(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882582
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】ケミカルルーピングプラントを最適化するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G05B 13/02 20060101AFI20160225BHJP
G05B 13/04 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
G05B13/02 J
G05B13/04
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-549778(P2010-549778)
(86)(22)【出願日】2009年3月2日
(65)【公表番号】特表2011-514601(P2011-514601A)
(43)【公表日】2011年5月6日
(86)【国際出願番号】US2009035664
(87)【国際公開番号】WO2009114309
(87)【国際公開日】20090917
【審査請求日】2010年11月2日
【審判番号】不服2013-15985(P2013-15985/J1)
【審判請求日】2013年8月19日
(31)【優先権主張番号】61/033,202
(32)【優先日】2008年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/033,210
(32)【優先日】2008年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/033,185
(32)【優先日】2008年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/394,509
(32)【優先日】2009年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/394,200
(32)【優先日】2009年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/394,654
(32)【優先日】2009年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ニューシェイファー カール エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ロウ シンシェン
【合議体】
【審判長】
長屋 陽二郎
【審判官】
久保 克彦
【審判官】
刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−332161(JP,A)
【文献】
特開平5−197401(JP,A)
【文献】
特開2003−323201(JP,A)
【文献】
特開2005−176495(JP,A)
【文献】
特開平9−242507(JP,A)
【文献】
特開平8−339204(JP,A)
【文献】
特開2006−178626(JP,A)
【文献】
特開2007−272361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケミカルルーピングプラントを最適化するためのシステム(200)であって、
入力パラメータを受信する入力部、及び出力パラメータを出力する出力部を有するケミカルループを備え、
前記ケミカルループは酸化装置(20)および還元装置(10)を備え、前記酸化装置(20)は還元物を酸化し、その酸化物を前記還元装置(10)に輸送するのに適しており、前記還元装置(10)は前記酸化物を還元し、その還元物を前記酸化装置(20)に輸送するのに適しており、
前記ケミカルルーピングプラントに前記入力パラメータ(440)を供給し、前記ケミカルルーピングプラントから前記出力パラメータ(425)を受信するための、前記ケミカルループ(10,20)に動作可能に接続された制御装置(400)を備え、
前記制御装置(400)は、経済的パラメータと前記受信した出力パラメータ(425)に基づき、前記入力パラメータ(440)を最適化するための、前記ケミカルルーピングプラントの非線形モデルを使用し、
前記ケミカルルーピングプラントの複数の入力パラメータ(215)に基づいて、オプティマイザ(210)に費用入力を提供する費用アルゴリズム(225)と、
前記ケミカルルーピングプラントの複数の出力パラメータ(220)に基づいて前記オプティマイザに収益入力を提供する収益アルゴリズム(230)とを更に備え、
前記オプティマイザ(210)が、前記収益入力と前記費用入力のうちの少なくとも1つに基づいて、最適化動作パラメータ解答を決定し、前記最適化動作パラメータ解答を前記ケミカルルーピングプラントに提供する、
ことを特徴とする、システム(200)。
【請求項2】
非線形モデル予測制御用の前記制御装置(400)が、
モデル部(410)と、
前記モデル部(410)に動作可能に接続されたシミュレータ部(415)と、
前記モデル部(410)に動作可能に接続された最適化部(420)と、
