(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射偏光板は、前記保護層の表面から突出して前記液晶表示パネル及び前記反射偏光板が直接的に接触することを防止する突出部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
前記マイクロファイバーは線形の形状を有し、前記マイクロファイバーは、第1方向に延長され、前記第1方向に屈折率異方性を有し、前記保護層は、光を透過させることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
前記マイクロファイバーは、第1方向に延伸された線形の形状を有し、前記第1光学部材は、前記第1方向に屈折率異方性を有し、前記第2光学部材は、前記第1方向と垂直な第2方向に延伸された線形の形状を有し、光を透過させることを特徴とする請求項12の記載の液晶表示装置の製造方法。
前記第1光学部材、前記第2光学部材、前記上部保護層、及び前記下部保護層をプレスすることにより、前記第2光学部材、前記上部保護層、及び前記下部保護層が溶融されて一体化され、前記第1光学部材は、前記上部保護層と前記下部保護層との間に残り、前記第2光学部材がプレスされた後に、前記第2光学部材は、前記第2光学部材が有する初期形状と異なる形状を有する中間層に変化し、前記中間層は等方性屈折率を有し、前記上部保護層と前記下部保護層との間に満たされることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。上述の本発明の目的、特徴及び効果は、添付の図面及び実施形態を通じて容易に理解されることができる。ただし、本発明は、ここで説明する実施形態に限定されず、多様な形態に応用、または変形されることもできる。むしろ下の実施形態は、本発明によって開示された技術思想をより明確にし、更に本発明が属する分野で平均的な知識を持つ当業者に本発明の技術思想を十分に伝達するために提供される。したがって、本発明の範囲が後述の実施形態により限定されると解釈されてはいけない。一方、下記の実施形態と共に提示された図面は、明確な説明のために簡略化、または誇張されており、図面上に同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図であり、
図2は、
図1のI−I’に沿って切断した部分を示す断面図である。
【0016】
図1及び
図2を参照すると、液晶表示装置500は、光を発生するバックライトアセンブリ200と、バックライトアセンブリ200から光が供給されて映像を表示する液晶表示パネル400とを含む。
【0017】
バックライトアセンブリ200は、複数のランプ50と、反射板80と、ランプ50及び反射板80を収納するボトムシャーシ310と、拡散板120と、複数の光学シート130と、反射偏光板140とを含む。反射板80、ボトムシャーシ310、拡散板120、光学シート130、及び反射偏光板140は、
図1及び
図2に示すように、一体型であってもよい。
【0018】
ランプ50のそれぞれは、線光源(line light source)の形状を有してもよく、ランプ50は、一定の間隔を空けて反射板80上に配列され、反射板80とオーバーラップする。ランプ電極線(lamp electrode line)52は、ランプ50のそれぞれの電極と接続され、インバータ(図示しない)から発生する電源を、ランプ電極線52を通じてランプ50に供給する。
【0019】
本発明の他の実施形態によると、ランプ50は、発光ダイオード、(Light Emitting Diode、LED)または有機発光素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)などの点光源であってもよい。しかし、ランプ50の種類は、これに限定されない。
【0020】
また、本発明の一実施形態によると、バックライトアセンブリ200は、直下型として、ランプ50は、液晶表示パネル400の下部に配置され、平面上で液晶表示パネル400とオーバーラップするように配置されてもよい。しかし、本発明の一実施形態と異なり、液晶表示装置500は、エッジ型バックライトアセンブリ(図示しない)及びその他の構造を有するバックライトアセンブリを含んでもよい。
【0021】
