特許第5882711号(P5882711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 第一工業製薬株式会社の特許一覧

特許5882711ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882711
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/04 20060101AFI20160225BHJP
   C08L 33/00 20060101ALI20160225BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20160225BHJP
   C08K 5/20 20060101ALI20160225BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20160225BHJP
【FI】
   C08L67/04ZBP
   C08L33/00
   C08K5/103
   C08K5/20
   !C08L101/16
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-271596(P2011-271596)
(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公開番号】特開2013-122024(P2013-122024A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 英明
(72)【発明者】
【氏名】森下 健
【審査官】 藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−246609(JP,A)
【文献】 特開2006−176747(JP,A)
【文献】 特開2010−126580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L67/00−67/08
C08L33/00−33/16
C08L101/16
C08K3/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(A)成分とともに、下記の(B)〜(D)成分を含有することを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物。
(A)ポリ乳酸。
(B)ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと、エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと、炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物。
(C)脂肪酸アミド。
(D)アクリル樹脂。
【請求項2】
上記(B)成分である反応生成物が、オキシエチレン基を20〜95重量%含有する請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項3】
上記(B)成分の反応生成物の材料であるポリオールが、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトールおよびマルチトールからなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項1または2記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項4】
上記(C)成分である脂肪酸アミドが、水酸基を有する炭素数8〜24の脂肪酸と、アミノ基を2つ有する化合物とを反応させてなるビスアミド化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項5】
上記(B)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対して2〜15重量部の範囲である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項6】
上記(C)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対して0.1〜2重量部の範囲である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項7】
上記(D)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリ乳酸樹脂組成物からなることを特徴とする樹脂成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石油資源の枯渇、CO2削減等が問題となる中、とうもろこし等の穀物資源を発酵させて得られる乳酸を原料とするポリ乳酸が注目されている。ポリ乳酸は、上記のように植物由来の樹脂であるとともに、剛性が高く透明性に優れるという特性を有するが、耐熱性や耐衝撃性が低いために高温条件下で使用できない等の理由から、通常の樹脂に比べ、その用途が限られている。
【0003】
ポリ乳酸の耐熱性を向上させる方法としては、例えば、熱処理(アニール処理)によって結晶化度を高める方法があるが、熱処理時間が非常に長く実用的でない上に、結晶化の進行と共に透明性が低下するなどの問題がある。
【0004】
そこで、近年、これらの問題を解決する方法として、ポリ乳酸をポリマーとする樹脂組成物中に、様々な可塑剤や結晶核剤を配合することが検討されている。
【0005】
たとえば、その一例として、上記可塑剤として糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルを使用し、上記結晶核剤として層状珪酸塩を使用することが提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、その他にも、例えば、上記可塑剤として飽和エステルを使用し、上記結晶核剤として脂肪族エステルや脂肪酸アミドを使用することも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2008/010318公報
【特許文献2】特開2007−130895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示の樹脂組成物は、耐熱性が低く、使用可能な用途はごく限られたものである。しかも、上記樹脂組成物は、金型成形の際に成形時間を長くとらないと、その成形品を脱型する際に変形を生じやすいことから、金型成形時の生産性が悪いという問題もある。
【0009】
一方、上記特許文献2に開示の樹脂組成物は、耐衝撃性がやや改善されているものの、水やアルコールに対して溶出しやすく、耐衝撃性および耐溶出性に優れた成形品を得ることができない。さらに、上記樹脂組成物は、金型成形時の生産性も充分ではないことから、未だ改善の余地がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐衝撃性、耐溶出性、耐熱性に優れるとともに、金型成形時の生産性に対して優れるポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)成分とともに、下記の(B)〜(D)成分を含有するポリ乳酸樹脂組成物を第一の要旨とする。
(A)ポリ乳酸。
(B)ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと、エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと、炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物。
(C)脂肪酸アミド。
(D)アクリル樹脂。
【0012】
また、本発明は、上記第一の要旨のポリ乳酸樹脂組成物からなる樹脂成形体を第二の要旨とする。
【0013】
