(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882620
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム
(51)【国際特許分類】
B64C 13/04 20060101AFI20160225BHJP
【FI】
B64C13/04
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-164579(P2011-164579)
(22)【出願日】2011年7月27日
(65)【公開番号】特開2012-30793(P2012-30793A)
(43)【公開日】2012年2月16日
【審査請求日】2014年7月14日
(31)【優先権主張番号】12/845,160
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511182688
【氏名又は名称】ウッドワード エムピーシー,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Woodward MPC,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(72)【発明者】
【氏名】ダリル エス.スターチニアク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エム.ルサク
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピー.ダイラ
【審査官】
志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−264292(JP,A)
【文献】
米国特許第07559510(US,B1)
【文献】
米国特許第04228386(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/00 − 13/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成されたスティックと;
前記メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成された受動的なフィードバック機構であって、前記受動的なフィードバック機構に対して前記スティックが移動されるときに、前記スティックに直接作用して受動的なフィードバックの力のプロフィールを前記スティックに供給する、受動的なフィードバック機構と;
前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を能動的に調整するように前記受動的なフィードバック機構に作動可能に連結されたアクチュエータとを備え;
前記受動的なフィードバック機構は、カム面を含むカムと抵抗機構とを含み、前記カム面は、フィードバック中立位置を画成し、前記スティックは、前記カム面に追従するカムフォロワを含み、前記抵抗機構は、前記カム面を徐々に大きく偏倚させて前記フィードバック中立位置からの前記カムフォロワの移動に抵抗し、前記受動的な触覚フィードバックを供給し;
前記受動的なフィードバック機構は、前記カム面及び前記抵抗機構を支持するジンバル機構を含み、前記アクチュエータは、前記ジンバル機構に連結され、前記ジンバル機構の前記メカニカルグラウンドに対する位置を調整して前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を調整するように構成された;
間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項2】
前記抵抗機構は、スプリング及び/又はダンパ機構によって構成された、請求項1に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項3】
前記カム面はV字型に設けられ、前記カムフォロワは前記V字型のカム面内に配置され、前記フィードバック中立位置は、前記カムフォロワが前記V字型の面の両側に接触する位置に設けられる、請求項1又は請求項2に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項4】
前記ジンバル機構及び前記スティックは、第1の共通軸周りを枢動するように前記メカニカルグラウンドへ枢着されて設けられた、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項5】
前記アクチュエータは、第2の軸周りを両者間で相対的に枢動するように前記ジンバル機構へ枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして設けられ、前記アクチュエータは、前記第1及び第2の軸から離間した第3の軸周りを枢動するように前記メカニカルグラウンドへ枢動可能に連結された、請求項4に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項6】
前記受動的なフィードバック機構は、前記アクチュエータが故障しても前記メカニカルグラウンド及び前記フィードバック機構に対して前記スティックが完全に移動不能とならないように、前記スティックと前記アクチュエータとの間に作動可能に連結されて設けられた、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項7】
前記受動的なフィードバック機構は、少なくとも1つの偏倚部材を含み、前記偏倚部材は、前記アクチュエータと前記スティックとの間に配置されて設けられた、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項8】