反射板80は、ポリエチレンテレフタレート、(Polyethylene Terephthalate、PET)またはアルミニウムのように光を反射する物質を含み、反射板80は、ボトムシャーシ310の底部上に具備され、ボトムシャーシ310の底部とオーバーラップする。ランプ50から発生し、液晶表示パネル400の側に進行せずに反射板80の側に到達した光は、反射板80により反射されて液晶表示パネル400の側に供給することができる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置500は、液晶表示パネル400の下部に配置されるランプ50を含む。しかし、ランプ50の配置位置は、変更されてもよい。より詳細には、ランプ50の配置位置は、ボトムシャーシ310の側壁のうちの少なくともいずれか1つの内側面に隣接して具備されてもよい。ランプ50が、側壁のうちの少なくともいずれか1つの内側面に隣接して具備される場合に、バックライトアセンブリ200は、導光板(図示しない)をさらに含んでもよく、ランプ50は、導光板の側部に位置し、ランプ50から発生する光を液晶表示パネル400の側にガイドしてもよい。
【0023】
拡散板120は、ランプ50の上部に配置され、平面上でランプ50とオーバーラップして、光を拡散させる。その結果、ランプ50から発生した光を、拡散板120により液晶表示パネル400側に均一に供給することができる。
【0024】
光学シート130は、拡散板120の上部に配置され、平面上で拡散板120とオーバーラップする。光学シート130は、拡散板120を透過した光を集光(condense)して正面輝度を向上させるプリズムシートと、拡散板120から出射された光を拡散させる拡散シートとを含んでもよい。
【0025】
光学シート130がプリズムシートを含む場合に、プリズムシートは、液晶表示パネル400と反射偏光板140との間に具備されてもよい。このとき、プリズムシートは、反射偏光板140の厚さが均一ではないことにより、反射偏光板140によって散乱される光を直接的に集光してもよい。これによって、液晶表示装置500の輝度を、向上させることができる。
【0026】
図1に示すように、反射偏光板140は、バックライトアセンブリ200と液晶表示パネル400との間に位置する。反射偏光板140は、光が振動する方向に沿ってランプ50から発生した光を透過、または反射させる。反射偏光板140の構造及び機能に対しては、
図3A及び
図3Bを参照してより詳細に説明する。
【0027】
液晶表示パネル400は、薄膜トランジスタが形成されている第1基板420と、第1基板420と対向する第2基板410とを含む。第1基板420は、複数の画素(
図4Bの415)を含み、複数の画素のそれぞれは、サブ画素(
図4Bの411、412、及び413)からなる。サブ画素411、412、413のそれぞれは、薄膜トランジスタ(図示しない)と薄膜トランジスタと電気的に接続される画素電極(
図4AのPE)とを含む。
【0028】
第2基板410は、サブ画素と一対一に対応して配置されるカラーフィルタ(図示しない)及び画素電極と電界を形成する共通電極(図示しない)を含む。その結果、第1基板420と第2基板410との間に介在する液晶(
図3Aの405)は、画素電極及び共通電極により形成される電界によってその方向子(director)の方向が変化し、第1基板420と第2基板410とを透過する光量が調節される。
【0029】
本発明の他の実施形態によると、サブ画素と一対一に対応して配置されるカラーフィルタは、第1基板420上に形成されてもよい。また、本発明の他の実施形態によると、第2基板410が、共通電極を含まず、第1基板420が共通電極を含んでもよい。第1基板420が共通電極を含む場合には、共通電極は、画素電極と共に水平電界(horizontal electrical field)を形成し、液晶の方向子の方向を調節する対向電極として機能してもよい。
【0030】
ボトムシャーシ310は、底部及び底部から延長された側壁を具備し、底部と側壁との間に収納空間を有し、収納空間に反射板80及びランプ50が収納される。ランプ50の上部には、拡散板120、光学シート130、反射偏光板140、及び液晶表示パネル400が順に配置され、トップシャーシ380は、液晶表示パネル400の縁部をカバーするようにボトムシャーシ310と連結される。
【0031】
図3Aは、反射偏光板の機能を説明する図であり、
図3Bは、
図3Aに示した反射偏光層の断面を拡大して示す図である。
【0032】
図3Aを参照すると、ランプ50の底面と対向して反射板80が配置され、ランプ50の上部には、拡散板120、光学シート130、反射偏光板140、及び液晶表示パネル400が順に配置される。
【0033】
