特許第5882912号(P5882912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882912
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】プログラム可能な砲弾
(51)【国際特許分類】
   F42C 11/00 20060101AFI20160225BHJP
   F42C 15/40 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   F42C11/00
   F42C15/40
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-550372(P2012-550372)
(86)(22)【出願日】2011年1月28日
(65)【公表番号】特表2013-518238(P2013-518238A)
(43)【公表日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2011000389
(87)【国際公開番号】WO2011092023
(87)【国際公開日】20110804
【審査請求日】2013年11月21日
(31)【優先権主張番号】102010006530.7
(32)【優先日】2010年2月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506170476
【氏名又は名称】ラインメタル エア ディフェンス アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー ロガー フリック
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−111000(JP,A)
【文献】 米国特許第04144815(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第102006058375(DE,A1)
【文献】 特開平09−280798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42C 11/00
F42C 15/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム可能な砲弾(1)であって、少なくともエネルギー貯蔵装置(5)と、電子ユニット(6)と、雷管(7)とを有し、且つ、更に、
エネルギー伝達のため前記エネルギー貯蔵装置(5)へと送信され得る、周波数(f2)を有する信号を受信するため、及び、
プログラミングのために周波数(f3)を有して送信された信号を受信し且つ該信号をプログラミングのため前記電子ユニット(6)へ送信するための、少なくとも一つのセンサー(2)を有し、
前記プログラミング及び前記エネルギー伝達の両方が、カットオフ周波数未満で導波管として機能する砲身又は砲口制退器を、発射体(1)が通過する間に実行される、砲弾(1)。
【請求項2】
二つのバンドパスフィルター(3、4)が組み込まれており、一方のバンドパスフィルター(3)が、前記周波数(f2)を有する信号を貯蔵装置(5)へと通過させ、他方のバンドパスフィルター(4)が周波数(f3)を有する信号を前記電子ユニット(6)へと送信することを特徴とする請求項1に記載の砲弾。
【請求項3】
前記周波数(f2)を有する信号が貯蔵装置(5)に伝達され、且つ、前記周波数(f3)を有する信号が前記電子ユニット(6)に伝達されるように、切替スイッチ(9)を備える制御装置(8)が組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の砲弾。
【請求項4】
砲弾(1)へのプログラミングの方法及びエネルギー伝達の方法であって、少なくともエネルギー貯蔵装置(5)と、電子ユニット(6)と、雷管(7)とを有し、更に、
周波数(f2)を有する信号を送信することによってエネルギーを発射体(1)に伝達するステップと、
周波数(f3)を有する信号を送信することによって発射体(1)をプログラミングするステップと、
少なくとも一つのセンサー(2)から、
周波数(f2)を有する信号が前記エネルギー貯蔵装置(5)に送信されるステップと、
周波数(f3)を有する信号が前記電子ユニット(6)に送信されるステップとを特徴とし、
前記プログラミング及び前記エネルギー伝達の両方が、カットオフ周波数未満で導波管として機能する砲身又は砲口制退器を、前記発射体(1)が通過する間に実行される、少なくとも一つの前記センサー(2)を有する方法。
