特許第5882558号(P5882558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5882558芳香又は香気を開放するための方法及び装置
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  • 特許5882558-芳香又は香気を開放するための方法及び装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882558
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】芳香又は香気を開放するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20160225BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   A61L9/01 Q
   B65D81/32 V
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2008-548008(P2008-548008)
(86)(22)【出願日】2006年12月22日
(65)【公表番号】特表2009-522242(P2009-522242A)
(43)【公表日】2009年6月11日
(86)【国際出願番号】FR2006002862
(87)【国際公開番号】WO2007074235
(87)【国際公開日】20070705
【審査請求日】2009年10月20日
【審判番号】不服2014-11159(P2014-11159/J1)
【審判請求日】2014年6月12日
(31)【優先権主張番号】0513425
(32)【優先日】2005年12月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504160194
【氏名又は名称】ヴィ・マン・フィス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・マンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・アグアディッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジル・スタール
【合議体】
【審判長】 河原 英雄
【審判官】 大橋 賢一
【審判官】 萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/009711(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/017085(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/016783(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
A61K 8/00-8/99
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース製品(7)がパッケージ(2)から取り出される場合に、パッケージ(2)内に含まれたベース製品(7)の不快なにおいを覆い隠す、又は改変するための方法であって、
前記パッケージ(2)から前記ベース製品の取り出しのためのオリフィス(3)であって、雄型の末端部からなるオリフィス(3)を有するパッケージを提供するステップ、
少なくとも1つのリザーバ(5)を含有する装置(1)であって、前記リザーバ(5)がコア及びケースを備え、前記コアは香りのよい配合物を含有し、前記装置がその一方の端部に雌型部分(4)と他方の遠位端部に取り出しのためのオリフィス(8)を有し、前記雌型部分(4)が前記雄型の末端部のオリフィス(3)に適合可能である、装置を提供するステップ、
前記オリフィス(3)に取り外し可能な方法で前記装置(1)を配置するステップ、
前記リザーバ(5)と接触状態になるように、前記パッケージ(2)から前記装置(1)へ前記オリフィス(3)を通じて前記ベース製品(7)を取り出すステップ、
前記リザーバ(5)を壊すステップであって、それによって前記リザーバ(5)から前記装置(1)へ香りのよい配合物を開放するステップ、及び、
前記装置(1)から前記オリフィス(8)を通じて前記ベース製品(7)及び前記香りのよい配合物の混合物を取り出すステップ、
を備え、
前記リザーバ(5)は、前記パッケージ(2)から前記ベース製品(7)の取り出し前、取り出し中、及び/又は取り出し後に、破壊されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記リザーバ(5)はカプセルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記香りのよい配合物が、前記ベース製品(7)と不適合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのリザーバ(5)内に含有された少なくとも1つの香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)への前記ベース製品(7)の取り出しの開始より前に、前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのリザーバ(5)内に含有された少なくとも1つの第1の香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)への前記ベース製品(7)の取り出しの開始より前に、前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放され、且つ少なくとも1つの他のリザーバ(5)内に含有され、前記第1の香りのよい配合物と同一である、又は前記第1の香りのよい配合物と異なる、少なくとも1つの第2の香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)へのベース製品の決定された量の取り出し中に任意の瞬間で前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのリザーバ(5)内に含有された少なくとも1つの香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)へのベース製品(7)の所望される量の取り出し中に、任意の瞬間で、前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの一のリザーバ(5)内に含有された少なくとも1つの第1の香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)への前記ベース製品(7)の取り出し中に、任意の瞬間で前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放され、
少なくとも1つの他のリザーバ(5)内に含有され、前記第1の香りのよい配合物と同一である、又は前記第1の香りのよい配合物と異なる、少なくとも1つの第2の香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)への前記ベース製品(7)の所望される量の取り出しの終了後で、前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのリザーバ(5)内に含有された少なくとも1つの香りのよい配合物は、前記パッケージ(2)から前記装置(1)への前記ベース製品(7)の所望される量の取り出しの終了後で、前記リザーバ(5)を壊すことによって前記装置(1)内で開放されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ベース製品(7)は、有効薬剤成分、薬剤配合物、薬剤、又は化粧成分を含有している、あるいは、前記ベース製品(7)は食品、農業関連製品、栄養補助食品の製品、又は低カロリー製品である、あるいは、前記ベース製品(7)は衛生製品である、又は、前記ベース製品(7)は植物薬剤成分又は殺虫剤を含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
装置(1)及びパッケージ(2)であって、
前記装置(1)は、少なくとも1つのリザーバ(5)を備え、前記リザーバ(5)はコア及び壊すことができるケースを備え、前記コアは香りのよい配合物を含有し、前記装置(1)は、その一方の端部に雌型部分(4)と他方の遠位端部に前記配合物の取り出しのためのオリフィス(8)とを有しており、
前記パッケージ(2)は、ベース製品(7)と、前記ベース製品の取り出しのためのオリフィス(3)と、を備えており、前記オリフィス(3)は、前記装置(1)の前記雌型部分(4)に適合可能である雄型の末端部からなり、
前記装置(1)を、前記パッケージ(2)の前記オリフィス(3)に取り外し可能に配置したことを特徴とする装置(1)及びパッケージ(2)
【請求項11】
前記リザーバ(5)がカプセルであることを特徴とする請求項10に記載の装置(1)及びパッケージ(2)。
【請求項12】
前記装置(1)は、前記ベース製品(7)と香りのよい配合物を混合するための手段を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の装置(1)及びパッケージ(2)。
【請求項13】
前記ベース製品(7)は有効薬剤成分、薬剤配合物、又は薬剤を含有する、あるいは、
前記ベース製品(7)は化粧成分を含有する、あるいは、
前記ベース製品(7)は食品、農業関連製品、栄養補助食品の製品、又は低カロリー製
品である、あるいは、
前記ベース製品(7)は衛生製品である、あるいは、
前記ベース製品(7)は植物薬剤製品又は殺虫剤を含有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置(1)及びパッケージ(2)。
【請求項14】
前記装置(1)は、使い捨て装置(1)であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の装置(1)及びパッケージ(2)。
【請求項15】
異なる香りのよい配合物を有する単一のパッケージ内に含有されたベース製品に連続的に芳香を与えるための方法であって、
請求項10〜14のいずれか一項に記載の第1の装置(1)は、第1の香りのよい配合物を備え、前記パッケージに適合され、ベース製品の第1の適用量は、取り出され、
