特許第5882816号(P5882816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882816
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】車輪付架台及びそれを用いた可動式什器
(51)【国際特許分類】
   F16M 3/00 20060101AFI20160225BHJP
   B62B 3/10 20060101ALI20160225BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   F16M3/00 Z
   B62B3/10 C
   H04N5/64 581G
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-91468(P2012-91468)
(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公開番号】特開2013-220670(P2013-220670A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】594166823
【氏名又は名称】有限会社アドバンスエンジニアズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 清
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−324331(JP,A)
【文献】 特開2009−279325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 3/00
B62B 3/10
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視による長径が短径の2倍以上とされ上面が什器の登載面になる台座板と、複数の車輪が同一方向に回転しながら設置面上を走行するように向きを固定して下面側に設けられ前記設置面に垂直な枢軸を中心に回動可能な状態で前記台座板下面の長径方向両端側に各々軸着されてなる一対の水平回動板を備え、所定の什器を前記登載面に載せて車輪を回転させることで前記設置面上を所定の軌道にて移動する車輪付架台であって、
前記一対の水平回動板は、走行時に両者の間で前記車輪の向きが互いに直角の関係を維持して回動するようにリンクバーで連結されており、一方の前記水平回動板の前記車輪の向きが前記台座板の長径方向に対し平行とされ他方の前記水平回動板の前記車輪の向きが前記台座板の短径方向に対し平行とされた位置から、前記一方の水平回動板は前記他方の水平回動板のあった方向に、前記他方の水平回動板は転回させる側の前記車輪の向いている方向に、各々前記両水平回動板の枢軸間の距離分を所定の方法で走行させることにより、前記車輪の向きが前記台座板の向きに対し各々90°変位しながら前記台座板に載せた什器の向きを90°転回させる、ことを特徴とする車輪付架台。
【請求項2】
前記車輪付架台には、前記転回の可能な範囲を90°以内に規制するための転回角度規制手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載した車輪付架台。
【請求項3】
前記台座板は平面視長方形とされ、一方の前記水平回動板の前記車輪の向きが前記台座板の長径方向に対し平行になる位置で前記リンクバーの側面が前記台座板の側面に当接し、他方の前記水平回動板の前記車輪の向きが前記台座板の長径方向に対し平行になる位置で前記リンクバーの側面が前記台座板の側面に当接するものとされ、2つの前記位置で当接することにより90°の範囲を超える転回動作を阻止する、ことを特徴とする請求項2に記載した車輪付架台。
【請求項4】
前記車輪は前記枢軸を中心とした同一円周上に等間隔で少なくとも3個以上配置され、前記リンクバーは前記両水平回動板の外周側を遠心方向に突出させてなる突出部に両端側が各々連結されて転回時に前記台座板の長径方向に対し常に平行の状態を維持しながら動作する、ことを特徴とする請求項1,2または3に記載した車輪付架台。
【請求項5】
前記台座板は前記水平回動板を各々備えた状態で2つに分割され、前記リンクバーは長さ調整機能を備えており、前記両水平回動板の間隔及び前記台座板の長径方向の長さが所定範囲で変更可能とされている、ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した車輪付架台。
【請求項6】
請求項1,2,3,4または5に記載した車輪付架台を底面側に備えており、所定の方法で前記車輪を走行させることにより所定の移動範囲内で所定角度以内の向きの転回が可能とされている、ことを特徴とする可動式什器。