前記スティックに外部負荷が加えられない限り、前記アクチュエータによる前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置の調整に前記偏倚部材は能動的に対抗しないように構成された、請求項7に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項9】
前記偏倚部材は流体ダンパにより構成された、請求項7又は請求項8に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項10】
前記ジンバル機構と前記カム面を有するカムとが相互に枢動可能に連結された、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項11】
前記抵抗機構は、前記ジンバル機構と前記カムとの間の前記枢動の連結部から横方向に離間して設けられた、請求項10に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項12】
メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成されたスティックと;
前記メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成された受動的なフィードバック機構であって、前記受動的なフィードバック機構に対して前記スティックが移動されるときに、前記スティックに直接作用して受動的なフィードバックの力のプロフィールを前記スティックに供給する、受動的なフィードバック機構と;
前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を能動的に調整するように前記受動的なフィードバック機構に作動可能に連結されたアクチュエータとを備え;
前記受動的なフィードバック機構は、少なくとも1つの偏倚部材を含み、前記偏倚部材は、前記アクチュエータと前記スティックとの間に配置されて設けられ;
前記スティックに外部負荷が加えられない限り、前記アクチュエータによる前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置の調整に前記偏倚部材は能動的に対抗しないように構成された;
間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項13】
前記偏倚部材は流体ダンパにより構成された、請求項12に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項14】
前記スティックは前記メカニカルグラウンドに対して、少なくともピッチを表す一の次元とロールを表す他の次元との2つの次元において移動可能に設けられた、請求項12又は請求項13に記載の間接駆動方式の能動的なコントロール・カラム。
【請求項15】
メカニカルグラウンドに移動可能に連結されたスティックと;
前記メカニカルグラウンドに対する受動的なフィードバックプロフィールを前記スティックに供給するフィードバック機構とを備え;
前記フィードバック機構の少なくとも一部分は、前記メカニカルグラウンドに対する前記フィードバックプロフィールを調整するように、前記メカニカルグラウンド及び前記スティックに対して移動可能に構成され;
前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を調整して前記フィードバックプロフィールを調整するように、前記受動的なフィードバック機構に連結されたアクチュエータを更に備え;
前記フィードバック機構は、減衰部材を含み、前記アクチュエータが前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を調整する場合には、前記減衰部材は前記アクチュエータに対して作用しないように設けられた;
航空機制御システム。
【請求項16】
コントロールスティックがフィードバック中立位置から移動されるときに前記コントロールスティックを受動的に偏倚させるステップと;
メカニカルグラウンドに対する受動的なフィードバックプロフィールを調整するために前記メカニカルグラウンドに対する前記フィードバック中立位置を能動的に調整するステップとを備え;
前記コントロールスティックを受動的に偏倚させるステップは、受動的なフィードバック機構によって構成され、前記コントロールスティックを受動的に偏倚させるステップは、前記スティックが前記受動的なフィードバック機構に対する前記フィードバック中立位置から移動されるときに前記スティックの偏倚を減衰するステップを含み;
前記減衰するステップは、前記メカニカルグラウンドと前記コントロールスティックとの間の相対的な移動から独立して行われるように構成された;
航空機制御システムのコントロールスティックにフィードバックを供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に航空機用のコントロール・カラム(操縦桿/操縦輪)に関し、より詳細には航空機用のフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
民生用航空機及び軍用航空機の性能要件は高まってきており、機械式のリンク機構を用いる従来の制御技術では、操縦士(パイロット)が高度な精神活動及び手動制御活動から解放されることはない。従って、今日の高性能な航空機だけでなく、一部の輸送用航空機は「コントロール・カラム」とも呼ばれる「フライバイワイヤ」方式のサイドスティックやセンタースティックを用いている。
【0003】
こうしたフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムは、航空機の操縦翼面(操舵面)に関する触覚フィードバックをコントロール・カラムに再現する。
【0004】