請求項10〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2の装置(1)は、第2の香りのよい配合物を備え、前記第1の装置(1)の取り外しの後で前記パッケージに適合され、前記ベース製品の少なくとも1つの第2の適用量が取り出されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香、香気、及び香りの分野に関し、より具体的には、最初にパッケージ内に含有された、ベース製品から芳香を与えるように、又は香りをふりまくように設計された香気のある配合物又は香りのよい配合物の新しい伝達に関する。
【0002】
その最終的な包装の前に、ベース製品は芳香を与えることができない、いくらかの状態が存在する。例えば、ベース製品は、香気のある配合物又は香りのよい配合物と不適合であり、又はベース製品と香気のある配合物又は香りのよい配合物との混合はベース製品の安定性に逆に影響を及ぼす。あるいは、香気のある配合物又は香りのよい配合物は不安定である。あるいは、医薬品であり、化粧品であり、又は味のためのかなり単純である理由に対して、包装されたベース製品の全体が芳香を与える、又は香りをふりまくことは、所望されていない。
【0003】
例えば、化粧品において、髪染めの配合物内に含まれるアンモニアのにおいは、覆い隠されることを必要とする不快なにおいである。髪用の着色剤は、2つの調剤からなり、これらの2つの調剤は、使用する直前に、即座に混合されるように設計される。第1の調剤は、アンモニア又はアミノ化されたアルカリ性の薬剤などのアルカリ性の薬剤であり、髪を膨脹することを可能にし、色素の浸透を手助けする。第2の調剤は、例えば過酸化水素などの酸化薬剤を含有する。特に、アンモニアの極度の揮発性のために、この不快なにおいのマスキングは困難であり、(例えば、特許文献1に見られる)多くの研究の主題である。さらなる困難さは、このアンモニアのにおいを覆い隠すのに適当な芳香が、必ずしも問題になっているアンモニアを含有している配合物のアルカリ性に適合性のあるとはかぎらない、且つ、この不適合性が、アンモニアのにおいを覆い隠すことをさらに難しくしているという事実から生じる。特許文献2は、酸化された薬剤がアンモニアのにおいを覆い隠すことを可能にし、且つアンモニアを含有する配合物と即座に混合されるように、過酸化水素配合物に取り入れたアンモニアで不安定である、においを添加する薬剤を提案する。
【0004】
農業関連製品において、快適な香気を作り出す、または快適な香気を増加させる、あるいは、製品に対する新鮮さの香気をつけるために、製品に香りをふりまくことは、しばしば所望される。例えば、特許文献3は、芳香のしみ込んだ合成材料で成型されたセグメントを含む飲料用カップを記載し、カップが芳香を拡散するので、使用者が飲む場合に、使用者は香気を察知する。
【0005】
一般的に、先行技術は、においを覆い隠すために、不快なにおいを有する配合物とマスキング剤との間の均一な混合を生み出すことを推奨する。発明者は、驚いたことに、においのマスキング、特に非常に揮発性の高いにおいのマスキングは、ベース製品と均一に混合された同一の薬剤の援助よりむしろ、ベース製品を有するその非均一な混合を通じて、使用可能なマスキング剤の援助と共に、使用者の味覚受容器又は嗅受容器をだますことによってより効果的であることを今は示されている。
【特許文献1】欧州特許第1346720号明細書
【特許文献2】特開2004−067598号公報
【特許文献3】欧州特許第1056660号明細書
【特許文献4】欧州特許第1455596号明細書
【特許文献5】国際特許出願第PCT/EP05/09226号パンフレット
【特許文献6】国際特許出願第PCT/EP05/09227号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特に、使用者のベース製品によって発生された嗅覚又は味覚を覆い隠す、又は調整することである。
【0007】
本発明の目的はまた、パッケージ内に含有された残りの製品に芳香を与えることなく、パッケージ内に含有されたベース製品の所望される量に芳香を与える、又は香りをふりまくことを可能にさせることである。本発明の他の目的は、異なる香気、又は芳香、又は香りを有するパッケージから取り出されたベース製品の少量に連続的に芳香を与える、又は香りをふりまくことを可能にさせることである。
【0008】
本発明の他の目的は、芳香又は香りを有するベース製品に芳香を与える、及び/又は、香りをふりまくことを可能にさせることであり、前記芳香又は香りは、一般的に、前記ベース製品と不適合であると考えられる、又はベース製品で不安定になる、又はベース製品を不安的にさせる。
【0009】
本発明の特定の目的は、芳香を使用することによって、頭髪用製剤のアンモニアの臭い、好ましくは、永続的な頭髪用製剤のアンモニアのにおいを覆い隠す、又は隠すことであり、この芳香は、頭髪用製剤の配合物を備えている、2つのベースの一方のベース及び/又は他方のベースで不安定になる、又は一方のベース及び/又は他方のベースと不適合である。
【0010】
本発明の技術的意義の範囲内において、“不安定な”は、ベース製品との前記芳香又は香りの均一な混合が前記混合の感覚刺激の特性の重大な変異を結果として生じることを意味する。
【0011】
