を見た図である。
【0028】
図1に示すように、非燃焼型香味吸引器100は、保持部材30及び熱源50を有する。第1実施形態において、非燃焼型香味吸引器100は、燃焼を伴わない香味吸引器であることに留意すべきである。
【0029】
図2に示すように、保持部材30は、熱源50を着脱可能に保持する。保持部材30は、支持端部30A及び吸口側端部30Bを有する。支持端部30Aは、熱源50を保持する端部である。吸口側端部30Bは、非燃焼型香味吸引器の吸口側に設けられる端部である。第1実施形態では、吸口側端部30Bは、非燃焼型香味吸引器100の吸口を構成する。但し、保持部材30とは別体として、非燃焼型香味吸引器100の吸口が設けられていてもよい。
【0030】
保持部材30は、支持端部30Aから吸口側端部30Bに向かう方向に沿って延びる空洞31を有する筒状形状を有する。例えば、保持部材30は、円筒形状、角筒形状を有する。保持部材30は、熱源50によって加熱されることにより香味成分を揮発する香味源32を有する。
【0031】
香味源32としては、例えばシガレットや嗅ぎたばこに使用される粉粒状のたばこ葉を用いることができる。香味源32は、上述の粉粒状のたばこ葉を不織布等の通気性を有するパウチに充填してもよい。また、不織布等の通気性を有する部材と粉粒状のたばこ葉を積層し、熱溶着によってシート状に成形したものであってもよく、その他の所望の形状に成形したものであってもよい。また、香味源32として、例えば活性炭などの多孔質素材又は非多孔質素材の担持体にメンソールなど種々の香味成分を担持させたものを用いてもよい。
【0032】
第1実施形態では、保持部材30が筒状形状を有するケースについて例示するが、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、保持部材30は、熱源50を保持する構成を有していればよい。
【0033】
図3及び
図4に示すように、熱源50は、非挿入端部50A及び挿入端部50Bを有する。非挿入端部50Aは、保持部材30に熱源50が挿入された状態で保持部材30から露出する端部である。挿入端部50Bは、保持部材30内に挿入される端部である。
【0034】
熱源50は、潜熱(融解熱又は結晶化熱とも称する)によって発熱する潜熱蓄熱材を含む。潜熱蓄熱材を含むことによって、潜熱蓄熱材が加熱された際に、潜熱蓄熱材が加熱源からの熱を蓄積することができる。その後、潜熱蓄熱材は蓄積した熱エネルギーを香味源へと供給でき、熱エネルギーを受けた香味源は香料を効率的に放出できる。熱源50は、潜熱蓄熱材として炭素数が4以上である糖アルコールを含む。上述したように糖アルコールは、酢酸ナトリウムなどの潜熱蓄熱材と比べて、融点程度まで加熱しても殆どにおいを発生しないため、香味吸引器の熱源として好適に採用できる。
【0035】
ここで、潜熱蓄熱材は、エリトリトール、グリセロール、D−マンニトール、L−マンニトール、DL−マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレイトール、D−アラビニトール、L−アラビニトール、DL−アラビニトール、リビトール、D−イジトール、L−イジトール、ダルシトール、ボレミトール、ペルセイトール、イノシトール、(+)−prot0−クエルシトール、(−)−vibo−クエルシトール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、アリトール、D−タリトール、L−タリトール、DL−タリトールの中から選択された1種類以上の物質によって構成されることが好ましい。本発明においては、潜熱蓄熱材として少なくともエリトリトールまたはマンニトールを用いることが好ましく、潜熱蓄熱材として少なくともエリトリトールを用いることが特に好ましい。
【0036】
エリトリトールは、香味源として粉粒状のたばこ葉を用いた際に極めて好適である。具体的には、エリトリトールを潜熱蓄熱材として用いた場合、たばこ葉中の香味成分を効率的に揮発させることができるとともに、たばこ葉中の香味成分の揮発量を安定的かつ長時間にわたって維持することができる。
【0037】
潜熱蓄熱材の含有量は、300mg以上、かつ、600mg以下であることが好ましい。潜熱蓄熱材の含有量が300mg以上であることによって、十分な量の香味成分を揮発する温度が一定時間以上に亘って保持される。潜熱蓄熱材の含有量が600mg以下であることによって、熱源50の大型化が抑制される。
【0038】
第1実施形態において、熱源50は、潜熱蓄熱材と潜熱蓄熱材を保持する保持材料との混合体を含むことが好ましい。具体的には、かかる保持材料は、潜熱蓄熱材が融点に達し、液化した際においても、熱源50の内部に潜熱蓄熱材を保持可能な材料であることが好ましい。本発明においては、熱源50を構成する保持材料は、多層構造を有する化合物であることが好ましく、多層構造を有する化合物としてはバーミキュライトが特に好ましい。