「受動的(パッシブ)な」コントロール・カラムにおいて、操縦士は、飛行制御コンピュータ(FCC)への制御入力である、コントロール・カラムのスティックに与えられた偏位に応じてスプリング又はダンパからの力(操縦反力)を感ずる。これらの力(操縦反力)は、スプリング及びダンパのパッケージにより実現される。このような受動的なコントロール・カラムでは、操縦士の操縦力(即ち、受ける感触)は、通常は(所定の設定に)固定されている。
【0005】
この受動的(パッシブ)な制御という概念の欠点は、従来の操縦装置とは対照的に、操縦士が航空機の操縦翼面(操舵面)との接触を失い、又、コックピットにいる第2の操縦士との接触を断たれる点である。このため、操縦士は触覚情報を失って、視覚的な手掛かりだけで、実際のフライト(飛行)状態、利用可能なトリム制御パワー(動力)、他の操縦士の行動に関する情報を得るしかない。更なる欠点は、例えば、高度や天候の変化又は機械的な故障等による航空機のフライト状態又は操縦翼面のその他の変化を補償するようにフィードバックプロフィールを調整することができないという事実である。
【0006】
「直接駆動方式による能動的(アクティブ)な」コントロール・カラムでは、操縦士は精巧なサーボシステムのみを用いて再現される制御力を体感(体験)する。直接駆動方式による能動的な制御システムでは、モータ、駆動用電子機器、並びに高帯域閉ループ力及び減衰制御アルゴリズムを用いて、航空機の操縦翼面(操舵面)の触覚フィードバックを再現するスティックに直接に触覚フィードバックを供給する。この高帯域システムを用いることにより、システムは多数のセンサと複雑な制御システムのために高価でかさばるものとなっている。更に、こうした直接駆動方式による能動的なシステムでは、モータが故障すると、スティックがロックされて操縦士は航空機を制御できなくなってしまうことが考えられる。これを是正するには、不必要な冗長性をシステムに組み込むことが必要である。
【0007】
標準的な「完全に能動的(アクティブ)な」コントロール・カラムの欠点を有することなく、他のコントロール・カラムを操作する操縦士の行動に関する触覚フィードバックを一のコントロール・カラムに調整可能に供給することができる、コントロール・カラム用の調整可能な触覚フィードバックシステムを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施の形態では、新たな、改良された航空機用の制御システムであって、制御システムのコントロール・カラムへの能動的(アクティブ)及び受動的(パッシブ)な両方のフィードバックを含む制御システムを提供する。能動的(アクティブ)及び受動的(パッシブ)なフィードバックの両方を用いることで、製造コストが低く、高帯域駆動の電子機器及びアルゴリズムを必要としない機械的に単純な装置とすることができる等、能動的(アクティブ)及び受動的(パッシブ)の両方のシステムの利点を得ることができる。
【0009】
特定の一の実施の形態において、スティックと、受動的(パッシブ)なフィードバック機構と、アクチュエータとを備える間接駆動方式の能動的(アクティブ)なコントロール・カラムが提供される。スティックは、制御信号を航空機に入力するためにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して操縦士が移動可能に設けられる。このスティックは、ピッチ及びロールの一方又は両方を制御するように設けてもよい。受動的(パッシブ)なフィードバック機構はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に設けられ、受動的(パッシブ)なフィードバック機構に対してスティックが移動されるときに、スティックに直接作用して受動的(パッシブ)なフィードバックの力のプロフィールをスティックに供給する。アクチュエータは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を能動的(アクティブ)に調整するように、受動的(パッシブ)なフィードバック機構に作動可能に連結される。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の調整により、メカニカルグラウンドに対するフィードバック機構の力のプロフィールの調整が可能となる。
【0010】
一の実施の形態において、受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリは、カム面を含むカムと、抵抗機構とを含む。カム面は、フィードバック中立位置を画成する。スティックは、カム面に追従するカムフォロワを含む。抵抗機構は、カム面を徐々に大きく偏倚させてフィードバック中立位置からのカムフォロワの移動に抵抗し、受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを供給する。
【0011】
更に特定の実施の形態では、抵抗機構は、スプリング及び/又はダンパ機構によって構成することができる。ダンパ機構は、流体を用いた回転ダンパにより設けるものとしてもよい。
【0012】
一の実施の形態において、カム面は概してV字型に設けられ、カムフォロワはV字型のカム面内に配置されて設けられる。フィードバック中立位置は、カムフォロワがV字型の面の両側に接触する、又はV字型の中央に位置するときの位置に設けられる。
【0013】
一の実施の形態において、受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリは、カム面及び抵抗機構を支持するジンバル機構を含む。アクチュエータは、ジンバル機構に作動可能に連結され、ジンバル機構のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する位置を調整してメカニカルグラウンドに対する受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリの位置を能動的(アクティブ)に調整するように構成される。この調整によって、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に関するフィードバックプロフィールの変更が可能となる。
