(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記摺動溝は、前記上シャフトの軸心と平行な長垂直部と、該長垂直部の下端より前記上シャフトの周面を反時計回り方向に延出する水平部と、を有する請求項2又は請求項3に記載の基板処理装置。
複数枚の基板が収納される基板搬送容器を格納し、上側の棚板の下面に固着された上シャフトと、下側の棚板から上方に延出する下シャフトからなる2重管構造となっており、前記上シャフトは前記下シャフトに摺動自在に嵌合する支柱と、該支柱を中心に回転可能に設けられた棚板とで構成される基板搬送容器格納棚から前記基板搬送容器を搬送する工程と、
搬送された前記基板搬送容器から前記基板を取出して基板保持具へ装填する工程と、
該基板保持具を処理炉内へ搬入し、基板処理を行う工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の処理工程の1つとして、シリコンウェーハ等の基板に酸化処理、拡散処理、薄膜の生成等の処理を行う基板処理工程があり、該基板処理工程を実行する装置として基板処理装置があり、又縦型処理炉を具備し、所定枚数の基板を一度に処理するバッチ式の基板処理装置として縦型基板処理装置がある。
【0003】
近年、基板の処理時間や基板の搬送時間の短縮や、顧客の生産ラインの運用で発生する基板搬送容器溜り(滞留)により、基板処理装置内に保管可能な基板搬送容器であるポッドの数量の増大が求められている。
【0004】
上記要求により、未処理又は処理済みの基板が保持されたポッドや、基板処理中の空のポッドを基板処理装置内に設けられた回転可能なポッド格納棚へと搬送し、ポッドを保管する基板処理装置が製造されている。
【0005】
然し乍ら、基板処理装置をコンテナに積込んで輸送する際には、コンテナに積荷の高さ制限がある為、従来の基板処理装置ではポッド格納棚の最上部の棚を取外してからコンテナに積込んだ後、取外した最上部の棚を別途輸送する必要があった。その為、輸送前の最上部の棚の取外し及び梱包、輸送後の最上部の棚の再取付け等の作業が必要となり、輸送費、作業時間、作業費の面でコストが高くなるという問題があった。
【0006】
又、ポッド格納棚の最上部の棚の取外し、再取付けは高所での作業であり、又重量が重い為、作業者が2人以上必要となること、最上部の棚を持上げる為のリフターが必要となること等の問題があった。
【0007】
尚、ポッドを搬入、搬出するI/Oステージを上下2ヶ所に設け、一方のI/Oステージではプロセス用ポッドの搬入、搬出を行い、他方のI/Oステージではダミー用又はモニタ用ポッドの搬入、搬出を行う様、プロセス用ポッド、ダミー用又はモニタ用ポッドを別々に運用することでスループットを向上させると共に、ポッドの収納数を増加させる基板処理装置として、特許文献1に示されるものがある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0016】
先ず、
図1、
図2に於いて、本発明の実施例に係る基板処理装置について説明する。
【0017】
尚、基板処理装置は、半導体装置(IC)の製造工程の1つである基板処理工程を実施する。又、以下の説明では、基板処理装置の一例として縦型炉を具備し、基板に酸化処理、CVD成膜処理、拡散処理、アニール処理等を行う縦型の基板処理装置について説明する。
【0018】
図1、
図2に示されている様に、基板処理装置1は筐体2を備えている。該筐体2の正面壁3の正面前方部にはメンテナンス可能な様に設けられた開口部としての正面メンテナンス口4が開設され、該正面メンテナンス口4は正面メンテナンス扉5によって開閉される。
【0019】
前記筐体2の正面壁3にはポッド搬入搬出口6が前記筐体2の内外を連通する様に開設されており、前記ポッド搬入搬出口6はフロントシャッタ(搬入搬出口開閉機構)7によって開閉される。前記ポッド搬入搬出口6の正面前方側にはロードポート(基板搬送容器受渡し台)8が設置されており、該ロードポート8は載置されたポッド9を位置合せする様に構成されている。
【0020】
ポッド9は密閉式の基板搬送容器であり、図示しない工程内搬送装置によって前記ロードポート8上に搬入され、又該ロードポート8上から搬出される様になっている。
【0021】
前記筐体2内の前後方向の略中央部に於ける上部には、上下方向に伸縮可能な回転式ポッド棚(基板搬送容器格納棚)11が設置されており、該回転式ポッド棚11は複数個のポッド9を格納する様に構成されている。
