(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
振動発生源を有する機器の一例である洗濯機の場合では、洗濯機の四隅の脚部を防水パンの底面に載置し、洗濯機の排水ホースを防水パンの底面に装着した排水トラップに差込み接続するが、このとき、排水トラップが洗濯機の直下に位置する場合では、洗濯機の底面と防水パンの底面との上下間に排水ホースの配設スペースを確保することができないことがある。
【0003】
この場合の対策としては、洗濯機の脚部を載置支持する載置部を上方に突出形成してある防水パンに取り替えるか、或いは、洗濯機の脚部を載置支持する載置台を防水パンに四隅に載置する方法が考えられるが、前者の防水パン取り替え方法はコスト的に高く付き易いため、コスト面では載置台を設置する方法が好ましい。
【0004】
しかし、載置台を用いる方法においても、洗濯機で発生した振動が載置台を介して防水パンの底面に伝播されると、騒音の発生原因となるため、防振機能を具備することが要望されている。
【0005】
そこで、従来では、振動発生源を有する機器の脚部を載置可能な大きさの上面を備え、且つ、上方拡がりの角筒に形成された台座ケース内に格子状の補強板を形成してなる合成樹脂製の台座の上面に、防振ゴムマットを付設してなる機器用載置台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の載置台では、機器の荷重を支持する嵩上げ専用の樹脂製の台座と、機器から伝播される振動を減衰する防振専用のゴムマットとの二部材を各別に製作する必要があり、しかも、防振効果を高めるためには厚みのある防振ゴムマットを用いる必要があるとともに、台座自体にも多数の補強板が必要であるため、載置台の製作コストが高騰化する問題がある。
【0008】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、機器の荷重支持機能と嵩上げ機能及び防振機能を単一部材で合理的に達成することのできる有用な機器用載置台を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の機器用載置台による第1の特徴構成は、振動発生源を有する
前記機器を載置可能な載置部に、当該載置部に加わる機器の荷重を支持する複数本の撓み変形可能な樹脂製の支持柱体が水平方向に分散して設けられて
おり、前記支持柱体の接地部には滑り止め層が形成されており、前記滑り止め層が、前記支持柱体よりも摩擦係数の高い樹脂製の滑り止め接地体に、特定の支持柱体の下端部に嵌合する嵌合部を形成して構成されている点にある。
【0010】
上記構成によれば、載置部に設けられた複数本の支持柱体により、載置部に加わる機器の荷重を分散支持することができるとともに、支持柱体の長さで嵩上げ高さを確保することができる。
しかも、前記機器の振動発生源で発生した振動が載置部に伝播されたとき、この振動を載置部に設けられた複数本の支持柱体の撓み変形で減衰することができる。
【0011】
したがって、前記載置部に複数本の支持柱体を設けてなる単一部材をもって機器の荷重支持機能と嵩上げ機能及び防振機能を達成することができ、しかも、載置台全体を中実柱状の防振ゴムから構成する場合に比して材料の使用量を削減することができるから、優れた防振効果を有するものでありながら軽量で取扱い易い載置台をコスト面で有利に製作することができる。
【0012】
このとき、前記支持柱体の接地部に滑り止め層が形成されている
ので、機器の振動発生源で発生した振動が載置部に伝播されたとき、複数本の支持柱体の接地部と接地面との間での滑り発生を滑り止め層にて抑制することができる。よって、複数本の支持柱体を効率良く撓み変形させることができ、滑り発生に起因する防振効果の低下を抑制することができる。
【0013】
また、前記滑り止め層が、前記支持柱体よりも摩擦係数の高い樹脂製の滑り止め接地体に、特定の支持柱体の下端部に嵌合する嵌合部を形成して構成されているので、滑り止め接地体に設けた嵌合部を特定の支持柱体に嵌合装着することにより、接地面に載置された滑り止め接地体と複数本の支持柱体との相対移動がない。よって、複数本の支持柱体と滑り止め接地体との水平方向でのずれ動きに起因する防振効果の低下を抑制することができる。また、嵌合された複数本の支持柱体と滑り止め接地体とを一体物として便利に取り扱うことができる。
【0014】
本発明の機器用載置台による第