を備える請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置(400)は、前記ケミカルルーピングプラントの動作をシミュレートするためのシミュレータ部(415)と、前記ケミカルルーピングプラントの動作を経済的に最適化するためのオプティマイザ(420)とを更に使用して、前記入力パラメータを最適化するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記モデル部(410)が、定常状態モデル、動的モデル、適応モデル、ファジーモデル及びニューラルネットワークモデルのうちの少なくとも1つを備え、
前記シミュレータ部(415)が、減次モデリングシミュレータを備え、
前記最適化部(420)が、多変数オプティマイザと遺伝的アルゴリズムオプティマイザのうちのいずれか1つを備える、請求項2または3記載のシステム。
【請求項5】
前記入力パラメータには、固体輸送在庫制御変数、反応器温度制御変数、ループ温度制御変数、層温度制御変数、負荷ランピング制御変数、プラント起動制御論理アルゴリズム、反応器圧力変数、反応器差圧変数、プラント停止制御論理アルゴリズム、並びに、燃料流量、空気流量、石灰石流量及び蒸気流量のうちの少なくとも2つの比、のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記出力パラメータには、負荷需要、発電率、水素流量率、窒素流量率、二酸化炭素流量率及び合成ガス流量率のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1から4いずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記ケミカルループが、カルシウム系ケミカルループ及び金属酸化物系ケミカルループのうちの1つからなり、
前記ケミカルルーピングプラントが、単一ループケミカルルーピングプラント、複数ループケミカルルーピングプラント、使用又は隔離のためにCO2を捕捉するケミカルルーピングベースのプラント、及び、CO2対応のケミカルルーピングベースのプラントのうちの1つからなる、請求項1から5いずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
非線形モデル予測制御用の前記制御装置(400)が、前記ケミカルルーピングプラントの運転の全体効率を最適化する、請求項1から6いずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
非線形モデル予測制御用の前記制御装置(400)が、前記最適化部(420)に動作可能に接続されたソフトセンサモジュール(255)をさらに備える、請求項1から7いずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の入力パラメータ(215)には、燃料流量、吸着剤流量、空気流量、水流量、石灰石流量及び固体循環流量のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記複数の出力パラメータ(220)には、発電率、CO2利用、CO2捕捉、CO2貯蔵、H2利用、H2捕捉、H2貯蔵、合成ガス利用、合成ガス捕捉及び合成ガス貯蔵のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記収益アルゴリズム(230)が、さらに、排出クレジットと寿命延長クレジットの少なくともいずれか1つに基づいて、前記オプティマイザ(210)に前記収益入力を提供する、請求項1から9いずれか1項記載の制御システム。
【請求項11】
前記費用アルゴリズム(225)が、さらに、補助発電費、石灰石費、燃料費のうちの少なくとも1つに基づいて、前記オプティマイザ(210)に前記費用入力を提供する、請求項1から10いずれか1項記載の制御システム。
【請求項12】
前記入力パラメータ(215)には、固体輸送在庫制御変数、反応器温度制御変数、ループ温度制御変数、層温度制御変数、負荷ランピング制御変数、プラント起動制御論理アルゴリズム、反応器圧力変数、反応器差圧変数、プラント停止制御論理アルゴリズム、並びに、燃料流量、空気流量、石灰石流量及び蒸気流量のうちの少なくとも2つの比、のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記出力パラメータ(220)には、負荷需要、発電率、水素流量率、窒素流量率、二酸化炭素流量率及び合成ガス流量率のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1から11いずれか1項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、最適化システムに関し、特に、ケミカルルーピングプラントのためのプロセス設計及び制御最適化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケミカルルーピング(CL)は、最近開発されたプロセスであり、石炭、バイオマス及びその他の機会燃料などの燃料を燃焼させる電力発電プラントにおいて利用可能なプロセスである。CLプロセスは発電プラントにおいての実施が可能で、様々な利点のうちで、プラントサイズの縮小、排気削減及びプラントの運転効率の向上という点での改善が期待できる。
