(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5882914
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】可変の多孔率を有する騒音を減衰させるカバリングを備えるガス誘導管
(51)【国際特許分類】
F02C 7/24 20060101AFI20160225BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20160225BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
F02C7/24 C
F02C7/00 B
F01D25/30 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-552451(P2012-552451)
(86)(22)【出願日】2011年2月11日
(65)【公表番号】特表2013-519819(P2013-519819A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】FR2011050296
(87)【国際公開番号】WO2011098737
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2014年1月23日
(31)【優先権主張番号】1000590
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501107994
【氏名又は名称】ターボメカ
【氏名又は名称原語表記】TURBOMECA
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブテイ,エリツク・ジヤン−ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゴー,ピエール−リユツク
(72)【発明者】
【氏名】バロン,アントワン・イバン・アレクサンドル
【審査官】
瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−526231(JP,A)
【文献】
特開2008−75647(JP,A)
【文献】
特開2006−348932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 13/00−15/12,23/00−25/36
F02C 1/00− 9/58
F23R 3/00− 7/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス通路(V)を境界付ける壁(12)と、少なくとも1つの共鳴空洞(13)とを備える騒音減衰カバリングを備える、ガス通路(V)に沿ってガスを誘導するためのダクト(10)にして、壁(12)が、騒音の減衰のために、ガス通路(V)を共鳴空洞(13)に流体連通させるための穴(18)が穿孔されているダクトであって、穴(18)がほぼ等しい直径を有し、かつ前記ダクト(10)が上流側から下流側にガスを誘導するように構成されることにより、壁(12)の単位表面積当たりの前記穴(18)の数が、前記ガス通路(V)に沿ってほぼ一定の音響抵抗を前記壁(12)にもたらすために、前記ガス通路(V)に沿って上流側から下流側にかけて連続的に低減することを特徴とする、ダクト。
【請求項2】
壁(12)の単位表面積当たりの穴(18)の数が、前記ダクト(10)の上流側端部(10a)と下流側端部(10b)の間で少なくとも5%低減する、請求項1に記載のダクト。
【請求項3】
連続する穴(18)間の、ダクトの軸(A)に沿った長手方向距離(d)が、上流側から下流側にかけて連続的に増大する、請求項1または2に記載のダクト。
【請求項4】
連続する穴(18)間の、ダクトの軸(A)に対する横方向距離(D)が、上流側から下流側にかけて連続的に増大する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のダクト。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の、ガスを誘導するためのダクト(10)を備えるガスタービンエンジン(1)の排気ノズル。
【請求項6】
請求項5に記載の排気ノズルを備えるガスタービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスフローダクト、より詳細にはガスタービンエンジン内の騒音を低減する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
飛行機またはヘリコプタなどの航空機用のガスタービンエンジンは、通常、ガスの流れの方向に上流側から下流側にかけて1つまたは複数の圧縮機段、燃焼室、1つまたは複数のタービン段、およびノズルなどの排気装置を備える。
