特許第5882543号(P5882543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5882543スケールウォッシャによってスラブ又は粗ストリップのクリーニング及び/又はデスケーリングをするための方法及びスケールウォッシャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882543
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】スケールウォッシャによってスラブ又は粗ストリップのクリーニング及び/又はデスケーリングをするための方法及びスケールウォッシャ
(51)【国際特許分類】
   B21B 45/08 20060101AFI20160225BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   B21B45/08 B
   B21B45/08 F
   B08B3/02 C
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-525870(P2015-525870)
(86)(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公表番号】特表2015-530250(P2015-530250A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】EP2013066517
(87)【国際公開番号】WO2014023753
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年3月13日
(31)【優先権主張番号】102012214298.3
(32)【優先日】2012年8月10日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ザイデル・ユルゲン
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−124516(JP,A)
【文献】 特開2005−152705(JP,A)
【文献】 特開2011−167590(JP,A)
【文献】 特開昭57−103731(JP,A)
【文献】 米国特許第04617815(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 45/08,
B08B 1/02,3/02,3/10,
B05B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケールウォッシャ(2)が少なくとも1つのノズル(3)を備え、このノズルによって、圧力(p)下にある水が、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面へ排出される、スケールウォッシャ(2)によってスラブ又は粗ストリップ(1)のクリーニング及び/又はデスケーリングをするための方法において、
ノズル(3)の出口(4)が、2つのノズルプレート(9,10)によって構成され、これらノズルプレートの形状に応じて、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面に対して垂直な方向(N)で見て長方形状の又は少なくとも部分的に円弧状のスリットの形態を備え、これにより、水がスラブ又は粗ストリップ(1)の幅(B)全体にわたって、一貫してストリップ状のジェット(5)として排出され、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)のノズル(3)の出口(4)の幅(b)が、0.2mm〜1.5mmの間で選択され、水が、5bar〜50barの間の圧力(p)でノズル(3)に供給され、ノズル(3)の出口(4)とスラブ又は粗ストリップ(1)の表面の間の間隔(a)が、8mm〜50mmの間で選択されること、及び、両ノズルプレート(9,10)の位置が、互いに相対的に調整可能であること、を特徴とする方法。
【請求項2】
スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)のノズル(3)の出口(4)の幅が、0.3mm〜0.8mmの間選択されること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水が、10bar〜40barの間圧力(p)でノズル(3)に供給されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ノズル(3)の出口(4)とスラブ又は粗ストリップ(1)の表面の間の間隔(a)が、10mm〜30mmの間選択されること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ストリップ状のジェット(5)が、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面に対して