反射偏光板140は、反射偏光層141と、反射偏光層141の上部面に具備される上部保護層145と、反射偏光層141の下部面に具備される下部保護層148とを含む。上部保護層145、反射偏光層141、及び下部保護層148は、
図1及び
図2に示すように、一体型に形成されてもよい。
【0034】
液晶表示パネル400は、薄膜トランジスタが形成されている第1基板420と、第1基板420と対向する第2基板410と、第1基板420と第2基板410との間に介在される液晶層405とを含む。また、液晶表示パネル400は、第1基板420の光の入射面に具備される第1偏光板428を含み、第2基板410の光の出射面に具備される第2偏光板418を含む。
【0035】
ランプ50から発生する光は、拡散板120と、光学シート130と、反射偏光板140とを順に透過して液晶表示パネル400側に供給される。反射偏光板140は、光が振動する方向に沿って光を透過、または反射させる。反射偏光板140が光を透過させる光軸は、第1偏光板428の透過軸(transmission axis)に対して平行であり、反射偏光板140が光を反射させる光軸は、第1偏光板428の吸収軸(absorption axis)に対して平行に配置されている。
【0036】
本発明の一実施形態によると、光の振動方向が互いに異なるP偏光(P−polarized light)及びS偏光(S−polarized light)を定義し、第1偏光板428及び反射偏光板140は、P偏光を透過させ、第1偏光板428は、S偏光を吸収し、反射偏光板140、特に反射偏光層141は、S偏光を反射する。ランプ50から発生する光は、多様な方向に振動する光を含むので、ランプ50から発生する光は、第1P偏光10と第1S偏光11とを含む。その結果、第1P偏光10は、順に反射偏光板140と、第1偏光板428とを透過し、液晶表示パネル400が映像を表示する際に使われるが、第1S偏光11は、反射偏光板140に含まれる反射偏光層141により反射され、反射板80に進行する第2S偏光12に変化する。
【0037】
一方、第2S偏光12が反射板80により反射され、再び反射偏光板140側に進行する時、第2S偏光12は、第2P偏光13及び第3S偏光14に分かれる。その結果、第2P偏光13は、第1P偏光10のように、反射偏光板140と第1偏光板428とを透過して液晶表示パネル400が映像を表示する際に使われ、第3S偏光14は、再び反射偏光板140が有する反射偏光層141により反射され、P偏光及びS偏光に分かれる。上述の反射偏光板140が光の振動方向に沿って光をフィルタリングする作業が繰り返され、その結果、反射偏光板140により第1偏光板428を透過して映像を表示する際に使われることができる光のみが液晶表示パネル400側に供給され、液晶表示パネル400の輝度を向上させることができる。
【0038】
反射偏光板140が上述の光学的特性を有する理由は、反射偏光板140は、屈折率等方性を有する媒質内に分散された屈折率異方性を有する複数のマイクロファイバーを含んでいるからである。具体的に、反射偏光板140が有する反射偏光層141は、特定方向に振動する直線偏光(linear polarized light)に対してのみ、媒質とマイクロファイバーとの屈折率の差によって反射現象を起こし、特定方向と異なる方向に振動する直線偏光は、透過させる。すなわち、反射偏光板140が有する反射偏光層141は、複数のマイクロファイバーを含むので、1つの層であっても複数のマイクロファイバーの境界による多層構造の効果を得ることができるので、反射偏光機能を向上させることができる。反射偏光板140の構造に対するより詳細な説明は、
図3Bを参照して説明する。
【0039】
図3Bを参照すると、上部保護層145及び下部保護層148は、反射偏光層141の上下表面全体をカバーする。上部保護層145及び下部保護層148は、屈折率等方性を有し、光を透過する物質を含んでもよい。本発明の実施形態では、上部保護層145及び下部保護層148は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート、(Polyethylene terephthalate、PET)またはPETとPCの共重合体であるCoPETのような物質を含んでもよい。
【0040】
反射偏光層141は、複数の第1光学部材142を含む。本発明の一実施形態では、第1光学部材142のそれぞれは、屈折率異方性を有し、線形を有する複数のマイクロファイバー144を含む。第1光学部材142は、反射偏光層141内に具備される。
【0041】
