(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デジタルメディアコレクションは、任意の関連付けられたメタデータを含み、前記デジタルメディアコレクションは、前記ユーザにリンクされたデバイス上でデジタルメディアコンテンツを見出し、分析することによって識別されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記デジタルメディアコレクションに関連するメタデータは、そのメタデータがユーザ生成であるか否かに係わらず、タイトル、著者、作曲者、歌手、発行者、ジャンル、分類、発売日を含む日付関連情報、前記デジタルメディアコンテンツのロケーション、1つもしくは複数のデジタルメディアコンテンツを収めたプレイリストを含む、メディア間のリンク、レーティング、埋め込みタグ、関連するアートワーク、再生メトリック、前記デジタルメディアコンテンツの再生時間、測定方法を問わない前記コンテンツのサイズ、コンテンツフォーマット、または前記デジタルメディアコンテンツに関連する他の任意の記述的メタデータのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
前記ユーザが同期される前記デバイスと対話する方法を分析することから取得される再生メトリックが存在し、それらの再生メトリックは、前記ユーザがいつ前記デジタルメディアコンテンツを再生もしくは視聴したか、前記ユーザがどこで前記デジタルメディアコンテンツを再生もしくは視聴したか、前記ユーザが1つもしくは複数のどのデバイス上で前記デジタルメディアコンテンツを再生もしくは視聴したか、前記デジタルメディアコンテンツがいつ前記ユーザに利用可能にされたか、前記ユーザがどれだけの頻度で前記デジタルメディアコンテンツを再生もしくは視聴したか、または前記デジタルメディアコンテンツとの前記ユーザの対話に関する他の任意のメタデータの1つまたは複数を詳述するメタデータを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
前記「テイストシグネチャ」は、前記デジタルメディアコレクションについて取り出された前記メタデータの分析によって導出され、そのため最初に1つまたは複数のメタデータアイテムが、前記ユーザのデジタルメディアプリファレンスを識別するために、前記デジタルメディアコレクション内の複数のデジタルメディアコンテンツにわたって集められることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
前記分析は、前記ユーザの年齢、所在地、収入、宗教的信条もしくは無宗教、政治的傾向、教育レベル、職業、性別、性的指向、定義されたものかそれとも導出されたものかに係わらない社会クラス分類、趣味、前記ユーザが使用する他のデバイス、1つもしくは複数のデバイスとの前記ユーザの対話、または前記ユーザに関する他の任意の関連するメタデータのうちの1つまたは複数を含む、前記ユーザについてのメタデータの分析を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
デバイスとの前記ユーザの対話についてのメタデータは、前記ユーザがデバイス上に特別に配置した、もしくは配置するよう求めたデジタルメディアコンテンツ、前記ユーザがデバイスのユーザインタフェースと対話する方法、前記ユーザによって再生もしくは視聴されたデジタルメディアアイテムについての再生メトリック、またはデバイスとの前記ユーザの対話についての他の任意の関連するメタデータのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
前記ユーザについてのメタデータは、ユーザについての既知の情報、および前記ユーザが所有するデバイスタイプの他の所有者を含むが、それに限定されない、前記ユーザがリンクされたユーザからなる1つまたは複数のグループ内の他の個人についての既知の情報に基づいて、外挿によって強化または生成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
コンテンツは、前記ユーザの導出された「テイストシグネチャ」、1つもしくは複数のデバイスとの前記ユーザの対話に関するメタデータ、前記デバイスの充電ステータス、ロケーション、電力レベル、もしくは接続速度を含むが、それらに限定されない、前記デバイスの環境についてのメタデータ、または他の任意の関連する検討事項のうちの1つまたは複数の分析に基づいて、前記デバイス上に、または前記デバイスのユーザインタフェースの特定のエリア内に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
前記デバイスは、永続的か、一時的か、それとも断続的かに係わらず、互いに結合された2つ以上のデバイス、1つもしくは複数の他のデバイスに結合された2つ以上のデバイス、または本発明を実施するサービスが動作するリモートサーバに結合された2つ以上のデバイスのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって解決される、現在の手法が抱える問題は、現在の手法は、エンドユーザが同期されるファイルと対話する方法を度外視しており、その結果、根本において、単純なオールオアナッシングのプロセスになっていること、すなわち、デバイスは同期が取れているか、または取れていないかであり、例えば、「部分的に同期が取れた」デバイスペアといった概念は存在しないことである。
【0005】
デジタルメディアファイルに関して、同期に対するこの従来の手法は、メディア再生デバイス−任意のデジタルメディアコンテンツを再生可能な任意のデバイス−を、デジタルアドレス帳と同じ方法で扱うことになるが、各デジタルアドレス帳は、間隔をおいて他のデジタルアドレス帳と同期が取られる、独立したデータのキャッシュである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、デジタルメディアコンテンツをデバイスに同期させるための方法であって、
(a)与えられたユーザにリンクされたデジタルメディアコレクションを識別するステップと、
(b)デジタルメディアコレクションのコンテンツを分析して、そのユーザについての「テイストシグネチャ(taste signature)」を導出するステップと、
(c)「テイストシグネチャ」分析に基づいて、同期中にメディアコンテンツファイルがデバイスに提供される優先順位を識別するステップと、
(d)同期中に1つまたは複数のメディアコンテンツファイルをデバイスに提供するステップと
を含む。
【0007】