【0039】
保持材料としてバーミキュライトを用いることによって、熱源50の外部に対する単位時間当たりの過度な放熱が抑制されるとともに、熱が徐放される。その結果、十分な量の香味成分を揮発する温度が一定時間以上に亘って保持される。
【0040】
また、保持材料としてバーミキュライトを用いる場合、保持材料の含有量は、潜熱蓄熱材に対し100重量%以上、かつ、200重量%以下であることが好ましい。
【0041】
潜熱蓄熱材に対するバーミキュライトの重量パーセントが100%以上であることによって、十分な量の潜熱蓄熱材を、保持材料が保持することができるため、潜熱蓄熱材が加熱され、液化した際にも、熱源50からの潜熱蓄熱材の流出が抑制される。潜熱蓄熱材に対するバーミキュライトの重量パーセントが200%以下であることによって、液化した際に潜熱蓄熱材が放出する熱量をバーミキュライトに過剰に奪われることを抑制できる。
【0042】
熱源50は、潜熱蓄熱材および保持材料に加え、さらにバインダーを含むことが、熱源50の成形性の観点からは好ましい。バインダーとしては特に限定されず、公知のバインダーをいずれも好適に用いることができるが、ヒドロキシプロピルセルロースを特に好適に用いることができる。
【0043】
熱源50の製造方法については特に限定されず、公知の製造方法をいずれも好適に用いることができるが、打錠成形あるいは押出成形によって熱源50を製造することで、熱源50を簡易に構成することが可能であるため、より好ましい。上述した打錠成形や押出成形を用いることで、潜熱蓄熱材を充填するための耐圧性の密閉容器を用いることなく熱源50を構成することができ、熱源50の小型化、軽量化が可能となる。なお、熱源50は、本発明の効果を妨げない限り、他の材料を含んでもよい。
【0044】
また、上述の打錠成形又は押出成形によって構成された熱源50の外周をアルミ等の金属箔といった伝導伝熱部材で被覆してもよい。これによって、短時間で熱源50を加熱することが可能となる。
【0045】
なお、第1実施形態において、熱源50は、非燃焼型香味吸引器100とは別体として設けられた加熱装置を用いて、潜熱蓄熱材が溶融するまで加熱される。これによって、潜熱蓄熱材の潜熱の利用が可能である。
【0046】
ここで、非燃焼型香味吸引器100とは別体として設けられた加熱装置を用いて熱源50を加熱して、加熱された熱源50を加熱装置から外して保持部材30に装着することによって、熱源50に保持された熱エネルギーを香味源32に伝達することができる。
【0047】
第1実施形態においては、非燃焼型香味吸引器100と加熱装置とを一体に設けてもよいが、非燃焼型香味吸引器100の小型化および非燃焼型香味吸引器100の携帯性の観点からは、非燃焼型香味吸引器100と加熱装置とが別体となっていることが好ましい。
【0048】
第1実施形態において、熱源50は、溝部52を有する。溝部52は、熱源50の外周に沿って設けられており、後述する加熱装置によって熱源50を加熱する際に、加熱装置のロック機構が係止される部位である。
【0049】
(加熱装置)
以下において、第1実施形態に係る加熱装置について説明する。
図5〜
図7は、第1実施形態に係る加熱装置200を示す図である。
図5は、加熱装置200を示す斜視図である。
図6は、加熱装置200の側面視を示す図である。
図7は、収容部210の上面視である。
【0050】
図5及び
図6に示すように、加熱装置200は、収容部210と、スイッチ220と、回路基板230と、バッテリ240とを有する。
【0051】
収容部210は、熱源50を収容する。具体的には、収容部210は、底面210Aと、底面210Aから立設する内壁面210Bとを有する。底面210A及び内壁面210Bは、熱源50を収容するための空洞を構成する。底面210A及び内壁面210Bによって構成される空洞は、熱源50の非挿入端部50Aと略同一形状である。熱源50が収容部210に収容された状態において、熱源50の非挿入端部50Aが底面210Aに配置される。
【0052】
ここで、熱源50が収容部210に収容された状態において、底面210Aとは反対側に位置する熱源50の端部(すなわち、挿入端部50B)が内壁面210Bから離間していることが好ましい。第1実施形態では、
図6に示すように、底面210Aに対する垂直方向における内壁面210Bの長さが非挿入端部50Aから挿入端部50Bに向かう熱源50の長さよりも小さい。すなわち、熱源50が収容部210に収容された状態において、熱源50の挿入端部50Bが内壁面210Bから露出する。これによって、挿入端部50Bが内壁面210Bから離間するため、収容部210に収容された熱源50を保持部材30に取り付けやすい。
【0053】