本発明の実施形態では、第1方向に対するマイクロファイバー144の屈折率は、第1方向に垂直な第2方向に対するマイクロファイバー144の屈折率と異なる。マイクロファイバー144のそれぞれが屈折率異方性を有する理由は、マイクロファイバー144のそれぞれは、ポリエチレンナプタレート(Polyethylene naphthalate、PEN)、またはCoPENのように、延伸する方向に屈折率異方性を有する物質を含むからである。したがって、マイクロファイバー144が一方向に延伸されて製造される場合に、マイクロファイバー144は、延伸された方向に屈折率異方性を有する。
【0042】
上述のマイクロファイバー144の光学的特性によって第1光学部材142と第1光学部材142とを含む反射偏光層141は、屈折率異方性を有することができる。
【0043】
本発明の一実施形態では、反射偏光層141の第1厚さ(
図3AのT1)は、50μm乃至1000μmであってもよい。第1厚さT1が50μm未満の場合には、上述の光学的特性及び構造を有する第1光学部材142を反射偏光層141内に形成することが工程上容易ではないことがある。また、第1厚さT1が1000μmを超過する場合には、反射偏光板140の全体の厚さが増加して、容易に曲がらない(flex)ことがある。これにより、反射偏光板140を含むバックライトアセンブリ(
図1の200)の組み立てが容易にできなくなることもある。
【0044】
中間材(intermediate material)147は、互いに隣接した2つの第1光学部材142の間に配置される。また、中間材147は、第1光学部材142の間と、上部保護層145と下部保護層148との間からなる領域の全体に配置される。本発明の実施形態では、中間材147は、第2光学部材(
図10の143)、上部保護層145、及び下部保護層148が溶融されて形成される。したがって、中間材147は、上部保護層145及び下部保護層148と実質的に同一の物質を含んでもよく、中間材147は、上部保護層145及び下部保護層148と一体型の形状に形成されてもよい。なお、中間材147は、下部保護層148及び上部保護層145のように、屈折率等方性を有し、上部保護層145及び下部保護層148と同一の屈折率を有し、光を透過させる。
【0045】
中間材147が、第2光学部材143、上部保護層145、及び下部保護層148と共に溶融されて形成される理由は、反射偏光板140を製造する過程において、第1光学部材142及び第2光学部材143は、上部保護層145及び下部保護層148と共にプレスされ、第2光学部材、上部保護層145、及び下部保護層148が共に溶融され、上部保護層145と下部保護層148との間に第1光学部材142が残るためである。これにより、第2光学部材143は、
図3Bに示すように、中間材147となる。
【0046】
一方、中間材147は、第2光学部材143、上部保護層145、及び下部保護層148が共に溶融された後に残る残存物として、
図3Bでは第2光学部材として図示されていない。しかし、反射偏光板140を製造する工程の条件によって、反射偏光層141において中間材147が満たされる位置に、第2光学部材143を残してもよい。これに対するより詳細な説明は
図10を参照して説明する。
【0047】
図10は、
図3Bに示した反射偏光板の製造工程を説明する図である。
図10の説明において、上述の
図3A及び
図3Bを参照して説明した構成要素については図面符号を併記し、構成要素に対する重複された説明は省略する。
【0048】
図10を参照すると、反射偏光板140の製造工程において、第1光学部材142と第2光学部材143とを用意する。第1光学部材142と第2光学部材143とを用意する場合、第1光学部材142と第2光学部材143は、
図10に示すように、互いに交差するように配置され、第1光学部材142の一部分は第2光学部材143の一部分と平面上でオーバーラップされてもよい。第1光学部材142は第1方向D1に延伸されたマイクロファイバー(
図3Bの144)を含み、第1方向D1に対して屈折率異方性を有する。一方、第2光学部材143は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)またはPETとPCの共重合体であるCoPETのように、光を透過させ、屈折率等方性を有する物質を含む。したがって、第2光学部材143は、第1光学部材142と異なり、全ての方向について同一の屈折率を有する。
【0049】