【請求項5】
前記送信が、フィルタリングによって実行されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記送信が、制御された切替手段によって実行されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砲身又は均等物を通過中の発射体のプログラミングの課題に関する。更に、砲身等を通過中の発射体へのエネルギー伝達の実行に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラム可能な砲弾のために、発射体へ、爆発時間及び/又は飛翔経路に関する情報を通信させなければならず、つまり、発射体にプログラムを組み込まなければならない。計測された砲口速度V0から爆発時間が計算されるシステムにおいて、情報は、早くても砲口で、且つ/又は、飛翔中に中継され得る。プログラミングが砲身からの放出前に実行されると、一般原理として、発射体は、砲口速度V0でプログラミングユニットに対して相対運動しながら、プログラミングユニットを通過して飛翔する。
【0003】
公知のプログラミングユニットが中国特許出願公開第691143号明細書に記載されている。送信コイルによって、情報が、発射体内又は発射体上のマッチングコイルを介して誘導的に送信される。プログラミングユニットの重い構造に加え、シールドされていない送信コイルは、コイルがアンテナとしても機能するために、望まない放射を出しかねない。放射信号は検出され得るため、関連する銃砲の位置は、それから導き出されてしまう。
【0004】
光ビームの伝達によってプログラミングが実行される方法が、国際公開第2009/085064号から公知である。この目的を達成するために、発射体は、光学センサーをその外周に有する。
【0005】
先行文献ではないが、独国特許出願公開第102009024508号明細書は、特に中口径範囲の発射体又は砲弾のような、発射体追跡機能を有する終末段階誘導砲弾の軌道修正の方法に関する。そこで、発火バースト(連続発火、高速個別発火)の後、個々の発射体に別々に通信することと、その間、個々の発射体のため、地球磁場の方向に関する追加の情報を送信することとが提案された。発射体追跡は、発射体のビームライディング誘導の原理を利用して行われている。この工程において、各発射体は、その発射体に向けられた誘導ビームのみを読み取り、修正パルスの修正トリガーを実現するために追加情報を利用してその空間の絶対回転姿勢を計測することができる。
【0006】
例えばマイクロ波送信器による別の伝達可能性は、欧州特許出願公開第1726911号明細書及び他の文献から当事者にとって公知である。
【0007】
飛翔中のプログラミングは、実際には技術的に可能ではあるが、結果として単純な干渉の影響も受ける。
【0008】
プログラム可能な砲弾にすることを目的として、それに組み込まれた電子機器のため、及び、起爆導火線を開始するため、発射体にエネルギーを供給しなければならない。この目的のため、様々な砲弾は、必要なエネルギーを供給する小さなバッテリーを有する。その他、発射前にプログラムされ且つエネルギー供給されるものがある。エネルギー量が常に充電されている状態だと、例えば保管中又は兵器に設置中に電子機器の異常動作によって発射体の望ましくない爆発が生じ得る。このため、バッテリーのようなシンプルなエネルギー貯蔵装置の使用は、必ずしも適していない。
【0009】
このように安全上の理由から、時間的に発射時に近く、例えば推進装薬の点火後且つ砲身の砲口を飛び出す前にエネルギーを供給することが推奨される。これは、エネルギーを有しないため、発射前に砲弾が爆発し得ないことを確実とする。
【0010】
独国特許出願公開第3150172号明細書のバッテリーは、(発射体)が砲身を飛び出すまで充電されず、機械式タイマーを有することによってこれを実現している。更に独国特許出願公開19941301号明細書のバッテリーは、発射時において最初に高加速度で充電される。
【0011】
独国特許出願公開第488866号明細書によれば、雷管の蓄電器は、発射位置において外部接触によって充電される。独国特許出願公開第102007007404号明細書の記載によれば、点火用蓄電器は、砲口安全装置の終了直後、すなわち、飛翔時間終了の約2秒前に充電される。独国特許出願公開第2653241号明細書によれば、点火用蓄電器は、電磁コイルによって発射前に誘導的に充電される。
【0012】