【0003】
エンジン製造者が絶えず有する問題は、とりわけ乗客および航空機が上空を飛ぶゾーンの居住者の快適性のために騒音を低減することである。特に、ヘリコプタは、居住ゾーン近くを運航し、これらの排気ノズルの騒音は、発生する全ての騒音のうちかなりの部分を構成する。ノズルから出る騒音の減衰は、ノズルの内壁、したがってガス通路の外側ジャケットを形成する音響減衰カバリングを使用することによって得られ得る。そのようなカバリングは、たとえば、1つまたは複数の共鳴空洞上に現れる穿孔された金属シートを備えることができ、空洞および1つまたは複数の穴の各々の組立体は、ヘルムホルツ共鳴装置を形成する。空洞は、たとえば、ハニカムタイプまたは管状タイプの構造を有することができる。
【0004】
そのような減衰カバリングまたは音響処理は、通常、たとえば0.8から5kHzの間の、平均的であると知られている可聴周波数の減衰を可能にする。処理される可聴周波数はとりわけ共鳴空洞の深さによって決まり、したがって共鳴深さはそれにしたがって寸法設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許第2,905,984号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、騒音の効果的な減衰を、ほとんどコストをかけずに、重量のあるおよび/またはかさばる装置を含むことなく簡単に可能にする騒音減衰カバリングを備える、ガスを誘導するためのダクトを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は特に、ヘリコプタのガスタービンエンジンのノズルを出る騒音の減衰に対して良好に適用される。しかしながら、本出願人は、ガス流が中を進むダクト内における騒音減衰のより一般的な問題を解決してきており、その権利の範囲を本出願まで拡大することを意図する。
【0008】
この理由のため、本発明は、ガス通路を境界付ける壁と、少なくとも1つの共鳴空洞とを備える騒音減衰カバリングを備える、ガス通路に沿ってガスを誘導するためのダクトにして、壁が、騒音の減衰のために、ガス通路を共鳴空洞に流体連通させるために穴が穿孔されている、ダクトであって、穴がほぼ等しい直径を有し、かつ前記ダクトがガスを上流側から下流側に誘導するように構成されることにより、壁の表面積単位当たりの前記穴の数が、前記ガス通路に沿ってほぼ一定の音響抵抗を前記壁にもたらすために、ガス通路に沿って上流側から下流側にかけて連続的に低減するということを特徴とするダクトに関する。
【0009】
「穴の密度」は、壁の表面積単位当たりの穴の数を意味し、換言すれば、壁上の穴の密度は、壁の多孔率に相当し、穴の密度が大きくなるほど壁はより多孔質になる。この密度の連続的な漸進的変化は、数学的意味の連続的な漸進的変化を意味し、すなわちさまざまな(個々の)値が連続的な数学的曲線を辿る進行性の漸進的変化である。
【0010】
本発明により、音響減衰は目覚ましく改良され、特に、ガス通路に沿って最適化され得る。詳細には、穴の密度は、壁の音響インピーダンス(より正確には抵抗)を規定するための重要なパラメータであり、穴の密度がガス通路に沿って連続的に漸進的に変化するので、壁の音響抵抗は、通路に沿って他のパラメータの連続的な変化に対して適応させることができ、それによってこの抵抗したがって音響減衰を、ダクトの壁に沿った位置に応じて最適化することが可能になる。とりわけこれにより、可聴レベル、ガス速度、またはこれもまた壁の抵抗の値に影響を与えるこれらの温度の漸進的変化をダクトの壁に沿って考慮することが可能になる。
【0011】
最終的には、この通路に沿ってほぼ一定の抵抗を壁にもたらすために、ガス速度または可聴レベルの変化を通路に沿って補償することが、多孔率の変化によって可能である。本発明は、1つの同じカバリングによって減衰され得る周波数帯を増やすことではなく、1つの特有の周波数帯、たとえば0.8から5kHzの間の平均周波数帯の減衰を最適化することが狙いである。
【0012】
さらに、そのようなノズルの音響処理がこうして最適化され、詳細には、穴の密度を低減することにより、壁の音響抵抗が上流側と下流側の間で増大する。さらに、ガスの速度だけでなく可聴レベルもまた、上流側から下流側にかけてノズル内で低減し、それによって音響抵抗が上流側と下流側の間で低減する。最終的には、ガス通路に沿って安定化される抵抗、すなわち穴の密度を正しく適応させることによってほぼ一定にすることができる抵抗を壁にもたらすために、穴の密度を低減することにより、ガス速度および可聴レベルの低減が補償される。
【0013】
好ましい実施形態によれば、ダクトは、ガスタービンエンジンのガスを誘導するためのダクトである。
【0014】
この場合の好ましい実施形態によれば、ダクトは排気ノズルである。
【0015】
好ましい実施形態によれば、壁の表面積単位当たりの穴の数は、前記ダクトの上流側端部と下流側端部の間で少なくとも5%、好ましくは5%から10%の間で低減する。