【0022】
前記回転式ポッド棚11は、垂直に立設されて間欠回転される支柱12と、該支柱12に上中下段の各位置に於いて放射状に支持された複数段の棚板(基板搬送容器載置棚)13とを備えており、該棚板13はそれぞれポッド9を複数個載置した状態で格納する様に構成されている。
【0023】
前記回転式ポッド棚11の下方には、ポッドオープナ(基板搬送容器蓋体開閉機口)14が設けられ、該ポッドオープナ14はポッド9を載置し、又ポッド9の蓋を開閉可能な構成を有している。
【0024】
前記ロードポート8と前記回転式ポッド棚11、前記ポッドオープナ14との間には、ポッド搬送装置(基板搬送容器搬送装置)15が設置され、該ポッド搬送装置15はポッドエレベータ16及びポッド搬送機構17により構成されている。前記ポッドエレベータ16と前記ポッド搬送機構17との連動動作により、前記ポッド搬送装置15は、ポッド9を保持して昇降可能、水平方向に進退可能となっており、前記ロードポート8、前記回転式ポッド棚11、前記ポッドオープナ14との間でポッド9を搬送する様に構成されている。
【0025】
前記筐体2内の前後方向の略中央部に於ける下部には、サブ筐体18が後端に亘って設けられている。該サブ筐体18の正面壁19には、ウェーハ21を前記サブ筐体18内に対して搬入搬出する為のウェーハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)22が1対、垂直方向に上下2段に並べられて開設されており、上下段のウェーハ搬入搬出口22,22に対して前記ポッドオープナ14がそれぞれ設けられている。
【0026】
該ポッドオープナ14は、ポッド9を載置する載置台23と、ポッド9の蓋を開閉する開閉機構24とを備えている。前記ポッドオープナ14は前記載置台23に載置されたポッド9の蓋を前記開閉機構24によって開閉することにより、ポッド9のウェーハ出入れ口を開閉する様になっている。
【0027】
前記サブ筐体18は、前記ポッド搬送装置15や前記回転式ポッド棚11が配設されている空間(ポッド搬送空間)から気密な移載室25を構成している。該移載室25の前側領域にはウェーハ移載機構(基板移載機構)26が設置されており、該ウェーハ移載機構26は、ウェーハ21を載置する所要枚数(図示では5枚)のウェーハ載置プレート27を具備し、該ウェーハ載置プレート27は水平方向に直動可能、水平方向に回転可能、又昇降可能となっている。前記ウェーハ移載機構26は、ボート28に対してウェーハ21を装填及び払出しする様に構成されている。
【0028】
前記移載室25の後側領域には、前記ボート28を収容して待機させる待機部29が構成され、該待機部29の上方には縦型の処理炉31が設けられている。該処理炉31の下端部は炉口部となっており、該炉口部は炉口シャッタ(炉口開閉機構)32により開閉される様になっている。
【0029】
前記筐体2の右側端部と前記サブ筐体18の前記待機部29の右側端部との間には、前記ボート28を昇降させる為のボートエレベータ(基板保持具昇降機構)33が設置されている。該ボートエレベータ33の昇降台に連結されたアーム34には、蓋体としての炉口蓋35が水平に取付けられており、該炉口蓋35は前記ボート28を垂直に支持し、前記処理炉31の下端部を気密に閉塞可能となっている。
【0030】
前記ボート28は複数本の支柱を備えており、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウェーハ21を、水平姿勢で垂直方向に多段に保持する様に構成されている。
【0031】
前記ボートエレベータ33側と対向した位置にはクリーンユニット36が配設され、該クリーンユニット36は清浄化した雰囲気若しくは不活性ガスであるクリーンエア37を供給する様、供給ファン及び防塵フィルタで構成されている。前記ウェーハ移載機構26と前記クリーンユニット36との間には、ウェーハ21の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合せ装置(図示せず)が設置されている。
【0032】
前記クリーンユニット36から前記移載室25に吹出されたクリーンエア37は、ノッチ合せ装置(図示せず)及び前記ウェーハ移載機構26、前記ボート28に流通された後に、図示しないダクトにより吸込まれ、前記筐体2の外部に排気がなされるか、若しくは前記クリーンユニット36の吸込み側である一次側(供給側)に迄循環され、再び該クリーンユニット36によって、前記移載室25内に吹出される様に構成されている。