また、挿入端部50Bの先端に向けて挿入端部50Bの外形が小さい形状を挿入端部50Bが有している。これによって、収容部210に収容された熱源50を保持部材30に挿入しやすい。
【0054】
なお、熱源50の挿入端部50Bの外径は、収容部210の内径よりも小さくてもよい。これによって、底面210Aに対する垂直方向における内壁面210Bの長さが非挿入端部50Aから挿入端部50Bに向かう熱源50の長さ以上の場合においても、挿入端部50Bが内壁面210Bから離間する。ここで、挿入端部50Bが内壁面210Bから離間する距離は、保持部材30の肉厚(外径と内径との差)以上であることが好ましい。
【0055】
図6及び
図7に示すように、加熱装置200は、加熱部211と、バイメタル212と、接点213(接点213A及び接点213B)と、押さえバネ214とを有する。
【0056】
加熱部211は、電熱線などのヒータによって構成される。第1実施形態では、加熱部211は、収容部210の内壁面210Bに沿って配置される。
【0057】
バイメタル212は、熱膨張率が異なる2種類以上の金属によって構成される。バイメタル212の変形温度は、かかる金属組成比等によって適宜調節できることが知られているため、本発明においては、所定温度、すなわち、潜熱蓄熱材の融点を境界として変形するように構成される。第1実施形態では、バイメタル212は、熱源50に直接的に接するように、収容部210の底面210Aに配置される。バイメタル212は、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、熱源50を上方向に向けてアーチ状形状に変形する。すなわち、バイメタル212は、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、収容部210の内壁面210Bに沿って熱源50をスライドするスライド機構を構成する。一方で、バイメタル212は、熱源50の温度が所定温度を下回った場合に、アーチ状形状から平板形状に変形する。
【0058】
接点213は、バッテリ240の電力を加熱部211に供給するか否かを切り替えるための接点である。具体的には、接点213A及び接点213Bが接触している場合には、バッテリ240の電力が加熱部211に供給される。一方で、接点213A及び接点213Bが接触していない場合には、バッテリ240の電力が加熱部211に供給されない。
【0059】
第1実施形態では、接点213Aは、バイメタル212に接合される。バイメタル212がアーチ状形状に変形した場合に、バイメタル212の変形に伴って接点213Aが接点213Bから離間する。一方で、バイメタル212が平板形状である場合に、接点213Aが接点213Bと接触する。
【0060】
押さえバネ214は、収容部210に対する熱源50の挿入に相応して熱源50の側壁(ここでは、溝部52)を押さえる。押さえバネ214は、後述するように、バイメタル212がアーチ状形状に変形した場合に、熱源50を押さえたロック態を解除する。
【0061】
第1実施形態において、バイメタル212及び押さえバネ214は、収容部210内に熱源50をロックするロック機構を構成する。上述したように、バイメタル212は、熱源50と接するように配置されており、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、熱源50を上方向に向けてアーチ状形状に変形する。これに伴って、熱源50が押さえバネ214によって押さえられたロック状態が解除される。すなわち、バイメタル212及び押さえバネ214によって構成されるロック機構は、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、熱源50のロック状態を解除する。
【0062】
スイッチ220は、熱源50の加熱を開始するためのスイッチである。スイッチ220は、回路基板230に接続される。例えば、スイッチ220の押下によって、熱源50の加熱が開始する。
【0063】
回路基板230は、加熱装置200を制御するための制御回路を有する。例えば、回路基板230は、スイッチ220の押下検出によって、加熱部211に対するバッテリ240の電力の供給を開始する。
【0064】
但し、第1実施形態において、バイメタル212がアーチ状形状に変形すると、接点213A及び接点213Bの接触が解除される。従って、回路基板230は、加熱部211に対するバッテリ240の電力の供給の停止を制御する必要がないことに留意すべきである。
【0065】
なお、回路基板230は、バイメタル212がアーチ状形状に変形した場合に、接点213A及び接点213Bの接触状態とは関係なく、加熱部211に対するバッテリ240の電力の供給を停止してもよい。これによって、熱源50の不要な再加熱が抑制される。
【0066】