したがって、本発明による実施において採用される同期手法は、各メディア再生デバイスを、ユーザの全メディアコンテンツコレクションのサブセットのためのリポジトリであると見なすものである。従来、デバイス同期が意味していた、全メディアコンテンツコレクションをすべてのデバイスと同期させようとする試みの代わりに、ユーザの「テイストシグネチャ」の分析に基づいて、また特定の実施においては、特定のデバイスの機能とユーザのメディアコンテンツコレクションとの対話、およびユーザとそのデバイスとの対話の分析に基づいて、ユーザのコレクションの特定の部分が特定のデバイスに供給されることを可能にする、よりインテリジェントな手法を採用することができる。
【0008】
したがって、本発明によって提供されるものは、消費者の既存のテイストを分析し、その分析の結果を使用して、その個人にアピールする可能性の高いメディアコンテンツを識別するとともに、メディアコンテンツに対するその個人のテイストの一部または全部を共有する同好の個々人も識別するための機構である。
【0009】
そのような手法は、デバイス同期に対する当技術分野における現在の手法の制約を回避し、現在の当技術分野で利用可能な方法とは異なるより有益な方法で、同期プロセスの最適化を可能にする。
定義
便宜のため、また不要な繰り返しを避けるため、本文書中の「音楽」および「メディアコンテンツ」という用語は、デジタル形式を取る、またはデジタル形式に変換可能な、すべての「メディアコンテンツ」を包含すると解釈するものとし、書籍、雑誌、新聞、および他の定期刊行物、デジタルビデオの形式を取るビデオ、動画、テレビ番組(シリーズもの、季節もの、一話完結もの)、画像(写真または他の画像)、音楽、コンピュータゲーム、ならびに他の対話的メディアを含むが、それらに限定されない。
【0010】
同様に、「トラック」という用語は、メディアコンテンツの特定のアイテムを指し、それが、歌なのか、テレビ番組なのか、電子書籍またはその一部なのか、コンピュータゲームなのか、それともメディアコンテンツの他の任意の個別アイテムなのかは問わない。
【0011】
「プレイリスト」および「アルバム」という用語は、分析または推薦の目的で単一のエンティティとして取り扱うことができるように一緒にまとめられた「トラック」のコレクションを指すのに交換可能に使用される。
【0012】
「聴く」という動詞は、人とメディアコンテンツの間の任意の対話を包含すると解釈するものとし、それが、オーディオコンテンツを聴くことなのか、ビデオまたは画像コンテンツを見ることなのか、書籍または他のテキストコンテンツを読むことなのか、コンピュータゲームをプレイすることなのか、対話的メディアコンテンツと対話することなのか、それともそのような活動の何らかの組み合わせであるのかは問わない。
【0013】
「ユーザ」、「消費者」、「エンドユーザ」、および「個人」という用語は、その者のメディアコンテンツ「聴取」プリファレンスが分析され、その者に対して推薦が行われる、人または人々のグループを指すのに交換可能に使用される。
【0014】
「テイスト」という用語は、ユーザのメディアコンテンツ「聴取」プリファレンスを指すのに使用される。ユーザの「テイストシグネチャ」は、本発明のために開示されるプロセス中に導出される、ユーザのテイストについてのコンピュータ可読な記述である。
【0015】
「推薦」という用語は、本発明において、またOmnifoneの特許出願「Nearest Neighbour & Digital Content Recommendation Techniques」、PCT/GB2010/051113において開示される機構を使用して、または他の任意の互換性のある機構によって、メディアコンテンツに対するユーザのテイストにマッチする、またはテイストを補足するものとして識別される、メディアコンテンツアイテム(「トラック」、「プレイリスト」、および「アルバム」)を指す。
【0016】
「メディアコレクション」および「音楽コレクション」という用語、ならびに類似の用語は、物理メディアの形式、またはダウンロードもしくは符号化されたデジタルメディアファイルの形式で直接的に、あるいは「お気に入り」トラックとしてブックマークすること、もしくはプレイリスト内に入れることによって、または音楽有料配信サービスもしくはメディアコンテンツカタログ内の他の何らかの機構によってなど間接的にユーザが所有する、「音楽トラック」の実際の1組または概念的な1組を指すのに交換可能に使用される。そのような機構によってユーザに直接的にリンクされる任意のメディアコンテンツは、ユーザの「音楽コレクション」の一部であると見なされる。
【0017】
「デバイス」および「メディアプレーヤ」という用語は、デジタルメディアコンテンツを再生可能な任意のコンピュータデバイスを指すのに交換可能に使用され、MP3プレーヤ、テレビ受像機、家庭用コンピュータシステム、モバイルコンピューティングデバイス、ゲーム機、ハンドヘルドゲーム機、車載されるメディアプレーヤ、または他の任意の適用可能なデバイスもしくはそのようなデバイス上のソフトウェアメディアプレーヤを含むが、それらに限定されない。
【0018】
本文書の全体にわたって、男性は女性を、女性は男性を含み、単数は複数を、複数は単数を含む。
概説
本発明は、個人のメディアコンテンツ(例えば「音楽聴取」)プリファレンスを分析でき、その分析を使用して、そのユーザの1つまたは複数のデバイスをユーザの音楽コレクションと同期させるプロセスを最適化できる機構を開示する。音楽コレクションは、1つもしくは複数のデバイス上の「マスタ」セット、またはクラウド上に保有される「マスタ」セットとして存在することができ、あるいはいずれの単一のデバイスもマスタセットを含まないように、様々なデバイスにわたって、またクラウド全域に分散することができる。我々は、ユーザに関連するメディアコンテンツが存在し得るすべての場所からなるリポジトリを、一括して「メディアストア」と呼ぶ。したがって、本発明は、ユーザのデバイスを「メディアストア」上に保有されるメディアコンテンツと同期させるプロセスを最適化することを扱う。
【0019】
本発明によって開示されるプロセスは、好ましい実施では、
●ユーザの現在のメディアコンテンツコレクションを識別するステップと、
●前記コレクションのコンテンツを分析して、その分析からユーザの「テイストシグネチャ」を導出するステップと、
●導出された「テイストシグネチャ」を、ユーザの音楽コレクション内の他のメディアコンテンツと、またユーザが例えば音楽有料配信サービスを介してアクセスできるメディアコンテンツからなる任意のより広範なコレクション内の他のメディアコンテンツと照合し、その照合プロセスに基づいて、ユーザに対する「推薦」を獲得するステップと、