【0014】
ジンバル機構及びスティックは、第1の共通軸周りを枢動するようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)へ枢着されて設けられてもよい。更に、アクチュエータは、第2の軸周りを両者間で相対的に枢動するようにジンバル機構へ枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして設けることができ、アクチュエータは、第1及び第2の軸から離間(オフセット)した第3の軸周りを枢動するようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)へ枢動可能に連結して設けてもよい。
【0015】
一の実施の形態において、受動的(パッシブ)なフィードバック機構は、アクチュエータが故障してもメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及びフィードバックアセンブリに対してスティックが完全に移動不能とならないように、スティックとアクチュエータとの間に作動可能に連結されて設けられる。航空機の制御はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対するスティックの移動に比例して行われるので、アクチュエータの故障と同時にスティックがメカニカルグラウンドに対して移動不能にならなければ、コントロール・カラムを用いて航空機を制御することができる。
【0016】
他の実施の形態では、受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリは、少なくとも1つの偏倚部材を含み、偏倚部材は、スティックとメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)との間の接続部において、メカニカルグラウンドとスティックとの間ではなく、アクチュエータとスティックとの間に配置されて設けられる。こうした機構では、スティックに外部(外的な)負荷が加えられない限り、アクチュエータによるメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置の調整に偏倚部材は能動的(アクティブ)に対抗しない。このため、アクチュエータがメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整することができる一方で、操縦士がスティックを作動させていないときは、偏倚部材は操作(作動)されることがない。
【0017】
一の実施の形態において、ジンバル機構とカム面を有するカムとが枢動可能に連結されて設けられる。
【0018】
一の実施の形態において、スティックはメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して、少なくともピッチを表す一の次元とロールを表す他の次元との2つの次元において移動可能に設けられる。
【0019】
更なる航空機制御システムを、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に移動可能に連結されたスティックと、メカニカルグラウンドに対する受動的(パッシブ)なフィードバックプロフィールをスティックに供給するフィードバック機構によって実現することができる。フィードバック機構の少なくとも一部分は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のフィードバックプロフィールを調整するように、メカニカルグラウンド及び第1のスティックに対して移動可能に設けられる。
【0020】
一の実施の形態において、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整してフィードバックプロフィールを調整するように、航空機制御システムは、受動的(パッシブ)なフィードバック機構に連結されたアクチュエータを更に含む。
【0021】
一の実施の形態において、フィードバック機構は、減衰部材を含む。アクチュエータがメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整する場合には、減衰部材はアクチュエータに対し(反し)て作用しないように設けられる。
【0022】
フィードバックを航空機制御システムのコントロールスティックに供給する方法が提供される。方法は、コントロールスティックがフィードバック中立位置から移動されるときにコントロールスティックを受動的(パッシブ)に偏倚させるステップと、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバックプロフィールを調整するためにメカニカルグラウンドに対するフィードバック中立位置を能動的(アクティブ)に調整するステップとを含む。
【0023】
コントロールスティックを受動的(パッシブ)に偏倚させるステップは、受動的(パッシブ)なフィードバック機構によって構成されてもよい。コントロールスティックを受動的(パッシブ)に偏倚させるステップは、スティックが受動的(パッシブ)なフィードバック機構に対するフィードバック中立位置から移動されるときにスティックの偏倚を減衰するステップを含んでもよい。特定の実施の形態では、減衰するステップは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)とコントロールスティックとの間の相対的な移動から独立して(無関係に)行われるように構成される。
【0024】
本発明の他の態様、目的及び利点は、添付図面を併せ見れば、以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。