第1及び第2光学部材142、143を互いに交差させて織物形状(weaving shape)になるように互いに連結させて配置した後、第1及び第2光学部材142、143からなる織物形状の上部に、上部保護層145を配置し、織物形状の下部に下部保護層148を配置する。これにより、互いに同一の物質を含む上部保護層145、下部保護層148、及び第2光学部材143を、共に溶融させて一体型の形状に形成することができ、第1光学部材142は、上部保護層145と下部保護層148との間に介在するように形成される。第2光学部材143は、第1光学部材142を囲む形状に形成されるか、または第2光学部材143の一部が、反射偏光層141内に残されてもよい。
【0050】
なお、上部保護層145と、下部保護層148と、第1及び第2光学部材142、143からなる織物形状とを共にプレスする理由は、次の通りである。第2光学部材143が、円形の断面を有する繊維である場合に、第2光学部材143の形状により光反射率が増加して光透過率が低下することがある。したがって、上部保護層145と下部保護層148とを第1及び第2光学部材142、143からなる織物形状と共にプレスすれば、互いに同一の物質を含む上部保護層145、下部保護層148、及び第2光学部材143が共に溶融され、その結果、第2光学部材143は、上部保護層145及び下部保護層148と同一の屈折率を有し、プレスによって一体化された上部保護層145、下部保護層148、及び第2光学部材143の光透過率を、向上させることができる。
【0051】
再び
図3A及び
図3Bを参照すると、上述のように、中間材147、上部保護層145、及び下部保護層148は、屈折率等方性を有すると共に、互いに同一の屈折率を有してもよい。一方、第1光学部材142は、屈折率異方性を有し、どの方向に対しても、中間材147、上部保護層145、及び下部保護層148が有する屈折率と異なる屈折率を有してもよい。
【0052】
本発明の一実施形態では、第1光学部材142は、所定の方向に対して屈折率異方性を有し、所定の方向に対する屈折率が1.7であり、所定の方向に対する中間材147、上部保護層145、及び下部保護層148の屈折率は、1.5であってもよい。したがって、所定の方向に振動する光は、屈折率の差により全反射され、その結果、反射偏光板140は、所定の方向に沿って振動する光のみを選択的に反射させ、所定の方向と異なる方向に振動する光は透過させることができる。
【0053】
また、反射偏光層141の厚さは、液晶表示パネル400の解像度と関連させることができる。一般的に、液晶表示パネル400の解像度が高いほど、液晶表示パネル400は、映像を表示するために高い輝度を有する光が供給されることが望ましい。なお、反射偏光層141の厚さが増加するほど、反射偏光層141の反射特性が向上する。したがって、液晶表示パネル400の解像度が増加するほど、反射偏光層141の厚さを増加させ、液晶表示パネル400側に供給される光の輝度を増加させることができる。
【0054】
図4Aは、
図3Aに示した第1基板の部分平面図であり、
図4Bは、
図4Aに示した第1基板を含む液晶表示パネルの部分平面図である。
【0055】
図4Aを参照すると、第1基板420は、複数の画素領域を含み、各画素領域は、薄膜トランジスタTと、薄膜トランジスタTと電気的に接続される画素電極PEと、薄膜トランジスタTと電気的に接続され、薄膜トランジスタT側にゲート信号を供給するゲートラインGLと、薄膜トランジスタTと電気的に接続され、薄膜トランジスタT側にデータ信号を供給するデータラインDLとを含む。ゲートラインGL及びデータラインDLは、実質的に互いに垂直に交差する。画素領域は、独立的に液晶を制御する単位領域としてみなしてもよい。
【0056】
薄膜トランジスタTは、ゲートラインGLから分岐されるゲート電極GEと、データラインDLから分岐されるソース電極SEと、ソース電極SEと離隔されるドレイン電極DEと、ゲート信号に応じてソース電極SE及びドレイン電極DEを電気的に接続するアクティブパターン20とを含む。
【0057】
図4Bを参照すると、液晶表示パネル400は、互いに対向する第1基板420と第2基板410とを含む。液晶表示パネル400は、複数の画素を含む。各画素415は、複数のサブ画素411、412、413を含み、本発明の実施形態では、ゲートラインGLが延長された方向に順に配列された1つの赤色画素411と、1つの緑色画素412と、1つの青色画素413とを含んでもよい。平面上では、サブ画素411、412、413のそれぞれの位置は、
図4Aに示した画素電極PE及び第2基板410に具備されるカラーフィルタ(図示しない)と対応させてもよい。本発明の一実施形態では、サブ画素411、412、413のそれぞれは、