【0003】
代表的なCLシステムでは、高温プロセスを利用することによって、例えばカルシウム系又は金属系化合物などの固体が酸化装置と呼ばれる第1反応器と、還元装置と呼ばれる第2反応器との間で「ループ」される。酸化装置では、酸化装置に投入された空気中の酸素が酸化反応によって固体に捕捉される。その後、捕捉された酸素は、酸化固体によって還元装置へと運ばれ、例えば石炭などの燃料の燃焼及び/又はガス化に用いられる。還元装置において還元反応が行われた後、捕捉された酸素を有さなくなった固体は、酸化装置に戻され、再度酸化される。そして、このサイクルを繰り返す。
【0004】
酸化反応及び還元反応では、空気に対する燃料の比に応じて、様々なガスが生成される。そのため、CLシステムが下記のような様々な形で利用できるように空気に対する燃料の比を制御することができる。CLシステムの利用方法としては、ガスタービン、燃料電池及び/又はその他の水素ベースの用途のための水素を生成するハイブリッド燃焼−ガス化プロセスや、ガスタービン及び/又は燃料電池用の様々な量の水素と二酸化炭素を含む合成ガス(シンガス)を生成するハイブリッド燃焼−ガス化プロセスや、燃焼ベースの蒸気発電プラント用の燃焼プロセスなどが挙げられる。
【0005】
CLプロセスは、例えば従来の循環流動層(CFB)プラントなどの従来のプラントのプロセスよりも複雑である。その結果、従来のプラント制御がCLプロセスに適用されると、各CLループに対して別々の制御ループが生じてしまう。しかしながら、正確な制御には各ループの複数のパラメータ及びループ間にまたがるパラメータの協調制御が必要なため、各CLループに対して別々の制御ループを用いることは効率的ではなく、CLプロセス性能の最適化にはつながらない。
【0006】
また、上記CLプロセスには、物質移行や化学反応の速度に起因するプロセス非線形性や時間遅延を特徴とする多相流及び化学反応が含まれる。そのため、プロセス設計の初期段階において制御最適化システムを考慮せずに従来の発電プラントの設計を行うことは、プロセス性能やシステム動作性を統合的に最適化するには全くもって不十分である。
【0007】
さらに、CLプロセスの変数の多くは非線形且つ/又は、例えば、変数のループ間相互作用のように他の変数と複雑な関係を有する。そのため、これら複数の変数の相互依存関係を効果的にシミュレートするモデルは、これまで、不正確、非効率、且つ作業がし難い及び/又は作業に時間がかかるものだった。
【0008】
これまでに開発された最適化システムは、従来の燃焼発電プラントを最適化することに重点が置かれている。また、これらの最適化システムは、プラント運転の統合最適化よりむしろ最適化に関する非常に特異的で局所的な問題を解決することに焦点を合わせてきた。さらに、従来の燃焼発電プラントに関連する統計分析は、変数間に直線関係があるという前提に基づいている。そのため、従来の燃焼発電プラントに関連する統計分析は、CLプロセスにおける変数の複雑で、相互に関連する非線形ダイナミクスの分析に使用された場合、煩雑で不正確なものとなる。
【0009】
CLシステムに基づく次世代の発電プラントでは、蒸気−水側の制御条件(例えば、給水及び蒸気流量、蒸気圧、蒸気温度、ドラムレベルなど)は、現在の従来のプラントと本質的に変わらない。しかし、CLプロセスにおける固有プロセス変数間の相互作用により良く対処するため、蒸気−水側変数と燃焼/ガス化CL変数の両方を使った改良された制御が必要とされると予想される。また、従来の発電プラントのシミュレータは、蒸気−水側プロセスのダイナミクスに限定されており、非常にシンプルな燃焼又は炉内プロセスのダイナミクスのみがモデル化されている。従って、CLプロセスにおいて見られるような複雑な雰囲気制御システムの動的モデルは現時点では存在しない。
【0010】
CLシステムのプロセスや設備の統合及び最適化も必要である。つまり、CL統合プロセスは、現在のところ、経済的に最適な動作状態で制御されてはいない。これは特に負荷変動時やその他プラント障害発生時に当てはまる。上記複数の変数やプロセス間の複雑な関係は、CLプロセス性能に影響を与え、CLプロセスを最適且つ効率的に制御するための取り組みをさらに複雑なものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため、前述の欠点を克服する統合プロセス設計及び制御最適化システム、特に、CL発電プラントのための統合プロセス設計及び制御最適化システムの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に説明する態様によれば、発電プラントのケミカルルーピングプロセスを最適化するための制御システムが提供される。制御システムは、オプティマイザと、
費用アルゴリズムと、
収益アルゴリズムとを備える。
費用アルゴリズムは、発電プラントの複数の入力パラメータに基づいてオプティマイザに