●ユーザが同期させるデバイスと対話する方法を分析するステップと、
●前記分析に基づいて、どのメディアコンテンツファイルが前記デバイスに提供されるかを識別するとともに、それらのファイルが提供される優先順位を識別するステップと、
●ファイルをデバイスに提供するステップと
を包含すると見なすことができる。
【0020】
プロセスの各ステージは、以下のセクションにおいて順を追って説明される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1 ユーザのメディアコンテンツを識別し、分析する
好ましい実施形態では、本セクションにおいて開示される技法の1つまたは複数を使用して、同期させるデバイスおよびその所有者に直接的または間接的にリンクされた1組のメディアコンテンツを識別することができる。したがって、好ましい実施形態では、ユーザの「音楽コレクション」である前記組は、できるだけ広い範囲をもつように、その個々の項目とそのメタデータの両方で識別される。
1.1 メディアコンテンツを見つける
ユーザは、メディアコンテンツを様々なロケーションに保存することができ、そのうちのいくつかは、即座にアクセス可能とすることができるが、他のものは、あまり即座にはアクセス可能ではない。ユーザのテイストの分析ができるだけ有益であることを保証するため、そのような分析は、できるだけ包括的でなければならず、そのユーザのメディアコンテンツをアクセスが実用的になるほど多く含まなければならない。
【0023】
その「包括的」基準を満たすため、ユーザのデバイスのコンテンツを検査して、メディアコンテンツを探さなければならず、以下のうちの1つまたは複数を含むが、それらに限定されない、すべての共通記憶ロケーションが調べられる。
【0024】
●Microsoft Windowsの「My Music」/「Music」フォルダ、「My Video」/「Video」フォルダなど、ファイルシステムロケーション。ユーザは、この分析に含まれるメディアファイルの他の何かを識別するよう促されることもある。
【0025】
●iTunes、Windows Media Player、RealPlayer、VLC Player、およびDivX Playerなど、デバイス上にインストールされたすべての識別可能なメディアプレーヤのためのメディアプレーヤローカルデータベース。メディアファイルのデータベースを維持するそれらのプレーヤの場合、そのデータベースに問い合わせを行うことができ、「最近使用されたファイル」リストを維持するそれらのプレーヤの場合、そのリストを検査することができる。
【0026】
●ユーザが所有するCD、DVD、または他の記憶媒体上に保存されたメディアコンテンツなどの物理メディアをそのコンテンツに関して検査することができる。
【0027】
●オンラインメディアストア。ユーザは、実際のファイルを保存することによって明示的に、ファイルを記述するメタデータを保存することによって間接的に、または2つの何らかの組み合わせによってのいずれであるかを問わず、メディアコンテンツをオンラインで保存することができる。ユーザは、MySpace(登録商標)、Last.fm(登録商標)、Flickr(登録商標)、Facebook(登録商標)、Spotify(登録商標)、Amazon(登録商標)、またはエンドユーザによるメディアコンテンツの保存または記述を可能にする他の任意のオンラインファシリティなど、分析に含めたいオンラインストアを識別し、それらへのアクセスを提供するよう促されることがある。
【0028】
この「デバイススイープ(device sweep)」を実行する場合、デバイスまたはメディアプレーヤとともに含まれる、すべての標準の「プレヴュー」メディアコンテンツを分析から除外することが重要であるが、それは、そのようなコンテンツが特定のユーザのテイストを示しておらず、したがって、本発明がその中で利用されるサービスに特有なコンテンツはおそらく別にして、そのようなコンテンツをユーザのデバイスに提供しても、僅かしかまたはまったく目的に役立ち得ないからである。「デバイススイープ」という用語は、単一のデバイスの分析に限定されると解釈すべきではなく、実際、デバイススイープは、関連するメディアファイルを保存できるすべてのデバイスおよびロケーションのスイープを、すなわち、ユーザによって所有またはアクセスされるすべてのデバイス(ユーザの「メディアストア」)と、同じく他人の、例えばユーザに対して推薦を行った友人のメディアストアのスイープを含む。
1.2 メタデータを収集する
「デバイススイープ」の目的は、ユーザの既存のメディアコンテンツと、そのメディアコンテンツに関するユーザの聴取プリファレンス、すなわち、「テイストシグネチャ」とについての情報を収集することである。そのため、スイープは、見出されたメディアコンテンツファイルに関する大量のメタデータの集まりを蓄積する必要がある。そのようなメタデータは、以下のうちの1つまたは複数を含むが、それらに限定されない、いくつかの形式を取ることができる。
【0029】
●MP3ファイルにおいて使用されるID3タグなどの、明示的に埋め込まれたタグ、iTunesなどのメディアプレーヤによって使用されるアルバムアートワーク関連の画像ファイルなどの、連想タグ、およびトラックのジャンル分類など、メディアプレーヤのデータベース内に保存されるメタデータを含む、メディアファイル上のタグ。
【0030】
●ユーザが所有するCD、DVD、または他の記憶媒体上に保存されたメディアコンテンツなどの物理メディアをそのコンテンツに関して検査することができる。例えば、一実施形態では、オーディオCDを読み取ることができ、そのCDのトラックリストおよび関連メタデータを識別するために、CDの識別シグネチャがそのようなシグネチャのデータベースと照合されると、本発明を実施するソフトウェアに前記CDを利用可能にすることをユーザに許可することができる。
【0031】
●利用可能な場合は、再生メトリック(playback metric)。iTunesおよびWindows Media Playerなどの、いくつかのメディアプレーヤは、個々のメディアコンテンツファイルがいつ再生されたか、どれだけの頻度で再生されたか、およびどれだけの時間にわたって再生されたかについての詳細を保存することが可能である。加えて、いくつかのファイルシステムは、再生メトリックの手がかりを提供し、例えば、デフォルトで、NTSFは、特定のトラックがユーザによって最後に再生されたのはいつかに関するインジケータとして使用できる、ファイルの「最終アクセス時刻」を保存する。
【0032】