米国特許出願公開第4144815号明細書は、エネルギー及びデータが発射前に伝達されるように砲身がマイクロ波導体として機能する、エネルギー伝達装置のタイプを記載している。雷管の受信アンテナは、放射信号を受信し、切り替えスイッチを通して、整流装置、又は、受信すべき信号以外のデータをフィルタリングする復調器として機能するフィルターに送信する。この設計において、整流装置は、受信される信号から、保存される供給電源を生成するために機能する。
【0013】
更に、発射体の運動エネルギーからエネルギーを獲得する装置も公知である。ここで、推進装薬の点火による加速から、必要なエネルギーを電磁エネルギーに変換するメカニズムが、発射体内に形成されており、それを発射体内に配置された貯蔵装置に充電する。
【0014】
こうして、中国特許出願公開第586384号明細書は、軟鉄リング及びリング形状の永久磁石が、誘導コイルに対して発射体の軸線方向に配置され、直線的な発射体の加速によって、蓄電器に充電される電圧がコイルにおいて生成される方法を記載している。安全のため、このユニットは、中国特許出願公開第586889号明細書において、発射時の高い加速によってのみ破壊される輸送安全装置を備える。
【0015】
砲身中の発射体の加速の使用は、厳格な正確性を有した制御が不可能となるため、ここで不利となり得る。これは、エネルギー供給を変化させるため、飛翔中、発射体へのエネルギー供給が、多すぎる又は少なすぎる結果となる。エネルギーが少なすぎる場合、機能性が保証されないため不利となる。更に不利なのは、機械エネルギーを電磁エネルギーに変換する、複雑且つこのようにスペースを取る変換メカニズムである。更に、発射時の発射体への極度の環境影響(発射時の衝撃、横加速度及び回転)によって、このメカニズムは破壊され得る。これを排除するため、砲弾の高コスト化のみならず、発射体に追加スペースを必要とし、重量を重くしてしまうことについての設計対策が必要である。
【0016】
発射体ヘッド内の発生器は、独国特許出願公開第2518266号明細書及び独国特許出願公開第10341713号明細書において提案されている。これらについての代替手段は、独国特許出願公開第7702073号明細書、独国特許出願公開第2539541号明細書、又は、独国特許出願公開第2847548号明細書で提案及び実施されているような圧電性結晶の使用である。
【0017】
この点に関して、後の提案は、既に先行技術のエネルギー変換メカニズムを、エネルギー伝達システムに置き換える手法を選択しており、それは、砲口通過時以前に発射体へ必要なエネルギーを印加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、簡潔な構造で最適なプログラミング及び/又は最適なエネルギー伝達を実行可能な発射体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本目的は、請求項1から請求項4の特徴によって実現される。好適な実施形態は、従属請求項に示される。
【0020】
本発明は誘導的及び/又は容量的なプログラミング及びエネルギー伝達の実行の考えに基づく。この目的を達成するために、発射体は、プログラミング信号を受信するセンサー及び当該センサーと電気的に接続され、且つプログラミングを実行するプロセッサーを有し、それによって発射体の爆発を所定の時刻に開始する。電気貯蔵装置は、供給電源をプロセッサーの電子機器に供給する。好適な実施形態において、この貯蔵装置は、砲身及び/又は砲口制退器を通過する間にそのエネルギーを受信する。
【0021】
好適な実施形態において、導波管(砲身、砲口制退器、又は、砲身と砲口制退器との間及び砲口制退器にも取付けられ得る付加的部分)として使用される部分は、カットオフ周波数未満で使用される。独国特許出願公開第102006058375号明細書によれば、発射体又は均等物の砲口速度を計測するためのこうした装置を備える方法は、既に公知である。この文献は、砲身又はランチャーチューブ、及び/又は、導波管(非常に高い導電性を備える壁を有する特徴的断面形状のチューブが導波管とみなされる。主として、四角形及び円形の導波管が技術的に幅広く使用される。)としての砲口制退器の部品の使用を提案しているが、適用可能な導波モードのカットオフ周波数未満で使用されている。国際公開第2009/141055号は、この考えを実行し、更にV0計測の二つの方法を組み合わせている。
【0022】
その出願人による類似した出願は、プログラミング及びエネルギー伝達のための方法及び装置を開示している。それらは主に、プログラミング及び/又はエネルギー伝達のための構成要素の兵器への統合構造について扱っている。ここで、好適にはV0計測は導波管によっても行われる。この場合において、こうした解決方法は、兵器のプログラミング及び発射体へのエネルギー伝達のための基礎を構成することができる。