2の特徴構成は、前記支持柱体の撓み変形量を調節する撓み変形量調節手段が備えられている点にある。
【0015】
上記構成によれば、前記載置部に設けられた複数本の支持柱体の撓み変形量を撓み変形量調節手段で調整することができるから、機器の荷重を確実に支持しながらも機器の振動特性に応じた支持柱体の撓み変形量に調整することができる。
【0016】
本発明の機器用載置台による第
3の特徴構成は、
前記支持柱体は、前記載置部から前記接地部に向かうに従って次第に窄まる外面を有し、前記載置部には、複数本の前記支持柱体の外側を囲む外側化粧壁が設けられており、前記外側化粧壁の内面形状に応じた輪郭形状に形成され、かつ、前記支持柱体が挿通されて当該支持柱体の外面に嵌合する複数の嵌合孔を有する撓み規制板により、前記撓み変形量調節手段が構成されている点にある。
【0018】
本発明
の機器用載置台による第
4の特徴構成は、前記支持柱体が円柱状に構成されている点にある。
【0019】
上記構成によれば、前記支持柱体を円柱状に構成することによって360度の全方向に同じ条件で撓み変形させることができるから、載置部に伝播される振動の加振方向が機器の振動特性によって異なる場合、もしくは、加振方向が特定できない機器であっても、一種類の載置台で各種の機器の振動を効果的に減衰することができる。
【0020】
本発明
の機器用載置台による第
5の特徴構成は、前記載置部に、複数本の支持柱体の外側を囲む外側化粧壁が非接地状態で設けられている点にある。
【0021】
上記構成によれば、複数本の支持柱体の外側を囲む外側化粧壁によって載置台の剛性を高めることができるとともに、前記支持柱体が強制振動力で設定以上に撓み変形したとき、この外側化粧壁を補助支持体として機能させることができる。また、前記外側化粧壁によって外的要因から支持柱体を保護することができる。
本発明の機器用載置台による第6の特徴構成は、振動発生源を有する機器を載置可能な載置部に、当該載置部に加わる前記機器の荷重を支持する
板状の横断面形状を有する複数の樹脂製の支持
柱体が
縦横に整列された格子状のパターン形状で設けられており、前記支持
柱体の接地部には滑り止め層が形成されており、前記滑り止め層が、前記支持
柱体よりも摩擦係数の高い樹脂製の滑り止め接地体に、
特定の前記支持
柱体の下端
部に嵌合する嵌合部を形成して構成されている点にある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
図1〜
図4は、防水パン2の底面2aの四隅に設置して、振動発生源を有する機器の一例である洗濯機1の脚部1Aを嵩上げ状態で載置支持することにより、洗濯機1の下面1aと防水パン2の底面2aとの上下間に排水ホースの配設スペースを確保する場合に用いられる洗濯機用載置台A(機器用載置台)を示し、合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂)の載置台本体A1と、この載置台本体A1の主要構成の一つである複数本の支持柱体4の接地部に形成される滑り止め層の一例で、前記支持柱体4よりも摩擦係数の高い樹脂製(例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩化ビニル、熱可塑性エラストマーなど)の滑り止め接地体A2とから構成されている。
【0024】
前記載置台本体A1は、洗濯機1の一つの脚部1Aを載置可能な載置面3aを備え、且つ、四角形の一角が45度の傾斜面となる変形五角形の輪郭形状に形成された載置部3の下面のうち、外周縁側部位を除く中央側部位に、当該載置部3に加わる洗濯機1の荷重を支持する複数本(当該実施形態では22本)の円筒状(円柱状の一例)の撓み変形可能な支持柱体4が水平方向に等間隔で縦横に分散して一体形成されているとともに、前記載置部3の下面の周縁部には、前記支持柱体4の高さと同じ高さで支持柱体4群の外側を囲む外側化粧壁5が一体成形されている。
【0025】
前記支持柱体4群と外側化粧壁5とが同じ高さに形成されているが、
図2に示すように、前記支持柱体4群には滑り止め接地体A2が装着されるため、この滑り止め接地体A2の厚み分だけ外側化粧壁5の下端面5aと防水パン2の底面2aとの間に隙間Sが形成されている。
【0026】
つまり、前記支持柱体4群に滑り止め接地体A2が装着された使用形態では、外側化粧壁5の下端面5aは防水パン2の底面2aに対して非接地状態となり、洗濯機1で発生した振動が載置部3に伝播されたとき、外側化粧壁5に邪魔されることなく支持柱体4群が自己の弾性復元力に抗して振動の加振方向に撓み変形し、載置部3に伝播された振動を減衰する。
