(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882862
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】貯湯式給湯機
(51)【国際特許分類】
F24H 9/16 20060101AFI20160225BHJP
F24H 9/12 20060101ALI20160225BHJP
F24H 9/02 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
F24H9/16 D
F24H9/12 A
F24H9/02 301Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-192877(P2012-192877)
(22)【出願日】2012年9月3日
(65)【公開番号】特開2014-48000(P2014-48000A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正章
(72)【発明者】
【氏名】志賀 広貴
【審査官】
杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−209089(JP,A)
【文献】
特開2009−174765(JP,A)
【文献】
特開2004−069243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/16
F24H 9/02
F24H 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクを収容した外装ケースの前面下方には、前方へやや突出した配管接続部が設けられた貯湯式給湯機に於いて、前記外装ケースの前記配管接続部を覆う前パネルは、貯湯タンクを覆う両側板の前面端部に形成された内方への折り返し部に装着されて取り付けられるもので、前記配管接続部の左右端部には折り返し部の下端及び前パネルの左右端部下端を載置する載置部が形成され、この載置部には雨水を排水する排水口が設けられている事を特徴とする貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯湯タンクを収容した外装ケースの前パネルの組み付けが楽に行われると共に、隙間に入り込んだ雨水を容易に排水出来るようにした貯湯式給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の屋外に設置されるものに於いては、雨水による汚れを防止する為に、天板上に凹状の通路を形成し、雨水を集めて最終的には前パネルに形成した縦溝から下の地面に排水するようにしたものであった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−214726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、雨水が天板上の凹状の通路に集束する前に、側板と前パネルとの隙間などに雨水が侵入し、これがなかなか抜けず内部に侵入するなどして、錆の原因となって早期の劣化を招くと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を、貯湯タンクを収容した外装ケースの前面下方には、前方へやや突出した配管接続部が設けられた貯湯式給湯機に於いて、前記外装ケースの前記配管接続部を覆う前パネルは、貯湯タンクを覆う両側板の前面端部に形成された内方への折り返し部に装着されて取り付けられるもので、前記配管接続部の左右端部には折り返し部の下端及び前パネルの左右端部下端を載置する載置部が形成され、この載置部には雨水を排水する排水口が設けられているものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、配管接続部の左右端部に折り返し部の下端と、前パネルの左右下端を載置する載置部が形成されているので、組み付け時に前パネルを一旦載置部に載置し出来、組み付けが極めて容易に行われるものであり、又載置部には雨水の排水口が設けられているので、折り返し部を伝って載置部に集中する雨水をスムーズに排水口から排水させることが出来、内部に侵入して錆の原因となって早期の劣化を招く心配がなく、常に安心して使用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明の一実施形態を示す貯湯式給湯機の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明に係る貯湯式給湯機の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は円筒状の貯湯タンク2を収容した方形の外装ケースで、背面の背面板3と左右の側板4、5と天板6と底板7と点検や修理、設置時の配管の為に着脱される前パネル8とから構成されている。
9は前記外装ケース1の前面側で下方には各配管を収納する配管収納部10を形成するように前方に突出した段部からなる配管接続部で、上面には各配管の接続部分11が該配管接続部9を貫通して固定されている。
【0009】
12は前記左右の側板4、5の前面側の端部に形成された内側への折り返し部で、前パネル8の左右の端部13との当接状態の組み付け時では、この当接状態の隙間から流入する雨水の外装ケース1内への侵入を垂直方向に渡って阻止するものである。
【0010】
14は前記配管接続部9の左右端部に突出形成された小半円状の載置部で、前記折り返し部12の下端が載置されると共に、前パネル8の左右の端部13下端が載置されて、組み付け時に前パネル8を一旦置けて組み付けが容易に行われるものである。
【0011】
15は載置部14の折り返し部12直下の外側に形成された排水口で、上記したように前パネル8と折り返し部12との当接状態の隙間から流入する雨水を、該折り返し部12の壁面を伝って流下させて載置部14に集めて排水するものであり、又排水口15とは離れた前方位置で折り返し部12の内側には、折り返し部12下端から内方に侵入した雨水を排水する補助排水口16が備えられている。
【0012】
17は貯湯タンク2の底部に固定され底板7を貫通して備えられている3本の支持脚である。
18は排水栓19の操作窓20を覆った窓カバー、21は給水管、22は出湯管、23は戻り管である。
【0013】
次にこの一実施形態の作用について説明すれば、今外装ケース1への前パネル8の組み付けでは、左右の側板4、5の折り返し部12に、前パネル8の左右の端部13の内側折り曲げを当接させた状態で、この前パネル8の端部13の下端を載置部14に載置させることで、前パネル8は一旦仮置きされた状態となり、片手で前パネル8を支えて適宜箇所、ここでは図示されていないが、正面の数カ所にビス止めされて前パネル8の組み付けが終了するものであり、配管接続部9の左右端部に載置部14を形成したことで、前パネル8を左右の端部13が折り返し部12と当接した状態で一旦置けて、一人でも容易にビス止め出来て極めて簡単に組み付けすることが出来るものである。
【0014】
更に器具の屋外設置等により、前パネル8の端部13と折り返し部12との当接部分から雨水が浸入した場合では、折り返し部12が壁となって外装ケース1内への流入は阻止され、侵入した雨水は折り返し部12を伝って下方に流下して、載置部14上に集束するので、この載置部14に設けられた排水口15から配管が収納された配管収納部10を介して地面に排水されるものであり、又載置部14上の雨水の一部は、折り返し部12の下端と載置部14との僅かな隙間から該折り返し部12の内側に流入するが、この内側に流入した雨水は補助排水口16から地面へと排水されるものであり、前パネル8の取り付け隙間より侵入した雨水は、排水口15を介して確実に排水され、外装ケース1内に侵入して錆の原因になることがなく、早期の劣化の心配もなく長期に渡って安心して使用出来るものである。
【符号の説明】
【0015】
1 外装ケース
2 貯湯タンク
4 右側板
5 左側板
8 前パネル
9 配管接続部
12 折り返し部
13 端部
14 載置部
15 排水口