費用入力を提供する。
収益アルゴリズムは、発電プラントの複数の出力パラメータに基づいてオプティマイザに
収益入力を提供する。オプティマイザは、
費用入力と
収益入力のうちの少なくとも1つに基づいて、最適化動作パラメータ解答を決定し、その最適化動作パラメータ解答を発電プラントに提供する。複数の入力パラメータには、燃料流量、吸着剤流量、空気流量、水流量、石灰石流量及び固体循環流量のうちの少なくとも1つが含まれ、複数の出力パラメータには、発電率、CO
2利用量、CO
2捕捉量、CO
2貯蔵量、H
2利用量、H
2捕捉量、H
2貯蔵量、合成ガス利用量、合成ガス捕捉量及び合成ガス貯蔵量のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0013】
本明細書に説明する他の態様によれば、発電プラントを最適化するためのシステムは、入力パラメータを受信する入力部と、出力パラメータを出力する出力部を有するケミカルループを備える。上記システムは、さらに、出力パラメータを受信し、受信した出力パラメータに基づき入力パラメータを最適化し、最適化した入力パラメータをケミカルループの入力部へ出力する非線形制御装置を備える。ケミカルループは、カルシウム系ケミカルループ及び金属酸化物系ケミカルループのうちの1つからなり、発電プラントは、単一ループケミカルルーピングプラント、複数ループケミカルルーピングプラント、使用又は隔離のためにCO
2を捕捉するケミカルルーピングベースのプラント、及び、CO
2対応のケミカルルーピングベースのプラントのうちの1つからなる。
入力パラメータには、固体輸送在庫制御変数、反応器温度制御変数、ループ温度制御変数、層温度制御変数、負荷ランピング制御変数、プラント起動制御論理アルゴリズム、反応器圧力変数、反応器差圧変数、プラント停止制御論理アルゴリズム、並びに、燃料流量、空気流量、石灰石流量及び蒸気流量のうちの少なくとも2つの比、のうちの少なくとも1つが含まれ、出力パラメータには、負荷需要、発電率、水素流量、窒素流量、二酸化炭素流量及び合成ガス流量のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0014】
本明細書に説明するさらに他の態様によれば、発電プラントを最適化するためのシステムは、入力パラメータを受信する入力部と、出力パラメータを出力する出力部を有するケミカルループと、ケミカルループに動作可能に接続された非線形モデル予測制御用制御装置を備える。非線形モデル予測制御用制御装置は
、出力パラメータを受信し、受信した出力パラメータに基づき入力パラメータを最適化し、最適化した入力パラメータをケミカルループの入力部へ出力する。ケミカルループは、カルシウム系ケミカルループ及び金属酸化物系ケミカルループのうちの1つからなり、発電プラントは、単一ループケミカルルーピングプラント、複数ループケミカルルーピングプラント、使用又は隔離のためにCO
2を捕捉するケミカルルーピングベースのプラント、及び、CO
2対応のケミカルルーピングベースのプラントのうちの1つからなる。
入力パラメータには、固体輸送在庫制御変数、反応器温度制御変数、ループ温度制御変数、層温度制御変数、負荷ランピング制御変数、プラント起動制御論理アルゴリズム、反応器圧力変数、反応器差圧変数、プラント停止制御論理アルゴリズム、並びに、燃料流量、空気流量、石灰石流量及び蒸気流量のうちの少なくとも2つの比、のうちの少なくとも1つが含まれ、出力パラメータには、負荷需要、発電率、水素流量、窒素流量、二酸化炭素流量及び合成ガス流量のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0015】
上記及び他の特徴は、以下の図及び詳細な説明によって例示される。
【0016】
次に、例示的な実施形態である図面について説明する。これらの図面中では、類似した構成要素には同じ番号が付与されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】2つのループを有する酸化カルシウム系のケミカルルーピング(CL)システムのブロック図である。カルシウム系のケミカルルーピングにもこのデュアルループプロセス設計は適用可能である。
【
図2】CL燃焼ベースの蒸気発電プラントのブロック図である。
【
図3】CO
2対応のCLシステムのための統合最適化システムのブロック図である。
【
図4】統合CLプロセスの性能設計及び制御設計の最適化を示すブロック図である。
【
図5】CLプロセス用のモデル予測制御(MPC)用制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書は、参照により本書に組み込まれる米国特許第7,083,658号でより詳細に記載されるものと類似している、CLプラントのケミカルルーピングシステムのための統合プロセス設計及び制御最適化システムを開示する。