【0025】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述と共に、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態のコントロール・カラムを含む航空機制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、及び均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。
【0028】
図1に、航空機のピッチ、ロール又はピッチとロールとの両方を制御する航空機制御システム100の単純化した概略図を示す。航空機制御システム100は概して、第1及び第2のコントロール・カラム102、104(総称的に「コントロール・カラム102、104」と呼ぶ)を含む。コントロール・カラム102、104は、操縦士(例えば、操縦士(パイロット)と副操縦士(コ・パイロット)と)がピッチ、ロール及び/又はピッチとロール等の、航空機の多様な機動を制御するために用いる。
【0029】
航空機のピッチ及び/又はロールを調整するためのコントロール・カラムの操作が機械的装置によって航空機の操縦翼面(操舵面)に直接的に伝えられるわけではないことから、コントロール・カラム102、104は、フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムであるものといえる。実際には、コントロール・カラムの中立位置(ニュートラル・ポジション)からの偏位は、検知されて電気信号に変換される。この信号は、この電気信号を用いて航空機の操縦翼面(操舵面)にそれと比例するだけの変化を生じさせるアクチュエータに送信される。
【0030】
コントロール・カラム102、104は操縦翼面(操舵面)と機械的にはリンクしていないため、制御システム100は、コントロール・カラム102、104が操縦翼面に機械的に連結されていれば操縦士が得るであろう感触を再現するために触覚フィードバックを組み込んでおり、その触覚フィードバックがコントロール・カラム102、104に加えられる。例えば、操縦士が(大きな舵角で)大幅なピッチ又はロールを要求すると、触覚フィードバックは、操縦翼面(操舵面)の変化を実現するために操縦士がコントロール・カラムに加えなければならない力(操縦(反)力)の大きさを増加させる。従って、航空機の姿勢の制御における大幅な(大きな舵角での)偏位は、対応するコントロール・カラムに操縦士が大きな力(操縦力)を加えることで実現される。
【0031】
コントロール・カラム102、104は概して、第1及び第2のスティック108、110(即ち、操縦士及び副操縦士用のスティック)を含み、これを用いて操縦士は所望のピッチ及び/又はロールに関する制御信号を入力する。第1及び第2のスティック108、110は、第1及び第2のフィードバックアセンブリ112、114と連動して触覚フィードバックを供給する。コントロール・カラム102、104は、フィードバックアセンブリ112、114の動的(ダイナミック)な調整を制御する電子制御機構106に連結されている。
【0032】
各フィードバックアセンブリ112、114は、触覚フィードバックを対応するスティック108、110に供給する。一部の実施の形態では、この触覚フィードバックは受動的(パッシブ)な成分と能動的(アクティブ)な成分との2つの成分を有する。
【0033】
典型的には、受動的(パッシブ)な成分、即ち、触覚フィードバックの第1の部分は、フライト(飛行)状態(姿勢)、即ち、中立(ニュートラル)位置からのスティックの偏位量によって操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に関する。一の実施の形態において、能動的(アクティブ)な成分、即ち、触覚フィードバックの第2の部分は、2つの異なるコントロール・カラム、即ちコントロール・カラム102とコントロール・カラム104との不一致(食い違い)に関する。より詳細には、フィードバックアセンブリ112、114は、2つのスティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して同じ位置にないとき、即ち、両操縦士が互いに矛盾(対立)する制御コマンドを航空機に与えている場合に触覚フィードバックを供給する。しかしながら、例えば、他のシステムでは、高度の変化、操縦翼面(操舵面)への着氷、操縦翼面を制御するアクチュエータの故障又は機能低下等の航空機の(操縦)特性の変化等の、他の入力に基づいて能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを供給することも可能である。
【0034】
この実施の形態のコントロール・カラム102と104とは、実質的に同一に設けられている。概して、スティック108は第1の握り部(グリップ)116を含み、スティック110は第2の握り部(グリップ)118を含む。両操縦士は、所望量のピッチ及び/又はロールを制御するために手動で握り部(グリップ)116、118を操作する。握り部(グリップ)116は第1の連接棒120に作動可能に連結され、握り部(グリップ)118は第2の連接棒122に作動可能に連結されて設けられる。連接棒120、122は各々、第1及び第2のカムフォロワ124、126に作動可能に連結されている。若しくは、第1及び第2のカムフォロワ124、126を含んで設けられる(本実施の形態においては、ローラとして図示されている)。カムフォロワ124、126は、対応するフィードバックアセンブリ112、114と相互作用(連動)して可変の(変動する)触覚フィードバックプロフィールをスティック108、110に供給する。
【0035】