垂直な方向(N)に対して0°〜30°の間角度(α)で、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)に対して不動に調整されて整向されるか、前記角度範囲内で調整可能に形成されること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ノズル(3)の出口(4)を規定するノズルプレート(9,10)の水貫流用のそれぞれの画成エッジ(11)、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面とのそれぞれの間隔が異なるように調整されること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのノズル(3)を備え、このノズルによって、圧力(p)下にある水が、スラブ又は粗ストリップ(1)の表へ排出可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を実施するための、スラブ又は粗ストリップ(1)のクリーニング及び/又はデスケーリングをするためのスケールウォッシャ(2)において、
ノズル(3)の出口(4)が、2つのノズルプレート(9,10)によって構成され、これらノズルプレートの形状に応じて、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面に対して垂直な方向(N)で見て長方形状の又は少なくとも部分的に円弧状のスリットの形態を備え、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)のノズル(3)の出口(4)の幅(b)が、0.2mm〜1.5mmの間であり、ノズル(3)の出口(4)とスラブ又は粗ストリップ(1)の表面の間の間隔(a)を調整可能な移動手段(6)が設けられていること、及び、両ノズルプレート(9,10)の位置が、互いに相対的に調整可能であること、を特徴とするスケールウォッシャ。
【請求項8】
ノズル(3)が、ハウジング(7)内に収容され、このハウジングが、水平でスラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)に対して横に配置された軸(A)を中心として旋回可能であること、を特徴とする請求項7に記載のスケールウォッシャ。
【請求項9】
ハウジング(7)に、少なくとも1つの部分(8)又は突出部が配置され、この部分又は突出部が、スケールウォッシャの規定通りの使用時に、ノズル(3)の出口(4)よりもスラブ又は粗ストリップ(1)の表面の近く(a’)に配置されていること、を特徴とする請求項8に記載のスケールウォッシャ。
【請求項10】
ノズル(3)の出口(4)が、互いに隣接して配置された2つのノズルプレート(9,10)によって構成され、これらノズルプレート(9,10)の少なくとも一方が、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)及び/又はスラブ又は粗ストリップ(1)の表面に対して垂直な方向(N)及び/又はスラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)に対して横に調整可能に配置されていること、を特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項11】
ノズル(3)の出口(4)が、互いに隣接して配置された2つのガイド状のノズルプレート(9,10)によって構成され、両ノズルプレート(9,10)が、水貫流用の画成エッジ(11)を備え、スラブ又は粗ストリップ(1)の表面に対して垂直な方向(N)で見たこれら画成エッジが、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)に対して横の水平方向に対して1°〜5°の間のくさび角で延在し、両ノズルプレート(9,10)が、互いに相対的に、スラブ又は粗ストリップ(1)の移送方向(F)に対して横の水平方向に調整可能に形成されていること、を特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項12】
ノズル(3)の出口(4)が、任意に輪郭付けされた2つのノズルプレート(9,10)によって構成され、両ノズルプレート(9,10)が、間隙幅をスラブ又は粗ストリップ(1)の幅にわたって不均等に変化させるように、互いに相対的に調整可能であること、を特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項13】
ノズルプレート(9,10)が、耐熱性の特殊鋼、焼入鋼、硬質金属又はセラミックから成ること、を特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項14】
スケールウォッシャが、構成要素として水入側領域、オプションのフィルタプレート、ジェット整流器、ノズル補正区間、ノズル間隙の前のジェット収束部及びノズル間隙有するノズルユニットを備えること、を特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項15】
移送方向(F)のノズル(3)の出口(4)の幅(b)が、スラブ又は粗ストリップ(1)の幅にわたって部分的に調整可能であること、を特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項16】
スケールウォッシャが、少なくとも1つのフィルタ要素(13)を備え、このフィルタ要素が、多数の孔、網目又はスリットを備え、孔直径、網目幅又はスリット幅が、ノズル(3)の出口(4)の幅(b)よりも小さいか等しい大きさであること、を特徴とする請求項7〜15のずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項17】
フィルタ要素(13)が、ノズル(3)の出側領域の前に配置され、フィルタ要素(13)の孔、網目又はスリットの横断面の和が、ノズル(3)の出口(4)の横断面よりも大きいこと、を特徴とする請求項16に記載のスケールウォッシャ。
【請求項18】
スケールウォッシャ(2)への入側ライン(12)及び/又はスケールウォッシャ(2)のハウジング(7)及び/又は水を案内する全ての部品が、不錆材料から成ること、を特徴とする請求項7〜17のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【請求項19】
ノズル(3)が、水の流出方向に平行な出口間隙を備え、水の流出方向に測定した出口間隙の長さが20mmより少ない、及び/又は、ノズル(3)の出口(4)の幅(b)の3倍よりも長いこと、を特徴とする請求項7〜18のいずれか1項に記載のスケールウォッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケールウォッシャが、少なくとも1つのノズルを備え、このノズルによって、圧力下にある水が、スラブ又は粗ストリップの表面へ排出される、スケールウォッシャによってスラブ又は粗ストリップのクリーニング及び/又はデスケーリングをするための方法に関する。更に本発明は、スケールウォッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
スケールウォッシャは、1次スケール又は2次スケールの的確な除去のために必要であり、この種のスケールウォッシャでは、水が、十分高い水圧でクリーニングすべきスラブへ排出される。
【0003】
この場合、スケールウォッシャ例えば仕上げトレインスケールウォッシャのエネルギー消費量は、相当なものである。時間毎に調整される圧力レベル及び水量に応じて、エネルギー消費量は、4.5MWになり得る。この場合、例えば380barの最大水圧が使用される。エネルギー消費量の低減は、直接的に水圧の低下を伴うので、その場合にはデスケーリング結果もしくはクリーニング結果は、品質的に低下する。
【0004】
種々の形成のスケールウォッシャが、独国特許出願公告第693 14 275号明細書、国際公開第2009/056712号パンフレット、特開昭59−076615号公報及び特開2010−247228号公報から公知である。
【0005】
この場合、水は、相並んで配置された多数のノズルによってスラブもしくは圧延材の表面へ排出される。このような設備は、例えばバー毎に約50の相並んで配置されたノズルを有する。この場合、公知の解決策によれば、ノズル出口とデスケールすべきスラブの間に十分大きい間隔が設けられる。これは、個々のノズルの的確なカバー範囲に関する感度が、特にスラブが長手方向又は横方向に反った時に増加することから生じる。ノズルは、更に、任意に狭く相並んで取り付けることもしくは配置することができないので、隣接するノズルは、互いに位置ズレさせて配置される。従って、個々のノズルのジェットは、流出する水によって相互に妨害される。更に、ノズル出口とスラブ表面の間の間隔が狭い時には、場合によってはスケールウォッシャへスラブ先端を確実に通すための措置が必要である。加えて、コストの理由から、ノズル数の任意の増加に限度が設定されている。
【0006】
米国特許第4,617,815号明細書は、スケールウォッシャが、少なくとも1つの長方形ノズルを備え、この長方形ノズルによって、圧力下にある水が、スラブ又は粗ストリップの表面へ排出される、スケールウォッシャによってスラブ又は粗ストリップのクリーニング及び/又はデスケーリングをするための方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公告第693 14 275号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/056712号パンフレット
【特許文献3】特開昭59−076615号公報
【特許文献4】特開2010−247228号公報