図4Aを参照して説明した画素領域と平面上でオーバーラップされるように配列させてもよい。
【0058】
本発明の一実施形態では、赤色画素411、緑色画素412、及び青色画素413は、ゲートラインGLと平行な方向に繰り返し配列されてもよい。しかし、本発明の実施形態と異なり、赤色画素411、緑色画素412、及び青色画素413は、データラインDLと平行な方向に繰り返し配列されてもよく、ゲートラインGL及びデータラインDLと異なる方向に繰り返し配列されてもよい。
【0059】
なお、赤色画素411は、第1辺411aを有し、緑色画素412は、第2辺412aを有し、青色画素413は、第3辺413aを有する。第1辺乃至第3辺411a、412a、413aのそれぞれは、ゲートラインGLが延長された方向と同一の方向に延長され、平面上で、第1辺乃至第3辺411a、412a、413aは、同一の延長線上に配置される。
【0060】
本発明の一実施形態のように、各画素415が、ゲートラインGLと平行な方向に順に配列された赤色画素411、緑色画素412、及び青色画素413からなるとき、画素ピッチ(pixel pitch)416は、第1辺411a、第2辺412a、及び第3辺413aの和として決定されるか、または第1辺411a、第2辺412a、第3辺413a、赤色画素411と緑色画素412との間の隔離距離、及び緑色画素412と青色画素413との間の隔離距離の和として決定されてもよい。
【0061】
本発明の一実施形態では、画素415は長方形の形状を有するが、本発明の実施形態と異なり、画素415は他の形状を有してもよい。画素415が長方形以外の形状を有する場合に、画素ピッチ416は互いに異なるカラーサブ画素からなり、色座標上の色相を実現するグループの長さまたは幅として決定されてもよい。
【0062】
一方、液晶表示装置(
図1の500)の輝度は、反射偏光層(
図3Bの141)の厚さに応じて変更されてもよく、輝度の最大値に対応する反射偏光層の厚さは画素ピッチ416により決められてもよい。これに対するより詳細な説明は
図5A乃至
図5Cを参照して説明する。
【0063】
図5A乃至
図5Cは、
図3Aに示した反射偏光層の厚さによる液晶表示装置の輝度達成率(%)を示すグラフである。
【0064】
図5Aの第1グラフG1は、画素ピッチ(
図4Bの416)が144μmの場合に、反射偏光層の厚さに応じた液晶表示装置の輝度達成率(brightness achievement rate)を示す。輝度達成率は、反射偏光板(
図1の140)を用いた場合に望まれる液晶表示装置(
図1の500)の輝度と対比して、実際に測定された液晶表示装置の輝度の比をパーセンテージで示した数値である。すなわち、輝度達成率が増加するほど、反射偏光板140による液晶表示装置の輝度を向上させる効果が大きいことがわかる。
【0065】
第1グラフG1を参照すると、反射偏光層の厚さが8μm、15μm、200μm、及び250μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、53%、61%、72%、及び68%である。一方、反射偏光層の厚さが50μm、100μm、及び150μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、85%、88%、及び84%である。
【0066】
図5Bの第2グラフG2は、画素ピッチ(
図4Bの416)が284μm乃至287μmの場合に、反射偏光層の厚さによる液晶表示装置の輝度達成率を示す。
【0067】
第2グラフG2を参照すると、反射偏光層の厚さが8μm、15μm、200μm、及び250μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、56%、63%、71%、及び65%である。一方、反射偏光層の厚さが50μm、100μm、及び150μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、86%、88%、及び84%である。
【0068】
図5Cの第3グラフG3は、画素ピッチ(
図4Bの416)が746μm乃至748μmの場合に、反射偏光層の厚さによる液晶表示装置の輝度達成率を示す。
【0069】