スティック108、110は、第1及び第2のグラウンド中立位置132、134の対応する一方に対して、第1又は第2の共通枢着点128、130のうち対応する一方の周りを枢動する。対応するグラウンド中立位置132、134に対するスティック108、110の角変位(入力角)は、操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に比例する。即ち、航空機の対応する操縦翼面(操舵面)の位置の変化(舵角)の量に比例する。
【0036】
一般に、フィードバックアセンブリ112、114は、グラウンド中立位置132、134からのスティック108、110の移動に対して抵抗を供給することによって、操縦士に触覚フィードバックを供給する。一の実施の形態では、フィードバックアセンブリ112、114は、間接駆動方式の能動的(アクティブ)なフィードバックアセンブリとして設けられる。これにより、システムは能動的(アクティブ)なフィードバックと受動的(パッシブ)なフィードバックとの両方を供給することが可能となる。フィードバックアセンブリ112、114は、受動的(パッシブ)なフィードバックを、典型的には、前述のように、スティック108、110の制御状態に関する触覚フィードバックの第1の形(フォーム/プロフィール)として用いる。これは、要求されたピッチ及び/又はロールの量に関し、航空機の操縦翼面(操舵面)への結合(取り付け)を再現する。この受動的(パッシブ)なフィードバックは、一以上のスプリング及び/又はダンパ、又は他の偏倚装置を用いることにより、フィードバック中立位置からのスティック108、110の回転移動(回転角度)に対抗する抵抗機構136、138(即ち、スプリングダンパ‐パッケージ)によって供給される。
【0037】
典型的な実施の形態では、抵抗機構の抵抗プロフィールは、スティック108、110のフィードバック中立位置、図示の実施の形態においては、第1及び第2のグラウンド中立位置132、134からの角変位(又は偏位)の量が大きいほど増加する。この抵抗が操縦士にフィードバックを供給し、操縦士がある量のピッチ又はロールを要求するときには操縦士が記憶する筋力が抵抗機構136、138のスプリング及びダンパの力(操縦反力)に打ち勝つ大きさの押す又は引く力(操縦力)を加えるようにする。従って、操縦士は、航空機の制御にはどの程度の力(操縦力)が必要か、即ち、一定量のピッチ及び/又はロールのためにグラウンド中立位置132、134に対してスティック108、110の位置を調整するにはどの程度の力(操縦力)を使うのか「学習」することになる。
【0038】
図示の実施の形態におけるフィードバックアセンブリ112、114は、第1及び第2のV字型のカム面148、150を各々有する、プロファイル加工された(プロフィール形状を有する)第1又は第2のカム144、146を含み、カム面148、150にはカムフォロワ124、126が相互作用(連動)する。カムフォロワ124、126がカム面148、150の中心、即ち、「V字」の底から離れる方向に移動すると、抵抗機構136、138は、対応するスティック108、110に加えられる角度方向の力を増加させて触覚フィードバック(操縦反力)を操縦士に供給する。
【0039】
カム面148、150の中心点は、この位置では、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられない、「フィードバック中立位置」又は「ジンバル中立位置」とも呼ぶことができる。一の実施の形態において、
図1に示すフィードバック中立位置では、カムフォロワ124、126は、対応するV字型のカム面148、150の両側に接触し、そのため、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられることがない。
図1では、フィードバック中立位置は、グラウンド中立位置132、134と整列した状態にあるものとして示されている。
【0040】
第1及び第2の抵抗機構136、138と組み合わされている第1及び第2のカム144、146が発生する力は、フィードバック中立位置に対応するカム144、146の中心に向けてスティック108、110を常に付勢するように駆動(作用)する。そのため、第1及び第2のカム144、146は受動的(パッシブ)なセンタリングメカニズムと呼ぶことができる。
【0041】
一部の実施の形態において、航空機制御システム100は、2つの異なるスティック108、110への制御入力に食い違い(相違)がある場合に能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを両操縦士に供給するようにも構成されている。食い違いは、一方の操縦士が他方の操縦士とは程度(舵角)の異なるピッチ及び/又はロールを要求しようとすると生じる。これは、前述の触覚フィードバックの第2の形(フォーム/プロフィール)である、能動的(アクティブ)な触覚フィードバックであるものということができる。
【0042】
一の実施の形態において、フィードバックアセンブリ112、114は、一方の操縦士の行為が2つのスティック108、110の位置に食い違いを生じさせる場合に、第1及び第2のスティック108、110をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して同じ位置に維持しようとするように構成されている。
【0043】