【0023】
本発明を、図による例示的実施形態を用いて詳細に説明する。図は略図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】バンドパスフィルターを備える、第一変形例に係るプログラム可能な砲弾を示す。
図2】エネルギー経路が接続された、図1のプログラム可能な砲弾を示す。
図3】プログラミング経路が接続された、図2のプログラム可能な砲弾を示す。
図4】砲弾のプログラミングの、又は、砲弾へのエネルギー伝達のプログラミングフローチャート図である。
図5】砲弾のプログラミングの、又は、砲弾へのエネルギー伝達のプログラミングフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1から図3は、周波数f3を有するプログラミング信号及び/又は周波数f2を有するエネルギー伝達信号を受信するための少なくとも一つのセンサー2を備える発射体又は砲弾1を示す。センサーは、例えば、誘導的信号伝達のためのコイル、及び/又は、容量的信号伝達のための電極になり得る。符号7は、電子ユニット(プロセッサー)6及びエネルギー貯蔵装置5に電気的に接続された雷管(電気式)を示す。周波数f2を有する信号は、エネルギー貯蔵装置5にエネルギーを供給し、且つ、周波数f3を有する信号は、電子ユニット6を、例えば爆発時間でプログラミングする。エネルギー貯蔵装置5は、電子ユニット6及び雷管7に電源を供給する。
【0026】
好適実施形態において、エネルギー伝達は、プログラミングの信号に変更され得る。図1の設計において、省スペースのため、同じセンサー2が両方の工程で使用できるように、周波数f3(f3≠f2)を有するプログラミング信号が使用される。こうして、この好適な実施形態において、一つのセンサー2のみが、プログラミングのためのみならず、発射体1の貯蔵装置5にエネルギーを提供するエネルギー伝達のためにも使用される。これは又、発射体1が砲身、砲口制退器等を通過する間のエネルギー伝達が実行される手段によって支持され、プログラミングは、時系列的にこのエネルギー伝達の後に実行される。二つの分離されたセンサーを使用し、それらを固定されるように接続する方法も可能である。
【0027】
図1の好適な例示的実施形態によれば、発射体1におけるエネルギー入力(エネルギー伝達)は、周波数f2の受信を通して行われ、プログラミングは、周波数f3の受信を通して行われる。共通の受信センサー2が両方の周波数で使用されるため、バンドパスフィルター3、4が組み込まれており、周波数f2の信号を貯蔵装置5へパスさせ、又、周波数f3の信号を電子ユニット6へパスさせる。二つのバンドパスフィルター3、4は、こうして受信信号をその周波数に基づき分離する。
【0028】
図2及び図3の第二実施形態において(f2 ≠ f3 又は f2 = f3に設定可能)、制御装置8が、バンドパスフィルター3、4の代わりに組み込まれており、この制御装置は、切替器9又は均等物によって個々の経路、すなわちエネルギー経路及びプログラミング経路に、切替手段を設ける。この点に関して、図2は、エネルギー経路の貯蔵装置5への接続を示し、図3は、センサー2の、プログラミング経路の電子ユニット6への接続を示す。
【0029】
図4は、 f2 ≠ f3の状態のプログラミングシーケンスを示す。図5は、f2 = f3の状態のプログラミングシーケンスを示す。プログラミング及びエネルギー伝達のための兵器の構造は、詳細には示されていない(出願人に関する2つの類似した出願において説明されている)。
【0030】
詳細には示さないが、発射体又は砲弾若しくは破裂弾は、導波管内を飛翔する。導波管HL1内での発射体1へのエネルギー伝達は、第一ステップで実行される。図2及び図3の例示的実施形態に係るバンドパスフィルター3、4又は制御装置8のいずれも、この目的のために使用される。例えば、導波管HL2内のプログラミングが、次いで実行される。この二つの導波管は、一つに統合し、同じ導波管とすることもできる。導波管が複数配置され、順次的に通過させる場合(N>1:Yesに相当)、その工程が繰り返される。そうでない場合、発射体1は導波管を飛び出す。
【0031】
プログラミング及びエネルギー伝達のため、一つの周波数(f2 = f3)のみ使用される場合、発射体1内の電気経路は、交互に開閉させなければならない。最も簡潔な実施形態において、砲弾内のスイッチ8によってこれが実現される。ここでも、発射体1が導波管を飛び出す前に順次的に通過される(N>1:Yesに相当)複数の導波管が存在してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5