バッテリ240は、加熱装置200を駆動するための電力を蓄積する。例えば、バッテリ240に蓄積された電力は、加熱部211及び回路基板230に供給される。
【0067】
(ロック機構)
以下において、第1実施形態に係るロック機構について説明する。
図8〜
図10は、第1実施形態に係るロック機構について説明するための図である。
図8〜
図10では、
図7に示す収容部210のA−A断面及びB−B断面が示されている。上述したように、収容部210内に熱源50をロックするロック機構は、バイメタル212及び押さえバネ214によって構成される。
【0068】
図8に示すように、熱源50が収容部210に収容された状態において、熱源50の温度が所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を下回っているため、バイメタル212は平板形状である。A−A断面に示すように、バイメタル212が平板形状であるため、接点213A及び接点213Bが接した状態である。B−B断面に示すように、バイメタル212が平板形状であり、収容部210に収容された熱源50が押さえバネ214によってロックされる。
【0069】
詳細には、押さえバネ214は、アーム214A及びアーム214Bを有しており、アーム214A及びアーム214Bは、支点214Xを中心として回動する。アーム214Aの先端は、バイメタル212に取り付けられており、アーム214Bは、支点214Xを中心として熱源50の側面に近づく方向(P方向)の付勢力を有する。これによって、アーム214Bの先端が溝部52に係止されており、熱源50が収容部210内にロックされている。アーム214Bの先端は、熱源50の側面を傷つけないように、B−B断面で円形形状を有することが好ましい。アーム214Bの先端は、球形状であってもよい。
【0070】
図9に示すように、熱源50が加熱部211によって加熱されて、熱源50の温度が所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を超えると、バイメタル212が平板形状からアーチ形状に変形し、収容部210の内壁面210Bに沿って熱源50がスライドする。A−A断面に示すように、バイメタル212がアーチ形状に変形するため、接点213Bが接点213Aから離間して、加熱部211による熱源50の加熱が停止する。ここで、回路基板230は、上述したように、加熱部211に対するバッテリ240の電力の供給を停止することが好ましい。B−B断面に示すように、バイメタル212がアーチ形状に変形し、バイメタル212にアーム214Aの先端が取り付けられているため、バイメタル212の変形に伴って、アーム214Bは、支点214Xを中心として熱源50の側面から離れる方向(Q方向)に回動しようとする。すなわち、熱源50の側面に近づく方向(P方向)の付勢力に対して、バイメタル212の変形に伴って生じる力(熱源50が上方にスライドしようとする力及びアーム214BがQ方向に離れようとする力)が上回るため、これによって、押さえバネ214のアーム214Bの先端が熱源50の溝部52に係止されたロック状態が解除される。ここで、ロック状態の解除を容易にする観点から、アーム214Aの先端は、バイメタル212のうち、変形量が最も大きい部分(例えば、
図9のA−A断面に示すアーチの頂上部分)に取り付けられることが好ましい。また、支点214Xを中心として熱源50の側面から離れる方向(Q方向)にアーム214Bが回動しようとする力のみによって、ロック状態が解除されてもよい。
【0071】
なお、
図9のB−B断面では、アーム214Bの先端が熱源50の側面から離れているが、アーム214Bが有する付勢力によって、アーム214Bの先端が熱源50の側面に接触していてもよい。上述したように、アーム214Bの先端がB−B断面で円形形状を有するため、アーム214Bの先端が熱源50の側面を摺動しても、溝部52を含めて、熱源50の側面が傷つきにくいことに留意すべきである。
【0072】
また、ロック状態を適切に解除するために、バイメタル212の変形量は、アーム214Bの先端が溝部52に入り込む長さ及び押さえバネ214の形状に応じて定められる。すなわち、第1実施形態では、バイメタル212の変形量は、アーム214Bの先端が溝部52に入り込む長さ、アーム214Aの長さ、アーム214Bの長さ、アーム214A及びアーム214Bによって形成される角度等によって定められる。但し、押さえバネ214の形状は、2本のアームで形成されるV字形状に限定されるものではなく、3本のアームで形成されるU字形状であってもよい。
【0073】