本発明の技術的意義の範囲内において、“不適合”は、香気のある配合物又は香りのよい配合物が、化学的な理由に対してベース製品と共存することができないことを意味する。例えば、物理学上の理由のために、共存が香気のある配合物又は香りのよい配合物の構造的な調整、又はベース製品の構造的な変異を含むので、又は、例えば、感覚刺激の理由のために、共存がベース製品の所望されていない溶解度の変化又は流体力学的な変異を含むので、特に、嗅覚的又は味覚的に所望されていない損害を与える製品の可能な形態なので、ベース製品と共存することができないことを意味する。
【0012】
本発明の技術的意義の範囲内において、パッケージは、ベース製品がその内部に蓄積されることができる受容部を意味し、その受容部から、ベース製品が、特に伝達末端部によって、パッケージの使用のために取り出され、搾り出され、取得され、又は注入されることができることを意味する。有利には、パッケージは、ボトル、特に製品を取り出すために手で押圧されることができる可撓性を有するボトル、シリンジ、チューブ、エアロゾル、又はポンプである。有利には、パッケージは、“エアレス”タイプ又はSEMIKIT(登録商標)というブランドの下で市場に供給されるタイプの装置、又はMixpacによって市場に供給されるMixpac(登録商標)System25というタイプのパッケージ、あるいは当業者が採用することができる任意のパッケージである場合がある。
【0013】
本発明の技術的意義の範囲内において、ベース製品は、特に芳香を与えられるべき製剤、又は香りをふりまかれるべき製剤、そのにおいが覆い隠されなければならない製剤を意味し、前記製剤は、流体の形態、特にクリーム、ミルク、ローション、ジェル、軟膏剤、外用薬、エマルジョン、ガス、固体分散体、液体分散体である場合があることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
それ故に、本発明は、ベース製品によって使用者に発生される嗅覚又は味覚を覆い隠す、又は改変するための方法であって、香気のある配合物又は香りのよい配合物がベース製品の開放に対して、時間とともに、順番に配列された方法で開放され、前記香気のある配合物又は香りのよい配合物が、所望される瞬間に前記香気のある配合物又は香りのよい配合物を開放することが可能である、少なくとも1つの壊すことのできるリザーバ内に含有されていることを特徴とする方法に関する。有利には、このリザーバは、壊すことのできるケースと、前記香気のある配合物又は香りのよい配合物を備えている、又は前記香気のある配合物又は香りのよい配合物からなるコアと、を備えており、それ故に、ケースが揮発性の前記香気のある配合物又は香りのよい配合物をカプセルに包み、ケースが壊された場合に前記香気のある配合物又は香りのよい配合物が開放される。有利には、好ましくは以下に規定されるように、このリザーバはカプセルである。
【0015】
本発明の特定の実施形態よれば、コアを形成し、ケース内にカプセルを包まれた前記香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品を不安定にする、及び/又はベース製品と不適合である。
【0016】
ベース製品の開放は、時間とともに広がることが可能であるプロセスである。本発明の好ましい実施形態によれば、ベース製品の決定された量は開放される。決定された量は、本明細書のこれ以降、“適用量”という言葉によって示されることができる。
【0017】
ベース製品の開放は、そのパッケージから、ベース製品の取り出し、又はベース製品の適用量の取り出しを意味する。
【0018】
本発明による方法の第1の実施形態によれば、少なくとも1つのリザーバ内に含有された少なくとも1つの香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放の開始の前に開放される。
【0019】
本発明による方法の第2の実施形態によれば、少なくとも1つの第1のリザーバ内に含有された少なくとも1つの第1の香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放の開始より前に前記リザーバを壊すことによって開放され、且つ、前記第1の配合物と同一である、又は前記第1の配合物と異なる、少なくとも1つの第2の香気のある配合物又は香りのよい配合物は、少なくとも1つの他のリザーバ内に含有され、前記ベース製品の決定された量の開放中に、任意の瞬間で前記リザーバを壊すことによって開放される。
【0020】
本発明による方法の第3の実施形態によれば、少なくとも1つのリザーバ内に含有された少なくとも1つの香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の所望される量の開放中に任意の瞬間で、前記リザーバを壊すことによって開放される。
【0021】
本発明の方法の第4の実施形態によれば、少なくとも1つのリザーバに含有された第1の香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放中に任意の瞬間で前記リザーバを壊すことによって開放され、且つ、前記第1の配合物と同一である、又は前記第1の配合物と異なる、少なくとも1つの第2の香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の所望される量の開放後に、前記リザーバを壊すことによって開放される。
【0022】
本発明による方法の第5の実施形態によれば、少なくとも1つの香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放後に開放される。
【0023】