●いくつかの場合には、DSP(「デジタル信号処理」)技法をメディアコンテンツに適用して、個々のトラックについての追加のメタデータの抽出を可能にすることができる。例えば、デバイス能力が許す場合は、オーディオファイルのDSP処理を適用して、楽曲のムード、テンポ、およびビートなどの詳細を提供することができる。
【0033】
●TrackIDまたは他の何らかのメディアコンテンツシグネチャ生成技術などの、トラック識別技術を各トラックに適用して、デジタル「シグネチャ」を生成することができ、他のメタデータのクロスチェックとして、および/または不完全なメタデータや間違いのあるメタデータが見つかったトラック、またはメタデータが見つからないトラックを識別する方法として、その後、デジタル「シグネチャ」は、特定のトラックを識別するために、そのようなシグネチャのデータベースと照合することができる。
【0034】
●より一般的には、デジタルメディアコレクションに関連するメタデータは、そのメタデータがユーザ生成であるかどうかに係わりなく、タイトル、著者、作曲者、歌手、発行者、ジャンル、分類、発売日を含む日付関連情報、デジタルメディアファイルのロケーション、1つもしくは複数のデジタルメディアファイルを収めたプレイリストを含む、メディア間のリンク、レーティング、埋め込みタグ、関連するアートワーク、再生メトリック、デジタルメディアファイルの再生時間、測定方法を問わないファイルのサイズ、ファイルフォーマット、またはデジタルメディアファイルに関連する他の任意の記述的メタデータのうちの1つまたは複数を含む。
【0035】
このスイープを実行する1つの主要な目的は、ユーザのデバイス(より一般には、ユーザのメディアストア、および関連するサードパーティのメディアストア)上のメディアコンテンツを識別することである。好ましい実施形態では、各トラックについてのメタデータも、メタデータをそれと照合できるより包括的なデータベース、および取り出された各トラックについての追加情報を参照することによって、充実させることができる。
【0036】
「デバイススイープ」の結果として、(それがどこに保存されているかに関係なく)ユーザの利用可能なメディアコンテンツの詳細な記述を構成されている。その記述は、タイトル、アーティスト、再生時間、リリース名、ビート、テンポ、ムードシグネチャ、トラックがユーザによって最後に再生された時刻などの再生メトリック、関連するアートワーク、このユーザによるトラックのレーティング、および/または分析のために利用可能なことがある他の任意の情報などの、「メタデータ」アイテムを含むことができる。
【0037】
このユーザが以前に、本発明を使用して提供されるサービスにデバイスを登録してある場合、ユーザが以前に登録したデバイスからメタデータを獲得することもできる。その場合、好ましい実施形態では、その以前に保存されたメタデータも、「デバイススイープ」から獲得されたデータと、分析のために使用された結果のデータのコレクションが統合される。
1.3 リンクフレンドの重み付け
例示的な一実施形態では、その後、ユーザが自らを、本発明がその中で利用されているメディアコンテンツプロビジョンサービスの1人または複数人の他のユーザに関連付けてある(すなわち、ユーザがそのサービスにおいて「リンクフレンド(linked friend)」を有する)場合、ユーザ自身のメタデータパッケージは、行われるいずれの推薦も、リンクフレンドのメディアではなく、主としてこのユーザ自身のメディアに基づくことを保証するように適切に重み付けされた、リンクフレンドのメタデータパッケージによって、増強することができる。
【0038】
好ましい実施形態では、ユーザのリンクフレンドのメディアコンテンツに与えられる重み付けは、リンクフレンドのタイプに従って設定可能である。
【0039】
例えば、このユーザは、あるサービスに属しており、そのサービスにおいて、彼は、「クロースフレンド(close friend)」として関連付けられたn人の他の個人と、「リンクフレンド」として関連付けられた(そのサービス内でメタデータが利用可能なリンクフレンドのみをカウントした)m人の他の個人を有し、「クロースフレンド」の重み付けは、N%に設定され、「リンクフレンド」の重み付けは、M%に設定されると仮定する。そのような場合、好ましい実施形態は、推薦を行うとき、ユーザのメタデータに与えられる重みが(100−N−M)%になり、各「クロースフレンド」に与えられる重み付けが(N/n)%になり、各「リンクフレンド」に与えられる重み付けが(M/m)%になるように、リンクフレンドのメタデータをユーザのメタデータに統合する。nまたはmが0である場合、関連する成分(それぞれNまたはM)は省かれる。したがって、クロースフレンドまたはリンクフレンドがいないユーザは、自身の利用可能なメディアコンテンツに全面的に基づいた推薦を有する。
1.4 メタデータとしての人口統計
好ましい実施形態では、デバイスタイプも、メタデータの情報源として使用することができ、ユーザの所在地などの他の情報も同様とすることができる(ユーザの国から、GPSを介して、またはIPアドレス分析など2者間における何らかの測定を介して獲得されるような正確な所在地まで、どんな粒度も利用可能である。同様に、「デバイス」は、「ポータブルゲームコンソール」、または「DivXビデオを再生できるデバイス」、または「ゲームコンソールモデルPQT−4381v2.12」、または「BluRayプレーヤを組み込んだデバイス」など、特定のデバイス、または定められたタイプのデバイスからなるクラスを指すことができる)。
【0040】
そのような情報は、特定のデバイスの購買者/ユーザの、および/または与えられた場所の居住者の、人口統計プロファイルを提供するために使用することができる。平凡な例を挙げると、例示的な一実施形態では、そのような情報が使用されると、スペイン国内にいるユーザには、スペイン語のトラックまたはスペインで人気のあるトラックが推薦される傾向が高まる。したがって、同期において、それらのスペインのトラックを優先することができる。そのため、旅行者がもしスペインを訪れていたならば、彼は、あまりよく知らないスペインのトラックが同期中に優先されるのを見出すであろう。
【0041】
加えて、好ましい実施形態では、人口統計情報は、デバイスタイプおよび/またはロケーションに従って組織された、サービスのすべてのユーザの音楽プリファレンスについての分析を保存する、推薦データベースから獲得することができる。
【0042】