図10に示すように、加熱部211による熱源50の加熱の停止に伴って、熱源50の温度が所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を下回り、バイメタル212がアーチ形状から平板形状に変形する。A−A断面に示すように、バイメタル212が平板形状に変形するため、接点213Bが接点213Aと接する。上述したように、バイメタル212がアーチ形状に変形した場合に、回路基板230が加熱部211に対するバッテリ240の電力の供給を停止していれば、熱源50の不要な再加熱が抑制される。B−B断面に示すように、バイメタル212が平板形状に変形する。このようなケースにおいて、収容部210に収容された熱源50は、上方にスライドした状態で、アーム214Bが有する付勢力(すなわち、熱源50の側面に近づく方向(P方向への付勢力)によって、収容部210の内壁面210Bに保持されることが好ましい。ここで、ロックが解除された状態(上方にスライドした状態)において収容部210の内壁面210Bに熱源50を保持する力は、バイメタル212の変形によって熱源50を押し上げる力よりも小さく、熱源50の自重によって熱源50が落下する力よりも大きいことが好ましい。かかる構成は、例えば、ロックが解除された状態における押さえバネ214のスプリング強度(上述した付勢力)を適宜調整することにより実現できる。これによって、熱源50を保持部材30に挿入した状態で容易に収容部210から取り出すことができる。
【0074】
また、アーム214Bの先端は、アーム214Bの他部分と比べて摩擦係数が大きい部材(例えば、ゴム)によって構成されていてもよい。或いは、アーム214Bの先端は、アーム214Bの他部分と比べて摩擦係数が大きい部材(例えば、ゴム)によって被覆されていてもよい。これによって、押さえバネ214のスプリング強度(上述した付勢力)が弱くても、ロックが解除された状態(上方にスライドした状態)において収容部210の内壁面210Bに熱源50を保持することができる。さらに、アーム214Bの先端がゴム等の柔らかい部材によって構成されていれば、或いは、アーム214Bの先端がゴム等の柔らかい部材によって被覆されていれば、熱源50の側面が傷つきにくいことに留意すべきである。
【0075】
(作用及び効果)
第1実施形態では、保持部材30とは別体として設けられた熱源50が潜熱蓄熱材として糖アルコールを含むため、酢酸ナトリウムなどの潜熱蓄熱材と比べて、融点程度まで加熱しても殆どにおいを発生しないため、香味が損なわれず、香味を向上することができる。
【0076】
第1実施形態では、潜熱蓄熱材は、炭素数が4以上である糖アルコールであるため、比較的高い潜熱が得られる。従って、比較的高い温度を熱源50から香味源に伝達することができる。
【0077】
第1実施形態では、熱源50は、潜熱蓄熱材と保持材料との混合体によって構成される。従って、潜熱蓄熱材を収容する耐熱・耐圧性の密閉容器を用いるケースに比べて、熱源50の重量を軽減することができ、熱源50を小型化することができる。
【0078】
第1実施形態では、ロック機構(バイメタル212及び押さえバネ214)は、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、熱源50のロック状態を解除する。従って、熱源50の加熱時における熱源50の脱落を抑制するとともに、熱源50の加熱完了後において熱源50を容易に取り出すことが可能である。
【0079】
第1実施形態では、加熱部211は、熱源50の温度が所定温度を超えた場合に、熱源50の加熱を停止する。従って、熱源50が潜熱蓄熱材を有する場合において、潜熱蓄熱材の過冷却現象を抑制することができる。
【0080】
第1実施形態では、バイメタル212が熱源50に直接的に接するように配置されており、バイメタル212の変形によって熱源50のロック状態が解除される。従って、熱源50のロック状態が適切なタイミングで解除される。
【0081】
第1実施形態では、バイメタル212が熱源50に直接的に接するように配置されており、バイメタル212の変形によって熱源50の加熱が停止する。従って、潜熱蓄熱材の過冷却現象が生じない適切なタイミングで熱源50の加熱を停止することができる。
【0082】
第1実施形態では、バイメタル212が熱源50に直接的に接するように配置されており、バイメタル212の変形によって熱源50がスライドする。従って、熱源50の加熱後において、熱源50を保持部材30に取り付けやすい。
【0083】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0084】
変更例1において、保持部材30は、
図11に示すように、空洞31に連通する側孔30Hを有する。側孔30Hは、支持端部30Aから吸口側端部30Bに向かう方向と交差する方向に沿って延びる。側孔30Hは、支持端部30Aに設けられており、香味源32に隣接して設けられることが好ましい。
【0085】