【0033】
次に、前記基板処理装置1の作動について説明する。
【0034】
ポッド9が前記ロードポート8に供給されると、前記ポッド搬入搬出口6が前記フロントシャッタ7によって開放される。前記ロードポート8上のポッド9は、前記ポッド搬送装置15によって前記筐体2の内部へ前記ポッド搬入搬出口6を通して搬入され、前記回転式ポッド棚11の指定された前記棚板13へ載置される。ポッド9は前記回転式ポッド棚11で一時的に保管された後、前記ポッド搬送装置15により前記棚板13から何れか一方のポッドオープナ14に搬送されて前記載置台23に移載されるか、若しくは前記ロードポート8から直接前記載置台23に移載される。
【0035】
この際、前記ウェーハ搬入搬出口22は前記開閉機構24によって閉じられており、前記移載室25にはクリーンエア37が流通され、充填されている。例えば、前記移載室25にはクリーンエア37として窒素ガスが充填されることにより、酸素濃度が20ppm以下と、前記筐体2の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遙かに低く設定されている。
【0036】
前記載置台23に載置されたポッド9は、その開口側端面が前記サブ筐体18の前記正面壁19に於ける前記ウェーハ搬入搬出口22の開口縁辺部に押付けられると共に、蓋が前記開閉機構24によって取外され、ウェーハ出入れ口が開放される。
【0037】
ポッド9が前記ポッドオープナ14によって開放されると、ウェーハ21はポッド9から前記ウェーハ移載機構26によって取出され、ノッチ合せ装置(図示せず)にてウェーハ21を整合した後、前記ウェーハ移載機構26はウェーハ21を前記移載室25の後方にある前記待機部29へ搬入し、前記ボート28に装填(チャージング)する。
【0038】
該ボート28にウェーハ21を受渡した前記ウェーハ移載機構26はポッド9に戻り、次のウェーハ21を前記ボート28に装填する。
【0039】
一方(上段又は下段)のポッドオープナ14に於ける、前記ウェーハ移載機構26によるウェーハ21の前記ボート28への装填作業中に、他方(下段又は上段)のポッドオープナ14には、前記回転式ポッド棚11から別のポッド9が前記ポッド搬送装置15によって搬送されて移載され、前記他方のポッドオープナ14によるポッド9の開放作業が同時進行される。
【0040】
予め指定された枚数のウェーハ21が前記ボート28に装填されると、前記炉口シャッタ32によって閉じられていた前記処理炉31の炉口部が、前記炉口シャッタ32によって開放される。続いて、前記ボート28は前記ボートエレベータ33によって上昇され、前記処理炉31内へ搬入(ローディング)される。
【0041】
ローディング後は、前記炉口蓋35によって炉口部が気密に閉塞され、前記処理炉31にてウェーハ21に所定の処理が実行される。
【0042】
処理後は、ノッチ合せ装置(図示せず)でのウェーハ21の整合工程を除き、上記と逆の手順で、ウェーハ21及びポッド9が前記筐体2の外部へと払出される。
【0043】
次に、
図3〜
図6に於いて、第1の実施例に於ける前記回転式ポッド棚11の詳細について説明する。
【0044】
該回転式ポッド棚11は、前記支柱12と、該支柱12を回転軸として一体に回転可能に設けられた、所定枚数、例えば4枚の前記棚板13a〜13dとで構成され、該棚板13a〜13dは上下方向に所定の間隔で前記支柱12に固定されている。
【0045】
該棚板13は略十字形状の板材であり、中心部より四方に突出する4つのポッド載置部38が形成されている。又、該ポッド載置部38の上面には、それぞれ所定箇所、例えば3箇所に上方に突出する係合突起39が形成されており、前記ポッド載置部38にポッド9が載置された際には、前記係合突起39がポッド9の裏面に形成された図示しない係合凹部と係合し、ポッド9の水平方向のずれが防止される様になっている。
【0046】
又、前記支柱12は最上段の伸縮部41及び短柱12aが連結される構成となっており、前記伸縮部41は2重管構造となっている。該伸縮部41は前記上から2段目の棚板13bより上方に延出する円筒状の下シャフト42と、該下シャフト42に摺動自在に外嵌し、前記最上段の棚板13aの下面に固着された円筒状の上シャフト43により構成されており、前記下シャフト42と前記上シャフト43とはボルト等の固着具44により固着される様になっている。尚、前記下シャフト42は、前記上から2段目の棚板13bを介在した状態で、ボルト等の固着具40により前記短柱12aと連結される様になっている。
【0047】
該上シャフト43の周面には、略L字状の摺動溝45が円周方向に所定間隔で複数箇所、例えば3箇所に穿設され、該摺動溝45は前記上シャフト43の軸心と平行な長垂直部45aと、該長垂直部45aの下端より前記上シャフト43の周面を反時計回り方向に延出する水平部45bとを有している。該水平部45bは終端より上方に延出し、前記上シャフト43の軸心と平行な短垂直部45cを有している。
【0048】
又、前記上シャフト43の下端部内周面には、若干細径となった嵌合部46が形成されると共に、該嵌合部46が形成された部分に、前記固着具44を半径方向に挿通可能な挿通孔47が所定の間隔で複数穿設されている。
【0049】
前記下シャフト42の上端部には、若干太径となった嵌合部48が形成され、該嵌合部48と前記嵌合部46とはガタツキなく嵌合可能となっている。前記下シャフト42の上端部、即ち前記嵌合部48が形成された部分には、前記固着具44を螺入可能な伸長時ネジ孔49が前記挿通孔47に対応して複数穿設されると共に、外周面から径方向に突出する摺動ピン51が前記摺動溝45と同数突設されている。前記摺動ピン51の直径は前記摺動溝45の幅よりも僅かに小さくなっており、該摺動溝45に前記摺動ピン51が摺動自在に挿通される様になっている。
【0050】
前記上シャフト43は前記摺動ピン51が前記摺動溝45に案内され摺動することで、前記下シャフト42に対して垂直方向に摺動し、前記長垂直部45a或は前記短垂直部45cの下端で前記水平部45bに案内され、水平方向に回転可能となっており、前記摺動ピン51がそれぞれ前記長垂直部45aの上端、或は前記短垂直部45cの上端に当接することで、前記上シャフト43の伸長時、収縮時に於ける位置が決定される様になっている。
【0051】
又、前記下シャフト42下端部には前記固着具44が螺入可能な収縮時ネジ孔52が穿設されており、該収縮時ネジ孔52が穿設される位置は、前記摺動ピン51が前記水平部45bを摺動する移動量だけ、前記伸長時ネジ孔49よりも周方向に変位した位置となっている。
【0052】
次に、前記回転式ポッド棚11の伸長、収縮について説明する。
【0053】
該回転式ポッド棚11が伸長状態の場合には、
図4(A)に示される様に、前記摺動ピン51が前記短垂直部45cの上端に当接している。この時、前記挿通孔47と前記伸長時ネジ孔49からの位置が一致しており、前記挿通孔47を通して前記固着具44を前記伸長時ネジ孔49に螺入させることで、前記上シャフト43が伸長状態で固定され、前記回転式ポッド棚11の高さが伸長された状態となる。
【0054】
又、該回転式ポッド棚11が収縮状態の場合には、
図5(A)に示される様に、前記摺動ピン51が前記長垂直部45aの上端に当接している。この時、前記挿通孔47と前記収縮時ネジ孔52の位置が一致しており、前記挿通孔47を通して前記固着具44を前記収縮時ネジ孔52に螺入させることで、前記上シャフト43が収縮状態で固定され、前記回転式ポッド棚11の高さが収縮された状態となる。
【0055】
該回転式ポッド棚11を伸長状態から収縮状態に変更する際には、前記固着具44を前記伸長時ネジ孔49から取外した後、前記上シャフト43を上昇させ、前記摺動ピン51を前記短垂直部45cに沿って相対的に下方に摺動させる。
【0056】
前記摺動ピン51が前記短垂直部45cの下端に到達した後、前記上シャフト43を反時計回りに回転させ、前記摺動ピン51を前記水平部45bに沿って相対的に時計回り方向に摺動させる。前記上シャフト43を所定量降下させると、前記嵌合部46と前記嵌合部48とが外れ、前記下シャフト42と前記上シャフト43との間に隙間が形成され、該上シャフト43を容易に降下させることができる。
【0057】
次に、前記上シャフト43を降下させ、前記摺動ピン51を前記長垂直部45aに沿って相対的に上方に摺動させる。前記摺動ピン51が前記長垂直部45aの上端に当接することで、前記上シャフト43の収縮時に於ける高さ方向の位置が決定され、且つ前記上シャフト43の自重により高さ方向の位置が決定される。又、前記長垂直部45aの幅は前記摺動ピン51の直径よりも僅かに大きいだけであるので、前記上シャフト43の回転が拘束され、該上シャフト43の回転方向の位置も決定される。