好ましい実施形態において保存されるデバイス固有のメタデータは、どのトラックが特定の地域内の特定のデバイスのユーザの間で最も人気があるかに関する情報を含むが、これには、そのようなデバイスの平均的ユーザの人口統計を、そのような人口統計に属するユーザにおけるトラックの人気に関連付けるクロスリファレンスが用いられる(例えば、英国における特定のデバイスの平均的ユーザは18〜25歳の男性であると決定された場合、そのデバイスのユーザに推薦するデフォルトのトラックは、デバイススイープからさらなる特定の情報が入手可能でないならば、そのサービスにおいて英国の18〜25歳の男性の間で一般に人気のあるトラックである)。
【0043】
好ましい実施形態では、ユーザによって明示的に提供される、および/または上で概説した機構を介して識別される、このユーザ自身の人口統計グループ内のユーザのテイストは、上述の「リンクフレンドの重み付け」において開示されたのと同じ、ただし適宜変更した機構を使用して、このユーザに対して行われる推薦を強化するために使用することができる。
1.5 定期的な更新および再生メトリック
好ましい実施形態では、新しいまたは更新されたメディアコンテンツおよび/またはメタデータを見出すために、ユーザのデバイス(および関連するメディアストア)は、好ましい実施形態では設定可能な継続期間からなる規則的な間隔をあけて再スイープされる。検出された変化はいずれも、より関連性のある更新を提供するために、その後、使用される。
【0044】
本発明が、ユーザレーティングおよび/または再生メトリックを記録および伝達できるサービス内で利用される場合、好ましい実施形態では、そのようなメトリックを使用して、将来の推薦がユーザの特定のプリファレンスを考慮するように、ユーザに提供される推薦を更新することができる。
1.6 他の貢献要因
「デバイススイープ」、人口統計分析、リンクフレンドのテイストメトリックの貢献、および本発明がその中で利用されるサービスの使用中に行われるユーザの再生メトリックの進行中の分析に加えて、好ましい実施形態では、ユーザに与えられる推薦に影響し、ひいては同期優先順位にも影響する、様々な追加の要因も利用することができる。
【0045】
好ましい実施形態では、そのような要因は、以下のものを含むが、それらに限定されない。
【0046】
●サービス内のユーザ生成のプレイリストに与えられるキャッチコピーおよびタイトルなどの、ユーザによって提供されるフリーテキストフィールドの内容。
【0047】
●このユーザがリンクフレンドに送ったメディアコンテンツ推薦。
【0048】
●このユーザが受け取り、全部または一部を聴いた、リンクフレンドからのメディアコンテンツ推薦。
【0049】
●ユーザによって「お気に入り」としてマークされた、または何らかの方法でレーティングされたトラック。
【0050】
●既存のデータベース内の関連するトラック。本発明がその中で利用されているサービスがメディアコンテンツメタデータを含むデータベースにアクセスできる場合、トラック間の関連付けを提供することによって推薦プロセスに供給するために、そのメタデータを直接的または間接的に使用することができる。
【0051】
●外部的に識別される関連付け。一実施形態では、オンラインまたはその他での、マルチメディアコンテンツについての項目の自動または手動分析は、2つ以上のアーティスト、トラック、または他の関連するメタデータの間の強い相関を示すことができる。そのような相関も、同様に、推薦プロセスに供給することができる。
【0052】
トラックおよびこのユーザに推薦を行う「最も近い近隣者」(このユーザと同じテイストを共有するユーザ)を見出すために分析を実行するとき、好ましい実施形態では、そのような検討事項および適用可能な他の任意の検討事項を使用して、個々のトラックに与えられる重み付けを増加または減少させることができる。
1.7 グループ検討
ここまでは、本発明の開示は、ユーザのグループではなく、個々のユーザに関係していた。グループを検討する場合、好ましい実施形態は、各グループ内の個人のメタデータをメタデータの単一のコレクションに統合し、その組み合わされたメタデータを、分析および推薦目的で使用する。
【0053】
好ましい実施形態では、その統合は、2つのステージで実行される。
【0054】
●グループ内でトラックが見られた頻度を識別する(すなわち、5人の個人からなるグループにおいて、どのトラックが5人全員の個人のライブラリ内に出現するか、どれが4人の、どれが3人のライブラリ内に出現するかなど)。
【0055】
●グループ内でよりよく共有されるトラックが、そのグループに与えられる推薦により大きな重みを与えるように、その識別された頻度に従って、グループ全体のテイストシグネチャに対する各トラックの貢献に重み付けを行う。
【0056】
グループ推薦の場合、メディアコンテンツの推薦またはメディアに対するテイストを共有する個人の推薦を行う目的で、個々のグループメンバのリンクフレンドが、トラックの全体的な重み付けに貢献することはない。
1.8 空デバイス
最初の使用時など、いくつかの場合では、ユーザのメディアファイルのデバイススイープが実行可能でないことがある。
【0057】
例えば、これは、デバイス上に識別可能なメディアファイルが存在せず、このユーザが以前に、本発明がその中で利用されているサービスにデバイスを登録したことがなく、ユーザが、そのサービス内にリンクフレンドを有さない場合に(またはそのような登録されたデバイスもしくはリンクフレンドが、例えば、貧弱な品質のせいで、もしくはネットワーク接続が存在しないせいで識別できない場合に)、生じることがある。
【0058】
そのような場合でも、「メタデータとしての人口統計」において上で開示されたように、人口統計メタデータのみに基づいて、依然として推薦を行うことができる。
【0059】
好ましい実施形態では、そのような「空白デバイスプロファイル」は、そのタイプの新しい空白デバイスに対する推薦のローディングを支援するために、(国、国内の地域、または必要とされる他のあらゆる粒度などの)適切な場所について、定期的に事前計算される。
2 識別されないトラックを同期させる
「デバイススイープ」フェーズ中に自動的に識別できないメディアコンテンツアイテム(「トラック」)が存在することがある。例示的な一実施形態では、そのようなアイテムは、後の確定的な識別のために、ユーザに照会することができる。例示的な別の実施形態では、そのような識別されないアイテムは、後の時点におけるさらなる分析のために、システムによってタグ付けすることができる。
【0060】
それにも係わらず、そのような識別されないメディアコンテンツも、ユーザデバイス間で同期させることができる。好ましい実施形態では、前記識別されないコンテンツは、必要な場合は、ユーザの他のデバイスに適したファイルフォーマットにトランスコードされ(メディアコンテンツ符号化フォーマットに関して変換され)、前記ファイルのトランスコードされたバージョンは、それらを前記他のデバイスに提供できるロケーションに転送される。別の実施形態では、プロセスは、逆転することができ、すなわち、ユーザの他のデバイスに提供するために利用可能にされる前に、ファイルは、記憶ロケーションに転送され、その後、必要ならば、そこで適切なフォーマットにトランスコードされる。