図1を参照すると、CLシステム5は、第1ループ10、例えば還元装置10と、第2ループ20、例えば酸化装置20とを備える。空気30を酸化装置20に供給し、カルシウム(Ca)40をそこで酸化して酸化カルシウム(CaO)50を生成する。そして、CLシステム5のCLプロセスにおいて、CaO50は還元装置10に供給され、還元装置10に供給された燃料60(例えば石炭60など)に酸素を届けるキャリアとしての機能を果たす。その結果、還元装置10に送られた酸素は、還元装置10内の石炭60と相互作用する。その後、還元した酸化カルシウム40は、酸化装置20に戻され、CaO50へと再酸化される。そして、上記CLプロセスを繰り返す。
【0019】
酸化中に空気30から抽出された窒素ガス(N
2)70、及び酸化中に発生する熱(図示せず)は、酸化装置20から出る。同様に、還元装置10における還元中に発生したガス80も還元装置10から出る。そのガス80は、例えば、合成ガス(シンガス)、水素ガス(H
2)及び/又は二酸化炭素ガス(CO
2)を含む。ガス80の組成、例えば、その中のシンガス、H
2及び/又はCO
2の割合は、石炭60の空気30に対する割合により異なる。
【0020】
例示的実施形態は
図1を参照して上述したような2つのループに限定されるわけではなく、代わりに単一の又は2つ以上のループを含んでいてもよい。例えば、代替的な例示的実施形態では、CLシステム5は、改質されたシンガス80からのH
2の生成を可能にする、例えば焼成ループなどの第3のループ(図示せず)を含む。
【0021】
カルシウム系CLシステム5は、例えば、タービンを駆動する蒸気を生成する熱ループを備えていてもよい。具体的には、
図2を参照すると、熱ループ90は、酸化装置20での酸化中に発生した熱で給水110を沸騰させることにより生成される蒸気105を使って発電機100を駆動する蒸気タービン95を含む。
【0022】
図1を参照して上述したように空気30が酸化装置20に供給されるのに対し、灰及び/又は余分な硫酸カルシウム(CaSO
4)などの廃棄物115は、酸化装置20から取り除かれ、外部施設(図示せず)にて廃棄される。石炭60、並びに、炭酸カルシウム(CaCO
3)120及び再循環蒸気125は還元装置10に供給され、そこで還元反応を行う。
【0023】
動作中は、石炭60、CaCO
3120及びCaSO
4127中の炭素と硫黄との間で還元反応が生じる。その還元反応によって硫化カルシウム(CaS)128が生成され、そのCaS128は、分離器130によって分離され、その後シールポット制御バルブ(SPCV)135を介して酸化装置20へと供給される。
図2に示すように、CaS128の一部は、例えばCLプラント負荷に基づき、SPCV135によって還元装置10へと再循環される。また、分離器は、CaS128からガス80、例えばCO
2を分離する。
【0024】
CaS128は酸化装置20での酸化反応により酸化し、CaSO
4127を生成する。CaSO
4127は、分離器130によってN
270から分離され、SPCV135を介してまた還元装置10へ供給される。CaSO
4127の一部は、例えばCLプラント負荷に基づき、SPCV135によって再び酸化装置20へと再循環される。熱は酸化反応によっても発生し、その熱によって給水110が沸騰されて、蒸気タービン95に供給される蒸気105となる。
【0025】
酸化カルシウム系CLシステムを説明してきたが、本発明は、参照により本書に組み込まれる米国特許出願第10/542,749号に記載のものに類似した金属酸化物系CLシステムにも適用可能である。
【0026】
次に、
図3乃至
図5を参照して、CLプラントのための統合プロセス設計及び制御最適化システムの例示的実施形態をさらに詳細に説明する。なお、統合プロセス設計及び制御最適化システムは、本明細書に記載のCLプラント構成に限定されるものではない。例えば、代替的な例示的実施形態において、統合プロセス設計及び制御最適化システムは、単一、デュアル、及び多重、例えば2つ以上のループを備えたカルシウム系又は金属酸化物系CLシステム、蒸気活性化ループを有する/有さないCLシステム、焼成ループを有する/有さないCLシステム、使用又は隔離のためにCO
2を捕捉する次世代のCLベースのプラント、CO
2対応のCLベースの発電プラントを含む(ただし必ずしもこれらに限定されない)あらゆるCLベースのシステムと共に利用可能である。
【0027】
上記CLプロセスには、物質移行速度や化学反応速度に起因するプロセス非線形性や時間遅延を特徴とする多相流及び化学反応が含まれる。そのため、以下にさらに詳細に説明するように、CLプロセスの制御には非線形制御及び最適化法が有効である。つまり、例示的実施形態には、第一原理方程式(例えば、質量、運動量、エネルギーバランス)から得られる非線形動的ケミカルルーピングモデリング及びシミュレーションが含まれる。モデリング及びシミュレーションには、常微分方程式(ODE)、代数方程式(AE)、偏微分方程式(PDE)の任意の組み合わせが含まれる。また、実験的モデリング方法、例えば、外生入力を有する非線形自己回帰ネットワーク(NARX)、外生入力を有する非線形自己回帰移動平均(NARMAX)、ウェーブレットネットワークモデル、ウィーナー−ハマースタインモデルなどのニューラルネットワーク(NN)は、簡単化された第一原理モデルとデータ駆動型モデルとを組み合わせたハイブリッド動的モデル構造において使用される。