一方のスティック108、110に他方のスティック110、108の作動に関する能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを供給するため、フィードバックアセンブリ112、114は、移動可能な第1及び第2のジンバル152、154の一方を含む。第1及び第2のジンバル152、154は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する第1及び第2のカム144、146の位置を調整するための第1及び第2のアクチュエータ156、158の対応する一方によって駆動される。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するカム144、146の位置の調整は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する力のフィードバックプロフィールを能動的(アクティブ)に調整する。このため、スティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動されるときに、対応するフィードバックアセンブリ112、114によって異なる力が(異なるフィードバックプロフィールで)対応するスティック108、110に加えられるように設けることが可能である。
【0044】
図示の実施の形態において、アクチュエータ156、158は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に枢動可能に連結され、ジンバル152、154に枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして図示されている。しかしながら、例えば、共通枢着点128、130に配置される回転型のアクチュエータ、又はジンバル152、154に設けられる対応する歯車装置に作用する歯車を有するモータのような、他のアクチュエータを用いることもできる。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の位置を調整可能に設けることができる、他のタイプの駆動メカニズムを用いることもできる。
【0045】
更に、受動的(パッシブ)なフィードバック部分、即ち、抵抗機構136、138、対応するジンバル152、154、カム144、146がアクチュエータ156、158とスティック108、110との間に配置されているために、アクチュエータ156、158は直接的にスティック108、110に連結されて設けられず、間接駆動が実現される。従って、スティック108、110は、少なくともある程度は、アクチュエータ156、158からは独立して移動し得る。即ち、スティック108、110とそれに対応するフィードバックアセンブリ112、114との間には、少なくとも制限又は偏倚された自由度が設けられる。このため、もしアクチュエータ156、158が万一ロックされたり、固定状態に制御されたりした場合でも、スティック108、110はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して移動可能であるように設けられ、操縦士が航空機の姿勢を制御状態に調整可能であるように設けられている。
【0046】
ジンバル152、154は、各々第1及び第2の共通枢着点128、130周りに回転できるように(アクチュエータ156、158を介して)メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に回転可能に取り付けられている。このため、このように設けられたコントロール・カラム102、104のスティック108、110及びジンバル152、154は、各々の共通枢着点128、130によって実現される対応する共通軸周りの回転が許容されている。
【0047】
図示の実施の形態において、ジンバル152、154は、ジンバルフレーム160、162を含む。第1及び第2のカム144、146は、ジンバルフレーム160、162に移動可能に支持されて設けられる。図示した実施の形態において、第1及び第2のカム144、146は、第1及び第2のジンバルフレームアーム168、170に枢動可能に接続されたカム接続アーム164、166を含む。第1及び第2のカム144、146、並びに第1及び第2のジンバルフレーム160、162は、介在する枢支接続部172、174を介して相対的に回転し、抵抗機構136、138内部の偏倚メカニズムの圧縮又は伸張を調整することによって第1及び第2のスティック108、110に加えられる力の大きさ(並びにフィードバックプロフィール)を調整する。
【0048】
あるいは、ジンバルフレーム160、162に対してカム144、146を移動させる他の手段を設けることもできる。例えば、カム144、146を自在に浮動可能に設けると共に、抵抗機構136、138の端部に取り付けただけとすることもできる。あるいは、カム144、146をジンバルフレーム160、162に沿って直線的に摺動可能に取り付けるものとしてもよい。
【0049】
抵抗機構136、138は、システムに減衰を付加するダンパ175、176を提供する。図示の実施の形態において、抵抗機構136、138、特にそのダンパは、スティック108、110とジンバル152、154との間に配置されている。他の実施の形態において、抵抗機構136、138の一部、特にダンパ175、176をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159とスティック108、110との間に配置するように設けることもできるが、この実施の形態では、アクチュエータ156、158をダンパ175、176の影響で隔離する他の利点を実現するためにそうしていない。このため、この実施の形態では、アクチュエータ156、158がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の位置を調整する際には、抵抗機構136、138、特にそのダンパ175、176が、アクチュエータ156、158(の作動)に反して作動することはない(アクチュエータ156、158の作動に追従する)。
【0050】
抵抗機構をスティック108、110とジンバル152、154との間に配置することで、アクチュエータ156、158はフィードバックアセンブリ112、114の受動的(パッシブ)なフィードバック部分を介してスティック108、110を駆動するが、操縦士の入力がない限り、抵抗機構136、138、特にそのダンパ175、176は、アクチュエータ156、158の動きに対抗することはない。