【0016】
好ましい実施形態によれば、ダクトは軸に沿って全体的に延びるため、ガス通路に沿って上流側から下流側にかけて連続的に低減するのは、連続する穴間の長手方向距離である。
【0017】
好ましい実施形態によれば、ダクトは軸に沿って全体的に延びるため、ガス通路に沿って上流側から下流側にかけて連続的に低減するのは、連続する穴間の横方向距離である。
【0018】
本発明はまた、上記で説明されたダクトに適合する、ガスを誘導するためのダクトを備えるガスタービンエンジンの排気ノズルにも関する。
【0019】
本発明はまた、上記で説明されたものと同様の排気ノズルを備えるガスタービンエンジンにも関する。
【0020】
本発明はまた、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の説明によってより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による音響カバリングを有するノズルを備えた、ヘリコプタ用のガスタービンエンジンの概略断面図である。
【
図2】
図1のエンジンのノズルの分解概略斜視図である。
【
図3】平坦に表されたノズルの壁上の
図1の音響カバリングの穴の分布を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すれば、また知られている方法では、ガスタービンのヘリコプタエンジン1は、環状の吸気チャネル3を通して外気が供給される(この場合、遠心性かつ1段だけを有する)圧縮機2と、噴射装置(図示せず)が設けられ、それによって圧縮機2から生じる圧縮ガスの燃焼のための燃料が供給されることが可能になる(この場合は逆流室である)環状燃焼室4とを備える。燃やされたガスは、シャフト6によって圧縮機2に接続され圧縮機2と共に回転式に固定される(この場合は1段だけを有する)第1のタービン5と、(この場合は1段だけを有する)パワータービンと呼ばれる第2のタービン7であって、パワータービン7から、たとえばヘリコプタのブレードを駆動するロータに接続された出力シャフト9に機械的エネルギーを伝達することを可能にするギヤセットにシャフト8によって接続された、第2のタービン7とを駆動する。
【0023】
パワータービン7の出力部において、エンジン1は、ガスを運ぶ通路Vまたはガス通路Vに沿って上流側から下流側に排気を誘導する機能を有する排気装置10、この場合は排気ノズル10を備える。上流側から下流側へのガスの流れの方向は、図では矢印Fによって示されている。
【0024】
ノズル10は、外側ケーシングを画定し、その内側に音響減衰カバリングが装着された外壁またはシェル11を備え、音響減衰カバリングは、壁またはスキンまたは内側金属シート12と、外側シェル11と内壁12の間に配置された共鳴空洞13とを備える。内壁12は、ガス通路Vの外側ケーシングの境界を定める。この壁12は、この場合、製造を簡易化するために複数のパネルから形成されるが、別の実施形態によれば、壁12は、特に軸対称ノズルの場合、一体品として形成されてよいことは言うまでもない。
【0025】
ノズル10は、軸Aに沿って全体的に延びる。より正確には、この場合、ノズル10は、ノズルから出るガスを好ましい方向に向けるためにカーブを有しており、これはヘリコプタに適用するのに有用である。このカーブは、
図2の図で見ることができる。換言すれば、ノズル10の軸Aは曲線式であり、ガス排出のガス流または軸の平均軌道を表すカーブを辿る。詳細には、軸Aは、ガス通路Vの連続するセクションの中心を辿るカーブに対応する。長手方向、半径方向、横方向、内側または外側の概念は、以後の説明においてノズル10のこの全体軸Aを参照して使用され、各長手方向位置において、軸は、実際にはノズル10の内壁12に対して局所的に平行であることが理解され、したがって前記概念は、円筒状の管状ダクトの場合と同じ意味を有するが、類推によってカーブした管状ダクトに置き換えられる。さらに、明確に言えば、以下の説明(より全般的には本発明)は、流れの直線軸を有するダクト、たとえば略円筒形状のダクトにも適用されることが理解される。
【0026】
外壁11および内壁12の曲率に加えて、ノズル10はこの場合、一方側(
図2では下側)が他方側(
図2では上側)より長手方向に長く、すなわち、その下流側の開口10bは斜めにされている。かなり明確に言えば、本発明はまた、この開口においてガスを排出する軸に対して垂直である下流側の開口平面にも適用される。斜めにされた下流側の開口の存在は、2つのエンジンを備える航空機によくあることであり、一方でガスを排出する軸に対して垂直である下流側の開口平面は、単一エンジンを備える航空機によくあることである。
【0027】