【0061】
どちらの手法においても、好ましい実施形態では、前記記憶機構は、リモートに配置され、ユーザデバイスへの(インターネットまたはワイヤレスネットワークなどの)ネットワーク接続を介してアクセス可能であるとともに、前記保存されたコンテンツは、元のユーザだけがその保存されたコンテンツへのアクセスが可能であることを保証するために、(暗号化または他の適切な手法によって)「ロック」される。
【0062】
例示的な一実施形態は、異なるユーザの識別されないファイルが実際には同じメディアコンテンツを符号化する場合に、1つのそのようなメディアコンテンツファイルが肯定的に識別された場合に、他のそのようなファイルも自動的に識別され、適切なメタデータを用いてタグ付けされ、適用可能なライセンス法および協定内で可能な場合は、セキュアな記憶機構(「ロッカ(locker)」)からより一般的な使用に移転させることを保証することによって、ファイルを識別するための助けとしてその情報を識別し使用することができる。
【0063】
例示的な一実施形態は、異なるユーザの識別されないファイルが実際には同じメディアコンテンツを符号化する場合に、適用可能な法律がそのようなアクションを取ることを許可する場合、同じファイルを両方のユーザから利用可能にすることによって、その情報を識別し使用して、「ロッカ」内におけるコンテンツの重複を避けることができる。
3 ユーザ−デバイス対話を分析する
メタデータベースの「テイストシグネチャ」を導出するために、ユーザの音楽コレクションを分析することに加えて、好ましい実施形態では、本発明は、ユーザがそのデバイスと対話する方法も、検討中の特定のユーザに関して、および/またはそのようなデバイスの平均的なユーザに関して分析する。
【0064】
検討される要素は、以下のうちの1つまたは複数を含む。
【0065】
●デバイスのユーザインタフェースのどのエリアをユーザが最も頻繁に利用するか。この検討項目に関する追加の情報については、「チャンネルの同期」を参照されたい。
【0066】
●以前登録を行い、他のデバイス上のトラック(または上で開示されたように「チャンネル」)と対話したことのあるユーザの場合、それらの他のデバイス上のメディアコンテンツとのユーザの対話は、現在のデバイスに対する推薦を重み付けるための追加のメタデータとして使用することができる。
【0067】
●そのデバイスタイプの(すなわち、その特定のデバイスの、またはそれが一部を形成するデバイスのクラスの)「典型的」なユーザの人口統計も、「メタデータとしての人口統計」において先に開示されたように、考慮することができる。
【0068】
●デバイスに追加するために、ユーザがどのトラックを特に要求したか。
【0069】
●コンテンツを別途同期させてはいるが、同期させたコンテンツを実際に消費または体験しない「不活発(stale)」なユーザの場合、好ましい実施形態では、設定可能な期間にわたってアプリケーション使用および/またはコンテンツ再生が行われなかった後、同期イベントは、自動的にオフに切り換えられる。自動同期は、次のアプリケーション使用時に自動的に再開され、ユーザが再び「不活発」になるまで有効であり続ける。
【0070】
●ユーザについてのメタデータの分析は、ユーザの年齢、所在地、収入、宗教的信条もしくは無宗教、政治的傾向、教育レベル、職業、性別、性的指向、定義されたものかそれとも導出されたものかに係わらない社会クラス分類、趣味、ユーザが使用する他のデバイス、1つもしくは複数のデバイスとのユーザの対話、またはユーザに関する他の任意の関連するメタデータのうちの1つまたは複数を含む。
【0071】
好ましい実施形態では、本発明は、デバイスの能力も考慮する。検討される要素は、以下のうちの1つまたは複数を含む。
【0072】
●与えられたトラックが、デバイスのユーザインタフェースの異なる部分に同時に配置される場合(例えば、前記トラックが、デバイスのユーザインタフェース内の複数のチャンネルに出現する場合)、好ましい実施形態では、そのトラックは、できるだけ迅速にデバイスのユーザインタフェースにデータが入れられることを保証するために、推薦目的で重み付けすることができる。
【0073】
●異なるデバイスは、再生できるメディアコンテンツファイルのフォーマットに関して能力を有する。例えば、デバイスが、解像度が200×150のスクリーンディスプレイを有する場合、そのデバイスにはるかに高い解像度のビデオを提供することは浪費であり、したがって、好ましい実施形態では、提供されるビデオはいずれも、最初にデバイスの能力に適するようにトランスコードされる。同様に、デバイスは、取り扱い可能なファイルフォーマット、および利用できるDRM保護システムに関して様々である。好ましい実施形態では、本発明は、そのようなデバイス能力メタデータを維持し、適切なフォーマットを使用して、デバイスタイプ毎にプロビジョニングを行うことを保証する。
【0074】
●デバイスの記憶容量も、前記デバイスにどれだけのデータを転送できるかを決定する要因である。デバイスの記憶エリアが満杯になった場合、好ましい実施形態では、本文書で説明される(またOmnifoneの特許出願「Nearest Neighbour & Digital Content Recommendation Techniques」、PCT/GB2010/051113で詳述される)分析によって、または他の任意の互換性のある機構によって生成される推薦を使用して、メディアコンテンツをデバイスから削除し、新しいメディアコンテンツで置き換えることができる順序を決定することができる。
【0075】
●デバイスが、その環境についての有益な情報を報告可能である場合、適切な場合は、その情報を利用して、同期のスケジューリングを支援することができる。例えば、好ましい実施形態では、デバイスが、現在ドッキングステーションまたは充電ステーション内にあると報告した場合、そのような状態では、デバイスがかなりの期間にわたって一貫してネットワークに接続されたままである可能性が高いことに基づいて、大きなファイルの同期に取り掛かることができる。
【0076】
●デバイスがバッテリ駆動型であり、バッテリステータスをクライアントアプリケーションに報告できる場合、好ましい実施形態では、バッテリ寿命がカスタマイズ可能なある閾値を上回る場合に限って、同期を実行することができる。
【0077】