第3グラフG3を参照すると、反射偏光層の厚さが8μm、15μm、150μm、及び200μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、54%、62%、72%、及び70%である。一方、反射偏光層の厚さが50μm、100μm及び125μmの場合に、これらの反射偏光層の厚さとそれぞれ一対一に対応する液晶表示装置の輝度達成率は、88%、91%、及び88%である。
【0070】
図5A乃至
図5Cに示す第1乃至第3グラフG1、G2、G3を参照すると、液晶表示装置(
図1の500)の輝度達成率は、反射偏光層(
図3Aの141)の厚さに応じて変更され、反射偏光層の厚さが所定の範囲内であるとき、液晶表示装置の輝度達成率を向上させることができることが分かる。なお、反射偏光板により液晶表示装置の輝度を向上させる効果を最大化するためには、下記のような関係式(数式1)を導出することができる。下記の関係式(数式1)を用いて、反射偏光層の厚さ(
図3AのT1)は、画素ピッチに応じて容易に決定することができる。
【0071】
(数1)
(2000μm−画素ピッチ)×0.01≦反射偏光層の厚さ≦(2000μm−画素ピッチ)×0.1 …(数式1)
【0072】
上述の関係式(数式1)において、画素ピッチは、
図4Bを参照して説明した長さ(
図4Bの416)であり、液晶表示装置(
図1の500)が反射偏光板(
図1の140)を含むことによって、全般的に、液晶表示装置の輝度を上昇させる効果を発生させることができる。また、反射偏光板(
図1の140)を液晶表示装置(
図1の500)に適用することによって、画素ピッチを考慮した上記関係式(数式1)によれば、輝度向上をさらに効果的なものとすることができる。
【0073】
図6A及び
図6Bのそれぞれは、
図3Aに示した反射偏光層と異なる厚さを有する反射偏光層の断面を示す図である。
【0074】
図6Aを参照すると、反射偏光板140aは、反射偏光層141cと、上部保護層145と、下部保護層148とを含み、反射偏光層141cは、第1サブ反射偏光層141aと、第2サブ反射偏光層141bとを含む。第1及び第2サブ反射偏光層141a、141bのそれぞれは、実質的に
図3Aに示した反射偏光層(
図3Aの141)と同一の厚さ及び同一の構造を有してもよい。
【0075】
反射偏光層141cは、順に積層された複数のサブ反射偏光層141a、141bを含み、反射偏光層141cは、第1厚さ(
図3AのT1)より大きい第2厚さT2を有してもよい。すなわち、反射偏光層141cの厚さは、サブ反射偏光層141a、141bの数によって調節されてもよい。
【0076】
また、反射偏光板140aが、複数のサブ反射偏光層を含む場合には、反射偏光板140aの反射率をさらに増加させることもできる。より詳細には、上述の
図3Bを参照して説明したように、反射偏光板(
図3Bの140)は第1光学部材(
図3Bの142)が有する屈折率と、上部保護層(
図3Bの145)、下部保護層(
図3Bの148)、及び中間材(
図3Bの147)の有する屈折率とが互いに異なるので、屈折率差による全反射現象を利用して光を反射させることができる。したがって、
図6Aに示した実施形態のように、反射偏光板140aが第1及び第2サブ反射偏光層141a、141bを含む場合に、第1サブ反射偏光層141aを透過する光は第2サブ反射偏光層141bにより反射することができるので、反射偏光板140aの光反射率を向上させることができる。
【0077】
図6Bを参照すると、反射偏光層141dは、複数のマイクロファイバー144からなる第1光学部材142aを含む。マイクロファイバー144からなる第1光学部材142aの断面は、直径が第2長さL2である円形の形状を有する。
【0078】
第1光学部材142aの断面の直径は、1つの第1光学部材142aを構成するマイクロファイバー144の数が増加することによって増加する。本発明の一実施形態では、第1光学部材142aを構成する複数のマイクロファイバー144の数は、
図3Bに示した第1光学部材142を構成する複数のマイクロファイバー(
図3Bの144)の数より多い。その結果、第2長さL2は、
図3Bに示した第1光学部材(
図3Bの142)の直径の長さである第1長さ(
図3BのL1)より大きい。
【0079】
上述のように、第1光学部材142aを構成する複数のマイクロファイバー144の数が増加するほど、第1光学部材142aの断面の直径は増加する。また、第1光学部材142aの断面の直径が増加するほど、第1光学部材142aを含む反射偏光層141dの厚さを増加させることとなる。
【0080】
図7は、本発明の他の実施形態に係る反射偏光層の断面を示す図である。
【0081】