また、保持部材30は、香味源32に加えて、整流部材33を有する。香味源32は、例えば、不織布等の通気性を有する部材と粉粒状のたばこ葉を積層し、熱溶着によってシート状に成形したものをディスク状(薄い円柱状)に配置したものである。整流部材33は、香味源32に対して、吸口側端部30B側に設けられる。整流部材33は、支持端部30Aから吸口側端部30Bに向かう方向に沿って延びる貫通孔を有する。整流部材33は、通気性を有していない部材によって形成される。
【0086】
吸引者が香味を吸引する際において、側孔30Hから吸い込まれた空気は、
図12に示すように、香味源32を通って吸口側端部30B側に導かれる。香味源32を通って吸口側端部30B側に導かれた空気は、整流部材33の貫通孔を通って吸口側端部30Bに導かれる。従って、吸引者が香味を吸引する際において、熱源50が例えば吸口側端部30Bに連通する貫通孔を有するなどの、通気性を有する構成を有していなくとも、香味源32を通過し、吸口側端部30Bに導かれる空気流を形成することができるため、熱源50と接している香味源32の全面を効率的に加熱することができる。また、通気性を有していない部材によって形成される整流部材33が設けられているため、吸引者が香味を吸引する際において、整流部材33によって香味源32内部の中心部を通過するよう空気の流れが制御され、香味源32を通過する空気に十分な香味を付与することができる。
【0087】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0088】
変更例2において、保持部材30は、
図13に示すように、空洞31に連通する側孔30Hを有する。側孔30Hの構成は、変更例1と同様である。
【0089】
変更例2において、香味源32は、例えば不織布等の通気性を有する部材と粉粒状のたばこ葉を積層し、熱溶着によってシート状に成形したものを、中心部に熱源50を挿入するための開口を有する円筒状に配置したものである。また、軸方向に開口を有し、内部に通気性を有する円筒状の押出成形体としてもよい。
【0090】
吸引者が香味を吸引する際において、側孔30Hから吸い込まれた空気は、
図13に示すように、香味源32を通って吸口側端部30B側に導かれる。従って、吸引者が香味を吸引する際において、熱源50が例えば吸口側端部30Bに連通する貫通孔を有するなどの、通気性を有する構成を有していなくとも、香味源32を通過し、吸口側端部30Bに導かれる空気流を形成することができる。また、
図13に示すように、熱源50と接している香味源32の面積が大きいため、効率的に加熱することができる。
【0091】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0092】
第1実施形態では、アーム214Aの先端は、バイメタル212に取り付けられており、アーム214Bは、支点214Xを中心として熱源50の側面に近づく方向(P方向)の付勢力を有する。
【0093】
これに対して、変更例3では、アーム214Aの先端は、バイメタル212の下側に配置されており、アーム214Bは、特に付勢力を有していない。但し、アーム214Bは、支点214Xを中心として熱源50の側面に近づく方向(P方向)に向けて、多少の付勢力を有していてもよい。
【0094】
第1に、上述した
図8に示すように、熱源50が収容部210に収容された状態において、バイメタル212は平板形状である。このような状態において、アーム214Aの先端がバイメタル212によって押さえつけられるため、押さえバネ214が熱源50の側面に近づく方向(P方向)に回動し、アーム214Bの先端が熱源50の溝部52に係止される。これによって、熱源50が収容部210内にロックされている。アーム214A及びアーム214Bによって形成される角度は、このような状態において、アーム214Bの先端が熱源50の溝部52に係止されるように定められる。
【0095】
第2に、上述した
図9に示すように、熱源50が加熱部211によって加熱されて、熱源50の温度が所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を超えると、バイメタル212が平板形状からアーチ形状に変形する。このようなケースにおいて、バイメタル212の変形によって生じる空間内においてアーム214Aの先端が自由に動くことが可能である。言い換えると、バイメタル212の変形に伴って押さえバネ214の規制が解除されるため、押さえバネ214が熱源50の側面から離れる方向(Q方向)に回動可能な状態となる。すなわち、バイメタル212の変形に伴って収容部210の内壁面210Bに沿った方向に熱源50がスライドし、アーム214Bの先端が熱源50の溝部52に係止された状態が解除される。
【0096】
第3に、上述した