【請求項7】
テレビ、テレビ台、ホワイトボード、本棚、タンス、ソファー、パーテーション、門扉のうちいずれかであることを特徴とする請求項6に記載した可動式什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪付架台及びそれを用いた可動式什器に関し、殊に、テレビや家具などの什器を載せた状態で走行させることにより什器の向きを変更することのできる車輪付架台、及びそれを底部側に備えて可動式とした什器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭においても薄型で40インチを超えるような大型ディスプレイを有したテレビが広く普及している。斯かる大型のテレビは、図9(A)に示すようにその画面と同等以上の左右幅を有した箱形のテレビ台100に載せた状態にして、部屋をなるべく広く使用できるように壁際またはコーナー付近に配置されるのが通常である。
【0003】
図の部屋は一般的な住宅で多く採用されているリビングルームとダイニングルームが一体化したリビングダイニングであるが、コーナー付近の壁際に置かれたテレビ50は、住人にとってくつろぎの場所であるリビング部分のソファー70に対し画面が正対するように配置することで、ソファー70に座っている人の視線(一点鎖線矢印)が画面に対し直角になって映像が最も見やすい状態となる。
【0004】
しかし、食事の際など、ダイニングテーブル80側でテレビ50を視聴しようとする場合、図のような配置ではテレビ50の画面に対し視線が鋭角になるため、映像が極めて見にくい状態となる。また、この位置でテレビ50をリモコン操作しようとしても、無線信号の角度が鋭角すぎて充分に作動しないことも多い。
【0005】
この場合、テレビ50の首振り機能を使用して画面をダイニング側に向けることも考えられるが、首振り可能な角度は通常45°以内であるため充分な対応は難しい。これに対し、特開平5−176262号公報に記載され、図9(B)に示すもののように、テレビ50を登載している台座201が回動して画面を所望の方向に向けられるテレビ台200が知られている。しかし、40インチを超えるような大型のテレビ50を壁際に配置した場合には、台座201を回したとしても、テレビ50の大きな左右幅によりその裏側角部が背後の壁にすぐに当たってしまうため、適度な向きになるまで画面を転回させることはできない。
【0006】
また、例えば実登第3168401号公報に記載され、図9(C)に示すもののように、下面に複数のキャスターを有して可動式としたテレビ台300も広く普及している。この場合は、テレビ台300の一端側を壁面から離すようにキャスターの向きを変えながら転回させた後、他端側を壁際まで移動させることにより、画面の向きを90°転回させることができる。
【0007】
しかしながら、このテレビ台300では各キャスターの向きが自在に変動して転回方向が定まりにくいことから、一人でテレビ台300の動きを正確に操作しながらテレビ50の画面を所望する向き・位置で停止させることは容易ではない。また、キャスターの向きに対し直角方向に押した場合は、テレビ50を転倒させてしまう畏れもある。
【0008】
一方、上述した大型のテレビと同様に、ホワイトボードや本棚、或いはソファーなど、薄型で左右幅が比較的大きく通常は壁際に配置されるような他の什器についても、状況に応じてその向きを90°の範囲で変更したいケースも多々あるところ、この場合も転回動作を一人で容易に行うことができれば極めて便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−176262号公報
【特許文献2】実登第3168401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、左右幅の大きな什器について、その向きを90°の範囲で容易に変更できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明は、平面視による長径が短径の2倍以上とされ上面が什器の登載面になる台座板と、複数の車輪が同一方向に回転しながら設置面上を走行するように向きを固定して下面側に設けられ設置面に垂直な枢軸を中心に回動可能な状態で台座板下面の長径方向両端側に各々軸着されてなる一対の水平回動板を備え、所定の什器を登載面に載せて車輪を回転させることで設置面上を所定の軌道にて移動する車輪付架台であって、その一対の水平回動板は、走行時に両者の間で車輪の向きが互いに直角の関係を維持して回動するようにリンクバーで連結されており、一方の水平回動板の車輪の向きが台座板の長径方向に対し平行とされ他方の水平回動板の車輪の向きが台座板の短径方向に対し平行とされた位置から、前記一方の水平回動板は前記他方の水平回動板のあった方向に、前記他方の水平回動板は転回させる側の車輪の向いている方向に、各々両水平回動板の枢軸間の距離分を所定の方法で走行させることにより、車輪の向きが台座板の向きに対し各々90°変位しながら台座板に載せた什器の向きを90°転回させる、ことを特徴とするものとした。