【0058】
この時、前記摺動ピン51が前記長垂直部45aの上端に当接することで、前記挿通孔47と前記収縮時ネジ孔52の位置が一致し、又前記上シャフト43の重量が前記摺動ピン51によって支持されているので、作業者が前記上シャフト43の重量を支持する必要がなく、容易に前記固着具44を前記収縮時ネジ孔52に螺入することができる。又、前記固着具44で前記上シャフト43を前記下シャフト42に固定することができる。
【0059】
又、前記回転式ポッド棚11を収縮状態から伸長状態に変更する際には、前記固着具44を前記収縮時ネジ孔52から取外した後、前記上シャフト43を上昇させ、前記摺動ピン51を前記長垂直部45aに沿って相対的に下方に摺動させる。
【0060】
前記摺動ピン51が前記長垂直部45aの下端に到達した後、前記上シャフト43を時計回りに回転させ、前記摺動ピン51を前記水平部45bに沿って相対的に反時計回り方向に摺動させる。次に前記上シャフト43を降下させ、前記摺動ピン51を前記短垂直部45cに沿って相対的に上方に摺動させる。
【0061】
前記摺動ピン51が前記短垂直部45cの上端に当接することで、前記上シャフト43の伸長時に於ける高さ方向の位置が決定され、且つ前記上シャフト43の自重により高さ方向の位置が決定される。又、前記短垂直部45cの幅は前記摺動ピン51の直径よりも僅かに大きいだけであるので、前記上シャフト43の回転が拘束され、該上シャフト43の回転方向の位置も決定される。
【0062】
更に、前記回転式ポッド棚11が伸長状態の場合には、
図4(B)に示される様に、前記嵌合部46と前記嵌合部48とが嵌合した状態となるので、前記上シャフト43と前記下シャフト42の芯合せが自動的に行われる。
【0063】
この時、前記摺動ピン51が前記短垂直部45cの上端に当接することで、前記挿通孔47と前記伸長時ネジ孔49の位置が一致しており、又前記上シャフト43の重量が前記摺動ピン51によって支持されているので、作業者が前記上シャフト43の重量を支持する必要がなく、容易に前記固着具44を前記伸長時ネジ孔49に螺入することができる。又、前記固着具44で前記上シャフト43を前記下シャフト42に固定することができる。
【0064】
更に、上記した収縮状態から伸長状態への変更時、伸長状態から収縮状態への変更時に於いては、
図5(B)に示される様に、前記下シャフト42の外周面と前記上シャフト43の内周面との間に隙間が形成されるので、該上シャフト43を容易に伸縮させることができる。
【0065】
又、収縮状態、伸長状態の何れの場合も、3箇所に設けられた前記摺動ピン51が、前記長垂直部45a、或は前記短垂直部45cの上端にそれぞれ当接されるので、前記上シャフト43の上端に固着された前記最上段の棚板13aの水平度を容易に出すことができる。
【0066】
又、第1の実施例では、前記下シャフト42の径よりも前記上シャフト43の径を大きくしたことで、前記最上段の棚板13a上に複数のポッド9が載置され、回転した場合に於いても充分な曲げ剛性及び捻り剛性を得ることができ、前記支柱12の屈曲や破損を防止することができる。
【0067】
上述の様に、第1の実施例では、前記支柱12の、前記最上段の棚板13aと前記上から2段目の棚板13bとの間の部分を2重管構造の伸縮部41とし、伸縮可能な構造としたので、前記最上段の棚板13aを取外すことなく前記回転式ポッド棚11の高さを縮め、輸送用のコンテナに積込むことができる。
【0068】
従って、輸送時に於ける前記最上段の棚板13aの取外し、取外した該最上段の棚板13aの梱包、納品先での該最上段の棚板13aの再取付け等の作業が必要なくなるので、取付け及び取外しに対応する工数を削減することができ、作業時間及び作業労力の低減が図れると共に、取外した該最上段の棚板13aの為に別途輸送費用及び梱包材費用が掛るのを省略でき、作業、梱包、輸送等に於けるコストの低減を図ることができる。
【0069】
更に、前記回転式ポッド棚11は、簡易な操作で伸縮可能であるので、作業者は1人で安全に行え、又リフターや治具を必要とせず、作業コストを低減させることができる。
【0070】
尚、第1の実施例では、前記支柱12の前記最上段の棚板13aと前記上から2段目の棚板13bとの間のみを伸縮可能な構造としているが、該上から2段目の棚板13bと上から3段目の棚板13cとの間、該上から3段目の棚板13cと最下段の棚板13dとの間の一方或は両方を伸縮可能な構造としてもよい。
【0071】