すなわち、本発明者らは、耐衝撃性、耐溶出性、耐熱性に優れるとともに、金型成形時の生産性に対して優れるポリ乳酸樹脂組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。その結果、ポリ乳酸をポリマーとする樹脂組成物中に、可塑剤として特定の反応生成物、すなわち、ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと,エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと,炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物(B成分)を配合し、結晶核剤として、脂肪酸アミド(C成分)を配合し、さらに、耐衝撃性をより高めるためアクリル樹脂(D成分)を配合すると、所期の目的が達成できることを本発明者らは見いだし、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸(A成分)とともに、ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと,エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと,炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物(B成分)と、脂肪酸アミド(C成分)と、アクリル樹脂(D成分)とを含有する。したがって、耐衝撃性、耐溶出性、耐熱性に優れるとともに、金型成形時の生産性に対して優れた効果を発揮する(脱型時の変形を生じさせずに、短時間で効率よく樹脂成形体を得る)ことができる。また、耐熱性等に優れることから、例えば輸送時における高温対策が不要であるといった効果も奏する。
【0015】
特に、上記B成分である反応生成物が、オキシエチレン基を特定の範囲で含有すると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、透明性、成形時の生産性等に優れるようになる。
【0016】
さらに、上記B成分の反応生成物の材料であるポリオールが、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトールといった特定のポリオールであると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、より耐衝撃性等に優れるようになる。
【0017】
また、上記C成分である脂肪酸アミドが、水酸基を有する炭素数8〜24の脂肪酸と、アミノ基を2つ有する化合物とを反応させてなるビスアミド化合物であると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、より透明性等に優れるようになる。
【0018】
また、上記B成分である反応生成物の含有量が特定の範囲であると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、より耐衝撃性等に優れるようになる。
【0019】
さらに、上記C成分である脂肪酸アミドの含有量が特定の範囲であると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、より成形時の生産性等に優れるようになる。
【0020】
また、上記D成分であるアクリル樹脂の含有量が特定の範囲であると、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、より耐衝撃性等に優れるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、先に述べたように、ポリ乳酸(A成分)とともに、ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと,エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと,炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物(B成分)と、脂肪酸アミド(C成分)と、アクリル樹脂(D成分)とを含有するものである。本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、上記(B)成分の反応生成物は、通常、可塑剤としての作用を有し、上記(C)成分の脂肪酸アミドは、結晶核剤としての作用を有する。なお、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記各成分に加え、必要に応じ、他の樹脂、無機充填剤、加水分解抑制剤、酸化防止剤等を含有することができる。
以下、これらについて説明する。
【0023】
〔ポリ乳酸〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物における上記ポリ乳酸(A成分)は、原料モノマーとして乳酸のみを縮重合させて得られるポリ乳酸、あるいは、原料モノマーとして乳酸成分と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分(以下、単に、ヒドロキシカルボン酸成分ともいう)とを縮重合させて得られるポリ乳酸の両方をあらわす。
【0024】
乳酸には、L−乳酸(L体)、D−乳酸(D体)の光学異性体が存在する。本発明では、乳酸成分として、いずれかの光学異性体のみ、または双方を含有してもよいが、ポリ乳酸樹脂組成物の可撓性と、剛性及び耐熱性との両立、ならびに成形時の生産性の観点から、いずれかの光学異性体を主成分とする光学純度が高い乳酸を用いることが好ましい。なお、本明細書において「主成分」とは、乳酸成分中の含有量が80モル%以上である成分のことをいう。
【0025】
乳酸成分のみを縮重合させる場合の乳酸成分におけるL体又はD体の含有量、すなわち、前記異性体のうちいずれか多い方の含有量は、上記の観点から、95.0モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。
【0026】
乳酸成分とヒドロキシカルボン酸成分とを縮重合させる場合の乳酸成分におけるL体又はD体の含有量、すなわち、前記異性体のうちいずれか多い方の含有量は、上記の観点から、95.0モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。
【0027】
また、上記ポリ乳酸には、乳酸としてD体のみを縮重合させたもの、乳酸としてL体のみを縮重合させたもの、D体とL体とを共重合体させたものの他、主成分がL体のポリ乳酸と主成分がD体のポリ乳酸とを任意の割合でブレンドしたものを用いても良い。
【0028】
一方、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸成分としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等のヒドロキシカルボン酸化合物があげられ、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。
【0029】
また、本発明においては、上記乳酸及びヒドロキシカルボン酸化合物の二量体が、それぞれの成分に含有されてもよい。乳酸の二量体としては、例えば、乳酸の環状二量体であるラクチドが用いられ、ヒドロキシカルボン酸化合物の二量体としては、例えば、グリコール酸の環状二量体であるグリコリドが用いられる。なお、ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがあり、本発明ではいずれのラクチドも用いることができるが、ポリ乳酸樹脂組成物の可撓性及び剛性、ならびにポリ乳酸樹脂の成形時の生産性の観点から、D−ラクチド及びL−ラクチドが好ましい。なお、乳酸の二量体は、乳酸成分のみを縮重合させる場合、及び乳酸成分とヒドロキシカルボン酸成分とを縮重合させる場合のいずれの場合の乳酸成分に含有されていてもよい。
【0030】