さらに、線形化モデルと非線形モデルの両方を使う多変数モデル予測制御(MPC)によって、CLプロセスの動的最適化に対する解決策が提供される。最適化されたモデリング、シミュレーション及び制御を提供することに加えて、例示的実施形態に係る多変数MPCは、障害やモデルの不正確性に強く、CLプロセスの安定した制御を提供する。MPCは、例えば、PID制御装置、ファジー制御装置、又は、あらゆるタイプの適応制御装置、(セルフチューニング調節装置、ニューロアダプティブ制御装置、ウェーブレットネットワークモデル規範形適応制御装置)を使った調整制御を監視する監視用制御装置としても利用可能である。また、MPCは、複数の相互作用ループを有するCLプロセスを制御し最適化する直接制御装置としても利用可能である。
【0028】
図3を参照すると、CLベースのCO
2対応発電プラント205のための最適化システム200は、制御システム207、例えばオプティマイザ210を備えるプラント制御システム207などのシステム207を含む。例示的実施形態では、システムオプティマイザ210は、発電プラント205の総合的な経済面ベースの最適化を行う多変数オプティマイザ210である。具体的には、多変数オプティマイザ210は、発電プラント205に関連する熱経済的性能、排気削減及び/又は規制、及び設備の寿命延長条件に重点を置いている。
【0029】
発電プラント205の総合的な経済面ベースの最適化を行うために、多変数オプティマイザ210は、
図3に示すように、費用アルゴリズム225と収益アルゴリズム230のそれぞれを介して、発電プラント205の入力パラメータ215と出力パラメータ220を受信する。例示的実施形態において、入力パラメータ215には、燃料流量、吸着剤流量、空気流量、水流量、石灰石流量及び固体循環流量が含まれるが、これらに限定されるものではない。出力パラメータ220には、例えば発電率、CO
2流量、CO
2利用
量、CO
2捕捉
量、CO
2貯蔵
量が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
上記多変数オプティマイザ210は、費用アルゴリズム225と収益アルゴリズム230からの出力を受信し、例えば所定の操作制約235や環境的制約240に基づいて発電プラント205に対する最適化動作パラメータ解答を決定する。具体的には、例示的実施形態では、費用アルゴリズム225が、所定の個別費用因子Ciと入力パラメータ215の個別入力Xiの積の集合を合計する一方で、収益アルゴリズム230が所定の個別収益因子Piと出力パラメータ220の個別出力Yiの積の集合を合計する。個別費用因子Ciには、例えば補助発電費、石灰石費、燃料費が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、個別収益因子Piには、例えば排出クレジットと寿命延長クレジットが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
多変数オプティマイザ210は、
図3に示すように、分散制御システム245や高度処理制御(APC)システム250を用いて発電プラント205に最適化動作パラメータ解答を適用する。その結果、発電プラント205は、最適且つ総合的な経済面ベースの動作状態での動作が行われる。
【0032】
例示的実施形態において、APCシステム250には、例えば、フィルタ、フラッシュドライヤアブソーバ(FDA)、スプレードライヤアブソーバ(SDA)、静電集塵装置(ESP)及び/又は排煙脱硫(FGD)システムなどの構成要素(図示せず)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
例示的実施形態には、
図3に示すように、ソフトセンサモジュール255がさらに備えられていてもよい。ソフトセンサモジュール255は、例えば、ソフトウェアを使って出力パラメータ220(又は発電プラント205のその他のパラメータ)から得られた信号を処理する仮想センサのようなソフトセンサ(図示せず)を備える。ソフトセンサは、測定したパラメータを組み合わせて処理することで、追加パラメータを直接測定せずに追加パラメータを提供することができる。例示的実施形態に係るソフトセンサは、既存のセンサの融合に基づくもの、或いは、シミュレーション及び制御のために開発されたモデルに基づくものであってもよいが、代替的な例示的実施形態はそれに限定されるものではない。
【0034】
また、代替的な例示的実施形態に係る最適化システム200は、
図3に示すようなCLベースのCO
2対応発電プラント205に対する利用に限定されるものではない。例えば、最適化システム200は、単一又は複数ループ(カルシウム系又は金属酸化物系)CLシステム、使用又は隔離のためにCO
2を捕捉するCLベースのプラントなどのあらゆるCLベースの発電プラントに対して利用可能であるが、代替的な例示的実施形態はそれに限定されるものではない。
【0035】
次に、
図4を参照して、例示的実施形態に係る統合CLプラントシステムの性能設計及び制御設計を含む最適化プロセスについてさらに詳しく説明する。例示的実施形態において、
図4に示す最適化プロセスはシステムオプティマイザ210(