図7を参照すると、反射偏光板150は、反射偏光層141と、反射偏光層141の上部面に具備される上部保護層145と、反射偏光層141の下部面に具備される下部保護層148と、上部保護層145及び下部保護層148の外部表面に具備される複数の凸部(convex portion)149とを含む。凸部149のそれぞれは、上部保護層145及び下部保護層148の外部表面の全体に長手方向に広がって配置され、凸部149は上部保護層145及び下部保護層148のうちのいずれか1つの外部表面のみに形成されてもよい。
【0082】
凸部149は、互いに離隔して突出した形状を有し、平面上では多様な形状を有してもよい。本発明の一実施形態では、凸部149は円形及び卵円形の形状を有してもよいが、凸部149はこの形状に限定されない。また、凸部149は、上部保護層145及び下部保護層148の表面上に線形形状で形成されてもよい。
【0083】
凸部149は、液晶表示装置500が有する構成要素に直接的に接触することにより、反射偏光板150が他の構成要素に直接的に接触することを防止する。特に、上部保護層145の表面に具備される凸部149は、反射偏光板150及び液晶表示パネル(
図1の400)が互いに接触して液晶表示パネルの表示品質が低下することを防止する。
【0084】
凸部149により反射偏光板150は0.1μm乃至50μmの表面粗度(surface roughness)を有してもよい。表面粗度が0.1μm未満の場合には、外部環境によって上述の凸部149の機能が低下し、反射偏光板150及び液晶表示パネルが接触する面積が増加することがある。これにより、液晶表示パネルの外観に不良を発生させることがある。また、表面粗度が50μmを超過する場合には、凸部149によってバックライトアセンブリ(
図1の200)から発生した光が散乱する現象が増加し、液晶表示パネルの輝度が低下することもある。
【0085】
図8は、本発明のまた他の実施形態に係る反射偏光層の断面を示す。
【0086】
図8を参照すると、反射偏光板151は、上部保護層145上に具備されるプリズムパターン158を含む。プリズムパターン158は、下部保護層148から入射されて反射偏光層141を透過して上部保護層145を通じて外部に出射される光の経路を変更させる。より詳細には、プリズムパターン158は、反射偏光板151を透過して外部に出射される光の進行方向を、反射偏光板151と実質的に垂直になるように集光し、液晶表示装置(
図1の500)の正面輝度を向上させる。
【0087】
プリズムパターン158は、互いに離隔されてプリズム形状を有して突出した突出部を含んでもよいが、プリズムパターン158はこの形状に限定されない。また、プリズムパターン158は、上部保護層145及び下部保護層148の表面上に線形形状で形成されてもよい。
【0088】
図9は、本発明のまた他の実施形態に係る反射偏光層の図面を示す。
【0089】
図9を参照すると、反射偏光板153は、上部保護層145内に介在される拡散部材152を含む。拡散部材152は、下部保護層148から入射されて反射偏光層141を透過して上部保護層145を通じて外部に出射される光を拡散させる。その結果、液晶表示パネル(
図1の400)側に供給される光は、反射偏光板153によってより均一にさせることができる。拡散部材152は、上部保護層145内に位置する空の空間(void)を含んでもよく、拡散部材152は上部保護層145内に分散した拡散剤を含んでもよい。
【0090】
図9に示した実施形態と異なり、拡散部材152は、反射偏光層141の内部に分散させてもよく、上部保護層145内に拡散部材152が分散されなくともよい。上部保護層145内に拡散部材152が分散されていない場合には、拡散部材152は反射偏光層141の内部にマイクロファイバー(
図3Bの144)と共に具備され、反射偏光板153を透過する光を拡散部材152により拡散することもできる。
【0091】
上述の液晶表示装置及びこれの製造方法によると、反射偏光板を利用して液晶表示装置が映像を表示する際に使われる光の利用効率を向上させることができるので、液晶表示装置の輝度を向上させることができる。また、液晶表示装置の輝度を向上させる効果を最大化するために、液晶表示パネルの画素のピッチに応じて反射偏光板の反射偏光層の厚さを容易に決めることができる。
【0092】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練された当業者は特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更することができることを理解することができる。