乳酸成分のみの縮重合反応、及び、乳酸成分とヒドロキシカルボン酸成分との縮重合反応は、特に限定はなく、公知の方法を用いて行うことができる。
【0031】
また、本発明におけるポリ乳酸の重量平均分子量は、通常10000〜400000の範囲であり、50000〜400000の範囲であることが好ましく、より好ましくは、重量平均分子量が100000〜300000の範囲である。すなわち、ポリ乳酸の重量平均分子量が上記範囲未満であると、樹脂成形体の機械的物性が低く、逆に、ポリ乳酸の重量平均分子量が上記範囲を超えると、成形時の流動性に劣るようになるからである。なお、ポリ乳酸の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、溶媒にクロロホルム、カラムに東ソー社製高温SECカラム(GMHHR−Hシリーズ)、流量1.0mL/min、カラム温度40℃、検出器に示差屈折率検出器(RI)、リファレンスとして既知の分子量を有するスチレンを用いて換算して求めることができる。
【0032】
〔可塑剤〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物における可塑剤には、ポリオールおよびポリオール脱水縮合物の少なくとも一つと、エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと、炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物(B成分)が用いられる。上記「エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイド」とは、アルキレンオキサイドの過半がエチレンオキサイドであることを示し、アルキレンオキサイドの全てがエチレンオキサイドであるものをも含む趣旨である。なお、上記アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイド以外のものをエチレンオキサイドと併用する場合、例えば、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド等が併用される。
【0033】
また、上記(B)成分の反応生成物の材料であるポリオールとしては、特に限定はないが、耐衝撃性等の観点から、好ましくは、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール等が用いられる。
【0034】
上記反応生成物(B成分)の製造方法としては、例えば、ポリオール及びポリオール脱水縮合物と脂肪酸を加熱下で反応させポリオール及びポリオール脱水縮合物のエステル化を行い、さらに加熱下、オートクレーブ中でエチレンオキサイドを付加反応させて、上記反応生成物(B成分)を得る方法があげられる。また、ポリオール及びポリオール脱水縮合物にエチレンオキサイドを付加させた後、脂肪酸を反応させても良い。その他、脂肪酸と炭素数の短い1価のアルコール(メタノール、エタノール)であらかじめ脂肪酸エステルを合成し、ポリオール及びポリオール脱水縮合物とエステル交換反応を行い、上記方法と同様にエチレンオキサイドを付加させて上記反応生成物(B成分)を得る方法等もある。このようにして得られる上記反応生成物(B成分)は、本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
【0035】
そして、本発明のポリ乳酸樹脂組成物における透明性、耐衝撃性に優れる観点から、上記反応生成物(B成分)中のオキシエチレン基の含有量割合は、20〜95重量%が好ましく、より好ましくは30〜95重量%である。
【0036】
また、上記反応生成物(B成分)は、ポリオール及びポリオール脱水縮合物の水酸基が全て脂肪酸によってエステル化された飽和エステル、あるいは水酸基の一部がエステル化された部分エステルのいずれでも良い。
【0037】
また、耐衝撃性の観点から、上記反応生成物(B成分)が、分子内にエステル基を平均で2超過(2より大)9以下有することが好ましく、2.5超過(2.5より大)6以下有することがより好ましい。
【0038】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物における耐衝撃性、水およびアルコール系溶媒に対する耐溶出性に優れる観点から、上記反応生成物(B成分)の合成には炭素数12〜24の脂肪酸が用いられ、好ましくは炭素数14〜24の脂肪酸が用いられる。すなわち、上記脂肪酸における炭素数が上記範囲未満であると、所望の耐衝撃性が得難く、さらに、水、アルコール系溶媒への溶出量が多くなる。逆に上記脂肪酸における炭素数が上記範囲を超えると、相溶性が悪く透明性が劣るからである。なお、上記脂肪酸は飽和または不飽和のいずれに該当するものを用いてもよく、さらにそれらを併用しても良い。また、油脂類から変換した脂肪酸の混合物であってもよく、その場合は、平均炭素数が上記範囲のものが用いられる。
【0039】
そして、上記反応生成物(B成分)として、具体的には、ポリオキシエチレングリセリンラウレート、ポリオキシエチレングリセリンココエート、ポリオキシエチレングリセリンミリスチレート、ポリオキシエチレングリセリンパルミテート、ポリオキシエチレングリセリンリノレート、ポリオキシエチレングリセリンステアレート、ポリオキシエチレングリセリンイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリン−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレングリセリンオレエート、ポリオキシエチレングリセリンエイコサネート、ポリオキシエチレングリセリンベヘナート、ポリオキシエチレングリセリンリグノセラート、ポリオキシエチレンエリスリトールラウレート、ポリオキシエチレンエリスリトールココエート、ポリオキシエチレンエリスリトールミリスチレート、ポリオキシエチレンエリスリト−ルパルミテート、ポリオキシエチレンエリスリトールリノレート、ポリオキシエチレンエリスリトールステアレート、ポリオキシエチレンエリスリトールイソステアレート、ポリオキシエチレンエリスリトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンエリスリトールオレエート、ポリオキシエチレンエリスリトールエイコサネート、ポリオキシエチレンエリスリトールベヘナート、ポリオキシエチレンエリスリトールリグノセラート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールラウレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールココエート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールミリスチレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリト−ルパルミテート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールリノレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールイソステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールオレエート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールエイコサネート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールベヘナート、ポリオキシエチレンアンヒドロエリスリトールリグノセラート、ポリオキシエチレンソルビトールラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールココエート、ポリオキシエチレンソルビトールミリスチレート、ポリオキシエチレンソルビトールパルミテート、ポリオキシエチレンソルビトールリノレート、ポリオキシエチレンソルビトールステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールー12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールエイコサネート、ポリオキシエチレンソルビトールベヘナート、ポリオキシエチレンソルビトールリグノセラート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンココエート、ポリオキシエチレンソルビタンミリスチレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンリノレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンスイソテアレート、ポリオキシエチレンソルビタンス−12−ヒドロキシテアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレート、ポリオキシエチレンソルビタンエイコサネート、ポリオキシエチレンソルビタンベヘナート、ポリオキシエチレンソルビタンリグノセラート、ポリオキシエチレンイソソルバイドラウレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドココエート、ポリオキシエチレンイソソルバイドミリスチレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドパルミテート、ポリオキシエチレンイソソルバイドリノレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドステアレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドイソステアレート、ポリオキシエチレンイソソルバイド−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドオレート、ポリオキシエチレンイソソルバイドエイコサネート、ポリオキシエチレンイソソルバイドベヘナート、ポリオキシエチレンイソソルバイドリグノセラート、ポリオキシエチレンマンニトールラウレート、ポリオキシエチレンマンニトールココエート、ポリオキシエチレンマンニトールミリスチレート、ポリオキシエチレンマンニトールパルミテート、ポリオキシエチレンマンニトールリノレート、ポリオキシエチレンマンニトールステアレート、ポリオキシエチレンマンニトールイソステアレート、ポリオキシエチレンマンニトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンマンニトールオレート、ポリオキシエチレンマンニトールエイコサネート、ポリオキシエチレンマンニトールベヘナート、ポリオキシエチレンマンニトールリグノセラート、ポリオキシエチレンマンニタンラウレート、ポリオキシエチレンマンニタンココエート、ポリオキシエチレンマンニタンミリスチレート、ポリオキシエチレンマンニタンパルミテート、ポリオキシエチレンマンニタンリノレート、ポリオキシエチレンマンニタンステアレート、ポリオキシエチレンマンニタンイソステアレート、ポリオキシエチレンマンニタン−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンマンニタンオレート、ポリオキシエチレンマンニタンエイコサネート、ポリオキシエチレンマンニタンベヘナート、ポリオキシエチレンマンニタンリグノセラート、ポリオキシエチレンイソマンナイドラウレート、ポリオキシエチレンマンナイドココエート、ポリオキシエチレンマンナイドミリスチレート、ポリオキシエチレンマンナイドパルミテート、ポリオキシエチレンマンナイドリノレート、ポリオキシエチレンマンナイドステアレート、ポリオキシエチレンマンナイドイソステアレート、ポリオキシエチレンマンナイド−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンマンナイドオレート、ポリオキシエチレンマンナイドラウレート、ポリオキシエチレンマンナイドエイコサネート、ポリオキシエチレンマンナイドベヘナート、ポリオキシエチレンマンナイドリグノセラート、ポリオキシエチレンキシリトールラウレート、ポリオキシエチレンキシリトールココエート、ポリオキシエチレンキシリトールミリスチレート、ポリオキシエチレンキシリトールパルミテート、ポリオキシエチレンキシリトールリノレート、ポリオキシエチレンキシリトールステアレート、ポリオキシエチレンキシリトールイソステアレート、ポリオキシエチレンキシリトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンキシリトールオレエート、ポリオキシエチレンキシリトールエイコサネート、ポリオキシエチレンキシリトールベヘナート、ポリオキシエチレンキシリトールリグノセラート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールラウレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールココエート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールミリスチレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールパルミテート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールリノレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールイソステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールオレエート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールエイコサネート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールベヘナート、ポリオキシエチレンアンヒドロキシリトールリグノセラート、ポリオキシエチレンマルチトールラウレート、ポリオキシエチレンマルチトールココエート、ポリオキシエチレンマルチトールミリスチレート、ポリオキシエチレンマルチトールパルミテート、ポリオキシエチレンマルチトールリノレート、ポリオキシエチレンマルチトールステアレート、ポリオキシエチレンマルチトールイソステアレート、ポリオキシエチレンマルチトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンマルチトールオレエート、ポリオキシエチレンマルチトールエイコサネート、ポリオキシエチレンマルチトールベヘナート、ポリオキシエチレンマルチトールリグノセラート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールラウレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールココエート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールミリスチレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールパルミテート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールリノレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールイソステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールオレエート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールエイコサネート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールベヘナート、ポリオキシエチレンアンハイドロマルチトールリグノセラート、ポリオキシエチレンガラクチトールラウレート、ポリオキシエチレンガラクチトールココエート、ポリオキシエチレンガラクチトールミリスチレート、ポリオキシエチレンガラクチトールパルミテート、ポリオキシエチレンガラクチトールリノレート、ポリオキシエチレンガラクチトールステアレート、ポリオキシエチレンガラクチトールイソステアレート、ポリオキシエチレンガラクチトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンガラクチトールオレエート、ポリオキシエチレンガラクチトールエイコサネート、ポリオキシエチレンガラクチトールベヘナート、ポリオキシエチレンガラクチトールリグノセラート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールラウレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールココエート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールミリスチレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールパルミテート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールリノレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールイソステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトール−12−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールオレエート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールエイコサネート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールベヘナート、ポリオキシエチレンアンハイドロガラクチトールリグノセラート等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なお、上記列記した反応生成物1分子中には脂肪酸エステル基が単数ないし複数存在することから、例えば前記ポリオキシエチレングリセリンラウレートは、「ポリオキシエチレングリセリンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンジラウレート、ポリオキシエチレングリセリントリラウレート等」を包含する趣旨である。
【0040】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の上記反応生成物(B成分)の含有量は、耐衝撃性、成形時の生産性等に優れるようになる観点から、ポリ乳酸(A成分)100重量部に対して2〜15重量部であることが好ましく、3〜15重量部の範囲であることがより好ましい。
【0041】
〔結晶核剤〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物における結晶核剤には、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性、耐熱性、耐衝撃性等の観点から、脂肪酸アミド(C成分)が用いられる。
【0042】
本発明に使用される脂肪酸アミド(C成分)は、水酸基を有するものであっても、水酸基を有しないものであってもよい。
【0043】
水酸基を有しない脂肪酸アミドとしては、特に限定はないが、本発明のポリ乳酸樹脂組成物において耐衝撃性に優れることから、好ましくは、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジンアミド、ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、アラキドン酸アミドなどの脂肪酸モノアミド、エチレンビスカプリル酸アミド、ブチレンビスカプリル酸アミド、ヘキサメチレンビスカプリル酸アミド、m−キシリレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、ブチレンビスカプリン酸アミド、ヘキサメチレンビスカプリン酸アミド、m−キシリレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ブチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスアラキジン酸アミド、ブチレンビスアラキジン酸アミド、ヘキサメチレンビスアラキジン酸アミド、m−キシリレンビスアラキジン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ブチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、m−キシリレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスリグノセリン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスリグノセリン酸アミド、m−キシリレンビスリグノセリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、m−キシリレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスリノール酸アミド、ブチレンビスリノール酸アミド、ヘキサメチレンビスリノール酸アミド、m−キシリレンビスリノール酸アミド、エチレンビスアラキドン酸アミド、ブチレンビスアラキドン酸アミド、ヘキサメチレンビスアラキドン酸アミド、m−キシリレンビスアラキドン酸アミドなどの脂肪酸ビスアミド等が用いられる。なお、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
【0044】
また、水酸基を有する脂肪酸アミドとしては、本発明のポリ乳酸樹脂組成物において透明性等に優れるようになることから、例えば、水酸基を有する炭素数8〜24の脂肪酸と、アミノ基を2つ有する化合物とを反応させてなるビスアミド化合物が好ましく用いられる。なお、上記脂肪酸は飽和または不飽和のいずれに該当するものを用いてもよく、さらにそれらを併用しても良い。また、油脂類から変換した脂肪酸の混合物であってもよく、その場合は、平均炭素数が上記範囲のものが用いられる。
【0045】
そして、上記水酸基を有する脂肪酸アミドとして、具体的には、8−ヒドロキシカプリル酸アミド、10−ヒドロキシラウリン酸アミド、10−ヒドロキシカプリン酸アミド、11−ヒドロキシミリスチン酸アミド、16−ヒドロキシパルミチン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、2−ヒドロキシアラキジン酸アミド、2−ヒドロキシベヘン酸アミド、2−ヒドロキシリグノセリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド、12−ヒドロキシオレイン酸アミド、11−ヒドロキシリノール酸アミド、2−ヒドロキシアラキドン酸アミドなどの水酸基含有脂肪酸モノアミド、N,N’−エチレンビス−8−ヒドロキシカプリン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−8−ヒドロキシカプリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−8−ヒドロキシカプリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−8−ヒドロキシカプリン酸アミド、N,N’−エチレンビス−10−ヒドロキシラウリン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−10−ヒドロキシラウリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