【特許文献5】米国特許第4,617,815号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の根底にある課題は、良好なデスケーリング結果もしくはクリーニング結果が達成可能であり、しかしながら同時に明らかに少ししかエネルギーを必要としない冒頭で述べた形式の方法並びにスケールウォッシャを提案することにある。更に、スラブ又は粗ストリップの温度損失は、回避されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるこの課題の解決策は、方法によれば、ノズルの出口が、2つのノズルプレートによって構成され、これらノズルプレートの形状に応じて、スラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向で見て長方形状の又は少なくとも部分的に円弧状のスリットの形態を備え、これにより、水が、スラブ又は粗ストリップの幅全体にわたって、一貫してストリップ状のジェットとして排出され、スラブ又は粗ストリップの移送方向のノズルの出口の幅が、0.2mm〜1.5mmの間で選択され、水が、5bar〜50barの間の圧力でノズルに供給され、ノズルの出口とスラブ又は粗ストリップの表面の間の間隔が、8mm〜50mmの間で、特に8mm〜35mmの間で選択されること、及び、両ノズルプレートの位置が、互いに相対的に調整可能であること、を特徴とする。
【0010】
好ましくは、スラブ又は粗ストリップの移送方向のノズルの出口の幅が、0.3mm〜0.8mmの間、特に好ましくは0.4mm〜0.6mmの間で選択される。
【0011】
水は、好ましくは10bar〜40barの間、特に15bar〜35barの間の圧力でノズルに供給される。
【0012】
ノズルの出口とスラブ又は粗ストリップの間の間隔は、好ましくは10mm〜30mmの間、特に15mm〜20mmの間で選択される。
【0013】
長方形ノズルの出口における流動状態は、そこに高い水流出速度でコンパクトな比較的円滑なジェットが生じるように、設計もしくは設定されている。従来のフラットジェットノズルに比べて長方形ノズルの場合には存在しない、移送方向に対して横のウォータジェットの拡開は、低圧であるにもかかわらず高い衝撃作用(インパクト)と、良好かつ均等なデスケーリング結果とを生じさせる。
【0014】
前記データの組合せは、驚くべきことに非常に良好なクリーニング結果もしくはデスケーリング結果を生じさせ、エネルギー必要量が著しく低下した。
【0015】
ストリップ状のジェットは、好ましくは、スラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向に対して0°〜30°の間、特に15°〜25°の間の角度で、スラブ又は粗ストリップの移送方向に対して不動に調整されて整向されるか、前記角度範囲内で調整可能に形成される。
【0016】
ジェットの整向は、0°〜30°の前記角度範囲内で、水の流出状態、場所条件又はスラブ寸法に依存して最適に不動に調整することができる。選択的に、前記条件に依存した調整機構による角度の調整も可能である。スラブ下側又は粗ストリップ下側では、例えば加えられるパルス(インパクト)を最大化するために、0°の角度も有利であり得る。
【0017】
発展形では、ノズルの出口を規定するノズルプレートの水貫流用のそれぞれの画成エッジ、スラブ又は粗ストリップの表面とのそれぞれの間隔が異なるように調整される。
【0018】
提案した、スラブ又は粗ストリップのクリーニング及び/又はデスケーリングをするためのスケールウォッシャは、本発明によれば、ノズルの出口が、2つのノズルプレートによって構成され、これらノズルプレートの形状に応じて、スラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向で見て長方形状の又は少なくとも部分的に円弧状のスリットの形態を備え、スラブ又は粗ストリップの移送方向のノズルの出口の幅が、0.2mm〜1.5mmの間であり、ノズルの出口とスラブ又は粗ストリップの表面の間の間隔を調整可能な移動手段が設けられていること、及び、両ノズルプレートの位置が、互いに相対的に調整可能であること、を特徴とする。
【0019】
この場合、本発明の好ましい形成によれば、ノズルが、ハウジング内に収容され、このハウジングが、水平でスラブ又は粗ストリップの移送方向に対して横に配置された軸を中心として旋回可能である。ハウジングに、1つの部分又は突出部を配置することができ、この部分又は突出部が、スケールウォッシャの規定通りの使用時に、ノズルの出口よりもスラブ又は粗ストリップの表面の近くに配置されている。これにより、ノズルの効率的な保護が可能である。
【0020】
ノズルの出口は、互いに隣接して配置された−特に直線状の−2つのノズルプレートによって構成することができる。この場合、これらノズルプレートの少なくとも一方を、スラブ又は粗ストリップの移送方向及び/又はスラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向及び/又はスラブ又は粗ストリップの移送方向に対して横に調整可能に配置することができる。
【0021】