本発明の技術的意義の範囲内で、“ベース製品の開放より前に”との記載は、ベース製品の開始に先行する時間遅れに関し、0.5秒〜15秒、好ましくは、0.5秒から5秒、より好ましくは、0.8秒から2秒の時間遅れに関する。
【0024】
本発明の技術的意義の範囲内で、“ベース製品の開放中”との記載は、ベース製品のある程度の適用量、又は全ての適用量の開放のために必要な時間遅れに関する。
【0025】
本発明の技術的意義の範囲内で、“ベース製品の開放後で”との記載は、ベース製品の開放の終わりに続く時間遅れに関し、0.1秒から15秒、好ましくは0.5秒から5秒、より好ましくは0.8秒から2秒の時間遅れに関する。
【0026】
本発明の第1の実施形態によれば、本発明によるベース製品は、少なくとも1つの主有効薬剤成分、薬剤配合物、又は薬剤を含有する。
【0027】
本発明の第2の実施形態によれば、ベース製品は、少なくとも1つの有効化粧成分を含み、好ましくは、化粧用のケアクリーム、シャンプータイプの頭髪用製品又は髪染め製品、又は脱毛性クリームタイプの脱毛目的のための製品である。
【0028】
第3の実施形態によれば、ベース製品は、食品、農業関連製品、栄養補助食品(nutraceutical)の製品、又は低カロリー製品、好ましくは、ヨーグルト、ソース又は飲み物である。
【0029】
第4の実施形態によれば、ベース製品は、衛生製品であり、特に個人用の衛生製品であり、特に口内の衛生製品、家庭内の衛生製品又は工業用の衛生製品、特に洗剤、織物柔軟剤、又は殺菌剤である。
【0030】
第5の実施形態によれば、ベース製品は、殺虫剤製品、又は有効植物薬剤成分(phytopharmaceutical ingredient)である。
【0031】
本発明はまた、上記の方法を適用するための装置に関する。
【0032】
特定の実施形態によれば、本発明の目的は、リザーバ内に含有される香気のある配合物又は香りのよい配合物であって、前記配合物は、パッケージ内に含有された、いくつかのベース製品又は全てのベース製品に芳香を与える、又は香りをふりまくように設計されている香気のある配合物又は香りのよい配合物と、前記ベース製品の所望される量を開放する前に、前記ベース製品の所望される量のいくつか又は全ての開放前及び開放中に、ベース製品の所望される量のいくつか又は全ての開放中に、ベース製品の所望される量の開放中及び/又は開放後に、前記リザーバを破壊する任意の適切な手段と、を備えている装置である。
【0033】
有利には、装置は、パッケージから取り出された、いくつかのベース製品又は全てのベース製品に芳香を与える、又は香りをふりまくように設計された香気のある配合物又は香りのよい配合物を備え、前記装置は、前記パッケージから前記ベース製品の取り出しのためのオリフィスに適合可能であり、互いに必要ならば混合される、ベース製品との香気のある配合物又は香りのよい配合物を開放するためにオリフィスを備え、少なくとも1つのリザーバ(5)内に含有された前記香気のある配合物又は香りのよい配合物を備えている。
【0034】
本発明の技術的意義の範囲内で、パッケージからの取り出しのためにオリフィスに適合されることができる装置は、パッケージからの取り出しのためのオリフィスの構造と適合可能な適合手段、特に、ねじ型適合手段、クリップ留め手段、接着手段、連動手段、圧着手段を備える装置を意味する。
【0035】
有利には、本発明による装置は、パッケージからベース製品の取り出しのためにオリフィスに適合されることができ、香気のある配合物又は香りのよい配合物の少なくとも1つのリザーバを含むことができる末端部である。特定の実施形態によれば、本発明の装置は、前記装置が、その端部のうちの一方の端部で、雄型の末端部からなるパッケージの取り出しのためのオリフィスに適合されることができる雌型部分と、他の遠位の端部で、揮発性の香気のある配合物又は香りのよい配合物及びベース製品の取り出しのためのオリフィスと、を備え、必要ならば互いに混合されることを特徴とする。
【0036】
有利には、本発明の装置内に含まれた各リザーバは、壊すことのできるケース、及び前記揮発性の香気のある配合物又は香りのよい配合物を備える、又は前記香気のある配合物又は香りのよい配合物からなるコアを備えており、香気のある配合物又は香りのよい配合物は、このケースを壊すことによって開放される。好ましくは、リザーバのケースは、1kg以上の圧力で壊され、好ましくは1kgから2.5kgまでの間の圧力で壊される。
【0037】
好ましくは、リザーバ(5)は、リザーバ(5)とパッケージから取り出されたベース製品(7)との接触状態に配置することによって壊されるか、又は、本発明の装置内に含まれる、又は含まれないケースを壊すための手段の動作によって壊される。
【0038】
第1の実施形態によれば、リザーバのケースの破損は、リザーバとパッケージから取り出されたベース製品との接触状態に配置することから生じる。この実施形態において、ケースは、ベース製品によって、化学的作用によって、又はベース製品のパッケージの効果の下で、壊される。
【0039】
第2の実施形態によれば、ケースは、装置の使用者によって手動で破壊され、次いで、リザーバの破損は、リザーバに使用者によって作用された機械的な動作から生じる。
【0040】