【0012】
このように、台座板を支持している対の水平回動板に固定して設けた複数の車輪同士が互いに直角になる角度を維持するように両者をリンクバーで連結したことにより、各水平回動板を車輪が向いている方向に枢軸間の距離だけ走行させることで台座板の向きが90°転回し、逆の動作により元の位置・向きに正確に戻るものとなるため、大型テレビ等の左右幅の大きな什器を載せた場合でも、広いスペースを要することなく向きの変更を90°の範囲内で正確且つ容易に行えるものとなる。
【0013】
また、この車輪付架台には、前記転回の可能な範囲を90°以内に規制するための転回角度規制手段が設けられていることを特徴としたものとすれば、90°の転回動作の場合に過剰に転回してしまうことが回避されて操作が容易になる。この場合、前記台座板は平面視略長方形とされ、一方の水平回動板の車輪の向きが台座板の長径方向に対し平行になる位置でリンクバーの側面が台座板の側面に当接し、他方の水平回動板の車輪の向きが台座板の長径方向に対し平行になる位置でリンクバーの側面が台座板の側面に当接するものとされ、この2つの位置で当接することにより90°の範囲を超える転回動作を阻止することを特徴としたものとすれば、専用の部品を追加することなく転回角度規制手段を設けることができる。
【0014】
さらに、その車輪は前記枢軸を中心とした同一円周上に等間隔で少なくとも3個以上配置され、そのリンクバーは両水平回動板の外周側を遠心方向に突出させてなる突出部に両端側が各々連結されて転回時に台座板の長径方向に対し常に平行の状態を維持しながら動作する、ことを特徴としたものとすれば、少なくとも90°の範囲内で安定的に転回させながら登載した什器の向きを容易に変更できるものとなる。
【0015】
さらにまた、上述した車輪付架台において、その台座板は水平回動板を各々備えた状態で2つに分割され、前記リンクバーは長さ調整機能を備えており、両水平回動板の間隔及び台座板の長径方向の長さが所定範囲で変更可能とされていることを特徴としたものとすれば、様々な左右幅の什器に対応可能なものとなる。
【0016】
加えて、上述した車輪付架台を底面側に備えており、所定の方法で車輪を走行させることにより所定の移動範囲内で所定角度以内の向きの転回が可能とされている、ことを特徴とした可動式什器とすれば、上述した車輪付架台の機能を当初から備えた什器として極めて利便性の高いものとなる。この場合、その什器がテレビ、テレビ台、ホワイトボード、本棚、タンス、ソファー、パーテーション、門扉のうちいずれかであることを特徴としたものとすれば、極めて利便性に優れた什器として使用することができる。
【発明の効果】
【0017】
向きを揃えて固定した複数の車輪が両水平回動板同士で互いに直角になる角度を維持するものとした本発明によると、左右幅の大きな什器の向きを90°の範囲内で容易に変更できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における第1の実施の形態である車輪付架台の斜視図である。
図2図1の車輪付架台の分解斜視図である。
図3】(A),(B),(C)は図1の車輪付架台の動作を説明するための簡略化した平面図である。
図4図1の車輪付架台の使用状態の一例を示す正面図である。
図5図1の車輪付架台の使用状態の一例を示す正面図である。
図6】本発明における第2の実施の形態である車輪付架台の斜視図である。
図7図6の車輪付架台の使用状態の一例を示す正面図である。
図8図6の車輪付架台の応用例を示す斜視図である。
図9】(A),(B),(C)は従来例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0020】
図1は本実施の形態である車輪付架台1Aを示している。この車輪付架台1Aは、平面視で長径が短径の2倍以上の長方形に形成された板材からなる台座板10Aと、複数の車輪25,25,25,25が同一方向に回転して設置面上を走行するように向きを揃えた状態で固定して下面側に設けられ設置面に垂直な枢軸を中心に回動可能に台座板10A下面の長径方向両端側に各々軸着されてなる一対の水平回動板20,21を備えている。
【0021】
この一対の水平回動板20,21は、図2の分解斜視図に示すように略円形の板材の外周側の一部を遠心方向に突出させて突出部20a,21aとした形状にしてなるものであり、両水平回動板20,21の各車輪25の向きが両者間で走行時に互いに直角を維持して回動するように、その突出部20a,21aの位置にてリンクバー30Aで連結してある。