−10−ヒドロキシラウリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−10−ヒドロキシラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビス−11−ヒドロキシミリスチン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−11−ヒドロキシミリスチン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−11−ヒドロキシミリスチン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−11−ヒドロキシミリスチン酸アミド、N,N’−エチレンビス−16−ヒドロキシパルミチン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−16−ヒドロキシパルミチン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−16−ヒドロキシパルミチン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−16−ヒドロキシパルミチン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−12−ステアリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビス−2−ヒドロキシアラキジン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−2−ヒドロキシアラキジン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−2−ヒドロキシアラキジン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−2−ヒドロキシアラキジン酸アミド、N,N’−エチレンビス−2−ヒドロキシベヘン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−2−ヒドロキシベヘン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−2−ヒドロキシベヘン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−2−ヒドロキシベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビス−2−ヒドロキシリグノセリン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−2−ヒドロキシリグノセリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−2−ヒドロキシリグノセリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−2−ヒドロキシリグノセリン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシオレイン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−12−ヒドロキシオレイン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−12−ヒドロキシオレイン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−12−ヒドロキシオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビス−11−ヒドロキシリノール酸アミド、N,N’−ブチレンビス−11−ヒドロキシリノール酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−11−ヒドロキシリノール酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−11−ヒドロキシリノール酸アミド、N,N’−エチレンビス−11−ヒドロキシアラキドン酸アミド、N,N’−ブチレンビス−11−ヒドロキシアラキドン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビス−11−ヒドロキシアラキドン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビス−11−ヒドロキシアラキドン酸アミドなどの水酸基含有脂肪酸ビスアミド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
【0046】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の脂肪酸アミド(C成分)の含有量は、ポリ乳酸(A成分)100重量部に対して0.1〜2重量部の範囲であることが、成形時の生産性等に優れるようになる観点から好ましい。
【0047】
〔アクリル樹脂〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、耐衝撃性等の観点から、上記(A)〜(C)成分とともに、アクリル樹脂(D成分)が配合される。
【0048】
そして、上記アクリル樹脂はアクリレート又はメタクリレートを重合すればよい。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート等のアクリレート。メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、シアノブチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタアクリレート等のメタクリレートの重合物があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
【0049】
また、これらを重合する際にゴム弾性を有する重合体成分と共重合させてもよい。例えば、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、天然ゴム、ウレタン成分又はエチレンプロピレン成分等を重合させたものが挙げられる。好ましいゴム弾性を有する重合体は、例えば、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位等のシリコーン成分、スチレン単位やα−メチルスチレン単位等のスチレン成分、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位等のニトリル成分又はブタンジエン単位やイソプレン単位等の共役ジエン成分を重合させたものから構成される。例えば市販品としては、三菱レイヨン社製「メタブレンS−2001」(コアシェル型シリコーン・アクリルゴム)、「メタブレンW−450A」(コアシェル型アクリル系ゴム)、「メタブレンC−223A」(コアシェル型MBSゴム、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン)、ロームアンドハース社製「パラロイド」(コアシェル型アクリル系ゴム)、ガンツ化成社製「スタフィロイド」(コアシェル型アクリル系ゴム)、クラレ社製「パラフェイスME−120」(コアシェル型アクリル系ゴム)、住友化学社製「ボンドファーストBF−7L」(エチレン・メタクリル酸メチル共重合体)などがあげられる。
【0050】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物中のアクリル樹脂(D成分)の含有量は耐衝撃性等の観点から、ポリ乳酸(A成分)100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜30重量部である。
【0051】