第3の実施形態によれば、ケースは、ケースを壊すための手段、本発明の装置内に含まれている前記壊すための手段によって壊される。本発明の特定の実施形態によれば、この壊すための手段は、例えば、ピストンで作動されたニードルタイプである場合があり、又は任意のタイプ、特にせん断手段タイプであり、好ましくは、スタティックミキサータイプ、バッフルタイプ、収束手段タイプ、接着剤コーティングタイプ、接合タイプである場合がある。
【0041】
本発明の一の実施形態によれば、本発明の装置は、そのパッケージからベース製品を取り出すことを可能にさせるオリフィスに適合されることができる。
【0042】
有利には、本発明の装置は、前記香気のある配合物又は香りのよい配合物及びベース製品を開放するための方法を備え、ベース製品とともに前記香気のある配合物又は香りのよい配合物を混合するための手段を選択的に備える。有利には、この開放手段は、パッケージからの取り出しのためにオリフィスに適合されることができる、その端部に対して、装置の遠位端部に位置する抽出オリフィスである。
【0043】
特定の実施形態によれば、発明の装置は、少なくとも1つの香気のある配合物又は香りのよい配合物及びベース製品の順番に配列された開放のための装置であり、前記香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放の開始より前に、開放される。この実施形態において、装置内に含まれたリザーバのうちの少なくとも1つは、製品が使用者に伝達される前に、壊される。この実施形態は、ベース製品の使用者がベース製品のにおい又は香りとの接触状態になる前に、揮発性の製品を開放するという利点を有し、それ故に、使用者のこの第1の嗅覚又は味覚は、壊されたリザーバの内容物によって提供されるものである。この実施形態の好ましい変形実施形態において、装置は、ベース製品と香気のある配合物又は香りのよい配合物を混合するための手段を備えていない。
【0044】
第2の特定の実施形態によれば、香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放の開始より前に開放され、同様にベース製品の開放中に開放される。この実施形態において、装置内に含まれたリザーバのうちの少なくとも1つのリザーバは、製品が使用者に伝達する前に、機械的動作によって、又はリザーバのケース上にベース製品の化学的作用によって壊される。この実施形態において、使用者の第1の嗅覚又は味覚は、第1の壊された1つのリザーバ又は複数のリザーバの内容物によって提供されるものであり、この感覚は、他のリザーバの破損によってベース製品のいくつかの開放又は全ての開放中に長引かせ、それらによって、芳香を与えることもなく香りをふりまくこともない前記ベース製品の開放によって発生されるであろう感覚を覆い隠す。
【0045】
第3の特定の実施形態によれば、香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の香り又は風味を覆い隠す直接的な作用のために、ベース製品の開放中に、少なくとも1つのリザーバを壊すことによって開放される。この実施形態の好ましい変形実施形態において、装置は、ベース製品と香気のある配合物又は香りのよい配合物を混合するための手段を備えている。
【0046】
第4の特定の実施形態によれば、香気のある配合物又は香りのよい配合物は、ベース製品の開放中に開放され、少なくとも1つのリザーバは、ベース製品の所望される量の開放の終わりの後で、破壊される。この実施形態は、ベース製品の香り又は風味を直接的に覆い隠すという利点を有し、装置内に含有された香気のある配合物又は香りのよい配合物とともに、使用者の嗅覚又は味覚を延長することによってこの覆い隠す作用を持続するという利点を有する。
【0047】
第5の特定の実施形態によれば、リザーバはベース製品の開放の前又は開放中に破壊されることはなく、少なくとも1つのリザーバは、ベース製品の所望される量の開放の終わりの後で、破壊される。この実施形態は、装置内に含有された香気のある配合物又は香りのよい配合物とともに使用者の嗅覚又は味覚を調整する、又は欺くという利点を有する。この第5の実施形態は、アンモニアを含有するベース製品のにおいをマスキングために、特に好ましい。この実施形態において、ベース製品は、リザーバのケースを化学的に破壊する可能性はない。
【0048】
1つの実施形態によれば、香気のある配合物又は香りのよい配合物は、不安定であり、及び/又はベース製品(7)と不適合である。
【0049】
最終的に、本発明の主題は、明細書の先に記載された方法によって得られた製品であり、前記製品は、ベース製品及び香気のある配合物又は香りのよい配合物の、混和ではなく、不均一な混合を備えており、ベース製品及び香気のある配合物又は香りのよい配合物は、適合又は不適合であることを特徴とする。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の装置は使い捨ての装置(single-use device)である
【0051】
本発明のさらなる主題は、移動可能な方法又は移動不可能な方法で、ベース製品のパッケージ上に配置された装置である。
【0052】
最終的に、本発明の主題は、異なる香気のある配合物又は香りのよい配合物を有する単一のパッケージ内に含まれたベース製品(7)に連続的に芳香を与える、又は香りをふりまくための方法であって、本発明による単一の第1の装置(1)は、第1の香気のある配合物又は香りのよい配合物を備え、パッケージに適合され、ベース低品の第1の適用量が取り出され、次いで、本発明による少なくとも1つの第2の装置(1)は、第2の香気のある配合物又は香りのよい配合物を備え、前記パッケージに適合され、第1の装置(1)の除去の後で必要なれば、前記ベース製品の少なくとも1つの第2の適用量が取り出されることを特徴とする方法である。