【0027】
また、前記各支持柱体4間の隣接間隔における最小隣接間隔W1、及び、最外側に配置される支持柱体4の外周面4aと外側化粧壁5の内周面との対向面間隔における最小対向面間隔W2は、支持柱体4の設定最大撓み変形時における水平方向での設定最大撓み変形量よりも大なる間隔に構成されている。
【0028】
そのため、前記支持柱体4群が設定最大撓み変形量にまで弾性変形する途中において、支持柱体4同士が当接(衝突)したり、或いは、支持柱体4と外側化粧壁5とが当接(衝突)したりすることがなく、このような当接に起因する支持柱体4の撓み変形阻害を回避することができる。
【0029】
前記各支持柱体4の外周面4aは、下端側ほど小径となる下方窄まりのテーパ面に形成されているとともに、前記各支持柱体4の内周面4bは、下端側ほど大径となる下方拡がりのテーパ面に形成されている。
【0030】
前記支持柱体4を円筒状(円柱状の一例)に構成することによって360度の全方向に同じ条件で撓み変形させることができるから、前記載置部3に伝播される振動の加振方向が洗濯機の振動特性によって異なる場合でも、もしくは、加振方向が特定できない洗濯機であっても、一種類の載置台Aで各種の洗濯機の振動を効果的に減衰することができる。
【0031】
前記外側化粧壁5は、前記支持柱体4の最大厚みよりも大なる厚みで載置部3の周縁部に沿って筒状に一体形成され、具体的には、V状に接合される一対の長辺側壁部5Aとこれの他端に連続する一対の短辺側壁部5B及びこれの他端に亘って接合される傾斜側壁部5Cとからなる変形五角形の筒状に構成されている。
【0032】
そのため、前記外側化粧壁5によって載置台本体A1の剛性を高めることができるとともに、前記支持柱体4群が強制振動力で設定最大撓み変形量以上に撓み変形したとき、この外側化粧壁5の下端面5aが防水パン2の底面2aに接地して、洗濯機1の荷重を支持柱体4群とで支持するとともに、支持柱体4群の座屈変形を防止する。
つまり、前記外側化粧壁5は、支持柱体4群が設定最大撓み変形量以上に撓み変形することを阻止する撓み制限機能(撓み制限手段)を備えた補助支持体に構成されている。
【0033】
前記載置部3の載置面3aの周縁には、載置された洗濯機1の脚部1Aの脱落を防止する立ち上がり壁3Aが形成されているとともに、この立ち上がり壁3Aのうち、一対の長辺側壁部3AaがV字状に接合されて形成される一つの隅丸角壁部3Adと、この隅丸角壁部3Adと相対向する状態で一対の短辺側壁部3Abに連設される傾斜側壁部3Acの長手方向中央位置には、載置面3aにこぼれた水を防水パン2に排出するための排水口6,7が形成されている。
【0034】
前記載置台本体A1を防水パン2の四隅に設置するにあたって、防水パン2の四隅が比較的大きな半径の隅丸角部に形成されている場合には、
図1に示すように、その隅丸角部に外側化粧壁5の傾斜側壁部5Cが対面する状態で両短辺側壁部5Bを防水パン2の立ち上がり側壁2Aの内面に当接又は近接させた第1配置姿勢で設置する。
【0035】
また、前記防水パン2の四隅が直角又は小さな半径の角部に構成されている場合には、前述と同様に、外側化粧壁5の両短辺側壁部5Bを防水パン2の立ち上がり側壁2Aの内面に当接又は近接させた第1配置姿勢と、外側化粧壁5の両長辺側壁部5Aを防水パン2の立ち上がり側壁2Aの内面に当接又は近接させた第2配置姿勢とのいずれかを選択することができる。
【0036】
前記第1配置姿勢及び第2配置姿勢の何れにおいても、防水パン2の対角線方向に排水口6,7が位置するため、防水パン2の底面2aの勾配を利用して載置面3aにこぼれた水を防水パン2の中心側に位置する排水口6,7の一方を通して防水パン2内にスムーズに排出することができる。
【0037】
前記滑り止め接地体A2は、前記支持柱体4群のうち、最外側に位置する複数本(当該実施形態では14本)の支持柱体4の外周面に外接する輪郭線よりも板厚分だけ大きな変形五角形の輪郭形状に形成されている接地ベース8に、最外側の一個置きに位置する特定部位の支持柱体4の下端部に外嵌(嵌合形態の一例)する円筒状の嵌合部9と、この嵌合部9に対して同じ高さ、同じ厚みで接合される状態で接地ベース8の外周縁に沿って立ち上がり形成される周壁10とを滑り止めゴム材料で一体成形して構成されている。
【0038】