〔他の樹脂〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲(ポリ乳酸樹脂組成物全体の20重量%未満。好ましくは1〜15重量%の範囲、より好ましくは1〜10重量%の範囲。)で、他の樹脂が適宜含有されていてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹脂,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエステル,ポリアセタール,ポリスルホン,ポリフェニレンオキサイド,ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
【0052】
〔無機充填剤〕
また、本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、必要に応じ、無機充填剤が含有されていてもよい。上記無機充填剤としては、具体的には、シリカ、シランカップリング剤等で表面処理されたシリカ、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ガラス繊維、炭素繊維等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、耐衝撃性および曲げ強度に優れるようになる観点から、シリカ(表面処理されたシリカも含む)が好ましい。
【0053】
そして、耐衝撃性、曲げ強度等に優れるようになる観点から、本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の無機充填剤の含有量は、ポリ乳酸(A成分)100重量部に対して0.01〜2重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0054】
〔加水分解抑制剤〕
また、本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、必要に応じ、加水分解抑制剤が含有されていてもよい。上記加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物があげられ、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性の観点からポリカルボジイミド化合物が好ましく、ポリ乳酸樹脂成形体の耐熱性、成形性、流動性、耐衝撃性及び結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、モノカルボジイミド化合物がより好ましい。
【0055】
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド等があげられ、モノカルボジイミド化合物としては、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等があげられる。
【0056】
そして、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性の観点から、本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の加水分解抑制剤の含有量は、ポリ乳酸(A成分)100重量部に対して0.05〜2重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部の範囲である。
【0057】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記以外の他の成分として、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
【0058】
〔ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体の作製〕
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸(A成分)と、可塑剤である特定の反応生成物(B成分)と、結晶核剤である脂肪酸アミド(C成分)と、アクリル樹脂(D成分)と、必要に応じその他の材料とを、所定の割合で配合し、160〜240℃で溶融混合することにより、調製することができる。なお、上記溶融混合は、上記各材料を配合した後で行ってもよく、また、押出し機やバンバリーミキサー、ニーダー、加熱ロ−ル等を用いてポリ乳酸(A成分)を先に溶融させた後、その他の材料を配合し、ペレット状に形状を揃え調製してもよい。
【0059】
そして、上記のようにして溶融混合された樹脂組成物を材料とし、注型成形、射出成形、ブロー成形、押出成形等により、樹脂成形体を得ることができる。また、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形などの成形方法により、各種成形体とすることもできる。
【0060】
上記樹脂成形体を得る際に、金型を用いて成形する場合、その成形時の金型温度は、生産性の観点から、40〜140℃であることが好ましく、より好ましくは70〜120℃の範囲である。また、真空成形、圧空成形、真空圧空成形における上記樹脂成形体の金型内での保持時間は、生産性等の観点から、1〜15秒間が好ましく、より好ましくは1〜10秒間である。
【0061】
また、本発明のポリ乳酸樹脂成形体をアメリカFDAの食品包装容器に関わるFCN制度で定める溶出試験方法に従い溶出量を測定し累積推定1日摂取量(CEDI)を算出した。溶出量およびCEDIは値が小さいほど成形品からの溶出量が少ない(耐溶出性に優れる)ことを示す。本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその成形体はCEDIが1ppm未満、好ましくは0.5ppm未満に抑えることができる。このようにCEDIが低いことから、使用時における溶出量が低く食品包装容器として安全に使用できる。また、溶出量が少ないことから物性低下も抑制される。
【0062】
このように、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、耐衝撃性、耐熱性等に優れ、また生分解性も高い。このことから、本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、各種の使い捨て容器(生鮮食品のトレー,インスタント食品容器,ファーストフード容器,弁当箱,飲料用ボトル,マヨネーズなどの調味料容器等の食品用容器、育苗ポット等の農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器等)、CDケース、クリアファイル、クレジットカードなどのカード類、スプーン,ストローなどの食器類、プラモデル、樹脂シート、樹脂フィルム、樹脂ホース等の各種樹脂製品、衣料用繊維,不織布等の繊維製品等の用途に好適に利用することができる。さらに、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、従来のポリ乳酸樹脂組成物よりも、耐衝撃性、耐熱性等が改善されていることから、従来のポリ乳酸樹脂組成物よりも広く好適に利用することができる。
【実施例】
【0063】
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
【0064】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0065】
〔ポリ乳酸A−1〕
ポリ乳酸(商品名:4032D、Natureworks社製)
【0066】
〔可塑剤B−1〕
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(オキシエチレン基含有率:48重量%、ソルゲンTW−65 第一工業製薬社製)
【0067】
〔可塑剤B−2〕
ポリオキシエチレンソルビタントリベヘネート(オキシエチレン基含有率:43重量%)
【0068】
〔可塑剤B−3〕
ポリオキシエチレントリイソステアリン酸硬化ヒマシ油(オキシエチレン基含有率:34重量%、商品名:EMALEX RWIS−320、日本エマルジョン社製)