【0022】
そして、一方の水平回動板の車輪25の向きが台座板10Aの長径方向に対し平行とされ、他方の水平回動板の車輪25の向きが台座板10Aの短径方向に対し平行とされた位置から、前者の水平回動板を後者の水平回動板のあった方向に、後者の水平回動板を転回方向側の車輪25の向いている方向に、各々両水平回動板20,21の枢軸間の距離分だけ手動で走行させることにより、各車輪25の向きが台座板10Aに対し各々90°変位しながら台座板10Aに載せた什器の向きを90°転回させるようになっており、この点が本発明の特徴部分である。
【0023】
図2を参照しながら本実施の形態の構成を詳細に説明すると、一対の水平回動板20,21は、中央部分をボルト孔20b,21bが各々貫通してなる同一形状の板材からなり、ニードルピン400を放射状に形成した各スリットに保持してニードルベアリングを構成する円盤状のニードル保持板40を上面側に介装しながら、台座板10Aのボルト孔10a,10b及び各ボルト孔20b,21bを挿通したボルト60,60がナット61,61で螺着されて、台座板10Aの下面両端側で枢軸周りに回動可能に取り付けられている。
【0024】
この水平回動板20,21の各下面には、4個の車輪25がボルト孔20b,21bを中心とした同一円周上で等間隔に配置され向きを揃えた状態でネジ止めされている。その突出部20a,21aは、各ボルト孔20b,21bを起点として隣り合う所定の2つの車輪25,25の取付け位置の中間を通る遠心線に沿って形成されている。
【0025】
そして、その両遠心線が平行に揃うように、各遠心線上に形成されたボルト孔210,211の位置でリンクバー30A両端側のボルト孔310,311に挿通したボルト60,60がナット61,61で各々固定されており、両水平回動板20,21の各車輪25が互いに直角の向きを維持するようになっている。
【0026】
また、一方の水平回動板の車輪25の向きが台座板10Aの長径方向に対し平行になる位置で、リンクバー30Aの側面が台座板10Aの側面に当接し、他方の水平回動板の車輪25の向きが台座10Aの長径方向に対し平行になる位置でリンクバー30Aの側面が台座板の側面に当接するものとされ、これにより台座板の転回範囲を90°以内で停止させる転回角度規制手段を構成して、ストッパ機能を発揮するようになっている。
【0027】
図3は、上述した車輪付架台1Aの動作を説明するための平面図を示している。図3(A)に示すように、車輪付架台1Aに例えば大型テレビ(図示せず)を載せた状態とし、コーナー付近の一方の壁際に平行にして配置した場合、左側の水平回動板20の各車輪25は台座板10Aの短辺方向に対し平行の向き、右側の水平回動板21の各車輪25は台座板10Aの長辺方向に対し平行の向きになるようにしてある。
【0028】
この車輪付架台1Aに載せたテレビの画面を45°転回させたい場合は、右側の水平回動板21が左側の水平回動板20のあった位置に向かって走行するように手動で付勢するか、左側の水平回動板20が転回する側の車輪25の向いている方向に走行するように手動で付勢して、図3(B)の位置で停止させる。さらに、画面を最初の向きから90°まで転回させたい場合は、図3(B)の位置からさらに付勢を続ければ、図3(C)の位置でリンクバー30Aの側面が台座板10Aの側面に当たって90°の転回角度で停止する。
【0029】
この場合、車輪付架台1Aは転回前の状態と同様にコーナー寄りの壁際で平行な状態で正確に停止している。また、図示は省略するが、図3(C)の位置から逆の動作をさせれば、図3(A)の位置にてリンクバー30Aが前記同様にストッパとして機能することで、最初にあった位置・向きに正確に戻るようになっている。
【0030】
このように、台座板10Aの両端側で互いに直角の向きを維持するようにリンクバー30Aで連結された水平回動板20,21の各車輪25を、各々向いている方向に両水平回動板20,21の枢軸間の距離分走行させるように付勢するだけで、登載したテレビの向きを正確に90°転回させることができるため、大型テレビを載せている場合であっても、一人でその向きを容易且つ正確に変更することができる。
【0031】
尚、この場合、各車輪25の外周面と載置面との間に充分な摩擦力が発揮されてズレを生じさせないことが正確な走行軌道の実現のために必要であり、その観点から、各車輪25の少なくとも接地面はゴム等の摩擦力の大きな素材で作成することが好ましい。また、摩擦力は登載した什器が重い程大きくなるが、この摩擦力が充分である限り、リンクバー30Aがなくても両水平回動板20,21の車輪25は互いに直角の向きを維持することができる。
【0032】