本発明の別の実施形態では、ノズルの出口が、互いに隣接して配置された2つのガイド状のノズルプレートによって構成され、両ノズルプレートが、水貫流用の画成エッジを備え、スラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向で見たこれら画成エッジが、スラブ又は粗ストリップの移送方向に対して横の水平方向に対して特に1°〜5°の間のくさび角で延在し、両ノズルプレートが、互いに相対的に、スラブ又は粗ストリップの移送方向に対して横の水平方向に調整可能に形成されている。これにより、簡単にノズル間隙の大きさを変更することができる。
【0022】
真直ぐなノズルプレートエッジの代わりに、エッジは、任意に輪郭付けすること、特にn次の多項式による輪郭を備えることができるので、CVCテクノロジーの場合と同様に、幅にわたって、例えば放物線状の間隙変化が得られる。従って、即ち発展形では、ノズルの出口が、任意に輪郭付けされた2つのノズルプレートによって構成され、両ノズルプレートが、間隙幅をスラブ又は粗ストリップの幅にわたって不均等に変化させるように、互いに相対的に調整可能である。
【0023】
この場合、ノズル間隙幅は、デスケールすべきスラブ又は粗ストリップの幅にわたって部分的に調整可能にすることもでき、従って、それゆえ、移送方向のノズルの出口の幅が、スラブ又は粗ストリップの幅にわたって部分的に調整可能である。
【0024】
好ましくは、スケールウォッシャが、少なくとも1つのフィルタ要素を備え、このフィルタ要素が、多数の孔、網目又はスリットを備え、孔直径、網目幅又はスリット幅が、ノズルの出口の幅よりも小さいか等しい大きさである。即ち好ましくは、フィルタが水供給ライン内に配置され、その網目幅が、ノズルのスリット幅よりも小さい。この場合、フィルタ要素は、ノズルの出側領域の前に配置することができ、フィルタ要素の孔、網目又はスリットの横断面の和が、ノズルの出口の横断面よりも大きい。
【0025】
この場合、スケールウォッシャへの入側ライン及び/又はスケールウォッシャのハウジング及び/又は水を案内する全ての部品が、好ましくは不錆材料(好ましくはスチール又は銅)から成る。
【0026】
狭い長方形ノズルの詰りは、スケールウォッシャハウジング内の相応に構成したフィルタユニットによって回避される。これは、出側通路の前に配置された幅にわたる例えば直方体状の(又は同様の空間的な広がりを有する)一貫したフィルタユニットである。この場合、フィルタ領域は、垂直通路内へ突出することができる。フィルタユニットは、小さい網目又は孔又は特に狭幅のスリットを備え、その孔幅、網目幅又はスリット幅は、長方形ノズルの出口幅よりも小さいか等しい幅である。更に、流れ損失を小さく保つため、(水流れ方向で見た)孔、網目又はスリットの横断面の和は、長方形ノズルの横断面よりも大きい。
【0027】
別の有利な発展形では、ノズルの出口が、相応に輪郭付けされた2つのプレートによって構成され、これらプレートが、互いに相対移動した時に、スラブ又は粗ストリップの幅にわたる間隙を変更する。
【0028】
1つの噴射列だけを−特に低い水量で−使用することもできる。デスケール時にこれにより小さくなる冷却作用に基づいて生じる温度差の分だけ、炉温度を低下させることができる。
【0029】
長方形ノズルユニットは、構成要素として水入側領域、場合によってはフィルタプレート、ジェット整流器、ノズル補正区間、ノズル間隙の前のジェット収束部及びノズル間隙有することができる。
【0030】
両ノズルプレートの画成エッジは、スラブもしくは粗ストリップに対して異なった間隔で配置することもしくはこのような異なった間隔に調整することもできる。
【0031】
長方形間隙は、円弧状に形成することもできる。ノズル間隙幅は、ノズルの幅にわたって部分的に調整可能にすることもできる。
【0032】
ノズルは、水の流出方向に平行な出口間隙を備えることができ、水の流出方向に測定した出口間隙の長さは、特に20mmより少ない、及び/又は、ノズルの出口の幅の3倍よりも長い。
【0033】
従って、本発明は、明らかに低減されたエネルギー消費量で良好なデスケーリング結果を達成するために、異なった措置の組合せを提案する。
【0034】
長方形ノズルの出口とスラブ又は圧延材の表面の間の間隔は、好ましくは20mmであり、10mm〜30mmの間の範囲も、非常に良好な結果をもたらす。長方形ノズルによって、スラブもしくは粗ストリップに対する間隔を小さく調整することができ、長方形ノズルであるので、幅にわたるノズルカバー範囲が重要となることはないことが、特に有利である。
【0035】
長方形ノズルによって既に幅にわたる均等なデスケーリング作用を調整することができるので、大抵は側毎に1つのデスケールバーで十分である。
【0036】
圧力レベルは、好ましくは25barに保たれ、10bar〜40barの間の値も良好な結果を生じさせる。これにより、著しい省エネルギーが得られる。
【0037】
長方形ノズルのスリット幅は、好ましくは0.5mmに調整され、このため好ましい値範囲は、0.3mm〜0.8mmの間である。
【0038】
比較的低い圧力と適当な間隙幅の場合、デスケール水量は低く調整可能であり、これが、スラブ又は粗ストリップの冷却効果を低減する。