【0051】
ダンパ175、176は、回転式の流体減衰モジュールとして設けることもできる。あるいは、直動式の流体ダンパとして設けることもできる。電子ダンパ等、他のダンパを組み込むこともできる。
【0052】
メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するカム144、146の配置のより詳細な制御については、本件出願の譲受人に譲渡された代理人整理番号RBVD507843の本件出願と同時係属する出願である2010年7月28日出願の出願番号12/844,867、「フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムのクロスカップル作動のための位置制御システム(Position Control System for Cross Coupled Operation of Fly−By−Wire Control Columns)」に記載されており、その教示及び開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
一の実施の形態において、ジンバル152、154の位置を能動的(アクティブ)に調整し、延いてはそれに対応するカム144、146の共通枢着点128、130周りの位置を調整することにより、対応するスティック108、110に加えられるグラウンド中立位置132、134及びメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する抵抗又はフィードバックプロフィールが能動的(アクティブ)に変更され、触覚フィードバックが操縦士に供給される。
【0054】
この能動的(アクティブ)な調整機能は、2つのスティック108、110によって供給されたコマンドの間の食い違いを示すために用いることができる。力(操縦反力)のフィードバックプロフィールにおけるこの調整機能は、他のスティックから偏位(逸脱)させようと試みる他の操縦士によって加えられる操縦力の付加を相殺するように、一方の操縦士がスティックを移動する矯正力を提供して、そのような制御の食い違う操縦力を入力する場合に、2つのスティック108、110を共通位置に維持するために用いることもできる。更に、抵抗又はフィードバックプロフィールにおけるこの能動的(アクティブ)な調整機能は、航空機における、例えば、操縦翼面(操舵面)の変化、操縦翼面を制御するアクチュエータの変化又は故障、操縦翼面への着氷、高度の変化等の他の変化を再現するために用いることもできる。
【0055】
システム100の更なる特徴は、本件出願の譲受人に譲渡された代理人事件番号RBVD507949の本件出願と同時係属する出願である2010年7月28日出願の出願番号12/845,246、「受動的コントロール・カラムへの手動作動による転換機能を有する能動的コントロール・カラム(Active Control Column with Manually Activated Reversion to Passive Control Column)」に記載されており、その教示と開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
本明細書中で引用する公報、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、又、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
【0057】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(即ち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0058】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物を全て含む。更に、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、全ての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0059】
100 航空機制御システム
102 第1のコントロール・カラム
104 第2のコントロール・カラム
106 電子制御機構
108 第1のスティック
110 第2のスティック
112 第1のフィードバックアセンブリ(機構)
114 第2のフィードバックアセンブリ(機構)
116 第1の握り部(グリップ)
118 第2の握り部(グリップ)
120 第1の連接棒
122 第2の連接棒
124 第1のカムフォロワ(カムローラ)
126 第2のカムフォロワ(カムローラ)
128 第1の共通枢着点
130 第2の共通枢着点
132 第1のグラウンド中立位置
134 第2のグラウンド中立位置
136 第1の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ)
138 第2の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ)
144 第1のカム
146 第2のカム
148 第1のカム面
150 第2のカム面
152 第1のジンバル
154 第2のジンバル
156 第1のアクチュエータ
158 第2のアクチュエータ
159 メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)
160 第1のジンバルフレーム
162 第2のジンバルフレーム
164 第1のカム接続アーム
166 第2のカム接続アーム
168 第1のジンバルフレームアーム
170 第2のジンバルフレームアーム
172 第1の枢支接続部
174 第2の枢支接続部
175 第1のダンパ
176 第2のダンパ