しかしながら、車輪の向きが互いに直角の関係からずれた状態で設置したり、複数回の転回動作でズレが次第に大きくなったりすることを回避する観点から、リンクバー30Aは必須とすべきものである。尚、本実施の形態においては、90°を超える転回動作を停止させる転回角度規制手段として機能する点においても、リンクバー30Aの有用性が高いものとなっている。
【0033】
図4は上述した車輪付架台1Aにテレビ台51及び薄型で左右幅の大きな50型程度のテレビ50を載せて使用した場合を、図5は車輪付架台1Aにホワイトボード52を載せて使用した場合を示している。これらの什器は左右幅の大きな薄型で正面部分が決まっていることから、部屋の壁際に配置されるのが一般的であり、部屋における人の滞在位置またはレイアウトの変更状況によっては、その向きを90°の範囲で転回させる必要が生じやすいものであり、その向きを容易に変更出来る点で利便性に優れたものとなっている。
【0034】
また、このように左右幅が大きく向きを転回させる必要が生じやすい他の種類の什器としては、移動式黒板、本棚、タンス、キャビネット、ソファー、パーテーション、門扉等が想定され、本実施の形態の車輪付架台1Aに載せて使用することにより、前述と同様に一人でも容易且つ正確に転回させることができ、いずれも優れた有用性・利便性を発揮することができる。
【0035】
図6は、本発明における第2の実施の形態である車輪付架台1Bの斜視図を示している。その基本的な構造及び機能は、上述した車輪付架台1Aと共通しているが、その台座板10Bが各々水平回動板20,21を備えた状態で平面視略正方形の2つの分割台座板11,12に分割された態様となっている。
【0036】
また、そのリンクバー30Bは、樋状部材35aの両端側にスライド部材35b,35cを各々長さ方向摺動可能に挿設してなり、ボルト60により所望のボルト孔位置で固定することのできる長さ調整機能を備えたものであり、両水平回動板20,21の間隔及び台座板10Bの長径方向の長さが所定範囲で調整可能となっている点を特徴としている。
【0037】
そのため、様々な左右幅の什器に対応して台座板10Bの登載面の幅を簡単に調整することができ、例えば、図7に示すように前述のテレビ50よりも左右幅の小さい本棚53を載せるようなケースでも、その左右幅をぴったりとアジャストできるようになる。尚、この場合、両水平回動板20,21の突出部20a,21aとリンクバー30Bの接続状態を両者の車輪25が互いに直角の関係になるように調整する必要がある。
【0038】
図8は、前述の車輪付架台1Bの応用例としての車輪付架台1Cを示している。この例では、各分割台座板11C,12Cの上面に、登載する什器の底面部と係合させるための係合爪29を3本ずつ設けてある点を特徴とした台座板10Cとなっている。これにより、台座板10Cの上面から載置した什器が転落する心配を最小限にすることができる。また、この例ではリンクバー30Bを水平回動板20,21の底面側に連結しており、転回角度規制手段としては機能しないが、配設位置が低い分、転回動作中に周囲との間で干渉が生じにくいという利点を有している。
【0039】
尚、上述した実施の形態においては、水平回動板20,21に車輪25を4個ずつ配置した場合を説明したが、一つの水平回動板において少なくとも3個以上の車輪を有していれば、向きを総て揃えた状態として登載した什器が容易に転倒しないものである限りは、これと異なる個数、配置としても良いことは言うまでもない。
【0040】
また、車輪25で走行することには、複数の車輪同士にベルトを掛けて無限軌道方式として走行することも含まれるが、この場合は載置面との摩擦力に優れて走行軌道のズレを最小限に抑えやすくなる。さらに、車輪25に自在な回転を停止させておくためのロック機構を付設したり、車輪25の少なくとも一部をモータ駆動式として自動で走行したりすればさらに便利である。
【0041】
加えて、上述した車輪付架台を予め底面側に一体的に備えた可動式什器としてのテレビ、テレビ台、ホワイトボード、キャビネット、本棚、タンス、ソファー、パーテーション、門扉等として提供することにより、正確な登載作業を行う手間を省けることに加え、台座板からの什器の転落を回避しやすくなるため、一層安定性・安全性に優れたものとなる。
【0042】
以上、述べたように、大きな左右幅を有した什器について、本発明によりその向きを90°の範囲内で容易且つ正確に変更できるようになった。
【符号の説明】
【0043】
1A,1B,1C 車輪付架台、10A,10B,10C 台座板、10a,10b,20a,20b,310,311 ボルト孔、11,11C,12,12C 分割台座板、20,21 水平回動板、25 車輪、30A,30B リンクバー、50 テレビ、51,100,200,300 テレビ台、52 ホワイトボード、53 本棚、60 ボルト、61 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9