【0053】
本発明の技術的範囲内では、カプセルは、そのサイズ又はその大きさにかかわりなく、リザーバ又は香り又は香気のある配合物を蓄積するための方法として役に立つ任意の装置を意味する。有利には、“カプセル”との用語は、ケース及びコアを備えている装置に関する。好ましくは、ケースの厚さは、約30μmと約100μmとの間にあり、より好ましくは50μmから65μmである。好ましくは、ケースは、カプセルの重量の2%から30%までを示し、好ましくは2.5%から20%であり、有利には3%から8%である。カプセルのコアは、香りの配合物、香気のある配合物、又は香りのよい配合物を備え、好ましくは、疎水性の分子、エタノールの部分的に可溶性の分子、又は水/オイルのエマルジョン、オイル/水のエマルジョン、又はオイル/水/オイルのエマルジョンの形態で配置された分子の混合物からなる。好ましくは、コアは、香気のある配合物からなり、特に香気のあるテルピンベース又はセスキテルペンベースの炭化水素であり、より具体的には、様々な形態の、揮発性油、アルコール、アルデヒド、フェノール、カルボン酸、エーテル、及び香気のあるアセタール、亜硝酸の複素環、ケトン、硫黄、香気のあるジスルフィド及びメルカプタンである。コアは、把握された用途に依存して、1つ又は複数の分子又は化粧品、医薬品、食品、又は他の使用のためのエキスを備えることができる。本発明の特定の実施形態によれば、カプセルのコアは、トリグリセリド(triglyceride)、特に、オクタン酸及びカプリン酸のトリグリセリドを備える溶媒を含有し、オリーブ、ヒマワリ、トウモロコシ、ピーナッツ、グレープシード(grapeseed)、麦芽油、鉱物油(mineral oil)、シリコーン油などの植物油タイプのトリグリセリドの混合物を含有する。本発明によって使用されたカプセルのコア内の親油性の溶剤の量は、カプセルの重量の0.01%から90%の程度であり、好ましくは、25%から75%までの程度である。コアはまた、ダマールガムタイプ、エステルガムタイプの樹脂、酢酸スクローススイソブチレート(SAIB)(saccarose acetoisobutyrate)又は臭素化された植物油などの香気のあるエマルジョンで使用される場合に1つ又は複数の重量と称される薬剤を備える。それらの重量の機能は、液状のコアの密度を調整することである。コアはまた、1つ又は複数の甘味剤を備え、この甘味剤は、エタノールにおける溶液又は浮遊物の形態で提供されることができる。これらには限らないが、これらは、アスパルテーム、NHDC、スクラロース、アセスルファム、ネオテーム(neotame)を含む。コアはまた、1つ又は複数の知覚と称される香気のある薬剤を備え、知覚は、口内のリフレッシュ効果又はホット効果(hot effect)のどちらかを提供する。それらは、特にリフレッシュ薬剤として含まれ、コハク酸メンチル(menthyl succinate)及びその派生物を含み、より具体的には、出願人によって市場に供給されたPhyscool(登録商標)を含む。言及は、バニリルエチルエーテル(vanillyl ethyl ether)のとしてホット効果としされる。本発明はまた、カプセルという用語において、直径数ミリメーター又は直径数ミクロンの球状のカプセル及び非球状のカプセルを含む。本発明によって使用されたカプセルは、好ましくは、感触が硬く、機械的力の効果の下又は化学的破壊の手段の効果の下で破壊されることができる。好ましくは、本発明によるカプセルは、約1kg/cmから約5kg/cmまでの硬さを有する。一の実施形態によれば、本発明により使用されるカプセルは、球状、又は略球状であり、好ましくは完全な球状である。カプセルは、変更可能な直径を有し、好ましくは1mmから7mmまでの直径を有する。この直径は、使用用途に依存して、当業者によって容易に選択されることができる。好ましい実施形態において、本発明によるカプセルは、変更可能であり、好ましくは0.5mgから170mgまでである。好ましい実施形態において、本発明によるカプセルは、4.5mmから5.5mmまでの直径を有し、45mgから80mgまでの重量を有する。好ましい実施形態によれば、カプセルは、特許文献4に開示されるので、参照により本明細書に含まれる。他の実施形態によれば、本発明による装置内に使用さえるカプセルは、ジュラン(gellan)、ゼラチン、又は任意の適切な材料を含むケースを有するカプセルであり、好ましくは特許文献5に記載されたようなカプセルであり、揮発性の香気のある配合物又は香りのよい配合物から形成されるコアを含むカプセルである。さらに他の実施形態によれば、本発明による装置内に使用されたカプセルは、特許文献6に記載された種類のカプセルであり、有利にはカプセルのケースはエチルセルロースタイプの被膜とともに覆われる。
【0054】
本発明は、以下の詳細な例示を読むことでより理解されることができ、限定しない方法で、本発明の特定の実施形態を図示し、図1に対して読まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明による装置1は、任意の形状を有し、図1の図形表示に限定されるものではなく、リザーバ5を備えている。図1の実施形態において、それらのリザーバは、ケーシング6及び、香気のある配合物又は香りのよい配合物から成るコアから成るカプセルである。