【0039】
ノズルプレートは、交換可能に構想することができる。これらノズルプレートは、好ましくは耐熱性の特殊鋼、焼入鋼、硬質金属又はセラミックから成る。
【0040】
ノズルのジェットの角度は、好ましくは、全ての水が処理方向に向かって流れるように急勾配に調整され、ここでは0°〜25°の間の角度が好ましい。
【0041】
スケールウォッシャは、好ましくは仕上げトレインの前又はスラブ炉の後に配置される。
【0042】
ノズル出口とスラブ表面の間の間隔の調整能力により、デスケールプロセスの最適化だけでなくスラブ厚さの変更時のノズルの保護も可能である。スケールウォッシャ及びそのノズル領域を通る粗ストリップヘッドもしくはスラブヘッドの搬送時、ノズルは、いくらか持ち上げることができるか、その旋回可能なハウジングに外力が作用した時に退避し、これにより、損傷を回避することができる。従って、長方形ノズルを有するスケールウォッシャバーは、揺動要素に支承されている。
【0043】
ノズルを保護し、搬送の安全を向上させるための付加的な措置として、粗ストリップ又はスラブ−ヘッド形状検知装置(スキー)をスケールウォッシャの前に設けること(光学又は機械システム)及びスラブもしくはストリップのヘッドに対するノズル位置を制御することもできる。
【0044】
長方形のノズルのスリット幅は、ノズルプレートの交換によって変更することができる。スリット幅を調整メカニズムによって(例えばカム又はくさびによって)変更することも可能であり、このため、ノズルプレートを可動に配置することができる。これにより、ノズルプレート摩耗を補償することが可能になる。更に、これにより、間隙を例えば生じ得るノズルクリーニングのために開放することが可能になる。
【0045】
別の発展形として、ノズルの間隙を(移送方向に対して横の)長方形ノズルの幅にわたって部分的にだけ変更することもできる。これにより、ノズル間隙を部分的に閉鎖することができ、これにより、異なったスラブ幅への幅の適合が可能になる。
【0046】
デスケール圧力は、本発明によれば即ち従来技術に対して実質的に低減され、それにもかかわらず、提案した特徴の組合せによって十分不変のデスケーリング結果が得られる。
【0047】
ノズルとデスケールすべき圧延材の間の間隔を小さくすることにより、スラブ表面へのウォータジェットの衝突圧力が、従ってクリーニング作用が増加する。従って、本発明は、同じデスケーリング品質を維持しつつ間隔及び水圧を低下させることでもって働く。
【0048】
ノズル出口とスラブ表面の間の間隔は、相応のアクチュエータによって調整することができる。ノズル出口とスラブの間の間隔を小さく調整できるように、場合によっては、ヘッドにおける圧延材からのノズルの間隔調整が必要である。設けられる長方形ノズルの使用は、ここでは、スラブの幅にわたる均等なデスケーリング作用もしくは冷却作用が間隔に依存せずに得られるので、有利である。これは、反った圧延材表面の場合でも当て嵌まる。
【0049】
説明した方法でノズル出口とスラブ表面の間の間隔を減少させることにより、時間毎の必要水量を削減することができる。これは、スラブ又は粗ストリップの冷却効果を低下させる。小さい冷却効果は、例えば炉温度(加熱効果)が低減されることによって、省エネルギーのために利用することができる。
【0050】
従来のノズルを使用する代わりに、本発明は、ウォータカーテンを発生させてデスケールすべきスラブへ導くことができる長方形ノズルを設ける。
【0051】
従来並みに相並んで配置された多数のノズルが使用される場合は、ノズル出口とスラブの間の間隔が本発明通り低減された場合には、同じ噴射角度で十分なカバー範囲を保証できるようにするために、明らかに多くのノズルを使用しなければならなくなる。選択的に、確かに、ノズル数が不変の場合は噴射角度も増大させることもできるが、但し、これにより衝突圧力が低下し、従ってデスケーリング結果がマイナスの影響を受けるとの欠点を伴ことになる。
【0052】
提案した形成は、安価な構想によって際立っている。これは、一方では低圧ポンプの使用の可能性によって当て嵌まり、更に、薄い壁厚を有する割安のチューブライン及びスプレーバーを使用することができる。使用される高圧に対する遮蔽も、僅かにしか費用がかからなくなる。更に、長方形ノズルの摩耗も、圧力が低いために低減されている。これによりまた、僅かな整備費用しか必要ない。
【0053】
また、スケールウォッシャ及び/又はスケールウォッシャハウジングへの入側ラインもしくは少なくとも、水を案内する領域内の全ての部品は、不錆材料(例えば特殊鋼、鋳物、銅)から形成することができるが、それは、ここでは、必要な耐圧性を有する高圧スケールウォッシャではなく、50barよりも小さい圧力を問題とするからである。狭いスリットノズルの生じ得る詰りの危険に、効果的に対処することもできる。その場合、入側ライン又はスケールウォッシャ内の錆は、即ち生じることがない。
【0054】
スケールウォッシャはまた、有利には小さい構造スペースを占めるが、それは、スケールウォッシャに対して側毎に1つのノズル列しか設ける必要がないからである。