又、第1の実施例では、前記摺動溝45及び前記摺動ピン51を3箇所に設けているが、前記摺動溝45及び前記摺動ピン51は4箇所以上に設けてもよいのは言う迄もない。
【0072】
次に、
図7(A)(B)に於いて、本発明の第2の実施例に於ける回転式ポッド棚11について説明する。尚、
図7(A)(B)中、
図3(A)(B)中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
第2の実施例では、支柱12の、最上段の棚板13aと上から2段目の棚板13bとの間の部分は円柱部12aとなり、上から2段目の棚板13bと上から3段目の棚板13cとの間の部分は円筒部12bとなっている。前記円柱部12aの外径は前記円筒部12bの内径よりも小さく、前記円柱部12aは前記円筒部12bに摺動自在に内嵌している。
【0074】
前記円柱部12aの下端から所定距離上方には、周面より径方向に突出する略直方体形状の係止片53が周方向に所定間隔で所定箇所、例えば3箇所に設けられ、前記円柱部12aの軸心から前記係止片53の先端迄の長さは、前記円筒部12bの内径よりも長くなっている。
【0075】
又、前記円筒部12bの内周面には、前記係止片53と同数且つ同等の間隔で挿通溝54が刻設されている。該挿通溝54は前記円筒部12bの高さ方向に軸心と平行に全長に亘って刻設されると共に、前記挿通溝54は前記係止片53が自在に摺動できる大きさとなっている。
【0076】
前記回転式ポッド棚11が伸長状態の場合には、前記係止片53の下面が前記円筒部12bの上端面に当接した状態で、ボルト等の固着具(図示せず)により前記円柱部12aと前記円筒部12bとが固着されている。
【0077】
前記回転式ポッド棚11を伸長状態から収縮状態へと変更する際には、前記円柱部12a及び前記円筒部12bから前記固着具を取外し、前記係止片53と前記挿通溝54の位置が合致する様前記円柱部12aを回転させる。その後、前記最上段の棚板13aの下面が前記上から2段目の棚板13bの上面と当接する迄降下させることで、前記係止片53が前記挿通溝54を通って降下し、前記円柱部12aが全て前記円筒部12bの内部に収納される。最後に前記固着具により前記円柱部12aと前記円筒部12bとを固着することで、前記回転式ポッド棚11が収縮状態で固定される。
【0078】
前記回転式ポッド棚11を収縮状態から伸長状態へと変更する際には、上記と逆の順序で作業が行われる。この時、前記挿通溝54は前記円筒部12bの内周面に高さ方向全長に亘って刻設されているので、前記円柱部12aに対するガイド溝の役割を果し、収縮状態から伸長状態への変更を容易とすることができる。
【0079】
又、第2の実施例の前記回転式ポッド棚11では、前記支柱12の前記円柱部12aを前記円筒部12b内に全て収納可能な構造となっているので、前記回転式ポッド棚11の高さをより縮小することができる。
【0080】
尚、第2の実施例では、前記挿通溝54を前記円筒部12bの全長に亘って刻設しているが、該円筒部12bの上端部にのみ細径部を形成し、該細径部に前記係止片53が挿通可能な切欠きを設けてもよい。又、前記円柱部12aに段付き加工を施し、前記回転式ポッド棚11の高さを段階的に伸縮できる様にしてもよい。
【0081】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0082】
(付記1)複数枚の基板が収納される基板搬送容器と、該基板搬送容器を搬送する基板搬送容器搬送装置と、該基板搬送容器搬送装置により搬送された複数の基板搬送容器が格納される基板搬送容器格納棚とを具備し、該基板搬送容器格納棚を高さ方向に伸縮可能としたことを特徴とする基板処理装置。
【0083】
(付記2)前記基板搬送容器格納棚は、支柱と該支柱を中心に回転可能に設けられた複数の棚板とで構成され、前記支柱は上側の棚板の下面に固着された上シャフトと、下側の棚板から上方に延出する下シャフトからなる2重管構造となっており、前記上シャフトは前記下シャフトに摺動自在に外嵌する付記1の基板処理装置。
【0084】
(付記3)前記下シャフト上端部の外周面には所定間隔で所定数摺動ピンが突設され、前記上シャフトには前記摺動ピンと同数且つ同等の間隔で略L字状の摺動溝が穿設され、該摺動溝を前記摺動ピンが摺動すると共に、該摺動ピンは前記基板搬送容器格納棚の伸長時及び収縮時にそれぞれ前記摺動溝の垂直部上端及び水平部終端で位置決めされる付記2の基板処理装置。