●デバイスのロケーションは、IPアドレス変換、GPS測位、ユーザ報告のロケーション、または他の適切な機構などの機構を介して利用可能である場合、行われる推薦に重み付けを行うために、ならびにデバイスが利用可能なネットワーク接続のタイプおよび速度の決定を、そのようなデータが他の方法では入手可能でない場合に支援するために使用することができる。
【0078】
●一般に、ユーザが同期させるデバイスと対話する方法を分析することから獲得される再生メトリックが存在し、それらの再生メトリックは、ユーザがいつデジタルメディアファイルを再生もしくは視聴したか、ユーザがどこでデジタルメディアファイルを再生もしくは視聴したか、ユーザが1つもしくは複数のどのデバイス上でデジタルメディアファイルを再生もしくは視聴したか、デジタルメディアファイルがいつユーザに利用可能にされたか、ユーザがどれだけの頻度でデジタルメディアファイルを再生もしくは視聴したか、またはデジタルメディアファイルとのユーザの対話に関する他の任意のメタデータのうちの1つまたは複数を詳述するメタデータを含む。
3.1 デバイス接続プロパティ
好ましい実施形態では、特定のデバイスのネットワーク接続のプロパティは、(例えばファイルサイズに基づいて)推薦に影響を与えるために、および/または同期をいつ行うかに関するタイミングを決定するために利用される。好ましい実施形態では、検討される要素は、以下のうちの1つまたは複数を含む。
【0079】
●利用可能な帯域幅。デバイスが利用可能な帯域幅は、そのデバイスに提供できるファイルのサイズを決定するときの検討事項であり、したがって、必要な場合は、(より短い長さに関してか、それとも与えられたデバイスにより適したより効率的な符号化技法に関してかに係わらず)より小さなファイルが好ましいとして推薦に重み付けを行うために使用することができる。
【0080】
●接続の利用可能性。デバイスのネットワーク接続のタイプおよび信頼性は、同期イベントのタイミングに影響を与えるために使用される。
【0081】
●デバイスが、現在ドッキングステーションまたは充電ステーション内にあると報告した場合、そのような状態では、デバイスがかなりの期間にわたって一貫してネットワークに接続されたままである可能性が高いことに基づいて、大きなファイルの同期に取り掛かることができる。
【0082】
●デバイスおよび接続タイプが許す場合、好ましい実施形態では、ベアラ信号のバックチャネルを利用して、本発明がその中で利用されているどんなサービスのサーバにもデータを送信することができる。
【0083】
●デバイスの接続履歴を、同期のスケジューリングに影響を与えるために使用することができる。例えば、ユーザの移動は、一実施形態では、デバイスによってメディアコンテンツサーバに経時的に報告されるIPアドレスの分析による、デバイスの接続履歴の分析を介して、検出可能なことがある。例えば、モバイルデバイスは、特定のワイヤレスネットワークに数時間といったかなりの期間にわたって接続した後、様々な期間にわたって様々な他のwi−fiネットワークに接続し、その後、元のワイヤレスネットワークに戻るといったパターンを示すことがある。
【0084】
好ましい実施形態では、そのような分析は、前記元のワイヤレスネットワークがユーザの「ホームネットワーク」であることを示し、ユーザのデバイスが、最も信頼性が高くおよび/または最も高速なネットワーク接続を有すると決定された時間の間に、デバイスへのダウンロード(および/またはデバイスからのアップロード)をスケジュールすることを可能にする。
【0085】
●デバイスが動作している場所における(低速の接続または信頼性の低い接続に起因する)ネットワーク輻輳に関するメタデータ。好ましい実施形態では、このデータは、直接的に測定することができるとともに、場所、ネットワークプロバイダ、およびタイムゾーンデータに基づいて推測することができる。
【0086】
●例えば、好ましい実施形態では、より個人的な分析を可能にするのに十分な接続履歴データを個人ユーザがまだ構築していない場合など、適切な場合には、人口統計分析から得られる、このデバイスタイプについての平均的な接続時間に関する統計データを使用して、ユーザ固有のデータを増強することができる。
【0087】
例示的な一実施形態では、デバイスは、統計データおよび/または特定のユーザの接続活動の分析から決定される一日の特定の時間にのみ、信頼性の高いネットワーク接続を有する。そのような場合、より大きなファイルの同期−ダウンロード、アップロード、またはその両方−は、一日中いつでも即興的に行う代わりに、特別にスケジュールされた時間まで、(好ましい実施形態では、ダウンロード待ち行列システムを使用して)延期することができる。
4 デバイスをサービスと同期させる
コンテンツ分析が完了した後、ユーザの音楽コレクションを本発明がその中で利用されるサービスと同期させるプロセスは、
図1に示されるように、2つの異なるステージで実行される。
【0088】
1.(「識別されないトラックを同期させる」で開示されたような)前記サービスのカタログ内に存在しないアンマッチコンテンツのためのユーザ独自のコンテンツロッカの生成。
【0089】
2.前記カタログと照合されたコンテンツのためのメタデータの同期。
4.1 プレイリストの再構成
好ましい実施形態では、先に開示されたデバイススイープ中に識別されたプレイリストはいずれも、本発明がその中で利用されるサービス内で再構成される。具体的には、*.M3U、*.pls、および*.wplファイル、または他の任意の適切なプレイリストファイルフォーマットの形式を取るプレイリストファイルなどの、プレイリストファイルは、本発明の一実施形態を形成するMusicStationプラットフォームにおいては、個人ユーザのプロファイルのもとで複製される。そのプロセスが、
図2に示されている。
【0090】
上で開示したように、ユーザのメディアコンテンツが見出され、識別されると、Omnifoneの特許出願「Nearest Neighbour & Digital Content Recommendation Techniques」、PCT/GB2010/051113に詳細に開示されている技法を使用して、または他の任意の互換性のある機構によって、特定のトラック、アーティスト、およびプレイリストに対するユーザの有縁性(affinity)を計算することができる。
【0091】
好ましい実施形態では、そのような推薦生成手順は、先に開示されたデバイススイープから導出されるユーザの「音楽コレクション」の分析によって生成されるユーザのテイストシグネチャと、同期させるデバイスとのユーザの対話履歴の両方を考慮する。
【0092】