前記滑り止め接地体A2の周壁10の外面及び嵌合部9の外面とこれに対向する外側化粧壁5の内周面との対向面間隔における最小対向面間隔W3は、支持柱体4の設定最大撓み変形時における水平方向での設定最大撓み変形量よりも大なる間隔に構成されている。
【0039】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記滑り止め接地体A2の嵌合部9を支持柱体4の下端部に外嵌させたが、
図5に示すように、前記支持柱体4群のうち、最外側に位置する複数本の支持柱体4の外周面に外接する輪郭線よりも板厚分だけ大きな変形五角形の輪郭形状に形成されている接地ベース8に、最外側の一個置きに位置する特定部位の支持柱体4の下端部に内嵌(嵌合形態の一例)する円柱棒状の嵌合部9を一体成形してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0040】
〔第3実施形態〕
上述の第1実施形態では、最外側に位置する複数本の支持柱体4の外周面に外接する輪郭線よりも板厚分だけ大きな変形五角形の輪郭形状に形成されている接地ベース8に、特定部位の支持柱体4の下端部に嵌合する嵌合部9を一体成形したが、
図6に示すように、前記支持柱体4群の全ての下端部又は特定部位の支持柱体4の下端部の各々に嵌合するキャップ状の滑り止め接地体A2から構成してもよい。
【0041】
前記キャップ状の滑り止め接地体A2は、支持柱体4の下端部の外径と同径又はそれよりも少し大径の第2接地ベース11に支持柱体4の下端部に内嵌又は外嵌する第2嵌合部12を一体成形して構成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0042】
〔第4実施形態〕
図7は、前記支持柱体4の撓み変形量を調節する撓み変形量調節手段Bが備えられている別実施形態の洗濯機用載置台A(機器用載置台)を示し、これは、前記載置台本体A1の外側化粧壁5内に挿入可能な輪郭形状に形成された樹脂製の撓み規制板15に、各支持柱体4に外嵌装着可能で、且つ、支持柱体4の下方窄まり外周面4aのテーパを利用して当該支持柱体4の付け根から設定寸法だけ下方に偏倚した設定撓み規制位置で密着固定される嵌合孔16を形成して構成されている。
【0043】
前記撓み規制板15を装着していない状態では、前記支持柱体4の付け根から先端までの全長が撓み変形可能な自由端となり、また、前記撓み規制板15を装着した場合には、前記支持柱体4の付け根から撓み規制板15までの範囲が外側化粧壁5と一体化されて撓み変形が不能な規制領域になるから、撓み規制板15から先端までの領域が撓み変形可能な自由端となり、撓み規制板15を装着していない場合に比して最大撓み変形量が減少する。
それ故に、前記撓み規制板15の装着の有無によって、振動減衰性能の異なる二種類の洗濯機用載置台A(機器用載置台)を得ることができる。
【0044】
尚、前記支持柱体4の下方窄まり外周面4aのテーパを利用して、前記撓み規制板15を支持柱体4の外周面4aに密着状態で嵌合固定しただけでも、当該撓み規制板15を設定撓み規制位置に良好に維持することができるが、必要に応じて、前記撓み規制板15を、撓み規制位置において接着剤や係合手段等で外側化粧壁5の内面又は支持柱体4の外周面4a若しくは両方に固着してもよい。
【0045】
また、前記撓み規制板15として、前記嵌合孔16の内径が異なる複数種類のものを準備することにより、支持柱体4の下方窄まり外周面4aのテーパを利用して、洗濯機の振動特性に応じて支持柱体4の付け根から撓み規制位置までの距離を複数段階に変更することができる。
【0046】
さらに、当該実施形態では、前記支持柱体4群の全ての撓み変形量を一率に調節するように構成したが、前記支持柱体4群の一部の撓み変形量のみを調節することができるように、前記撓み規制板15の大きさ及び嵌合孔16の形成数を、調節対象の支持柱体4に対応する大きさ及び形成数に変更して構成してもよい。
【0047】
さらにまた、前記撓み規制板15として、厚み及び硬度の異なる複数種類のものを準備することにより、支持柱体4の最大撓み変形量を複数段階に調節することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0048】
〔第5実施形態〕