ノズル10はまた、上流側の横方向壁14と、外側シェル11と内壁12の間に配置された空洞13を閉じる機能を有する下流側の横方向の壁15とを備える。これらの壁14、15は、ノズル10の上流側の開口10aおよび下流側の開口10bを画定する。さまざまな熱膨張の吸収を可能にするために、内壁12と横方向壁14、15の間のリンクは、好ましくは摺動式である。
【0028】
さらに、強化壁17または強化材17または補強材17が、組立体を強化するために外側シェル11と内壁12の間に横方向に置かれ、この場合ノズル10は、略環状の形状であるが軸対象ではない2つの強化材17を備えるが、その理由は、これらは、内壁12の概ねカーブした形状から生じる凹型ゾーン12aに対応するそれらの円周の一部分が切り取られているためである。強化材17の存在により、空洞13は複数の空洞に分割され、これらの空洞は相互に連通可能であってもなくてもよい。
【0029】
強化材17は、局所的反応処理と呼ばれる処理を施すための音響減衰の第2の機能を実行することができる。したがってこれらは、音響処理空洞13を分割し、したがってこれが減衰する音響周波数を適応させることを可能にし、最終的にこれは、空洞13に、より大きいまたはより小さい容積のハネコム構造を与えることを伴う。
【0030】
内壁12は、ガス通路Vを共鳴空洞13に流体連通させるために複数の穴18が穿孔される。これらの穴18は、内壁12の両側に現れる。
【0031】
図3は、ノズル10の内壁12上の穴18の分布を概略的に表しており、より正確には、
図3は、局所的に、すなわち平坦であると考えることができるほど十分に小さい寸法を有する内壁12の一部分にわたって分布されるときの穴18を表している。穴18は、等しい直径を有し、この場合、スクエアメッシュ分布として分布されている。これらの密度は、ガス通路Vに沿って、すなわちこの場合、ノズル10の概ね曲線式軸Aに沿って、上流側から下流側にかけて(この図では、上流側は右に位置する)連続的に漸進的に変化する。「穴の密度」は、壁12の表面積単位当たりの穴の数を意味する。この場合、これは、ガスの流れ方向、すなわちノズル10の曲線式軸Aの方向の2つの連続する穴18間の空間dであり、換言すれば、内壁12に沿って連続的に漸進的に変化する2つの連続する穴間の長手方向の空間dである。
【0032】
この場合、穴18の密度は、ノズル10の上流側から下流側にかけてガス通路Vに沿って連続的に低減し、すなわち連続する穴間の距離dは、上流側から下流側にかけて増大する。さらに、1つの同じ横方向列の連続する穴18間の横方向または円周方向距離は、この場合一定である(これは、内壁10に対して横方向である平面内における2つの穴18間の曲線式距離Dである)。
【0033】
内壁12に沿った穴18の密度の値および漸進的変化は、実験的に決定される。穴18の最適な分布は、ノズル10の上流側の開口10aと下流側の開口10bの間の複数のパラメータの漸進的変化、とりわけ:
ガスの流れの速度の漸進的変化、
ガスの温度の漸進的変化、
可聴レベルの漸進的変化であって、とりわけ内壁12および共鳴空洞13によって形成された音響減衰カバリングによるその減衰によって変化する、可聴レベルの漸進的変化によって決まる。
【0034】
穴18の分布の漸進的変化により、音響カバリングRの内壁12の音響インピーダンス(より正確には抵抗)を上記のパラメータの漸進的変化に適合させることが可能になり、また可能な場合、上記ですでに説明されたようにこれを壁12に沿ってほぼ一定にすることが可能になる。したがって、インピーダンスは、各長手方向位置において、上記のパラメータに対して局所的に最適化されるために適合され得る。
【0035】
たとえば、穴18の密度を内壁12に沿って実験的に規定するために、以下の方法を適用することが可能である:
第1のステップにおいて、ノズル10内で可能である(出口10bにおける)最小の可聴レベルおよび(入口10aにおける)最大の可聴レベルと、ガスの(出口10bにおける)最小速度および(入口10aにおける)最大速度とを決定し、
第2のステップにおいて、ノズル10の入口10aおよび出口10bにおける最良の音響減衰を得るために対応する最適な音響インピーダンスを計算し、
第3のステップにおいて、ノズル10の上流側端部10aおよび下流側端部10bで算出されたインピーダンス間で補間(線形または非線形)を実施し、これら2つのインピーダンス間の好ましいインピーダンスを決定し、
第4のステップでは、ここから、このインピーダンスを得るのに必要である穴18の密度の値を推定する。
【0036】
したがって、(以下で説明されるように、空洞13の深さを調整することによって)音響減衰カバリングを所与の周波数帯に同調させること、およびこのカバリングRの内壁12の音響インピーダンス、したがって結果として得られる音響減衰の最適化におけるカバリングの効果性を適合させることが可能である。定間隔の穿孔を備えたノズルと比べて、音響減衰は、50%改良され得る(定間隔の穿孔の場合の2dBの減衰に対して3dBの減衰)。この解決策は、部品の追加を伴うことなく、漸進的に変化する密度にしたがって内壁12を穿孔するだけで期待される結果を達成することができるので、一層有利である。