図10に示すように、加熱部211による熱源50の加熱の停止に伴って、熱源50の温度が所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を下回ると、バイメタル212がアーチ形状から平板形状に変形する。
【0097】
ここで、変更例3においては、アーム214BがP方向への付勢力を有していないため、アーム214Bの先端が熱源50の側面に接触していない可能性があり、アーム214Bの先端によって熱源50が保持されない。しかしながら、変更例3においては、熱源50は、熱源50の側面と収容部210の内壁面210Bとの摩擦力によって、収容部210に保持される。熱源50の側面と収容部210の内壁面210Bとの摩擦力は、バイメタル212の変形によって熱源50を押し上げる力よりも小さく、熱源50の自重によって熱源50が落下する力よりも大きいことが好ましい。
【実施例】
【0098】
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0099】
(実施例1)
所定量のマンニトール(潜熱蓄熱材)、バーミキュライト(潜熱蓄熱材の保持材料)、ヒドロキシプロピルセルロースおよび水を混練し、得られた混合物を打錠圧縮成形することにより、ペレット状の成形体を得た。得られた成形体を乾燥することにより、実施例1の熱源を得た。得られた熱源の組成を以下に示す。尚、実施例1の熱源は、10mmの直径を有する円柱形状であり、マンニトールとバーミキュライトとの重量比率は、1:1であった。
【0100】
【表1】
【0101】
(熱源加熱時の経時変化測定)
実施例1に係るサンプルをアルミホイルに包んで、250℃のホットプレート上で潜熱蓄熱材が溶解するまで加熱した後、ホットプレートから取り出し、静置した。ホットプレートでの加熱開始直後からサンプルの上面に熱電対を当接することで、熱源における温度の経時変化を測定した。得られたプロファイルを
図14に示す。尚、ホットプレートから取り出すために、一時的に熱電対を離している(
図14中のグラフの不連続部分)。
【0102】
(実施例2)
マンニトールに代えてエリトリトールを用い、各材料の混合量を変更し、ペレット径を8mmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法を用い熱源を得た。得られた熱源の組成を以下に示す。尚、実施例2の熱源は、8mmの直径を有する円柱形状であり、エリトリトールとバーミキュライトとの重量比率は、1:1であった。また、実施例1の方法と同様の方法を用いて熱源における温度の経時変化を測定した。得られたプロファイルを
図15に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
(実施例3)
実施例2と同様の混合条件で各材料を混合した後、打錠成形の条件を適宜調節したこと以外は実施例2と同様の方法を用いて、以下に示す組成の熱源を得た。尚、実施例3の熱源は、8mmの直径を有する円柱形状であり、エリトリトールとバーミキュライトとの重量比率は、1:1であった。また、実施例1の方法と同様の方法を用いて熱源における温度の経時変化を測定した。得られたプロファイルを
図16に示す。
【0105】
【表3】
【0106】
(実施例4)
所定量のエリトリトール、活性炭、ヒドロキシプロピルセルロースおよび水を混練し、得られた混合物を打錠成形することにより、ペレット状の成形体を得た。得られた成形体を乾燥することにより、実施例4の熱源を得た。得られた熱源の組成を以下に示す。尚、実施例4の熱源は、10mmの直径を有する円柱形状であり、エリトリトールと活性炭との重量比率は、3:1であった。
【0107】
【表4】
【0108】
図15(実施例2)及び
図16からも明らかなように、潜熱蓄熱材と保持部材との重量比率が同じ(1:1)であったとしても、潜熱蓄熱材の含有量が300mg以上である場合には、潜熱蓄熱材の含有量が200mgであるケースと比べて、潜熱蓄熱材の温度の維持される時間を長くすることができる。
【0109】
なお、本発明者等は他の知見として、香味源の加熱温度が90度以上であれば、香味源としてたばこ葉を用いた際に、たばこ葉中の香味成分を効率的に揮発させることができることを把握している。係る知見に加え、
図14及び
図15の結果を参酌すれば、エリトリトールはマンニトールよりも更に優れた潜熱蓄熱材であることがわかる。具体的には、
図15(実施例2)は、
図14(実施例1)に比して、90度以上になってから再び90度以下になるまでの、温度範囲が狭い。そのため、エリトリトールはマンニトールよりも、安定的な熱量を香味源に供給できることがわかる。
【0110】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0111】