図3)に含まれるが、
図4に示す最適化プロセスの実施はそれに限定されるものではない。
図4に示す最適化プロセスは、あらゆるオプティマイザ、特に、詳細に上述したように、様々なCLベースの発電プラントに対応するあらゆるオプティマイザにおいて実施可能である。
【0036】
最適化プロセス300、例えば、統合CLプラントシステム用の最適化プロセス300において、最適化プロセス300は、性能設計最適化及び制御システム設計最適化機能を含む。具体的には、プロセス性能設計仕様305と、制御システム設計仕様310は、いずれもプロセス性能設計基準315と制御システム設計基準320のそれぞれに従って最適化されている。例示的実施形態では、プロセス性能設計仕様305には、例えば、所定の燃料の特性、吸着剤の特性、所望のプラント設備能力、所定の発電率に対する発熱率、CO
2の質及び量、H
2の質、H
2生成効率が含まれるが、これらに限定されるものではない。制御システム設計仕様310には、例えば、制御システムタイプ、応答速度、動作パラメータの許容誤差が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
プロセス性能設計モジュール325は、プロセス性能設計仕様305とプロセス性能設計基準315を、プロセス性能シミュレーション分析装置330と制御システム設計モジュール335に提供する。プロセス性能シミュレーション分析装置330は、プロセス性能シミュレータ340からの出力に基づき、プロセス性能設計仕様305とプロセス性能設計基準315を分析する。一方、ダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345は、動的シミュレータ350からの出力に基づき、制御システム設計モジュール335からの出力を分析する。例示的実施形態において、動的シミュレータ350は、減次モデリング(ROM)動的シミュレータ350である。プロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの出力は、プロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの出力が個別に最適化されているか否かを判断するプロセス性能及び制御評価装置355に提供される。プロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの出力が個別に最適化されていない場合、プロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの非最適化出力は再びプロセス性能設計モジュール325へと提供され、さらに分析が行われる、つまり、その後上記分析が繰り返される。プロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの出力が最適化されている場合、そのプロセス性能シミュレーション分析装置330とダイナミクス及び制御シミュレーション分析装置345からの出力は組み合わされて、例えば、遺伝的アルゴリズム(GA)オプティマイザ360などの総合システムオプティマイザ360へと送られ、最適プラント性能及び動作パラメータ365が出力される。
【0038】
図4に示すように、また、詳細に上述したように、例示的実施形態に係る最適化プロセス300では、プロセス性能と制御システム設計の分析が並行に行われる。プロセス性能シミュレータ340と動的シミュレータ350の両方を使用することで、最適プラント性能及び動作パラメータ365が予測及び評価されるので、効果的な最適化が行われることとなる。プロセス性能シミュレータ340には、例えば、設計基準のプロセスモデル及び/又は回帰モデルなどの理論的且つ実験的モデルや操作データベースに基づくNNモデルを利用した熱力学的、熱経済的、排気予測が含まれるが、これらに限定されるものではない。動的シミュレータ350には、例えば、制御論理シミュレーションモデルと共に、第一原理モデル、若しくは、第一原理モデルとデータ駆動型モデルの複合型実験モデル、及び/又は、ウェーブレットネットワークモデルが含まれる。寿命延長制御(図示せず)には、材料モデルが含まれているので、材料の損傷の予測や、延命制御シミュレーション(図示せず)を行うことができる。同様に、代替的な例示的実施形態には環境経済モデル(図示せず)が含まれてもよく、それによって、例えば、SO
2、NOx、粒子、CO
2などの排気の分析及び最適化を行うことができる。
【0039】
最適プラント性能及び動作パラメータ365の決定については、多くの設計シナリオからの選択のため、数多くの反復を伴うことから、オプティマイザ360による最適化の前にプロセス性能及び制御システム設計の両方を一旦最適化できるよう、さらにオプティマイザ(図示せず)を備えてもよい。
【0040】
次に、
図5を参照して、例示的実施形態に係るMPC最適制御装置、特に、CLプロセスのためのMPC最適制御装置についてさらに詳しく説明する。例示的実施形態では、MPC制御装置400などの制御装置400は、MPCを利用してCLプロセス405を制御する高度最適制御システムである。上述したように、CLプロセス405は、単一ループ又は複数ループCLシステム、使用又は隔離のためにCO