上で開示したように、特定のデータのいずれもが利用可能でない場合、好ましい実施形態では、(本文書の「空デバイス」セクションにおいて先に開示したように)それが空デバイスを有する新規ユーザの場合であっても、1組のメディアコンテンツが、ユーザのデバイスに対するプロビジョニングのために利用可能であることを保証するために、人口統計的に導出されたメタデータが利用される。
6 チャンネルの同期
いくつかのデバイスタイプのユーザインタフェースでは、本発明がその中で利用されるサービスは、Omnifoneの特許出願、Channels and Radio stations、PCT/GB2010/050771に詳細に開示されているように、メディアコンテンツを別個の「チャンネル」に分類することができる。
【0093】
特定の「チャンネル」に対するユーザのプリファレンスは、新しいメディアコンテンツのダウンローディングに優先権を与えるため、および好ましい実施形態では、新しいメディアコンテンツに対する推薦に重み付けを行うために、先に「ユーザ−デバイス対話を分析する」において開示されたような、ユーザとデバイスの対話の他の分析のうちの1つまたは複数と組み合わせて使用することができる。
【0094】
好ましい実施形態では、可能な場合は、そのような「チャンネル」には、メタデータおよびトラックが事前に入れられ、どれを優先的にキャッシュすべきかに関する決定は、ユーザに対する推薦の全体、利用可能なネットワーク接続のタイプ、人口統計データ、およびユーザの聴取プリファレンスに関してすでに開示された分析が与えられた場合に、チャンネルに均等にデータを入れることをどのように保証すべきかなど、編集上の検討事項のうちの1つまたは複数に基づく。
【0095】
好ましい実施形態では、エンドユーザは、クライアントデバイスのユーザインタフェースを利用して、利用可能なチャンネルを検索し、興味のあるチャンネルの利用契約(およびそれまで利用契約していたチャンネルの契約解除)を行う。例示的な一実施形態では、前記ユーザは、利用契約チャンネルの異なる組を維持することが許され、そのようなチャンネルの組が0個か、1個か、または複数個かは、デバイス固有であり、前記ユーザが、例えば登録デバイス毎に異なるチャンネルに対して利用契約を行うことを可能にする。
【0096】
前記ユーザがあるチャンネルに対して利用契約を行った場合、好ましい実施形態では、そのユーザの登録クライアントデバイスは、前記ユーザと前記デバイスとについてのチャンネル定義に整合するように、新しいコンテンツで自動的に更新される。
【0097】
与えられたデバイス上で与えられたユーザにどのチャンネルを提示すべきか、および好ましい実施形態では、どのチャンネルにそのチャンネルの定義されたコンテンツの一部または全部を事前ロードすべきかについての初期選択は、好ましい実施形態では、本発明がその中で利用されるサービス上でトラック推薦を提供するために使用される機構と同様の、ただし適宜変更した方法で行われる。例示的な別の実施形態では、チャンネルの前記初期選択は、手動で行われる。
【0098】
好ましい実施形態では、チャンネル固有のコンテンツは、そのデバイスに適したDRM保護を使用して、クライアントデバイス上に安全に保存され、チャンネルについての同期プロセスは、新しいチャンネルコンテンツのために記憶空間を空けるために、旧くなったチャンネルコンテンツを前記デバイスから削除することを含む。
【0099】
そのようなチャンネル自体が「メタチャンネル」にグループ分けされる場合、好ましい実施形態は、前記メタチャンネルを同様に扱う。加えて、好ましい実施形態では、空チャンネルは、ユーザインタフェース内に表示されない。
7 デバイスへのメディアコンテンツの提供に優先順位を付ける
好ましい実施形態では、ユーザのデバイスにメディアコンテンツを提供するには、いくつかの要因を検討する必要があり、そのごく一部を以下に示す。
【0100】
●ユーザの音楽コレクション内のメディアコンテンツのどれが提供されるべきか。好ましい実施形態では、これは、先に開示されたユーザ−デバイス対話の分析に基づいて決定される。
【0101】
●コンテンツのプリエンプティブなキャッシング。どの追加のトラック推薦がデバイスに提供されるべきか。好ましい実施形態では、これは、先に開示された全体的な推薦分析に基づいて決定される。
【0102】
●いつ、どのような順序で、そのような同期を行うべきか。これは、先に「デバイス接続プロパティ」において開示された、デバイスの接続履歴の分析に基づいて決定することができ、または例示的な別の実施形態では、同期は、スケジュールされた間隔で行うことができる。
【0103】
好ましい実施形態では、同期は、デバイスの接続タイプが許す限り継続的に行われる。可能な場合は、データは、とにかく発生した通信があれば、それに「ピギーバック」させて伝送される。例えば、サンプルの一実施形態では、デバイスは、「ポーリング」通信を(本発明がその中で利用されるサービスの)サーバに規則的な間隔で送信する。可能な場合は、先に開示されたトラック再生メトリックまたはデバイススイープから得られるメタデータなどの他のデータも、同時に送信され、したがって、利用可能な帯域幅をより効率的に使用する。
【0105】
●デジタルメディアファイルは、ジャンルによって、推薦によって、アーティストによって、人気によって、または他の任意の方法で分類されたファイルのコレクションとして、デバイスに定期的に提供することができる。
【0106】
●デジタルメディアファイルがデバイスに提供される順序は、ユーザ、ユーザの「テイストシグネチャ」、ユーザのために獲得された推薦のうちの1つまたは複数に関するメタデータと、デバイスに関するメタデータの分析によって決定される。
【0107】
●ユーザは、2人以上のユーザからなるグループを含む。
【0108】
●「デジタルメディアファイル」は、個々のデジタルメディアファイル、デジタルメディアファイルを記述するメタデータ、デジタルメディアファイルのコレクション、またはデジタルメディアファイルのコレクションを記述するメタデータのうちの1つまたは複数から成る。
【0109】
●デバイスは、コンピュータ、モバイルデバイス、専用メディアプレーヤ、ゲーム機、ネットワークを介して接続可能な記憶機構、またはデジタルメディアファイルを再生もしくは表示可能な他の任意のデバイス、あるいは上記の2つ以上の任意の組み合わせである。
【0110】
●デバイスは、永続的か、一時的か、それとも断続的かに係わらず、互いに結合された2つ以上のデバイス、1つもしくは複数の他のデバイスに結合された2つ以上のデバイス、または本発明を実施するサービスがそこで動作するリモートサーバに結合された2つ以上のデバイスのうちの1つまたは複数を含む。
【0111】
●異なるデバイスには異なる同期優先順位を関連付けることができる。