実施形態では、非燃焼型香味吸引器の一例として、非燃焼型香味吸引器100を例示したに過ぎない。非燃焼型香味吸引器の構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、非燃焼型香味吸引器は、上述した熱源50を有していればよい。
【0112】
実施形態では、潜熱蓄熱材と保持材料との混合体によって熱源50が構成されるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、熱源50は、潜熱蓄熱材と潜熱蓄熱材を収容する耐熱・耐圧性の密閉容器とによって構成されてもよい。
【0113】
実施形態では、非燃焼型香味吸引器100が円筒形状を有するケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、非燃焼型香味吸引器100は、中実の円柱形状を有していてもよい。或いは、非燃焼型香味吸引器100は、平板形状を有していてもよい。
【0114】
実施形態では、保持部材30は、円筒形状を有する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。保持部材30は、熱源50を着脱可能に保持する構成を有していればよい。
【0115】
実施形態では、熱源50を構成する保持材料としてバーミキュライトを用いるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、熱源50を構成する保持材料として活性炭を用いてもよい。
【0116】
実施形態では、加熱装置200は、バッテリ240に蓄積された電力によって駆動する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、加熱装置200は、AC電源から供給される電力によって駆動してもよい。
【0117】
実施形態では、バイメタル212は、所定温度(すなわち、潜熱蓄熱材の融点)を境界として、平板形状とアーチ形状との間で変形するように構成される。バイメタル212の変形は、このような変形に限定されるものではない。
【0118】
実施形態では、熱源50の側壁は、収容部210に対する熱源50の挿入に相応して押さえバネ214によって押さえられる。しかしながら、収容部210に対する熱源50の挿入に相応して熱源50の側壁を押さえる押さえ部材として、他の構成を採用してもよい。このようなケースにおいて、押さえ部材は、バイメタル212の変形に伴って、熱源50のロック状態を解除するように構成されることが好ましい。
【0119】
実施形態では、ロック機構は、バイメタル212及び押さえバネ214によって構成される。しかしながら、ロック機構として、他の機構を採用してもよい。例えば、ロック機構は、センサを有しており、熱源50の温度が所定温度に達したことがセンサによって検出された場合に、熱源50のロック状態を解除するように構成されてもよい。
【0120】
実施形態では、スライド機構は、バイメタル212によって構成される。しかしながら、スライド機構として、他の構成を採用してもよい。例えば、スライド機構は、センサを有しており、熱源50の温度が所定温度に達したことがセンサによって検出された場合に、収容部210の内壁面210Bに沿って熱源50をスライドしてもよい。
【0121】
実施形態では、熱源50が収容部210内に鉛直方向に沿って挿入される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。熱源50は、収容部210内に水平方向に沿って挿入されてもよい。
【0122】
実施形態では、ロック機構を構成するバイメタル及びスライド機構を構成するバイメタルが同一部材(バイメタル212)である。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。ロック機構を構成するバイメタル及びスライド機構を構成するバイメタルは、別々の部材であってもよい。
【0123】
実施形態では、加熱装置200は、潜熱蓄熱材と保持材料との混合体を含む熱源50を加熱する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。加熱装置200は、筒状の保持部材と、保持部材から少なくとも一部が突出するように設けられた熱源を有する非燃焼型香味吸引器であれば、熱源の種類に依らず好適に適用することができ、例えば、熱源は、炭素熱源やたばこ成形体であってもよい。なお、熱源の種類によらず、上述のように、加熱装置200の押さえバネ214が係止されるための溝部を熱源に設けることが好ましいことは勿論である。
【0124】
なお、日本国特許出願第2013−47285号(2013年3月8日出願)及び日本国特許出願第2013−47286号(2013年3月8日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。