【0037】
好ましくは、ノズル10の入口10aとその出口10bの間の穴18の密度の漸進的変化は、5%以上、好ましくは5%から10%の間である。換言すれば、この場合、ノズル10の出口10bにおける連続する穴18間の長手方向距離dは、ノズル10の入口10aにおける連続する穴18間の長手方向距離dより少なくとも5%大きい。
【0038】
音響減衰カバリングRの周波数同調(すなわちこれが減衰する主要周波数の決定)は、とりわけ空洞13の容積を調整することによって、より具体的にはその半径方向の深さを調整することによって実施される。詳細には、音響減衰カバリングRは、「四分の一波長共鳴装置」、すなわちこれが減衰する周波数帯の中心周波数の波長の四分の一に等しい深さを有する共鳴装置の原理にしたがって作動する。したがって、より高い周波数を減衰することを望めば、空洞13の半径方向の深さはより浅くなければならない。それとは反対に、より低い周波数を減衰することを望めば、空洞13の半径方向深さはより深くなければならない。音響処理を調節するために、減衰される周波数に応じて、空洞13はさらに、複数の空洞に分割されてよく(この分割は、長手方向または横方向であることができ)、この場合、ハネコムタイプの構造を使用することがさらに可能であり、この分割はまた機械的保全の機能を実行することもでき、そのため上記で説明された強化材17もまた、音響処理を調整するためにこの分割機能を実行することもできる。空洞13の長さまたは軸方向の寸法に関しては、結果として得られる音響減衰の割合または効果性に作用する。
【0039】
したがって空洞13の深さを調整することにより、減衰される周波数範囲を選択することが可能である。好ましくは、0から12kHzの間、有利には0.8から5kHzの間、より具体的には2から2.5kHzの間の周波数が減衰される。たとえば、約2kHzに中心を置く周波数帯を減衰させるために、穴が1.2mmに等しい直径を有し、穿孔率が(上流側から下流側にかけて)8から10%で変化し、穴が中に穿孔される金属シートが1mmに等しい厚さを有して、4cmに等しい半径方向深さを有する単一の(またはこの場合2つの機械的保全用強化材17によってのみ分割された)空洞13を提供することが可能である。
【0040】
ノズル10を形成するさまざまな要素は、好ましくは金属から作製され、たとえばニッケルベースの鋼またはチタンで形成される。
【0041】
本発明は、スクエアメッシュを有する穴18の分布を参照して提示されてきたが、他の分布が企図され得ることは言うまでもない。次いでこれらの分布の穴18の密度の漸進的変化が、上記のようにして、穴間の長手方向距離を漸進的に変化させることによって実施されてよく、したがって、穴の分布が、連続する穴間の長手方向および横方向の関係によって規定されることにより、分布の長手方向成分は、ガス通路Vに沿って漸進的に変化させられる。たとえば分布が、大きい長手方向軸および小さい横方向軸を備えたダイアモンド形状タイプのものである場合、連続する穴によって形成されたダイアモンド形状の大きい軸の距離の漸進的変化を規定することが可能である。
【0042】
本発明は、連続する穴間の長手方向距離を変化させることによって得られる穴の密度の連続的な漸進的変化を参照して提示されてきた。図示されない別の実施形態によれば、ガス通路Vに沿って漸進的に変化するのは、横方向の、連続する穴間の横方向(すなわち円周方向)距離である。したがって、たとえばスクエアメッシュの場合、穴の1つの横方向列から別の列にかけて、1つの同じ横方向の列の連続する穴を分離する距離は、ガス通路Vに沿って連続的に増大または低減する。
【0043】
特定の実施形態によれば、ガス通路Vに沿って連続的に漸進的に変化するのは、長手方向および横方向の距離である。
【0044】
本説明は、単一ノズルを備えるガスタービンエンジンを参照して行われてきた。本発明は、他のタイプのノズル、たとえば本出願人の名義による文献仏国特許第2,905,984号明細書に示されたものなどの、ディフューザおよびエジェクタを備えるノズルに適用され、この場合本発明のカバリングは、エジェクタの内側に置かれている。
【0045】
本発明は、より全般的には、ガス流を誘導するためのダクト、特にガスタービンエンジンのダクトに適用される。特に、本発明は、ガスタービンエンジン内の吸気チャネル、たとえば
図1に示されるものと同様の環状ダクト3、または飛行機に使用されることが意図されるターボジェットのファンの空気入口ダクトに適用される。この場合、好ましくは、穴の密度は、圧縮機またはファンから離れるにつれて、すなわち下流側から上流側にかけて除々に低減していく。
【0046】
本発明は、ダクト10の入口10aからその出口10bへの穴の密度の漸進的変化を参照して説明されてきた。ノズル10の一部分だけが処理される場合、穴18の密度の漸進的変化は、この部分だけに起こることは言うまでもない。