【0055】
有利には、濡らされる面が小さいためもしくはデスケールのために必要な水の容積流が少ないためにスラブの低減された冷却も得られる。
【0056】
上側のスケールウォッシャの水でぬらされる面は、付加的に、スケールウォッシャの前及び/又は後のドライブローラ又はスクイーズローラによって制限することができる。この場合、スクイーズローラは、限定された力もしくは限定された間隙に調整される。更に、このスケールウォッシャ構成の場合に定評のある、水を“掬い取る”ための捕集溝も配置することができる。
【0057】
使用される長方形ノズルにより、スラブの幅にわたる最適なカバー範囲が、しかもノズル出口とスラブ表面の間の間隔が異なる場合でも、得られる。
【0058】
衝突圧力は、前記仕様の運転パラメータで提案した長方形ノズルを使用することによって、少なくとも公知の高圧ノズルの場合と等しい大きさに保たれる。
【0059】
ノズルの出口通路は、出口領域内の先の尖ったスリットノズルの形態で形成することができる。選択的に、20mmよりも短い及び/又はノズルの出口間隙幅の3倍よりも長い間隙長さを有する若干円錐形の又は特に平行な出口間隙を有するノズルも使用可能である。
【0060】
ここでスラブもしくは粗ストリップを話題にする限り、これらは、一般に各種スラブ(薄スラブ、厚スラブ)もしくは粗ストリップ又はストリップ及び一般に特に四角形の横断面を有するデスケールすべき各材料を意味する。
【0061】
図面に本発明の実施例を図示し、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】スラブの上に配置されたノズルとスラブの下に配置されたノズルとを有するスケールウォッシャの概略側面図
図2】本発明の第1の実施形態によるスケールウォッシャのノズルの概略側面図
図3】本発明の第2の実施形態によるスケールウォッシャのノズルの概略側面図
図4】本発明の第3の実施形態によるスケールウォッシャのノズルの概略側面図
図5】スケールウォッシャのスラブの表面に対して垂直に見て円弧状に形成されたノズルの出口
図6】スラブの移送方向に見た図5によるノズル
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1には、スラブ1の上側と下側をデスケールするスケールウォッシャ2が略図で示されている。従って、それぞれ1つのノズル3が、スラブ1の上下に配置されている。スラブ1は、移送方向Fにスケールウォッシャ2の傍らを移動する。
【0064】
概して図2〜4によって明らかにされるように、各ノズル3は、出口4を有し、この出口から、水が、圧力下で排出される。ノズル3は、スラブ1の幅Bにわたって(図5参照)ウォータカーテンの形態のジェット5を排出するものであり、即ち出口4におけるノズル間隙は、スラブ1の幅B全体にわたって水平で移送方向Fに対して横に延在する長方形間隙(長方形のノズル横断面)である。
【0065】
ノズル3は、ハウジング7内に配置されている。ハウジング7は、水平で移送方向Fに対して横に整向された軸Aに旋回可能に支承されている。移動手段6は、ハウジング7の運動を可能にし、従って、ノズル3の、従ってノズル出口4の上下運動を可能にする。従って、ノズル出口4は、スラブ表面に対して垂直な方向Nに移動させることができる。これにより、ノズル3の出口4とスラブ1の表面の間の間隔aを調整することができる。
【0066】
図1には、更に、ハウジング7に部分もしくは突出部8が配置されていることが認められる。この部分は、ノズル出口4から突出し、従ってノズル3のための保護装置である。従って、部分もしくは突出部8の下エッジとスラブ1の表面の間の間隔a’が与えられ、この間隔は、ノズル3の出口4とスラブ表面の間の間隔aよりも小さい。
【0067】
更に、ノズル3から流出するジェット5が、スラブ1に対して垂直な方向Nに対して角度αで整向されていることが認められる(図1の下参照)。この整向は、この場合、移送方向Fとは反対に向けられている。
【0068】
水は、圧力pで、入側ライン12を介してノズル3に供給される。フィルタプレート13の後で、水は、格子プレートから成るジェット整流器14に達する。ここから水は、ノズル整流区間15に達する。
【0069】
即ち、長方形ノズルユニットは、水入側領域12、オプションのフィルタプレート13、ジェット整流器14、ノズル整流区間、ノズル間隙の前のジェット収束部、最後にノズル間隙の主構成要素から成る。
【0070】
スケールウォッシャハウジング7もしくはスケールウォッシャ2内のフィルタユニット13のための可能な実施形態は、図1に図示されている。この実施形態は、例えば直方体状の一貫したフィルタユニット13であり、このフィルタユニットは、幅にわたって延在し、シェル状に構成され、長方形のノズル出側領域14,15の前に配置されている。ここでは、フィルタが分配通路21内へ突出する。フィルタハウジングもしくはフィルタユニット13は、多数の狭幅のスリット(図1では見ることができない)を備え、そのスリット幅は、長方形ノズル3の出口幅bよりも小さいか等しい幅である。更に、孔、網目又は特にスリットの横断面の和は、長方形ノズル3の出口4の横断面よりも大きい。即ち、水は、入側ライン12から一種の分配通路21へ流入し、更にフィルタユニット13の多数のスリットを経てジェット整流器14及びノズル整流区間15を有するノズル入側へ流入し、最後にノズル出口4へ向かって流れる。