【0069】
〔可塑剤B−4〕
ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート(オキシエチレン基含有率:50重量%、商品名:EMALEX GWIS−320、日本エマルジョン社製)
【0070】
〔可塑剤B−5〕
ポリオキシエチレンマンニタントリステアレート(オキシエチレン基含有率:48重量%)
【0071】
〔可塑剤B−6〕
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(オキシエチレン基含有率:31重量%)
【0072】
〔可塑剤B−7〕
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(オキシエチレン基含有率:65重量%)
【0073】
〔可塑剤B−8〕
ポリオキシエチレングリセリントリステアレート(オキシエチレン基含有率:20重量%)
【0074】
〔可塑剤B−9〕
ポリオキシエチレンソルビタントリ−12−ヒドロキシステアレート(オキシエチレン基含有率:45重量%)
【0075】
〔可塑剤b−1〕
アジピン酸とベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル化合物(オキシエチレン基含有率:26重量%、商品名:DAIFATTY−101、大八化学工業社製)
【0076】
〔可塑剤b−2〕
コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル(オキシエチレン基含有率:43重量%)
【0077】
〔可塑剤b−3〕
グリセリンモノステアレート(オキシエチレン基含有率:0重量%、商品名:エキセルS−95、花王社製)
【0078】
〔可塑剤b−4〕
ポリオキシエチレングリセリントリカプリレート(オキシエチレン基含有率:20重量%)
【0079】
〔可塑剤b−5〕
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(オキシエチレン基含有率:0重量%、商品名:チラバゾール VR−05、太陽化学社製)
【0080】
〔結晶核剤C−1〕
N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド(商品名:ITOHWAX J−550S、伊藤製油社製)
【0081】
〔結晶核剤C−2〕
N,N’−エチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸アミド)(商品名:ITOHWAX J−530、伊藤製油社製)
【0082】
〔結晶核剤C−3〕
N,N’−キシリレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸アミド)(商品名:ITOHWAX J−700、伊藤製油社製)
【0083】
〔結晶核剤C−4〕
N’−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリルアミド(商品名:ITOHWAX J−420、伊藤製油社製)
【0084】
〔結晶核剤c−1〕
タルク(商品名:MicroAce P−6、日本タルク社製)
【0085】
〔結晶核剤c−2〕
層間イオンがジオクタデシルジメチルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト(商品名:エスベンW、ホージュン社製)
【0086】
〔アクリル樹脂D−1〕
ポリメチルメタクリレート(商品名:アクリペットHV、三菱レイヨン社製)
【0087】
〔アクリル樹脂D−2〕
エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(商品名:ボンドファースト BF−7L、住友化学社製)
【0088】
〔アクリル樹脂D−3〕
コアシェル型シリコーン・アクリルゴム(商品名:メタブレン S−2001、三菱レイヨン社製)
【0089】
〔アクリル樹脂D−4〕
コアシェル型アクリル系ゴム(商品名:パラフェイス ME−120、クラレ社製)
【0090】
〔酸化防止剤E−1〕
ヒンダードフェノール酸化防止剤(商品名:IRGANOX 1076、BASF社製)
【0091】
〔実施例1〜22、比較例1〜9〕
上記各材料を、後記の表1〜表4に示す割合で配合し、これを、2軸押出機(テクノベル社製、KZW20−30MG)を用いてそのシリンダー温度160〜190℃の条件で加熱混練し、樹脂組成物のペレットを得た。なお、上記ペレットは、減圧下、70℃の温度で12時間以上乾燥させた。
【0092】
このようにして得られた実施例および比較例のポリ乳酸樹脂組成物(ペレット)を用い、下記の基準に従って、各特性の測定・評価を行った。その結果を、後記の表1〜表4に併せて示した。
【0093】
〔金型保持時間〕
T−ダイ押出機(テクノベル社製)を使用して、上記ペレットから厚み0.4mmのシートを作製した後、シートを約300℃の赤外線ヒーターで上下から加熱して軟化させ、続いて90℃に温調した金型内に上記シートを入れて真空・圧空成形し、脱型することにより、樹脂成形体を得た。その脱型の際、上記金型から樹脂成形体が変形無く取り出せるまでの最短時間(金型保持時間)を測定した。なお、この最短時間が短いほど、生産性が高いことを示す。
【0094】
〔耐熱性〕
上記のようにして金型成形して得られた樹脂成形体(ポリ乳酸樹脂組成物からなる成形体)を、90℃のオーブンに入れて30分間保持した。そして、上記加熱後に成形体に全く変形がみられなかったものを○、成形体が変形したものを×と評価した。
【0095】
〔耐衝撃性〕
上記のようにして金型成形して得られた樹脂成形体に、先端が直径10mmの球形になっている撃芯を乗せ、300gまたは500gの錘を撃芯に落下させることにより、落球衝撃試験を行った。そして、樹脂成形体に割れが生じたときの、錘の落下高度(mm)を測定した。なお、上記落下高度が1000mmを超えても樹脂成形体に割れが生じなかったものを「>1000」と表記し、上記落下高度が50mm未満でも樹脂成形体に割れが生じたものを「<50」と表記した。
【0096】
〔CEDI〕
上記のようにして金型成形して得られた樹脂成形体(ポリ乳酸樹脂組成物からなる成形体)をアメリカFDAのFCN制度で定める溶出試験方法に従って溶出量を測定し累積推定1日摂取量(CEDI)を算出した。なお、溶出試験には擬似溶媒として10%エタノールを用い66℃、2時間の条件で加熱した。そして、擬似溶媒中に溶出した溶出物をガスクロマトグラフィーにて定量し溶出量を求めCEDI(ppm)を算出した。なお、この値が小さいほど、耐溶出性に優れることを示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
上記表1〜表4の結果より、実施例のポリ乳酸樹脂組成物は、いずれも、比較例のポリ乳酸樹脂組成物に比べ、金型保持時間が短いことから、生産性が高く、さらに、加熱による樹脂成形体の変形もみられず、耐熱性にも優れていた。また、実施例のポリ乳酸樹脂組成物は、いずれも、比較例のポリ乳酸樹脂組成物に比べ、耐衝撃性にも優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体は、各種の使い捨て用容器(生鮮食品のトレー,インスタント食品容器,ファーストフード容器,弁当箱,飲料用ボトル,マヨネーズなどの調味料容器等の食品用容器、育苗ポット等の農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器等)、CDケース、クリアファイル、クレジットカードなどのカード類、スプーン,ストローなどの食器類、プラモデル、樹脂シート、樹脂フィルム、樹脂ホース等の各種樹脂製品、衣料用繊維,不織布等の繊維製品等の用途に好適に利用することができる。さらに、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、従来のポリ乳酸樹脂組成物よりも、耐衝撃性、耐熱性等が改善されていることから、従来のポリ乳酸樹脂組成物よりも広い分野に好適に利用することができる。