2を捕捉するCLベースのプラント、及び/又は、CO
2対応のCLベースの発電プラントにて利用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
また、上述したように、上記CLプロセスには、物質移行や化学反応の速度に起因するプロセス非線形性や時間遅延を特徴とする多相流及び化学反応が含まれる。従って、従来の、例えば線形の最適化制御は、CLプロセス最適化には不十分である。そこで、例示的実施形態に係るMPC制御装置400には、例えば、質量、運動量、エネルギーバランスなどの第一原理方程式から得られる非線形動的ケミカルルーピングモデリング及びシミュレーションが含まれる。また、非線形ニューラルネットワークなどの実験的モデリング方法は、簡単化された第一原理モデルとデータ駆動型モデルとを組み合わせたハイブリッド動的モデル構造において使用される。特に、MPC制御装置400は、モデル410などのモデル部410と、シミュレータ415などのシミュレータ部415と、オプティマイザ420などの最適化部420とを備える。
【0042】
例示的実施形態では、MPC制御装置400は、現在のプラント制御システムを最適化機能を備えたモデルベースの予測制御で補完及び/又は置換するため、現在のプラント制御システムの構成要素、例えば、既存の比例・積分・微分(PID)制御装置を活用する。具体的には、例示的実施形態に係るMPC制御装置400のモデル410には、非線形定常状態モデルと、1つ又は複数の線形又は非線形動的モデルとが含まれる。また、定常状態モデル及び/又は動的モデルは、それぞれ適応、ファジー及び/又はNNモデリング方法、及び/又は、第一原理モデリング方法を使ってCLプロセス405の複雑且つ非線形の多相流及び化学反応をモデル化してもよい。
【0043】
さらに、例示的実施形態では、モデル410には、モデルベースの状態推定器、パラメータ推定器、及び/又は、欠陥検出器のベースとして用いられるCLシステムモデル、又は、CLサブシステム及び/又はCL要素モデルが含まれてもよい。その結果、それからソフトセンサ制御モジュール255(
図3)の新しいソフトセンサが得られ、CLプロセス405を最適化するための制御システムと統合することができる。
【0044】
例示的実施形態では、シミュレータ415は、高度な技術でCLプロセス405をシミュレートする動的シミュレータ415である。具体的には、動的シミュレータ415は、例えば、
図4を参照して上述した動的シミュレータ350と実質的に同様で、ROMシミュレータであってもよいが、代替的な例示的実施形態はそれに限定されるものではない。同様に、例示的実施形態に係る最適化部420は、オプティマイザ360(
図4)と実質的には同じであるが、それに限定されるものではない。例えば、代替的な例示的実施形態では、最適化部420には、システムオプティマイザ210、さらに具体的には、プラント制御システム207の多変数オプティマイザ210(
図3)が含まれる。
【0045】
動作中、MPC制御装置400は、CLプロセス405からCLプロセスの出力パラメータ425を受信する。CLプロセスの出力パラメータ425には、負荷需要、電力、ガス(例えば、H
2、N
2、CO
2及び/又はシンガス)流量が含まれるが、これらに限定されるものではない。設定値430及び所定パラメータ435を用いることで、MPC制御装置400は、モデル化されたプラントパラメータを最適化し、それに基づく最適CLプロセス入力制御パラメータ440をCLプロセス405に提供する。例示的実施形態では、最適CLプロセス入力制御パラメータ440は、固体輸送在庫制御変数であるが、代替的な例示的実施形態はそれに限定されるものではない。例えば、最適CLプロセス入力制御パラメータ440としては、反応器温度制御変数、ループ温度制御変数、層温度制御変数、負荷ランピング制御変数、プラント起動制御論理アルゴリズム、反応器圧力変数、反応器差圧変数、プラント停止制御論理アルゴリズム、燃料/空気/石灰石/蒸気の比が挙げられるが、代替的な例示的実施形態は上記に挙げられたものに限定されるものではない。
【0046】
要約すれば、例示的実施形態に係るプロセス設計及び制御最適化システムは、統合的で動的な定常性能を提供し、ケミカルルーピングプラントの設計最適化を制御する多変数で非線形な制御最適化システムを含む。その結果、プラント全体の経済効率を大幅に向上させつつ、プラントの廃棄物の排出量を大幅に縮小する、及び/又は、効果的に最小限に抑えるので、全体の動作コストの低減につながる。
【0047】
様々な例示的実施形態を参照して本発明を説明したが、その範囲から逸脱することなく本発明に様々な変更を加えることができ、その要素に均等物を代用できることが当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に様々な修正を加えて、特定の状況や材料に適用することができる。従って、本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むことを企図している。