【0071】
まさにノズルプレート9,10のように、フィルタユニット13及びジェット整流器14も、生じ得る整備のために(例えばノズルの出口4の方向の移動により)容易に交換することができる。
【0072】
スケールウォッシャ2への入側ライン12及び/又は少なくともスケールウォッシャハウジング7もしくは水を案内する領域内の全ての部品(例えばジェット整流器14及びノズル整流区間15)は、不錆材料から形成することができる。ノズル間隙4内の狭いスリットノズルの詰まりの危険にも、効果的に対処することができる。その場合、入側ライン12又はスケールウォッシャ2内の錆は生じない。
【0073】
ノズル間隙自身は、2つのノズルプレート9及び10によって構成され、これらノズルプレートは、それぞれの画成エッジ11を有する(図4参照)。両側の画成エッジ11は、異なったレベル(スラブ1に対する間隔a)に調整可能とすること又は調整可能に配置することができる。ノズルプレートは、交換可能に形成することができる。
【0074】
ノズル3の出口通路4は、例えば図1に図示したように、出口領域内の先の尖ったスリットノズルの形態(即ち、例えば平行な出口間隙を有しない)で形成することができる。選択的に、例えば図4で平行に延在する両画成エッジ11によって構成されるような、平行な出口間隙を有するノズルも使用可能である。
【0075】
長方形のノズル出口4は、移送方向Fのノズル3の出口4の幅(図3参照)と水平で移送方向Fに対して横のノズル間隙の幅の積として得られる出口面積を有する。
【0076】
図1には搬送ローラ(ローラテーブルローラ)16も図示されている。上側−搬送ローラの上−にも、スクイーズローラを配置することができるので、ローラ対をドライバーとして働かせることができる。図1にはディフレクタリブ17も図示されている。
【0077】
図2には、ノズル3が、詳細に図示されている。ここでは、ネジ18によるハウジング7への又は内へのノズルのネジ固定が行なわれる。水は、矢印方向にノズルから出る。ネジは、スラブとは反対の側に−即ち放射熱から保護されるように−配置されている。
【0078】
シール19は、ノズル本体とノズルプレート9及び10の間の封止結合部を形成する。
【0079】
更に、歯切り部もしくは溝切り部20に言及すべきであるが、この歯切り部もしくは溝切り部は、ノズルプレート9,10を噛合い係合式に、従ってノズル本体における限定された再現可能な座によって保持するために、ノズル本体とノズルプレート9,10の間に与えられている。
【0080】
図3に、ノズル3の出口4が幅bに関して調整可能に形成されていることをみることができる。このため、一方のノズルプレート10は、二重矢印の方向に可動に配置されている(移動手段は、図示されていないが、これは、機械式、油圧式、空気圧式又は電気式のアクチュエータとすることができる)。
【0081】
図4では、図3に対して選択的に、一方のノズルプレート10が、スラブ表面に対して垂直な方向Nに可動である。これによっても、ノズル3の長方形間隙の間隙サイズを変更することができる。
【0082】
更に選択的に、但し図示はされていないが、例えばノズルプレートの画成エッジ11の円錐形の断面においてノズル3が完全に閉鎖されるまで間隙幅変更を生じさせるために、移送方向Fに対して横の方向の、即ちスラブ幅の方向の他方のノズルプレート9に対して相対的な一方のノズルプレート10の移動が行なわれることも可能である。
【0083】
図5及び6に、ノズル3の出口4を、強制的に直線的に(真直ぐに)形成する必要があるのではなく、円弧状に形成することもできることが見られる。ノズル3の出口4は、いくらかスラブ1の幅Bを超えて横に突出する。図5内の矢印は、水の流れ方向を示す。
【符号の説明】
【0084】
1 スラブ/粗ストリップ
2 スケールウォッシャ
3 ノズル
4 ノズルの出口
5 ジェット
6 移動手段
7 ハウジング
8 部分/突出部
9 ノズルプレート
10 ノズルプレート
11 画成エッジ
12 入側ライン
13 フィルタ要素(フィルタプレート/フィルタハウジング/フィルタユニット)
14 ジェット整流器
15 ノズル整流区間
16 搬送ローラ(ローラテーブルローラ)
17 ディフレクタリブ
18 ネジ
19 シール
20 歯切り部/溝切り部
21 分配通路
A 旋回の軸
B スラブ又は粗ストリップの幅
F 移送方向
N スラブ又は粗ストリップの表面に対して垂直な方向
a ノズルの出口とスラブ又は粗ストリップの表面の間の間隔
a’ 部分/突出部の下エッジとスラブ又は粗ストリップの表面の間の間隔
b 移送方向のノズルの出口の幅
p 圧力
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6