【0056】
ベース製品7は、パッケージ2内に位置する。このパッケージ2は、その使用の目的のためにベース製品を伝達することが可能な、引き抜きオリフィス3(extraction orifice)又は先端部材を備える。装置1は、引き抜きオリフィス3に適合できる端部4を備えている。使用者は、先端部材3に装置1を手動で適合することができる。本発明の特定の実施形態によれば、図示されていないが、装置1は、ベース製品の使用より前に先端部材3に取り付けられる。
【0057】
ベース製品を伝達するのに必要な操作を実行する場合、使用者は、装置1が先端部材3上に配置され、先端部材3を介してパッケージ2からベース製品7を搾り出す。先端部材3を通じて搾り出された製品は、カプセル5と接触する状態になる。カプセルは、砕けるために十分な圧力でカプセル5と接触する状態である使用者によって推進されるベース製品7の機械的動作を受けて砕ける、又はベース製品によるケーシングの可溶化の化学的効果を受けて砕ける、又は装置内に存在する破壊手段の効果を受けて砕ける、又は装置上で使用者の機械的圧力の効果を受けて砕ける。いくつかのカプセル5又は全てのカプセル5は、砕けることができる。カプセル5は、同時に又は連続的に砕けることができる。カプセルが砕けた場合、カプセルは、カプセルが含有する香気のある配合物又は香りのよい配合物を開放し、ベース製品7と混合することができる。本発明の特定の実施形態において、図示されていないが、装置1は、ベース製品及び香気のある配合物又は香りのよい配合物を混合する手段を備え、前記混合手段は、混合要素を備える。混合要素の数及び大きさに依存して、多かれ少なかれ均一な混合は得られ、当業者が有効範囲の所望される効果又は芳香を与えることの所望される効果を得ることができる。
【0058】
[例示1]
混合要素を供給する、MIXPAC Systemsによって市場に供給されたポリプロピレンから製造されるMA STATOMIXタイプの単純な差込型のスタティックミキサー(static mixer)は、使用される。MANEによって市場に供給された破壊可能なカプセルを、所望される量、すなわち、商業用の混和製品で使用された適用量と等しい芳香の適用量を得るために十分な量を受け入れさせることが可能なように、混合要素は切断される。この適用量の同一化は、当業者の能力の範囲内である。
【0059】
髪染め製品は、l’Oreal Paris(登録商標)のExcellence Creme(登録商標)という製品のためにl’Oreal(登録商標)によって、又は、Schwartzkopf Vision Color Relief(登録商標)のためのHenkelによって、あるいは、Perfect Blondes(登録商標)のためのClairolによって、又は、Eugene Color(登録商標)又はKeranove(登録商標)のためのEugene Permaによって、及びGatsby(登録商標)のためのMandomによって、市場に供給される種類の切断可能なキャップを有する可撓性を有するプラスチック製のボトル内に用意される。髪染め製品は、一方でアンモニアを含有するベースと、他方で酸化部分を混合し、次いで、混合物を攪拌することによって得られる。切断可能なキャップは切り落とされ、次いでボトルは、髪染め混合物が製造されるベース製品のパッケージになる。伝達する前に、カプセルを供給されたスタティックミキサーは、それ故に開口された末端部に適合する。
【0060】
ベース製品の混合は、前記ボトルの壁部上の圧力によって、可撓性を有するプラスチック製のボトル又はボイリングバッセル(boiling vessel)から搾り出される。混合は、スタティックミキサー内でカプセルとの接触する状態になる。製品の圧力下において、カプセルは、製品が通過する場合に連続的に砕ける。ベース製品とカプセルによって開放された液状の芳香とは、混合要素によってせん断され、次いで搾り出される。
【0061】
[例示2]
香気のある配合物又は香りのよい配合物を含有しているカプセルを供給する、MIXPAC Systemsによって市場に供給されたポリプロピレンから製造されるMA STATOMIXタイプのスタティックミキサーは、50mlの2つの区画からなるカートリッジに取り付けられたMIXPAC SystemsのS25ピストル(S25 pistol)の末端部に適合される。配合のそれぞれの部分はその区画内に存在し、(ツイストロックで)装置に接続するのに十分であり、選択されたカートリッジに対応するボタンに取り付けられたピストル内にカートリッジを導入するのに十分である。ピストルのトリガー上の圧力は、ピストンを作動させ、このピストンは、本発明の装置内に配合の2つの部分を噴射する。ピストルの使用によって提供された利点は、非常に粘性の高いベースを有する製品を使用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明による装置1及びベース製品のパッケージ2の側面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 装置
2 パッケージ
3 先端部材(オリフィス)
4 端部
5 リザーバ(カプセル)
6 ケーシング
7 ベース製品
8 オリフィス
図1