図8は、前記支持柱体4の撓み変形量を調節する撓み変形量調節手段Bが備えられている洗濯機用載置台A(機器用載置台)の別実施形態を示し、これは、前記載置台本体A1の外側化粧壁5内に挿入可能な輪郭形状に形成された樹脂製の撓み規制板15に、各支持柱体4に外嵌装着可能な嵌合孔16を形成するとともに、前記外側化粧壁5の内面には、支持柱体4の付け根からの距離が異なる複数の撓み規制位置で撓み規制板15を係止可能な係止段部17を形成し、さらに、前記撓み規制板15として、係止段部17の複数の係止面17a〜17cに対して各別に係止可能な長さの異なる複数種類のものを製作して構成したものである。
【0049】
前記各撓み規制板15は、それに対応する撓み規制位置の係止段部17の係止面17a〜17cに当て付けた状態で接着剤や係合手段、ビス等で外側化粧壁5又は支持柱体4に固着する。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0050】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、前記載置部3を変形五角形の輪郭形状に構成したが、この形状に限定されるものではなく、例えば、円形、四角形、六角形、八角形等に構成してもよい。
要するに、前記載置部3としては、振動発生源を有する洗濯機等の機器1の脚部1Aを載置支持可能な大きさであれば、如何なる形状、大きさに構成してもよい。
【0051】
(2)上述の実施形態では、前記支持柱体4を円柱状の一例である円筒状に構成したが、横断面形状が円形となる中実の丸棒状に構成してもよく、八角形や十角形等の横断面形状が円形に近い多面柱状に構成してもよい。
また、前記載置部3に伝播される振動の加振方向が特定される機器1においては、前記支持柱体4を前記円柱状又はそれに類似する形状以外に、横断面形状が四角形、三角形、長方形状等の棒状、板状又は筒状に構成してもよい。
【0052】
(3)上述の実施形態では、前記載置部3の下面の周縁部に、前記支持柱体4の高さと同じ高さで支持柱体4群の外側を囲む外側化粧壁5を一体成形したが、この外側化粧壁5の下端面5aを支持柱体4の下端面よりも少し上方に偏倚した位置に形成して実施してもよい。
また、前記外側化粧壁5を、前記載置部3の周縁方向に沿って点在する状態で当該載置部3の下面の周縁部に設けられる複数個の壁体に置換えて実施してもよく、さらに、前記載置部3から外側化粧壁5を削除した形態で実施してもよい。
【0053】
(4)上述の実施形態では、複数本の撓み変形可能な支持柱体4群を、前記載置部3の下面に水平方向に等間隔で形成したが、この支持柱体4群の配置間隔は等間隔でなくてもよい。
【0054】
(5)上述の実施形態では、前記載置部3と複数本の支持柱体4とを樹脂で一体成形したが、載置部3に加わる洗濯機(機器)1の荷重を支持する複数本の撓み変形可能な支持柱体4を樹脂で単独に成形し、この支持柱体4を樹脂又は金属で別に製作された載置部3に取付けて構成してもよい。
【0055】
(6)上述の実施形態では、前記滑り止め接地体A2の嵌合部9を支持柱体4の下端部に嵌合保持させたが、この滑り止め接地体A2の支持柱体4に対する取付け形態としては、嵌合に限られず、接着、融着、一体成形等でもよい。
【0056】
(7)上述の実施形態では、前記洗濯機用載置台A(機器用載置台)を、載置台本体A1と、これの支持柱体4の接地部に装着される滑り止め接地体A2との二部材から構成したが、前記支持柱体4の接地部に、支持柱体4よりも摩擦係数の高い樹脂製(例えば、ゴム)の滑り止め層を直接形成して、前記洗濯機用載置台A(機器用載置台)を載置台本体A1の一部材から構成してもよい。
また、前記支持柱体4の接地部に滑り止め層を直接形成するにあたって、全ての支持柱体4群の接地部に滑り止め層を形成してもよいが、滑り止め機能を発揮できる最小必要限の支持柱体4の接地部に滑り止め層を形成してもよい。
この場合、滑り止め層が形成されない残りの支持柱体4は、滑り止め層の厚み分だけ長く構成する。
【0057】
(8)上述の実施形態では、前記撓み変形量調節手段Bを、複数の支持柱体4の設定撓み規制位置に外嵌装着される撓み規制板15から構成したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、支持柱体4の中空内部に樹脂製又は金属製の挿入体を挿入固定して、支持柱体4の水平方向の最大撓み変形量を調節するように構成してもよい。
要するに、前記撓み変形量調節手段Bとしては、前記支持柱体4の撓み変形量を調節することのできるものであれば如何なる構造のものを採用してもよい。
【0058】
(9)上述の実施形態では、振動発生源を有する機器の一例として洗濯機1を例にあげたが、これに限定されるものではなく、洗濯乾燥機、乾燥機等の他種の機器であってもよい。